説明

ゴルフクラブ用シャフト

【課題】複数の繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトにおいて、バックスピン量を減少させるとともに安定させ、しかも、高い曲げ強度をも付与する。
【解決手段】シャフトの少なくとも細径端乃至200mmに亘る部分に配置された第1のバイアス層21aと、該第1のバイアス層よりも太径側に、該第1のバイアス層とは重ならないように配置された第2のバイアス層21bとを設け、これら各層の具備する炭素繊維の弾性率を適切に設定する。また、シャフトの少なくとも細径端乃至100mmに亘る部分に配置された第1の細径側ストレート層22aと、当該シャフトの少なくとも細径端から150mm乃至200mmに亘る部分に、第1の細径側ストレート層とは重ならないように配置された第2の細径側ストレート層22bを設け、これら各層の具備する炭素繊維として特定の弾性率、引張伸度のものを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブ用シャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフの打球の飛距離は、ボールの初速、打ち出し角度、スピン量で決定することが知られている。ゴルフのスコアを良くするためには、飛距離の安定性が非常に重要であり、よって、安定した飛距離を得るためには、これら3つの要素のバラツキを減少させることが必要となってくる。
【0003】
ボールの初速、打ち出し角度、スピン量は、ゴルフヘッドの特性に依存するが、これら3つの要素の安定性については、ボールを打撃する瞬間のシャフトの動き(変形)が影響をする。特にゴルフクラブ用シャフト(以下、単にシャフトという場合もある。)の細径部の変形がこれらの要素に大きく影響し、この部分のシャフトの曲げ剛性を上げれば、シャフトの変形量を抑制することが出来るため、これらの要素が安定することが知られている。
【0004】
しかしながら、単にゴルフクラブ用シャフトの細径部のシャフトの曲げ剛性を上げると、フィーリングが硬くなったり、ヘッドの返りが悪くなったりするなどのデメリットがある。また、炭素繊維で強化された繊維強化樹脂製のシャフトにおいて、シャフトの曲げ剛性を上げるために弾性率の高い炭素繊維の使用量を多くし過ぎると、一般的に弾性率の高い炭素繊維は引張強度が低いため、シャフトの強度が低下し、シャフトの折損が生じ易くなる。さらにまた、この部分の曲げ剛性を高くし過ぎると、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。
【0005】
これに対し、特許文献1では、クラブヘッドのホーゼル部から5mm〜50mmのシャフトの曲げ剛性を高めることで、打ち出し角度のバラツキを抑えることが出来るとしている。
【0006】
しかしながら、特許文献1のようにクラブヘッドのホーゼル部から5mm〜50mmの間の曲げ剛性を高めると、クラブヘッドのホーゼル部のシャフトの曲げ剛性が極端に低くなる構造となるため、ホーゼル部でのシャフトの折損を生じやすいという欠点がある。
【0007】
上記とは反対に、ゴルフクラブシャフトの細径部のシャフトの曲げ剛性を下げると、ヘッドの返りが良くなって、ボールの打ち出し角度が上がり飛距離を向上させ易いメリットがある。しかし、ヘッド近傍のシャフトの曲げ剛性が低すぎると打点がバラツキ易く、飛距離の安定性には欠けるデメリットがある。また、シャフトの曲げ剛性を下げるために、炭素繊維で強化された繊維強化樹脂製のシャフトにおいて、炭素繊維の使用量を減らすと、シャフトの強度が低下し、シャフトの折損が生じやすくなる。
【0008】
これに対し、特許文献2、3では、5〜150GPaの炭素繊維を補強層に用いることによって、強度を低下することなく、シャフトの曲げ剛性を下げることが出来るとしている。
【0009】
しかしながら、特許文献2、3では、強度を下げずにシャフトの曲げ剛性を下げることが可能ではあるが、安定した打ち出し角度、スピン量を得ることが出来ない。
【0010】
また、本発明者は、シャフトの細径部の曲げ剛性が高く、シャフトの細径部の変形が抑制され、かつ、十分な曲げ強度をも有するシャフトとして、その細径部に、特定の第1の繊維強化樹脂層と第2の繊維強化樹脂層とが重なり合わないように設けられたシャフトを提案している(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3518783号公報
【特許文献2】特許第3296970号公報
【特許文献3】特許第3317619号公報
【特許文献4】特開2009−189554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献4に記載されたシャフトでは、上下および左右の打ち出し角度が安定するものの、バックスピン量が多く、そのために、十分な飛距離が得られない傾向にあった。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、バックスピン量を減少させるとともに安定させることができ、しかも、高い曲げ強度をも有するゴルフクラブ用シャフトの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)複数の繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトであって、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とが積層されたバイアス層と、炭素繊維がシャフト軸方向に配向された細径側ストレート層とを有し、前記バイアス層は、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端乃至200mmに亘る部分に配置された第1のバイアス層と、該第1のバイアス層よりも太径側に、該第1のバイアス層とは重ならないように配置された第2のバイアス層とからなり、前記第1のバイアス層中の炭素繊維の弾性率は、前記第2のバイアス層中の炭素繊維の弾性率よりも少なくとも50GPa大きく、前記細径側ストレート層は、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端乃至100mmに亘る部分に配置された第1の細径側ストレート層と、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端から150mm乃至200mmに亘る部分に、前記第1の細径側ストレート層とは重ならないように配置された第2の細径側ストレート層とからなり、前記第1の細径側ストレート層中の炭素繊維は、弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上であり、前記第2の細径側ストレート層中の炭素繊維は、弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上であることを特徴とするゴルフクラブ用シャフト
(2)前記第1の細径側ストレート層は、厚さが、0.125mm以下である(1)に記載のゴルフクラブ用シャフト。
(3)前記第2の細径側ストレート層は、厚さが、0.125mm以下である(1)又は(2)に記載のゴルフクラブ用シャフト。
(4)前記バイアス層は、前記細径側ストレート層よりも内側に形成されている(1)〜(3)のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
【発明の効果】
【0015】
本発明のゴルフクラブ用シャフトによれば、バックスピン量を減少させるとともに安定させることができ、しかも、高い曲げ強度をも有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のゴルフクラブ用シャフトの一実施形態例について、これを構成するプリプレグの裁断形状と、巻き付け順序とを示す説明図である。
【図2】実施例で使用したマンドレルの概略説明図である。
【図3】実施例でゴルフクラブ用シャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、マンドレルへの巻き付け順序とを示す説明図である。
【図4】ゴルフクラブ用シャフトの3点曲げ試験装置の概略図である。
【図5】比較例でゴルフクラブ用シャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、マンドレルへの巻き付け順序とを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、例えば、図1のパターン1〜7に示すような裁断形状を有するプリプレグ21〜27を、パターン1〜7の順番でマンドレル10に巻き付けて積層した後、加熱硬化した複数の繊維強化樹脂層で構成されるものであって、バイアス層(第1のバイアス層および第2のバイアス層)と、細径側ストレート層(第1の細径側ストレート層および第2の細径側ストレート層)とを少なくとも有する。
バイアス層は、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とが積層してなる。この例では、バイアス層はプリプレグ21から形成され、具体的には、第1のバイアス層はプリプレグ21aから形成され、第2のバイアス層はプリプレグ21bから形成される。一方、細径側ストレート層は、炭素繊維がシャフト軸方向に配向された層であり、プリプレグ22から形成される。具体的には、第1の細径側ストレート層はプリプレグ22aから形成され、第2の細径側ストレート層はプリプレグ22bから形成される。
以下、各層について説明する。
【0018】
[バイアス層]
バイアス層は、図1のパターン1のプリプレグ21から構成される層であって、プリプレグ21aから形成される第1のバイアス層と、プリプレ部21bから形成される第2のバイアス層とからなる。この例では、各プリプレグ21a、21bは、+45°に配向された層(+45°層)と−45°に配向された層(−45°層)とが、矢印A方向にややずれるように重ねられて貼り合わされ、各々構成されている。図中、符号αで示す距離が「ずれ」に相当し、この例では、マンドレル10に巻き付けた場合に、+45°層と−45°層とが半周分ずれるように重ねられている。
【0019】
プリプレグ21のうち、第1のバイアス層に相当するプリプレグ21aは、シャフトの細径端(図中左端)側に配置され、第2のバイアス層に相当するプリプレグ21bは、プリプレグ21aよりも太径側に配置される。そして、これらプリプレグ21aとプリプレグ21bとは、互いに重ならないように、それぞれの切断面が突合部30a、30bで突き合わされて配置され、パターン1の形状とされている。
【0020】
このようにプリプレグ21は、プリプレグ21aの+45°層と−45°層、プリプレグ21bの+45°層と−45°層から構成されている。
具体的には、プリプレグ21aの+45°層は、シャフトの細径端から距離Lxに亘る部分までは、巻き回数が緩やかに漸減するように設定され、それ以降、細径端からの距離がLyとなる位置までは、巻き回数が急激に漸減するように設定されている。一方、プリプレグ21bの+45°層は、シャフトの細径端から距離Lxに亘る部分までは、配置されず、それ以降、細径端からの距離がLyとなる位置までは、巻き回数が急激に漸増するように設定され、距離Lyよりも太径側では、巻き回数が緩やかに漸減した後、漸増するように設定されている。最終的には、細径端と太径端とでは、太径端の巻き回数の方が少なくなるように設定される。このように細径端側の巻き回数が多いと、ねじれ剛性(トルク)を小さくできる。なお、この例では、距離Lyよりも太径側では、巻き回数が緩やかに漸減した後、漸増するように設定されているが、巻き回数が緩やかに漸減した後、一定になってもよい。
そして、プリプレグ21aの+45°層が急激に漸減するとともに、プリプレグ21bの+45°層が急激に漸増する部分が、プリプレグ21aの+45°層とプリプレグ21bの+45°層とが突き合わされる突合部30aであって、この突合部30aは、突き合わされる層の炭素繊維の配向角度と同じ+45°(シャフト軸方向に対する切断面の角度)となるように形成されている。
【0021】
また、同様に、プリプレグ21aの−45°層は、シャフトの細径端から距離Lxに亘る部分までは、巻き回数が緩やかに漸減するように設定され、それ以降、細径端からの距離がLyとなる位置までは、巻き回数が急激に漸減するように設定されている。一方、プリプレグ21bの−45°層は、シャフトの細径端から距離Lxに亘る部分までは、配置されず、それ以降、細径端からの距離がLyとなる位置までは、巻き回数が急激に漸増するように設定され、距離Lyよりも太径側では、巻き回数が緩やかに漸減した後、漸増するように設定されている。最終的には、細径端と太径端とでは、太径端の巻き回数の方が少なくなるように設定される。なお、この例では、距離Lyよりも太径側では、巻き回数が緩やかに漸減した後、漸増するように設定されているが、巻き回数が緩やかに漸減した後、一定になってもよい。
そして、プリプレグ21aの−45°層が急激に漸減するとともに、プリプレグ21bの−45°層が急激に漸増する部分が、プリプレグ21aの−45°層とプリプレグ21bの−45°層とが突き合わされる突合部30bであって、この突合部30bは、突き合わされる層の炭素繊維の配向角度と同じ−45°(シャフト軸方向に対する切断面の角度)となるように形成されている。
【0022】
また、プリプレグ21aとプリプレグ21bとは、互いに異なる弾性率の炭素繊維を具備しており、具体的には、プリプレグ21a(第1のバイアス層)中の炭素繊維は、プリプレグ21b(第2のバイアス層)中の炭素繊維よりも、弾性率が少なくとも50GPa大きく設定されている。
【0023】
このようにプリプレグ21a(第1のバイアス層)中の炭素繊維は、プリプレグ21b(第2のバイアス層)中の炭素繊維よりも、弾性率が少なくとも50GPa大きく、好ましくは250GPaまでの範囲内で大きく設定されると、得られるシャフトは、ボールを打撃する瞬間のシャフトの細径部の変形、特に曲げと捩りが抑制され、その結果、方向性(打ち出し角度)、ボールのスピンが安定し、バックスピン量も減少し、かつ安定化するものとなる。
また、ここでプリプレグ21aとプリプレグ21bとは重ね合わされないように、突き合わされて配置されているために、それぞれのプリプレグ21a、21bはそれぞれが具備する炭素繊維の弾性率による作用を十分に発揮し、その結果、上記の効果が得られる。
また、その際、プリプレグ21aにより形成される第1のバイアス層をシャフトの少なくとも細径端乃至200mmに亘る部分に配置することにより、このような炭素繊維による作用をより十分に発揮できる。このように第1のバイアス層を配置するには、距離Lyを少なくとも200mmに設定すればよいが、好ましくは、距離Lxが少なくとも200mmとなるようにする。
【0024】
第2のバイアス層は、第1のバイアス層と重ならないように、第1のバイアス層よりも太径側の少なくとも一部に配置されればよいが、好ましくは、図示例のように、太径端(図中右端)までに亘るように、第1のバイアス層が配置されていない部分の全長に亘って配置されることが好ましい。
