説明

サッシ

【課題】敷居面に段差を新たに発生させることなく簡易かつ低コストに3枚目の障子を設けて有効開口寸法を大きくできるサッシを提供する。
【解決手段】上下枠及び左右の縦枠を方形状に枠組みした枠体1内に障子2、3、4を納めると共に、縦枠30を左右の溝形材8間に取付けてなり、障子は枠体1内を移動可能な第1障子2及び第2障子3と、枠体1に固定される第3障子4とからなり、枠体1の上枠10及び/または下枠20には見付面より見込方向外側に突出する固定部材50、51が固着され、固定部材50、51により枠体1の見付面13、25より見込方向外側に第3障子4が取付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に設けられる左右一対の溝形材間に取付けられるサッシに関し、特に枠体に3枚の障子を設けてなるサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮設校舎等で用いられる組立ハウスとしては、左右両側にパネル材を飲み込ませることのできる凹部を有した溝形材が支柱として縦方向に設けられ、隣り合う溝形材間にパネル材を納めて壁面とするものが知られている。また、壁面内には適宜パネル体が配置されない開口部が設けられ、この開口部にサッシが取付けられる。この場合、サッシの縦枠を左右の溝形材間に上から落とし込むことで取付けがなされる。サッシを溝形材間に取付けたら、サッシの上枠の上方にさらにパネル材を取付ける。
【0003】
仮設校舎における部屋の出入口となる引戸サッシについては、障子を全開状態としたときの有効開口寸法を基準以上とする必要がある。内外2枚の障子が枠体内に納められる2枚引きのサッシよりも有効開口寸法を大きくするためには、枠体内に3枚の障子が納められた3枚引きのサッシとすることが有効である。
【0004】
3枚引きのサッシとする場合、枠体の見込方向寸法を大きく形成することも考えられるが、この場合には2枚引きのサッシとは根本的に設計が異なってくるため、部品を別々に形成するなど、コストアップを招く。このため、2枚障子用の枠体に対し、四周に渡る補助枠体を取付け、補助枠体に3枚目の障子を移動自在に納めて、3枚引きのサッシとしたものが知られている。このようなサッシは、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−138476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、補助枠体を設ける場合であっても、補助枠体を枠体の四周に渡って取付ける必要があり、組み立て作業が大掛かりになると共に、部品点数も増加して材料費がかかるという問題があった。また、出入りする敷居面に3本のレールが形成されることとなるため、段差が多くなるという問題もあった。
【0007】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、敷居面に段差を新たに発生させることなく簡易かつ低コストに3枚目の障子を設けて有効開口寸法を大きくできるサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るサッシは、上下枠及び左右の縦枠を方形状に枠組みした枠体内に障子を納めると共に、前記縦枠を左右の溝形材間に取付けてなるサッシにおいて、
前記障子は前記枠体内を移動可能な第1障子及び第2障子と、前記枠体に固定される第3障子とからなり、
前記枠体の上枠及び/または下枠には見付面より見込方向外側に突出する固定部材が固着され、該固定部材により前記枠体の見付面より見込方向外側に前記第3障子が取付けられることを特徴として構成されている。
【0009】
また、本発明に係るサッシは、前記固定部材は前記枠体の見付面のうち前記第3障子が配置される領域にのみ渡るように設けられ固着されることを特徴として構成されている。
【0010】
さらに、本発明に係るサッシは、前記第1障子と第2障子及び第3障子は、いずれも方形状に框組みされてなる框体内にガラス体を納めてなることを特徴として構成されている。
【0011】
さらにまた、本発明に係るサッシは、前記第3障子は外周面に前記縦枠と当接する当接部を有することを特徴として構成されている。
【0012】
そして、本発明に係るサッシは、前記上枠には前記第3障子の上端部を保持固定する上固定部材が固着され、前記下枠には前記第3障子の下端部を保持固定する下固定部材が固着されることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るサッシによれば、枠体の上枠及び/または下枠には見付面より見込方向外側に突出する固定部材が固着され、固定部材により枠体の見付面より見込方向外側に第3障子が取付けられることにより、第3障子を上辺と下辺のみで枠体に固定するため、簡易な構成で3枚目の障子を枠体に対し追加的に設けることができる。
【0014】
また、本発明に係るサッシによれば、固定部材は枠体の見付面のうち第3障子が配置される領域にのみ渡るように設けられ固着されることにより、固定部材の材料費を低減し、また下枠の敷居面に固定部材が設けられないので、敷居面における段差を新たに発生させることなく3枚目の障子を設けることができる。
【0015】
さらに、本発明に係るサッシによれば、第1障子と第2障子及び第3障子は、いずれも方形状に框組みされてなる框体内にガラス体を納めてなることにより、外観のすっきりしたサッシとすることができる。
【0016】
さらにまた、本発明に係るサッシによれば、第3障子は外周面に縦枠と当接する当接部を有することにより、枠体と障子の間の隙間を塞いで光漏れや水漏れなどを防止すると共に、風が通らないようにすることができる。
【0017】
そして、本発明に係るサッシによれば、上枠には第3障子の上端部を保持固定する上固定部材が固着され、下枠には第3障子の下端部を保持固定する下固定部材が固着されることにより、上枠と下枠にそれぞれ第3障子の固定のための部品を別々に設けるので、部品の構成を簡素にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態におけるサッシの室外側から見た正面図である。
【図2】図1において障子を開いた状態の正面図である。
【図3】本実施形態におけるサッシの縦断面図である。
【図4】サッシの横断面図である。
【図5】障子を全開状態としたサッシの横断面図である。
【図6】サッシの正面図における上固定部材付近の拡大図である。
【図7】サッシの横断面図における第3障子と縦枠付近の拡大図である。
【図8】縦枠と縦框の隙間を塞ぐ第2の形態の図である。
【図9】縦枠と縦框の隙間を塞ぐ第3の形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1には本実施形態におけるサッシの室外側から見た正面図を、図2には図1において障子を開いた状態の正面図を、それぞれ示している。本実施形態におけるサッシは、枠体1内に室内側の第1障子2と室外側の第2障子3とを引き違い状に納め、さらにその室外側に固定された第3障子4を納めてなるものである。これら第1障子2と第2障子3及び第3障子4は、内観及び外観において、左右方向に連続して並んでいる。第2障子3の縦辺には第1障子2との施錠をなす錠部3aが、第3障子4の縦辺には第2障子3との施錠をなす錠部4aが、それぞれ設けられていて、室内側から障子の施錠をなすことができるようにされている。
【0020】
第1障子2と第2障子3は、枠体1内を左右に移動可能とされている。一方で、第3障子4は、枠体1に固定されているので、移動することはできない。図2に示すように、第1障子2と第2障子3は、第3障子4が固定されている側に移動し寄せられることで、サッシが開口し、人が内外を出入りすることができるようになる。このように、第1障子2と第2障子3を第3障子4と内外方向において重なり合うように移動させることができるので、第1障子2と第2障子3のみからなる引き違いサッシに比べて、左右方向の有効開口寸法を大きくすることができる。
【0021】
第1障子2と第2障子3及び第3障子4は、いずれも方形状の框体5内にガラス体6を納めて構成されている。引き違い状の第1障子2と第2障子3のみならず、固定障子となる第3障子4もガラス体6を納めた構成となっているので、外観をすっきりさせることができる。
【0022】
図3には本実施形態におけるサッシの縦断面図を、図4にはサッシの横断面図を、それぞれ示している。本実施形態におけるサッシは、組立ハウスの開口部Aに取付けられ、開口部Aは、上辺及び左右辺がパネル材7によって、下辺が床面9によって、それぞれ構成されている。枠体1は、上枠10と下枠20及び左右の縦枠30、30を方形状に枠組みして構成されている。図3に示すように、上枠10は外周面が開口部Aを構成する上側のパネル材7に接し、下枠11は外周面が開口部Aを構成する床面9に接している。一方、図4に示すように左右の縦枠30は、組立ハウスの支柱となる溝形材8を介してパネル材7と対向している。
【0023】
溝形材8は、室内外方向に延びる基部8aを中心に、パネル材7側には基部8aを底面とした溝状に形成されるパネル材保持部8bが、枠体1側には基部8aを底面とした溝状に形成される縦枠保持部8cが、それぞれ形成されている。パネル材保持部8bの開口幅と縦枠保持部8cの開口幅は、それぞれパネル材7の厚みと縦枠30の外周面に形成される中空部31の室内外方向幅とに略適合するように形成されている。
【0024】
枠体1を開口部Aに取付ける際には、床面9に左右の溝形材8を立設し、上側については開放状としておく。ここで縦枠30の中空部31を溝形材8の縦枠保持部8cに保持させた上で、上方から下枠20が床面9に当接するまで落とし込み、その後に上側のパネル材7を取付けることにより、枠体1が開口部Aに取付けられる。
【0025】
第1障子2と第2障子3及び第3障子4は、いずれも上框40と下框41及び左右の縦框42、42を方形状に框組みしてなる框体5内にガラス体6を納めてなるものである。框体5の上下方向中間位置には、左右の縦框42間を渡すように横桟43が設けられており、ガラス体6は各障子毎に横桟43を挟んで上下2枚が設けられる。
【0026】
図4に示すように、第1障子2の召合わせ側の縦框42の室外側面には、断面略L字状に突出する第1煙返し部45aが形成され、第2障子3の第1障子2と向き合う縦框42には、第1障子2の第1煙返し部45aと噛み合うように第2煙返し部45bが形成される。また、第2障子3の第3障子4と向き合う縦框42にも、第2煙返し部45bが形成される。さらに、第3障子4の召合わせ側の縦框42には、第2障子3の第2煙返し部45bと噛み合うように第3煙返し部45cが形成される。第1障子2と第2障子3は、第1煙返し部45aと第2煙返し部45bが噛み合うように配置されているので、一方を移動させるのに伴い、他方も移動させることができる。
【0027】
図3に示すように、第1障子2と第2障子3及び第3障子4の上框40は、いずれも同じ断面形状を有し、第1障子2と第2障子3及び第3障子4の下框41についても、同じ断面形状を有している。すなわち、各障子に共通した部材を用いている。また、図4に示すように、第1障子2を構成し第2障子3との召合わせ框となる縦框42と、第2障子3を構成し第3障子4との召合わせ框となる縦框42は、断面形状が共通する部材を用いている。また、第2障子を構成し第1障子2との召合わせ框となる縦框42と、第3障子4を構成する両側の縦框42は、断面形状が共通する部材を用いている。このように、部材の共有化により、部品の種類を減らしてコストダウンを図っている。
【0028】
図3に示すように、第1障子2と第2障子3及び第3障子4は、同じ高さを有してなり、また第1障子2と第2障子3が下枠20のレールに載置され、第3障子4が後述する下固定部材51に載置された状態で、各障子の高さ方向位置が揃うように配置されているので、意匠性も良好にすることができる。
【0029】
第1障子2と第2障子3の下框41の下部には戸車41aが設けられており、これが下枠20の上面に形成される内レール21及び外レール22に載置されて、第1障子2及び第2障子3を枠体1の左右方向に走行自在としている。
【0030】
図4に示すように、下枠20の上面には、第1障子2を案内する内レール21と第2障子3を案内する外レール22にそれぞれ第1障子ストッパー23と第2障子ストッパー24が設けられている。また、第1障子2の縦框42を構成する召合わせ框には、外周面に框当接部材44が設けられている。框当接部材44は、第1障子2を開く方向、すなわち第2障子3側に移動させた際に、第2障子3の召合わせ框に対して当接するものであって、各障子の召合わせ框同士が直接衝突しないように設けられている。
【0031】
図5には、障子を全開状態としたサッシの横断面図を示している。この図に示すように、第1障子2は下枠20の第1障子ストッパー23に、第2障子3は下枠20の第2障子ストッパー24に、それぞれ縦框42の側面下端部が当接して、それ以上移動できない全開状態となる。これにより、第1障子2と縦枠30との間が開口し、下枠20に敷居面26が形成されて、人が出入りすることができるようになる。図5では、敷居面26の領域について、長手方向を省略して示しているが、実際には図2のように大きく開口する。なお、下枠20の敷居面26には、内レール21と外レール22が、段差として存在している。
【0032】
次に、第3障子4の固定構造について説明する。図3に示すように、枠体1を構成する上枠10と下枠20には、見付面である室外側面13、25から見込方向外側である室外側に向かって突出するように、それぞれ上固定部材50と下固定部材51が設けられており、第3障子4はこれらの上固定部材50と下固定部材51により保持固定されている。
【0033】
図1に示すように、上固定部材50と下固定部材51は、いずれも枠体1の見付面のうち、第3障子4が設けられる領域にのみ渡るように形成されている。すなわち、上固定部材50と下固定部材51は、いずれも長手方向の長さが第3障子4の左右方向幅と略同幅となるように形成されている。
【0034】
