説明

ゴルフ支援装置

【課題】どの方向を狙って打つべきかをプレイヤに分かり易く提示することが可能なゴルフ支援装置を提供する。
【解決手段】ゴルフ支援装置1は、画像を撮影するカメラ部4と、GPS信号を受信するとともに、受信したGPS信号に基づいて現在地の位置情報を取得するGPSアンテナ5及びGPS受信部6と、画像を表示するディスプレイ3と、位置情報と関連付けてコース情報21を記憶するともに、ゴルフコース毎の攻略情報22、24を記憶する記憶部10と、GPSアンテナ5及びGPS受信部6で取得した現在地の位置情報と、記憶部10に記憶されたコース情報21及び攻略情報22、24とに基づき、ボールを打つべき方向を示す目標方向画像82を生成する目標方向画像生成部42と、カメラ部4で撮影した画像上に目標方向画像生成部42で生成した目標方向画像82を重ねた画面を生成する演算部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフコースの攻略情報をプレイヤに提供し、ゴルフプレイを補助するゴルフ支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャディに代わってゴルフコースのレイアウト等の情報をユーザ(プレイヤ)に提供し、ゴルフプレイの参考となるように支援する装置が知られている。例えば、特許文献1には、図11に示すように、ゴルフコースのレイアウト図101と、ゴルフプレイヤの現在地102と、そのプレイヤのゴルフクラブの番手103毎のボール落下位置を現在地102を中心として同心円弧状に表示した円弧群104と、端末105の向いている方向を表示する方向直線106とを表示するディスプレイ面107を備え、方向直線106と円弧群104の交点を到達予測地点108として判断可能に構成したゴルフ支援装置100が記載されている。
【0003】
このゴルフ支援装置100では、北を上にした状態でレイアウト図101がディスプレイ面107に表示される。そして、端末105の上端部105aを図11(a)の矢印A方向(北)に向けた場合には、北に延びるように方向直線106が表示され、その直線状に円弧群104が表示される。その状態から上端部105aが向く方角を図11(b)の矢印B方向(北東)に変えると、方向直線106の向きが変わり、北東に延びるように方向直線106が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−291552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のゴルフ支援装置100を用い、どの方向を狙って打つかを決めるにあたっては、プレイヤは、ディスプレイ面107に表示される方向直線106を見ながら端末105の向きを少しずつ変えていき、自身がボールを打ち出すのに適した方向を探し出すことになる。加えて、ゴルフ支援装置100では、ゴルフコースの全体を上空から見下ろした平面図上に方向直線106が表示されるため、プレイヤは、端末105の向きを調整して打ち出す方向を見付けた後、ゴルフ支援装置100に表示のコース平面図と目の前の景色とを照らし合わせ、装置の表示内容と実際のコースとの対応関係を確認し、その上で、どの方向を狙って打つのかを定める必要がある。このため、実際のプレイで狙いが定まるまでに時間を要する虞があり、使い勝手の面で改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、どの方向を狙って打つべきかをプレイヤに分かり易く提示することが可能なゴルフ支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、ゴルフ支援装置であって、画像を撮影するカメラ部と、GPS信号を受信するとともに、該受信したGPS信号に基づいて現在地の位置情報を取得する測位部と、画像を表示する表示部と、位置情報と関連付けてゴルフコース情報を記憶するともに、ゴルフコース毎の攻略情報を記憶する記憶部と、前記測位部で取得した現在地の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記ゴルフコース情報及び攻略情報とに基づき、ボールを打つべき方向を示す目標方向画像を生成する目標方向画像生成部とを備え、前記カメラ部で撮影した画像上に前記目標方向画像生成部で生成した目標方向画像を重ねた画面を生成し、該生成した画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、カメラ部で撮影した画像上に目標方向画像を重ねて表示するため、プレイヤが見ている景色と同一景色の画面上にボールを打つべき方向を提示することができ、どの方向を狙って打つべきかをプレイヤに分かり易く提示することが可能になる。