【0025】
また、各突合部30a、30bの角度と、突き合わされる層の炭素繊維の配向角度とを同じ角度にすることによって、各突合部30a、30bにおいて炭素繊維が切断されることなく、プリプレグ21aとプリプレグ21bとを一体化することが出来る。そのため、シャフトの強度を低下させることなく、曲げ剛性を変化させることが出来る。各突合部30a、30bの角度と、突き合わされる層の炭素繊維の配向角度とを同じ角度にするためには、距離Lxに応じて距離Lyを適切に設定すればよい。
【0026】
なお、通常、繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトは、加熱硬化後に細径端部と太径端部とをカットして長さを調整する。ここで言う距離Lxは、このようにカットした後の長さが少なくとも200mmとなるように設定する。例えば、細径端部を10mmカットする場合は少なくともLx=210mm、細径端部を20mmカットする場合は少なくともLx=220mmと設定しておけばよい。すなわち、各距離は、カット後を基準とするものである。
【0027】
また、プリプレグ21aの厚さ(+45°層と−45°層の総厚)とプリプレグ21bの厚さの差は、0.05mm未満であることが好ましい。0.05mmを超えると、外径に差が出るため曲げ剛性が大きく変化したり、応力集中により折損が発生し易くなったりする傾向がある。
【0028】
各プリプレグ21a、21bでは、炭素繊維が強化繊維として使用されている。炭素繊維は、軽量、かつ高強力な無機系繊維のなかでも、特に比強度、比剛性に優れる。炭素繊維としては、一方向性材料である長繊維を用いることが本発明の効果を得るうえで好適である。
【0029】
各プリプレグ21a、21bを構成するマトリックス樹脂には、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を使用することができるが、好ましくは熱硬化性樹脂が用いられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、およびこれらの混合樹脂を用いることができる。一方、熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびこれらの混合樹脂を使用することができる。中でも、エポキシ系樹脂は硬化収縮率が少なく、高い剛性と靭性値を有するので、最も好ましく使用される。
【0030】
[細径側ストレート層]
細径側ストレート層は、図1のパターン2のプリプレグ22から構成される層であって、炭素繊維がシャフト軸方向に配向された層からなる。
この細径側ストレート層は、プリプレグ22aから形成される第1の細径側ストレート層と、プリプレグ22bから形成される第2の細径側ストレート層とからなり、プリプレグ22aは、シャフトの細径端(図中左端)側に配置され、プリプレグ22bは、プリプレグ22aよりも太径側に配置される。そして、これらプリプレグ22aとプリプレグ22bとは、互いに重ならないように、それぞれの切断面が突合部31で突き合わされて配置され、パターン2の形状とされている。
【0031】
具体的には、プリプレグ22aは、シャフトの細径端から距離Laに亘るまでは、巻き回数が一定(例えば1回。)になるように設定され、それ以降、細径端からの距離がLa+Lcとなる位置までは、巻き回数が漸減するように設定されている。一方、プリプレグ22bは、シャフトの細径端から距離Laに亘る部分までは、配置されず、それ以降、細径端からの距離がLa+Lcとなる位置までは、巻き回数が漸増するように設定されている。それ以降、距離La+Lcの位置〜距離La+Lc+Lbの位置までは、巻き回数が一定(例えば1回。)になり、それ以降、距離La+Lc+Lb+Ldとなる位置までは、巻き回数が漸減するように設定されている。
そして、プリプレグ22aが漸減するとともに、プリプレグ22bが漸増する部分が、プリプレグ22aとプリプレグ22bとが突き合わされる突合部31である。
【0032】
また、プリプレグ22a(第1の細径側ストレート層)中の炭素繊維は、弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上であり、プリプレグ22b(第2の細径側ストレート層)中の炭素繊維は、弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上である。
【0033】
このようにプリプレグ22aとプリプレグ22bとが重ね合わされないことで、それぞれのプリプレグ22a、22bはそれぞれが具備する炭素繊維の弾性率および引張伸度による作用を十分に発揮することができる。
また、その際、プリプレグ22aにより形成される第1の細径側ストレート層をシャフトの少なくとも細径端乃至100mmに亘る部分に配置し、かつ、プリプレグ22bにより形成される第2の細径側ストレート層をシャフトの少なくとも細径端から150mm乃至200mmに亘る部分に配置することにより、このような炭素繊維による作用をより十分に発揮できる。また、特にこのような第2の細径側ストレート層を設けることにより、シャフトに高い曲げ強度を付与でき、折損する確率が非常に少ないゴルフクラブ用シャフトとすることが出来る。
