説明

ゴルフ練習支援装置

【課題】ゴルフボールをゴルフクラブの芯で正確に捉えているか否かの情報を、より正確にゴルファーに提示することが可能なゴルフ練習支援装置を提供する。
【解決手段】ゴルフ練習支援装置10は、ドップラーセンサ11と、カメラ12と、制御部13と、アンプ14と、コンパレータ15と、速さ記憶部16と、画像記憶部17と、導出結果記憶部18と、表示装置19と、スピーカ20と、スイッチ群21と、電源部22と、を備えている。制御部13は、インパクト位置表示モードが選択されている場合、画像記憶部17に記憶された撮影画像のうちヘッドがゴルフボールに衝突した際の撮影画像、すなわちインパクト時の撮影画像を表示装置19に表示するとともに、ヘッドにおけるゴルフボールの衝突位置を「×」印で表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ練習支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ練習支援装置としては、例えばドップラーセンサを用いてゴルフクラブのヘッドスピードやゴルフボールのボールスピードを測定するスピード計測器がある。また近年では、計測したヘッドスピード及びゴルフボールの初速からミート率を導出し、当該導出結果を表示するスピード計測器も提案されている(例えば特許文献1参照)。ここでミート率とは、ゴルフボールの初速をヘッドスピードで除算した値である。ミート率を表示することは、ゴルフクラブの芯でゴルフボールを正確に捉えているか否かの指標をゴルファーに提示することができ、極めて有用なことといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−22739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、計測したヘッドスピード及びゴルフボールの初速からミート率を導出する構成においては、正確なミート率を導出できない場合が生じ得る。例えばゴルファーが反発係数の異なるゴルフボールを用いてゴルフ練習を行った場合には、仮にゴルフクラブのヘッドの同一位置にゴルフボールが衝突していたとしても、反発係数の大きいゴルフボールの方がゴルフボールの初速が大きくなる。これは、ゴルフクラブのヘッドの同一位置にゴルフボールが衝突しているにも関わらず、ミート率として異なる値を表示してしまうこととなる。かかる懸念を解消すべく、例えばゴルフボールの反発係数等をゴルフ練習支援装置に事前に入力させる構成とすることも可能であるが、かかる構成とした場合には、ゴルフ練習支援装置を用いる際の事前準備が煩雑化するという新たな問題が生じることとなる。
【0005】
本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、ゴルフボールをゴルフクラブの芯で正確に捉えているか否かの情報を、より正確にゴルファーに提示することが可能なゴルフ練習支援装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、所定間隔で画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、ゴルフボールの設置位置を把握する設置位置把握手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、ゴルフクラブのスイング軌跡を把握するスイング軌跡把握手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、前記ゴルフボールの移動軌跡を把握する移動軌跡把握手段と、前記スイング軌跡把握手段及び前記移動軌跡把握手段の把握結果に基づいて、前記ゴルフクラブのヘッドにおける前記ゴルフボールの衝突位置を導出する衝突位置導出手段と、前記衝突位置導出手段の導出結果を報知する報知部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本ゴルフ練習支援装置によれば、ゴルフクラブのスイング軌跡とゴルフボールの移動軌跡とに基づいて、ゴルフクラブのヘッドにおけるゴルフボールの衝突位置が導出され、当該導出結果が報知部に報知される。かかる構成とすることにより、ゴルフクラブのヘッドのどの位置にゴルフボールが衝突したかをゴルファーに提示することが可能となり、ゴルフボールをゴルフクラブの芯で正確に捉えているか否かの情報を、より正確にゴルファーに提示することが可能となる。
【0008】
なお、「衝突位置導出手段の導出結果を報知する」とは、ゴルフクラブのヘッドにおけるゴルフボールの衝突位置を導出した場合に当該導出結果を必ず報知する構成に限らず、ゴルファーによって所定操作がなされた場合に前記導出結果を報知する構成も含む。また、報知部の具体的な構成としては、導出結果を表示する表示部と、導出結果を音声出力する出力部と、の少なくとも一方を備える構成が代表例として挙げられる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の構成に加えて、ドップラー信号を出力するドップラーセンサと、前記ドップラーセンサによって出力されたドップラー信号に基づいて、前記ヘッドの速さを逐次導出するヘッド速さ導出手段と、前記ヘッド速さ導出手段の導出結果を、前記画像記憶手段に記憶された画像と関連付けて記憶する導出結果記憶手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本ゴルフ練習支援装置によれば、ゴルフクラブのヘッドの速さが逐次導出されるとともに、当該導出結果が画像記憶手段に記憶された画像と関連付けて記憶される。かかる構成とすることにより、ヘッドがゴルフボールに衝突した際の速さを記憶することが可能となり、熟練度合いの低いゴルファー等に有益な情報を提供することが可能となる。例えばゴルフクラブのヘッドが最高速となるタイミングでヘッドがゴルフボールに衝突しなかった場合に、当該事象を報知したり、ヘッドがゴルフボールに衝突した際の速さを用いてより正確なミート率を導出したりすることが可能となるからである。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の構成に加えて、ドップラー信号を出力するドップラーセンサと、前記ドップラーセンサによって出力されたドップラー信号に基づいて、前記ヘッドの速さを逐次導出するヘッド速さ導出手段と、前記ヘッド速さ導出手段の導出結果を記憶する導出結果記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像と、前記導出結果記憶手段に記憶された前記ヘッドの速さと、を関連付ける関連付け手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本ゴルフ練習支援装置によれば、ゴルフクラブのヘッドの速さが逐次導出されるとともに当該導出結果が記憶される。そして、画像記憶手段に記憶された画像と、導出結果記憶手段に記憶されたヘッドの速さと、が関連付けられる。かかる構成とすることにより、ヘッドがゴルフボールに衝突した際の速さを記憶することが可能となり、熟練度合いの低いゴルファー等に有益な情報を提供することが可能となる。例えばゴルフクラブのヘッドが最高速となるタイミングでヘッドがゴルフボールに衝突しなかった場合に、当該事象を報知したり、ヘッドがゴルフボールに衝突した際の速さを用いてより正確なミート率を導出したりすることが可能となるからである。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項2又は請求項3に記載の構成に加えて、前記ヘッドが前記ゴルフボールに衝突した際の速さを報知する衝突速さ報知部を備えたことを特徴とする。
【0014】