【0009】
上記ゴルフ支援装置において、前記カメラ部の方位角を検出する方位角センサと、前記カメラ部の仰角を検出する仰角センサと、前記カメラ部の高度を検出する高度センサと、前記方位角センサで検出した方位角と、前記仰角センサで検出した仰角と、前記高度センサで検出した高度と、前記測位部で取得した現在地の位置情報とに基づいて、前記カメラ部の撮影領域を推定する撮影領域推定部とを備え、前記目標方向画像生成部が、該撮影領域推定部で推定した撮影領域と、前記記憶部に記憶された前記攻略情報とに基づき、前記表示部の表示画面における前記目標方向画像の表示座標を導くことができ、この構成により、カメラ部で撮影した画像上に目標方向画像を重ねて表示することができる。
【0010】
上記ゴルフ支援装置において、前記記憶部に記憶された前記攻略情報に基づき、使用すべき番手を示す番手情報を表示する番手情報画像を生成する番手情報画像生成部を備え、
該番手情報画像生成部で生成した番手情報画像を前記表示部に表示することができ、これによれば、使用すべき番手の情報も併せてプレイヤに提示することが可能になる。
【0011】
上記ゴルフ支援装置において、前記記憶部が、プロゴルファの打球の軌跡及び使用番手を示すプロ情報をゴルフコース毎に記憶し、該ゴルフ支援装置が、前記測位部で取得した現在地の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記ゴルフコース情報及び前記プロ情報に基づき、プロゴルファが打ったボールの方向を示す画像及びプロゴルファの使用番手を示す画像を前記カメラ部で撮影した画像上に重ねた画面を生成し、該生成した画面を前記表示部に表示することができる。これによれば、実際のコースに立ってプロゴルファの過去のプレイ状態を見ることができ、自身のプレイの参考にしたり、順番待ちの際の暇潰しとしても利用することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、どの方向を狙って打つべきかをプレイヤに分かり易く提示することが可能なゴルフ支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかるゴルフ支援装置の一実施の形態を示す外観図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】図1のゴルフ支援装置の機器構成を示すブロック図である。
【図3】図2の演算・制御処理部の機器構成を示すブロック図である。
【図4】ゴルフ場及びホールを一覧表示した状態を示す図である。
【図5】平面表示画面の一例を示す図である。
【図6】平面表示画面の一例を示す図である。
【図7】平面表示画面の一例を示す図である。
【図8】カメラ画面の一例を示す図である。
【図9】カメラ画面の表示手順を示すフローチャートである。
【図10】撮影領域の推定処理を説明するための図である。
【図11】従来のゴルフ支援装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明にかかるゴルフ支援装置の一実施の形態を示す外観図であり、このゴルフ支援装置1は、直方体状に形成された装置本体2を備える。装置本体2の正面には、メニュー画面やゴルフコース画面等を表示するためのディスプレイ3が配置され、また、装置本体2の背面には、ユーザの前方の景色を撮影するためのカメラ部4が配置される。ディスプレイ3は、タッチセンサを有するタッチパネル式の液晶ディスプレイによって構成され、各種の入力操作や画面切り替えを行うための設定入力部としても機能する。また、装置本体2の側面には、電源スイッチ等の操作スイッチや電源ジャック(何れも不図示)等が設けられる。
【0016】