【0034】
このように第1の細径側ストレート層と第2の細径側ストレート層とを配置するには、距離La+Lcを少なくとも100mm、好ましくは距離Laを少なくとも100mmとする。そして、同時に、距離Laが150mm未満、好ましくは距離La+Lcが150mm未満であり、距離La+Lc+Lb+Ldが200mmを超え、好ましくは距離La+Lc+Lbが200mmを超えるようにすればよい。
【0035】
また、距離Lcは、ボールの打撃時の曲げ応力集中を緩和する上で非常に重要であり、距離Lcが短過ぎると打撃時の曲げ応力により折損し易くなり、長過ぎるとシャフトの曲げ剛性が高くなり過ぎてしまう。そのため、距離Lcは、20mm〜50mmが好ましく、30mm〜40mmがより好ましい。また、距離Ldも応力集中を緩和する上で重要であり、20mm〜70mmが好ましく、30mm〜60mmがより好ましい。
また、距離Lbは、シャフトの曲げ剛性をあまり上げずに、十分な曲げ強度を得るために重要であり、距離Lbが短過ぎると打撃時の曲げ応力により折損し易くなり、長過ぎるとシャフトの質量が重くなってしまう。そのため、距離Lbは50mm〜100mmが好ましく、70〜80mmがより好ましい。すなわち、距離Lbに対応する部分(距離La+Lc〜距離La+Lc+Lb)が、少なくともシャフトの細径端から150mm乃至200mmに亘る部分となることが好適である。
【0036】
なお、上述したように、通常、繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトは、加熱硬化後に細径端部と太径端部とをカットして長さを調整するので、各距離は、カット後を基準とする。
【0037】
プリプレグ22a中の炭素繊維は、弾性率が350GPa以上である必要がある。弾性率が350GPa未満であると、このプリプレグ22aが設けられた部分で十分な曲げ剛性を得ることが出来ないので、打点のバラツキが大きくなる。好ましい弾性率は、400GPa以下である。また、炭素繊維の引張伸度が1.2%以上である必要がある。引張伸度が1.2%未満であると、打球時におけるシャフトの変形において、シャフトが折損する確率が極めて高くなるからである。好ましい引張伸度は、3.0%以下である。
このような観点から、炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル繊維を原料とするPAN系の高弾性炭素繊維が好適である。
【0038】
プリプレグ22aの厚さは、0.125mm以下であることが好ましい。プリプレグ22aの厚さが0.125mmを超えると、このプリプレグ22aが設けられた部分のシャフトの曲げ剛性が高くなり過ぎて、フィーリングが悪くなる場合がある。また、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。なお、好ましい厚さは、0.05mm以上である。
【0039】
プリプレグ22b中の炭素繊維は、弾性率が100GPa以下である必要がある。弾性率が100GPaを超えると、このプリプレグ22bが設けられた部分シャフトの曲げ剛性が高くなり過ぎて、フィーリングが悪くなる場合がある。また、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。好ましい弾性率は、30GPa以上である。また、炭素繊維の引張伸度が1.2%以上である必要があり、好ましくは3.0%以下である。
このような観点から、炭素繊維としては、ピッチを原料とするピッチ系の低弾性炭素繊維が好適である。
【0040】
プリプレグ22bの厚さは、0.125mm以下であることが好ましい。プリプレグ22aの厚さが0.125mmより大きいと、このプリプレグ22bが設けられた部分のシャフトの曲げ剛性が高くなり過ぎて、フィーリングが悪くなる場合がある。また、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。なお、好ましい厚さは、0.05mm以上である。
【0041】
プリプレグ22a、22bを構成するマトリックス樹脂には、例えば上記例示した樹脂を使用でき、好ましくは熱硬化性樹脂、中でも、エポキシ系樹脂が同様の理由から最も好ましく使用される。
【0042】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、上述したような特定のバイアス層と特定のストレート層とを有する限り、他の層を有していてもよい。例えば、図示例のように、内側から上述のバイアス層と、ストレート層とが順次形成され、さらに、他のストレート層が複数形成された層が好適である。
また、上述したような特定のバイアス層と特定のストレート層との間には、他の層が形成されていてもよいし、特定のストレート層が特定のバイアス層よりも外側に形成されていてもよい。
