説明

サイホンゼット便器

【課題】洗浄水の量を節水化することができ、且つ、必要な洗浄機能を確保することができるサイホンゼット便器を提供する。
【解決手段】本発明は、洗浄水の水頭圧を利用して洗浄水を供給するサイホンゼット便器10において、ボウル部16と、リム吐水口24と、サイホン作用により汚物を排出する排水トラップ管路28と、ゼット吐水口26と、洗浄水をリム吐水口に供給するリム導水路32と、洗浄水をゼット吐水口に供給するゼット導水路34と、を有し、ゼット導水路は、複数に分岐した分岐水路34a,34bと、これらの複数の分岐水路からの洗浄水を合流させゼット吐水口に向けて旋回させる合流部36と、この合流部で合流した洗浄水を整流する整流部38とからなり、合流部は、旋回する外側領域の洗浄水が正面衝突するようにほぼ直線的に形成された外壁部40と、旋回する内側領域の洗浄水がゼット吐水口に向けてスムーズに流れるように曲がり部が形成された内壁部42とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイホンゼット便器に係り、特に、貯水タンク内に貯水された洗浄水の水頭圧を利用して洗浄水を供給するサイホンゼット便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、貯水タンク内に貯水された洗浄水の水頭圧を利用して洗浄水を便器本体のボウル部に形成されたゼット吐水口に供給し、排水トラップ管路のサイホン作用により、汚物を外部に排出するサイホンゼット便器が知られている。
ここで、従来のサイホンゼット便器においては、図10に示すように、貯水タンク(図示せず)からの洗浄水をボウル部1に形成されたゼット導水路2を経由してゼット吐水口4に供給するため、ゼット導水路2は平面視でU字形状となっていた。
【0003】
しかしながら、ゼット導水路2が、U字形状であると、図11に示すように、ゼット導水路2から供給される洗浄水は、旋回流Aとなり、ゼット吐水口4から吐水される洗浄水(旋回流A)は、外側の流速が早く、内側の流速が遅い、偏った流速分布(カーブ慣性とも言う)を有する流れとなる。
【0004】
このようにゼット吐水口4から吐水される洗浄水の流速分布が偏ると、排水トラップ管路内が満水となるのが遅れ、それによりサイホン作用の起動が遅くなる。
【0005】
この洗浄水の流速分布の偏りを是正するため、特許文献1には、図12に示すように、ゼット導水路2を上流側から下流側に向けて2つに分岐したゼット導水路2a,2bとし、これらのゼット導水路2a,2bの下流側がゼット吐水口4に向けて対向するようにしたサイホンゼット便器が知られている。この特許文献1のサイホンゼット便器においては、2つのゼット導水路2a,2bからの洗浄水が旋回しながら合流部6で合流するため、それぞれのゼット導水路2a,2bの洗浄水の流速分布の偏り(カーブ慣性)が打ち消され、同時に合流することにより流量が倍増するので、洗浄水が合流部6で昇圧され、唯一の出口であるゼット吐水口4へ向けて吐水させるようになっている。
【0006】
また、洗浄水の流速分布の偏りを是正するために、特許文献2には、図13に示すように、特許文献1と同様に、2つのゼット導水路2a,2bを設け、これらのゼット導水路2a,2bの下流側を曲がり部8を有するように湾曲させて、且つ、合流部6は若干広い空間を有するように形成されているサイホンゼット便器が知られている。
【0007】
【特許文献1】実公平1-44616号公報
【特許文献2】米国特許第7111333号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、貯水タンクの洗浄水の水頭圧を利用して洗浄水を供給するサイホンゼット便器においては、洗浄時に貯水タンクから洗浄水が供給されてゼット導水路が満水となり、貯水タンクの洗浄水の水頭圧(水圧ヘッド)がボウル部内の溜水にかかる状態となる。
また、サイホンゼット便器は、サイホンによる汚物引込作用と、水圧ヘッドによる汚物押出作用とにより、汚物を外部に排出するようになっている。
したがって、サイホンゼット便器においては、ゼット導水路が満水となった瞬間の、ボウル部溜水から貯水タンク内の洗浄水の水面までの高さ(H)が高いほど、水圧ヘッドは高くなるために洗浄能力は大きくなる。
【0009】
