説明

サイクロン式分離装置

【課題】大きさの異なる第1の分離対象物と第2の分離対象物とを確実に分離することが可能なサイクロン式分離装置を提供する。
【解決手段】サイクロン式分離装置11は、上端が開口した円筒状の第1サイクロン13と、該第1サイクロン13の上端部の周壁に対して接線方向に設けられるとともに該第1サイクロン13内にブラシ製品及び該ブラシ製品よりも小さい毛羽ごみからなる混合物を流入させるための流入口18aと、第1サイクロン13の下端部の周壁に形成され、ブラシ製品の通過を規制するとともに毛羽ごみの通過を許容する複数の長孔23と、該各長孔23を囲うとともに第1サイクロン13の下端部の周壁の外側に分離室25を形成する分離室形成部材24と、該分離室形成部材24に設けられるとともに分離室25を吸引するための吸引口とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、シート状のベロア材を所定の大きさに切断加工してなるブラシ製品と該ベロア材を切断加工したときに発生する細かい毛羽(繊維)のごみとを分離するためのサイクロン式分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、重さ(大きさ)の異なる第1の分離対象物及び第2の分離対象物からなる混合物を第1の分離対象物と第2の分離対象物とに分離するものとしてサイクロン(サイクロン式分離装置)が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1のサイクロンは、上端を蓋板で閉止した円筒部と該円筒部の下端縁に連結されるとともに下方に延在する逆円錐筒部とを有した胴体(容器本体)を備えている。円筒部の側壁には材料(混合物)を供給するための入口管が接線状に設けられるとともに逆円錐筒部の下端には粉粒体(第1の分離対象物)を排出するための排出管が設けられ、蓋板の中央部には該蓋板を貫通するように内筒が設けられている。
【0003】
内筒は、円筒部の中心軸線に沿って垂下し、その下端開口から微粉末(第2の分離対象物)を排出するものであり、該内筒の上端に微粉末の流出路となる流出管が接続されている。そして、流出管から胴体内を吸引した状態で入口管から円筒部の接線方向に材料を流入させると、該材料が胴体内部を旋回する。これにより、材料のうち重い(大きい)粉粒体が旋回しながら下降して排出管から排出される一方、材料のうち軽い(小さい)微粉末が空気とともに内筒の下端開口に取り込まれて流出管から排出されることで、粉粒体と微粉末とに分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−205138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のサイクロンでは、流出管からの吸引力が小さすぎると排出管から粉粒体に混じって微粉末が排出される一方、流出管からの吸引力が大きすぎると排出管から粉粒体が排出されずに粉粒体と微粉末とが胴体内を旋回し続けるため、流出管からの吸引力の調節が難しく、場合によっては粉粒体と微粉末とを分離することができないことがあった。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、大きさの異なる第1の分離対象物と第2の分離対象物とを確実に分離することが可能なサイクロン式分離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、軸方向における一方端が閉塞されるとともに他方端が開口した円筒状の容器本体と、該容器本体の軸方向における一方端部の周壁に対して接線方向に設けられるとともに該容器本体内に第1の分離対象物及び該第1の分離対象物よりも小さい第2の分離対象物を含む混合物を流入させるための流入口と、前記容器本体の軸方向における他方端部の周壁に形成され、前記第1の分離対象物の通過を規制するとともに前記第2の分離対象物の通過を許容する貫通孔と、該貫通孔を囲うとともに前記容器本体の軸方向における他方端部の周壁の外側に分離室を形成する分離室形成部材と、該分離室形成部材に設けられるとともに前記分離室を吸引するための吸引口とを備えたことを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、貫通孔が第1の分離対象物の通過を規制するとともに第2の分離対象物の通過を許容するため、吸引口から分離室を吸引することで、貫通孔により大きさの異なる第1の分離対象物と第2の分離対象物とを確実に分離することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記貫通孔は前記容器本体の周方向に沿って複数設けられていることを要旨とする。