さらにこの例では、第1のバイアス層と第2のバイアス層とが突き合わされ、第1の細径側ストレート層と第2の細径側ストレート層とが突き合わされているが、これらは重ならない限り、例えば、製造上不可避な程度の間隔を有して配置されていてもよい。
【0043】
以上説明したように、このようなゴルフクラブ用シャフトは、複数の繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトであって、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とからなるバイアス層と、炭素繊維がシャフト軸方向に配向されたストレート層とを有している。そして、バイアス層は、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端乃至200mmに亘る部分に配置された第1のバイアス層と、この第1のバイアス層よりも太径側に、第1のバイアス層とは重ならないように配置された第2のバイアス層とからなり、第2のバイアス層中の炭素繊維の弾性率は、第1のバイアス層中の炭素繊維よりも少なくとも50GPa大きく構成されている。また、ストレート層は、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端乃至100mmに亘る部分に配置された第1の細径側ストレート層と、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端から150mm乃至200mmに亘る部分に、第1の細径側ストレート層とは重ならないように配置された第2の細径側ストレート層とからなり、第1の細径側ストレート層中の炭素繊維は、弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上であり、第2の細径側ストレート層中の炭素繊維は、弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上である。
そのため、ボールを打撃する瞬間のシャフトの変形、特に曲げと捩りを極力抑えることが出来、バックスピン量を減少させるとともに安定させることができ、方向性も安定する。また、同時に高い曲げ強度を達成することができるため、折損する確率が非常に少ないゴルフクラブ用シャフトとすることができる。
【0044】
本発明の構成は、長さが1041mm〜1219mm、シャフトの質量が40g〜85gのいわゆるウッド用のゴルフクラブ用シャフトに適用することで、その効果がより十分に発揮される。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、大型ヘッドとの組み合わせにも好適である。大型ヘッドとしては、体積が380cm〜460cm、慣性モーメント3500g・cm〜5900g・cmの大型ヘッドが挙げられる。本発明のゴルフクラブ用シャフトは、このような大型ヘッドを装着しても、バックスピン量を減少させるとともに安定させることができ、方向性も安定する。
【実施例】
【0045】
次に、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
実施例および比較例で作製したゴルフクラブ用シャフトの材料を以下に示す。
プリプレグA:炭素繊維プリプレグ HSX350C125S(厚さ0.098mm、三菱レイヨン株式会社製、炭素繊維の弾性率450GPa、引張伸度1.0%)
プリプレグB:炭素繊維プリプレグ HRX350C125S(厚さ0.098mm、三菱レイヨン株式会社製、炭素繊維の弾性率390GPa、引張伸度1.2%)
プリプレグC:炭素繊維プリプレグ E052AA−10N(厚さ0.109mm、日本グラファイトファイバー株式会社製、炭素繊維の弾性率54GPa、引張伸度2.0%)
プリプレグD:炭素繊維プリプレグ TR350C100S(厚さ0.084mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグE:炭素繊維プリプレグ MR350C175S(厚さ0.141mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグF:炭素繊維プリプレグ MR350C150S(厚さ0.127mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグG:炭素繊維プリプレグ TR350C150S(厚さ0.127mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグH:炭素繊維プリプレグ MR350E125S(厚さ0.113mm、三菱レイヨン株式会社製)
【0046】
(実施例)
<マンドレル>
図2に示す形状のマンドレル10を用意した。このマンドレル10は、鉄製の円筒体からなり、全体の長さL3にあって、その細径端P1から長さL1の位置(切換点)P2まで、その外径が直線的に漸増し、切換点P2から長さL2の太径端P3まで、その外径は一定である。