図3に示すように、上固定部材50は、薄板を断面クランク状に形成してなり、上枠10の見付面である室外側面13に対して当接しネジ止め固定される上枠固定面部50aと、上枠固定面部50aの下端から室外側にL字状に突出し第3障子4の上端部を保持固定する上框固定部50bとを有している。上框固定部50bは、第3障子4の上框40に対し、上端面から室外側面に渡って抱き込むように当接する。第3障子4は、縦框42に形成される第3煙返し部45cが、上端部で上枠10と干渉しないように切り欠かれており、この切欠加工された第3煙返し部45cの上端部が、上枠10の室外面に当接している。このように、第3障子4は上框40の室外側面が上固定部材50に当接し、縦框42の第3煙返し部45cが上枠10の室外面に当接することで、見込方向に対して固定されている。
【0035】
本実施形態では、上固定部材50と第3障子4は、直接当接しているが、上框40の室外面と上固定部材50の上框固定部50bとの間や、縦框42の第3煙返し部45cと上枠10の室外面の間に、クッション材を挟むようにしてもよい。
【0036】
下固定部材51は、断面中空状に形成されてなる中空部51cと、中空部51cの室内面から室内側に向かって伸びる下枠固定面部51aと、中空部51cの上面から上方に向かって伸びる下框固定部51bとを有して構成されている。中空部51cは、室内側面が下枠20の見付面である室外側面25に対して当接する。また、下枠固定面部51aは、下枠20の上面に対して当接し、ネジ止め固定される。第3障子4を構成する下框41の下端部は、凹状に形成されており、下框固定部51bは、その内面側に当接しネジ止め固定される。
【0037】
下固定部材51の下枠固定面部51aは、下面側にリブ51dを有し、このリブ51dが下枠20の上面に当接することで、下枠20の上面と若干離隔するように配置される。この状態で、両者がビス固定され、ビスの頭部はリブ51dにより形成された空間内に納められる。また、下固定部材51の下框固定部51bは、第3障子4の下框41に形成されるビスホールを避けるように、クランク状に屈曲して上方に伸びており、上端部分は下框41の内面に当接し、ネジ止め固定されている。
【0038】
上枠10及び下枠20の見付面より見込方向外側に突出するこれらの上固定部材50及び下固定部材51によって、第3障子4は、枠体1の見付面より見込方向外側に配置された状態で上辺と下辺がそれぞれ枠体1に固定され、嵌め殺しの障子となる。なお、第3障子4は上辺と下辺のみが固定され、縦辺である縦框42は直接固定されていない。
【0039】
図6には、サッシの正面図における上固定部材50付近の拡大図を示している。この図に示すように、上固定部材50の上枠固定面部50aには、ネジ止め固定のための固定孔50cが複数形成されている。固定孔50cは、上下方向に長い長孔として形成されている。上枠10は、特に左右方向に長いスパンを有する場合、撓みが生じることがあるが、固定孔50cが長孔となっているため、上固定部材50を上枠10の長手方向に沿って確実に固定することができる。また、図3及び図6に示されているように、上固定部材50の固定孔50cが設けられる領域には、上枠10の裏側に裏板52が設けられ、連結強度の向上を図っている。
【0040】
図7には、サッシの横断面図における第3障子4と縦枠30付近の拡大図を示している。第3障子4は上固定部材50と下固定部材51により枠体1に対して固定されるので、縦框42は枠体1に対して直接固定はされていない。一方で、縦框42と縦枠30の間の隙間をなくして光が漏れることなどを防止するため、縦框42には縦枠30に対して当接する当接部42aが形成されている。また、図7に現れているように、下固定部材51の中空部51cには両端部に端部キャップ51dが取付けられており、これによって下固定部材51の中空内部を塞ぐようにしている。
【0041】
縦枠30の内周面には、室外端部に見付方向内側に向かって突出する室外フィン部30aが形成されており、また縦框42の当接部42aにはシール部材42bが設けられている。縦枠30の室外フィン部30aの先端が、縦框42の当接部42aに設けられたシール部材42bに対して当接し、これによって縦枠30と縦框42の間の隙間を塞ぐようにしている。
【0042】
縦枠30と縦框42の隙間を塞ぐための構成としてはその他の形態も考えられる。図8には、縦枠30と縦框42の隙間を塞ぐ第2の形態について示している。この図のように、本形態では、縦框42の外周面に対し、当接部42aを有する延出部材42cをネジ止め固定している。延出部材42cは、縦框42の外周面に沿う部分から室内側にL字状をなすように突出しており、その先端側の面が当接部42aとなっていて、縦枠30の室外フィン部30aと噛み合うように配置される。
【0043】
