説明

サンプリング装置

【課題】ニードルにより試料の吸引と注入を行なうサンプリング装置において、装置の機構の複雑化やコストの増大化を抑えながら気泡によるサンプリング量への影響を小さくする。
【解決手段】シリンジポンプ2の出入口流路3は三方マニホルド4によってサンプリング流路6及びリンス液流路12に接続されている。リンス液流路12上には電磁弁14が設けられている。ニードル8先端から試料吸引を行なう際は電磁弁14が閉じてシリンジポンプ2に接続されている流路がサンプリング流路6のみとなり、シリンジポンプ2の吸引動作によってニードル8先端から試料が効率的に吸引される。シリンジポンプ2内にリンス液を吸引する際はニードル8が閉鎖ポート21に挿入されてニードル8先端が閉鎖され、シリンジポンプ2に接続されている流路がリンス液流路12のみとなり、シリンジポンプ2の吸引動作によってシリンジポンプ2内にリンス液が吸引される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニードル先端から試料を吸引し、吸引した試料を例えば液体クロマトグラフの分析流路に注入するためのサンプリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図10に従来のサンプリング装置の一例を液体クロマトグラフとともに示す。
シリンジポンプ2の出入口に接続された出入口流路3が三方弁42の共通のポートに接続されている。三方弁42の選択される2つのポートには、試料容器16から試料の吸引を行なうためのニードル8を先端部に備えたサンプリング流路6とリンス液容器18からリンス液を吸引するためのリンス液流路12とが接続されている。三方弁42では、出入口流路3が接続された共通のポートをサンプリング流路6又はリンス液流路12のいずれかが接続されたポートに切り換えて接続することができる。
【0003】
ニードル8は駆動機構(図示は省略)によって水平方向及び垂直方向へ移動することができる。試料吸引時は、ニードル8が試料容器16の位置に移動し、シリンジポンプ2とサンプリング流路6とが接続された状態でプランジャ2aが吸引側(図において下側)へ駆動されることで、試料がニードル8の先端から吸引され、サンプルループ10に滞留する。サンプルループ10に滞留した試料はニードル8によって注入ポート20に注入される。
【0004】
注入ポート20は注入流路22を介して六方バルブ24の1つのポートに接続されている。六方バルブ24の他のポートには、試料滞留流路26の両端、ドレイン流路30、移動相送液流路32及び検出流路33が接続されている。六方バルブ24により、注入流路22−試料滞留流路26−ドレイン流路30が接続されると同時に移動相送液流路32−検出流路33が接続された状態、又は注入流路22−ドレイン流路30が接続されると同時に移動相送液流路32−試料滞留流路26−検出流路33が接続された状態のいずれかに切り換えられる。
【0005】
ニードル8から注入ポート20への試料注入時は注入流路22−試料滞留流路26−ドレイン30が接続された状態にされ、これによってサンプルループ28に試料が滞留する。試料を滞留させたサンプルループ28は六方バルブ24の切換えによって移動相送液流路32の下流側に接続され、送液ポンプ34によって送液される移動相により分析カラム38へ搬送される。分析カラム38に搬送された試料は成分ごとに分離され、分離された各成分が検出器40で検出される。
【0006】
サンプリング流路6は注入ポート20への試料注入後にリンス液によって洗浄される。洗浄は、シリンジポンプ2をリンス液流路12に接続してシリンジポンプ2内にリンス液を吸引した後、三方弁42を切り換えてシリンジポンプ2をサンプリング流路6に接続し、シリンジポンプ2を吐出側へ駆動する。このとき、ニードル8の先端は注入ポート20に挿入されており、注入流路22はドレイン流路30に接続されている。サンプリング流路6及び注入流路22内に残存している試料はリンス液によってドレイン流路30から排出され、サンプリング流路6及び注入流路22内がリンス液によって置換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−128057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の例では、シリンジポンプ2をサンプリング流路6に接続するかリンス液流路12に接続するかを三方弁42で切り換える。三方弁42は単純な電磁的制御で3つの流路接続の切換えを可能にするため、内部の流路構造は複雑である(例えば、特許文献1参照。)。内部の流路構造が複雑なため、三方弁42内に空気溜まりができやすく、その空気溜まりをリンス液で完全に置換することは困難である。
