サッシ
【課題】簡単な構造で網戸を連動構造とすることができると共に、外網戸をサッシ枠の中央で正確且つ容易に合掌させることができるサッシを提供する。
【解決手段】上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dからなるサッシ枠2と、該サッシ枠2内に合掌式に内外2枚ずつスライド開閉自在に設けられた障子3,4と、前記サッシ枠2内に合掌式にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚ずつの網戸5,6とを備えたサッシ1であって、前記網戸5,6は隣接する内網戸5と外網戸6を連動させるための引掛け部37を有している。
【解決手段】上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dからなるサッシ枠2と、該サッシ枠2内に合掌式に内外2枚ずつスライド開閉自在に設けられた障子3,4と、前記サッシ枠2内に合掌式にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚ずつの網戸5,6とを備えたサッシ1であって、前記網戸5,6は隣接する内網戸5と外網戸6を連動させるための引掛け部37を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシに係り、特に網戸を連動構造にしたサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
サッシとしては、例えば実開昭57−16596号公報に記載されているように、窓開口部の前面に障子を建付ける障子摺動部と、該障子摺動部の一側方に前記障子を収納可能な障子収納部と、前記障子摺動部と障子収納部の境界位置に方立を配設した片寄せ全開タイプのサッシが知られている。このサッシによれば、窓開口部を全開させることができる。
【0003】
また、このようなサッシにおいては、サッシ枠内にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚の網戸を備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57−16596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種従来のサッシにおいては、内外の網戸を連動構造にしたものはなく、そのため、網戸を1枚ずつ開閉操作しなければならず、網戸の開閉に手間がかかるという問題があった。なお、障子の場合、内外の障子の召合せ框に障子閉鎖時に互いに係合する横断面L字状の煙返しを設けることにより、耐風圧性能の向上を図ると共に障子を連動可能としているが、この構造を厚さや取付スペースが制限されている網戸には適用することが困難である。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、簡単な構造で網戸を連動構造とすることができると共に、外網戸をサッシ枠の中央で容易に合掌させることができ、網戸の閉鎖時の操作性の向上が図れるサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上枠、下枠及び左右の縦枠からなるサッシ枠と、該サッシ枠内に合掌式に内外2枚ずつスライド開閉自在に設けられた障子と、前記サッシ枠内に合掌式にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚ずつの網戸とを備えたサッシであって、前記網戸は隣接する内網戸と外網戸を連動させるための引掛け部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上枠、下枠及び左右の縦枠からなるサッシ枠と、該サッシ枠内に合掌式に内外2枚ずつスライド開閉自在に設けられた障子と、前記サッシ枠内に合掌式にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚ずつの網戸とを備えたサッシであって、前記網戸は隣接する内網戸と外網戸を連動させるための引掛け部を有しているため、簡単な構造で網戸を連動構造とすることができると共に、外網戸をサッシ枠の中央で容易に合掌させることができ、網戸の閉鎖時の操作性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態でないサッシの第1参考例を概略的に示す室外側正面図である。
【図2】図1のサッシの障子片寄せ時の縦断面図である。
【図3】図1のサッシの障子閉鎖時の横断面図である。
【図4】同サッシの障子開放状態で網戸閉鎖時の横断面図である。
【図5】本発明の実施形態であるサッシを概略的に示す室外側正面図である。
【図6】網戸閉鎖時の横断面図である。
【図7】網戸閉鎖用位置決めストッパーを示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態でないサッシの第2参考例を概略的に示す室外側正面図である。
【図9】図8のサッシの障子片寄せ時の縦断面図である。
【図10】図8のサッシの障子閉鎖時の横断面図である。
【図11】同サッシの障子開放状態で網戸閉鎖時の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を基に詳述する。
【0011】
先ず、図1〜図4に示す本発明の実施形態でないサッシの第1参考例について説明する。第1参考例は、内外2枚の障子を有する片寄せ全開タイプのサッシを示している。これらの図に示すように、このサッシ1は、上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dからなるサッシ枠2と、該サッシ枠2内にスライド開閉自在に設けられた内外2枚の障子3,4と、前記サッシ枠2内にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚(本参考例では2枚)の網戸5,6とを備えている。特に、このサッシ1は、建物の躯体7の窓開口部8の前面に障子3,4を建付ける障子摺動部9と、該障子摺動部9の一側方に前記障子3,4を収納可能な障子収納部(戸袋部ともいう)10と、前記障子摺動部9と障子収納部10の境界位置に配設される方立11とを備えている。
【0012】
上枠2a、下枠2b、縦枠2c,2d及び方立11は、例えばアルミ押出形材からなり、上枠2a、下枠2b、窓開口部8の一側に位置される一方の縦枠2c及び方立11は、中空構造(ホロー構造)とされている。方立11は上枠2aと下枠2bの間に配置されていると共に窓開口部8の他側に位置されて躯体7の屋外面に固定されている。方立11は障子摺動部9と干渉しないようにサッシ枠2内における屋内寄りに配置されている。サッシ枠1は躯体7の屋外面に固定された外付け構造とされている。この場合、下枠2bの取付強度を高めるために、下枠2bの窓開口部8に対応する部分を窓台12に係止して固定するためのブラケット13が係合構造14とネジ(固着具)15により下枠2bの屋内面に取付けられている。このブラケット13は下枠の屋内面に取付けられる垂直部13aと、この垂直部13aの上縁部から屋内側へ直角に折り曲げられ、窓台12の上部に係止されてネジ16で固定される水平部13bとを有している。すなわち、サッシ枠2の取付けには、外付け構造の他に、下枠2bの荷重を窓台12で受けるいわゆる半外付け仕様が採用されている。
【0013】
障子摺動部9として、下枠2b上には上面フラット仕様の下部ガイドレール17a,17bが方立11よりも屋外側であって両縦枠2c,2d間の下枠2bの全長に取付けられている。また、一方(戸先側)の縦枠2cと方立11との間の屋内に露出する下枠2b上には結露を防止するための合成樹脂製の上面フラット構造の下部カバー部材18が取付けられている。この下部カバー部材18の屋外側縁部が下枠2bの上面に設けられた係止受部19に係止され、下部カバー部材18の屋内側縁部が前記ブラケット13の上部屋内縁部に設けられた係止受部20に係止されている。
【0014】
上枠2aの下面には障子3,4の上部を案内するための上部ガイドレール21a,21bが上枠2aの全長に設けられている。戸先側の縦枠2cと方立11との間の屋内に露出する上枠2a下面には、結露を防止するための合成樹脂製の上部カバー部材22が取付けられている。障子収納部(戸袋部)10においては、図示例では躯体7の屋外面に外壁材23を取付けているが、サッシ枠2の屋外面に鏡板を取付けても良い(図示省略)。
【0015】
内障子3は、上框24a、下框24b及び左右の縦框24c,24dからなる框組体24内にパネルであるガラス25を装着してなる。外障子4は、上框26a、下框26b及び左右の縦框26c,26dからなる框組体26内にパネルであるガラス25を装着してなる。下框24b,26bには下部ガイドレール17a,17b上を走行する戸車27が設けられている。方立11と内障子3の縦框24dには障子閉鎖時に互いに係合する煙返し28が設けられ、外障子4の召合せ框(召外框)26dと内障子3の召合せ框(召内框)24cには障子閉鎖時に互いに係合する煙返し29が設けられている。
【0016】
外障子4よりも屋外側に網戸5,6をスライド開閉自在に支持するために、上枠2aと下枠2bの対向面には網戸用の上部レール32a,32bと下部レール33a,33bが左右の縦枠2c,2d間の全長に設けられている。網戸5,6は、上框34a、下框34b及び左右の縦框34c,34dからなる框組体34内に防虫用の網体35を張設してなり、下框34bには下部レール33a,33b上を走行する戸車36が設けられている。網戸5,6は、厚さが薄く形成されていると共に、外網戸6と内網戸5が、内網戸5と外網戸6がそれぞれ近接するよう取付スペースが制限されている。
【0017】
このように厚さや取付スペースが制限されている網戸5,6を連動構造とするために、隣接する網戸5,6のうちの一方の網戸5の戸先側縦框34cに他方の網戸6の両縦框34c,34d間に位置されて何れか一方の縦框の内側面に引っ掛かることにより網戸5,6を連動させるための引掛け部37が設けられている。図示例の場合、網体35が框組体34内(内周)の略屋外面位置に配置され、框組体34内の屋内側に凹部38が形成されているため、外網戸6の凹部38に入るように内網戸5の戸先側縦框34cの屋外面に引掛け部37が突設されている。引掛け部37は戸先側縦框34cの長手方向に沿って所定の範囲(上框34aと下框34bの間隔内)でリブ状に形成されている。
【0018】
また、この場合、図4に示すように引掛け部37は内網戸5の戸先側縦框34cの先端部に設けられていることが、網戸閉鎖時に外網戸6の召外框34dと内網戸5の召内框34cとが丁度重なって意匠性の向上が図れる点で好ましい。更に、内外の網戸5,6は、図3に示すように収納時(開放時)に収納側(障子収納部側)の縦框43d,43dが揃うように、幅寸法を違えて形成されていることが収納スペースを小さくできると共に、収納スペースを小さくできる分だけ開口を大きくとれる点で好ましい。図示例では、内網戸5の幅寸法が外網戸6の幅寸法よりも縦框34c1つ分小さく形成されている。なお、図2ないし図3において、45は床材、46は額縁である。
【0019】
以上の構成からなるサッシ1において、網戸5,6を図3に示す収納状態から図4に示す閉鎖状態にする場合には、外網戸6を収納側とは反対側へスライド移動させれば良く、その際に内網戸5の引掛け部37が外網戸6の縦框34dの内側面に係止され(引っ掛かり)、内網戸5を外網戸6と連動させて閉鎖することができる。逆に網戸5,6を閉鎖状態から収納状態にする場合には、外網戸6を収納側へスライド移動させれば良く、その際に内網戸5の引掛け部37が外網戸6の縦框34cの内側面に係止され(引っ掛かり)、内網戸5を外網戸6と連動させて収納することができる。
【0020】
このようにサッシ1によれば、上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dからなるサッシ枠2と、該サッシ枠2内にスライド開閉自在に設けられた障子3,4と、前記サッシ枠2内にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚の網戸5,6とを備え、前記網戸5,6は上框34a、下框34b及び左右の縦框34c,34dからなる框組体34内に網体35を張設してなり、隣接する網戸5,6のうちの一方の網戸5の戸先側縦框34cに他方の網戸6の両縦框34c、34d間に位置されて何れか一方の縦框の内側面に引っ掛かることにより網戸5,6を連動させるための引掛け部37を設けているため、簡単な構造で網戸を連動構造とすることができ、網戸の開閉操作性の向上が図れる。
【0021】
また、前記引掛け部37が内網戸5の閉移動側先端の縦框(戸先側縦框)34cの先端部に設けられているため、網戸閉鎖時に外網戸6の召外框34dと内網戸5の召内框34cとが屋内外方向に丁度重なるようになり、意匠性の向上が図れる。更に、内外の網戸5,6は、収納時(開放時)に収納側(障子収納部側)の縦框34d、34dが屋内外方向に揃うように、幅寸法を違えて形成されているため、網戸5,6の収納スペースを小さくすることができると共に、収納スペースを小さくできる分だけ開口を大きくとることができる。
【0022】
さて、図5は本発明の実施形態であるサッシを概略的に示す室外側正面図、図6は同サッシの網戸閉鎖時の横断面図、図7は網戸閉鎖用位置決めストッパーを示す斜視図である。この実施形態は、本発明を合掌式に内外2枚ずつの障子を有する両寄せ全開タイプのサッシに適用した場合を示している。すなわち、このサッシ1は、前記図3のサッシ1を戸先側縦枠2cを取除いて左右対称に接続した構造であり、障子閉鎖時に左右の外障子4,4がサッシ枠2の中央部で合掌(突き合わ)され、障子全開時に左右の外網戸6,6がサッシ枠2の中央部で合掌(突き合わ)されるようになっている。本実施例において、前記参考例と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
このサッシ1においては、前記参考例と同様の他に、下枠2bの上面に、網戸閉鎖時に網戸5を位置決め停止させるための位置決めストッパー39が設けられている。実施例では、下枠2b上における網戸閉鎖時に内網戸5を位置決め停止する位置に位置決めストッパー39がネジ40で取付けられている。位置決めストッパー39は、下部ガイドレール17a,17bと略同じ高さの平坦(フラット)構造とされており、出っ張っていないので歩行の邪魔にならず、意匠的にも良い。
【0024】
本実施例のサッシ1によれば、前記参考例と同様の効果を奏することができる他に、下枠2b上に網戸5,6を閉鎖位置に位置決め停止するための位置決めストッパー39を設けているために、例えば外網戸6をサッシ枠2の中央で正確且つ容易に合掌させることができ、網戸閉鎖時の操作性の向上が図れる。
【0025】
次に本発明の実施形態でないサッシの第2参考例を図8〜図11に示す。この第2参考例は、内外3枚の障子3,4,41を有する片寄せ全開タイプのサッシを示している。本第2参考例において、前記第1参考例と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。この場合、内障子3と外障子4の間に中間障子41が配置され、上枠2aと下枠2bの対向面には内ガイドレール17a,21aと外ガイドレール17b,21bの間に中間ガイドレール17c,21cが設けられている。また、内網戸5と外網戸6の間に中間網戸42が配置され、上枠2aと下枠2bの対向面には内レール32a,33aと外レール32b,33bの間に中間レール32c,33cが設けられている。
【0026】
また、内障子3の召内框24cには中間障子41の召外框43dを固定するクレセント錠30bが設けられ、中間障子42の召内框43cには外障子4の召外框26dを固定するクレセント錠30cが設けられている。更に、内網戸5の戸先側縦框34cには中間網戸42の両縦框34c、34d間の何れか一方の内側面に引っ掛かる引掛け部37aが設けられ、中間網戸42の戸先側縦框34cには外網戸6の両縦框34c、34d間の何れか一方の内側面に引っ掛かる引掛け部37bが設けられている。本第2参考例のサッシによれば、前記第1参考例と同様の効果を奏することができる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態ないし実施例を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態ないし実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 サッシ
2 サッシ枠
2a 上枠
2b 下枠
2c,2d 縦枠
3,4 障子
5,6 網戸
5 内網戸
6 外網戸
37 引掛け部
39 位置決めストッパー
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシに係り、特に網戸を連動構造にしたサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
サッシとしては、例えば実開昭57−16596号公報に記載されているように、窓開口部の前面に障子を建付ける障子摺動部と、該障子摺動部の一側方に前記障子を収納可能な障子収納部と、前記障子摺動部と障子収納部の境界位置に方立を配設した片寄せ全開タイプのサッシが知られている。このサッシによれば、窓開口部を全開させることができる。
【0003】
また、このようなサッシにおいては、サッシ枠内にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚の網戸を備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57−16596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種従来のサッシにおいては、内外の網戸を連動構造にしたものはなく、そのため、網戸を1枚ずつ開閉操作しなければならず、網戸の開閉に手間がかかるという問題があった。なお、障子の場合、内外の障子の召合せ框に障子閉鎖時に互いに係合する横断面L字状の煙返しを設けることにより、耐風圧性能の向上を図ると共に障子を連動可能としているが、この構造を厚さや取付スペースが制限されている網戸には適用することが困難である。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、簡単な構造で網戸を連動構造とすることができると共に、外網戸をサッシ枠の中央で容易に合掌させることができ、網戸の閉鎖時の操作性の向上が図れるサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上枠、下枠及び左右の縦枠からなるサッシ枠と、該サッシ枠内に合掌式に内外2枚ずつスライド開閉自在に設けられた障子と、前記サッシ枠内に合掌式にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚ずつの網戸とを備えたサッシであって、前記網戸は隣接する内網戸と外網戸を連動させるための引掛け部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上枠、下枠及び左右の縦枠からなるサッシ枠と、該サッシ枠内に合掌式に内外2枚ずつスライド開閉自在に設けられた障子と、前記サッシ枠内に合掌式にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚ずつの網戸とを備えたサッシであって、前記網戸は隣接する内網戸と外網戸を連動させるための引掛け部を有しているため、簡単な構造で網戸を連動構造とすることができると共に、外網戸をサッシ枠の中央で容易に合掌させることができ、網戸の閉鎖時の操作性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態でないサッシの第1参考例を概略的に示す室外側正面図である。
【図2】図1のサッシの障子片寄せ時の縦断面図である。
【図3】図1のサッシの障子閉鎖時の横断面図である。
【図4】同サッシの障子開放状態で網戸閉鎖時の横断面図である。
【図5】本発明の実施形態であるサッシを概略的に示す室外側正面図である。
【図6】網戸閉鎖時の横断面図である。
【図7】網戸閉鎖用位置決めストッパーを示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態でないサッシの第2参考例を概略的に示す室外側正面図である。
【図9】図8のサッシの障子片寄せ時の縦断面図である。
【図10】図8のサッシの障子閉鎖時の横断面図である。
【図11】同サッシの障子開放状態で網戸閉鎖時の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を基に詳述する。
【0011】
先ず、図1〜図4に示す本発明の実施形態でないサッシの第1参考例について説明する。第1参考例は、内外2枚の障子を有する片寄せ全開タイプのサッシを示している。これらの図に示すように、このサッシ1は、上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dからなるサッシ枠2と、該サッシ枠2内にスライド開閉自在に設けられた内外2枚の障子3,4と、前記サッシ枠2内にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚(本参考例では2枚)の網戸5,6とを備えている。特に、このサッシ1は、建物の躯体7の窓開口部8の前面に障子3,4を建付ける障子摺動部9と、該障子摺動部9の一側方に前記障子3,4を収納可能な障子収納部(戸袋部ともいう)10と、前記障子摺動部9と障子収納部10の境界位置に配設される方立11とを備えている。
【0012】
上枠2a、下枠2b、縦枠2c,2d及び方立11は、例えばアルミ押出形材からなり、上枠2a、下枠2b、窓開口部8の一側に位置される一方の縦枠2c及び方立11は、中空構造(ホロー構造)とされている。方立11は上枠2aと下枠2bの間に配置されていると共に窓開口部8の他側に位置されて躯体7の屋外面に固定されている。方立11は障子摺動部9と干渉しないようにサッシ枠2内における屋内寄りに配置されている。サッシ枠1は躯体7の屋外面に固定された外付け構造とされている。この場合、下枠2bの取付強度を高めるために、下枠2bの窓開口部8に対応する部分を窓台12に係止して固定するためのブラケット13が係合構造14とネジ(固着具)15により下枠2bの屋内面に取付けられている。このブラケット13は下枠の屋内面に取付けられる垂直部13aと、この垂直部13aの上縁部から屋内側へ直角に折り曲げられ、窓台12の上部に係止されてネジ16で固定される水平部13bとを有している。すなわち、サッシ枠2の取付けには、外付け構造の他に、下枠2bの荷重を窓台12で受けるいわゆる半外付け仕様が採用されている。
【0013】
障子摺動部9として、下枠2b上には上面フラット仕様の下部ガイドレール17a,17bが方立11よりも屋外側であって両縦枠2c,2d間の下枠2bの全長に取付けられている。また、一方(戸先側)の縦枠2cと方立11との間の屋内に露出する下枠2b上には結露を防止するための合成樹脂製の上面フラット構造の下部カバー部材18が取付けられている。この下部カバー部材18の屋外側縁部が下枠2bの上面に設けられた係止受部19に係止され、下部カバー部材18の屋内側縁部が前記ブラケット13の上部屋内縁部に設けられた係止受部20に係止されている。
【0014】
上枠2aの下面には障子3,4の上部を案内するための上部ガイドレール21a,21bが上枠2aの全長に設けられている。戸先側の縦枠2cと方立11との間の屋内に露出する上枠2a下面には、結露を防止するための合成樹脂製の上部カバー部材22が取付けられている。障子収納部(戸袋部)10においては、図示例では躯体7の屋外面に外壁材23を取付けているが、サッシ枠2の屋外面に鏡板を取付けても良い(図示省略)。
【0015】
内障子3は、上框24a、下框24b及び左右の縦框24c,24dからなる框組体24内にパネルであるガラス25を装着してなる。外障子4は、上框26a、下框26b及び左右の縦框26c,26dからなる框組体26内にパネルであるガラス25を装着してなる。下框24b,26bには下部ガイドレール17a,17b上を走行する戸車27が設けられている。方立11と内障子3の縦框24dには障子閉鎖時に互いに係合する煙返し28が設けられ、外障子4の召合せ框(召外框)26dと内障子3の召合せ框(召内框)24cには障子閉鎖時に互いに係合する煙返し29が設けられている。
【0016】
外障子4よりも屋外側に網戸5,6をスライド開閉自在に支持するために、上枠2aと下枠2bの対向面には網戸用の上部レール32a,32bと下部レール33a,33bが左右の縦枠2c,2d間の全長に設けられている。網戸5,6は、上框34a、下框34b及び左右の縦框34c,34dからなる框組体34内に防虫用の網体35を張設してなり、下框34bには下部レール33a,33b上を走行する戸車36が設けられている。網戸5,6は、厚さが薄く形成されていると共に、外網戸6と内網戸5が、内網戸5と外網戸6がそれぞれ近接するよう取付スペースが制限されている。
【0017】
このように厚さや取付スペースが制限されている網戸5,6を連動構造とするために、隣接する網戸5,6のうちの一方の網戸5の戸先側縦框34cに他方の網戸6の両縦框34c,34d間に位置されて何れか一方の縦框の内側面に引っ掛かることにより網戸5,6を連動させるための引掛け部37が設けられている。図示例の場合、網体35が框組体34内(内周)の略屋外面位置に配置され、框組体34内の屋内側に凹部38が形成されているため、外網戸6の凹部38に入るように内網戸5の戸先側縦框34cの屋外面に引掛け部37が突設されている。引掛け部37は戸先側縦框34cの長手方向に沿って所定の範囲(上框34aと下框34bの間隔内)でリブ状に形成されている。
【0018】
また、この場合、図4に示すように引掛け部37は内網戸5の戸先側縦框34cの先端部に設けられていることが、網戸閉鎖時に外網戸6の召外框34dと内網戸5の召内框34cとが丁度重なって意匠性の向上が図れる点で好ましい。更に、内外の網戸5,6は、図3に示すように収納時(開放時)に収納側(障子収納部側)の縦框43d,43dが揃うように、幅寸法を違えて形成されていることが収納スペースを小さくできると共に、収納スペースを小さくできる分だけ開口を大きくとれる点で好ましい。図示例では、内網戸5の幅寸法が外網戸6の幅寸法よりも縦框34c1つ分小さく形成されている。なお、図2ないし図3において、45は床材、46は額縁である。
【0019】
以上の構成からなるサッシ1において、網戸5,6を図3に示す収納状態から図4に示す閉鎖状態にする場合には、外網戸6を収納側とは反対側へスライド移動させれば良く、その際に内網戸5の引掛け部37が外網戸6の縦框34dの内側面に係止され(引っ掛かり)、内網戸5を外網戸6と連動させて閉鎖することができる。逆に網戸5,6を閉鎖状態から収納状態にする場合には、外網戸6を収納側へスライド移動させれば良く、その際に内網戸5の引掛け部37が外網戸6の縦框34cの内側面に係止され(引っ掛かり)、内網戸5を外網戸6と連動させて収納することができる。
【0020】
このようにサッシ1によれば、上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dからなるサッシ枠2と、該サッシ枠2内にスライド開閉自在に設けられた障子3,4と、前記サッシ枠2内にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚の網戸5,6とを備え、前記網戸5,6は上框34a、下框34b及び左右の縦框34c,34dからなる框組体34内に網体35を張設してなり、隣接する網戸5,6のうちの一方の網戸5の戸先側縦框34cに他方の網戸6の両縦框34c、34d間に位置されて何れか一方の縦框の内側面に引っ掛かることにより網戸5,6を連動させるための引掛け部37を設けているため、簡単な構造で網戸を連動構造とすることができ、網戸の開閉操作性の向上が図れる。
【0021】
また、前記引掛け部37が内網戸5の閉移動側先端の縦框(戸先側縦框)34cの先端部に設けられているため、網戸閉鎖時に外網戸6の召外框34dと内網戸5の召内框34cとが屋内外方向に丁度重なるようになり、意匠性の向上が図れる。更に、内外の網戸5,6は、収納時(開放時)に収納側(障子収納部側)の縦框34d、34dが屋内外方向に揃うように、幅寸法を違えて形成されているため、網戸5,6の収納スペースを小さくすることができると共に、収納スペースを小さくできる分だけ開口を大きくとることができる。
【0022】
さて、図5は本発明の実施形態であるサッシを概略的に示す室外側正面図、図6は同サッシの網戸閉鎖時の横断面図、図7は網戸閉鎖用位置決めストッパーを示す斜視図である。この実施形態は、本発明を合掌式に内外2枚ずつの障子を有する両寄せ全開タイプのサッシに適用した場合を示している。すなわち、このサッシ1は、前記図3のサッシ1を戸先側縦枠2cを取除いて左右対称に接続した構造であり、障子閉鎖時に左右の外障子4,4がサッシ枠2の中央部で合掌(突き合わ)され、障子全開時に左右の外網戸6,6がサッシ枠2の中央部で合掌(突き合わ)されるようになっている。本実施例において、前記参考例と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