図9には、縦枠30と縦框42の隙間を塞ぐ第3の形態について示している。この図のように、本形態では、縦框42に当接部42aが一体的に形成されており、縦框の外周面から室内側にL字状をなすように突出させた先端側の面を当接部42aとしている。
【0044】
以上のように、枠体1内に第1障子2と第2障子3を引き違い状に納め、さらに枠体1の上枠10と下枠20にそれぞれ上固定部材50と下固定部材51を固着し、これらによって第3障子4の上辺と下辺を固定し嵌め殺し状とすることにより、第3障子4を固定するために枠体1に設けられるのが、第3障子4の領域にのみ渡る上固定部材50と下固定部材51だけであり、簡易な構成で第3障子4を追加的に設けることができる。
【0045】
また、上固定部材50と下固定部材51が枠体1の全長に渡っていないので、材料費を抑えることができ、また下枠20の敷居面26に第3障子4を固定するための部材が配置されないので、敷居面26の段差を多くすることなく、室内外の出入りをし易くすることができる。一方で、上固定部材50と下固定部材51は、第3障子4の左右方向全長に渡る長さを有しているので、第3障子4を構成する左右の縦框42の端面を塞ぐことができる。
【0046】
本実施形態では、枠体1の見付面のうち室外側面より室外側に第3障子4を固定する構成としたが、枠体1の見付面のうち室内側面より室内側に第3障子4を固定するようにしてもよい。また、本実施形態では、上固定部材50と下固定部材51の両方で第3障子4を固定するようにしているが、いずれか一方だけで第3障子4を固定するようにしてもよい。ただし、両方で固定した方が、第3障子4をより強固に枠体1に対して固定できることは、言うまでもない。
【0047】
また、本実施形態では、第3障子4の当接部42aと縦枠30の室外フィン部30aとの間に、シール部材42bを設けて遮光性を高くしているが、水密性、気密性を高くしたい場合には、水密材を設けることもできる。また、水密性、気密性を高くしたい場合には、第1障子2の縦枠30側縦框42の縦枠フィン部と対向する面と、第2障子3の第1障子2側縦框42の室内面と、第3障子4の第2障子3側縦框42の室内面に、それぞれモヘア材等の水密・気密性を高める部材を設けてもよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、本実施形態では、第3障子4の上框40と上固定部材50との固定は、上框固定部50bにより第3障子4の上端部を抱きかかえるようにしているが、上框固定部50bと上框40とをネジ止め固定するようにしてもよく、固定方法は限定されない。一方、第3障子4の下框41と下固定部材51との固定は、下框固定部51bと下框41とをネジ止め固定するようにしているが、下框固定部51bを下框41の下端部に嵌合させるような形態であってもよく、固定方法は限定されない。
【符号の説明】
【0049】
1 枠体
2 第1障子
3 第2障子
4 第3障子
5 框体
6 ガラス体
7 パネル材
8 溝形材
10 上枠
20 下枠
30 縦枠
40 上框
41 下框
42 縦框
44 框当接部材
50 上固定部材
50a 上枠固定面部
50b 上框固定部
50c 固定孔
51 下固定部材
51a 下枠固定面部
51b 下框固定部
51c 中空部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下枠及び左右の縦枠を方形状に枠組みした枠体内に障子を納めると共に、前記縦枠を左右の溝形材間に取付けてなるサッシにおいて、
前記障子は前記枠体内を移動可能な第1障子及び第2障子と、前記枠体に固定される第3障子とからなり、
前記枠体の上枠及び/または下枠には見付面より見込方向外側に突出する固定部材が固着され、該固定部材により前記枠体の見付面より見込方向外側に前記第3障子が取付けられることを特徴とするサッシ。
【請求項2】
前記固定部材は前記枠体の見付面のうち前記第3障子が配置される領域にのみ渡るように設けられ固着されることを特徴とする請求項1記載のサッシ。
【請求項3】
前記第1障子と第2障子及び第3障子は、いずれも方形状に框組みされてなる框体内にガラス体を納めてなることを特徴とする請求項1または2記載のサッシ。
【請求項4】
前記第3障子は外周面に前記縦枠と当接する当接部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサッシ。
【請求項5】
前記上枠には前記第3障子の上端部を保持固定する上固定部材が固着され、前記下枠には前記第3障子の下端部を保持固定する下固定部材が固着されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のサッシ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate