説明

サブガスケット付スリフトされた膜を組み込んだ燃料電池のサブアセンブリ

複数の個別の電解質膜を含む燃料電池のロール品サブアセンブリが記載される。1つ以上の第1のサブガスケットが、個別の電解質膜に取り付けられる。第1のサブガスケットのそれぞれが、少なくとも1つの開口部を有し、第1のサブガスケットは、個別の電解質膜の中心領域が第1のサブガスケットの開口部を通って露出されるように構成される。第2のサブガスケットは、複数の開口部を有するウェブを備える。第2のサブガスケットウェブは、個別の電解質膜の中心領域が第2のサブガスケットウェブの開口部を通って露出されるように、1つ以上の第1のサブガスケットに取り付けられる。第2のサブガスケットウェブは、電解質膜に面するサブガスケット表面上にほとんど又は全く接着剤を有さなくてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー省により授与された協力協定DE−FG36−07GO17006の下で米国政府の支援によりなされたものである。政府は本発明に対し特定の権利を有する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年12月22日に出願された米国特許仮出願第61/289036号の利益を主張し、その開示内容の全体を参照として本明細書に援用する。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、広くは、燃料電池のサブアセンブリ及び燃料電池のサブアセンブリの製造のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
燃料電池は、水素燃料と空気からの酸素を化合して、電気と熱と水を生成する電気化学デバイスである。燃料電池が燃焼を利用しないため、燃料電池は、有害な流出物をほとんど生成しない。燃料電池は、水素燃料と酸素を直接電気に変換し、そして例えば、内燃機関の発電機よりも非常に高効率で稼動することができる。
【0005】
典型的な燃料電池電力システムは、電力セクションを含み、燃料電池の1つ以上のスタックが、その電力セクション内に設けられる。燃料電池電力システムの効率は、個別の燃料電池内、及びスタックの隣接した燃料電池間の種々の接触及び密閉界面の一体性にある程度依存する。
【0006】
サブガスケットは、燃料電池の活動領域を密封し、かつ電解質膜に寸法安定性を提供するために、燃料電池の電解質膜の上に配置され得る。加圧下で、スタック中の燃料電池成分の端は、燃料電池の破損を引き起こし得る膜への局所応力集中を引き起こし得る。サブガスケットは、この破損機構の発生を減少させるために、膜に支持体を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態は、複数の個別の電解質膜を有する燃料電池のロール品サブアセンブリを含む。1つ以上の第1のサブガスケットは、個別の電解質膜に取り付けられる。第1のサブガスケットのそれぞれは、少なくとも1つの開口部を有し、第1のサブガスケットは、個別の電解質膜の中心領域の第1の表面が第1のサブガスケットの開口部を通って露出されるように構成される。第2のサブガスケットは、複数の開口部を有するウェブを備える。第2のサブガスケットウェブは、個別の電解質膜の中心領域の第2の表面が第2のサブガスケットウェブの開口部を通って露出されるように構成される。
【0008】
他の実施形態は、複数の個別の電解質膜に取り付けられる複数の開口部を有するサブガスケットウェブを含む燃料電池のロール品サブアセンブリを含む。サブガスケットウェブは、個別の電解質膜の中心領域の表面がサブガスケットウェブの開口部を通って露出されるように構成される。
【0009】
幾つかの実施形態は、電解質膜に接着して取り付けられる第1のサブガスケットを有する電解質膜を含む燃料電池アセンブリを含む。第1のサブガスケットは、電解質膜に向かって方向付けられる第1のサブガスケット表面と、第1のサブガスケット表面上に配置される第1の接着層とを有する。燃料電池アセンブリは、電解質膜に向かって方向付けられる第2のサブガスケット表面を有する第2のサブガスケットを含む。第2のサブガスケットは、第2のサブガスケット表面の相当部分上に第2の接着層を含まない。
【0010】
燃料電池のロール品サブアセンブリは、各々が中心領域を有する複数の個別の電解質膜を含む。1つ以上の第1のサブガスケットは、個別の電解質膜に接着して取り付けられ、第1のサブガスケットのそれぞれは、少なくとも1つの開口部を有する。第1のサブガスケットは、個別の電解質膜の中心領域が第1のサブガスケットの開口部を通って露出されるように構成される。燃料電池のロール品アセンブリは、複数の開口部を有するウェブを備える第2のサブガスケットも含む。第2のサブガスケットウェブは、個別の電解質膜の中心領域の第2の表面が第2のサブガスケットウェブの開口部を通って露出されるように構成される。接着層は、第2のサブガスケット表面の相当部分上に配置されない。
【0011】
燃料電池のロール品サブアセンブリを作製する自動ロールツーロール法は、複数の開口部を有する細長い第1のサブガスケットウェブと、複数の個別の電解質膜との間で相対運動を行う工程を含む。それぞれの電解質膜の中心領域が第1のサブガスケットウェブの開口部と整合配置されるように、個別の電解質膜を第1のサブガスケットウェブと整合配置する。個別の電解質膜は、第1のサブガスケットウェブに取り付けられる。
【0012】
一実施例に従って、第1のサブガスケットウェブが、複数の個別のサブガスケット付膜に切断され得る。それぞれの電解質膜の中心領域が第2のサブガスケットウェブの開口部と整合配置されるように、複数の開口部を有する第2のサブガスケットウェブが複数の個別のサブガスケット付膜と整合配置する。個別のサブガスケット付膜が、第2のサブガスケットウェブに取り付けられる。
【0013】
別の実施例に従って、複数の開口部を有する第2のサブガスケットウェブは、第1のサブガスケットウェブに取り付けられる個別の電解質膜を有する前記第1のサブガスケットウェブに、整合配置され、かつ、取り付けられ得る。
【0014】
上記の課題を解決するための手段は、本発明の各実施形態又はあらゆる実施を説明しようとは意図していない。本発明の利点及び効果、並びに本発明に対する更なる理解は、以下に記載する発明を実施するための形態及び特許請求の範囲を添付図面と併せて参照することによって明らかになり、理解するに至るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】典型的な燃料電池及びその基本動作の描写。
【図2A】スリフトされた電解質膜並びに片面接着性サブガスケットを組み込む燃料電池のサブアセンブリの平面図及び断面図。
【図2B】スリフトされた電解質膜並びに片面接着性サブガスケットを組み込む燃料電池のサブアセンブリの平面図及び断面図。
【図2C】スリフトされた電解質膜並びに片面接着性サブガスケットを組み込む燃料電池のサブアセンブリの平面図及び断面図。
【図2D】図2Aのサブガスケット付膜及び触媒コーティングされたガス拡散層を組み込む5層膜電極アセンブリの断面図。
【図2E】少なくとも1つのサブガスケット層の相当部分に接着剤がない、種々のサブガスケット付電解質膜の図示。
【図2F】少なくとも1つのサブガスケット層の相当部分に接着剤がない、種々のサブガスケット付電解質膜の図示。
【図2G】少なくとも1つのサブガスケット層の相当部分に接着剤がない、種々のサブガスケット付電解質膜の図示。
【図2H】サブガスケット層のうちの少なくとも1つの一部が膜移動を減少させる表面処理を含む、サブガスケット付電解質膜の図示。
【図3A】片面接着性サブガスケットを有するスリフトされ触媒コーティングされた膜の断面図。
【図3B】図3Aのサブガスケット付の触媒コーティングされた膜を組み込む5層MEAの断面図。
【図3C】半分サブガスケット付のCCMを組み込むMEAの図示。
【図4】燃料電池のサブアセンブリウェブを備えた燃料電池のロール品の図示。
【図5A】多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの平面図。
【図5B】多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブのy方向断面図。
【図5C】多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブのx方向断面図。
【図5D】図5A燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの平面図。
【図5E】図5A燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブのy方向断面図。
【図5F】図5A燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブのx方向断面図。
【図5G】個別の電解質膜を有する多数の連結された燃料電池のサブアセンブリ、並びに個別の第1のサブガスケットを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの平面図。
【図5H】個別の電解質膜を有する多数の連結された燃料電池のサブアセンブリ、並びに個別の第1のサブガスケットを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの断面図。
【図5I】図5Gの燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの平面図。
【図5J】図5Gの燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの断面図。
【図6A】CCMがx方向及びy方向にスリフトする、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図6B】CCMがx方向及びy方向にスリフトする、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図6C】CCMがx方向及びy方向にスリフトする、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図6D】図6Aの燃料電池のサブアセンブリウェブを用いて形成される5層MEAウェブの図示。
【図6E】図6Aの燃料電池のサブアセンブリウェブを用いて形成される5層MEAウェブの図示。
【図6F】図6Aの燃料電池のサブアセンブリウェブを用いて形成される5層MEAウェブの図示。
【図6G】個別のCCMを有する多数の連結された燃料電池のサブアセンブリ、並びに個別の第1のサブガスケットを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの平面図。
【図6H】個別のCCMを有する多数の連結された燃料電池のサブアセンブリ、並びに個別の第1のサブガスケットを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの断面図。
【図6I】図6Gの燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの平面図。
【図6J】図6Gの燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの断面図。
【図7A】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットでスリフトするx方向及びy方向の電解質膜を含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図7B】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットでスリフトするx方向及びy方向の電解質膜を含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図7C】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットでスリフトするx方向及びy方向の電解質膜を含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図7D】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットでスリフトするx方向及びy方向の電解質膜を含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図7E】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットでスリフトするx方向及びy方向の電解質膜を含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図7F】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットでスリフトするx方向及びy方向の電解質膜を含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図7G】個別の電解質膜を有する多数の連結された燃料電池のサブアセンブリ、並びに個別の第1のサブガスケットを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの平面図。
【図7H】個別の電解質膜を有する多数の連結された燃料電池のサブアセンブリ、並びに個別の第1のサブガスケットを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの断面図。
【図7I】図7Gの燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの平面図。
【図7J】図7Gの燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの断面図。
【図8A】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットとスリフトするx方向及びy方向のCCMを含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図8B】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットとスリフトするx方向及びy方向のCCMを含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図8C】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットとスリフトするx方向及びy方向のCCMを含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図8D】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットとスリフトするx方向及びy方向のCCMを含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図8E】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットとスリフトするx方向及びy方向のCCMを含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図8F】第1及び第2のサブガスケット層の両方の上に接着剤を有するサブガスケットとスリフトするx方向及びy方向のCCMを含む、燃料電池のサブアセンブリウェブの図示。
【図8G】個別の電解質膜を有する多数の連結された燃料電池のサブアセンブリ、並びに個別のCCMを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの平面図。
【図8H】個別の電解質膜を有する多数の連結された燃料電池のサブアセンブリ、並びに個別のCCMを備えた燃料電池のサブアセンブリウェブの断面図。
【図8I】図8Gの燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの平面図。
【図8J】図8Gの燃料電池のサブアセンブリウェブを組み込む5層MEAウェブの断面図。
【図9】サブガスケット付燃料電池のサブアセンブリウェブの製造のためのプロセスを図示する、プロセスフローチャート。
【図10A】サブガスケット付膜ウェブ、個別のサブガスケット付膜、5層MEAウェブ、個別の5層MEA、並びに種々の中間燃料電池のサブアセンブリを含む、x及びy方向にスリフトされた燃料電池のサブアセンブリを製造するように構成されるロールツーロール系システムの種々のサブシステムの図示。
【図10B】サブガスケット付膜ウェブ、個別のサブガスケット付膜、5層MEAウェブ、個別の5層MEA、並びに種々の中間燃料電池のサブアセンブリを含む、x及びy方向にスリフトされた燃料電池のサブアセンブリを製造するように構成されるロールツーロール系システムの種々のサブシステムの図示。
【図10C】サブガスケット付膜ウェブ、個別のサブガスケット付膜、5層MEAウェブ、個別の5層MEA、並びに種々の中間燃料電池のサブアセンブリを含む、x及びy方向にスリフトされた燃料電池のサブアセンブリを製造するように構成されるロールツーロール系システムの種々のサブシステムの図示。
【図10D】サブガスケット付膜ウェブ、個別のサブガスケット付膜、5層MEAウェブ、個別の5層MEA、並びに種々の中間燃料電池のサブアセンブリを含む、x及びy方向にスリフトされた燃料電池のサブアセンブリを製造するように構成されるロールツーロール系システムの種々のサブシステムの図示。
【図11A】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11B】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11C】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11D】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11E】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11F】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11G】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11H】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11I】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11J】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11K】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11L】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11M】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図11N】図10A〜10Dのサブシステムによって製造される入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリのx方向(ダウンウェブ)の断面図。
【図12A】前処理した電解質膜の任意のサブシステムの図示。
【図12B】前処理した電解質膜の任意のサブシステムの図示。
【図13A】発泡真空ダイローラーの断面図。
【図13B】発泡真空ダイローラーの実施形態及び発泡真空ダイローラーを作製するプロセス。
【図14】温度試験前の両面接着性サブガスケットを有する試料MEA構造の図示。
【図15】温度試験後の図15のMEA構造の図示。
【図16】温度試験前の膜上に片面接着性サブガスケットを組み込むMEA構造の図示。
【図17】温度試験後の図18のMEA構造の図示。
【0016】
本発明は種々の修正及び代替の形態に容易に応じるが、その細部は一例として図面に示しており、また詳しく説明することにする。ただし、本発明は記載される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、付随する請求項によって定義される本発明の範囲内に入る修正、等価物、及び代替物すべてを網羅することを意図するものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
例示した実施形態の以下の説明において、その一部を生成させ、実例として示される添付図面、発明を実施できる種々の実施形態を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく実施形態を利用することができ、また、構造的変更を行なってもよいことを理解されたい。
【0018】
燃料電池110(サブガスケット、ガスケット、又はシール無し)の基本成分が、図1に示される。動作中、水素燃料Hは、燃料電池110の陽極部分の中に導入され、第1の流量プレート112を通り過ぎ、ガス拡散層(GDL)114を通過する。触媒層115の表面上で、水素燃料は、水素イオン(H)及び電子(e)に分けられる。
【0019】
電解質膜116は、水素イオン又は陽子及び水のみを電解質膜116を通して燃料電池110の陰極触媒層113へと通過させる。電子は、電解質膜116を通過することができず、その代わりに、電流の形状で外部電子回路を貫流する。この電流は、電動モータ等の電気負荷117を給電することができるか、あるいは充電式電池等のエネルギー蓄積デバイスに移動させられ得る。
【0020】
酸素Oは、第2の流れ場プレート119を通って、かつ燃料電池110の陰極側において、第2のGDL 118を通って流動する。陰極触媒層113の表面上で、酸素、陽子、及び電子が結合して、水(HO)及び熱を生成する。
【0021】
図1に示される燃料電池110等の個別の燃料電池は、幾つかの他の燃料電池と結合され、燃料電池スタックを形成し得る。スタック内の燃料電池の数によってスタックの総電圧が決まり、電池のそれぞれの表面積によって総電流が決まる。所定の燃料電池スタックで発生する総電力は、総スタック電圧と総電流を乗じることによって求めることができる。
【0022】
燃料電池スタックは、密封構造である。サブガスケット、ガスケット、及び/又はシールは、典型的には、電解質膜の活動領域周囲の周りに配置される。触媒は、膜の表面上、GDL上に設けられてもよく、又は部分的にGDL上に、部分的に膜上に設けられてもよい。サブガスケット及び/又はガスケットは、電解質膜の一方若しくは両方の表面の上に、電解質膜の一方若しくは両方の表面にわたって、又は電解質膜の一方若しくは両方の表面の周囲に、及び/又はGDLの一方若しくは両方の表面の上に、及び/又はGDLに面した流量プレートの一方若しくは両方の表面の上に設置され得る。
【0023】
MEA及び/又は燃料電池の他のサブアセンブリの大量生産は、この科学技術をより広範囲の用途に組み込むことを可能にする程度まで燃料電池発電の費用を削減するために必要とされている。大量生産に加えて、成分の費用削減は、最終製品の全体の費用も減少させる。電解質膜は、MEAの比較的高価な成分のうちの1つであり、概して、ロール品燃料電池のサブアセンブリを形成するために使用される電解質膜の量を減少させ、それによって、燃料電池スタックの費用を減少させることが望ましい。MEAにおいて使用される電解質膜の量を減少させるための技術は、本明細書で「膜スリフティング(membrane thrifting)」と称される。
【0024】
本明細書で議論される幾つかの実施形態は、膜スリフトされた燃料電池のサブアセンブリウェブ、並びにスリフトされた燃料電池のサブアセンブリウェブを作製するためのプロセス及びシステムを図示する。膜スリフティングは、例えば、燃料電池のサブアセンブリロール品製品の全体の費用を減少させるために、膜材料を保存する製造プロセスを含む。
【0025】
幾つかの実施形態は、第1と第2の半分のサブガスケットとの間に配置される電解質膜又は触媒コーティングされた膜(CCM)を含むサブガスケット付燃料電池のサブアセンブリを図示する。第1の半分のサブガスケットは、電解質膜に向かって方向付けられる第1の表面を有し、第2の半分のサブガスケットは、電解質膜に向かって方向付けられる第2の表面を有する。第1及び第2の半分のガスケット表面のうちの少なくとも1つは、接着層を有する。第1及び第2の半分のガスケット表面のうちの少なくとも1つの相当部分に、接着層が無い。接着層が無いサブガスケット表面の「相当部分」とは、サブガスケット表面の少なくとも25%、又はサブガスケット表面の少なくとも50%を意味するか、あるいはサブガスケット表面のほぼすべてに接着層が無い。接着層を有する第1の半分のガスケット及び接着剤を有さない第2の半分のガスケットを有するMEAにおいて、第2の半分のガスケットは、第1の半分のサブガスケットの接着層を介して、第1の半分のサブガスケットに接着して取り付けられ、接着剤によって膜に取り付けられない。
【0026】
幾つかの適用において、電解質膜に面した表面上に接着剤を有する第1の半分のサブガスケット、及び接着層を有さない電解質膜に面した表面の相当部分又はすべてを有する第2の半分のサブガスケットを備えたサブガスケットは、サブガスケット付燃料電池のサブアセンブリの安定性を改善する。例えば、80℃を超える温度及び加圧下で、電解質膜は、接着層が両方のサブガスケット層の表面上に存在するにもかかわらず、電解質膜の押出し又は転位によりサブガスケットに対して移動させられ得る。この現象に関する任意の特定の理論によって拘束されることを望むことなく、より高い温度において、サブガスケット層及び膜の界面に存在する接着剤はわずかにより潤滑になり、圧力が適用されるときに、膜が転位し、及び/又は押出されることを可能にすることが1つの説明である。しかしながら、少なくとも1つのサブガスケット表面の相当部分に接着剤が無いとき、他のサブガスケット表面の相当部分が接着剤を含むにもかかわらず、膜の転位及び/又は押出しは減少される。減少した電解質膜の転位及び/又は押出しは、接着剤を有さない電解質膜とサブガスケット層との間の増加した摩擦によるものであり得る。
【0027】
図2Aは、燃料電池のサブアセンブリ201の平面図であり、図2B及び図2Cは、それぞれ、線A−A’及びB−B’を通って取り込まれた燃料電池のサブアセンブリ201の断面図である。サブアセンブリ201は、電解質膜210、並びに第1及び第2の半分のサブガスケット230、240を備えたサブガスケット220を備える。半分のサブガスケット230、240は、電解質膜210の周囲に配置され、電解質膜210の中心部分が開口部233、243を通って露出される「枠」の形態を有する。矩形枠形状の半分のサブガスケットが図2Aに示されるが、半分のサブガスケットは、任意の形状、例えば、円形、五角形、六角形等をとり得る。加えて、それぞれの半分のサブガスケット230、240は、1つの連続層であり得るか、あるいは電解質膜の周囲の周りに構成される幾つかの断片を含み得る。半分のサブガスケット230、240のそれぞれは、1つ以上の層を含み得る。
【0028】
第1の半分のサブガスケット230は、第2の半分のサブガスケット240と同一の寸法又は異なる寸法であり得る。図2A〜2Cに示されるように、第1の半分のサブガスケット及び第2の半分のサブガスケットが同一の寸法である場合、第1の半分のサブガスケット230の端230a、230b、230c、230dは、第2の半分のサブガスケット240の対応する端240a、240b、240c、240dと整合配置する。しかしながら、第1の半分のサブガスケット及び第2の半分のサブガスケットが同一の寸法ではない場合、第1の半分のサブガスケットの1つ以上の端は、第2の半分のサブガスケットの対応する端と整合配置しない。
【0029】
第1の半分のサブガスケット開口部233は、第2の半分のサブガスケット開口部243と同一の寸法又は異なる寸法であり得る。図2A〜2Cは、第1の半分のサブガスケット230の開口部233が第2の半分のサブガスケット240の開口部243よりも小さい実施例を図示する。第1の半分のサブガスケット開口部233が第2の半分のサブガスケット開口部243よりも小さい場合、第1の半分のサブガスケット開口部端233a、233b、233c、233dの1つ以上は、第2の半分のサブガスケット開口部端243a、243b、243c、243dの対応する端と整合配置しない。幾つかの構造では、第1の半分のサブガスケット開口部は、第2の半分のサブガスケット開口部と同一の寸法であり、その場合、第1及び第2の半分のサブガスケットの開口部端が整合配置する。
【0030】
第1の半分のサブガスケット230は、電解質膜210に向かって方向付けられる第1の表面231を有する。例えば、感圧接着剤(PSA)又は他の種類を備えた接着層250は、第1の表面231上に配置される。第2の半分のサブガスケットは、電解質膜210に向かって方向付けられる第2の表面241を有する。第2の半分のサブガスケット240の第2の表面241の相当部分に、接着剤がないか、あるいは第2の表面241全体に接着剤がない。接着剤は、膜に向かって方向付けられる第1及び第2のガスケット表面のうちの少なくとも1つの相当部分が接着剤を含まない限り、第2のガスケット表面上に存在し得る。接着剤を有さない相当部分は、温度及び圧力が燃料電池動作と関連する間、膜の位置安定性のために、サブガスケット表面と膜との間の摩擦を促進する。第2の半分のサブガスケットの第2の表面241に接着層がないが、第1の半分のサブガスケットの第1の表面231上に配置される接着層250を介して、第1の半分のサブガスケットに接着して取り付けられる。第2の半分のサブガスケットは、膜に接着して取り付けられない。
【0031】
電解質膜210は、x方向及びy方向に「スリフトされ」、これは、電解質膜が半分のサブガスケット230、240の下を部分的にのみ延在することを意味する。本明細書で使用される膜スリフティングは、電解質膜のx及び/又はy方向の寸法を減少させながら、燃料電池のサブアセンブリを形成するために使用される電解質膜の量を減少させることを指す。
【0032】
図2Dは、図2A〜2Cと関連してより詳細に説明されるサブガスケット付電解質膜201、及びGDL 262、263上に配置される触媒層212、213を備える触媒コーティングされたGDLを含む、サブガスケット付5層膜電極アセンブリ(MEA)202の断面図である。
【0033】
図2Eは、サブガスケット260及び膜210の一部を図示する。サブガスケットは、第1及び第2の半分のサブガスケット264、265を含む。第1及び第2の半分のサブガスケット264、265は、膜210に向かって方向付けられる第1及び第2のサブガスケット表面266、267を有する。この例において、第1の表面266は、第1の接着層268で実質的に被覆される。第2の表面267は、第2の接着層269を有する。しかしながら、第2の半分のサブガスケット表面267の相当部分261は、接着層を有さない。
【0034】
幾つかの実施形態では、第1の半分のサブガスケット表面は、第1の半分のサブガスケット表面の大部分又はすべてにわたって接着剤を有し、第2の半分のサブガスケット表面に、接着剤を有さない。図2Fは、膜210にわたって配置される第1及び第2の半分のサブガスケット271、272を有するサブガスケット270を図示する。第1及び第2の半分のサブガスケット271、272は、それぞれ、膜210に向かって方向付けられる第1及び第2のサブガスケット表面273、274を有する。接着層275は、第1の半分のサブガスケット表面273の大部分にわたって配置される。第2のサブガスケット表面274に、接着剤が無い。
【0035】
幾つかの実施形態では、両方のサブガスケット表面が、接着剤があるいくらかの部分を有し、両方のサブガスケット表面が接着剤を有さない相当部分を有する。図2Gは、膜210にわたって配置される第1及び第2の半分のサブガスケット281、282を有するサブガスケット280を図示する。第1及び第2の半分のサブガスケット281、282は、それぞれ、膜210に向かって方向付けられる第1及び第2のサブガスケット表面283、284を有する。第1のサブガスケット表面283の1つ以上の部分は、接着層285を有する。第2のサブガスケット表面284の1つ以上の部分は、接着層286を有する。第1のサブガスケット表面283の相当部分287は、接着剤を有さない。第2のサブガスケット表面284の相当部分288は、接着剤を有さない。図2F及び図2Gに図示される構造等の幾つかのサブガスケット付膜構造について、半分のサブガスケット間の界面及び/又はそれぞれのサブガスケット層と膜との間の界面の少なくともいくらかの部分において、接着剤は、いずれのサブガスケット表面にも存在しない。
【0036】
幾つかの実施形態では、半分のサブガスケットのうちの少なくとも1つは、第1と第2の半分のサブガスケットとの間の膜移動の量を減少させる表面処理を含む。例えば、表面処理は、膜に面する第1と第2のサブガスケット表面との間の摩擦を増加させ得、及び/又はサブガスケット表面と膜との間の摩擦を増加させ得る。例示の表面処理には、例えば、コロナ、プラズマ処理、プライマ、膜に面するサブガスケットの一方若しくは両方の表面上のミクロ構造の存在、及び/又は膜に面するサブガスケットの一方若しくは両方の表面の粗面化、並びに/又は他の処理が含まれ得る。表面処理は、膜又はプラスチックサブガスケットへの接着剤の接着を増加させるために、サブガスケットの反対側上にも付加され得る。
【0037】
図2Hは、膜に面する第2の半分のサブガスケットの表面の少なくとも一部が、摩擦を増加させ、及び/又は膜移動の量を減少させる表面処理を有するサブガスケット付膜を図示する。サブガスケット290は、膜210にわたって配置される第1及び第2の半分のサブガスケット291、292を含む。第1及び第2の半分のサブガスケット291、292は、それぞれ、膜210に向かって方向付けられる第1及び第2のサブガスケット表面293、294を有する。第1のサブガスケット表面293の1つ以上の部分は、接着層295を有する。第2のサブガスケット表面294の相当部分296に、接着剤が無い。サブガスケット表面293、294の一方又は両方は、膜移動を減少させる表面処理297を含む。例えば、表面処理は、膜と第2の半分のサブガスケットの表面294との間の摩擦を増加させ得る。表面処理297は、サブガスケット表面293、294のほぼすべてにわたって、又はサブガスケット表面の一部のみに存在し得る。
【0038】
図3A及び図3Bは、それぞれ、燃料電池のサブアセンブリ301及び302の断面図である。サブアセンブリ301は、サブガスケット付CCMであり、サブアセンブリ302は、サブガスケット付5層MEAである。サブアセンブリ301及び302は、サブガスケット320間に配置される触媒コーティングされた膜(CCM)311を含む。CCM 311は、電解質膜310及び触媒層312、313を含む。サブガスケット320は、接着剤350を有する第1の半分のサブガスケット330、及び接着剤が無い第2の半分のサブガスケット340を含む。半分のサブガスケット330、340は、部分、すなわち、CCM 311の中心領域が開口部333、343を通って露出される枠の形態を有する周囲サブガスケットである。サブアセンブリ302は、追加のGDL 362、363がサブガスケット付CCM 301のいずれかの側面上に配置されるサブアセンブリ301を含む。図3A及び図3Bの断面図に図示されるように、CCMの幅は、GDLの幅よりも小さくあり得る。他の実施例では、CCMの幅は、GDLの幅よりも大きくあり得るか、あるいはCCM及びGDLは、実質的に同等の幅を有し得る。GDLは、好適な接着剤を用いて接着され得るか、あるいはサブガスケット付CCMに熱的に接合される。
【0039】
幾つかの実施例では、図3Cに示されるMEA 303によって図示されるように、電解質膜又はCCMは、半分のサブガスケットのみのサブガスケットを付けられてもよい。この例示の実施例では、MEA 303は、電解質膜310並びに第1及び第2の触媒層313、313を備えるCCM 311を含む。第1の半分のサブガスケット330は、接着層350を有する。いずれの第2の半分のサブガスケットもこれらの実施例において使用されない。MEAは、半分ガスケット付のCCM上に取り付けられるGDL 362、363も含む。
【0040】
図4に図示されるように、燃料電池のサブアセンブリ401(例えば、図2〜3に図示されるサブアセンブリ)は、複数の連結されたサブアセンブリのロール品ウェブ400として製造され得る。本明細書で議論され、かつ図4に図示される「ウェブ」は、そのy軸線寸法をはるかに超えるx軸線寸法を有し、かつロールとして処理及び保存されるのに十分な可撓性を有する物品である。ロール品ウェブ400は、例えば、半分又は完全にサブガスケット付の膜又はCCM、5層MEA、及び/又は他の燃料電池のサブアセンブリ401等の多数の半分サブガスケット付か、あるいは完全にサブガスケット付の燃料電池のサブアセンブリ401を含み得る。複数の燃料電池のサブアセンブリ401は、ウェブ400のx軸線に沿って配置され得、複数の燃料電池のサブアセンブリ401は、ウェブ400のy軸線を横切って配置され得る。ロール品ウェブ400は、必要に応じて、適切なライナー材料でローラー402に巻きつけられ得、巻かれた形態で販売され得る。燃料電池のサブアセンブリロール品ウェブ400の形成後、ウェブ400は、個別の燃料電池のサブアセンブリ401、例えば、MEAに切断される。次に、個別のMEAは、燃料電池スタックに組み立てられ得る。
【0041】
ロール品燃料電池のサブアセンブリウェブは、本発明の実施形態に従ってx方向及びy方向の両方にスリフトされる電解質膜及び/又はCCMを含み得る。y方向の膜スリフティングは、膜ウェブ又はCCMウェブであり得る膜のy方向(クロスウェブ方向)の幅の減少を引き起こす。以下の実施例に図示されるように、ロール品燃料電池のサブアセンブリウェブのx方向(ダウンウェブ方向)の膜スリフティングは、燃料電池のサブアセンブリウェブの複数の燃料電池のサブアセンブリを形成するために、複数の個別の電解質膜又はCCMの使用を引き起こす。
【0042】
図5A〜5Cは、多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備える燃料電池のサブアセンブリウェブ500を図示し、そのサブアセンブリ503A、503B、503Cが示される。燃料電池のサブアセンブリウェブ500は、巻かれていない状態で、平面図(図5A)、線G−G’に沿った断面図(図5B)、及び線H−H’に沿った断面図(図5C)に図示される。この実施例では、複数の個別の電解質膜510A、510B、510Cが使用される。サブガスケット520は、第1及び第2の半分のサブガスケットウェブ530、540を備える。第1及び第2の半分のサブガスケットウェブ530、540は、電解質膜510A、510B、510Cの中心部分が開口部533、543を通って露出される連続ラダーの形態を有する。接着層550は、個別の電解質膜510A、510B、510Cに面する第1の半分のサブガスケットウェブ530の表面531上に配置される。接着剤は、個別の電解質膜510A、510B、510Cに面する第2の半分のサブガスケットウェブ540の表面541の相当部分上に配置されない。
【0043】
図5Bの断面図で見ることができるように、膜材料が隣接した燃料電池のサブアセンブリ503A、503B、503Cの間の領域504内に保存されるため、個別の電解質膜510A、510B、510Cの使用は、x方向の膜スリフティングを提供する。個別の膜510A、510B、510Cの使用は、図5Cの断面図によって図示されるように、y方向の膜スリフティングも提供する。個別の電解質膜510A、510B、510Cがサブガスケット520の下をy方向に部分的にのみ延在するため、個別の電解質膜510A、510B、510Cのそれぞれは、燃料電池のサブアセンブリウェブ500の側面に沿った領域505で膜材料を保存する。
【0044】
x方向及び/又はy方向の膜スリフティングは、燃料電池アセンブリウェブ中の隣接した燃料電池アセンブリ間の領域内に膜材料を保存し、及び/又は燃料電池アセンブリウェブの側面に沿った領域内に膜材料を保存する。これらの領域において、電解質膜は、製造プロセス中の燃料電池のサブアセンブリウェブ500の優れた構造安定性、並びに燃料電池スタック中での動作時の燃料電池のサブアセンブリ503A、503B、503Bの優れた安定性及び密封性能を達成するのに必要な程度にサブガスケットの下を延在する。
【0045】
図5D、図5E、及び図5Fは、それぞれ、燃料電池のサブアセンブリウェブ500上に、GDL 562A、563A、562B、563B、562C、563C及び触媒コーティング564A、565A、564B、565B、564C、565Cを備える触媒コーティングされたGDLを取り付けることによって形成される、5層MEAウェブ502の平面図、y方向断面図、及びx方向断面図を図示する。
【0046】
幾つかの実施形態では、上述の第1の半分のサブガスケットウェブは、図5G及び図5Hに図示されるように、複数の個別の第1の半分のサブガスケット593A、593B、593Cによって置き換えられ得る。図5G及び5Hは、多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備える燃料電池のサブアセンブリウェブ590を図示し、そのサブアセンブリ591A、591B、591Cが示される。燃料電池のサブアセンブリウェブ590は、巻かれていない状態で、平面図(図5G)及び線C−C’に沿った断面図(図5H)に図示される。この実施例では、複数の個別の電解質膜592A、592B、592Cが使用される。燃料電池のサブアセンブリウェブ590は、幾つかの個別の第1の半分のサブガスケット593A、593B、593Cを含み、それぞれ、電解質膜592A、592B、592Cの中心部分がそこを通って露出される開口部598A、598B、598Cを有する。個別の第1の半分のサブガスケット593A、593B、593Cのそれぞれは、個別の電解質膜592A、592B、592Cに面する第1の半分のサブガスケット表面594A、594B、594C上に配置される接着層595A、595B、595Cを含む。燃料電池のサブアセンブリウェブは、電解質膜592A、592B、592Cの中心部分がそこを通って露出される幾つかの開口部599を含む、第2の半分のサブガスケットウェブ596を含む。接着剤は、個別の電解質膜592A、592B、592Cに面する第2の半分のサブガスケットウェブ596の表面597の相当部分上に配置されない。
【0047】
図5I及び図5Jは、それぞれ、燃料電池のサブアセンブリウェブ590上に、GDL 562A、563A、562B、563B、562C、563C及び触媒コーティング564A、565A、564B、565B、564C、565Cを備える触媒コーティングされたGDLを取り付けることによって形成される、5層MEAウェブ575の平面図及びy方向断面図を図示する。
【0048】
図6A〜6Cは、CCMがx方向及びy方向にスリフトする、燃料電池のサブアセンブリウェブ600を図示する。燃料電池のサブアセンブリウェブ600は、多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備え、そのサブアセンブリ603A、603B、603Cが示される。燃料電池のサブアセンブリウェブ600は、巻かれていない状態で、平面図(図6A)、線I−I’に沿った断面図(図6B)、及び線J−J’断面図断面図(図6C)に図示される。この実施例では、複数の個別のCCM 611A、611B、611Cが使用される。個別のCCM 611A、611B、611Cは、触媒層612A、613A、612B、613B、612C、613Cを有する個別の電解質膜610A、610B、610Cを含む。
【0049】
サブガスケット620は、第1及び第2の半分のサブガスケットウェブ630、640を備える。第1及び第2の半分のサブガスケットウェブ630、640は、CCM 611A、611B、611Cの中心部分が開口部633、643を通って露出される連続ラダーの形態を有する。接着層650は、個別のCCM 611A、611B、611Cに面する第1の半分のサブガスケットウェブ630の表面631上に配置される。第2の半分のサブガスケットウェブ640の相当部分は、個別のCCM 611A、611B、611Cに面する表面641上に接着剤を有さず、例えば、表面641は、接着剤を有さない。図6D、6E、及び6Fは、GDL 662A、663A、662B、663B、662C、663Cの取り付け後に、燃料電池のサブアセンブリウェブ600を用いて形成される5層MEAウェブ602を図示する。
【0050】
図6G及び6Hは、図6A〜6Fに図示される第1のサブガスケットウェブの代わりに、個別の第1の半分のサブガスケット693A、693B、693Cを有する燃料電池のサブアセンブリウェブ690を図示する。燃料電池のサブアセンブリウェブ690は、多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備え、そのサブアセンブリ691A、691B、691Cが示される。燃料電池のサブアセンブリウェブ690は、巻かれていない状態で、平面図(図6G)、及び線D−D’に沿った断面図(図6H)に図示される。この実施例では、複数の個別のCCM 611A、611B、611Cが使用される。個別のCCM 611A、611B、611Cは、触媒層612A、613A、612B、613B、612C、613Cを有する個別の電解質膜610A、610B、610Cを含む。
【0051】
燃料電池のサブアセンブリウェブ690は、幾つかの個別の第1の半分のサブガスケット693A、693B、693Cを含み、それぞれ、CCM 611A、611B、611Cの中心部分がそこを通って露出される開口部698A、698B、698Cを有する。個別の第1の半分のサブガスケット693A、693B、693Cのそれぞれは、個別のCCM 611A、611B、611Cに面する第1の半分のサブガスケット693A、693B、693Cの表面694A、694B、694C上に配置される接着層695A、695B、695Cを含む。燃料電池のサブアセンブリウェブ690は、個別のCCM 611A、611B、611Cの中心部分がそこを通って露出される幾つかの開口部699を有するウェブである、第2の半分のサブガスケットウェブ696を含む。個別のCCM 611A、611B、611Cに面する第2の半分のサブガスケットウェブ696の表面697の相当部分は、接着剤を有さない。
【0052】
図6I及び図6Jは、それぞれ、燃料電池のサブアセンブリウェブ690上にGDL 662A、663A、662B、663B、662C、663Cを取り付けることによって形成される、5層MEAウェブ675の平面図及びy方向断面図を図示する。
【0053】
片面接着剤を有するサブガスケットの使用は、先に議論されたように、幾つかの適用において望ましくあり得る。他の適用において、x方向及びy方向の両方にスリフトされた膜と共に使用される両方のサブガスケット層上に接着剤を有するサブガスケットを含めるのは有用であり得る。図7A〜7J及び図8A〜8Jは、x方向及びy方向の膜スリフティングを含む燃料電池のサブアセンブリウェブを図示し、サブガスケットは、第1及び第2の半分のサブガスケットの両方上に接着剤を有する。
【0054】
図7A〜7Fに図示される燃料電池のサブアセンブリウェブ700及び5層MEAウェブ702は、多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備え、そのサブアセンブリ703A、703B、703Cが示される。燃料電池のサブアセンブリウェブ700及びMEAウェブ702は、巻かれていない状態で、平面図(それぞれ、図7A及び図7D)、線K−K’に沿った断面図(それぞれ、図7B及び図7E)、並びに線L−L’に沿った断面図(それぞれ、図7C及び図7F)に示される。燃料電池のサブアセンブリウェブ700は、複数の個別の電解質膜710A、710B、710Cを使用する。サブガスケット720は、第1及び第2の半分のサブガスケットウェブ730、740を備える。第1及び第2の半分のサブガスケットウェブ730、740のそれぞれは、個別の電解質膜710A、710B、710Cの中心部分が開口部733、743を通って露出される連続ラダーの形態を有する。
【0055】
接着層753は、電解質膜710A、710B、710Cに向かって方向付けられる第1の半分のサブガスケットウェブ730の表面731上に配置される。接着層754は、電解質膜710A、710B、710Cに向かって方向付けられる第2の半分のサブガスケットウェブ740の表面741上に配置される。図7D、7E、及び7Fは、それぞれ、触媒コーティングされたGDLの取り付け後に燃料電池のサブアセンブリウェブ700を用いて形成される、5層MEAウェブ702の平面図、y方向断面図、及びx方向断面図を図示する。触媒コーティングされたGDLは、触媒コーティング764A、765A、764B、765B、764C、765Cを有するGDL 762A、763A、762B、763B、762C、763Cを含む。
【0056】
幾つかの実施形態では、図7A〜7Fと関連して議論される第1の半分のサブガスケットウェブは、図7G及び7Hに図示されるように、複数の個別の第1のサブガスケット793A、793B、793Cによって置き換えられ得る。図7G及び図7Hは、多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備える燃料電池のサブアセンブリウェブ790を図示し、そのサブアセンブリ791A、791B、791Cが示される。燃料電池のサブアセンブリウェブ790は、巻かれていない状態で、平面図(図7G)及び線D−D’に沿った断面図(図7H)に示される。この実施例では、複数の個別の電解質膜792A、792B、792Cが使用される。燃料電池のサブアセンブリウェブ790は、幾つかの個別の第1の半分のサブガスケット793A、793B、793Cを含み、それぞれ、電解質膜792A、792B、792Cの中心部分がそこを通って露出される開口部798A、798B、798Cを有する。個別の第1の半分のサブガスケット793A、793B、793Cのそれぞれは、個別の電解質膜792A、792B、792Cに面する第1の半分のサブガスケットの表面794A、794B、794C上に配置される接着層795A、795B、795Cを含む。燃料電池のサブアセンブリウェブは、電解質膜792A、792B、792Cの中心部分がそこを通って露出される幾つかの開口部799を含む、第2の半分のサブガスケットウェブ796を含む。個別の電解質膜792A、792B、792Cに面する第2の半分のサブガスケットウェブ796の表面797上に配置される接着層785が存在する。
【0057】
図7I及び図7Jは、それぞれ、燃料電池のサブアセンブリウェブ790上に、GDL 762A、763A、762B、763B、762C、763C及び触媒コーティング764A、765A、764B、765B、764C、765Cを備える触媒コーティングされたGDLを取り付けることによって形成される、5層MEAウェブの平面図及びy方向断面図を図示する。
【0058】
図8A〜8Fに図示される燃料電池のサブアセンブリウェブ800は、サブアセンブリウェブ800が、図7A〜7Fのような触媒コーティングが無い個別の電解質膜というよりはむしろ、個別のCCMを含むことを除いて、燃料電池のサブアセンブリウェブ700に類似している。図8A〜8Cは、連結された燃料電池のサブアセンブリ803A、803B、803Cを図示する。燃料電池のサブアセンブリウェブ800、802は、巻かれていない状態で、平面図(それぞれ、図8A及び図8D)、線M−M’に沿った断面図(それぞれ、図8B及び図8E)、並びに線N−N’に沿った断面図(それぞれ、図8C及び図8F)に図示される。この実施例では、複数の個別のCCM 811A、811B、811Cが使用される。個別のCCM 811A、811B、811Cは、触媒層812A、813A、812B、813B、812C、813Cを有する個別の電解質膜810A、810B、810Cを備える。サブガスケット820は、第1及び第2の半分のサブガスケットウェブ830、840を備える。第1及び第2の半分のサブガスケットウェブ830、840のそれぞれは、個別の電解質膜811A、811B、811Cの中心部分が開口部833、843を通って露出される連続ラダーの形態を有する。
【0059】
接着層853は、CCM 811A、811B、811Cに向かって方向付けられる第1のサブガスケットウェブ830の表面831上に配置される。接着層854は、CCM 811A、811B、811Cに向かって方向付けられる第2の半分のサブガスケットウェブ840の表面841上に配置される。図8D、図8E、及び図8Fは、燃料電池のサブアセンブリウェブ800及びGDL 862A、863A、862B、863B、862C、863Cを含む5層MEAウェブ802を図示する。
【0060】
図8G及び図8Hは、図8A〜8Fに図示される第1の半分のサブガスケットウェブの代わりに、個別の第1の半分のサブガスケット893A、893B、893Cを有する燃料電池のサブアセンブリウェブ890を図示する。燃料電池のサブアセンブリウェブ890は、多数の連結された燃料電池のサブアセンブリを備え、そのうちのサブアセンブリ891A、891B、891Cが示される。燃料電池のサブアセンブリウェブ890は、巻かれていない状態で、平面図(図8G)、及び線E−E’に沿った断面図(図8H)に図示される。この実施例では、複数の個別のCCM 811A、811B、811Cが使用される。個別のCCM 811A、811B、811Cは、触媒層812A、813A、812B、813B、812C、813Cを有する個別の電解質膜810A、810B、810Cを含む。
【0061】
燃料電池のサブアセンブリウェブ890は、幾つかの個別の第1の半分のサブガスケット893A、893B、893Cを含み、それぞれ、個別のCCM 811A、811B、811Cの中心部分がそこを通って露出される開口部898A、898B、898Cを有する。個別の第1の半分のサブガスケット893A、893B、893Cのそれぞれは、個別の電解質膜811A、811B、811Cに面する第1の半分のサブガスケット893A、893B、893Cの表面894A、894B、894C上に配置される接着層895A、895B、895Cを含む。燃料電池のサブアセンブリウェブ890は、個別のCCM 811A、811B、811Cの中心部分がそこを通って露出される幾つかの開口部899を有する、第2の半分のサブガスケットウェブ896を含む。個別のCCM 811A、811B、811Cに面する第2の半分のサブガスケットウェブ896の表面897は、接着層885を含む。
【0062】
図8I及び図8Jは、それぞれ、燃料電池のサブアセンブリウェブ890上に、GDL 862A、863A、862B、863B、862C、863Cを取り付けることによって形成される5層MEAウェブ875の平面図及びy方向断面図を図示する。
【0063】
本明細書に記載のサブガスケットは、水、水素、及び/又は酸素の存在下で、十分に薄く、十分に強力で、かつ燃料電池環境、すなわち、60〜120℃の温度に十分に適合する剛性ポリマー材料を含む、種々の種類のポリエチレンナフタレート(PEN)若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリイミド、及び/又は他の同様の材料等のポリマー材料を備え得る。一実施例では、サブガスケット材料は、約0.0125mmを超える厚さを有する。一実施形態では、サブガスケット材料は、約0.1mmの厚さを有するPENである。サブガスケットは、任意で、一方又は両方の外面に接着されるガスケット又はシールを有し得る。ガスケット材料には、熱硬化したエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)エラストマーリブ等のミクロ構造エラストマーリブが含まれ得る。第1及び第2の半分のサブガスケットは、同一の特性を有する必要はない。半分のサブガスケットの特性は、成分の取り扱い又は燃料電池動作を促進するように選択され得る。例えば、ある特定の実施形態では、第1の半分のサブガスケットは、第2の半分のサブガスケットとは異なる厚さを有し得、及び/又は第1の半分のサブガスケットは、第2の半分のサブガスケットの材料とは異なる1つ以上の材料を備え得る。
【0064】
サブガスケットの材料及び接着層は、接着層がサブガスケット表面に接着するように選択される。接着層(使用される場合)の厚さは、約0.005〜約0.05mmであり得る。接着層は、感圧接着剤(PSA)、加熱活性化接着剤、紫外線活性化接着剤、又は他の種類の接着剤を備え得る。例えば、接着剤層は、アクリル系PSA、ゴム系接着剤、エチレン無水マレイン酸共重合体、1−オクテンとエチレン又はプロピレンとの共重合体などのオレフィン系接着剤、ニトリル系接着剤、エポキシ系接着剤、及びウレタン系接着剤のいずれかを含んでよい。他の実施形態において、接着剤層は、Thermobond 845(マレイン酸ポリエチレン系)又はThermobond 583(ニトリルゴム系)などの加熱活性化接着剤を含んでもよい。
【0065】
接着剤は、高い粘着を有する架橋接着剤を備え得る。例えば接着剤は、加水分解に安定であり、かつ燃料電池スタック内で圧縮されるときに、クリープ抵抗性であるよう製剤化されたアクリレート感圧接着剤であり得る。接着剤及びサブガスケット層、例えば、PEN層は、剥離ライナーで巻かれ、その後、本明細書に記載のサブガスケット付燃料電池のサブアセンブリを形成するために使用され得る。
【0066】
本発明の実施において、いずれかの適した電解質膜が使用されてもよい。有用なPEMの厚さは約200μmから約1μmの間の範囲である。式:FSO2−CF2−CF2−O−CF(CF3)−CF2−O−CF=CF2に従ったテトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマー及びコモノマーが既知であり、DuPont Chemical Company,Wilmington,Delawareの商標名NAFION(登録商標)で、スルホン酸形態、すなわち、HSO3−に加水分解されるFSO2−末端基を有する形態で販売されている。NAFION(登録商標)は、燃料電池での使用のためのポリマー電解質膜の作製において一般的に使用される。また、テトラフルオロエチレン(TFE)コモノマーとの、式:FSO2−CF2−CF2−O−CF=CF2に従うコポリマーと、が知られており、スルホン酸の形態で、すなわち、HSO3−に加水分解されたFSO2−末端基を有して、燃料電池に使用するためのポリマー電解質膜の作製に使用されている。最も好ましいものは、テトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマー類及びHSO3−に加水分解されたFSO2−末端基を有する、FSO2−CF2CF2CF2CF2−O−CF=CF2である。
【0067】
幾つかの実施形態においては、触媒層は、塩化白金酸の還元等の湿式化学的方法によって、より大きな炭素粒子の上にコーティングされたPt又はPt合金を含んでもよい。この形態の触媒は、アイオノマー結合剤及び/又は溶媒と共に分散されて、膜、剥離ライナー、又はGDLのいずれかに塗布されるインク、ペースト、又は分散系を形成する。
【0068】
幾つかの実施形態においては、触媒層は、粒子を担持するナノ構造化担持成分、又は触媒材料のナノ構造化薄膜(NSTF)を含んでもよい。ナノ構造化触媒層は、担持体としての炭素粒子を含まず、したがって、触媒粒子の高密度分散を形成する、電解質膜の非常に薄い表面層に組み込まれてもよい。ナノ構造薄膜(NSTF)触媒層を使用することで、触媒利用率を、分散法によって形成された触媒層と比べて非常に高くすることができ、炭素支持体が存在しないことにより、高電圧及び高温での浸食に対する更なる耐性がもたらされる。いくつかの実施において、CCMの触媒表面積は、ミクロ構造機構を有する電解質膜を使用することによって、更に拡張されてもよい。NSTF触媒層は、触媒材料の針状ナノ構造化担持体上への真空蒸着によって形成されてもよい、細長いナノスケールの粒子を含む。本発明での使用に適したナノ構造化担持体は、C.I.顔料レッド(C. I. PIGMENT RED)149(ペリレンレッド)等の有機顔料のウィスカーを含んでもよい。結晶性ウィスカーは、実質的に均一であるが、同一ではない断面、及び高い長さ対幅比率を有する。ナノ構造化担持体ウィスカーは、触媒作用に適しており、ウィスカーに、複数の触媒部位として働くことができる、微細なナノスケールの表面構造を付与する、コーティング材料でコーティングされる。ある特定の実施例では、ナノ構造支持体ウィスカーは、継続的な螺旋転位の成長を介して拡張され得る。ナノ構造支持体要素の長さを拡張することにより、触媒作用のための表面積を増加させることが可能となる。
【0069】
ナノ構造支持体ウィスカーは、ナノ構造薄膜触媒層を形成するために、触媒材料でコーティングされる。1つの実施によると、触媒材料は、白金族金属等の金属を含む。一実施形態においては、触媒コーティングされたナノ構造化担持成分は、触媒コーティングされた膜を形成するために、電解質膜の表面に転写されてもよい。別の実施形態において、触媒被覆ナノ構造支持体要素は、GDL表面上に形成されてもよい。
【0070】
GDLは、反応ガスを通過させる一方、電極から電流を回収することができる、いずれかの材料であってよく、典型的に、織られた、又は不織の炭素繊維紙又は布である。GDLは、ガス状反応物質及び水蒸気の触媒及び膜への多孔質アクセスを提供し、また、外部負荷に電力を供給するために、触媒層で生成される電流を回収する。
【0071】
GDLは、微多孔性層(MPL)及び電極裏材層(EBL)を含んでもよく、MPLは触媒層とEBLとの間に設けられる。EBLは、炭素繊維構造体(例えば、織布及び不織布炭素繊維構造体)など、任意の好適な導電性多孔性基材であってよい。市販の炭素繊維構造の実施例には、Ballard Material Products,Lowell,MAの商品名「AvCarb P50」炭素繊維紙、ElectroChem,Inc.,Woburn,MAから入手され得る「Toray」炭素紙が含まれる。EBLは、疎水性を増すように又は付与するように処理されてもよい。例えば、EBLは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びフッ素化エチレンプロピレン(FEP)など、高度にフッ素化されたポリマーで処理されてもよい。
【0072】
EBL類の炭素繊維構造体は、一般に粗く多孔質の表面を有しており、触媒層と低結合性接着を示す。接合接着力を増加させるために、微多孔性層がEBLの表面にコーティングされてもよい。これはEBLの粗くかつ多孔性の表面を滑らかにし、いくつかの種類の触媒層との接合接着力が高められる。
【0073】
燃料電池のサブアセンブリウェブ、例えば、図5A〜5C、図5G、図5H、図6A〜6C、図6G、図6H、図7A〜7C、図7G、図7H、図8A〜8C、図8G、図8Hに図示される燃料電池のサブアセンブリウェブ500、590、600、690、700、790、800、890は、ロールツーロール製造プロセスを用いて作製され得る。図5D〜5F、図5I、図5J、図6D〜6F、図6I、図6J、図7D〜7F、図7I、図7J、図8D〜8F、図8I、図8Jに図示される5層MEAサブアセンブリウェブ502、575、602、675、702、775、802、875を形成するためのGDLの取り付けも、ロールツーロールプロセスにおいて実行され得る。
【0074】
サブガスケット付燃料電池のサブアセンブリウェブ、例えば、サブガスケット付電解質膜ウェブ、サブガスケット付CCMウェブ、及び/又はサブガスケット付5層MEAウェブの製造のためのロールツーロールプロセスのフローチャートが、図9に図示される。図9は、CCMを組み込む5層MEAウェブの製造を図示する。CCMというよりはむしろ、触媒コーティングされたGDLを用いて5層MEAサブアセンブリウェブを形成するために、同様のプロセスが使用され得ることを理解されたい。
【0075】
任意で、連続CCMウェブは、電解質膜への陽極及び陰極触媒の積層によって形成される(910)。触媒コーティングが無い電解質膜ウェブが、MEAを形成するために触媒コーティングされたGDLと共に使用される場合、プロセスのこの部分は排除され得る。膜ウェブは、第1の半分のサブガスケットラダーウェブ上に配置される第1の接着層に接着される個別の膜に切断される(920)。第1の半分のサブガスケットラダーウェブへの個別の膜の積層は、個別の電解質膜を有する半分ガスケット付のウェブを形成する。電解質膜に向かって方向付けられる表面上に配置される接着剤がほとんど又は全く無い第2の半分のサブガスケットラダーウェブは、半分サブガスケット付の個別の膜ウェブに取り付けられる(930)。第2の半分のサブガスケットラダーウェブは、第1の半分のサブガスケットウェブ上に配置される接着層によって半分サブガスケット付のウェブに接着される。任意で、GDLは、5層MEAウェブを形成するために、サブガスケット付膜ウェブに取り付けられる(940)。サブガスケット付膜ウェブがCCMウェブではない場合に、GDLは、触媒層を含む。5層MEAウェブは、個別の5層MEAを形成するために切断され得る。
【0076】
図10A〜10Dは、半分サブガスケット付の個別の膜ウェブ、完全にサブガスケット付の個別の膜ウェブ、個別のサブガスケット付膜、5層MEAウェブ、個別の5層MEA、及び種々の中間燃料電池のサブアセンブリを含む、x及びy方向にスリフトされた燃料電池のサブアセンブリを製造するように構成されるロールツーロール系システム種々のサブシステムを図示する。燃料電池のサブアセンブリ、例えば、複数の個別の電解質膜又はCCMを有する完全に若しくは半分サブガスケット付のウェブ及び/又は5層MEAウェブは、図4によって図示されるロール品として製造され得る。ロールツーロール系システムは、ロール系アプローチを用いて少なくとも幾つかのプロセスを実施するように構成されるが、すべてのサブシステムがロール系である必要はなく、並びに/又はすべての入力成分、出力成分、及び/若しくは中間成分が、ロールに巻きつけられる、及び/若しくはロールから解かれる必要はない。図10A〜10Dに図示される製造プロセスと関連して、入力、中間、及び/若しくは出力サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリの幾つかのx方向(ダウンウェブ)の断面図は、中間サブアセンブリウェブ又はサブアセンブリの構造においての理解を援助するために、図11A〜11Nに示される。
【0077】
図10Aは、CCMウェブ1005を製造するように構成されるサブシステム1000を図示する。仮のキャリアウェブ上に配置されるか、あるいはコーティングされる陰極及び陽極触媒層1002、1003は、積層体ロール1008及び1009によって電解質膜ウェブ1001上に積層される。キャリアウェブ1095、1096は、CCMウェブ1005を形成するために、ダックビルピーラ1007によって剥離される。CCMウェブ1005の断面図は、図11Aに示される。CCMウェブ1005は、電解質膜1102の1つの表面上に配置される陽極触媒1101、及び電解質膜1102の反対側の表面上に配置される陰極触媒1103を有する電解質膜1102を含む。サブシステム1000によって製造されるCCMウェブ1005は、第1の半分のサブガスケットの取り付けのために、図10Bに図示されるサブシステム1010に入力される。あるいは、触媒層が無い電解質ウェブは、サブシステム1010に入力される。
【0078】
サブシステム1010は、膜ウェブ1005(又は触媒が無い電極膜)を個別の膜1021a、1021bに切断するために、アンビルロール1011及び発泡真空ダイ1012を使用する。膜ウェブ1005は、アンビルロール1011と発泡真空ダイ1012との間を通過するときに、個別の膜1021a、1021bに切断される。発泡真空ダイ1012のより詳細な図が、図13A及び13Bに図示される。
【0079】
切断前に、膜ウェブは、より均一の切断を達成する条件下で膜ウェブ1005をダイ1012に提供するために、任意で前処理され得る。膜前処理選択は、図12A及び12Bに図示される。例えば、1つの前処理動作(図12A)は、テープで包むか、あるいは同様の方法によって形成され得る、前処理ローラー1201のいずれかの側面上にバンパー1203を有する前処理ローラー1201の使用を伴う。バンパー1203を有する前処理ローラー1201の動作は、より繰り返し可能な切断を達成するために、切断動作の前に膜ウェブ1005をわずかに広げることである。あるいは、又は更に、図12Bに図示されるように、膜ウェブ1005は、水分を減少させ、及び/又は切断動作前に膜ウェブ1005をわずかに縮ませるために、例えば、強制空気加熱装置又は他の種類の加熱装置1202によってわずかに加熱され得る。
【0080】
膜切断プロセスからのスクラップ膜ラダー1004は処分される。スクラップ膜ラダー1004の平面図が、図11Bに示される。膜材料の利用率を減少させることによって費用削減を達成するために、真空ダイ1012が構成され得、切断プロセスは、スクラップ膜ラダー1004の格の厚さd、及び/又は格の側面dが、1/8インチ(0.31cm)未満であり得るか、あるいは幾つかの実施例では、切断プロセスを慎重に制御して、0インチ(0cm)にまでも減少させられ得るように制御される。個別の膜1021a、1021bは、それが積層ローラー1013に向かって回転するときに、真空によってダイ1012上で保持される。
【0081】
図11Cの断面図によって図示されるように、第1の半分のサブガスケットウェブ1016は、第1のサブガスケット層1106及び剥離ライナー1108を有する接着層1107を含む。第1の半分のサブガスケットウェブ1016は、キャリアウェブ1105、例えば、再配置付け可能な接着剤を有するキャリアウェブ上のサブシステム1010に入力される。幾つかの実施例では、真空ベルトは、(キャリアウェブを含む)第1の半分のサブガスケットウェブをサブシステム1010移送するために使用され得る。再配置可能な接着剤を有するキャリアウェブは、第1の半分のサブガスケットウェブ1016を支持及び安定化する助けとなる。再配置可能なキャリアウェブは、キャリアウェブが第1の半分のサブガスケットウェブ(又は他の作業製品)から容易に除去され得、かつ接着剤がキャリアウェブ上に留まるように、十分に低い接着性粘着特性を有する接着剤を含むウェブである。幾つかの実施例では、キャリアウェブは、1ミル(25.4μm)のプラスチック又は紙フィルムであり、フィルムの表面上に0.5ミル(12.7μm)の低粘着接着剤を有する。
【0082】
図10Bに戻って、第1の半分のサブガスケットウェブ1016がアンビルロール1015とサブガスケットダイロール1014との間を移動するとき、ダイロール1014は、キャリアウェブを無傷にしたままで、第1のサブガスケットウェブ開口部を画定する第1のサブガスケットウェブ1016中に開口部切断を作製する。第1の半分のサブガスケット材料、接着剤、及び接着性剥離ライナーは、最初に、開口部スラグとして開口部内に保持される。開口部スラグ1109を製造する切断動作後の第1のサブガスケットウェブ1017の断面図が、図11Dに示される。開口部スラグ1109(サブガスケット開口部内に残っている切り取りサブガスケット材料、接着剤、及び接着性ライナー)は、最初に定位置に残されるが、第1の半分のサブガスケットウェブの開口部を露呈するために最終的に除去される。
【0083】
接着性剥離ライナーラダー1018は、ローラー1019で除去され、キャリアウェブ上に、(無傷のままの開口部スラグを有し、接着性剥離ライナーラダーを差し引いた)第1の半分のサブガスケットウェブ1020を残す。接着性剥離ライナーラダー1018が、図11Eの平面図に示される。無傷のままの開口部スラグ1109を有し、接着性剥離ライナーラダー1018を差し引いた、第1の半分のサブガスケットウェブ1020の断面図が図11Fに示される。第1の半分のサブガスケットウェブ1020は、キャリアウェブ1105上に存在し、第1の半分のサブガスケット層1106及び接着層1107を含む。接着性ライナー1108の一部は、接着層1107上に留まる。接着層1107の表面1107a、1107bの部分が露出される。図11Fに図示されるように、接着性剥離ライナー1108の一部は、開口部スラグ1109の領域内の接着層1107上に保持される。個別の膜1021a、1021b、及び(無傷のままの開口部スラグを有し、接着性剥離ライナーラダーを差し引いた)第1の半分のサブガスケットウェブ1020は、積層体ロール1013でまとめられる。
【0084】
発泡真空ダイ1012(図13A及び図13Bでより詳細に図示される)は、膜を保持し、かつ製造プロセス中の損傷から保護するために、ダイ1012の複数のダイキャビティ内に多孔質の柔軟な材料、例えば、発泡体を含む。サブガスケットウェブ1021への個別の膜1021a、1021bの取り付け中、発泡体が複数のダイキャビティ間の間隙(図13の1315を参照のこと)内の発泡真空ダイ1012上に存在しないことが望ましい。サブガスケットウェブ1020内の開口部間の間隙が積層体ロール1013と整合配置されるときに、発泡真空ダイ1012及びアンビルロール1011が停止させられる一方で、間隙1315内のダイ上に材料が存在することにより、少しの1013、1012を通って第1の半分のサブガスケットウェブ1020を前進させることが可能になる。発泡真空ダイ1012は、個別の膜がサブガスケットウェブ1020内の開口部に検知されるときに、回線速度を復旧させる。プロセス制御モジュール1099は、図10A〜10Eに図示されるサブシステムの動作を制御するように構成される1つ以上のセンサ及び回路を含む。例えば、プロセス制御モジュール1099は、別のプロセスの速度に対して1つのプロセスの速度を調整し、かつ/あるいは燃料電池のサブアセンブリの製造において使用される1つ以上のウェブのダウンウェブ位置を制御するように構成される、センサ及び回路を含み得る。更に、プロセス制御モジュール1099は、1つ以上のウェブのクロスウェブ位置を制御するために、センサ及び回路を含み得る。ダウンウェブ及び/又はクロスウェブ位置の制御は、燃料電池のサブアセンブリウェブ及び/又は成分の適切な整合配置を促進する。
【0085】
積層ローラー1013での第1のサブガスケットウェブ1020内の開口部切断との関連で個別の膜1021a、1021bの整合配置を制御するために、サブガスケットダイ1014上のセンサを使用して、個別の膜1021a、1021bを切断する発泡真空ダイ1012を始動又は停止させる。剥離ライナーラダー1018の除去によって露出される第1のサブガスケットウェブ1020上の感圧接着剤は、半分サブガスケット付の膜ウェブ1025を形成するために、第1のサブガスケットウェブ1020を個別の膜1021a、1021bに接着させる。この段階で、半分サブガスケット付の膜ウェブ1025は、開口部スラグを保持する。個別の膜1021a、1021bは、個別の膜1021a、1021bの中心表面領域が、開口部スラグの接着性剥離ライナーによって接着剤から保護されている状態で、個別の膜1021a、1021bの周囲表面領域で第1のサブガスケットウェブ1020に接着される。
【0086】
キャリアウェブ1105上の(開口部スラグを保持した)半分サブガスケット付の膜ウェブ1025の断面図が、図11Gに示される。半分サブガスケット付の膜ウェブ1025は、第1のサブガスケット層1106及び接着層1107を含む。接着性ライナー1108の一部は、接着剤1107上に留まる。接着層1107の表面1117の部分がこの時点で膜1021aに取り付けられる。プロセスのこの段階で、開口部スラグ1109が保持される。
【0087】
図10Cは、半分サブガスケット付の膜ウェブ1025を個別の半分サブガスケット付の膜に切断し、かつ第2のサブガスケットウェブを個別の半分サブガスケット付の膜に取り付けるように構成されるサブシステム1030を図示する。サブシステム1030のプロセスは、サブガスケット付膜ウェブを個別のサブガスケット付膜に切断した後に、第1のサブガスケット枠よりも大きい寸法を有する第2のサブガスケット枠を有するサブガスケット付膜を製造するために使用され得る。
【0088】
(開口部スラグを保持した)半分サブガスケット付の膜ウェブ1025は、サブシステム1030に入力される。開口部スラグ1109及び再配置可能なキャリアウェブ1105は、ローラー1026で除去され、半分サブガスケット付の膜ウェブ1028を残す。開口部スラグ1109及び再配置可能なキャリアウェブ1105(併せて1027と称される)及び半分サブガスケット付の膜ウェブ1028の断面図が、それぞれ、図11H及び図11Iに図示される。図11Hに示される開口部スラグ1109及びキャリアウェブ1105(併せて1027と称される)の除去は、半分サブガスケット付の膜ウェブ1028を残す。半分サブガスケット付の膜ウェブ1028は、図11Iの断面図及び図11Jの平面図によって図示される。半分サブガスケット付の膜ウェブ1028は、接着剤1107で個別の膜1021a〜1021dの周囲表面領域に接着される第1のサブガスケットラダーウェブ1106のラダー構造によって共に保持される複数の個別の膜(図11Iに示される1021a及び図11Jに示される1021a〜1021d)を備える。
【0089】
個別の半分サブガスケット付の膜1035は、半分サブガスケット付の膜ウェブ1028がパターン化アンビルロール1031と真空ダイ1032との間を通過するときに、半分サブガスケット付の膜ウェブ1028から切断される。切断の際に残されたスクラップサブガスケットラダー1036は処分される。個別の半分サブガスケット付の膜1035a、1035bは、真空ダイ1032によって発泡体積層体ロール1033に運ばれる。
【0090】
(接着層が無い)第2の半分のサブガスケットウェブ1041は、第2のキャリアウェブ、例えば、再配置可能な接着剤を有するキャリアウェブ上のサブシステム1030に入力される。第2の半分のサブガスケットウェブ1041及びキャリアウェブ1110の断面図は、図11Kの断面図に図示される。開口部切断は、それがダイとアンビルローラー1043、1044との間を通過するときに、第2のガスケットウェブ1041内に作製され、開口部スラグを形成する。開口部スラグを形成する第2の半ガスケット材料の切断部分は、第2のキャリアウェブ1110上の定位置に残される。キャリアウェブ1110上の(開口部スラグ1111が定位置にある状態の)第2のサブガスケットウェブ1042断面図は、図11Lの断面図に図示される。
【0091】
第2の半分のサブガスケットウェブ1042は、第2のキャリアウェブ上に配置される完全にサブガスケット付の膜ウェブ1045を形成するために、積層ローラー1033において個別の半分サブガスケット付の膜1035に積層される。キャリアウェブ1110上の完全にサブガスケット付の膜ウェブ1045の断面図は、図11Mに図示される。完全にサブガスケット付の膜ウェブ1045は、無傷のままの開口部スラグ1111を有する第2の半分のサブガスケットウェブ1041を含む。個別の膜1021aを含む個別の半分サブガスケット付の膜ウェブ1035は、個別の第1の半分のサブガスケット1106a上に配置される接着層1107aによって第2の半分のサブガスケットウェブ1041に接着される。第2のキャリアウェブ1110及び開口部スラグ1111は、サブガスケット付の個別の膜ウェブを露呈するために除去される。サブガスケット付の個別の膜ウェブは、個別の第1の半分のサブガスケット及び第2の半分のサブガスケットウェブのサブガスケットを付けたスリフトされた個別の電解質膜を含む。個別の第1の半分のサブガスケットは、個別の第1の半分のサブガスケット上に配置される接着層によって、第2の半分のサブガスケットウェブ及び個別の膜に接着される。第2の半分のサブガスケットウェブは、電解質膜に面する表面上に接着剤をほとんど又は全く有し得ない。サブシステム1030のプロセスは、サブガスケット付膜ウェブを個別のサブガスケット付膜に切断した後に、第1のサブガスケット枠よりも大きい第2のサブガスケット枠を有するサブガスケット付膜を製造するために使用され得る。1つの個別のサブガスケット付膜1049aは、図11Nの断面図によって図示される。個別のサブガスケット付膜1049aは、膜1021a、接着層1107aを有する第1の半分のサブガスケット1106a、及び接着層が無い第2の半分のサブガスケット1041aを含む。第1及び第2の半分のサブガスケット1106a、1041aが、必ずしも同一の寸法ではなく、例えば、第1の半分のサブガスケット1106aは、図11Nに示されるように、第2の半分のサブガスケット1041aよりも小さくあり得ることに留意する。
【0092】
図10Dは、図11Gによって図示されるサブガスケット付膜ウェブ1025を検知し、かつそれを図11Kに図示される半分サブガスケット付のウェブ1042に取り付けるように構成される代替サブシステム1050を図示する。図10Dのサブシステム1050は、例えば、図10Cのサブシステム1030の代わりに使用され得る。サブシステム1050のプロセスは、サブガスケット付膜ウェブを個別のサブガスケット付膜に切断した後に、第1のサブガスケット外周囲と同一の寸法の第2のサブガスケットの外周囲を有するサブガスケット付膜を製造するために使用され得る。
【0093】
(図11Gの断面図に図示される)(無傷のままの開口部スラグを有する)半分サブガスケット付の膜ウェブ1025は、サブシステム1050に入力される。開口部スラグ及び再配置可能なキャリアウェブ1027は、ローラー1051で除去される。開口部スラグ及び再配置可能なキャリアウェブ1027の断面図が、図11Hに図示される。
【0094】
(接着層があるか、あるいは接着層が無い)第2のサブガスケットウェブ1041は、キャリアウェブ、例えば、再配置可能な接着剤を有するキャリアウェブ上のサブシステム1050に入力される。第2のサブガスケットウェブ1041及びキャリアウェブ1110の断面図が、図11Kに図示される。開口部切断は、第2のサブガスケットウェブ1041がダイとアンビルローラー1053、1054との間を通過するときに、第2のサブガスケットウェブ1041内で作製される。接着層が使用される場合、接着層の剥離ライナーラダーは、ローラー1057で剥ぎ取られる。開口部スラグを形成する第2のガスケットウェブ材料は、キャリアウェブ上の定位置に残される。開口部スラグが定位置1042にある状態のキャリアウェブ上の第2のサブガスケットウェブ1041の断面図が、図11Lに図示される。
【0095】
半分サブガスケット付の膜ウェブ1025は、これらの成分がロール1051と発泡体又はゴム積層体ロール1058との間を通過するときに、開口部スラグ1111が依然として定位置にある状態で、キャリアウェブ1110上に存在する第2のサブガスケットウェブ1042に積層される。サブシステム1050によって製造されるサブガスケット付膜ウェブ1045の断面図が、図11Mに図示される。
【0096】
図10Eに図示されるサブシステム1060は、GDLをサブガスケット付膜ウェブに取り付けるために使用され得る。触媒が無い電解質膜が使用される場合、この工程で使用されるGDLは、触媒コーティングされ得る。CCM膜が使用される場合、この工程で取り付けられるGDLは、触媒層を必要としなくてもよい。第1のGDLウェブ1061は、サブシステム1060に入力され、接着剤1062は、ローラー1063でGDLウェブ1061に任意で接着される。接着剤は、例えば、両面粘着性移動接着剤、分注液、又は熱活性型接着剤であり得る。接着層は、例えば、接着剤がGDLの幅全域に塗布されるとき、GDLウェブ1061上に多孔質の導電性層を形成し得る。第1の接着性GDLウェブ1067(接着剤1062を第1のGDLウェブ1061に加える)は、第1の接着剤GDLウェブ1067がダイとアンビルローラー1064、1065との間を通過するときに、個別の接着剤GDL 1066a、1066bに切断される。個別の接着剤GDL 1066a、1066bは、例えば、真空ベルト又はキャリアウェブ上の積層体ロール1081、1082に移送される。
【0097】
第2のGDLウェブ1071は、サブシステム1060に入力され、接着剤層1072は、ローラー1073でGDLウェブ1071に接着される。接着剤は、例えば、両面粘着性テープ、分注液、又は熱活性型接着剤であり得る。接着層は、GDLウェブ1071上に多孔質の導電性層を形成する。第2の接着剤GDLウェブ1068(接着剤1072を有するGDLウェブ1071)は、第2の接着剤GDLウェブ1068がダイとアンビルローラー1074、1075との間を通過するときに、個別の接着剤GDL 1076a、1076bに切断される。個別の接着剤GDL 1076a、1076bは、真空ベルト又はキャリアウェブ上の積層体ロール1081、1082に移送され得る。
【0098】
サブガスケット付CCM又は電解質膜ウェブ1085、例えば、図10と関連して説明されるサブガスケット付CCM又は電解質膜ウェブは、サブシステム1060に入力される。開口部スラグを有する第2のキャリアウェブは、ロール1088で剥離される。幾つかの実施例では、ロール1088は、角度を成す剥離バーによって置き換えられ得る。個別の接着剤GDL 1066a、1066b、1076a、1076bは、個別のGDL 1066a、1066b、1076a、1076b及び電解質膜1085が、サブガスケット付5層MEAウェブ1086を形成するために積層ローラー1081、1082の間を通過するときに、サブガスケット付CCM又は電解質膜1085に積層される。サブガスケット付5層MEAウェブ1086は、ロールに巻き付けられ得るか、あるいは例えば、シーターナイフ1087によって、個別の5層MEA 1089に切断される。
【0099】
図10A〜10Eに図示されるプロセス制御モジュール1099は、種々の燃料電池のサブアセンブリ層間に適切な整合配置を確保するために、燃料電池のサブアセンブリ成分の相対速度及び位置を制御するためのセンサ並びに制御電子装置を含む。例えば、プロセス制御モジュール1099は、膜ウェブ1085のクロスウェブ位置を制御するために、膜ウェブ1085の端を感知する1つ以上のセンサを含み得る。幾つかの実施例では、膜ウェブ1085上に配置され、及び/又は膜ウェブの層のうちの1つ以上における切り取りを通って整合配置される基準は、他の燃料電池のサブアセンブリ成分に対して膜ウェブのダウンウェブ位置を制御するために、プロセス制御モジュールのセンサによって感知され得る。例えば、感知される基準は、膜ウェブ1085上の第1及び第2の個別の接着剤GDL 1066、1076の配置を制御するために使用され得る。
【0100】
発泡真空ダイ1012(図10Bを参照のこと)は、CCM又は電解質膜ウェブを個別のCCM又は個別の電解質膜に切断するために使用され、図13Aの断面図及び図13Bの分解組立図により詳細に図示される。発泡真空ダイ1012は、幾つかのダイキャビティ1316及びダイキャビティ1316間の間隙1315を有する円筒状コアを備える。真空は、コア1310内の穴1311を通って複数のダイキャビティ1316内に適用される。インサート1320は、複数のダイキャビティ内に配置される。インサート1320は、材料の厚さを通って、かつ材料内の横方向の両方において真空の適用を促進する発泡材で作製され得る。コア1310内の穴1311を介して、かつ複数のダイキャビティインサート1320を通って適用される真空は、発泡真空ダイの表面上に個別の電解質膜1313a、1313b、1313cを保持する。発泡体インサート1320は、1つ又は幾つかの多孔質層を含み得る。発泡体インサート1320の材料は、製造プロセス中の損傷から個別の電解質膜1313a、1313b、1313cを保護するのに十分に柔軟である。
【0101】
発泡真空ダイ1012は、コア1310の表面から外側にかつ発泡体インサート1320の表面1321の直下に延在する1つ以上のブレード1312を含む。ブレード1312は、発泡真空ダイ1012がその軸線周囲を回転するときに、膜ウェブ1323(又は他の種類のウェブ)を個別の膜1313a、1313b、1313cに切断するように構成される。発泡体インサート1320は、膜1313a、1313b、1313cを取り付けるときに、ダイブレード1312がサブガスケットウェブ1020に刻み目を入れることを回避するのに十分な圧縮性を提供しながら、サブガスケットウェブへの膜1313a、1313b、1313cの接着取り付けを可能にするために、個別の膜1313a、1313b、1313cに十分な圧力を適用する。
【0102】
図13Bは、発泡真空ダイ1012及び発泡真空ダイを準備するためのプロセスを図示する。真空ダイ1012は、回転可能なコア1310の表面から外側に延在する、約0.057インチ(0.144cm)の高さを有する1つ以上のダイブレード1312を有する回転可能なコア1310を含む。ダイブレード1312の構成は、複数のダイキャビティ1316及びダイキャビティ1316間の間隙1315を画定する。少なくとも複数のダイキャビティ1316内で、回転可能なコア1310は、コア1310の外面1319への真空の適用を促進するために、回転可能なコア1310の外面1319を通って延在する穴1311で穿孔される。
【0103】
多層インサート1320は、複数のダイキャビティ1316内に配置される。複数のダイキャビティ1316間の間隙1315は、インサートを有さない。インサート1320を形成するために、最初に、3.5ミル(89μm)のPETテープ層1351がダイキャビティ1316内のコア1310の外面1319に適用され、続いて、接着層1352を有する0.050インチ(0.127cm)の発泡体及び6ミル(152.4μm)の接着層1353が適用される。6ミル(152.4μm)の両面粘着性接着層1353は、最初に、剥離ライナ−(図示されず)を含む。PETテープ1351、発泡体1352、及び接着層1353を備えるインサート内層の取り付け後、穴1361、1362、1363は、インサート1320の外面への真空の移動を促進するために、インサート内層1351、1352、1353のそれぞれの中に融解する。剥離ライナ−の除去後、平面を通るか、あるいは平面中の多孔質の通気性材料1354の外層は、接着剤1353を介して発泡体1352に接着される。
【0104】
片面接着性サブガスケット及び両面接着性サブガスケットを有する電解質膜を備えるMEAが製造かつ温度試験された。図14は、試験前に両面接着性サブガスケットを有する試料MEA構造を図示する。サブガスケットの端は、約1/8インチ(0.31cm)だけ膜の端と重なる。
【0105】
図15は、90℃で20時間の温度試験後の図15のMEA構造を図示する。加熱試験中、膜は移動させられて、2つのサブガスケット間の接着剤−接着剤界面を通って突出するように見られ得る。MEAのガスケット領域は、密封目的のためにハードストップに圧縮された。温度及び水を吸収する電解質膜の能力と合わせたガスケット領域内の圧力は、膜が、この意図した境界を越えて滑り、かつ押出されるのに十分な程度の潤滑を引き起こすように見られた。この境界を越える膜押出しは、ガスケット構造、圧縮システム、及びガスケット領域に適用される圧力に応じて起こる場合もあり、あるいは起こらない場合もある。
【0106】
図16は、膜上に片面接着性サブガスケットを組み込むMEA構造を図示する。サブガスケットは、約1/8インチ(0.31cm)だけ膜の端と重なる。この構造では、第1のサブガスケット層は、第1のサブガスケット層を、接着剤を含まない第2のサブガスケット層に接合させる接着剤を含む。
【0107】
図17は、90℃で20時間の温度試験後の図16のMEA構造を図示する。試験後、片面接着性サブガスケットを用いたMEAは、膜の押出しをほとんど又は全く示さず、図15で証言される問題への解決策を提供する。
【0108】
本発明の様々な実施形態の上述の説明を、例証及び説明の目的で提示してきた。それは、包括的であることも、開示されたまさにその形態に本発明を限定することも意図していない。以上の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能である。例えば、添付の図面を参照して記載される様々な回転式固着プロセスは、例えば、当該技術分野において既知であるようなステップアンドリピート圧縮プロセスの使用によって等、代わりに非回転式方法及び装置を使用して達成することができる。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ添付の「特許請求の範囲」によって限定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池のロール品サブアセンブリであって、
各々が中心領域を備える、複数の個別の電解質膜と、
前記個別の電解質膜に取り付けられる1つ以上の第1のサブガスケットであって、前記第1のサブガスケットのそれぞれが、少なくとも1つの開口部を有し、前記第1のサブガスケットは、前記個別の電解質膜の前記中心領域が前記第1のサブガスケットの前記開口部を通って露出されるように構成される、第1のサブガスケットと、
複数の開口部を有するウェブを備える第2のサブガスケットであって、前記第2のサブガスケットのウェブが、前記個別の電解質膜の中心領域が前記第2のサブガスケットのウェブの前記開口部を通って露出されるように構成される、第2のサブガスケットと、
を備える、燃料電池のロール品サブアセンブリ。
【請求項2】
前記1つ以上の第1のサブガスケットのそれぞれが、前記電解質膜に向かって方向付けられる第1のサブガスケット表面を有する第1のサブガスケット層を備え、前記第1のサブガスケットが、前記第1のサブガスケット表面上に配置される第1の接着層を有し、
前記第2のサブガスケットが、前記電解質膜に向かって方向付けられる第2のサブガスケット表面を有する第2のサブガスケット層を備え、第2の接着層が、前記第2のサブガスケット表面の相当部分上には配置されない、請求項1に記載のロール品サブアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のサブガスケットのそれぞれの前記第1の接着層が、前記第2のサブガスケット表面に取り付けられる、請求項2に記載のロール品サブアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のサブガスケットのそれぞれが、前記電解質膜に向かって方向付けられる第1のサブガスケット表面を有する第1のサブガスケット層を備え、前記第1のサブガスケットのそれぞれが、前記第1のサブガスケット表面上に配置される第1の接着層を有し、
前記第2のサブガスケットが、前記電解質膜に向かって方向付けられる第2のサブガスケット表面を有する第2のサブガスケット層を備え、前記第2のサブガスケットが、前記第2のサブガスケット表面上に配置される第2の接着層を有する、請求項1に記載のロール品サブアセンブリ。
【請求項5】
前記1つ以上の第1のサブガスケットが、複数の開口部を有するウェブを備えた1つの第1のサブガスケットである、請求項1に記載のロール品サブアセンブリ。
【請求項6】
前記個別の電解質膜のうちの少なくとも幾つかが、触媒コーティングされた膜である、請求項1に記載のロール品アセンブリ。
【請求項7】
前記個別の電解質膜の前記中心領域にわたって配置されるガス拡散層又は触媒コーティングされたガス拡散層を更に備える、請求項1に記載のロール品アセンブリ。
【請求項8】
前記1つ以上の第1のサブガスケットのそれぞれが、個々の電解質膜に向かって方向付けられる第1のサブガスケット表面を有する第1のサブガスケット層を備え、前記1つ以上の第1のサブガスケットのそれぞれが、前記第1のサブガスケット表面上に配置される第1の接着層を有し、
前記第2のサブガスケットが、前記個別の電解質膜に向かって方向付けられる第2のサブガスケット表面を有する第2のサブガスケット層を備え、第2の接着層が、前記第2のサブガスケット表面上に配置されない、請求項1に記載のロール品サブアセンブリ。
【請求項9】
燃料電池のロール品サブアセンブリであって、
各々が中心領域を備える、複数の個別の電解質膜と、
前記複数の個別の電解質膜に取り付けられるサブガスケットウェブであって、複数の開口部を有し、前記個別の電解質膜の前記中心領域が前記サブガスケットウェブの前記開口部を通って露出されるように構成される、サブガスケットウェブと、を備える、燃料電池のロール品サブアセンブリ。
【請求項10】
前記サブガスケットウェブがラダーウェブを備える、請求項9に記載の燃料電池のロール品アセンブリ。
【請求項11】
燃料電池のサブアセンブリであって、
電解質膜と、
前記電解質膜に接着して取り付けられる第1のサブガスケットであって、前記電解質膜に向かって方向付けられる第1のサブガスケット表面と、前記第1のサブガスケット表面上に配置される第1の接着層と、を有する、第1のサブガスケットと、
前記電解質膜に向かって方向付けられる第2のサブガスケット表面を有する第2のサブガスケットであって、前記第2のサブガスケット表面の相当部分上に第2の接着層を含まない、第2のサブガスケットと、を備える、燃料電池のサブアセンブリ。
【請求項12】
前記第2のサブガスケットが、前記第2のサブガスケット表面上に接着剤を有さない、請求項11に記載の燃料電池のサブアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の接着層が、前記第2のガスケット表面と接触している、請求項11に記載の燃料電池のサブアセンブリ。
【請求項14】
前記第2のサブガスケットが、前記電解質膜に接着して取り付けられず、前記第1の接着層によって前記第1のサブガスケットに接着して取り付けられる、請求項11に記載の燃料電池のサブアセンブリ。
【請求項15】
燃料電池のロール品サブアセンブリであって、
各々が中心領域を備える、複数の個別の電解質膜と、
前記個別の電解質膜に接着して取り付けられる1つ以上の第1のサブガスケットであって、それぞれが、少なくとも1つの開口部を有し、前記個別の電解質膜の前記中心領域が前記第1のサブガスケットの前記開口部を通って露出されるように構成される、第1のサブガスケットと、
複数の開口部を有するウェブを備える第2のサブガスケットであって、前記第2のサブガスケットウェブが、前記個別の電解質膜の前記中心領域の第2の表面が前記第2のサブガスケットウェブの前記開口部を通って露出されるように配置され、接着層が、前記第2のサブガスケット表面の相当部分上に配置されない、第2のサブガスケットと、
を備える、燃料電池のロール品サブアセンブリ。
【請求項16】
前記第1のサブガスケットのそれぞれの前記第1の接着層が、前記第2のサブガスケット表面と接触している、請求項15に記載の燃料電池のロール品サブアセンブリ。
【請求項17】
前記1つ以上の第1のサブガスケットが、複数の開口部を有するウェブを備える、請求項15に記載の燃料電池のロール品サブアセンブリ。
【請求項18】
前記電解質膜が、触媒コーティングされた膜を備える、請求項15に記載の燃料電池のロール品アセンブリ。
【請求項19】
前記個別の電解質膜の前記中心領域にわたって配置されるガス拡散層又は触媒コーティングされたガス拡散層を更に備える、請求項15に記載の燃料電池のロール品アセンブリ。
【請求項20】
燃料電池のロール品サブアセンブリを作製する自動ロールツーロール法であって、
複数の開口部を有する細長い第1のサブガスケットウェブと、各々が中心領域を備える複数の個別の電解質膜との間で相対運動を行う工程と、
それぞれの電解質膜の中心領域が前記第1のサブガスケットウェブの開口部と整合配置されるように、前記個別の電解質膜を前記第1のサブガスケットウェブと整合配置する工程と、
前記個別の電解質膜を前記第1のサブガスケットウェブに取り付ける工程と、
を含む、自動ロールツーロール法。
【請求項21】
前記第1のサブガスケットウェブが、再配置可能な接着性キャリアウェブ上に配置される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のサブガスケットウェブに取り付けられる前記個別の電解質膜を有する前記第1のサブガスケットウェブを、複数の個別のサブガスケット付膜に切断する工程と、
複数の開口部を有する第2のサブガスケットウェブと、前記複数の個別のサブガスケット付膜との間で相対運動を行う工程と、
それぞれの電解質膜の中心領域が前記第2のサブガスケットウェブの開口部と整合配置されるように、前記個別のサブガスケット付膜を前記第2のサブガスケットウェブと整合配置する工程と、
前記個別のサブガスケット付膜を前記第2のサブガスケットウェブに取り付ける工程と、
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のサブガスケットウェブが、再配置可能な接着性キャリアウェブ上に配置される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のサブガスケットウェブが、前記個別の電解質膜に向かって方向付けられる第1のサブガスケット表面を含み、第1の接着層が、第1のサブガスケット表面上に配置され、
前記第2のサブガスケットウェブが、前記個別の電解質膜に向かって方向付けられる第2のサブガスケット表面を含み、前記第2のサブガスケット表面の相当部分が、第2の接着層を含まない、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のサブガスケットウェブが、前記個別の電解質膜に向かって方向付けられる第1のサブガスケット表面を含み、第1の接着層が、第1のサブガスケット表面上に配置され、
前記第2のサブガスケットウェブが、前記個別の電解質膜に向かって方向付けられる第2のサブガスケット表面を含み、前記第2のサブガスケット表面が、第2の接着層を含まない、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
複数の開口部を有する第2のサブガスケットウェブと、前記第1のサブガスケットウェブに取り付けられる前記個別の電解質膜を有する前記第1のサブガスケットウェブとの間で相対運動を行う工程と、
それぞれの電解質膜の中心領域が、前記第2のサブガスケットウェブの開口部と整合配置されるように、前記第2のサブガスケットウェブを、前記第1のサブガスケットウェブに取り付けられる前記個別の電解質膜を有する前記第1のサブガスケットウェブと整合配置する工程と、
前記第1のサブガスケットウェブに取り付けられる前記個別の電解質膜を有する前記第1のサブガスケットウェブを、前記第2のサブガスケットウェブに取り付ける工程と、
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のサブガスケットウェブが、前記個別の電解質膜に向かって方向付けられる第1のサブガスケット表面を含み、第1の接着層が第1のサブガスケット表面上に配置され、
前記第2のサブガスケットウェブが、前記個別の電解質膜に向かって方向付けられる第2のサブガスケット表面を含み、前記第2のサブガスケット表面が第2の接着層を含まない、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のサブガスケットウェブ及び前記第2のサブガスケットウェブのうちの一方又は両方が、再配置可能なキャリアウェブ上に配置される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
電解質膜ウェブを移動させて、回転ダイと接触させる工程と、
前記回転ダイを用いて、前記電解質膜ウェブを前記個別の電解質膜に切断する工程と、
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記回転ダイが回転真空ダイを備え、前記回転真空ダイは、前記回転ダイの表面上に前記個別の電解質膜を保持し、かつ、前記個別の電解質膜を移動させて前記第1のサブガスケットウェブに接触させる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記回転ダイが、
円筒状コアと、
複数のダイキャビティ及び前記ダイキャビティ間の間隙を画定する、前記円筒状コア上のダイブレードと、
前記ダイキャビティ内に配置される、複数の柔軟なダイキャビティインサートと、
を備える、請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図11H】
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【図11I】
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【図11J】
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【図11K】
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【図11L】
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【図11M】
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【図11N】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2013−515348(P2013−515348A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546111(P2012−546111)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061244
【国際公開番号】WO2011/146094
【国際公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】