本ゴルフ練習支援装置によれば、ヘッドがゴルフボールに衝突した際の速さを報知する衝突速さ報知部が備えられている。かかる構成とすることにより、ヘッドの速さとして最高速のみを報知する構成と比して、より有益な情報をゴルファーに提供することが可能となる。ゴルフボールの飛距離は、ヘッドの最高速ではなく、ヘッドがゴルフボールに衝突した際の速さによって変化する。このためゴルファーは、ヘッドの最高速よりもヘッドがゴルフボールに衝突した際の速さを知りたいものと想定されるからである。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の構成に加えて、ドップラー信号を出力するドップラーセンサと、前記ドップラーセンサによって出力されたドップラー信号に基づいて、前記ドップラーセンサの設置位置から前記ゴルフボールの設置位置に向かう第1向きにおける前記ゴルフボールの速さを導出する第1速度導出手段と、前記第1速度導出手段の導出結果を記憶する第1導出結果記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、補正情報を導出する補正情報導出手段と、前記補正情報と、前記第1速度導出手段の導出結果とを用いて前記ゴルフボールの移動する向きにおける速さを導出する第2速度導出手段と、前記第2速度導出手段の導出結果を記憶する第2導出結果記憶手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本ゴルフ練習支援装置によれば、ドップラーセンサによって出力されたドップラー信号に基づいて、ドップラーセンサの設置位置から前記ゴルフボールの設置位置に向かう第1向きにおけるゴルフボールの速さが導出される。また、画像記憶手段に記憶された画像に基づいて補正情報が導出され、当該補正情報と前記仮想線上におけるゴルフボールの速さとを用いてゴルフボールの移動する向きにおける速さが導出される。かかる構成とすることにより、ゴルフボールの移動する向きにおける速さを正確に導出することが可能となり、ゴルファーに正確な情報を提供することが可能となる。また、画像記憶手段に記憶された画像に基づいて補正情報を導出する構成とすることにより、ゴルフ練習支援装置の設置作業や入力作業等の事前準備を容易なものとすることが可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の構成に加えて、前記補正情報導出手段は、前記補正情報として、前記第1向きに対して鉛直な第2向きにおける前記ゴルフボールの速さを導出することを特徴とする。
【0018】
本ゴルフ練習支援装置によれば、画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、第1向きに対して鉛直な第2向きにおけるゴルフボールの速さが導出される。かかる構成においては、第1向きにおけるゴルフボールの速さと、第2向きにおけるゴルフボールの速さと、により、ゴルフボールの打ち出し角度を導出することができる。故に、ゴルフクラブの種類に応じた係数を用いてゴルフボールの推定飛距離等を導出する構成と比して、より正確にゴルフボールの推定飛距離等を導出することが可能となる。また、かかる構成においては、ゴルフクラブの種類をゴルフ練習支援装置に入力せずともゴルフボールの推定飛距離等を正確に導出することが可能となるため、ゴルフ練習支援装置の入力作業を容易なものとすることが可能となる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の構成に加えて、前記補正情報導出手段は、前記補正情報として、前記第1向き及び前記第2向きに対して垂直な第3向きにおける前記ゴルフボールの速さを導出することを特徴とする。
【0020】
本ゴルフ練習支援装置によれば、画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、第1向き及び第2向きに対して垂直な第3向きにおけるゴルフボールの速さが導出される。かかる構成とすることにより、ドップラーセンサの設置位置とゴルフボールの設置位置とを結んだ直線上をゴルフボールが移動しなかった場合であっても、ゴルフボールの移動する向きにおける速さを正確に導出することが可能となる。さらにいうと、かかる構成においては、ゴルフボールの後方(すなわちゴルフボールの移動する向きと逆側の向き)にゴルフ練習支援装置を設置すれば、当該設置位置がゴルフクラブのスイング軌跡の最下点の接線上でなくとも、ゴルフボールの移動する向きにおける速さを正確に導出することができる。故に、ゴルフ練習支援装置の設置作業を容易なものとすることが可能となる。
【0021】
請求項8に記載の発明では、請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の構成に加えて、前記撮影手段を備えた撮影ユニットと、前記ドップラーセンサを備えたセンサユニットと、を分離可能な構成とするとともに、前記撮影ユニット及び前記センサユニットに、同一の通信プロトコルの通信機能を有する通信部を設けたことを特徴とする。
【0022】
本ゴルフ練習支援装置によれば、撮影手段を備えた撮影ユニットと、ドップラーセンサを備えたセンサユニットと、が分離可能な構成となっており、撮影ユニット及びセンサユニットには、同一の通信プロトコルの通信機能を有する通信部が設けられている。かかる構成とすることにより、センサユニットによってヘッドの速さを測定しつつ、撮影ユニットによってスイングフォームを撮影することが可能となる。
【0023】
請求項9に記載の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の構成に加えて、前記スイング軌跡把握手段の把握結果に基づいて、前記ヘッドが前記ゴルフボールに衝突する際のスイングの向きを導出するスイング向き導出手段と、前記移動軌跡把握手段の把握結果に基づいて、前記ゴルフボールが移動を開始した際の向きを導出する移動向き導出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
本ゴルフ練習支援装置によれば、ヘッドがゴルフボールに衝突する際のスイングの向きと、ゴルフボールが移動を開始した際の向きと、が導出される。かかる構成とすることにより、ゴルフボールがゴルフクラブのスイング軌跡に対して真っ直ぐに移動しているか否かを検出することが可能となる。
【0025】
請求項10に記載の発明では、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の構成に加えて、前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、前記ヘッドの中心の軌跡を把握する中心軌跡把握手段と、前記中心軌跡把握手段の把握結果と前記ゴルフボールの設置位置との関係を、前記ゴルフボールを上方から見た図として表示する中心軌跡表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
本ゴルフ練習支援装置によれば、ヘッドの中心の軌跡が把握され、当該把握結果とゴルフボールの設置位置との関係がゴルフボールを上方から見た図として表示される。かかる構成とすることにより、スイング軌跡がインサイドアウトイン,アウトサイドイン,インサイドアウトのいずれであったかをゴルファーに把握させることが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
ゴルフクラブのヘッドにおけるゴルフボールの衝突位置を表示可能な構成としたため、ゴルフボールをゴルフクラブの芯で正確に捉えているか否かの情報を、より正確にゴルファーに提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ゴルフ練習支援装置の利用状態の例を示す図である。
【図2】ゴルフ練習支援装置の構成を示す図である。
【図3】表示装置の表示態様の例を示す図である。
【図4】撮影画像の例を示す図である。