本実施例による前記マンドレル10の各部位における具体的な外径、長さ、テーパー度は以下のとおりである。
細径端P1の外径は4.00mm、切換点P2の外径は13.50mm、この切換点P2から太径端P3までは同一外径(13.50mm)である。細径端P1から切替点P2までの長さL1は950mm、切替点P2から太径端P3までの長さL2は550mmである。マンドレル10の全体長さL3は1500mmとなる。また、細径端P1から切替点P2までのテーパー度は10.00/1000とされている。
【0047】
<プリプレグの裁断および巻きつけ>
図3のパターン1〜7に示す形状に各種プリプレグ(プリプレグA〜H)を裁断した。
すなわち、パターン1では、シャフト軸方向に対し炭素繊維の配向角度が+45°となるように裁断したプリプレグAとプリプレグBを重なりがないように突合部30aで突きあわせた。同様に、シャフト軸方向に対し炭素繊維の配向角度が−45°となるように裁断したプリプレグAとプリプレグBを重なりがないように突合部30bで突き合わせた。その後、これらをマンドレル10に巻いた際に実質的に半周ずれるようずらして貼り合わせた。
そして、この2枚を貼り合わせたプリプレグ全体のサイズを、全長が1190mmで、細径端の巻き回数が5.5、太径端の巻き回数が2.8となるように調整した。
また、パターン1中のプリプレグAおよびBのサイズは、図3中のLx、Lyが、それぞれ、Lx=265mm、Ly=365mmとした。
【0048】
パターン2では、プリプレグBおよびCについて、シャフト軸方向に炭素繊維が配向し、図3中のLa、Lb、Lc、Ldが、それぞれ、La=110mm、Lb=80mm、Lc=30mm、Ld=60mmであり、巻き回数は1回となるよう調整した。なお、図3のパターン2のプリプレグBとプリプレグCとは、互いの切断面が突合部31で突き合わされて、プリプレグBおよびプリプレグCの片面に貼られている剥離紙の上からテープ止めされている。この剥離紙およびテープは、このパターン2のプリプレグBおよびプリプレグCを後述のマンドレルの巻きつけした後に剥離される。
【0049】
パターン3では、プリプレグDのサイズを、シャフト軸方向に炭素繊維が配向し、全長が600mmであり、巻き回数が1回となるよう調整した。
パターン4〜6では、プリプレグE〜Gのサイズを、シャフト軸方向に炭素繊維が配向し、全長が1190mmであり、巻き回数が1回となるよう調整した。
パターン7では、プリプレグHのサイズを、シャフト軸方向に炭素繊維が配向し、細径端の外径が8.70mm程度になるよう調整した。
なお、図3のパターン1〜7に示すプリプレグA〜Hは、図1のパターン1〜7に示すプリプレグ21〜27にそれぞれ相当する。
【0050】
次に、それぞれ裁断したプリプレグをパターン1〜7の順番にマンドレル10に巻き付けた。巻き付けは、マンドレルの細径端から20mmを巻き付けの端部とした。
次に、厚さ20μm、幅30mmの熱収縮性を有するポリプロピレンテープ(不図示)を巻き付けピッチ2mmの条件で巻き付けて固定し、マンドレル10に形成したシャフト素管を得た。
【0051】
<樹脂の硬化、およびシャフト素管表面の研磨>
シャフト素管を硬化炉に入れ、145℃で2時間加熱してプリプレグの樹脂の硬化処理を行った後、ポリプロピレンテープとマンドレル10とを取り除いた。
得られたゴルフクラブ用シャフト素管の両端を各々10mmカットして、全長を1170mmとした。
研磨前のシャフトの片持ちフレックス(細径端から920mmの位置を固定して、シャフト細径端から10mmの位置に3kgの錘を掛けたときのシャフト細径端のたわみ量)は142mmであった。また研磨前のゴルフクラブ用シャフト素管の細径端の外径は8.77mm、太径端の外径は15.41mmであった。
このゴルフクラブ用シャフト素管を、細径端の外径が8.50mm、片持ちフレックスが150mmとなるよう、円筒研磨機で表面の研磨仕上げを行い、実施例のゴルフクラブ用シャフトを得た。
【0052】
実施例のゴルフクラブ用シャフトの質量は61.2g、シャフトのねじれ角(シャフト細径端から1035mmの位置を固定し、シャフト細径端〜シャフト細径端から50mmの位置に、138.5kgf・mmのトルクを掛けたとき、シャフトがねじれた角度。)は3.5度であった。
【0053】
<ゴルフクラブヘッド、およびグリップの取り付け>
実施例のゴルフクラブ用シャフトに、市販のチタン製ドライバー用ゴルフクラブヘッド(体積460cm3、質量203g、ロフト角9.5°)をエポキシ樹脂接着剤で細径端部に取り付けた。さらに、シャフト太径端部を75mmカットし、このシャフトに市販のゴム製グリップを、両面テープを使って取り付け、実施例のゴルフクラブを製作した。
【0054】
<打球の評価>
実施例のゴルフクラブを株式会社ミヤマエ製ゴルフ試打ロボット「SHOTROBO−IV」を用いてゴルフボールを6回打球し、ISG社製「TRACKMAN」にて飛距離計測等の測定を実施した。測定した結果を表1に示す。なお、表1中、回転軸の平均値は、飛球方向を0°とし、回転軸右方向(スライス)を正(+)とし、かつ回転軸左方向(フック)を負(−)として、6回の打球で測定されたそれらの値を足して合算値を算出し、その合算値を打球の回数(6回)で除することで求められた。
【0055】
<3点曲げ試験>
実施例のゴルフクラブ用シャフトを、製品安全協会が定める「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」におけるC型シャフトの3点曲げ試験方法に従って3点曲げ試験を実施した。なお、今回は「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」における荷重点位置T(シャフト細径端部から90mm)と荷重点位置A(シャフト細径端部から175mm)の試験を各3本ずつ実施した。図4に、この3点曲げ強度の試験装置の概略を示す。また、シャフトの3点曲げ強度を測定した結果を表2に示す。
【0056】
(比較例)
図5に示すようにパターン1をプリプレグBのみで実施例と同じサイズに裁断した以外は、実施例と同様にシャフトを作製し、各評価を実施した。評価結果を表1、表2に示す。なお、本比較例は、特許文献4の実施例1に相当するものである。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
表1に記載の通り、実施例のゴルフクラブ用シャフトを用いたゴルフクラブでは、比較例に対してバックスピン量が減少しており、その結果、平均した飛距離も大きい結果となった。比較例では、バックスピン量は安定してはいるものの、実施例よりも多く、そのため、平均した飛距離を損失する結果となった。
【0060】
表2の通り、実施例および比較例におけるゴルフクラブ用シャフトでは、荷重点位置T、A共に、SG(製品安全協会)の強度規格を大きく上回っており、高い3点曲げ強度を有している。
【0061】
このように、実施例のゴルフクラブ用シャフトでは、バックスピン量が減少し、また、安定するために、平均飛距離の増大が期待できるとともに、高い3点曲げ強度を有するため、折損する確率も低くできる。
【符号の説明】
【0062】
21 プリプレグ(バイアス層)
21a プリプレグ(第1のバイアス層)
21b プリプレグ(第2のバイアス層)
22 プリプレグ(細径側ストレート層)
22a プリプレグ(第2の細径側ストレート層)
22b プリプレグ(第2の細径側ストレート層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトであって、
炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とが積層されたバイアス層と、
炭素繊維がシャフト軸方向に配向された細径側ストレート層とを有し、
前記バイアス層は、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端乃至200mmに亘る部分に配置された第1のバイアス層と、該第1のバイアス層よりも太径側に、該第1のバイアス層とは重ならないように配置された第2のバイアス層とからなり、前記第1のバイアス層中の炭素繊維の弾性率は、前記第2のバイアス層中の炭素繊維の弾性率よりも少なくとも50GPa大きく、
前記細径側ストレート層は、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端乃至100mmに亘る部分に配置された第1の細径側ストレート層と、当該ゴルフクラブ用シャフトの少なくとも細径端から150mm乃至200mmに亘る部分に、前記第1の細径側ストレート層とは重ならないように配置された第2の細径側ストレート層とからなり、前記第1の細径側ストレート層中の炭素繊維は、弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上であり、前記第2の細径側ストレート層中の炭素繊維は、弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上であることを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。
【請求項2】
前記第1の細径側ストレート層は、厚さが、0.125mm以下である請求項1記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項3】
前記第2の細径側ストレート層は、厚さが、0.125mm以下である請求項1又は2に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項4】
前記バイアス層は、前記細径側ストレート層よりも内側に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−87799(P2011−87799A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244358(P2009−244358)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】