【0009】
液体クロマトグラフの分析流路への試料注入においては、シリンジポンプ2のプランジャ2aの移動量をステッピングモータ等によって高精度に制御することで注入ポート20への試料の注入量を正確に制御する。しかし、三方弁42内にできた空気溜まりの気泡が試料注入時にニードル8側へ押し出されると、その気泡の分だけニードル8から吐出される試料が減少し、液体クロマトグラフの分析結果に影響を与える。
【0010】
そこで、三方弁42よりも構造が単純で内部流路内に気泡が溜まりにくいロータリー式バルブを三方弁42の代わりに組み込む方法も考えられる。しかし、ロータリー式バルブはロータを回転駆動する機構が必要である上、ロータの回転角度を正確に制御する必要がある。そのため、三方弁42よりも機構が複雑で大掛かりなものとなり、装置全体の大きさが大きくなり、コストも増大してしまう。
【0011】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、ニードルにより試料の吸引と注入を行なうサンプリング装置において、装置の機構の複雑化やコストの増大化を抑えながら気泡によるサンプリング量への影響を小さくすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のサンプリング装置は、シリンジポンプと、一端に先端から試料の吸引又は吐出を行なうためのニードルを備えたサンプリング流路と、リンス液を送液するためのリンス液流路と、シリンジポンプの出入口に繋がる流路にサンプリング流路とリンス液流路とを接続する三方マニホルドと、リンス液流路上に設けられて該リンス液流路の開閉を行なうための開閉弁と、ニードル先端を挿入して試料を注入するための注入ポートと、ニードル先端を挿入することによりニードル先端を閉鎖することができる閉鎖ポートと、ニードル先端を挿入して廃液を排出するための排出ポートと、ニードルを、試料吸入用位置、注入ポートの位置、閉鎖ポートの位置、及び排出ポートの位置のいずれかへ移動させることができるニードル駆動機構と、シリンジポンプ、開閉弁及びニードル駆動機構を制御する制御部と、を備えている。
【0013】
上記制御部は、シリンジポンプ、開閉弁及びニードル駆動機構を制御することにより、ニードルを試料吸引用位置へ移動させ、開閉弁を閉じた状態でシリンジポンプを吸引駆動することにより試料をニードル先端から吸引する試料吸引工程、試料を吸引した後のニードルを注入ポートの位置へ移動させ、開閉弁を閉じた状態でシリンジポンプを吐出駆動することにより吸引した試料を注入ポートへ注入する注入工程、ニードルを閉鎖ポートの位置へ移動させてニードル先端を閉鎖し、開閉弁を開いた状態でシリンジポンプを吸引駆動することによりリンス液をシリンジポンプ内に吸引するリンス液吸引工程、及びシリンジポンプ内にリンス液を吸引した後、ニードルを排出ポートの位置へ移動させ、開閉弁を閉じた状態でシリンジポンプを吐出駆動することによりシリンジポンプ内のリンス液を排出ポートへ排出する排出工程を実行するものである。
【0014】
三方マニホルドとは、シリンジポンプの出入口に繋がる流路、サンプリング流路及びリンス液流路の3つの流路を単に合流させるだけの構造のものである。本発明では、試料を吸引する際や試料を注入ポートへ注入する際は、リンス液流路の開閉弁を閉じることでシリンジポンプに接続される流路を実質的にサンプリング流路に限定する。逆に、シリンジポンプ内にリンス液を吸引する際はニードル先端を閉鎖ポートに挿入することでニードル先端を閉鎖し、シリンジポンプに接続される流路を実質的にリンス液流路に限定する。したがって、三方弁やロータリー式バルブのような切換え機構を用いることなく、開閉弁や閉鎖ポートとの組み合わせによってシリンジポンプの出入口への流路の選択的接続を実現している。開閉弁と閉鎖ポートを追加する必要があるが、開閉弁は三方弁よりも内部の流路構造が単純であるために内部に気泡が溜まりにくく、三方弁に比べて安価である。閉鎖ポートはニードル先端を密閉空間に挿入するだけの構造であればよいため、広いスペースも必要なく、安価に設けることができる。
【0015】
注入ポート及び排出ポートを同一のポートとし、そのポートをサンプルループに接続した状態又はドレインに接続した状態のいずれかの状態に切り換える切換バルブをさらに設け、ポートをサンプルループに接続すれば注入ポートとなり、ドレインに接続すれば排出ポートとなるようにしてもよい。そうすれば、注入ポートと排出ポートを別々に設ける場合よりも省スペース化を図ることができる。
