説明

サンドイッチ成形体

【課題】ポリアミド樹脂を含有するサンドイッチ成形体を提供する。
【解決手段】サンドイッチ成形体は、以下を同時に満足することを特徴とする。(1)スキン層1が、ポリアミド樹脂、エポキシ化合物、ガラス繊維を含有し、(2)スキン層1におけるエポキシ化合物の含有量が、ポリアミド樹脂100質量部に対し0.2〜2質量部であり、(3)スキン層1における樹脂組成物の、(ポリアミド樹脂の融点+30)℃およびせん断速度1000s−1で測定された溶融粘度ηaが、300〜2000Pa・sで、(4)スキン層1における樹脂組成物とガラス繊維との混合比率が、質量比で、40/60〜70/30である。また、(5)コア部2は、ポリアミド樹脂と平均繊維長が0.5〜5mm、およびこれより長い繊維長のガラス繊維を含有し、(6)コア部2におけるポリアミド樹脂とガラス繊維との混合比率は、質量比で、30/70〜60/40である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンドイッチ成形法によって製造され、ポリアミド樹脂を含有するサンドイッチ成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は優れた機械的性質を有するものであるため、金属代替材料として幅広く利用されている。従来から、ポリアミド樹脂から得られた成形体に、より優れた高剛性、耐熱性を付与させることを目的として、ガラス繊維などの繊維状強化材を配合させたポリアミド樹脂組成物が提案されている。
【0003】
ポリアミド樹脂に繊維状強化材を配合することによりポリアミド樹脂の補強を行うに際し、繊維状強化材の配合量は、通常、得られるポリアミド樹脂組成物を100質量%とした場合に、多くて150質量%程度までである。150質量%を超えて配合させる場合は、補強効率がかえって低下し、また成形性なども低下するという問題が発生するからである。特に、厚さ10mmを超える肉厚の成形体を得る場合には、150質量%を超えて繊維状強化材を配合すると、結晶化速度が速くなりかつ成形収縮率が高くなるため、成形体の中央部が固化する前にゲート部で樹脂が固化してしまう。そのため、成形体中央部においてボイドが発生しやすくなり、さらに、成形体の機械的強度が低下するなどの問題があった。
【0004】
このような肉厚の成形体において発生するボイドを抑制する方法として、以下のような技術が提案されている。例えば、脂肪族ポリアミド樹脂とエチレン系アイオノマー樹脂からなる樹脂混合物に、繊維状強化材を配合する方法(例えば、特許文献1参照)や、長繊維で強化された熱可塑性樹脂を材料として使用する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。しかしながら、特許文献1や特許文献2の場合は、いずれも特殊な樹脂を用いたり、特殊な樹脂ペレットの製造装置が必要になったりするため、コストアップにつながるという問題があった。
【0005】
一方で、材料のみを検討するだけではなく、ポリアミド樹脂の成形方法においての工夫も検討されている。例えば、自動車用エンジン冷却水系部品などの中空成形体を製造するために、予め一次材を成形した複数の成形体を金型に配置し、その接合部に二次材を射出成形する方法(例えば、特許文献3参照)や、ポリアミド樹脂組成物からなる一次成形品の表面に二次成形品の材料であるポリアミド樹脂組成物を射出成形し、一体化された成形体を得る方法(例えば、特許文献4参照)が知られている。
【0006】
特許文献3や特許文献4の場合は、いずれも中空のような複雑な形状を持った成形体を得るために、一次材および二次材による、いわゆる二色成形法を用いている。したがって、一次成形体と二次成形体とは、樹脂の流れ方向と垂直な面で、金型内で溶着している。かかる場合は、肉厚成形体中のボイドの発生を抑制することが不十分であり、成形体の強度を上げることはできなかった。
【0007】
また、ポリアミド樹脂を成形する方法として、二つの材料を時間差で射出することにより、一次材でスキン層を形成し、二次材でコア部を形成する、いわゆるサンドイッチ成形法が知られている(特許文献5)。特許文献5の場合は、一次材として長繊維で強化されたポリアミド樹脂を用い、二次材として短繊維で強化されたポリアミド樹脂を用いることで、サンドイッチ成形体の強度を向上させることが提案されている。
【0008】
しかしながら、特許文献5の場合は、長期にわたって多大な荷重のかかる機械部材として使用する際に、変形や成形体の破断が生じ、実用に耐えうる十分な性能を有するものではなかった。特に、自動車エンジンルーム内のような100℃以上の高温環境下で使用される部品として前記のサンドイッチ成形体が用いられると、機械的性質が低下するため、金属部品に替えて用いることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−112877号公報
【特許文献2】特開2002−85109号公報
【特許文献3】特開平11−179756号公報
【特許文献4】特開平11−129284号公報
【特許文献5】特許第2972024号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明の目的は、ポリアミド樹脂を含有し、十分な機械的性質(低温環境下における耐衝撃性、常温および高温環境下における曲げ強度)を維持しうるサンドイッチ成形体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記課題を解決する為に鋭意研究の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の趣旨は下記の通りである。
(1)コア部の表面にスキン層が形成された構造を有し、かつコア部がスキン層によって挟持されてなり、以下の(I)〜(VI)を同時に満足することを特徴とするサンドイッチ成形体。
(I)スキン層が、ポリアミド樹脂(a)、1分子中に3個のグリシジル基を有するエポキシ化合物(c)、および平均繊維長が100〜500μmであるガラス繊維(x)を含有する。
(II)スキン層におけるエポキシ化合物(c)の含有量が、ポリアミド樹脂(a)100質量部に対し0.2〜2質量部である。
(III)スキン層における、ポリアミド樹脂(a)、エポキシ化合物(c)およびガラス繊維(x)を含有させた樹脂組成物の、(ポリアミド樹脂の融点+30)℃およびせん断速度1000s−1で測定された溶融粘度ηaが、300〜2000Pa・sである。
(IV)スキン層におけるポリアミド樹脂(a)およびエポキシ化合物(c)の合計と、ガラス繊維(x)との混合比率{(a+c)/x)}が、質量比で、40/60〜70/30である。
(V)コア部が、ポリアミド樹脂(b)と、平均繊維長が0.5〜5mmであって、且つガラス繊維(x)の平均繊維長より長いガラス繊維(y)を含有する。
(VI)コア部におけるポリアミド樹脂(b)とガラス繊維(y)との混合比率(b/y)が、質量比で、30/70〜60/40である。
【0012】
(2)スキン層の体積比率が、全体の40〜70%であることを特徴とする(1)のサンドイッチ成形体。