図2は、図1のゴルフ支援装置1の機器構成を示すブロック図である。同図に示すように、ゴルフ支援装置1には、GPS衛星からのGPS信号を受信するGPSアンテナ5と、GPSアンテナ5で受信したGPS信号に基づき、ゴルフ支援装置1の現在地を導き出すGPS受信部6と、カメラ部4が向いている方向(方位角)を検出する方位角センサ(例えば、ジャイロやコンパス)7と、カメラ部4の傾き(仰角)を検出する仰角センサ(例えば、加速度センサ)8と、カメラ部4が位置する高さを検出する高度センサ(例えば、気圧計)9と、コース情報21、基本攻略情報22、プロ情報23及び登録攻略情報24を記憶する記憶部(例えば、フラッシュメモリ)10と、ゴルフ支援装置1をインターネット31に無線接続するための通信部11と、ゴルフ支援装置1をPC36等の外部機器と接続するための外部I/F(例えば、USB接続部)12と、SDカード等のリムーバブルメモリを接続するための外部メモリスロット13と、ゴルフ支援装置1の全体を制御する演算・制御処理部(以下、「演算部」と略称する)14と、バッテリや電池等の電源部15等が設けられる。
【0017】
記憶部10のコース情報21は、全国各地のゴルフコースのレイアウトを示すデータであり、コースの長さ、コースの形状、コース上の各地点の標高、フェアウェイの位置、バンカーの位置及びグリーンの位置等を、緯度、経度及び標高と関連付けてデータ化したものである。コース情報21は、ゴルフ支援装置1の製造時に記憶部10に記憶してもよいが、データ量が膨大になる場合もあるため、ゴルフ支援用サーバ32にコース情報33を記憶しておき、ここから必要なものをダウンロードして記憶部10に記憶するようにしてもよい。
【0018】
基本攻略情報22は、ボールを打つべき方向、ボールを運ぶべき地点、使用すべき番手等がゴルフコース毎及びゴルファのスキル(例えば、ハンディキャップ)毎に設定されたものであり、ゴルフ支援装置1を提供するメーカーがデフォルトとして準備するものである。基本攻略情報22では、ボールを打つべき方向、ボールを運ぶべき地点が、緯度、経度及び標高と関連付けて記憶される。基本攻略情報22も、コース情報21の場合と同様、ゴルフ支援装置1の製造時に記憶部10に記憶してもよいし、ゴルフ支援用サーバ32に記憶した攻略情報34から必要なものをダウンロードして記憶するようにしてもよい。
【0019】
プロ情報23は、プロゴルファの過去のプレイ状況に基づいて作成されるものであり、プロゴルファが使用した番手、ボールを打った方向、打球の軌跡等がゴルフコース毎に記憶される。プロ情報23においても、ゴルフ支援装置1の製造時に記憶部10に記憶してもよいし、ゴルフ支援用サーバ32に記憶したプロ情報35から必要なものをダウンロードして記憶するようにしてもよい。
【0020】
登録攻略情報24は、ユーザが基本攻略情報22や過去の自身のプレイ状況等を参照しながら、基本攻略情報22を編集したり、独自に自分用の攻略情報を生成して設定するものである。登録攻略情報24は、ボールを打つべき方向、ボールを運ぶべき地点、使用すべき番手等をゴルフコース毎に登録することができ、登録されたボールを打つべき方向、ボールを運ぶべき地点は、緯度、経度及び標高と関連付けて記憶される。
【0021】
演算部14は、図3に示すように、方位角センサ7、仰角センサ8、高度センサ9及びGPS受信部6の出力に基づいてカメラ部4の撮影領域を推定する撮影領域推定部41と、ボールを打つべき方向を示す目標方向画像を生成する目標方向画像生成部42と、ゴルフコースの長さ、使用すべき番手等を表示するコース攻略画面を生成する攻略画面生成部43と、目標方向画像生成部42で生成した目標方向画像をカメラ部4で撮影した画像に合成する画像合成部44等を備える。
【0022】
さらに、演算部14は、ディスプレイ3への画像表示を制御する表示制御部としても機能し、例えば、操作に応じてディスプレイ3の表面画面を切り替える処理等を行う。また、演算部14は、ディスプレイ3のタッチセンサからの信号を受信し、操作者の入力内容や選択内容を認識する入力制御部としても機能する。
【0023】
次に、上記構成を有するゴルフ支援装置1の動作について説明する。尚、以下においては、コース情報21、基本攻略情報22及びプロ情報23が記憶部10に予め記憶されているものとして説明する。
【0024】
先ず、図1の登録攻略情報24の設定方法について、図4〜図6を中心に参照しながら説明する。
【0025】
登録攻略情報24の設定にあたっては、例えば、図4(a)に示すように、記憶部10に記憶されたコース情報21に基づき、ゴルフ場の一覧をディスプレイ3に表示する。そして、そのうちの何れかをユーザが選択してタッチすると、図4(b)に示すように、ホールの一覧をディスプレイ3に表示する。
【0026】
その後、その一覧の中から1つのホールをユーザが選択してタッチすると、図5(a)に示すように、選択されたホールの平面レイアウトをディスプレイ3に表示するとともに、記憶部10に記憶された基本攻略情報22に基づき、ストローク数50、ストローク毎の目標軌跡51、使用番手情報52を表示する。
【0027】
このとき、ユーザがスキルアイコン53をタッチして自身のスキルを入力すれば、ゴルフ支援装置1は、入力されたスキルに対応する目標軌跡51等を記憶部10の基本攻略情報22から読み出し、ディスプレイ3に表示する。尚、スキルの入力は、必ずしもこの段階で行う必要はなく、ゴルフ支援装置1を使用するにあたっての初期設定時に行ってもよい。
【0028】
また、ユーザがプロアイコン54をタッチすると、ゴルフ支援装置1は、記憶部10に記憶されたプロ情報23に基づき、図5(b)に示すように、プロゴルファの打球の軌跡55、使用番手情報56をディスプレイ3に表示する。この際、選択されたホールのプロ情報23が存在しない場合には、その旨をディスプレイ3に表示する。
【0029】
そして、例えば、ユーザのスキルに対応する目標軌跡51等が表示された状態で、ユーザが設定アイコン57をタッチすると、ゴルフ支援装置1は、ストローク数50、ストローク毎の目標軌跡51、使用番手情報52に関して、ユーザの編集を受け付ける状態となる。その後、例えば、図6(a)に示すように、目標軌跡51aをユーザがタッチすると、編集状態となり、その状態で、ボールの到達地点として設定したい場所をタッチすれば、図6(b)に示すように、目標軌跡61を編集することが可能になる。
【0030】
目標軌跡61の編集後、ユーザが登録保存アイコン58をタッチすると、ゴルフ支援装置1は、編集された目標軌跡61を、緯度、経度及び標高と関連付けて記憶部10の登録攻略情報24に記憶する。
【0031】
尚、使用番手等の情報52に関しても、上記の場合と同様に、設定アイコン57及び登録保存アイコン58をタッチして編集することが可能である。編集された使用番手情報62は、記憶部10の登録攻略情報24に記憶される。
【0032】
次に、ゴルフを行う際の支援動作について、図7及び図8を中心に参照しながら説明する。
【0033】
支援動作に際しては、GPS受信部6が、GPSアンテナ5で受信したGPS信号に基づき、ゴルフ支援装置1の現在地を測位する。次いで、演算部14は、測位した現在地と、記憶部10のコース情報21とに基づき、プレイヤがいるゴルフコースを判別する。
【0034】
次に、記憶部10からプレイヤがいるコースのコース情報21を読み出すとともに、そのコースの登録攻略情報24を記憶部10から読み出す。次いで、読み出した情報21、24に基づき、図7に示すように、コース平面図72、現在地73、目標軌跡74及び使用番手情報75をディスプレイ3に表示する。このとき、現在地73及び目標軌跡74は、コース平面図72上に表示し、使用番手情報75は、コース平面図72の隣にウィンドウ表示されるコース攻略画面76内に表示する。
【0035】
また、ディスプレイ3の下部に、現在地73からカップまでの距離、及び現在地73から目標地点77までの距離を表示する。
【0036】
尚、そのコースの登録攻略情報24が記憶部10に記憶されていない場合(ユーザが事前に編集・保存作業を行っていない場合)には、デフォルトとして準備される基本攻略情報22を読み出し、目標軌跡74及び使用番手情報75を表示する。
【0037】
また、図示は省略するが、プロアイコン54をタッチすることで、目標軌跡74及び使用番手情報75に代えて、プロゴルファの打球の軌跡55及び使用番手情報56(図5(b)参照)を表示することが可能である。
【0038】
そして、ディスプレイ3に表示された画面切替アイコン78をユーザがタッチすると、演算部14は、図8に示すように、カメラ部4で撮影した画像上に、ボールを打つべき方向を示す目標方向画像82を重ねて表示した画面を生成し、ディスプレイ3に表示する。また、表示画面内の所定の位置(例えば、端の方)にコース攻略画面83をウィンドウ表示し、その内側に使用番手情報84を表示する。