【0016】
さらには、閉鎖ポートも注入ポート及び排出ポートと同一のポートとし、切換バルブをそのポートをどこにも接続しない状態にもすることができるものとし、そのポートを切換バルブによってどこにも接続されていない状態にすることで閉鎖ポートとなるようにしてもよい。そうすれば、新たに閉鎖ポートを設けることなく注入ポート、閉鎖ポート及び排出ポートを全て1つのポートで実現することができ、さらなる省スペース化を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るサンプリング装置は、三方弁やロータリー式バルブのような切換え機構を用いることなく、開閉弁や閉鎖ポートとの組み合わせによってシリンジポンプの出入口への流路の選択的接続を実現しているので、シリンジポンプからニードルまでの間において三方弁のような複雑な流路構成を有する機構がなくなり、この区間において気泡が溜まりにくくなる。これにより、ニードルから注入ポートへの試料注入時に気泡の影響を受けにくくなり、注入ポートへの試料注入量の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施例のサンプリング装置を液体クロマトグラフとともに示す流路構成図である。
【図2】同実施例の三方マニホルド、電磁弁及びその周辺の流路を示す断面図であり、(A)は電磁弁が開いた状態、(B)は電磁弁が閉じた状態である。
【図3】同実施例の各部の駆動の制御系統を示すブロック図である。
【図4】同実施例の試料吸引時の状態を示す流路構成図である。
【図5】同実施例の試料注入時の状態を示す流路構成図である。
【図6】同実施例のリンス液吸引時及び液体クロマトグラフでの試料分析時の状態を示す流路構成図である。
【図7】同実施例のリンス液排出時の状態を示す流路構成図である。
【図8】サンプリング装置の他の実施例におけるリンス液吸引時の状態の流路構成図である。
【図9】同実施例のリンス液排出時の状態を示す流路構成図である。
【図10】従来のサンプリング装置の一例を液体クロマトグラフとともに示す流路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、液体クロマトグラフの分析流路に試料を導入するためのサンプリング装置の一実施例について図1から図3を参照しながら説明する。
プランジャ2aを内部で摺動させることによって液体の吸引と吐出を行なうシリンジポンプ2が設けられている。プランジャ2aはステッピングモータ48やステッピングモータ48の回転によりプランジャ2aを一定方向に移動させるカム機構(図示は省略)によって駆動される。ステッピングモータ48は制御部44によって回転速度や回転数が制御される。シリンジポンプ2の出入口には出入口流路3が接続されており、出入口流路3の他端は三方マニホルド4に接続されている。
【0020】
三方マニホルド4は3つの流路を接続するための接続部と、それらの接続部に接続された流路を内部において合流させる流路4aを備えている。三方マニホルド4の各接続部には出入口流路3のほか、サンプリング流路6の一端及びリンス液流路12の一端が接続されている。
【0021】
サンプリング流路6の他端には試料の吸引と吐出を行なうためのニードル8が設けられている。サンプリング流路6上には、ニードル8先端から吸引した試料を滞留させるためのサンプルループ10も設けられている。ニードル8はニードル駆動機構46によって水平方向及び垂直方向へ移動することができる。ニードル駆動機構46のニードル駆動動作は制御部44によって制御されている。
【0022】
リンス液流路12の他端はリンス液容器18内に挿入されている。リンス液流路12は電磁弁(開閉弁)14に接続された2つの流路12a、12bからなる。流路12aは電磁弁14からリンス液容器18までの流路であり、流路12bは電磁弁14と三方マニホルド4の間の流路である。電磁弁14は、接続された2つの流路12aと12bを接続する流路14aを内部に備え、流路14aをプランジャ14bの一部で閉鎖することにより両流路12aと12bの接続を遮断するものである。プランジャ14bは弾性体(図示は省略)によって上方向に付勢されており(図2(A)参照)、プランジャ14の周囲に設けられたコイル(図示は省略)の発生させる磁場によって下降して流路14aを閉鎖する(図2(B)参照)ように構成されている。コイルは電源回路50からの電圧印加によって磁場を発生させ、電源回路50からの電圧印加動作は制御部44によって制御されている。
【0023】