上記構成によれば、容器本体内の第2の分離対象物を各貫通孔から分離室へ円滑に導くことが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記各貫通孔は長孔によって構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、容器本体内の第2の分離対象物を各貫通孔から分離室へ導く際に、各貫通孔を第1の分離対象物によって塞がれ難くすることが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記各貫通孔は前記容器本体の軸方向の他方端へ向かうほど前記分離室を吸引した際に前記容器本体内に発生する前記混合物の旋回流の旋回方向へのずれ量が大きくなるように延びていることを要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、混合物が各貫通孔に沿って旋回し易くなるので、容器本体内の第2の分離対象物を各貫通孔から分離室へ効率よく導くことが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記各貫通孔は前記容器本体の周方向に沿って等間隔に設けられていることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、容器本体内の第2の分離対象物を各貫通孔から分離室へ均一に導くことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、大きさの異なる第1の分離対象物と第2の分離対象物とを確実に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態のサイクロン式分離装置の正面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1の要部拡大断面図。
【図4】同サイクロン式分離装置における第1サイクロンの要部拡大正面図。
【図5】実施形態において、(a)はベロア材の斜視図、(b)は(a)のベロア材を切断加工して得られたブラシ製品と毛羽ごみとの混合物を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1にはサイクロン式分離装置11が示されている。このサイクロン式分離装置11は、基布50a上に多数の毛羽50bが立設されるように織られたシート状のベロア材50(図5(a)参照)を所定の大きさに切断加工してなるブラシ製品51(図5(b)参照)と該ベロア材50を切断加工したときに発生する細かい切れた毛羽(繊維)からなるごみである毛羽ごみ52(図5(b)参照)との混合物53(図5(b)参照)をブラシ製品51と毛羽ごみ52とに分離するためのものである。なお、本実施形態では、ブラシ製品51によって第1の分離対象物が構成されるとともに、毛羽ごみ52によって第2の分離対象物が構成されている。
【0017】
図1及び図2に示すように、サイクロン式分離装置11は、中空で直方体状をなす製品回収ケース12上に立設された容器本体としての第1サイクロン13と、製品回収ケース12の右側に隣接して配置されるとともに該製品回収ケース12と同じ構成のごみ回収ケース14上に立設された第2サイクロン15とを備えている。
【0018】
製品回収ケース12内には有底四角箱状をなす製品回収箱16が収容されており、該製品回収箱16は製品回収ケース12に設けられた扉(図示略)を開けることで該製品回収ケース12に対して出し入れ可能になっている。一方、ごみ回収ケース14内には有底四角箱状をなすごみ箱17が収容されており、該ごみ箱17はごみ回収ケース14に設けられた扉(図示略)を開けることで該ごみ回収ケース14に対して出し入れ可能になっている。
【0019】
第1サイクロン13は、軸方向が鉛直方向と一致するとともに、上端が閉塞された第1円筒部18と該第1円筒部18の下端から下方に向かって徐々に径が小さくなるように延びる第1円錐筒部19とを備えており、第1円筒部18と第1円錐筒部19とは連通している。すなわち、第1サイクロン13は、軸方向における一方端である上端が閉塞されるとともに他方端である下端が開口した円筒状をなしている。第1円錐筒部19の下端部は製品回収ケース12の上壁を貫通しており、第1円錐筒部19の下端は製品回収ケース12内において開口している。そして、第1サイクロン13(第1円錐筒部19)の下端開口部20は製品回収ケース12内において製品回収箱16の上端開口部21と対向している。