【図5】導出される移動軌跡の例を示す図である。
【図6】撮影画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明のゴルフ練習支援装置の実施形態を説明する。本ゴルフ練習支援装置は、ゴルフクラブのヘッドがゴルフボールに衝突した際の速さやゴルフボールの速さを計測する速さ計測機能と、ゴルフクラブのスイング軌跡やゴルフボールの移動軌跡を把握する軌跡把握機能とを備えている。
【0030】
図1は、ゴルフ練習支援装置10の利用状態の一例を示す図であり、図2は、ゴルフ練習支援装置10の構成を示す図である。
【0031】
ゴルフ練習支援装置10には、ドップラーセンサ11とカメラ12が設けられている。ゴルフ練習支援装置10は、ゴルフボール1が飛ぶ側(以下では「前側」という。)とは逆側(以下では「後側」という。)の位置に、ドップラーセンサ11のアンテナの開口面及びカメラ12がゴルフボール1と正対するように設置される。一般的に、ゴルフクラブ2のインパクト位置は、ゴルフクラブ2のヘッド2aの移動軌跡3の最下点付近となり、ヘッド2aの速さは、移動軌跡3の最下点において最大となる。このため、ゴルフ練習支援装置10の設置位置は、図1(a)に示すように、ゴルフボール1の後側であって、ヘッド2aの移動軌跡3の最下点の接線4上とすることが最も望ましい。但し、本ゴルフ練習支援装置10では、後述する軌跡把握機能によってゴルフボールの速さを正確に導出することができるため、ゴルフ練習支援装置10の設置位置が図1(b)に示すように上記接線4(以下では「理想飛球線4」という。)以外の位置となっても良い。つまり、ゴルフ練習支援装置10は、ゴルフボール1の後側に設置されていれば良い。ゴルフボール1とゴルフ練習支援装置10との距離は、約1mとしている。
【0032】
ゴルフ練習支援装置10には、ドップラーセンサ11及びカメラ12の他に、制御部13と、アンプ14と、コンパレータ15と、速さ記憶部16と、画像記憶部17と、導出結果記憶部18と、表示装置19と、スピーカ20と、スイッチ群21と、電源部22と、が設けられている。制御部13には、カメラ12と、アンプ14と、コンパレータ15と、速さ記憶部16と、画像記憶部17と、導出結果記憶部18と、表示装置19と、スピーカ20と、スイッチ群21と、電源部22と、が接続されている。ドップラーセンサ11は、アンプ14と接続されており、アンプ14は、制御部13に加えてコンパレータ15にも接続されている。
【0033】
制御部13は、CPU,ROM,RAM,フラッシュメモリ,各種の周辺回路,インタフェース等により構成されている。制御部13は、スイッチ群21を形成する電源スイッチがON操作されたことに伴って電源部22から電源が供給され、動作を開始する。制御部13は、ROMに記録されたブートローダーにより、フラッシュメモリに記録されたOSとアプリケーションプログラムをRAM上に展開する。そして、制御部13は、RAM上のOS及びアプリケーションプログラムを実行することにより、以下に示す各種の処理を実行し、各種の機能を実現する。
【0034】
ドップラーセンサ11は、出力周波数が24.15GHzのマイクロ波ドップラーセンサであり、当該ドップラーセンサ11の出力信号(1波がゴルフクラブのヘッドの6mmの移動に相当する信号)を増幅するためのアンプ14に接続されている。アンプ14は、コンパレータ15と制御部13に接続されている。コンパレータ15は、アンプ14によって増幅された信号を基準値と比較し、ドップラーパルス(基準値以上の場合にハイレベルを基準値より小さい場合にはローレベルの信号)を制御部13に出力する。なお、アンプ14によって増幅されたアナログ信号は、制御部13に内蔵されるA/Dコンバータにてデジタル信号に変換される。
【0035】
速さ記憶部16は、制御部13がドップラーセンサ11の出力信号に基づいて導出したヘッド2aの速さ及びゴルフボール1の速さを記憶するためのものである。速さ記憶部16は、着脱できない内部記憶装置でも良いし、SDメモリーカード等の着脱可能な記録メディアを装着するためのスロット部(読み書きする機能を含む)でも良い。
【0036】
ここで、ドップラーセンサ11の出力信号に基づいてヘッド2aの速さ及びゴルフボール1の速さを導出する際に制御部13が行う処理を簡単に説明する。
【0037】
制御部13には、電源オン状態である場合、ドップラーセンサ11の出力をアンプ14で増幅したアナログ波形をコンパレータ15にて閾値処理して符号化したドップラーパルスが、コンパレータ15から入力される。そこで、制御部13は、内蔵するカウンタを利用してドップラーパルスの周期を求め、ヘッド2aの速さとゴルフボール1の速さとを導出する。ちなみに、ゴルフクラブ2のスイングに伴うヘッド2aの速さは、スイング開始から徐々に速くなり、ゴルフボール1と衝突する前後付近で最大となり、その後、徐々に遅くなる。一方、ゴルフボール1は、ヘッド2aと衝突するまで停止したままであるため速さが0となり、ヘッド2aと衝突して打ち出されることで所定の速さが生じることとなる。そして、ヘッド2aの速さ変化のピークと、ゴルフボール1の速さ変化のピークとには、ずれが生じる(ゴルフボール1の速さのピークが遅れて発生する)。そこで、速さのピークが2つ生じることから、ヘッド2aとゴルフボール1のそれぞれの速さを導出することができる。具体的な導出方法については、公知技術であるため、説明を省略する。
【0038】
制御部13は、ドップラーセンサ11の出力信号の周期がゴルフクラブ2のスイングに対応する周期パターンとなった場合、スイングが開始されたと判別する。そして、制御部13は、スイングが開始されたと判別してから約5秒が経過するまでの間、導出した速さと、そのときの時刻と、を速さ記憶部16に逐次記憶する。つまり、制御部13は、電源オン状態である場合、入力されたドップラーパルスに基づいて速さを逐次導出する一方、速さ記憶部16には、スイングが開始されたと判別してからの所定期間に導出した所定数の速さのみが記憶される。かかる構成とすることにより、速さ記憶部16の記憶容量の小型化を図ることが可能となる。
【0039】
ドップラーパルスに基づいて導出される速さは、ゴルフ練習支援装置10とゴルフボール1の設置位置とを結んだ仮想軸線5上における速さとなる。図1(a)に示す設置状態では、仮想軸線5と理想飛球線4が一致し、図1(b)に示す設置状態では、仮想軸線5と理想飛球線4がずれることとなる。
【0040】
なお、ゴルフボール1の速さは、上記したようにドップラーパルスに基づいて導出するのではなく、例えば、アンプ14から出力される信号(ドップラーセンサ11によって出力されたドップラー信号を増幅した信号)をA/D変換したデータを別途メモリに蓄積し、そのメモリに蓄積されたA/D変換データに対する周波数スペクトル解析(例えば、高速フーリエ変換(FFT)等)を行って導出しても良い。ゴルフボール1はヘッド2aに比べ小さく遠い位置になる。このように小さい反射波による小さいレベルのドップラー信号でSN比が不利な入力信号においても、FFTは、周波数分解により、ノイズ成分が周波数全体に分散し、信号成分は線スペクトルとして抽出されるので、解析に充分なSN比を確保することができる。
【0041】
カメラ12は、1秒間に1000枚の静止画像を撮影することができるハイスピードカメラである。本ゴルフ練習支援装置10では、撮影画像に基づいてヘッド2aに対するゴルフボール1の衝突位置等を導出するため、フレームレートが高いカメラを使用している。カメラ12は、当該カメラ12が静止画像を撮影する向きと、ドップラーセンサ11がマイクロ波を出力する向きと、が同一となるよう、ゴルフ練習支援装置10に設けられている。
【0042】
画像記憶部17は、カメラ12で撮影した静止画像を記憶するためのものである。画像記憶部17は、着脱できない内部記憶装置でも良いし、SDメモリーカード等の着脱可能な記録メディアを装着するためのスロット部(読み書きする機能を含む)でも良い。また、速さ記憶部16と一体であっても良い。