このサッシ1においては、前記参考例と同様の他に、下枠2bの上面に、網戸閉鎖時に網戸5を位置決め停止させるための位置決めストッパー39が設けられている。実施例では、下枠2b上における網戸閉鎖時に内網戸5を位置決め停止する位置に位置決めストッパー39がネジ40で取付けられている。位置決めストッパー39は、下部ガイドレール17a,17bと略同じ高さの平坦(フラット)構造とされており、出っ張っていないので歩行の邪魔にならず、意匠的にも良い。
【0024】
本実施例のサッシ1によれば、前記参考例と同様の効果を奏することができる他に、下枠2b上に網戸5,6を閉鎖位置に位置決め停止するための位置決めストッパー39を設けているために、例えば外網戸6をサッシ枠2の中央で正確且つ容易に合掌させることができ、網戸閉鎖時の操作性の向上が図れる。
【0025】
次に本発明の実施形態でないサッシの第2参考例を図8〜図11に示す。この第2参考例は、内外3枚の障子3,4,41を有する片寄せ全開タイプのサッシを示している。本第2参考例において、前記第1参考例と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。この場合、内障子3と外障子4の間に中間障子41が配置され、上枠2aと下枠2bの対向面には内ガイドレール17a,21aと外ガイドレール17b,21bの間に中間ガイドレール17c,21cが設けられている。また、内網戸5と外網戸6の間に中間網戸42が配置され、上枠2aと下枠2bの対向面には内レール32a,33aと外レール32b,33bの間に中間レール32c,33cが設けられている。
【0026】
また、内障子3の召内框24cには中間障子41の召外框43dを固定するクレセント錠30bが設けられ、中間障子42の召内框43cには外障子4の召外框26dを固定するクレセント錠30cが設けられている。更に、内網戸5の戸先側縦框34cには中間網戸42の両縦框34c、34d間の何れか一方の内側面に引っ掛かる引掛け部37aが設けられ、中間網戸42の戸先側縦框34cには外網戸6の両縦框34c、34d間の何れか一方の内側面に引っ掛かる引掛け部37bが設けられている。本第2参考例のサッシによれば、前記第1参考例と同様の効果を奏することができる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態ないし実施例を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態ないし実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 サッシ
2 サッシ枠
2a 上枠
2b 下枠
2c,2d 縦枠
3,4 障子
5,6 網戸
5 内網戸
6 外網戸
37 引掛け部
39 位置決めストッパー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠、下枠及び左右の縦枠からなるサッシ枠と、該サッシ枠内に合掌式に内外2枚ずつスライド開閉自在に設けられた障子と、前記サッシ枠内に合掌式にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚ずつの網戸とを備えたサッシであって、前記網戸は隣接する内網戸と外網戸を連動させるための引掛け部を有していることを特徴とするサッシ。
【請求項1】
上枠、下枠及び左右の縦枠からなるサッシ枠と、該サッシ枠内に合掌式に内外2枚ずつスライド開閉自在に設けられた障子と、前記サッシ枠内に合掌式にスライド開閉自在に設けられた少なくとも内外2枚ずつの網戸とを備えたサッシであって、前記網戸は隣接する内網戸と外網戸を連動させるための引掛け部を有していることを特徴とするサッシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−220112(P2011−220112A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175310(P2011−175310)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【分割の表示】特願2004−255579(P2004−255579)の分割
【原出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【分割の表示】特願2004−255579(P2004−255579)の分割
【原出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】
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