ニードル8により吸引した試料を液体クロマトグラフの分析流路に導入するために、ニードル8を挿入してその先端から試料を注入するための注入ポート20が設けられている。また、注入ポート20とは別に、ニードル8の先端を挿入してその先端部を閉鎖するための閉鎖ポート21が設けられている。注入ポート20には注入流路22の一端が接続されており、閉鎖ポート21はいずれの流路も接続されていない。注入流路22の他端は六方バルブ24の1つのポートに接続されている。
【0024】
六方バルブ24の各ポートには、注入流路22のほか、試料滞留流路26の両端、ドレイン流路30、移動相送液流路32及び検出流路33が接続されている。試料滞留流路26は試料を滞留させるためのサンプルループ28を備えている。移動相送液流路32は送液ポンプ34によって移動相容器36から移動相を送液する流路である。検出流路33は試料を成分ごとに分離するための分離カラム及び分離された各成分を検出するための検出器40を備え、移動相によって搬送された試料の分離と検出を行なうための流路である。移動相送液流路32と検出流路33は液体クロマトグラフの分析流路を構成する。なお、この実施例では、分析流路中で流通させる移動相として移動相容器36に収容された1種類の液体のみを用いているが、2種類以上の液体の混合液を分析流路中で流通させるようになっていてもよく、その混合液の組成が時間とともに変化するグラジエント方式のものであってもよい。
【0025】
六方バルブ24はロータを一定角度(例えば60度)回転させることにより隣接ポート間の接続を切り換えるロータリー式バルブである。ロータは制御部44によって制御される六方バルブ駆動機構52により駆動される。六方バルブ24の切換えにより、注入流路22−試料滞留流路26−ドレイン流路30が接続されると同時に移動相送液流路32−検出流路33が接続された状態、又は注入流路22−ドレイン流路30を接続されると同時に移動相送液流路32−試料滞留流路26−検出流路33が接続された状態となる。
【0026】
同実施例のサンプリング装置による液体クロマトグラフの分析流路への試料導入動作について図4〜図7を参照しながら説明する。なお、図4〜図7において太線で示されている流路はその工程において流体が流れる流路である。
まず、ニードル8の先端から試料の吸引を行なう。図4に示されているように、ニードル8を試料容器16の位置へ移動させてその先端部を試料容器16内に挿入させる。電磁弁14が閉じた状態でプランジャ2aを吸引側(図において下側)へ駆動し、ニードル8の先端から試料を吸引してサンプルループ10に試料を滞留させる。
【0027】
試料吸引後、図5に示されているように、ニードル8を試料容器16外へ上昇させ、注入ポート20の位置へ移動させて先端を注入ポート20に挿入する。注入流路22−試料滞留流路26−ドレイン流路30を接続するように六方バルブ24を切り換える。電磁弁14を閉じた状態でプランジャ2aを吐出側(図において上側)へ所定の距離だけ駆動して注入ポート20に試料を注入する。注入ポート20に注入された試料は注入流路22を通って試料滞留流路26及びサンプルループ28に滞留する。
【0028】
試料滞留流路26及びサンプルループ28に試料を滞留させた後、図6に示されているように、移動相送液流路32−試料滞留流路26−検出流路33を接続するように六方バルブ24を切り換える。試料滞留流路26及びサンプルループ28に滞留した試料は、送液ポンプ34により送液される移動相とともに検出流路33へ搬送され、分離カラム38で成分ごとに分離され、分離された各成分が検出器40で検出される。試料の注入を終えたニードル8を閉鎖ポート21に挿入してニードル8の先端部を閉鎖し、サンプリング流路6を密閉系とする。電磁弁14を開いた状態でプランジャ2aを吸引側(図において下側)へ駆動し、シリンジポンプ2内にリンス液18を吸引する。
【0029】
シリンジポンプ2内にリンス液を吸引した後、図7に示されているように、ニードル8を再び注入ポート20の位置へ移動させる。六方バルブ24を注入流路22とドレイン流路30とを接続した状態にし、電磁弁14を閉じた状態でプランジャ2aを吐出側(図において上側)へ駆動してリンス液を注入ポート20に注入する。サンプリング流路6及び注入流路22内に残存していた試料はドレイン流路30から排出され、サンプリング流路6及び注入流路22内がリンス液で置換される。
なお、この実施例では、リンス液を排出するための排出ポートとしてドレイン流路30に接続された注入ポート20を用いているが、注入ポート20とは別に排出ポートを別途設けてそこにリンス液を排出するようにしてもよい。
【0030】
なお、シリンジポンプ2内にリンス液を効率よく吸引するためには、サンプリング流路6を閉じておく必要がある。サンプリング流路6を閉じる方法としては閉鎖ポート21を使用しない方法であってもよい。例えば、図8に示されているように、シリンジポンプ2内にリンス液を吸引する際に、六方バルブ24の注入流路22が接続されているポートが他のいずれのポートに接続されない状態になるように、ロータを通常の接続切換え時の角度(例えば60度)とは異なる角度(例えば30度)だけ回転させるようにしてもよい。そうすれば、六方バルブ24のポートに接続された注入流路22の端部が密閉され、注入ポート20は閉鎖ポート21と実質的に同じ状態となる。この状態で注入ポート22にニードル8先端を挿入することでサンプリング流路6を密閉系にすることができる。この例でも、シリンジポンプ2内に吸引したリンス液は、注入流路22がドレイン流路30に接続されるように六方バルブ24を切り換えて注入ポート20に注入することにより、ドレイン流路30から排出する。
【符号の説明】
【0031】
2 シリンジポンプ
2a プランジャ
3 出入口流路
4 三方マニホルド
6 サンプリング流路
8 ニードル
10,28 サンプルループ
12 リンス液流路
14 電磁弁
16 試料容器
18 リンス液容器
20 注入ポート
21 閉鎖ポート
22 注入流路
24 六方バルブ
26 試料滞留流路
30 ドレイン流路
32 移動相送液流路
33 検出流路
34 送液ポンプ
36 移動相容器
38 分離カラム
40 検出器
44 制御部
46 ニードル駆動機構
48 ステッピングモータ
50 電源回路
52 六方バルブ駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジポンプと、
一端に先端から試料の吸引又は吐出を行なうためのニードルを備えたサンプリング流路と、
リンス液を送液するためのリンス液流路と、
前記シリンジポンプの出入口に繋がる流路に前記サンプリング流路とリンス液流路とを接続する三方マニホルドと、
前記リンス液流路上に設けられて該リンス液流路の開閉を行なうための開閉弁と、
前記ニードル先端を挿入して試料を注入するための注入ポートと、
前記ニードル先端を挿入することにより前記ニードル先端を閉鎖することができる閉鎖ポートと、
前記ニードル先端を挿入して廃液を排出するための排出ポートと、
前記ニードルを、試料吸入用位置、注入ポートの位置、閉鎖ポートの位置、及び排出ポートの位置のいずれかへ移動させることができるニードル駆動機構と、
前記ニードルを試料吸引用位置へ移動させ、開閉弁を閉じた状態でシリンジポンプを吸引駆動することにより試料をニードル先端から吸引する試料吸引工程、試料を吸引した後のニードルを注入ポートの位置へ移動させ、開閉弁を閉じた状態でシリンジポンプを吐出駆動することにより吸引した試料を注入ポートへ注入する注入工程、ニードルを閉鎖ポートの位置へ移動させてニードル先端を閉鎖し、開閉弁を開いた状態でシリンジポンプを吸引駆動することによりリンス液をシリンジポンプ内に吸引するリンス液吸引工程、及びシリンジポンプ内にリンス液を吸引した後、ニードルを排出ポートの位置へ移動させ、開閉弁を閉じた状態でシリンジポンプを吐出駆動することによりシリンジポンプ内のリンス液を排出ポートへ排出する排出工程をシリンジポンプ、開閉弁及びニードル駆動機構を制御することにより実行する制御部と、を備えたサンプリング装置。
【請求項2】
前記注入ポート及び排出ポートは同一のポートであり、そのポートを試料を滞留させるサンプルループに接続した状態又はドレインに接続した状態のいずれかの状態に切り換える切換バルブをさらに備え、
前記切換バルブによって前記サンプルループに接続された前記ポートが注入ポートを構成し、前記切換バルブによってドレインに接続された前記ポートが排出ポートを構成する請求項1に記載のサンプリング装置。
【請求項3】
前記閉鎖ポートも前記注入ポート及び排出ポートと同一のポートによって構成され、前記切換バルブはそのポートをどこにも接続しない状態にもすることができるものであり、
前記切換バルブによってどこにも接続されていない状態の前記ポートが閉鎖ポートを構成する請求項2に記載のサンプリング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−209252(P2011−209252A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80048(P2010−80048)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)