【0020】
第1サイクロン13の上端部に位置する第1円筒部18の周壁における左斜め後方部分には、混合物53(図5(b)参照)を流入させるための流入口18aが第1円筒部18の接線方向に設けられている。第1円筒部18の流入口18aには、第1円筒部18の接線方向に沿って後側から円筒状の流入管22が第1円筒部18内と連通するように着脱可能に挿嵌されている。第1円錐筒部19の周壁の下端部における製品回収ケース12の上面よりも上側の部分には、複数の貫通孔としての直線状の長孔23が第1円錐筒部19の周方向に沿って互いに平行に且つ等間隔になるように貫通形成されている。
【0021】
各長孔23の幅は、ブラシ製品51(図5(b)参照)の通過を規制するとともに、該ブラシ製品51よりも小さい毛羽ごみ52(図5(b)参照)の通過を許容する大きさに設定されている。また、図3及び図4に示すように、各長孔23は、平面視で第1円錐筒部19の周方向における反時計方向(図3及び図4において矢印で示す方向)を進行方向とした場合に、該各長孔23の下端部が上端部よりも進んだ位置に位置するように第1円錐筒部19の周壁と直交する面に対してそれぞれ傾斜している。
【0022】
図1〜図3に示すように、製品回収ケース12の上面上には、第1円錐筒部19の各長孔23を囲うように円筒状の分離室形成部材24が着脱自在に取着されている。分離室形成部材24の高さは各長孔23の上端よりも若干高くなっており、該分離室形成部材24の上端開口部には該上端開口部と第1円錐筒部19の周壁との間の隙間を閉塞する内側フランジ部24aが設けられている。
【0023】
そして、分離室形成部材24の内面、第1円錐筒部19の外周面、及び製品回収ケース12の上面により、各長孔23を外側から囲む円環状の分離室25が形成されている。したがって、第1サイクロン13(第1円錐筒部19)の内部と分離室25とは各長孔23を介して連通している。分離室形成部材24の周壁における右斜め前方部分には、分離室25を吸引するための吸引口24bが分離室形成部材24の接線方向に設けられている。分離室形成部材24の吸引口24bには、分離室形成部材24の接線方向に沿って右側から円筒状の連絡管26の下端部が分離室25と連通するように着脱可能に挿嵌されている。
【0024】
図1及び図2に示すように、第2サイクロン15は、軸方向が鉛直方向と一致するとともに、上端が閉塞された第2円筒部30と該第2円筒部30の下端から下方に向かって徐々に径が小さくなるように延びる第2円錐筒部31とを備えており、第2円筒部30と第2円錐筒部31とは連通している。第2円錐筒部31の下端部はごみ回収ケース14の上壁を貫通しており、第2円錐筒部31の下端はごみ回収ケース14内において開口している。そして、第2サイクロン15(第2円錐筒部31)の下端開口部32はごみ回収ケース14内においてごみ箱17の上端開口部33と対向している。なお、第2サイクロン15の下端開口部32の径は、第1サイクロン13の下端開口部20の径よりも大きくなるように設定されている。
【0025】
第2サイクロン15の上端部に位置する第2円筒部30の周壁における左斜め前方部分には、下端部(一端部)が分離室形成部材24に接続された連絡管26の上端部(他端部)が、第2円筒部30の接線方向に沿って左側から第2円筒部30内と連通するように着脱可能に接続されている。したがって、分離室25と第2サイクロン15の内部とは連絡管26を介して連通している。
【0026】
第2サイクロン15の上壁の中心部には該上壁を鉛直方向に沿って貫通するように円筒状の吸引管34が設けられており、該吸引管34の下端は第2サイクロン15の上下方向のほぼ中央部まで達している。第2サイクロン15内に位置する吸引管34の下端部には毛羽ごみ52(図5(b)参照)の通過を規制するとともに空気の通過を許容するフィルタ35が設けられている。
【0027】
ごみ回収ケース14の上面における第2サイクロン15よりも後側の位置には該第2サイクロン15よりも高さの低い吸引装置36が設けられており、第2サイクロン15外に位置する吸引管34の上端部と吸引装置36とは接続管37を介して接続されている。
【0028】
次に、サイクロン式分離装置11の作用について説明する。