【0043】
カメラ12は、電源オン状態である場合、静止画像を撮影する。当該撮影画像は、制御部13の所定メモリに撮影時刻とあわせて一時記憶される。具体的には、所定メモリの最小アドレスから最大アドレスに向けて撮影画像及び撮影時刻が順次記憶されていき、最大アドレスに撮影画像及び撮影時刻が記憶された場合には、最小アドレスから順に上書きが行われる。制御部13は、ドップラーパルスに基づいてスイングが開始されたと判別した場合、当該判別を行ってから約5秒が経過するまでの間、所定メモリに記憶された撮影画像及び撮影時刻を画像記憶部17に記憶する。このとき、画像記憶部17には、前記判別を行う約1秒前に所定メモリに記憶された撮影画像及び撮影時刻から、前記判別を行ってから約5秒が経過する直前に所定メモリに記憶された撮影画像及び撮影時刻までが順次記憶される。つまり、制御部13の所定メモリには、電源オン状態である場合、撮影画像及び撮影時刻が順次記憶されていく一方、画像記憶部17には、スイング開始時を含む約6秒間の撮影画像及び撮影時刻のみが記憶される。
【0044】
表示装置19は、LCDや有機ELディスプレイ等によって形成される。スイッチ群21は、上記電源スイッチの他に、表示装置19に表示される表示モードを切り替える切替スイッチ、各種の指示を与える操作スイッチ等によって形成される。なお、表示装置19にタッチパネルを設け、そのタッチパネルを切替スイッチや操作スイッチとして利用するようにしても良い。電源部22は、乾電池などの一次電池でも良いし、充電池のように充電可能な二次電池としても良い。
【0045】
導出結果記憶部18は、速さ記憶部16及び画像記憶部17に記憶された情報に基づいて制御部13が導出した各種情報を記憶するためのものである。導出結果記憶部18は、着脱できない内部記憶装置でも良いし、SDメモリーカード等の着脱可能な記録メディアを装着するためのスロット部(読み書きする機能を含む)でも良い。また、速さ記憶部16や画像記憶部17と一体であっても良い。
【0046】
本ゴルフ練習支援装置10では、画像記憶部17に記憶された画像を連続表示する連続再生モードと、ヘッド2aのどの位置にゴルフボール1が衝突したかを表示するインパクト位置表示モードと、理想飛球線4に対するヘッド2aの移動軌跡3を表示するスイング軌跡表示モードと、を有しており、切替スイッチを操作することによって表示装置19に表示される情報を切替可能な構成となっている。
【0047】
制御部13は、インパクト位置表示モードが選択されている場合、図3(a)に示すように、画像記憶部17に記憶された撮影画像のうちヘッド2aがゴルフボール1に衝突した際の撮影画像、すなわちインパクト時の撮影画像を表示装置19に表示するとともに、ヘッド2aにおけるゴルフボール1の衝突位置を「×」印で表示する。これに加えて、制御部13は、当該撮影画像の撮影時におけるヘッド2aの速さすなわちインパクト時のヘッド2aの速さと、ゴルフボール1の速さと、を表示装置19に表示する。
【0048】
制御部13は、スイング軌跡表示モードが選択されている場合、図3(b)〜(d)に示すように、ゴルフボール1及びゴルフクラブ2を上方から視認した模式図と、理想飛球線4と、を表示装置19に表示するとともに、ヘッド2aの移動軌跡3を表示装置19に表示する。
【0049】
ここで、制御部13が上記各種情報を表示するにあたって行う各種処理を説明する。
【0050】
制御部13は、スイングが開始されたと判別してから約5秒が経過した場合、画像記憶部17に記憶された撮影画像を用いて解析処理を実行する。
【0051】
解析処理の説明に先立ち、画像記憶部17に記憶される各撮影画像について説明する。画像記憶部17には、スイングが開始される1秒前からその後6秒間の撮影画像が記憶される。スイングが開始される前においては、図4(a)に示すように、ゴルフボール1の全体又は一部がヘッド2aに隠れた撮影画像が記憶される。スイングが開始された場合には、バックスイングに伴ってヘッド2aが撮影範囲外に移動していく様を撮影した撮影画像が順次記憶され、ヘッド2aが撮影範囲外に移動した場合には、図4(b)に示すように、ゴルフボール1の全体を撮影した撮影画像が記憶される。その後、ダウンスイングに伴ってヘッド2aがゴルフボール1に向かって移動してくる様を撮影した撮影画像が順次記憶されるとともに、インパクトが近づくにつれてゴルフボール1の一部がヘッド2aに隠れた撮影画像が記憶される。そして、インパクトの際には、図4(c)に示すように、ゴルフボール1の全体がヘッド2aに隠れた撮影画像が記憶される。インパクト後には、フォロースイングに伴って撮影範囲外に移動していくヘッド2aと、飛翔を開始したゴルフボール1と、を撮影した撮影画像が順次記憶され、ヘッド2aが撮影範囲外に移動した場合には、図4(d)に示すように、飛翔するゴルフボール1のみを撮影した撮影画像が記憶される。
【0052】
制御部13は、解析処理において、パターンマッチング等により、ゴルフボール1とゴルフクラブ2を特定するとともに、ゴルフボール1の中心の位置とヘッド2aの中心の位置とを特定する。そして、制御部13は、各撮影画像からゴルフボール1の中心の位置とヘッド2aの中心の位置とをモーションディテクトする。制御部13は、モーションディテクトの結果により、ゴルフボール1の中心の初期位置と、ゴルフボール1の中心の移動軌跡と、ヘッド2aの中心の移動軌跡と、を導出し、これら導出結果を導出結果記憶部18に記憶する。ゴルフボール1の中心の初期位置については、インパクト前にゴルフボール1が移動しないことから、図4(b)の撮影画像等により導出することができる。ゴルフボール1の中心の移動軌跡については、各撮影画像から特定したゴルフボール1の中心の位置によって導出することができる。ヘッド2aの中心の移動軌跡については、各撮影画像から特定したヘッド2aの中心の位置によって導出することができる。例えば、ヘッド2aの中心の移動軌跡3は、図5(a)に示すように、特定したヘッド2aの中心の位置(図中における「×」印)を結ぶことで得ることができ、ゴルフボール1の中心の移動軌跡は、図5(b)に示すように、特定したゴルフボール1の中心の位置(図中における「×」印)を結ぶことで得ることができる。
【0053】
その後、制御部13は、各撮影画像からインパクト時の撮影画像を特定し、特定した撮影画像が記憶されているアドレスを導出結果記憶部18に記憶する。上述したとおり、ゴルフボール1は、バックスイングの際に全体が撮影され、インパクトが近づくにつれて撮影画像から徐々に消失し、インパクトの際に撮影画像から完全に消失し、フォロースイング以降において再び全体が撮影されるようになる。このため、制御部13は、少なくともインパクトの際にゴルフボール1を特定できなくなる。そこで、制御部13は、ゴルフボール1の全体が撮影された撮影画像よりも後の各撮影画像のうち、ゴルフボール1が完全に消失した最初の撮影画像をインパクト時の撮影画像であると特定する。また、制御部13は、インパクト時の撮影画像を特定した場合、インパクト時におけるヘッド2aのゴルフボール1に対する衝突角度、すなわちインパクト時にヘッド2aの中心が有するベクトルの向きを導出する。ヘッド2aの中心が有するベクトルの向きは、インパクト時の撮影画像におけるヘッド2aの中心の位置と、その直後に撮影された(すなわち1フレーム後の)撮影画像におけるヘッド2aの中心の位置と、ドップラーパルスに基づいて導出したインパクト時におけるヘッド2aの速さと、により導出することができる。
【0054】