【0013】
(3)エポキシ化合物(c)が、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、およびトリフェノールメタントリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物と、トリグリシジルイソシアヌレートとからなる混合物であることを特徴とする(1)または(2)のサンドイッチ成形体。
【発明の効果】
【0014】
本発明のサンドイッチ成形体は、十分な機械的性質を維持することができ、特に、常温および高温環境下における曲げ強さを維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のサンドイッチ成形体の一例を示す概略図である。
【図2】図1のサンドイッチ成形体において、樹脂流れ方向に平行な断面を示す概略図である。
【図3】本発明のサンドイッチ成形体の別の一例を示す概略斜視図である。
【図4】図3のサンドイッチ成形体において、樹脂流れ方向に垂直な断面を示す概略図である。
【図5】図1のサンドイッチ成形体の断面積、中心線、中心線の長さ、厚みを示す概略図である。
【図6】図3のサンドイッチ成形体の断面積、中心線を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のサンドイッチ成形体は、コア部および該コア部の表面に形成されたスキン層を有し、コア部がスキン層によって挟持されてなるものである。
【0017】
本発明のサンドイッチ成形体の一例を、図1および図2を用いて説明する。
本発明のサンドイッチ成形体としては、成形時の樹脂流れ方向に対して垂直な断面において、コア部の周囲表面にスキン層が形成されている形態が挙げられる。例えば、図1に示すように、成形時の樹脂の流れ方向3に対して垂直な断面において、コア部2の周囲表面にスキン層1が形成されている形態である。
【0018】
さらに、本発明のサンドイッチ成形体としては、図2に示されるように、成形時の樹脂の流れ方向3に対して平行な断面において、コア部2の周囲表面にスキン層1が形成されている形態であってもよい。本発明のサンドイッチ成形体においては、図2に示されるように、樹脂の流れ方向3の両端における端面4においては、それぞれ独立してスキン層1がコア部2に接して形成されていてもよいし、一方のみの端面4にスキン層1が形成されていてもよいし、いずれの端面4においてもスキン1が形成されていなくてもよい。
【0019】
スキン層について、以下に説明する。スキン層は、ポリアミド樹脂(a)、エポキシ化合物(c)およびガラス繊維(x)を含有するものである。
【0020】
ポリアミド樹脂(a)として用いるポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合を有するポリアミドであれば特に限定されない。例えば、ポリε−カプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、ポリドデカナミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、およびこれらのポリアミドを構成するポリアミド成分(モノマー)のうち少なくとも2種類の構造が異なったポリアミド成分を含むポリアミド共重合体などが挙げられる。ポリアミド樹脂(a)は1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリアミド樹脂(a)は、上記の中でも、常温および高温環境下における曲げ強度をより効果的に維持しうる観点から、ナイロン6またはナイロン66を単独で、または組み合わせて用いることが特に好ましい。
【0021】
スキン層に含有されるポリアミド樹脂(a)の溶融粘度は、30〜400Pa・sであることが好ましく、40〜300Pa・sであることがより好ましい。ポリアミド樹脂(a)の溶融粘度が30Pa・s未満であると、成形体の破壊歪が低下し、常温および高温環境下の曲げ強さが低下する場合がある。一方、溶融粘度が400Pa・sを超える場合は、溶融混練時にせん断応力が大きくなるためガラス繊維が折損してしまうばかりか、ポリアミド樹脂とガラス繊維との接着が低下するため、常温および高温環境下における曲げ強さが低下する場合がある。また、得られる樹脂組成物からペレットを得ることができなかったり、成形体を製造できなかったりする場合がある。なお、ポリアミド樹脂(a)の溶融粘度は、(ポリアミド樹脂の融点+30)℃およびせん断速度1000s−1条件下、JIS K7199に従いフローテスターにより測定された値である。
【0022】
スキン層に含有されるエポキシ化合物(c)は、ポリアミド樹脂(a)の末端にあるアミノ基またはカルボキシル基と反応することで、ポリアミドを架橋する役割を担うものである。本発明においては、1分子中に3個のグリシジル基を有する有機化合物を用いることが必要である。一分子中におけるグリシジル基が2個以下であるエポキシ化合物を用いた場合には、コア部においてポリアミド樹脂(a)が十分に架橋されず、常温および高温環境下における曲げ強度が低下するという問題がある。一方、一分子中のグリシジル基数の個数が4個以上であるエポキシ化合物を用いた場合は、ポリアミド樹脂のゲル化が著しく操業性が悪化するため、得られる樹脂組成物から成形体やペレットを製造できないという問題がある。
【0023】
エポキシ化合物以外の反応性化合物を用いると、溶融粘度を制御することが困難であるという問題がある。すなわち、エポキシ化合物以外の反応性化合物の使用量などに起因して、反応性が激しすぎてポリアミド樹脂がゲル化したり、逆に反応性が乏しくなりポリアミド樹脂の架橋が十分でなかったりするという問題がある。
【0024】
上記の中でも、常温および高温環境下における曲げ強度を効果的に維持する観点から、エポキシ化合物(c)としては、トリグリシジルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、およびトリフェノールメタントリグリシジルエーテルまたはこれらの重合体などが挙げられる。これらのエポキシ化合物(c)は、スキン層内においてポリアミド樹脂(a)を3次元的に十分に架橋させることができるため、常温および高温環境下における曲げ強度を効果的に維持することができる。
【0025】
上記エポキシ化合物(c)として、トリグリシジルイソシアヌレートを単独で用いる場合には、トリグリシジルイソシアヌレート以外のエポキシ化合物を1種以上併用することが好ましい。このように併用した場合は、トリグリシジルイソシアヌレートを単独で用いる場合よりも、成形体に柔軟性が増すため、強度を向上させることが可能であるという利点がある。
【0026】
