説明

サーバーキャビネット及びサーバーシステム

【課題】本発明は、サーバーキャビネット及びサーバーシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のサーバーキャビネットは、対向する2つの側板及び側板に固定される複数の支持構造を備え、各々の側板には、複数の支持構造が枢着され、複数の支持構造は少なくとも1つのサーバーを支持するために用いられ、サーバーは、支持構造に係合する2つの側面を備え、各々の側面には、支持構造と係合するスライドレールが外に向かって延在され、支持構造は、支持部及びトーションバネを備え、支持部は、サーバーのスライドレールを挿入させるスライドスロット及び他の側板に対面する当接面を備え、トーションバネは、弾性力を付与して、支持部の当接面がサーバーの側面に当接するようにする。本発明のサーバーシステムは、前記サーバーキャビネット及び前記サーバーキャビネットに装着されるサーバーを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバーキャビネット及びこのサーバーキャビネットを有するサーバーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報技術の発展に伴って、データを貯蓄及び演算するために、各種のデータセンターを設立した。複数のサーバーを1つのサーバーキャビネットに装着すると、空間を節約するばかりでなく、容易に管理することができ、複数のサーバーが協働して作動するため、大量の演算処理を実行することができる。従って、サーバーキャビネットは、データセンターを設立する時に広く使用される。
【0003】
従来のサーバーキャビネットは、互いに対向して設置される底板及び頂板と、前記頂板と前記底板との間に接続される2つの対向する側板と、を備える。前記側板には、複数の水平支持構造が前記側板の縦方向に沿って互いに離間して設置されており、前記サーバーキャビネットに装着する複数のサーバーを支持するために用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記水平支持構造は、ただサーバーを支持するのみであるので、もしサーバーとサーバーキャビネットとの間に隙間があると、サーバーは振動によって前記水平支持構造に対して移動する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、前記課題を解決し、サーバーが支持構造に対して移動することを防止するサーバーキャビネット及びサーバーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るサーバーキャビネットは、対向する2つの側板及び前記側板に固定される複数の支持構造を備え、各々の前記側板には、複数の支持構造が枢着され、複数の前記支持構造は少なくとも1つのサーバーを支持するために用いられ、前記サーバーは、前記支持構造に係合する2つの側面を備え、各々の前記側面には、前記支持構造と係合するスライドレールが外に向かって延在され、前記支持構造は、支持部及びトーションバネを備え、前記支持部は、前記スライドレールを挿入させるスライドスロット及び他方の側板に対面する当接面を備え、前記トーションバネは、弾性力を付与して、前記支持部の当接面が前記サーバーの側面に当接するようにする。
【0007】
本発明に係るサーバーシステムは、前記サーバーキャビネット及び前記サーバーキャビネットに装着される少なくとも1つのサーバーを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明のサーバーキャビネットの支持構造は、トーションバネを備え、前記トーションバネが付与する弾性力によって、前記支持構造の支持部の当接面がサーバーの側面に当接する状態を保持して、前記サーバーを固定して、前記サーバーが振動によって前記支持構造に対して移動することを免れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るサーバーシステムを示す図である。
【図2】図1に示すサーバーシステムのB−B方向に沿う部分断面図である。
【図3】図1に示すサーバーシステムのサーバーキャビネットの構造を示す図である。
【図4】図3に示すサーバーキャビネットに支持構造を取り付ける前の構造を示す図である。
【図5】図3に示すサーバーキャビネットの支持構造の分解図である。
【図6】図5に示す支持構造の支持部を別の視角から見た図である。
【図7】図3のA部の拡大図である。
【図8】図3のB部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1〜図3を参照すると、本発明の実施形態に係るサーバーシステム1は、サーバーキャビネット100及び前記サーバーキャビネット100に収容される複数のサーバー200を備える。
【0012】
前記サーバーキャビネット100は、底板10と、頂板20と、2つの対向する側板30と、2つの前記側板30に取り付けられる複数の支持構造40と、を備える。一方の側板30に取り付けられる支持構造40の形状は、他方の側板30に取り付けられる支持構造40の形状と対称である。前記サーバー200は、前記支持構造40に係合する2つの側面210を有する。前記側面210の頂端には、スライドレール220が外に向かって延在されており、このスライドレール220は、前記支持構造40と係合するために用いられる。前記側面210の頂端とは、前記側面210の前記頂板20に近い一端である。
【0013】
前記底板10及び前記頂板20は互いに対向して設置されており、前記サーバーキャビネット100を使用する場合、前記頂板20は前記底板10の上方に位置する。2つの前記側板30は、前記底板10と前記頂板20との間に接続される。前記サーバーキャビネット100は、2つの前記側板30の間に位置する挿入口101を有し、前記挿入口101から前記サーバー200を前記サーバーキャビネット100の内部に挿入する。本実施形態において、対向する2つの前記側板30は、互いに平行であり且つ前記頂板20及び前記底板10に直交する。
【0014】
図4を参照すると、前記側板30には、上下方向に沿って間隔をあけて配列された複数の凹部31が水平方向に間隔をあけて複数列配置されている。各々の前記凹部31は、1つの前記支持構造40を収容するために用いられる。本実施形態において、上下方向に配列された複数の凹部31は、水平方向に間隔をあけて3列配置されている。各列の複数の凹部31のうち上下方向で同じ位置にある、すなわち水平方向で対応する3つの前記凹部31に収容される3つの前記支持構造40は、1つの前記サーバー200の片側を支持するために用いられる。本実施形態において、前記凹部31は、前記側板30の内外表面を貫通する。他の実施形態において、前記側板30が厚い場合、前記凹部31は、前記側板30の外表面を貫通しなくてもよい。複数の凹部31は、上下方向に間隔をあけて配列されているが、上下方向以外の方向に間隔をあけて配列されてもよい。また、3列の複数の凹部31は、水平方向に間隔をあけて配置されているが、各列の複数の凹部31の配列方向である上下方向とは異なる方向であれば、水平方向以外の方向に間隔をあけて配置されてもよく、複数列配置されていれば、3列配置されていなくてもよい。
【0015】
図5〜図8を参照すると、前記支持構造40は、支持部41、トーションバネ42及び回転軸43を備える。
【0016】
前記支持部41は、前記側板30の凹部31に収容され、且つ前記回転軸43によって前記側板30に枢着する。前記支持部40は、前記挿入口101に対面するガイド面411と、前記頂板20に対面するスライドスロット412と、他方の前記側板30に対面する当接面413と、前記当接面413の対向する片側に位置する収容スロット414と、を備える。前記ガイド面411は、前記挿入口101に対面する斜面であり、前記サーバー200を前記サーバーキャビネット100に挿入する場合、前記サーバー200の挿入方向を制御するために用いられる。前記スライドスロット412は、前記サーバー200のスライドレール220と係合して前記サーバー200を支持するために用いられる。前記当接面413は、前記サーバー200に当接して、前記サーバー200を固定するものである。本実施形態において、前記支持部41には、軸孔415が前記回転軸43を囲むように設けられる。前記支持部41が回転する場合、前記当接面413は他方の前記側板30に近付く方向又は他方の前記側板30から離れる方向に向かって移動することができる。
【0017】
前記トーションバネ42は、前記回転軸43を囲むように設けられ且つ前記収容スロット414に収容される。前記トーションバネ42は、第一バネアーム421及び第二バネアーム422を備える。前記第一バネアーム421は、前記収容スロット414の底壁に当接し、前記第二バネアーム422は、前記側板30に当接する。前記トーションバネ42は、前記支持部41に弾性力を付与して、前記サーバー200を前記サーバーキャビネット100に装着する場合、前記支持部41の当接面413が前記サーバー200の側面210に当接するようにする。
【0018】
前記サーバー200を前記サーバーキャビネット100に装着する場合、前記サーバー200の先端は、先ず前記支持部41のガイド面411に接触して、前記支持部41を推進して回動させ、前記サーバー200のスライドレール220が前記支持部41のスライドスロット412に挿入し、前記サーバー200を前記サーバーキャビネット100に装着すると、前記トーションバネ42の弾性力によって、前記支持部41の当接面413が前記サーバー200の側面210に緊密に当接する。
【0019】
本発明のサーバーキャビネット100の支持構造40は、前記トーションバネ42を備え、前記トーションバネ42が付与する弾性力によって、前記支持部41の当接面413が前記サーバー200の側面210に当接する状態を保持して、前記サーバー200を固定して、前記サーバー200が振動によって前記支持構造40に対して移動することを防止する。
【0020】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0021】
1 サーバーシステム
10 底板
20 頂板
30 側板
31 凹部
40 支持構造
41 支持部
42 トーションバネ
43 回転軸
100 サーバーキャビネット
101 挿入口
200 サーバー
210 側面
220 スライドレール
411 ガイド面
412 スライドスロット
413 当接面
414 収容スロット
415 軸孔
421 第一バネアーム
422 第二バネアーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する2つの側板及び前記側板に固定される複数の支持構造を備えてなるサーバーキャビネットであって、
各々の前記側板には、複数の支持構造が枢着され、複数の前記支持構造は少なくとも1つのサーバーを支持するために用いられ、前記サーバーは、前記支持構造に係合する2つの側面を備え、各々の前記側面には、前記支持構造と係合するスライドレールが外に向かって延在され、
前記支持構造は、支持部及びトーションバネを備え、前記支持部は、前記スライドレールを挿入させるスライドスロット及び他方の側板に対面する当接面を備え、前記トーションバネは、弾性力を付与して、前記支持部の当接面が前記サーバーの側面に当接するようにすることを特徴とするサーバーキャビネット。
【請求項2】
前記側板には、一方向に沿って間隔をあけて配列された複数の凹部が前記一方向とは異なる他方向に間隔をあけて複数列配置されており、各々の前記凹部は、1つの前記支持構造を収容するために用いられ、各列において前記他方向で対応する複数の前記凹部に収容される複数の前記支持構造は、1つの前記サーバーの片側を支持するために用いられることを特徴とする請求項1に記載のサーバーキャビネット。
【請求項3】
前記支持部は、回転軸によって前記側板に枢着され、前記トーションバネは、前記回転軸を囲むように設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のサーバーキャビネット。
【請求項4】
前記支持部は、前記当接面に対向する収容スロットを備え、前記トーションバネは、前記収容スロットに収容され、前記トーションバネは、前記収容スロットの底壁に当接する第一バネアーム及び前記側板に当接する第二バネアームを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のサーバーキャビネット。
【請求項5】
前記サーバーキャビネットは、頂板をさらに備え、前記支持部の前記スライドスロットは、前記頂板に対面することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバーキャビネット。
【請求項6】
前記サーバーキャビネットは、2つの側板の間に位置する挿入口を備え、前記支持部は、前記挿入口に対面するガイド面を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバーキャビネット。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のサーバーキャビネット及び前記サーバーキャビネットに装着される少なくとも1つのサーバーを備えることを特徴とするサーバーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−243310(P2012−243310A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106589(P2012−106589)
【出願日】平成24年5月8日(2012.5.8)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)