特定した撮影画像が記憶されているアドレスと、インパクト時におけるヘッド2aのゴルフボール1に対する衝突角度と、を導出結果記憶部18に記憶した場合には、ボール速さ導出処理を開始する。上述したとおり、ドップラーパルスに基づいて導出されるゴルフボール1の速さは、ゴルフ練習支援装置10とゴルフボール1の設置位置とを結んだ仮想軸線5上における速さとなる。したがって、図1(a)に示す設置状態においてゴルフボール1が理想飛球線4上を移動しなかった場合や、図1(b)に示す設置状態においてゴルフボール1が理想飛球線4上を移動した場合等のように、ゴルフボール1が仮想軸線5上を移動しなかった場合においては、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さと、ドップラーパルスに基づいて導出したゴルフボール1の速さと、にずれが生じることとなる。具体的には、図1(a)に示す設置状態においてゴルフボール1が理想飛球線4上を移動しなかった場合、ドップラーパルスに基づいて導出したゴルフボール1の速さは、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さよりも遅くなる。そこで、ボール速さ導出処理を行うことにより、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さを正確に導出する。
【0055】
ボール速さ導出処理では、撮影画像上において、水平方向に延びる仮想軸線(以下、「x軸線」とする。)と、当該x軸線に直交する仮想軸線(以下、「y軸線」とする。)と、を規定し、導出結果記憶部18に記憶されたゴルフボール1の中心の移動軌跡を用いて、ゴルフボール1のx軸線上における速さと、ゴルフボール1のy軸線上における速さと、を導出する。具体的には、インパクト後に最初に特定したゴルフボール1の中心の位置と、その直後(すなわち1フレーム後)に特定したゴルフボール1の中心の位置と、により、x軸線上におけるゴルフボール1の移動量と、y軸線上におけるゴルフボール1の移動量と、を導出し、これら導出結果にカメラ12のフレームレートを乗算する。ゴルフ練習支援装置10とゴルフボール1の設置位置とを結んだ仮想軸線5は、x軸線及びy軸線と直交する軸線となる(以下、「z軸線」とする。)。そこで、撮影画像に基づいて導出したx軸線上及びy軸線上における速さと、ドップラーパルスに基づいて導出したz軸線上における速さと、を合成することにより、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さを導出することができる。ゴルフボール1の移動する向きにおける速さを導出した場合には、当該導出結果を導出結果記憶部18に記憶する。ちなみに、上記したゴルフボール1の中心の初期位置,ゴルフボール1の中心の移動軌跡,ヘッド2aの中心の移動軌跡の導出結果は、xy平面における導出結果である。
【0056】
インパクト位置表示モードが選択されている場合には、導出結果記憶部18に記憶されているアドレスの撮影画像を表示装置19に表示するとともに、導出結果記憶部18に記憶されているゴルフボール1の中心の初期位置と対応する位置に「×」印を表示する。また、ボール速さ導出処理にて導出した速さを表示装置19に表示するとともに、導出結果記憶部18に記憶されているアドレスの撮影画像と対応するヘッド2aの速さを表示装置19に表示する。上述したとおり、速さ記憶部16には、導出した速さ及び導出時刻が記憶され、画像記憶部17には、撮影画像及び撮影時刻が記憶される。速さ記憶部16及び画像記憶部17に各データと対応する時刻を併せて記憶する構成とすることにより、静止画像を撮影する周期と速さを導出する周期とが同期していない場合であっても、撮影画像と、ドップラーパルスに基づいて導出した速さと、を各記憶部16,17に記憶された時刻によって関連付けることができ、ヘッド2aがゴルフボール1に衝突した際の速さ、すなわちインパクト時のヘッド2aの速さを表示することができる。具体的に説明すると、制御部13は、インパクト時の撮影画像の撮影時刻と一致する、又は撮影時刻に最も近い導出時刻を速さ記憶部16から特定し、特定した導出時刻に速さ記憶部16に記憶された速さをインパクト時のヘッド2aの速さとして表示する。なお、静止画像を撮影する周期と速さを導出する周期とが同期している構成においては、速さ記憶部16及び画像記憶部17に各データと対応する時刻を併せて記憶せずとも、撮影画像と導出した速さとを関連付けることが可能である。速さ記憶部16のn(nは自然数)番目に記憶された撮影画像と、画像記憶部17のn(nは自然数)番目に記憶された速さと、が同一時刻に撮影又は導出されているからである。
【0057】
スイング軌跡表示モードが選択されている場合には、導出結果記憶部18に記憶されているヘッド2aの中心位置の移動軌跡と、ゴルフボール1の中心の初期位置と、に基づいて、xz平面上におけるヘッド2aの中心位置の移動軌跡を導出する。そして、ゴルフボール1及びゴルフクラブ2を上方から視認した模式図と、理想飛球線4と、を表示装置19に表示するとともに、導出したxz平面におけるヘッド2aの中心位置の移動軌跡3を表示装置19に表示する。なお、ゴルフボール1及びゴルフクラブ2を上方から視認した模式図と、理想飛球線4と、の描画データは、制御部13に予め記憶されている。ゴルフクラブ2の描画データは、一般的なゴルフクラブの形状を模したデータであっても良いし、実際のゴルフクラブを上方から撮影したデータであっても良い。ゴルフボール1の描画データについても同様である。
【0058】
ここで、xz平面におけるヘッド2aの中心位置の移動軌跡について説明する。
【0059】
図3(b)では、バックスイングやダウンスイングの際の移動軌跡3が理想飛球線4の内側に位置し、インパクトの際に理想飛球線4に接し、その後のフォロースルーで再び移動軌跡3が理想飛球線4の内側に位置している。これは、ヘッド2aがインサイドアウトインの軌道を描いていることを意味し、インパクトの際のヘッド2aのフェースの向きがスクエアである場合には、ゴルフボール1がストレートボールの球筋となる。
【0060】
図3(c)では、バックスイングやダウンスイングの際の移動軌跡3が理想飛球線4の外側に位置し、インパクト以降のフォロースルーで移動軌跡3が理想飛球線4の内側に位置している。これは、ヘッド2aがアウトサイドインの軌道を描いていることを意味し、基本的にゴルフボール1がスライスボールの球筋となる。
【0061】
図3(d)では、バックスイングやダウンスイングの際の移動軌跡3が理想飛球線4の内側に位置し、インパクト以降のフォロースルーで移動軌跡3が理想飛球線4の外側に位置している。これは、ヘッド2aがインサイドアウトの軌道を描いていることを意味し、基本的にゴルフボール1がフックボールの球筋となる。
【0062】
ゴルフボール1の球筋は、ヘッド2aの中心位置の移動軌跡3と、インパクトの際のフェースの向きと、によって決定される。したがって、ゴルファーは、例えばゴルフボール1がフックボールの球筋となった場合に、スイング軌跡表示モードでヘッド2aの中心位置の移動軌跡3を確認することにより、ヘッド2aがインサイドアウトの軌道を描いていたためにフックボールとなったのか、インパクトの際にフェースが閉じていたためにフックボールとなったのか等を理解することができる。この結果、その後のゴルフ練習においてスイングを矯正する等の練習を行うことが可能となる。
【0063】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0064】
インパクト位置表示モードでは、インパクト時の撮影画像が表示装置19に表示されるとともに、ヘッド2aにおけるゴルフボール1の衝突位置が「×」印で表記される構成とした。かかる構成とすることにより、ヘッド2aのどの位置にゴルフボール1が衝突したかをゴルファーに提示することが可能となり、ゴルフボール1をゴルフクラブ2の芯で正確に捉えているか否かの情報をミート率によって提示する構成と比して、より正確な情報をゴルファーに提示することが可能となる。
【0065】
速さ記憶部16には、導出した速さ及び導出時刻を記憶し、画像記憶部17には、撮影画像及び撮影時刻を記憶する構成とした。速さ記憶部16及び画像記憶部17に各データと対応する時刻を併せて記憶する構成とすることにより、静止画像を撮影する周期と速さを導出する周期とが同期していない場合であっても、撮影画像と、ドップラーパルスに基づいて導出した速さと、を各記憶部16,17に記憶された時刻によって関連付けることができ、インパクト時のヘッド2aの速さを表示することができる。
【0066】
インパクト位置表示モードでは、ヘッド2aにおけるゴルフボール1の衝突位置に加えて、インパクト時のヘッド2aの速さを表示する構成とした。かかる構成とすることにより、ヘッド2aの速さとして最高速のみを表示する構成と比して、より有益な情報をゴルファーに提供することが可能となる。ゴルフボール1の飛距離は、ヘッド2aの最高速ではなく、インパクト時のヘッド2aの速さによって変化する。熟練度合いの高いゴルファーであればインパクト時のヘッド2aの速さが最高速と一致する割合が高くなるものの、熟練度合いの低いゴルファーであればインパクト時のヘッド2aの速さが最高速と一致しない割合が高くなり得る。このためゴルファーは、ヘッド2aの最高速よりもインパクト時のヘッド2aの速さを知りたいものと想定される。そこで、ヘッド2aの最高速ではなくインパクト時のヘッド2aの速さを表示する構成とすることにより、ゴルファーは、本ゴルフ練習支援装置10を用いることで効率よく熟練度合いを高めることができる。
【0067】
撮影画像に基づいてゴルフボール1のx軸線上及びy軸線上における速さを導出するとともに、ドップラーパルスに基づいてゴルフボール1のz軸線上における速さを導出し、これらを合成してゴルフボール1の移動する向きにおける速さを導出する構成とした。かかる構成とすることにより、ゴルフ練習支援装置10を理想飛球線4上に設置した一方でゴルフボール1が理想飛球線上を移動しなかった(すなわち真っ直ぐに飛ばなかった)場合であっても、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さを正確に導出することでき、ゴルファーに正確な情報を提供することが可能となる。また、ゴルフ練習支援装置10を理想飛球線4上に設置しなかった場合であってもゴルフボール1の移動する向きにおける速さを正確に導出することできるため、ゴルフ練習支援装置10の設置作業を容易なものとすることが可能となる。
【0068】
スイング軌跡表示モードでは、ゴルフボール1及びゴルフクラブ2を上方から視認した模式図と、理想飛球線4と、が表示装置19に表示されるとともに、ヘッド2aの移動軌跡3が表示装置19に表示される構成とした。かかる構成とすることにより、ゴルファーにスイング軌跡がインサイドアウトイン,アウトサイドイン,インサイドアウトのいずれであったかを把握させることが可能となり、その後のゴルフ練習においてスイングを矯正する等の練習を行わせることが可能となる。
【0069】
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0070】
(1)上記実施の形態では、カメラ12とドップラーセンサ11とを一体で備える構成としたが、カメラ12とドップラーセンサ11とを別体で備える構成としても良い。すなわち、撮影機能を有する撮影ユニットと、ドップラーセンサを有するセンサユニットと、を分離可能な構成としても良い。
【0071】
このとき、撮影ユニットとセンサユニットの少なくとも一方に上述した各種機能を実現するための制御部を設け、撮影ユニットとセンサユニットに同一の通信プロトコルの通信機能を有する通信部をそれぞれ設ける構成とする。かかる構成においては、例えば撮影ユニットをゴルファーと正対する位置に設置し、センサユニットをゴルフボール1の後方に設置した場合、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さは導出できなくなるものの、ゴルファーのスイングフォームを撮影しつつ、ヘッド2a及びゴルフボール1のz軸線上における速さを導出することができる。故に、これらを表示装置19に表示することでスイングフォームとヘッド2aの速さ等を同時に確認させることが可能となる。
【0072】
(2)上記実施の形態では、ヘッド2aにおけるゴルフボール1の衝突位置を表示する機能と、ヘッド2aの速さを表示する機能と、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さを表示する機能と、ゴルフボール1に対するスイング軌跡を表示する機能と、を備える構成としたが、これら全ての機能を備える構成に限定されるものではなく、少なくとも1つの機能を備える構成であれば良い。
【0073】
(3)上記実施の形態では、ヘッド2aにおけるゴルフボール1の衝突位置等の各種情報を表示装置19に表示することでゴルファーに報知する構成としたが、各種情報をスピーカ20から音声出力することでゴルファーに報知する構成としても良い。また、表示装置19の表示とスピーカ20の音声出力とを共に行う構成としても良いことはいうまでもない。
【0074】
(4)上記実施の形態では、インパクト位置表示モードにおいてインパクト時のヘッド2aの速さとゴルフボール1の速さとを表示する構成としたが、これら速さをインパクト位置表示モードと異なる表示モードにおいて表示する構成としても良い。
【0075】
(5)上記実施の形態では、ヘッド2aの速さとゴルフボール1の速さを導出する構成として説明したが、ゴルファーが素振りを行った場合、ヘッド2aの速さのみが導出されることはいうまでもない。
【0076】
(6)上記実施の形態では、スイングが開始されたと判別した場合に画像記憶部17及び速さ記憶部16に対応する情報を記憶する構成としたが、計測開始ボタンが操作された場合等の所定の操作がなされた場合に画像記憶部17及び速さ記憶部16に対応する情報を記憶する構成としても良い。
【0077】
(7)上記実施の形態では、スイングが開始されたと判別してから約5秒が経過するまでの間、導出した速さを速さ記憶部16に逐次記憶する構成としたが、導出した速さを速さ記憶部16に記憶する時間は任意である。また、計測終了ボタンが操作された場合等の所定の操作がなされた場合に記憶を終了する構成としても良い。画像記憶部17についても同様である。
【0078】
(8)上記実施の形態では、撮影画像に基づいてx軸線上及びy軸線上におけるゴルフボール1の速さを導出する構成としたが、x軸線上におけるゴルフボール1の速さのみを導出する構成としても良い。かかる構成とした場合には、理想飛球線4上にゴルフ練習支援装置を設置したものの理想飛球線を外れてゴルフボール1が移動した場合、ゴルフボール1の正確な速さを導出することができなくなる。しかしながら、ドップラーパルスに基づいてz軸線上におけるゴルフボール1の速さを導出して表示するゴルフ練習支援装置と比較した場合には、x軸線上におけるゴルフボール1の速さを考慮できるため、より正確なゴルフボール1の速さを表示することが可能となる。
【0079】
(9)上記実施の形態では、撮影画像に基づいて導出した速さを用いて、ドップラーパルスに基づいて導出したゴルフボール1の速さを補正する構成としたが、ドップラーパルスに基づいて導出したヘッド2aの速さを補正する構成としても良い。
【0080】
(10)上記実施の形態では、スイング軌跡表示モードにおいて、ゴルフボール1及びゴルフクラブ2を上方から視認した模式図と、理想飛球線4と、を表示装置19に表示するとともに、導出したxz平面におけるヘッド2aの中心位置の移動軌跡3を表示装置19に表示する構成としたが、移動軌跡3に沿ってゴルフクラブ2を移動させ、ゴルフクラブ2がゴルフボール1と衝突するまでの間をアニメーション表示する構成としても良い。また、その後のゴルフクラブ2の動きをアニメーション表示するようにしても良く、ゴルフクラブ2とゴルフボール1との衝突後はゴルフボール1をゴルフクラブ2よりも早く移動させるアニメーション表示をするようにしても良い。
【0081】
(11)上記実施の形態では、スイングが開始されたと判別した場合、速さ記憶部16及び画像記憶部17に対応するデータを記憶する構成としたが、かかる構成を変更する。
【0082】
制御部13は、パターンマッチング等によって撮影範囲内にゴルフボール1が存在するか否かを判別する。ゴルフボール1が存在する場合には、ゴルフボール1の中心の位置をモーションディテクトする。ゴルフボール1の中心の位置が所定時間変位しなかった場合には、ゴルフボール1が設置されたと判別し、このときの位置をゴルフボール1の中心の初期位置として導出結果記憶部18に記憶する。また、ゴルフボール1が設置されたと判別した場合には、所定時間経過等の終了条件が成立するまで、速さ記憶部16及び画像記憶部17に対応するデータ及び時刻を記憶する。
【0083】
かかる構成において画像記憶部17に記憶される各撮影画像について説明する。
【0084】
ゴルフボール1が設置された場合には、図6(a)に示すように、ゴルフボール1の全体を撮影した撮影画像が記憶される。ゴルファーは、ゴルフボール1が設置された又はゴルファー自身がゴルフボール1を設置した場合、ゴルフボール1を打つべくヘッド2aをゴルフボール1の後方に戴置する。この結果、バックスイングが開始されるまでの間は、図6(b)に示すように、ゴルフボール1の全体又は一部がヘッド2aに隠れた撮影画像が記憶される。バックスイングが開始された場合には、ヘッド2aが撮影範囲外に移動していく様を撮影した撮影画像が順次記憶され、ヘッド2aが撮影範囲外に移動した場合には、図6(c)に示すように、ゴルフボール1の全体を撮影した撮影画像が再び記憶される。その後は、ダウンスイングに伴ってヘッド2aがゴルフボール1に向かって移動してくる様を撮影した撮影画像が順次記憶されるとともに、インパクトが近づくにつれてゴルフボール1の一部がヘッド2aに隠れた撮影画像が記憶され、インパクトの際に再び図6(b)に示すようにゴルフボール1の全体がヘッド2aに隠れた撮影画像が記憶される。インパクト後には、フォロースイングに伴って撮影範囲外に移動していくヘッド2aと、飛翔を開始したゴルフボール1と、を撮影した撮影画像が順次記憶され、ヘッド2aが撮影範囲外に移動した場合には、図6(d)に示すように、飛翔するゴルフボール1のみを撮影した撮影画像が記憶される。
【0085】
このように、ゴルフボール1が設置されたと判別した場合に速さ記憶部16及び画像記憶部17に対応するデータを記憶する構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様、スイング開始後にゴルフボール1が完全に消失した最初の撮影画像をインパクト時の撮影画像であると特定することができる。
【0086】
(12)上記実施の形態では、画像記憶部17に記憶された撮影画像からインパクト時の撮影画像を特定する構成としたが、速さ記憶部17に記憶された速さからインパクト時の撮影画像を特定する構成としても良いし、画像記憶部17に記憶された撮影画像と速さ記憶部17に記憶された速さとを共に用いてインパクト時の撮影画像を特定する構成としても良い。速さ記憶部17に記憶された速さからインパクト時の撮影画像を特定する構成としては、ヘッド2aが最高速となった時刻に撮影された撮影画像をインパクト時の撮影画像であると特定する構成が代表例として挙げられる。
【0087】
また、ヘッド2aの速さ変化のピーク(すなわち最高速)を導出した時刻と、ゴルフボール1の速さ変化のピーク(すなわち初速)を導出した時刻と、に生じる時間のずれ幅からインパクト時の時刻を特定し、対応する撮影画像をインパクト時の撮影画像であると特定する構成としても良い。より具体的に説明すると、制御部13には、基準ずれ幅を予め記憶させておく。基準ずれ幅とは、ヘッド2aが最高速となったタイミングでヘッド2aがゴルフボール1に衝突した場合に生じる、ヘッド2aの最高速を導出した時刻と、ゴルフボール1の初速を導出した時刻と、のずれ幅である。上述したとおり、ヘッド2aの最高速は、ヘッド2aの移動軌跡3の最下点において導出される。このため、ヘッド2aの移動軌跡3におけるインパクト位置が最下点よりも後側であった場合には、ヘッド2aの最高速を導出した時刻と、ゴルフボール1の初速を導出した時刻と、のずれ幅が基準ずれ幅よりも大きくなり、ヘッド2aの移動軌跡3におけるインパクト位置が最下点よりも前側であった場合には、ヘッド2aの最高速を導出した時刻と、ゴルフボール1の初速を導出した時刻と、のずれ幅が基準ずれ幅よりも小さくなる。そこで、制御部13は、速さ記憶部16に記憶された上記各時刻から導出したずれ幅(以下、「導出ずれ幅」という。)が基準ずれ幅と一致した場合、ヘッド2aの最高速を導出した時刻をインパクト時の時刻と特定する。導出ずれ幅が基準ずれ幅よりも小さい場合には、基準ずれ幅と導出ずれ幅との差を導出し、ヘッド2aの最高速を導出した時刻に前記導出結果を加算した時刻をインパクト時の時刻と特定する。導出ずれ幅が基準ずれ幅よりも大きい場合には、導出ずれ幅と基準ずれ幅との差を導出し、ヘッド2aの最高速を導出した時刻から前記導出結果を減算した時刻をインパクト時の時刻と特定する。
【0088】
(13)上記実施の形態では、インパクト位置表示モードにおいて、ゴルフボール1の衝突位置を「×」印で表示する構成としたが、衝突位置の表示態様はかかる構成に限定されるものではなく、図4(b)等に示す撮影画像からゴルフボール1の輪郭を特定して表示する構成としても良い。
【0089】
(14)上記実施の形態における速さ記憶部16に記憶された情報,画像記憶部17に記憶された情報及び導出結果記憶部18に記憶された情報を用いて、他の機能を実現することも可能である。
【0090】
例えば、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さと、ヘッド2aがゴルフボール1に衝突した際の速さと、を用いてミート率を導出し、当該導出結果を表示する構成とする。上記各速さを用いてミート率を導出することにより、ドップラーパルスに基づいてゴルフボール1の速さ及びヘッド2aの最高速を導出するとともにこれらを用いてミート率を導出する構成と比して、より正確なミート率を導出することができる。
【0091】
例えば、ゴルフボール1の移動する向きにおける速さから推定飛距離を導出し、当該導出結果を表示する構成とする。推定飛距離は、ゴルフボール1の初速に4を乗算することで概算することができる。ドップラーセンサを用いてヘッドの速さ及びゴルフボールの速さを測定するスピード計測器の中には、ゴルフ練習に用いるゴルフクラブの種別を測定前に入力させ、ドップラーセンサに基づいて導出したゴルフボールの速さと、入力されたゴルフクラブの種別と対応する係数(具体的には打ち出し角度)と、により推定飛距離を導出して表示するものがある。しかしながら、かかる構成においては、ゴルファーがゴルフ練習に用いるゴルフクラブの種別を測定前に入力する必要があるため、事前準備が煩雑なものとなる。また、ゴルファーがトップ気味にインパクトさせた場合やダフリ気味にインパクトさせた場合等においては、ゴルフクラブの種別と対応しない打ち出し角度でゴルフボールが移動することとなるため、正確な推定飛距離を導出することができなくなる。一方、撮影画像に基づいてゴルフボール1のx軸線上及びy軸線上における速さを導出するとともに、ドップラーパルスに基づいてゴルフボール1のz軸線上における速さを導出し、これらを合成してゴルフボール1の移動する向きにおける速さを導出する本構成においては、ゴルフクラブの種別に関わりなくゴルフボール1の移動する向きにおける速さを正確に導出することができる。また、ゴルフクラブの種別に関わりなく上記各軸線上における速さから打ち出し角度を導出することができるため、ゴルファーはゴルフクラブの種別を測定前に入力せずとも良い。故に、事前準備を容易なものとしつつ、より正確なゴルフボール1の推定飛距離を導出することが可能となる。
【0092】