【0039】
この場合も、プロアイコン54をタッチすることで、目標方向画像82及び使用番手情報84に代えて、プロゴルファの打球の方向及び使用番手情報(不図示)を表示することが可能である。
【0040】
図7の平面表示画面71と図8のカメラ画面81との表示切り替えは、画面切替アイコン78をタッチすることで、自由に行うことができる。
【0041】
次に、図8のカメラ画面81を表示する際の動作について、図3、図9及び図10を中心に参照しながら説明する。
【0042】
カメラ画面81の表示にあたっては、図9に示すように、先ず、ユーザが、ディスプレイ3が自身を向くようにしてゴルフ支援装置1を保持し、その状態で、カメラ部4によって、ユーザの前方の景色を撮影する(ステップS1)。次いで、GPSアンテナ5及びGPS受信部6によって、現在地におけるカメラ部4の緯度及び経度を取得する(ステップS2)。
【0043】
次に、演算部14において、現在地の緯度及び経度と、記憶部10のコース情報21とに基づき、プレイヤがいるゴルフコースを判別する(ステップS3)。次いで、そのコースのコース情報21を記憶部10から読み出すとともに、そのコースの基本攻略情報22又は登録攻略情報24(以下、「基本攻略情報22等」という)を記憶部10から読み出す(ステップS4、S5)。
【0044】
尚、カメラ画面81を表示する前に図7の平面表示画面71を表示し、既にコースの判別、コース情報21の読み出し及び基本攻略情報22等の読み出しが終了している場合には、ステップS3〜S5の処理は省略される。
【0045】
上記の処理と併行して、方位角センサ7、仰角センサ8及び高度センサ9によって、カメラ部4の方位角(向き)、仰角(傾き)及び高度を検出する(ステップ6)。次に、演算部14の撮影領域推定部41(図3参照)において、記憶部10のコース情報21に加え、図10に示すように、カメラ部4の方位角、仰角及び高度と、カメラ部4の緯度及び経度と、カメラ部4の光学特性(例えば、焦点深度等)とに基づき、カメラ部4の撮影領域(投影像)85を推定する(図9のステップS7)。尚、図10のPx、Py、Pzは、三次元空間上の位置座標であり、各々、経度、標高及び緯度に対応する。また、図中のDx、Dyは、ディスプレイ3の表示画面の二次元座標である。
【0046】
次いで、目標方向画像生成部42(図3参照)において、記憶部10の基本攻略情報22等に含まれる位置座標(ボールを打つべき方向、ボールを運ぶべき地点の緯度、経度及び標高)と、上記の推定した撮影領域85の情報(撮影領域85の三次元座標)とに基づき、目標方向画像82(図8参照)をディスプレイ3に表示する際の位置(表示座標)Dx1、Dy1を算出し、目標方向画像82を生成する(図9のステップS8)。
【0047】
次に、攻略画面生成部43(図3参照)において、記憶部10のコース情報21と、記憶部10の基本攻略情報22等に含まれる使用番手の情報とに基づき、コース攻略画面83(図8参照)を生成する(ステップS9)。次いで、ステップS8で算出した表示座標Dx1、Dy1を用い、目標方向画像生成部42で生成した目標方向画像82とカメラ部4で撮影した画像とを合成してディスプレイ3に表示するとともに、ステップS9で生成したコース攻略画面83をディスプレイ3の所定の位置にウィンドウ表示する(ステップS10、S11)。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、カメラ部4で撮影した画像上に目標方向画像82を重ねてディスプレイ3に表示するため、プレイヤが見ている景色と同一景色の画面上にボールを打つべき方向を提示することができる。このため、プレイヤは、どの方向に打てば良いかを直感的に把握することができ、どの方向を狙って打つべきかをプレイヤに分かり易く提示することが可能になる。
【0049】
尚、上述したゴルフ支援装置1は、必ずしもゴルフ専用の装置として構成する必要はなく、例えば、ポータブルナビゲーション装置、カメラ機能及び測位機能付きの携帯電話機やPDA等での一機能として構成することもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 ゴルフ支援装置
