ゴルフボール溜めトレイ

【課題】自動ティーアップ装置のないゴルフ練習場において、人工芝の打撃練習マットにゴルフボールをセットする場合、従来はゴルフボールをかごに入れ、打席まで運び、ボールトレイにボールを移し、そのボールトレイから打撃練習マットにボールを移動する必要があり、多くの場合、ゴルフクラブのヘッドで掻き出すのが一般的である。しかし、従来のゴルフボールトレイは、クラブヘッドでボールを掻き出す際に不必要な複数のボールが出てくる事が多い。この課題を解決する。
【解決手段】トレイ本体の奥からボール取り出し部に向けて、底面部を緩やかな下り傾斜にして、ボール取り出し部に向かって傾斜面を有するＵ字溝を形成する事により、ゴルフボールをクラブヘッドで掻き出した時、１個ずつ打撃練習マットに移動できるように改善したゴルフボール溜めトレイを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ゴルフ打撃練習ににおいて、ゴルフ練習場の各打席周囲に設置された打撃練習マットに平行に置くゴルフボール溜めトレイに関するものであり、そのゴルフボ−ルトレイの中に収納されたゴルフボールをクラブで容易に１個ずつ取り出す事を可能にした器具である。
【背景技術】
【０００２】
ゴルフ練習場において、打撃練習を行なう場合、ボールかごに所定数のゴルフボールを収納し、指定の打席まで運び、ゴルフボールトレイにボールかごに入ったゴルフボールを入れ、人工芝からなる打撃練習マットにゴルフボールを載せて、打撃練習を行っている。
【０００３】
その際、従来のゴルフボールトレイは、長方形状の本体周緑壁を形成し、該周緑壁の高さを約４ｃｍ位としているため、本体内のゴルフボールが取りにくく、そのため打撃練習マット側のゴルフボールトレイの周緑壁の高さを低くした物が知られている。また、その他公知文献としては、ゴルフボール収納機能を有した特許文献１に開示されたものが提案されている。
【特許文献１】特開平８−２４７５６２号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ゴルフ練習場において、自動ティーアップ装置がない場合は、自分手でゴルフボールを打撃練習マットの上にセットしなければならない。既存のボールかご、又はボールトレイにクラブヘッドを入れ、掻き出す事によって、体をかがめることなくボールをセットしたいが、従来のボールトレイは、意に反して多くのゴルフボールが、打撃練習マットの上に転がり込む事が多い。このような場合、不必要なゴルフボールを排除する手間が増える上、練習に集中できないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
前述した課題を達成するために、この発明は長方形状からなるトレイ本体の低壁面に設けたボール取り出し面に傾斜角度を１５度乃至４５度程度に施した傾斜面を形成し、ゴルフボールの径に近い大きさのＵ字溝を多数配列させる事で、ゴルフクラブでトレイ本体内のゴルフボールを容易に１個づつ取り出せるようにしたゴルフボール溜めトレイである。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によるゴルフ打撃練習において、ゴルフボール溜めトレイの中に収納されているボールを、１個ずつ容易にゴルフクラブのヘッドで掻き出す事が可能になり、これまでの複数のボールが転がり混んでしまい不必要なボールを排除しなければならないという手間が無くなり、ゴルフの打撃練習にテンポ良く、集中する事を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
図面に基づいて、この発明に係るゴルフボール溜めトレイについての最良の形態を詳細に説明する。
合成樹脂あるいはゴムなどの同効素材を用い、一体成形により長方形状のトレイ本体２を得る。
【０００８】
該トレイ本体２は周緑壁が形成してあり、その片側の長手方向には高壁部４を設け、前方の長手方向には、該高壁部４より低い高さの低壁部３を施して、ボール取り出し部４’としてある。
【０００９】
長方形状からなるトレイ本体２の取り出し部４’とした低壁面３の内側には傾斜角度を約３０度程度に施した傾斜部６を形成し、ゴルフボールの径に近い大きさのＵ字溝部５を多数配列させる事により、ゴルフボール８をクラブヘッドで１個づつ掻き出しやすくしてある。
【００１０】
高壁部４の高さｈは５ｃｍにしてあり、ゴルフボール径より高く形成されゴルフボール８がトレイ本体から安易にこぼれ落ちないようにする。
一方、低壁部３の高さは、ゴルフボール８が、Ｕ字溝部５を通過して打撃練習マットである人工芝９のパイル１０の表面にスムーズに運ばれるように人工芝９の厚みに近い高さを有している。
【００１１】
また、底面部１２は、高壁部４から該Ｕ字溝部５に向けて緩やかな下り傾斜を有しており、ゴルフボール８は自重により、Ｕ字溝部５手前まで自然に集められる。
さらに、底面部１２にＵ字溝部５と同じ形状を有したボール整列部１１を各Ｕ字溝部に連結する状態に設ける事によって、ゴルフボールはＵ字溝に導かれやすくなり、１個ずつゴルフボールを整列させる事で、ゴルフクラブのヘッドで必要とする１個を掻き出しやすくなる。
【００１２】
該底面部１２の裏側に脚部７を傾斜角度に応じて複数配列し、底面部１２の安定を保つと同時に原材料重量を抑え、安価に生産を可能にする。
【産業上の利用可能性】
【００１３】
本発明に係わるボール溜めトレイは、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係わるゴルフボール溜めトレイの全体斜視図である。
【図２】ゴルフボール溜めトレイの断面拡大図である。
【符号の説明】
【００１５】
１ゴルフボール溜めトレイ
２トレイ本体
３低壁部
４高壁部
５Ｕ字溝部
６傾斜面
７脚部
８ゴルフボール
９人工芝
１０人工芝パイル
１１ボール整列部
１２底面部

【特許請求の範囲】
【請求項１】
長方形状からなるトレイ本体の低壁部に設けたボール取出部に傾斜角度を約１５度乃至４５度程度に施した傾斜面に、ボールの径に近い大きさのＵ字溝部を多数配列させてなる事を特徴としたゴルフボール溜めトレイである。

【図１】