スキン層におけるエポキシ化合物(c)の含有量は、常温および高温環境下での曲げ強さの観点から、ポリアミド樹脂(a)100質量部に対して0.2〜2質量部であることが必要であり、0.4〜2質量部であることが好ましい。エポキシ化合物(c)の含有量が0.2質量部未満であると、常温および高温環境下での曲げ強さが低下するという問題がある。エポキシ化合物(c)の含有量が2質量部を超えると、成形体の製造時において、コア部を構成するポリアミド樹脂組成物の溶融粘度が大幅に増大し、溶融混練時にせん断応力が大きくなって後述のガラス繊維が折損してしまったり、ポリアミド樹脂の結晶性を大きく阻害し耐熱性が低下したりし、常温および高温環境下の曲げ強さが低下するという問題がある。さらに、ゲル化により溶融混練が困難になるという問題がある。
【0027】
スキン層には、本発明の効果を損なわない範囲で、1分子中に3個のグリシジル基を有するエポキシ化合物(c)とともに、1分子中に2個以下のグリシジル基を有するエポキシ化合物(d)または/および1分子中に4個以上のグリシジル基数を有するエポキシ化合物(e)が併用されてもよい。この場合、エポキシ化合物(d)の含有量は、加工性と、常温および高温環境下における曲げ強さの発現性の観点から、エポキシ化合物(c)100質量%に対して30質量%未満であることが好ましい。また、エポキシ化合物(e)の含有量は、加工性と、常温および高温環境下における曲げ強さの発現性の観点から、エポキシ化合物(c)100質量%に対して5質量%未満であることが好ましい。なお、併用するエポキシ化合物が、1分子中に2個以下、または4個以上のグリシジル基を有するものである場合には、エポキシ化合物全体に占める1分子中に3個のグリシジル基を有するエポキシ化合物(c)の含有量が、上述の範囲となればよい。
【0028】
スキン層において、ポリアミド樹脂(a)、エポキシ化合物(c)およびガラス繊維(x)を含有する樹脂組成物の溶融粘度ηaは300〜2000Pa・sであることが必要であり、好ましくは500〜1600Pa・sである。ηaが300Pa・s未満であると、成形体とした際にもろくなってしまい、常温および高温環境下の曲げ強さが低下するという問題がある。特に、6mm以上の肉厚な部分を有する成形体においては、クラックが発生するという問題がある。一方、溶融粘度が2000Pa・sを超える場合は、溶融混練時にせん断応力が大きくなるためガラス繊維が折損してしまうばかりか、ポリアミド樹脂とガラス繊維との接着が低下するため、常温および高温環境下における曲げ強さが低下したり、得られる樹脂組成物から成形体やペレットを製造できなかったりするという問題がある。
【0029】
本発明において、ポリアミド樹脂(a)、エポキシ化合物(c)およびガラス繊維(x)を含有する樹脂組成物の溶融粘度は、(ポリアミド樹脂の融点+30)℃およびせん断速度1000s−1の条件で測定された値である。より詳しくは、JIS K7199に従って測定された値である。なお、融点は、JIS K7121に従い、示差走査熱量計(DSC)により測定された値であり、融点が異なる2種類以上のポリアミド樹脂を用いる場合は、高いほうのポリアミド樹脂の融点を採用するものとする。
【0030】
ガラス繊維(x)としては、例えば、一般的に供給されるガラス繊維を適宜用いることができる。その具体例としては、Eガラス(Electrical glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)、耐アルカリガラスなどのガラス材料から構成されるガラス繊維が挙げられる。
【0031】
ガラス繊維(x)は公知のガラス繊維の製造方法により製造され、例えば、上記ガラス材料を溶融紡糸して得ることができる。
【0032】
スキン層におけるガラス繊維(x)の平均繊維長は、後述のガラス繊維(y)よりも短いものであり、100〜500μmであることが必要であり、150〜500μmであることが好ましく、200〜500μmであることがより好ましい。ガラス繊維(x)の平均繊維長が100μm未満であると、ガラス繊維(x)による補強効果が低下し、得られる成形体の、常温および高温環境下での曲げ強さが低下する。平均繊維長が500μmを超えると、補強効果が飽和し、それ以上の補強効果が期待できないばかりか、得られる成形体中にボイドやクラックが発生し、成形体の強度が低下する。なお、ガラス繊維(x)の平均繊維長は、成形体とした際の、スキン層におけるガラス繊維の平均繊維長である。
【0033】
ガラス繊維(x)の平均繊維長は、後述するサンドイッチ成形体の製造方法において、ポリアミド樹脂(a)、エポキシ化合物(c)およびガラス繊維(x)を溶融混練して樹脂組成物を得るに際し、所定の溶融粘度下、溶融混練時のスクリューディメンジョン、スクリュー回転、吐出量などの混練条件を調整することにより制御できる。
【0034】
ガラス繊維(x)は、必要に応じて、集束剤により集束され、集束されたガラス繊維ストランドを集めて一定の長さに切断した、いわゆるチョップドストランドの形態で使用されることが好ましい。集束剤としては、マトリックス樹脂との密着性、均一分散性の観点から、カップリング剤を用いることができる。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニア系カップリング剤などが挙げられる。なかでも、シランカップリング剤を用いることが好ましく、特にアミノシランカップリング剤、グリシジルシランカップリング剤を用いることが好ましい。
【0035】
ガラス繊維(x)の繊維径は、常温および高温環境下で曲げ強度をより効果的に維持する観点から、4〜13μmであることが好ましく、7〜11μmであることがさらに好ましい。なお、繊維径とは、ガラスフィラメント(単繊維)1本あたりのガラス繊維径を示す。
【0036】
ガラス繊維(x)の、平均繊維長/繊維径(L/D)は、低温環境下における耐衝撃性、常温および高温環境下で曲げ強度をさらに向上させ、成形体の歪みを抑制する観点から、8〜125であることが好ましく、13〜60であることがより好ましい。
【0037】
スキン層における、ポリアミド樹脂(a)とエポキシ化合物(c)との合計量と、ガラス繊維(x)の量の混合比率{(a+c)/x}}は、質量比で、40/60〜70/30であることが必要であり、45/55〜65/35であることが好ましい。ガラス繊維(x)の量が、上記の範囲より少なすぎると、サンドイッチ成形体とした場合に、常温および高温環境下における曲げ強度が低下する。一方、ガラス繊維の配合量が上記の範囲を超えて多すぎると、ガラス繊維を均一に分散することができず、ペレットや成形体の製造が困難となる。
【0038】
スキン層の厚みは、特に制限されるものではなく、成形体の用途に応じて適宜設定されるものである。スキン層の厚みは、常温および高温環境下における曲げ強度の観点から、例えば、0.5〜3mmであることが好ましく、1.0〜2.5mmであることがより好ましい。なお、本発明のサンドイッチ成形体において、スキン層の厚みは一定である必要はなく、成形体の形状に応じて、部分的に変化させてもよい。また、スキン層の最小厚みおよびスキン層の最大厚みが上記範囲内であればよい。
【0039】
次に、コア部について説明する。
コア部は、ポリアミド樹脂(b)と、ガラス繊維(y)を含有するものである。
ポリアミド樹脂(b)の種類は、スキン層に含有されるポリアミド樹脂(a)で例示されたものから選ばれることができる。サンドイッチ成形体において、コア部に含有されるポリアミド樹脂(b)の種類と、スキン層に含有されるポリアミド樹脂(a)の種類は、異なっていても良いし、同一であってもよい。ポリアミド樹脂(b)は、低温および高温環境下で機械的性質をより効果的に維持する観点から、ナイロン6またはナイロン66が特に好ましく、これらを単独で、または組み合わせて用いることができる。
【0040】
ポリアミド樹脂(b)は、その溶融粘度が20〜80Pa・sであることが好ましく、30〜70Pa・sであることがより好ましい。溶融粘度が20Pa・s未満であると、サンドイッチ成形体とした場合に脆くなり、低温環境下の耐衝撃性、常温および高温環境下での曲げ強さが低くなるという問題がある。一方、80Pa・sを超える場合は、ガラス繊維への樹脂の含浸が低下し、得られる成形体中にボイドやクラックが入るばかりでなく、成形体とした場合の低温環境下の耐衝撃性、常温および高温環境下での曲げ強さが低下するという問題がある。
【0041】
コア部中のガラス繊維(y)の平均繊維長は、スキン層中のガラス繊維(x)の平均繊維長より長いことが必要である。このようにすることで、コア部中において、スキン層との界面で長繊維ガラスが流れ方向に配向しやすくなるとともに、スキン層は柔軟が向上し、コア部は剛性が向上する。その結果、得られる成形体は柔軟性に優れ、かつ外部からの力がかかっても応力が低下させることができ、その負荷に十分耐えうるものとなる。その結果、常温および高温環境下における曲げ強度の低下を抑制することが可能になる。
【0042】
ガラス繊維(y)の平均繊維長は、0.5〜5mmであることが必要であり、1〜4mmであることが好ましい。平均繊維長が0.5mm未満であると、100℃以上の高温環境下において機械的性質が低下し、特に曲げ強さの低下が大きくなるという問題がある。平均繊維長が10mmを超えると、ガラス繊維とポリアミドの接着が不十分となり、さらには成形時の流動性が劣ることから得られる成形体中にボイドやクラックが発生し、得られる成形体の曲げ強度が低下するため好ましくない。なお、ガラス繊維(y)の平均繊維長は、成形体のコア部におけるガラス繊維の平均繊維長である。
【0043】
ガラス繊維(y)の平均繊維長は、後述するサンドイッチ成形体の製造方法において、コア部に含有される各種成分を溶融混練してなるコア部形成用ペレットの、ペレット長を調整することによって制御することができる。例えば、コア部形成用ペレット長を長くすると、コア部におけるガラス繊維(y)の平均繊維長は長くなる。コア部形成用ペレット長を短くすると、コア部におけるガラス繊維(y)の平均繊維長は短くなる。
【0044】
コア部を形成するに際し、ペレットを調製することもできる。ここで、コア部形成用ペレットのペレット長は、成形体中のガラス繊維長を長く保つ観点から、3〜20mmであることが好ましく、より好ましくは5〜15mmである。通常、ペレット長とペレット中に含有されるガラス繊維(y)の平均繊維長とはほぼ同じ長さである。より具体的には、ペレットにおけるガラス繊維(y)の平均繊維長は、ガラス繊維(y)がペレット中において当該ペレットの長手方向に平行して配列した場合は、ペレット長と等しくなる。また、ガラス繊維(y)が当該ペレットの長手方向に対して斜めに配列した場合は、ペレット長よりも少し長くなる。また、ガラス繊維(y)が当該ペレット中で折損した場合はペレット長よりも少し短くなる。
【0045】
なお、ペレット長とはペレットの最大長を意味するものである。本発明においては、任意に選ばれた30個のペレットにおいて、ノギスを用いて計測したさらに任意10点のペレット長さのうち、最長の長さの上位3点の測定値を平均することによって求めることができる。
【0046】
ガラス繊維(y)は、繊維長を長く保つ観点から、コア部形成用ペレットの製造に際し、ガラスロービングの形態で使用されることが好ましい。ガラスロービングとしては、100〜200本のガラスフィラメント(単繊維)を集束したストランドを数10本合糸したもの、または、数千本を収束したストランドを円筒状に巻き取ったものなどが挙げられる。
【0047】
ガラス繊維(y)を構成する材料は、ガラス繊維に成形可能なものであれば特に限定されるものではない。例えば、上述のガラス繊維(x)と同様の材料が挙げられる。ガラス繊維(y)は、平均繊維長やその他のサイズが異なること以外は、ガラス繊維(x)と同様の方法によって製造できる。
【0048】
ガラス繊維(y)の繊維径は、常温および高温環境下での曲げ強度をより効果的に維持する観点から、11〜23μmであることが好ましく、13〜17μmであることがさらに好ましい。
【0049】
ガラス繊維(y)の平均繊維長/繊維径(L/D)は、低温環境下での耐衝撃性、常温および高温環境下での曲げ強度をより効果的に維持する観点から、43〜909であることが好ましく、特に59〜615であることが望ましい。
【0050】
ガラス繊維(y)は、カップリング剤により表面処理されていることが好ましい。該表面処理により、ガラス繊維(y)へのポリアミド樹脂の含浸が比較的容易に達成されるという利点がある。カップリング剤としては、上述のガラス繊維(x)の集束剤に含まれるカップリング剤と同様のカップリング剤を使用することができる。
【0051】
コア部における、ポリアミド樹脂(b)とガラス繊維(y)との混合比率(b/y)は、質量比で、30/70〜60/40であることが好ましく、より好ましくは35/65〜55/45、さらに好ましくは40/60〜50/50である。ガラス繊維(y)の配合量が、40質量%未満であると、得られる成形体において、常温および高温環境下での曲げ強度が顕著に低下するという問題がある。一方、コア部におけるガラス繊維(y)の配合量が70質量%を超えると、ガラス繊維とポリアミドの接着が悪くガラス繊維が抜け落ちる状態となり、ペレットの製造が困難である。
【0052】
コア部の厚みは特に制限されるものではなく、成形体の用途に応じて適宜設定することができる。コア部の厚みは、高温環境下での曲げ強度を保持する観点から、例えば、1〜20mmであることが好ましく、より好ましくは2〜15mmである。コア部の厚みは一定である必要はなく、成形体の形状に応じて部分的に変化してよい。コア部の最小厚みおよび最大厚みが上記範囲内であればよい。
【0053】
(サンドイッチ成形体)
サンドイッチ成形体は、スキン層形成用ペレットおよびコア部形成用ペレットを以下のような方法で製造した後、得られたペレットをそれぞれ、いわゆるサンドイッチ成形法における一次材および二次材として供給することによって製造できる。
【0054】
スキン層形成用ペレットを製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、二軸押出混練機を用いて混練する方法が好適に用いられる。その一例を述べると、シリンダーの上流からポリアミド樹脂(a)とエポキシ化合物(c)を供給し、シリンダーの中間部でガラス繊維(x)をサイドフィードする。その後、ダイスから樹脂組成物をストランド状に引き取り、冷却固化し、ペレタイザーでカッティングしてペレットを得ることができる。このような方法は、経済的であるため好適である。