さて、ブラシ製品51と毛羽ごみ52との混合物53をブラシ製品51と毛羽ごみ52とに分離する場合には、まず、吸引装置36を駆動する。すると、流入管22が、吸引装置36により、第1サイクロン13、各長孔23、分離室25、連絡管26、第2サイクロン15、吸引管34、接続管37を介して吸引される。これにより、第1サイクロン13内には、該第1サイクロン13の内周面に沿う空気の旋回流が発生する。この旋回流は、流入管22と第1サイクロン13との位置関係から平面視で反時計方向に流れる。この状態で流入管22から混合物53を第1サイクロン13内へ流入させると、混合物53が空気とともに旋回流となって第1サイクロン13内を平面視で反時計方向に流れる。
【0029】
このとき、混合物53には空気の旋回流によって平面視で反時計方向に流れる力と重力とが作用するため、該混合物53は螺旋状に旋回しながら徐々に下降する。そして、混合物53の旋回流が各長孔23と対応する位置に差し掛かると、混合物53のうちブラシ製品51よりも軽くて小さい毛羽ごみ52が旋回流の遠心力等によって各長孔23を通り抜けて分離室25へと流れ込む。
【0030】
この場合、各長孔23は隣接する混合物53の旋回流の旋回方向(平面視で反時計方向)へのずれ量が下方に向かうほど大きくなるように延びている。すなわち、混合物53の旋回流の旋回方向(図3及び図4において矢印で示す方向)を進行方向とした場合に、該各長孔23は、その下端部が上端部よりも該旋回方向に沿って進んだ位置に位置するようにそれぞれ傾斜している。したがって、第1サイクロン13内を螺旋状に旋回しながら下降する混合物53は各長孔23に沿って移動するため、毛羽ごみ52は各長孔23から分離室25へと効率よく流れ込む。
【0031】
一方、混合物53のうち毛羽ごみ52よりも重くて大きいブラシ製品51は、各長孔23を通り抜けることができないため、旋回しながら下降して第1サイクロン13の下端開口部20から製品回収箱16に落下して回収される。これにより、混合物53からブラシ製品51が分離される。
【0032】
また、分離室25へ流れ込んだ毛羽ごみ52は、連絡管26を通って第2サイクロン15内へ流れ込む。このとき、連絡管26と第2サイクロン15との位置関係から第2サイクロン15内には、該第2サイクロン15の内周面に沿った平面視で反時計方向に流れる空気の旋回流が発生している。したがって、第2サイクロン15内へ流れ込んだ毛羽ごみ52は、空気とともに旋回流となって第2サイクロン15内を平面視で反時計方向に流れる。
【0033】
このとき、毛羽ごみ52には空気の旋回流によって平面視で反時計方向に流れる力と重力とが作用するため、該毛羽ごみ52は螺旋状に旋回しながら徐々に下降して第2サイクロン15の下端開口部32からごみ箱17に落下して回収される。一方、第2サイクロン15内を旋回する空気は、吸引管34に流れ込み、接続管37を通って吸引装置36へと流れた後、該吸引装置36から排気される。このとき、吸引管34に流れ込む空気に毛羽ごみ52が混じっていたとしても、フィルタ35の作用により毛羽ごみ52が吸引管34内に流れ込むことはない。
【0034】
このように、サイクロン式分離装置11を用いることで、ブラシ製品51と毛羽ごみ52との混合物53をブラシ製品51と毛羽ごみ52とに迅速かつ確実に分離することができる。
【0035】
以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)各長孔23がブラシ製品51の通過を規制するとともに毛羽ごみ52の通過を許容するため、吸引口24bから分離室25を吸引することで、ブラシ製品51及び毛羽ごみ52のうち毛羽ごみ52だけを各長孔23から分離室25へ導くことができる。したがって、ブラシ製品51と該ブラシ製品51よりも小さい毛羽ごみ52とを確実に分離することができる。
【0036】
(2)各長孔23は第1サイクロン13の周方向に沿って複数設けられているため、第1サイクロン13内の毛羽ごみ52を各長孔23から分離室25へと円滑に導くことができる。
【0037】
(3)第1サイクロン13内と分離室25とを連通する各長孔23は、一定方向の長さが他の方向の長さに比べて長いため、第1サイクロン13内の毛羽ごみ52が各長孔23から分離室25へ流れ込む際に該各長孔23にブラシ製品51が張り付いても、該各長孔23がブラシ製品51によって完全に塞がれ難くなる。
【0038】
(4)混合物53の旋回流の旋回方向(図3及び図4において矢印で示す方向)を進行方向とした場合に、該各長孔23は、その下端部が上端部よりも該旋回方向に沿って進んだ位置に位置するようにそれぞれ傾斜している。したがって、第1サイクロン13内を螺旋状に旋回しながら下降する混合物53は各長孔23に沿って移動するため、混合物53のうちの毛羽ごみ52だけを各長孔23から分離室25へ効率よく流れ込ませることができる。
【0039】
