説明

サラダつま

【課題】大根けんは生で食べることの出来る新鮮なカット野菜ではあるが、味が単純で刺身の最後に食べられず捨てられることが多いのが一般的な事実であり、大根けんに数種類のカットした生野菜を加えることで、刺身のつまとしての役目を充分果たしながらも、サラダとしても活用出来るカット生野菜を提供する。
【解決手段】大根けんを70%以上の割合で配合し、これを主体とすることで刺身のつまとしての役割を保ちながら、キャベツ、レッドキャベツ、水菜、人参など、カットした様々な種類の生野菜を混合することにより、サラダ風にアレンジしたつまを「サラダつま」と命名して提供することを発明した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺身に添付する「つま」と呼ばれる細長くカットされた大根けんを含むカットされた生野菜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
刺身と一緒に盛りつけられる「つま」と呼ばれる細長くカットされた大根は、生の大根を細くカットしただけのため、刺身を食した後に醤油などでこれを食べるには、あまりにも味が単純で美味しくないことから、その大部分は食べずに捨てられている現実がある。
【0003】
大根けんは、(1)刺身を盛りつける時に形を整える台としての役目、(2)刺身を食べた後の口直し、(3)消化酵素ジアスターゼが消化を助ける、(4)大根の持つ殺菌効果、などの効果を目的として刺身に添付して使われている。
【0004】
しかしながら、この大根けんを刺身の後にそのまま食する人は極く稀であり、家庭では別の野菜を加えてサラダにするとか、味噌汁に入れるなどの一手間を加える人もいるようだが、外食での場合など一手間を加えることの出来ない場面を含め、もったいないと思いながらもそのまま残して捨てている場合が大半である。
【0005】
刺身に添えられている大根けんは、桂剥きという高度な包丁技術を前提にして造るものであり、基本的に一般の素人レベルの技術でつくるのは難しく、家庭で専用の機械を買うなど特殊な場合を除くと、専門メーカーの工場において生野菜の除菌や鮮度保持に気を使いながら機械によって大量に生産され、大根けんは商品としてスーパーや専門店に納品されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ヤフー知恵袋 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211366337
【非特許文献2】人力検索はてな http://q.hatena.ne.jp/1107946312
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
大根けんは生の大根をカットしただけのため、そのまま刺身醤油で食するにはあまりにも味が単純で美味しくないことから最後まで食べられていないことが多く、日本国中で毎日膨大な大根の無駄が発生していると考えられる。
【0008】
生で食べることの出来る大根けんという新鮮な野菜を捨てるのはもったいないことから、これを大根だけの単純な味ではなくサラダ風に他の野菜とミックスすれば生野菜のサラダとして無駄になることは少なくなると考え、大根けんに数種類のカットした生野菜を加えたものを提供することにした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
最後まで美味しく食べられるつまとするために、大根けんだけではなくキャベツ、レッドキャベツ、水菜、人参など、カットした何種類かの生野菜をブレンドすることにより、サラダ風にアレンジしたつまを「サラダつま」と命名して提供することを発明した。
【0010】
つまの素材として(a)大根けん、(b)人参けん、(c)キャベツ、(d)レッドキャベツ、(e)水菜を主成分とし、その配合バランスは、70:5:20:2:3 を基本とする。
【0011】
上記のカット野菜は、刺身用のつまとして添付することを最大の目的とするものであり、そこに含まれるカット野菜の種類と混合の割合は、季節や地域のニーズに応じて変化するもので固定されるものではない。
【0012】
季節や地域のニーズにより生野菜の配合バランスを変化させるために、例えば沖縄では水菜の代替として長命草入りのサラダつまを提案することなどが考えられ、このように日本全国各地の地域性を加味することにより、地域のニーズに合わせてより美味しいサラダつまとして食すること出来る。
【0013】
サラダつまは、あくまでも大根けんを主体とした刺身用のつまであり、端に生野菜を食べることを目的とした一般的なサラダ用カット野菜ではないことは肝心のポイントである。
【0014】
サラダつまは大根けんを約70%前後配合し、その主たる材料とすることで刺身を盛りつけた時に形を整える置きつまとしての目的を損なわないよう野菜の量を配分しているものである。これに対して一般的なサラダ用カット野菜は刺身の形を整える置きつまとしての役目は基本的に想定していないために、置きつまとしてはまったく役に立つものではなく、サラダつまはこれらのサラダ用カット野菜とは明らかに別物として峻別しなければならない。
【発明の効果】
【0015】
サラダつまを添付することによって、刺身を食べた後に残った大根けんについては食することのなかった人も、まるで刺身に生野菜のサラダが添付されているという受け止めとなり、これまではどちらかと言えば余計な存在と見られていた大根けんは、逆にサラダつまに置き換わることによって野菜サラダが添付されたプラスアルファのおまけに変化するという効果がある。
【0016】
大根けんをそのまま食べるのは味があまりにも単純で美味しくないことが理由で、刺身を食べた後に残った大根けんをほとんどの人が食べ残し捨てている現実があるが、サラダつまは大根けんを主体としながらもキャベツ、人参、水菜、レッドキャベツなど数種のカット生野菜を加えるので、その複合作用によって味は格段に良くなり、口直しのサラダとして食べてみようとの気持が起こる効果がある。
【0017】
人間の食欲は「五味五色」という料理界の言葉にもあるように、料理というのは五つの味と五つの色が揃った時に人間の食欲を増すことが出来るという考え方があり、真っ白で単純な大根けんは人間の食欲をそそる料理としてはあまりにも素っ気ないものでしかなく、まさに五味五色が揃ったサラダつまはこういう点からも人間の心に食欲を高めさせる効果が期待出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本考案のサラダつまを製品化するための実施例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
容器は1kgのポリエチレン袋入りを基本とし、袋の材料には生野菜の鮮度を保持するための機能性物材(商品名スパッシュ)なども使用する。例えば真空袋入りの形態は生野菜の呼吸を停止することになり、鮮度劣化を早めることになることから、あえて上部をビニールバンドで留めるだけにして真空袋入りの形態はとらない。
【特許文献3】特開平16-3509164
【0020】
前記カット野菜は、刺身用のつまとして使用される限りにおいて、その仕上がり形態が袋状のものではなく箱状の形態など別種のものであるとしても、同じ目的のカット野菜の集合体に含まれる。
【実施例】
【0021】
以下添付図面に従って説明する。1はサラダつまの配合主体となる大根けんである。2は同じくけんの一種である人参けんであり、この2種類のけんが刺身のつまとしての大きな役割を果たす。3は細切りのレッドキャベツ、4は細切りの水菜であり、この2種類は色目の派手さによってサラダとして華やかさを加える役割を持たせる。5は細切りのキャベツであり、シャキシャキとした食感によりサラダらしい存在感を出す位置づけとなる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
刺身にサラダつまを添付することによって、人はこれまでの大根けんよりも多くの生野菜を摂取する機会が増えることになると思われるが、この生野菜を食べるという行為は、■AGE=■Advanced Glycation End-products(終末糖化産物)という人間の老化物質を増やさないことにつながり、人間の老化を防ぐ効果があると言われている。サラダつまの活用によって生野菜を摂取する機会が増えることになり、長寿で健康という人間の生存における理想像が刺身という食のシーンにおいて新たな付加価値を生み出すことになると考えられ、刺身商品の消費に新たな刺激を与え、業界の活性化を促すことにもなると考えられる。
【0023】
大根けんというのは、既に日本の各地に専門メーカーが存在するほど商品として確立しているが、大根けんだけでこれからも売上を伸ばしていくのは限界がある状態のようであり、サラダつまという発想によって新たな付加価値商品を取引先企業に提案することが出来ることになり、これによって売上拡大のチャンスが生まれることになる。
【0024】
大根けんというものに仕事として関係している大半の人は、大根けんが置きつまとしては役立っているとしても、新鮮な生野菜であるにもかかわらずほとんど人間の口には入っていないということを良く知っているはずであり、このことは限りある地球の資源を有効に活かさなければならないという現今の事情からも、これらを何とか捨てないで済む方法はないものかという思いは少なからずあるはずである。現在のこういう身を切るような苦々しい思いというのはサラダつまが大根けんの代替物として広まることになれば解消される可能性が高まることになり、もったいない精神という観点からも産業界から歓迎されることになるはずである。
【符号の説明】
【0025】
1大根けん
2人参けん
3細切りレッドキャベツ
4細切り水菜
5細切りキャベツ
6ポリエチレン袋









【特許請求の範囲】
【請求項1】
大根けんにプラスして、数種の生野菜を混合したカット野菜の集合体。





























【図1】
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【公開番号】特開2013−13389(P2013−13389A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178831(P2011−178831)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願変更の表示】意願2011−3757(D2011−3757)の変更
【原出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(711007367)
【Fターム(参考)】