【0055】
スキン層形成用ペレットの形状は、特に制限されないが、成形安定性の観点から、好ましくは略円柱形状、略多角柱形状等の略棒形状である。
【0056】
コア部形成用ペレットを製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、以下のような方法で製造できる。すなわち、加熱溶融されたポリアミド樹脂(b)が溜められた樹脂槽内に、開繊した補強繊維としての連続したガラス繊維(y)のガラスロービングを導入し、いわゆる含浸ローラでガラスロービングを挟みながら、樹脂をガラスロービングに含浸させることにより製造することができる。
【0057】
この際、ガラスロービングの搬送は、例えば、樹脂槽の下流に位置するフィードローラがガラスロービングを引っ張ることにより行われる。樹脂を含浸させた後、上記フィードローラによってガラスロービングは、さらに下流に搬送され、ダイによって樹脂量を調整し、断面形状が整えられ、次いで冷却され、カッターを有する切断装置に送り込まれる。そして、樹脂を含んだガラスロービングは、切断装置のカッターによって切断され、ペレットが製造される。
【0058】
コア部形成用ペレットは、該コア部に含有されるガラス繊維(y)の平均繊維長を確保するため、通常は略円柱形状、略多角柱形状等の略棒形状を有することが好ましい。
【0059】
サンドイッチ成形法について以下に述べる。
サンドイッチ成形法は、合成樹脂の分野において一般に実施されている成形方法である。具体的には、射出成形法、押出成形法によるサンドイッチ成形法を選択することができる。
【0060】
サンドイッチ成形法の一例である、射出成形法によるサンドイッチ成形法について以下に述べる。スキン層を形成するためのペレット(スキン層形成用ペレット)を一次材として用い、コア部を形成するためのペレット(コア部形成用ペレット)を二次材として用いる。まず、溶融させた一次材を、金型内にスキン層が構成される所定の体積分を射出し、次いで、溶融させた二次材を当該金型内に射出する。二次材を射出成形する場合は、一次材の射出は停止してもいいし、停止されずに二次材とともに射出されていてもよい。
【0061】
次いで、二次材の射出を停止し、一次材を再び射出し、一次材でゲートを閉じる。この間、一次材と二次材どちらかが常に射出されており、当該金型内で樹脂の流動が止まることがないようにすることが好ましい。このようにすることで、当該金型内で溶融している一次材の中を二次材が流動し、一次材が押し広げられスキン層を形成し、ゲートも一次材で閉じられることで、すべての表面に一次材が形成される。最後に、金型内の材料を十分に冷却/固化して、本発明のサンドイッチ成形体を得る。
【0062】
このようにして得られた本発明のサンドイッチ成形体は、図1および図2に示すように、二次材(つまり、コア部)が、一次材(つまり、スキン層)に挟み込まれた、または包み込まれたサンドイッチ構造を有する成形体である。
【0063】
押出成形法によるサンドイッチ成形法を採用する場合は、一次材/二次材/一次材となるような層構成で共押出成形することで、サンドイッチ成形体を得ることができる。
【0064】
得られたサンドイッチ成形体は、厚さ10〜1000μmのフィルム状であってもよいし、厚さ1〜5mmのシート状であってもよい。さらに、サンドイッチ成形体は、必要な大きさに裁断されてもよいし、加温した後、真空成形、圧空成形、打抜成形等をすることで、必要とする形状に附形し用いることができる。
【0065】
本発明のサンドイッチ成形体中のスキン層の比率は、体積比で、成形体全体の40〜70%であることが好ましく、45〜65%であることがさらに好ましい。このスキン層の比率が、40%未満の場合は、得られる成形体は脆くなり、強度が低下する場合がある。一方、70%を超える場合には、常温および高温環境下での曲げ強度が低下する場合がある。
【0066】
スキン層および/またはコア部には、その特性を損なわない限りにおいて、必要に応じて、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、顔料、着色防止剤、耐候剤、可塑剤、離型剤、滑剤等の添加剤が含有されてもよい。これらの添加剤はそれぞれ独立して、スキン層形成用ペレットに含有させてもよいし、コア部形成用ペレットに含有させてもよいし、または成形時においてそれらのペレットと混合して用いても良い。
【0067】
熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。結晶核材としては、タルクなどが挙げられる。
【0068】
スキン層に上記のような添加剤が含有される場合、当該添加剤の合計含有量は、ポリアミド樹脂(a)とエポキシ化合物(c)との架橋反応を損ねない観点から、スキン層を構成する樹脂組成物全量に対して5質量%以下であることが好ましい。
【0069】
コア部に上記のような添加剤が含有される場合、当該添加剤の合計含有量は、コア部のポリアミド樹脂(b)の機械的特性を損ねない観点から、コア部を構成する樹脂組成物全量に対して5質量%以下が適当である。
【0070】
スキン層および/またはコア部には、その特性を損なわない限りにおいて、必要に応じて、ガラス繊維以外の強化材、難燃剤等の添加剤が含有されてもよい。これらの添加剤はそれぞれ独立して、スキン層形成用ペレットに含有させてもよいし、コア部形成用ペレットに含有させてもよいし、または成形時においてそれらのペレットと混合して用いても良い。
【0071】
ガラス繊維以外の強化材としては、タルク、マイカ、ワラストナイト等が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系、水酸化物マグネシウム、水酸化アルミニウム等の非ハロゲン系難燃剤が挙げられる。
【0072】
スキン層および/またはコア部には、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、ポリアミド樹脂以外の他の熱可塑性樹脂(以下、他の熱可塑性樹脂と称する)が含有されてもよい。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ブタジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン等のエラストマーまたはこれらの無水マレイン酸等による変性物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/フェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリレート等が挙げられる。他の熱可塑性樹脂は、スキン層形成用ペレットに含有させてもよいし、コア部形成用ペレットに含有させてもよいし、または成形時において、それらのペレットと混合して用いても良い。
【0073】
スキン層に他の熱可塑性樹脂が含有される場合、当該他の熱可塑性樹脂の含有量は、ポリアミド樹脂とエポキシ樹脂との架橋反応を損ねない観点から、スキン層を構成する樹脂組成物全量に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0074】
コア部に他の熱可塑性樹脂が含有される場合、当該他の樹脂の含有量は、コア部のポリアミド樹脂の機械的特性を損ねない観点から、コア部を構成する樹脂組成物全量に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0075】
本発明のサンドイッチ成形体は、成形時において、金型の形状を任意に選択し、その用途に応じて所望される様々な形状となすことができる。
【0076】
例えば、本発明のサンドイッチ成形体は、図1や図2に示されるような平板形状を有していてもよい。また、本発明のサンドイッチ成形体は、図3に示されるような凸型形状を有していてもよい。図4は、図3に示される凸型形状を有するサンドイッチ成形体において、樹脂流れ方向3に対して垂直な断面の概略図である。1はスキン層を示し、2はコア部を示すものである。
【0077】
本発明のサンドイッチ成形体の厚み(つまり、すべてのスキン層とコア部の合計の厚み)は、特に制限されるものではないが、本発明の効果が顕著に得られる観点から、6mm以上であることが好ましく、6〜25mmがより好ましく、8〜20mmがより好ましい。一般的に、厚みが6mm以上の成形体は、ボイド等が発生しやすく、成形体に局部的な応力が集中しやすいため、常温および高温環境下での曲げ強度を維持することは困難であった。しかしながら、本発明においては、6mm以上の厚みを有していても、常温および高温環境下での曲げ強度を容易に維持することができる。
【0078】
なお、成形体の厚みは、成形時の樹脂流れ方向に対して垂直な断面において、成形体の断面積をSk、成形体の中心線の長さをpとしたとき、Sk/pで表すことができる。
【0079】
例えば、サンドイッチ成形体が図1および図2に示されるような平板形状を有する場合においては、図5で示されるように、断面積Skは斜線で示される領域である5である。中心線は破線で示される6である。中心線の長さは7で示され、厚みは8で示される。
【0080】
また例えば、サンドイッチ成形体が図3や図4に示されるような凸型形状を有する場合は、図6にて示されるように、断面積Skは斜線で示される領域である5である。中心線は破線で示される6である。中心線を示す破線の長さの合計が、中心線の長さを示す。
【0081】
本発明のサンドイッチ成形体は100℃以上の高温環境下で使用される部品、例えば、自動車用部品、電気部品、家庭用品等に有用である。具体的には自動車のエンジン周りで使用される部品があり、特にシリンダーヘッドカバー、エアインテークマニホールド、スロットルボディ、エアインテークパイプ、ラジエータタンク、ウォーターポンプレンレット、ウォーターポンプアウトレット、サーモスタットハウジング、クーリングファン、ファンシュラウド、オイルパン、オイルフィルターハウジング、オイルフィルターキャップ、オイルレベルゲージ、タイミングベルトカバー、エンジンカバー、ドアミラーステイ、インナーミラーステイ、ルーフレール、ドアミラーブラケット、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル、シフトレバー、ギア、シートフレーム、ワイパーアーム、ワイパーアームリンクブラケット、トノカバーフレーム、アンテナ台座等に好適に用いられる。
【実施例】
【0082】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例および比較例に用いた原料は次の通りである。
【0083】
[原料]
(A)ポリアミド樹脂
・PA−1
ナイロン6(ユニチカ社製、商品名「A1015」)、(融点:220℃、溶融粘度:40Pa・s)
・PA−2
ナイロン66(ユニチカ社製、商品名「E2001R」)、(融点:260℃、溶融粘度:40Pa・s)
・PA−3
ナイロン66(ユニチカ社製、商品名「A125」)、(融点:260℃、溶融粘度:80Pa・s)
・PA−4
ナイロン66(ユニチカ社製、商品名「A142」)、(融点260℃、溶融粘度:600Pa・s)
・PA−5
ナイロン66(ユニチカ社製、「ET−1(試験品)」)、(融点:260℃、溶融粘度:10Pa・s)
【0084】
(B)短繊維(ガラス繊維)
・GF−1
チョップドストランド(日東紡社製、商品名「CS3H459」)、(ガラス繊維径:10μm、平均繊維長:3mm)(アミノシランカップリング剤による表面処理品)
・GF−2
ミルドファイバー(日本電気硝子社製、商品名「EP M−10A」、(ガラス繊維径:13μm、平均繊維長:70μm)(アミノシランカップリング剤による表面処理品)
【0085】
(C)ガラス繊維(ガラスロービング)
・LGF−1
ガラスロービング(試験品)(ガラス繊維径:13μm、繊維巻長:3500m)(アミノシランカップリング剤による表面処理品)
【0086】
(D)1分子にグリシジル基を3個有するエポキシ化合物
・TEPIC−S
トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学社製、商品名「TEPIC−S」)
・SR−TMP
トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製、商品名「SR−TMP」)
【0087】
(E)1分子にグリシジル基を2個有するエポキシ化合物
・SR−2EG
ジエチレングリコールグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製、商品名「SR−2EG」)
【0088】
(F)1分子にグリシジル基を4個有するエポキシ化合物
・EX−614B
ソルビトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、商品名「EX−614B」)
【0089】
(G)スチレンマレイン酸樹脂
・スチレンマレイン酸樹脂半エステル (荒川化学社製、商品名「アラスター700」)
樹脂
【0090】
実施例および比較例にて用いた評価方法を以下に示す。
[測定方法]
(1)ポリアミド樹脂の溶融粘度
得られたサンドイッチ成形体のスキン層を約3mm角に切り出して切片を作成し、この切片を10g準備した。オリフィス径が1mmであるフローテスター(島津製作所社製、「CFT−500」)を用い、JIS K7199に従った測定方法にて評価した。(用いるポリアミド樹脂の融点+30)℃に加熱したシリンダーに、サンドイッチ成形体から得られたスキン層の切片を入れ、3分間予熱した後、せん断速度1000s−1で測定を行った。なお、測定は一水準あたり3回行い、その平均値を算出した。
【0091】
(2)曲げ強さA(常温環境下での曲げ強さ)
23℃、50%RH雰囲気で十分に調湿した長方形の試験片(長さ127mm、幅35mm、厚み12mm)を用い、23℃下、スパン間100mm、試験速度5mm/分で2点支持の曲げ強度測定を行った。試験片は長手方向が成形時の流れ方向となるようにし、当該試験片を長手方向で2点を支持して測定を行った。
本発明においては、320MPa以上であるものが実用に耐えうるものであるとし、360MPa以上であることがより好ましい。