これに関連し、便器の洗浄前の状態(初期状態)では、ゼット導水路内は大気解放されており、それにより、貯水タンク内の洗浄水とボウル部内溜水の縁が切られた状態となっている。そのため、便器の洗浄開始後は、先ず、貯水タンク内の洗浄水をボウル部へ供給する際、ゼット導水路内に存在する空気を排出することが必要である。ゼット導水路内の空気の存在は、貯水タンクの水頭圧を緩衝させてしまいゼット吐水口からの洗浄水の流速を低減してしまう恐れがある。洗浄水の流速低下は、サイホン作用の起動を遅らせるので、洗浄水を無駄に消費してしまい、節水化の要請を満たすことができない。
【0010】
このようなサイホンゼット便器の持つ特性を考えると、上述した特許文献1のサイホンゼット便器においては、合流時に2つの洗浄水がほぼ全域で正面衝突するので、ゼット導水路2a,2b内の空気を短時間で排出することができるので、その点は有効であるが、全域正面衝突により大きな圧損が生じ、位置エネルギーをロスすると共に、ゼット吐水口4から吐水される洗浄水の流速が低下する。洗浄水の流速が低下すると、サイホン作用の起動が遅れ、その分洗浄水を無駄に消費してしまい、節水化の要請を満たすことができない便器となっている。
【0011】
さらに、上述した特許文献2のサイホンゼット便器においては、特許文献1のように合流時に2つの洗浄水がほぼ全域で正面衝突することがなく、合流部が若干広く空間となっているので、圧損は軽減されると考えられるが、ゼット導水路内の空気を短時間で排出できるような適度の圧損を形成することができない便器である。
【0012】
したがって、本発明は、便器洗浄に使用する洗浄水の量を節水化することができると共に、従来品よりも少ない洗浄水量で従来品同等又はそれ以上の洗浄機能を確保することができるサイホンゼット便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、貯水タンク内に貯水された洗浄水の水頭圧を利用して洗浄水を供給するサイホンゼット便器において、汚物受け面を有するボウル部を備えた便器本体と、ボウル部の上縁に形成されたリム吐水口と、ボウル部の底部に設けられサイホン作用により汚物を排出する排水トラップ管路と、ボウル部の排水トラップ管路の入口に対向する位置に形成されたゼット吐水口と、貯水タンク内の洗浄水をリム吐水口に供給するリム導水路と、貯水タンク内の洗浄水をゼット吐水口に供給するゼット導水路と、を有し、ゼット導水路は、上流側から下流側に向けて複数に分岐した分岐水路と、これらの複数の分岐水路からの洗浄水を合流させゼット吐水口に向けて旋回させる合流部と、この合流部で合流した洗浄水を整流する整流部とからなり、合流部は、旋回する外側領域の洗浄水が正面衝突するようにほぼ直線的に形成された外壁部と、旋回する内側領域の洗浄水が上記ゼット吐水口に向けてスムーズに流れるように曲がり部が形成された内壁部とを有することを特徴としている。
このように構成された本発明において、便器使用時の初期状態では、ゼット導水路に空気が存在するが、洗浄開始時には、貯水タンク内の洗浄水がゼット導水路に供給される。このとき、合流部の外壁部がほぼ直線的に形成されているので、ゼット導水路からの旋回する外側領域の洗浄水のみが正面衝突し、これにより、ゼット導水路内の圧力が瞬間的に上昇して、ゼット導水路内に残留する空気が上方から排出され、ゼット導水路が短時間で満水になる。この結果、本発明においては、ゼット導水路が短時間で満水となるので、貯水タンク内の洗浄水とボウル部の溜水との間の大きなレベル差H(水圧ヘッド)が作用するので、汚物の大きな押出作用(押出力)を得ることができ、さらに、サイホン作用を早期に発生させることができる。
また、本発明においては、合流部は曲がり部が形成された内壁部を有するので、旋回する内側領域の洗浄水はゼット吐水口に向けてスムーズに流れる。
このように本発明によれば、ゼット導水路からの洗浄水の全てを正面衝突させるのではなく、ゼット導水路からの旋回する外側領域の洗浄水のみを正面衝突旋させ、内側領域の洗浄水はスムーズに流れるようにしているので、エネルギーロスを最小限に押さえることができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、合流部の内壁部の曲がり部は、平面視で15mm〜30mmの範囲の曲率半径を持つ。
このように構成された本発明においては、合流部において、旋回する内側領域の洗浄水を、衝突することなく、ゼット吐水口に向けてスムーズに流すことができ、合流部におけるエネルギーロスを最小限に押さえることができる。この結果、サイホン作用を早期に発生させることができ、それにより、少ない洗浄水量で洗浄が可能となる。
【0015】
本発明において、好ましくは、整流部は、所定の水平方向長さを有すると共に、排水トラップ管路に向けて高さ方向においてほぼ水平方向に延びるように形成されている。
このように構成された本発明においては、整流部により、高さ方向においても、洗浄水が整流される。この結果、サイホン作用を早期に発生させることができ、それにより、少ない洗浄水量で洗浄が可能となる。
【0016】
本発明において、好ましくは、貯水タンク内に貯水された洗浄水の量は、2.5リットル〜6.5リットルの範囲である。
このように構成された本発明においては、2.5リットル〜6.5リットルという少ない洗浄水量により、便器を洗浄することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のサイホンゼット便器によれば、便器洗浄に使用する洗浄水の量を節水化することができると共に、従来品よりも少ない洗浄水量で従来品同等又はそれ以上の洗浄機能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、添付図面を参照して、本発明の一実施形態によるサイホンゼット便器を説明する。先ず、図1乃至図3により、本発明の実施形態によるサイホンゼット便器の基本構造を説明する。図1は本発明の実施形態によるサイホンゼット便器を示す正面断面図であり、図2は図1の平面図であり、図3は図1のIII−III線に沿った断面図である。
【0019】
図1至3示すように、本実施形態によるサイホンゼット便器10は、便器本体12と、この便器本体12の後方上部に配置された洗浄水を貯水する貯水タンク14を備えている。この貯水タンク14は、2.5リットル〜6.5リットルの洗浄水を貯水するようになっている。
便器本体12は、前方部分にボウル部16を備え、このボウル部16には、椀状の汚物受け面18と、上縁部であるリム20が形成されている。ボウル部16の底部には、汚物排出のための排出口22が形成されている。
【0020】
ボウル部16の上縁部であるリム20には、洗浄水を吐水するためのリム吐水口24(24a,24b)が2箇所に形成され、ボウル部16の前方下方側には排出口22に向けてゼット吐水口26が形成されている。
さらに、ボウル部16の後方下方側には、サイホン作用により汚物を排出するための排水トラップ管路28が形成されている。
ここで、ゼット吐水口26は、排出口22を介して排水トラップ配管28の入口28aに対向する位置に形成されている。
【0021】
また、便器本体12の後方上部には、貯水タンク14から洗浄水が供給される給水室30が形成され、さらに、この給水室30には、上述したリム吐水口24に洗浄水を導くためのリム導水路32と、ゼット吐水口26に洗浄水を導くためのゼット導水路34が接続して設けられている。
このゼット導水路34は、上流側から下流側に向けて、便器本体12を前方から見て右側の第1ゼット導水路34aと左側の第2ゼット導水路34bとの2つの導水路に分岐して設けられている。
【0022】
これらの第1ゼット導水路34aと左側の第2ゼット導水路34bの下流側には、これらのゼット導水路34a,34bからの洗浄水を合流させるための合流部36が形成され、この合流部36の下流側には、合流した洗浄水を整流するための整流部38が形成され、この整流部38の下流端が上述したゼット吐水口26となる。
【0023】
次に、図4乃至図7により、本実施形態によるサイホンゼット便器のゼット導水路34a,34b、合流部36、整流部38について詳細に説明する。図4は本実施形態によるサイホンゼット便器のゼット導水路、合流部、整流部を示す拡大平面図であり、図5及び図6は図4の拡大部分平面図であり、図7は図4の拡大部分正面図である。
【0024】
先ず、図4乃至図6に示すように、ゼット導水路34a,34bからの洗浄水A(図4参照)が旋回した状態で合流部36に合流するようになっている。ここで、洗浄水Aは旋回流であるため、合流部36の外側領域の洗浄水B(図5参照)は相対的に流速が早く、一方、合流部36の内側領域の洗浄水C(図6参照)は相対的に流速が遅くなっている。
【0025】
このため、本実施形態では、図5に示すように、合流部36はゼット吐水口26から遠い側に位置する外壁部40を備え、この外壁部40がほぼ直線的に形成されている。
本実施形態では、詳細は後述するが、左右のゼット導水路34a,34bからの洗浄水Aの外側領域の洗浄水Bが正面から衝突するようになっている。
【0026】
次に、本実施形態では、図6に示すように、合流部36はゼット吐水口26から近い側に位置する内壁部42を備え、この内壁部42がゼット導水路34a,34bからの洗浄水Aの内側領域の洗浄水Cがゼット吐水口26に向けてスムーズに流れるように、平面視で曲率半径Rを有する曲がり部により形成されている。ここで、本実施形態では、曲率半径Rは、15mm〜30mmの範囲であることが好ましい。
【0027】
さらに、本実施形態では、図7に示すように、合流した洗浄水を整流するための整流部38は、排水トラップ管路28の入口28aに向けて、ほぼ水平方向に直線的に延びるように形成されている。また、この整流部28は、10mm以上の長さが好ましくは、より好ましくは、10mm〜30mmの長さである。
【0028】
次に、上述した本発明の実施形態によるサイホンゼット便器の作用を説明する。先ず、本実施形態によるサイホンゼット便器1は、初期状態(便器使用前)では、図8に示すように、給水室30及びゼット導水路34内の上方部が大気開放され空気が存在する状態となり、貯水タンク14内の洗浄水とボウル部16の溜水の縁が切れている。
【0029】
この初期状態から、図9に示すように、洗浄開始状態になると、給水室30及びゼット導水路34が貯水タンク14からの洗浄水により満水になり、次に、貯水タンク14内の洗浄水とボウル部16の溜水とレベル差Hで表される水頭圧(水圧ヘッド)がボウル部16内の溜水に作用する。この後、ゼット導水路34からの洗浄水が、合流部36と整流部38を経て、ゼット吐水口26から、排水トラップ管路28に吐出される。排水トラップ管路28が満水となり、サイホン作用による汚物引込作用と、水圧ヘッド自体による汚物押出作用とにより、汚物が外部に排出される。このため、給水室30及びゼット導水路34が満水になった瞬間の、貯水タンク14内の洗浄水とボウル部16の溜水とのレベル差Hが高いほど、水圧ヘッドは大きくなるため、洗浄能力が大きくなる。
【0030】
次に、図5に示すように、合流部36のゼット吐水口26から遠い側に位置する外壁部40がほぼ直線的に形成されていので、左右のゼット導水路34a,34bからの洗浄水Aの外側領域の洗浄水Bが正面から衝突する。
この左右のゼット導水路34a,34bからの洗浄水Bが正面衝突することにより、ゼット導水路34a,34b内の圧力が瞬時に上昇し、図8に示す初期状態でゼット導水路34a,34b内に溜まっていた空気がリム導水路32より押し出され、その結果、ゼット導水路34a,34bが短時間で満水になる。
【0031】
このように、本実施形態においては、ゼット導水路34a,34bが短時間で満水になるので、貯水タンク14内の洗浄水とボウル部16の溜水とのより大きなレベル差H(水圧ヘッド)が、ボウル部16内の溜水に作用し、汚物の大きな押込力を得ることができる。
また、本実施形態においては、特許文献1のサイホンゼット便器のように、ゼット導水路34a,34bからの洗浄水の全てを正面衝突させるのではなく、旋回する洗浄水の外側領域にある一部のみを正面衝突させて、特許文献1のものと比べて、貯水タンク14内の洗浄水が持つ水圧ヘッドをボウル部16内の溜水に作用させるときのエネルギーロスを最小限に押さえることができる。
【0032】
次に、本実施形態においては、図6に示すように、合流部36のゼット吐水口26から近い側に位置する内壁部42が曲率半径Rにより形成されているので、ゼット導水路34a,34bからの洗浄水Aの内側領域の洗浄水Cがゼット吐水口26に向けてスムーズに流れるようになっている。
このように、本実施形態においては、特許文献1のサイホンゼット便器のように、ゼット導水路34a,34bからの洗浄水の全てを正面衝突させるのではなく、旋回する洗浄水の一部である外側領域にある洗浄水Bのみを正面衝突させ、内側領域にある洗浄水Cは衝突させることなくスムーズに流れるようにしているので、他特許文献1のものと比べて、貯水タンク14内の洗浄水が持つ水圧ヘッドをボウル部16内の溜水に作用させるときのエネルギーロスを最小限に押さえることができる。
【0033】