(5)各長孔23は第1サイクロン13の周方向に沿って等間隔に設けられているため、第1サイクロン13内の混合物53のうちの毛羽ごみ52だけを該各長孔23から分離室25へ均一に導くことができる。
【0040】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・各長孔23は、必ずしも第1サイクロン13の周方向に沿って等間隔に設ける必要はない。
【0041】
・各長孔23の延びる方向や長さは任意としてもよい。
・貫通孔は、長孔ではなく、丸孔や角孔によって構成してもよい。
・長孔23は、1つにしてもよい。
【0042】
・第2サイクロン15及び連絡管26を省略し、吸引口24bから分離室25を吸引装置36によって直接吸引するようにしてもよい。
・第1サイクロン13及び第2サイクロン15の少なくとも一方を、径が一定の円筒状となるように変更してもよい。
【0043】
・第1の分離対象物と第2の分離対象物との組み合わせは、大きさが異なるものであれば、それらの形状や材質は任意としてもよい。この場合、各長孔23の幅は、第1の分離対象物及び第2の分離対象物のうち小さい方のみが該各長孔23を通過できるように設定する必要がある。
【0044】
・第1サイクロン13及び第2サイクロン15のうち少なくとも一方の軸方向は、水平面に対して傾斜していてもよい。
・第1サイクロン13の内周面には、1つあるいは複数の突起を設けてもよい。このようにすれば、第1サイクロン13内を旋回するブラシ製品51が該突起にぶつかることで、落下しやすくなるため、ブラシ製品51の回収効率を向上することができる。
【0045】
・第1サイクロン13の内周面に、各長孔23を個別に囲む環状の壁部を設けてもよい。このようにすれば、各長孔23にブラシ製品51が張り付きにくくなるので、該各長孔23がブラシ製品51によって塞がれることを効果的に抑制することができる。
【0046】
・混合物53の旋回流の旋回方向(図3及び図4において矢印で示す方向)を進行方向とした場合に、該各長孔23の下端部が上端部よりも該旋回方向に沿って進んだ位置に位置するように、該各長孔23をそれぞれ湾曲させてもよい。
【符号の説明】
【0047】
11…サイクロン式分離装置、13…容器本体としての第1サイクロン、18a…流入口、23…貫通孔としての長孔、24…分離室形成部材、24b…吸引口、25…分離室、51…第1の分離対象物としてのブラシ製品、52…第2の分離対象物としての毛羽ごみ、53…混合物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向における一方端が閉塞されるとともに他方端が開口した円筒状の容器本体と、
該容器本体の軸方向における一方端部の周壁に対して接線方向に設けられるとともに該容器本体内に第1の分離対象物及び該第1の分離対象物よりも小さい第2の分離対象物を含む混合物を流入させるための流入口と、
前記容器本体の軸方向における他方端部の周壁に形成され、前記第1の分離対象物の通過を規制するとともに前記第2の分離対象物の通過を許容する貫通孔と、
該貫通孔を囲うとともに前記容器本体の軸方向における他方端部の周壁の外側に分離室を形成する分離室形成部材と、
該分離室形成部材に設けられるとともに前記分離室を吸引するための吸引口と
を備えたことを特徴とするサイクロン式分離装置。
【請求項2】
前記貫通孔は前記容器本体の周方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項3】
前記各貫通孔は長孔によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項4】
前記各貫通孔は前記容器本体の軸方向の他方端へ向かうほど前記分離室を吸引した際に前記容器本体内に発生する前記混合物の旋回流の旋回方向へのずれ量が大きくなるように延びていることを特徴とする請求項3に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項5】
前記各貫通孔は前記容器本体の周方向に沿って等間隔に設けられていることを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のサイクロン式分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−264402(P2010−264402A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118925(P2009−118925)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】