【0092】
(3)曲げ強さB(高温環境下での曲げ強さ)
曲げ強さAの試験において、100℃空気中で測定した以外は、曲げ強さAの試験と同様にして曲げ強さBを測定した。
本発明においては、210MPa以上であるものが実用に耐えうるものであるとし、220MPa以上であることがより好ましい。
【0093】
(5)スキン部(一次材)の体積比率(%)
曲げ強さAの試験片を成形するときに、射出成形機によりサンドイッチ成形体の一次材の射出体積および二次材の射出体積を計測した。
スキン部(一次材)の体積比率は、射出成形機により計測された一次材の射出体積と二次材の射出体積を加算し、この加算した総体積に対する一次材の射出体積の比率により求めた。なお、一次材の射出体積および二次材の射出体積はそれぞれ、(射出成形時のスクリュー移動距離)と(シリンダー断面積)との積により算出した。また射出成形時のスクリュー移動距離は、(計量完了時のスクリュー位置)と(射出完了時のスクリュー位置)との差により算出した。
【0094】
(6)ペレット中のガラス繊維の繊維長、および平均繊維長
ペレット10gを秤量瓶に入れ、炭化炉中で600℃にて3時間焼却処理した。焼却完了した秤量瓶を室温で十分に冷却した後、秤量瓶中の残渣よりガラス繊維を取り出し、マイクロスコープ(キーエンス社製、「VH−500型」)にて任意400本のそれぞれのガラス繊維の繊維長を計測し、次式により求めた。
ガラス繊維の平均繊維長=Σ(L1+・・・・+L400)/400
但し、Lnは、1本当たりのガラス繊維の繊維長である。
【0095】
(7)成形体中のガラス繊維の繊維長、および平均繊維長
成形体からスキン層、コア部より質量10gの断片を切り出し、上記(6)と同様の焼却処理を行い、ガラス繊維の繊維長の計測、および平均繊維長の算出を行った。
【0096】
[スキン層形成用材料(一次材)の製造]
<製造例1A>
樹脂組成物100質量%のうち、49.7質量%のポリアミド樹脂である(PA−3)、0.2質量%の(TEPIC−S)(トリグリシジルイソシアヌレート)、および0.1質量%の(SR−TMP)(トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル)をドライブレンドし、連続定量供給装置(クボタ社製)を用いて、同方向二軸押出機(東芝機械社製、「TEM37BS」)の主ホッパー供給口に供給し、スクリュー回転数250rpmにて溶融混練した。なお、押出温度は280〜300℃に設定されていた。
【0097】
一方で、同方向二軸押出機の中間部の位置より、サイドフィーダーにて、50質量%のガラス繊維(チョップドストランド)である(GF−1)を供給した。ポリアミド樹脂、エポキシ化合物、ガラス繊維の配合比率は、主原料フィード速度とサイドフィード速度の比率で調整した。ここで、同方向二軸押出機内で、ポリアミド樹脂およびガラス繊維の混練の主要部である混合ゾーンにおいては以下のようなスクリューディメンジョン(スクリュー構成1)とした。すなわち、主ホッパー供給口からサイドフィード口までのスクリューディメンジョンを(R/R/N/N/L)として1箇所設置し、サイドフィード口からダイス口までのスクリューディメンジョンは(R/R/N/L)として2箇所設置した。なお、R、N、Lとはスクリューを構成する各エレメントを示し、Rは順ニーディング、Nはニュートラルニーディング、Lは逆ニーディングを表す。
【0098】
その後、ダイスから樹脂組成物を吐出量35kg/hにてストランド状に引き取り、水槽を通して冷却固化し、ペレタイザーでカッティングしてペレット長3mmのペレット(PAG−1)を得た。ダイスから出た樹脂組成物の樹脂温度は300℃であった。ペレット(PAG−1)中のガラス平均繊維長は330μmであった。その評価結果を表1に示す。
【0099】
【表1】

【0100】
<製造例2A〜製造例21A、製造例24A>
ポリアミド樹脂、エポキシ化合物およびガラス繊維の種類、それらの配合比率を変えた以外は、製造例1Aと同様の方法で、ペレット(PAG−2)〜(PAG−21)(PAG−24)を得た。その評価結果を表1および表2にまとめて示す。
【0101】
【表2】

【0102】
<製造例22A、製造例23A>
製造例1Aにおいて、混合ゾーンにおけるスクリューディメンジョン(スクリュー構成2)を下記構成とする以外は、製造例1Aと同様の操作を行ってペレットPAG−22、PAG−23を得た。つまり、主ホッパー供給口からサイドフィード口までは(R/R/N/N/L)として1箇所設置し、サイドフィード口からダイス口までは(R/R/N/L)として1箇所設置した。なお、上記スクリュー構成2は、(R/R/N/L)を1箇所少なく用いているため、混練度合いはスクリュー構成1に比べ弱いものとなっている。
その評価結果を表2に示す。
【0103】
<製造例25A>
ポリアミド樹脂とエポキシ化合物の配合において、1分子にグリシジル基を3個有するエポキシ化合物が過少であり、かつ1分子にグリシジル基を4個有するエポキシ化合物が過多であったために、樹脂組成物がゲル化してしまい、ペレットを採取することができなかった。
【0104】
[コア部形成用材料(二次材)の製造]
<製造例1B>
先端部に含浸ダイボックスを取り付けた同方向二軸押出機(東芝機械社製、「TEM37BS」)を用いた。温度設定280〜300℃で昇温した後、同方向二軸押出機で溶融したポリアミド樹脂(PA−2)(250℃測定条件下、溶融粘度40Pa・S)をスクリュー回転数200rpm、供給量15kg/hで含浸ダイボックスに送った。溶融したポリアミド樹脂(PA−2)は含浸ダイボックスで溶融状態を保ったまま加温した。
【0105】
一方で、ガラス繊維の繊維径13μm、単繊維数800本からなるガラス繊維(ガラスロービング)である(LGF−1)を、所定の比率で含浸ダイボックス側方よりボックス内に導入し、含浸ローラでガラスロービングを挟みながら溶融樹脂中を引抜き、ガラスロービングへの溶融樹脂の含浸を行った。含浸ダイボックスから出た樹脂含浸ロービングの樹脂温度は280℃であった。
【0106】
その後、樹脂槽の下流に位置するフィードローラーにてストランドとして引き取り、水槽を通して冷却固化し、それをペレタイザーでペレット長が5mmになるようにカッターの回転数を調整してペレット(LFP−1)を得た。
【0107】
なお、ペレット(LFP−1)の調製においては、含浸、および引取条件を調整し、ポリアミド樹脂(PA−2)が50質量%、ガラスロービング(LGF−1)が50質量%の配合となるように設定した。得られたペレット(LFP−1)中のガラス平均繊維長はペレット長と同じ5mmであった。その評価結果を表3に示す。
【0108】
【表3】

【0109】
<製造例2B〜製造例13B>
ポリアミド樹脂およびガラス繊維の種類と、両者の配合比率を表3に示すように変更した以外は、製造例1Bと同様の方法により、ペレット(LFP−2)〜(LFP−13)を得た。その評価結果を表3にまとめて示す。
【0110】
なお、製造例12Bでは、ポリアミド樹脂の含有割合が小さかったために、ガラス繊維への溶融樹脂の含浸が進まず、引き取りが困難となり、ペレットを得ることができなかった。
【0111】
[サンドイッチ成形体の製造]
<実施例1>
2基のシリンダーを有し、先端部の合流ノズルで連結されたサンドイッチ成形機(JSW社製、「J180AD−2M」)を用いて、ペレットPAG−1(一次材)を一次側のシリンダーに投入し、ペレットLFP−1(二次材)を二次側のシリンダーに投入した。どちらのシリンダーにおいても、シリンダー温度290℃、金型温度100℃の条件下、一次材の射出と同時に二次材の射出も行われるようなシーケンス制御のもとで射出成形し、サンドイッチ成形体(物性測定試験片、長さ127mm×幅35mm×厚み12mm)を作成した。このサンドイッチ成形は、一次材がスキン層を形成し、二次材がコア部を形成するように射出成形されたものであり、スキン層の平均厚みは2mm、コア部の平均厚みは8mmであった。スキン層に含有するガラス繊維の平均繊維長は、300μmであり、コア部に含有するガラス繊維の平均繊維長は2.5mmであった。その評価結果を表4に示す。
【0112】
【表4】

【0113】
<実施例2〜24、比較例1〜15>
一次材および二次材として、表4、表5および表6に示すようにペレットの種類を変更した以外は、実施例1と同様の方法により試験片を作成し、各種評価試験を行った。評価結果を表4、表5および表6に示す。
【0114】
【表5】

【0115】
【表6】

【0116】
実施例1〜24から明らかなように、本発明のサンドイッチ成形体は、常温および高温環境下での曲げ強さに優れていた。
【0117】
実施例20と21のサンドイッチ成形体は、一次材(スキン層)比率が好ましい範囲から外れていたため、常温および高温環境下での曲げ強さにおいて、改善の余地を残す結果となった。
【0118】
比較例1のサンドイッチ成形体は、スキン層に1分子にグリシジル基を2個有するエポキシ化合物が用いられていたため、高温環境下での曲げ強さに劣るものとなった。
【0119】
比較例2のサンドイッチ成形体は、スキン層に配合される1分子グリシジル基を3個有するエポキシ化合物が過多であったために、高温での曲げ強さに劣るものとなった。
【0120】
比較例3のサンドイッチ成形体は、スキン層に配合される1分子グリシジル基を3個有するエポキシ化合物が過少だったために、常温での曲げ強さに劣るものとなった。
【0121】
比較例4のサンドイッチ成形体は、スキン層におけるポリアミド樹脂、エポキシ化合物、ガラス繊維を含有する樹脂組成物の溶融粘度が過大であったため、常温および高温環境下での曲げ強さに劣るものとなった。
【0122】
比較例5のサンドイッチ成形体は、スキン層におけるポリアミド樹脂、エポキシ化合物、ガラス繊維を含有する樹脂組成物の溶融粘度が過小であったため、常温での曲げ強さに劣るものとなった。
【0123】
比較例6のサンドイッチ成形体は、スキン層に配合されるガラス繊維が過多であったために、常温および高温環境下での曲げ強さに劣るものとなった。
【0124】
比較例7のサンドイッチ成形体は、スキン層に配合されるガラス繊維が過少であったために、常温および高温環境下での曲げ強さに劣るものとなった。
【0125】
比較例8のサンドイッチ成形体は、コア部のポリアミド樹脂のガラス繊維が過少であったために、常温および高温環境下での曲げ強さに劣るものとなった。
【0126】
比較例9のサンドイッチ成形体は、コア部のガラス繊維の平均繊維長が過小であったため、高温環境下での曲げ強さが低下していた。
【0127】
比較例10のサンドイッチ成形体は、一次材(スキン層)のみで成形されていたため、高温環境下での曲げ強さに劣るものとなった。
【0128】
比較例11のサンドイッチ成形体は、二次材(コア部)のみで形成されていたため、常温環境下での曲げ強さに劣るものとなった。
【0129】
比較例12のサンドイッチ成形体は、スキン層のガラス繊維の平均繊維長が過小であったため、常温および高温環境下での曲げ強さが低下していた。
【0130】
比較例13のサンドイッチ成形体は、スキン層のガラス繊維の平均繊維長が過大であったため、常温での曲げ強さが低下していた。
【0131】
比較例14のサンドイッチ成形体は、二次材の計量速度と射出速度を実施例1の30%設定としたため、コア部のガラス繊維の平均繊維長が過大となった。その結果、常温および高温環境下での曲げ強さが低下していた。
【0132】
比較例15のサンドイッチ成形体は、エポキシ化合物以外の反応性化合物を用いたため常温および高温環境下での曲げ強さが低下していた。
【符号の説明】
【0133】
1:スキン層
2:コア部
3:成形時の樹脂の流れ方向
4:成形時の樹脂の流れ方向における端面
5:断面積
6:中心線
7:中心線の長さ
8:厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア部の表面にスキン層が形成された構造を有し、かつコア部がスキン層によって挟持されてなり、以下の(I)〜(VI)を同時に満足することを特徴とするサンドイッチ成形体。
(I)スキン層が、ポリアミド樹脂(a)、1分子中に3個のグリシジル基を有するエポキシ化合物(c)、および平均繊維長が100〜500μmであるガラス繊維(x)を含有する。
(II)スキン層におけるエポキシ化合物(c)の含有量が、ポリアミド樹脂(a)100質量部に対し0.2〜2質量部である。
(III)スキン層における、ポリアミド樹脂(a)、エポキシ化合物(c)およびガラス繊維(x)を含有させた樹脂組成物の、(ポリアミド樹脂の融点+30)℃およびせん断速度1000s−1で測定された溶融粘度ηaが、300〜2000Pa・sである。
(IV)スキン層におけるポリアミド樹脂(a)およびエポキシ化合物(c)の合計と、ガラス繊維(x)との混合比率{(a+c)/x)}が、質量比で、40/60〜70/30である。
(V)コア部が、ポリアミド樹脂(b)と、平均繊維長が0.5〜5mmであって、且つガラス繊維(x)の平均繊維長より長いガラス繊維(y)を含有する。
(VI)コア部におけるポリアミド樹脂(b)とガラス繊維(y)との混合比率(b/y)が、質量比で、30/70〜60/40である。
【請求項2】
スキン層の体積比率が、全体の40〜70%であることを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチ成形体。
【請求項3】
エポキシ化合物(c)が、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、およびトリフェノールメタントリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物と、トリグリシジルイソシアヌレートとからなる混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のサンドイッチ成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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