また、本実施形態においては、ゼット導水路34を2つのゼット導水路34a,34bからの洗浄水を合流部36で合流させているので、平面視で横方向に存在する旋回流が持つ流速分布の偏り(カーブ慣性)を互いに打ち消しあい、その結果、ゼット吐水口26から吐水される洗浄水は、排水トラップ管路28に対して真っ直ぐな水流となり、即ち、横方向の速度分布が均一となり、貯水タンク14内の洗浄水が持つエネルギー(水圧ヘッド)を効率良く汚物排出に活用することができ、さらに、そのため、サイホンを早期に起動させることができる。
【0034】
さらに、本実施形態においては、図7に示すように、合流部36の下流に、合流した洗浄水を整流するための整流部38を設けたので、ゼット吐水口26から吐水される洗浄水は、排水トラップ管路28に対して真っ直ぐな水流となり、即ち、縦方向の速度分布も均一となり、その分、貯水タンク14内の洗浄水が持つエネルギー(水圧ヘッド)を効率良く汚物排出に活用することができ、さらに、そのため、サイホンを早期に起動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態によるサイホンゼット便器を示す正面断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施形態によるサイホンゼット便器のゼット導水路、合流部、整流部を示す拡大平面図である。
【図5】図4の拡大部分平面図である。
【図6】図4の拡大部分平面図である。
【図7】図4の拡大部分正面図である。
【図8】本発明の実施形態によるサイホンゼット便器の初期状態を示す部分断面図である。
【図9】本発明の実施形態によるサイホンゼット便器の洗浄開始状態を示す部分断面図である。
【図10】従来のサイホンゼット便器を示す平面図である。
【図11】従来のサイホンゼット便器における洗浄水の旋回流の流速分布の偏り(カーブ慣性)を示す拡大平面図である。
【図12】従来のサイホンゼット便器(特許文献1)を示す平面図である。
【図13】従来のサイホンゼット便器(特許文献2)を示す部分拡大平面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 サイホンゼット便器
12 便器本体
14 貯水タンク
16 ボウル部
24 リム吐水口
26 ゼット吐水口
28 排水トラップ管路
30 給水室
32 リム導水路
34 ゼット導水路
34a 第1ゼット導水路
34b 第2ゼット導水路
36 合流部
38 整流部
40 外壁部
42 内壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水タンク内に貯水された洗浄水の水頭圧を利用して洗浄水を供給するサイホンゼット便器において、
汚物受け面を有するボウル部を備えた便器本体と、
上記ボウル部の上縁に形成されたリム吐水口と、
上記ボウル部の底部に設けられサイホン作用により汚物を排出する排水トラップ管路と、
上記ボウル部の上記排水トラップ管路の入口に対向する位置に形成されたゼット吐水口と、
上記貯水タンク内の洗浄水を上記リム吐水口に供給するリム導水路と、
上記貯水タンク内の洗浄水を上記ゼット吐水口に供給するゼット導水路と、を有し、
上記ゼット導水路は、上流側から下流側に向けて複数に分岐した分岐水路と、これらの複数の分岐水路からの洗浄水を合流させ上記ゼット吐水口に向けて旋回させる合流部と、この合流部で合流した洗浄水を整流する整流部とからなり、上記合流部は、上記旋回する外側領域の洗浄水が正面衝突するようにほぼ直線的に形成された外壁部と、上記旋回する内側領域の洗浄水が上記ゼット吐水口に向けてスムーズに流れるように曲がり部が形成された内壁部とを有することを特徴とするサイホンゼット便器。
【請求項2】
上記合流部の内壁部の曲がり部は、平面視で15mm〜30mmの範囲の曲率半径を持つ請求項1記載のサイホンゼット便器。
【請求項3】
上記整流部は、所定の水平方向長さを有すると共に、上記排水トラップ管路に向けて高さ方向においてほぼ水平方向に延びるように形成されている請求項1又は2記載のサイホンゼット便器。
【請求項4】
貯水タンク内に貯水された洗浄水の量は、2.5リットル〜6.5リットルの範囲である請求項1乃至3の何れか1項記載のサイホンゼット便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−274679(P2008−274679A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120929(P2007−120929)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】