例えば、ヘッド2aがゴルフボール1に衝突した際の速さと、ヘッド2aの最高速と、が異なる場合に、これら速さを共に表示する構成とする。これに代えて又は加えて、ヘッド2aがゴルフボール1に衝突した際の速さがヘッド2aの最高速と一致する場合には、所定の報知を行う構成とする。かかる構成とした場合には、インパクトのタイミングが適切であったか否かを把握させることが可能となる。
【0093】
例えば、ヘッド2aの中心位置の移動軌跡と、ゴルフボール1の中心の移動軌跡と、により、ゴルフボール1が真っ直ぐに飛んだか否かを判定し、真っ直ぐに飛んだ場合に所定の報知を行う構成とする。
【0094】
(15)ドップラーパルスに基づいて導出した速さと、撮影画像と、これらを関連付けるための時刻等の関連付け用情報と、をゴルフ練習支援装置10の外部に取出可能な構成とし、所定の解析プログラムが記憶されたパーソナルコンピュータ等の外部装置においてヘッド2aにおけるゴルフボール1の衝突位置等を導出する構成としても良い。
【0095】
(16)ゴルフボール1及びゴルフクラブ2に光を出力(照射)する光出力部を設ける構成としても良い。
【0096】
光出力部は、例えばカメラ12の撮影方向と同一方向に光を出力する構成とすると良い。また例えば、光として赤外光を用いた場合には、暗い環境であっても撮影できるようになるとともにゴルフ練習の妨げとならないため、特に良い。
【0097】
光出力部から光を出力するか否かは、制御部13によって制御すると良い。制御部13は、例えば、撮影画像にゴルフボール1が映らない状態である場合、撮影画像が真っ暗(真っ黒)である場合、逆光で床面とゴルフボール1の区別がつかない場合等、ゴルフボール1のモーションディテクトが困難な撮影画像である場合に、光出力部からの光の出力を行う制御をすると良い。
【0098】
光出力部からは常時光を出力する構成としても良いが、光の出力を行うか否かを制御することにより、バッテリによる動作時間を伸ばすことができる。
【0099】
例えば、制御部13にIR・LEDを接続し、カメラ12の撮影画像がゴルフボール1が映らないレベルの出力である場合には、IR・LEDを点灯させる制御を行うと良い。
【符号の説明】
【0100】
10…ゴルフ練習支援装置
11…ドップラーセンサ
12…カメラ
13…制御部
14…アンプ
15…コンパレータ
16…速さ記憶部
17…画像記憶部
18…導出結果記憶部
19…表示装置
20…スピーカ
21…スイッチ群
22…電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔で画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段が撮影した画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、ゴルフボールの設置位置を把握する設置位置把握手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、ゴルフクラブのスイング軌跡を把握するスイング軌跡把握手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、前記ゴルフボールの移動軌跡を把握する移動軌跡把握手段と、
前記スイング軌跡把握手段及び前記移動軌跡把握手段の把握結果に基づいて、前記ゴルフクラブのヘッドにおける前記ゴルフボールの衝突位置を導出する衝突位置導出手段と、
前記衝突位置導出手段の導出結果を報知する報知部と
を備えたことを特徴とするゴルフ練習支援装置。
【請求項2】
ドップラー信号を出力するドップラーセンサと、
前記ドップラーセンサによって出力されたドップラー信号に基づいて、前記ヘッドの速さを逐次導出するヘッド速さ導出手段と、
前記ヘッド速さ導出手段の導出結果を、前記画像記憶手段に記憶された画像と関連付けて記憶する導出結果記憶手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のゴルフ練習支援装置。
【請求項3】
ドップラー信号を出力するドップラーセンサと、
前記ドップラーセンサによって出力されたドップラー信号に基づいて、前記ヘッドの速さを逐次導出するヘッド速さ導出手段と、
前記ヘッド速さ導出手段の導出結果を記憶する導出結果記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像と、前記導出結果記憶手段に記憶された前記ヘッドの速さと、を関連付ける関連付け手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のゴルフ練習支援装置。
【請求項4】
前記ヘッドが前記ゴルフボールに衝突した際の速さを報知する衝突速さ報知部を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のゴルフ練習支援装置。
【請求項5】
ドップラー信号を出力するドップラーセンサと、
前記ドップラーセンサによって出力されたドップラー信号に基づいて、前記ドップラーセンサの設置位置から前記ゴルフボールの設置位置に向かう第1向きにおける前記ゴルフボールの速さを導出する第1速度導出手段と、
前記第1速度導出手段の導出結果を記憶する第1導出結果記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、補正情報を導出する補正情報導出手段と、
前記補正情報と、前記第1速度導出手段の導出結果とを用いて前記ゴルフボールの移動する向きにおける速さを導出する第2速度導出手段と、
前記第2速度導出手段の導出結果を記憶する第2導出結果記憶手段と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のゴルフ練習支援装置。
【請求項6】
前記補正情報導出手段は、前記補正情報として、前記第1向きに対して鉛直な第2向きにおける前記ゴルフボールの速さを導出することを特徴とする請求項5に記載のゴルフ練習支援装置。
【請求項7】
前記補正情報導出手段は、前記補正情報として、前記第1向き及び前記第2向きに対して垂直な第3向きにおける前記ゴルフボールの速さを導出することを特徴とする請求項6に記載のゴルフ練習支援装置。
【請求項8】
前記撮影手段を備えた撮影ユニットと、前記ドップラーセンサを備えたセンサユニットと、を分離可能な構成とするとともに、前記撮影ユニット及び前記センサユニットに、同一の通信プロトコルの通信機能を有する通信部を設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載のゴルフ練習支援装置。
【請求項9】
前記スイング軌跡把握手段の把握結果に基づいて、前記ヘッドが前記ゴルフボールに衝突する際のスイングの向きを導出するスイング向き導出手段と、
前記移動軌跡把握手段の把握結果に基づいて、前記ゴルフボールが移動を開始した際の向きを導出する移動向き導出手段と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のゴルフ練習支援装置。
【請求項10】
前記画像記憶手段に記憶された画像に基づいて、前記ヘッドの中心の軌跡を把握する中心軌跡把握手段と、
前記中心軌跡把握手段の把握結果と前記ゴルフボールの設置位置との関係を、前記ゴルフボールを上方から見た図として表示する中心軌跡表示手段と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のゴルフ練習支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−40052(P2012−40052A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181214(P2010−181214)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)