2 装置本体
3 ディスプレイ
4 カメラ部
5 GPSアンテナ
6 GPS受信部
7 方位角センサ
8 仰角センサ
9 高度センサ
10 記憶部
11 通信部
12 外部I/F
13 外部メモリスロット
14 演算・制御処理部
15 電源部
21 コース情報
22 基本攻略情報
23 プロ情報
24 登録攻略情報
31 インターネット
32 ゴルフ支援用サーバ
33 コース情報
34 攻略情報
35 プロ情報
36 PC
41 撮影領域推定部
42 目標方向画像生成部
43 攻略画面生成部
44 画像合成部
50 ストローク数
51 目標軌跡
51a 目標軌跡
52 使用番手情報
53 スキルアイコン
54 プロアイコン
55 打球の軌跡
56 使用番手情報
57 設定アイコン
58 登録保存アイコン
61 編集後の目標軌跡
62 編集後の使用番手情報
71 平面表示画面
72 コース平面図
73 現在地
74 目標軌跡
75 使用番手情報
76 コース攻略画面
77 目標地点
78 画面切替アイコン
81 カメラ画面
82 目標方向画像
83 コース攻略画面
84 使用番手情報
85 撮影領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影するカメラ部と、
GPS信号を受信するとともに、該受信したGPS信号に基づいて現在地の位置情報を取得する測位部と、
画像を表示する表示部と、
位置情報と関連付けてゴルフコース情報を記憶するともに、ゴルフコース毎の攻略情報を記憶する記憶部と、
前記測位部で取得した現在地の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記ゴルフコース情報及び攻略情報とに基づき、ボールを打つべき方向を示す目標方向画像を生成する目標方向画像生成部とを備え、
前記カメラ部で撮影した画像上に前記目標方向画像生成部で生成した目標方向画像を重ねた画面を生成し、該生成した画面を前記表示部に表示することを特徴とするゴルフ支援装置。
【請求項2】
前記カメラ部の方位角を検出する方位角センサと、
前記カメラ部の仰角を検出する仰角センサと、
前記カメラ部の高度を検出する高度センサと、
前記方位角センサで検出した方位角と、前記仰角センサで検出した仰角と、前記高度センサで検出した高度と、前記測位部で取得した現在地の位置情報とに基づいて、前記カメラ部の撮影領域を推定する撮影領域推定部とを備え、
前記目標方向画像生成部は、該撮影領域推定部で推定した撮影領域と、前記記憶部に記憶された前記攻略情報とに基づき、前記表示部の表示画面における前記目標方向画像の表示座標を導くことを特徴とする請求項1に記載のゴルフ支援装置。
【請求項3】
前記記憶部に記憶された前記攻略情報に基づき、使用すべき番手を示す番手情報を表示する番手情報画像を生成する番手情報画像生成部を備え、
該番手情報画像生成部で生成した番手情報画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフ支援装置。
【請求項4】
前記記憶部は、プロゴルファの打球の軌跡及び使用番手を示すプロ情報をゴルフコース毎に記憶し、
該ゴルフ支援装置は、前記測位部で取得した現在地の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記ゴルフコース情報及び前記プロ情報に基づき、プロゴルファが打ったボールの方向を示す画像及びプロゴルファの使用番手を示す画像を前記カメラ部で撮影した画像上に重ねた画面を生成し、該生成した画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のゴルフ支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−55450(P2012−55450A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200461(P2010−200461)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(500017678)株式会社ソフトウェア・ファクトリー (8)
【Fターム(参考)】