説明

サーキュレーターシステム

【課題】温室内で使用される散水装置や暖房機器でつくりだされる高温多湿状態、温度格差、送風機器の能力不足による空気の滞りで発生する結露や水滴を防止、除去、又温度格差による暖房機器の不効率運転を制御する。
【解決手段】温室内の天井付近にサーキュレーター1を設置、該サーキュレーターに風の直進性を持たせるため増速ダクト11を取り付け、空気の対流を発生させ暖房機器2等による暖房で発生する温度格差、空気の滞りを解消し、空気の対流により結露、水滴が除去され、結果として温度格差を解消すると暖房機器の余分な運転を制御することが出来る。それには、温室内の機器を温度センサー3などで一括システム化することでより安定した制御が可能になるシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を温室内で栽培、発芽させる時期においてとられている方法の加温と散水をサーキュレーターを使用しコントロールするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
植物の栽培、発芽は水、空気(温度)、光、栄養が必要不可欠となり、とりわけ空気温度に関しては農地への移殖の時期を管理する上で重要な位置をしめており。そこで温室においては、温室内での散水が散水装置により、空気温度調整が暖房機器を使用し、又送風、換気に換気扇も使用している。
そして、従来の温室の制御システムは、特開平05−344828 特開平05−296493 特開2000−199498 を記載。
【0003】
【特許文献1】特開平05−344828
【特許文献2】特開平05−296493
【特許文献3】特開2000−199498
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
温室内で行う散水により温室内における湿度が上昇するとともに、暖房機器の併用により温室内の上部及び下部の温度差が拡大し、温室内の空気の滞りが発生し、また暖房機による温室内の上部温度及び下部温度の温度差は不効率な燃焼になる。温室内と外気温度の温度差に起因し結露や水滴などを発生させ、これらを原因とする植物の病気の発生及び水滴による種子床に穴をあけるなどの影響を与える原因となる。そこで、これらを効率的に制御するためのシステムを開発する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、必要不可欠な機器としてサーキュレーターを設置し、これに暖房機器と連動させて、効率化をはかるものである。
【0006】
そこで、温室内において、送風の為にサーキュレーターを天井付近に設置し、該サーキュレーターで起こされる風に直進性を持たせる為に増速ダクトを直列に取り付ける。その事により到達距離、風の直進性が増幅される。
【0007】
温室内に起こる温室上部と温室下部との温度差の解消及び温室内に起こる温室内の高湿度状態に起因する結露の発生を防止し、又これら温室内で起こる温室内の高温多湿、水滴、水溜り等に起因する生産物の病気発生を抑制する為、サーキュレーター及び温度センサー乾湿センサーを使用しコントロールを行うサーキュレーターシステム。
【0008】
温室内において、設定しようとする温度に設定する為使用する暖房機器とサーキュレーターと散水装置とが連動し稼動するシステムを統合して行うコントロールサーキュレーターシステム。
【発明の効果】
【0009】
以上の様に、温室内に増速ダクト付設のサーキュレーターを設置することで風の直進性と到達距離を増幅でき、安定した空気の循環が可能となる。そのことで、結露、水滴を除去することが可能となる。又短時間での換気作業が可能になり、更に必要不可欠な暖房機器を連動しシステム化することによっての自動化、省エネ化が可能になる。
【0010】
又、結露、水滴、水溜りによる生産物への影響も軽減でき、安定した植物栽培、発芽が得られることで、農地への移殖時期の管理もしやすくできる。
【発明を実施させるための形態】
【0011】
図1は、サーキュレーターの設置箇所を示す。温室A内、床A1に暖房機器2を一方壁へ寄せて設置し、サーキュレーター1を天井A2付近に設置し、該サーキュレーターで起こされる風に直進性を持たせるために増速ダクト11を直列後方に取り付ける。サーキュレーターの設置は、温室長さLの暖房機器2寄りのL/3位置とする。
【0012】
サーキュレーター1より送り出された風は増速ダクト11で増速されて、温室内天井付近を流れ、温室奥の壁にぶつかり、風の抵抗のない床A1面付近を流れ暖房機器2付近へ戻り、該暖房機器で温められ、この暖められた空気が上昇しサーキュレーターに吸い込まれる。
【0013】
このように、自然と空気の対流が出来、空気の滞りも解消される。さらに、暖房機器で暖められて乾燥した空気が対流させられる為、温室内の結露、水滴を除去することも出来、植物の病気の発生、種子への影響も軽減する事も可能になる。
【0014】
さらに、図2で示されるように、サーキュレーター1を効率良く稼動させる為に、暖房機器との連動をし、温室A中央に配置した暖房機器2に内蔵された温度センサー3による温度感知で自動制御を行なうようシステム化する。
【0015】
又、図3で示すように、暖房機器2に内蔵された温度センサー3により暖房機器の燃焼が始まるとサーキュレーター1が始動する。それと同時に、温室A内設置された散水装置4のON、OFFの稼動が乾湿センサー41で稼動する。そこで、暖房機器2により温室A内の温度上昇が始まる。その際、サーキュレーター1による図4で示す空気対流で従来よりも短時間で温室温を上げることが可能となる。
【0016】
温室温度が設定温度まで上昇すると、暖房機器2の燃焼が停止するが暖房機器2の送風機は一定時間稼動。サーキュレーター1及び散水装置4も引き続き稼動。そして一定時間後に暖房機器2の送風機が停止される。
【0017】
サーキュレーター1及び散水装置4は、コントロールボックス5内タイマーの設定時間後に停止をする。
【0018】
以上の工程を温度センサーとコントロールボックス5において繰り返し管理をするシステム。その事により自動運転が可能になる。また、暖房機器にセンサーが内蔵されていない場合は任意の位置にセンサーを設置しコントロールボックス5内への接続が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】サーキュレーター設置位置図
【図2】自動システム連結図
【図3】各機器配置
【図4】空気循環図
【符号の説明】
【0020】
1 サーキュレーター本体
2 暖房機器
3 温度センサー
4 散水装置
5 自動制御コントロールボックス
11 増速ダクト
41 乾湿センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室内床上に暖房機器を一方壁に寄せて設置し、天井付近にサーキュレーターを設置し、該サーキュレーターで起こされる風に直進性を持たせるため、増速ダクトを直列後方に設置するとともに、サーキュレーターを暖房機器寄りの温室長さ1/3付近に設置。温室内に起こる温室上部と温室下部との温度差の解消、及び温室内に起こる温室内の高湿度状態に起因する結露の発生を防止し、又これら温室内で起こる高温多湿、水滴、水溜り等に起因する生産物の病気発生を抑制するため、サーキュレーター及び温度センサー、乾湿センサーを使用し、コントロールを行うサーキュレーターシステム。
【請求項2】
請求項1記載のサーキュレーターシステムにおいて、コントロールボックスが設置され、この制御で暖房機器に内蔵された温度センサーにより暖房機器の燃焼が始まるとサーキュレーターが始動し、温室内中央に設置された乾湿センサーと温度センサーとによる感知で温室内に設置の散水装置のON、OFFの稼動がされ、サーキュレーター及び散水装置はコントロールボックス内のタイマーの設定時間で停止するように制御される。暖房機器とサーキュレーター、散水装置とが連動し稼動するシステムを統括して行うコントロールシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate