説明

サーバー装置、情報処理端末、ゲームシステム、プログラム及び遊戯媒体

【課題】ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することのできるサーバー装置、情報処理端末、ゲームシステム、プログラム及び遊戯媒体を提供する。
【解決手段】本発明に係るサーバー装置は、遊戯者が実際の遊戯媒体を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムの進行を制御するサーバー制御部を備え、情報処理端末がネットワークを介して接続されるように構成され、前記サーバー制御部は、前記情報処理端末からの要求に応答して複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定し、前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成し、前記第一キャラクターのそれぞれが前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定し、前記判定処理による成否の組合せに応じて、作成された前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバー装置、情報処理端末、ゲームシステム、プログラム及び遊戯媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
遊戯者が実際の遊戯媒体(例えば、トレーディングカード)を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムが知られている。このゲームシステムは、実際の遊戯媒体が有する識別情報を読み取ることにより、実際の遊戯媒体に対応するキャラクターの画像をゲーム画面に表示させるものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−223419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなゲームシステムにおいて、ゲーム画面に表示されるキャラクターが実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かの情報が利用されておらず、ゲームの遊戯性に関して面白味に欠けるという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、かかる情報を有効利用し、ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することのできるサーバー装置、情報処理端末、ゲームシステム、プログラム及び遊戯媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
遊戯者が実際の遊戯媒体を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムの進行を制御するサーバー制御部を備え、情報処理端末がネットワークを介して接続されるように構成されたサーバー装置であって、
前記サーバー制御部は、
前記情報処理端末からの要求に応答して複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、
前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、
前記第一キャラクターのそれぞれが前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理による成否の組合せに応じて、作成された前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、
を実行することを特徴とするサーバー装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0006】
上述したように本発明に係るサーバー装置、情報処理端末、ゲームシステム、プログラム及び遊戯媒体は、ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明にかかるゲームシステム1のネットワーク構成図である。
【図2】サーバー装置10の機能上の構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理端末20の機能上の構成を示すブロック図である。
【図4】端末テーブルの構成例を示す図である。
【図5】ユーザーテーブルの構成例を示す図である。
【図6】キャラクターテーブルの構成例を示す図である。
【図7】馬ID設定情報を説明するための図である。
【図8】確率情報を説明するための図である。
【図9】トレーディングカードの構成を説明するための図である。図9Aは、トレーディングカードの表面を示した図である。図9Bは、トレーディングカードの裏面を示した図である。
【図10】サーバー装置10と情報処理端末20との間における処理ステップを示すフローチャートである。
【図11】実カードに対応付けられた競走馬の画像が情報処理端末20の表示部26に表示された状態を示す図である。
【図12】実カードに対応付けられた競走馬をゲーム内に登場させる処理を示すフローチャートである。
【図13】仔馬を作成する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
即ち、遊戯者が実際の遊戯媒体を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムの進行を制御するサーバー制御部を備え、情報処理端末がネットワークを介して接続されるように構成されたサーバー装置であって、
前記サーバー制御部は、
前記情報処理端末からの要求に応答して複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、
前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、
前記第一キャラクターのそれぞれが前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理による成否の組合せに応じて、作成された前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、
を実行することを特徴とするサーバー装置である。
このようなサーバー装置によれば、ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することのできるサーバー装置を提供することが可能となる。
【0009】
また、かかるサーバー装置であって、
前記サーバー制御部は、
前記判定処理による成否の組合せのそれぞれに対して設定された確率情報を参照し、前記確率情報に基づいて前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定することとしてもよい。
このようなサーバー装置によれば、遊戯者に期待感を抱かせることができるため、より面白味を付加することが可能となる。
【0010】
また、かかるサーバー装置であって、
前記判定処理の結果により否定された前記第一キャラクターは、ゲーム空間に出現する仮想の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであり、
前記確率情報は、
前記第一キャラクターの組合せが前記仮想の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターのみの組合せである場合の確率値よりも、前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターと前記仮想の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターとの組合せである場合の確率値の方が高くなるように設定されていることとしてもよい。
このようなサーバー装置によれば、実際の遊戯媒体の利用を促進させることができる。
【0011】
また、かかるサーバー装置であって、
前記サーバー制御部は、前記第一キャラクターの組合せが、前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターと前記仮想の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターとの組合せである場合には、ゲームシステムの進行において前記第二キャラクターが有利になるように当該第二キャラクターのキャラクター情報を設定することとしてもよい。
このようなサーバー装置によれば、実際の遊戯媒体の利用をさらに促進させることができる。
【0012】
また、遊戯者が実際の遊戯媒体を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムの進行を制御するコンピューターに、
遊戯者からの要求に応答して複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、
決定された前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、
決定された前記第一キャラクターのそれぞれが前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理による成否の組合せに応じて、作成された前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、
を実行させるためのプログラムである。
このようなプログラムによれば、ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することのできるプログラムを提供することが可能となる。
【0013】
また、遊戯者の操作する情報処理端末と、前記情報処理端末がネットワークを介して接続されるように構成されたサーバー装置とを有し、前記遊戯者が実際の遊戯媒体を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムであって、
前記情報処理端末は、
下記第二キャラクターの作成を要求する操作入力を受け付ける操作入力部と、ネットワークを介して前記要求を前記サーバー装置へ送信する端末通信部と、
を備え、
前記サーバー装置は、
前記情報処理端末からの前記要求を受信するサーバー通信部と、
前記情報処理端末からの前記要求に応答して、複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、決定された前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、決定された前記第一キャラクターのそれぞれが実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理の結果の組合せに応じて前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、を実行するサーバー制御部と、
を備えたことを特徴とするゲームシステムである。
このようなゲームシステムによれば、ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することのできるゲームシステムを提供することが可能となる。
【0014】
また、ネットワークを介してサーバー装置と通信可能に構成された情報処理端末であって、
第二キャラクターの作成を要求する操作入力を受け付ける操作入力部と、
ネットワークを介して前記要求を前記サーバー装置へ送信する端末通信部であって、
前記要求に応答して、複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、決定された前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、決定された前記第一キャラクターのそれぞれが実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理の結果の組合せに応じて前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、を実行するサーバー制御部を備えた前記サーバー装置から、ネットワークを介して作成された前記第二キャラクターの前記キャラクター情報を受信する端末通信部と、
を備えたことを特徴とする情報処理端末である。
このような情報処理端末によれば、ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することのできる情報処理端末を提供することが可能となる。
【0015】
また、遊戯者の操作する情報処理端末と、前記情報処理端末がネットワークを介して接続されるように構成されたサーバー装置とを有するゲームシステムにおいて用いられ、識別情報を有する実際の遊戯媒体であって、
前記情報処理端末は、下記第二キャラクターの作成を要求する操作入力を受け付ける操作入力部と、前記識別情報を読み取る読取部と、ネットワークを介して前記要求及び前記識別情報を前記サーバー装置へ送信する端末通信部とを備え、
前記サーバー装置は、前記情報処理端末からの前記要求及び前記識別情報を受信するサーバー通信部と、前記情報処理端末からの前記要求に応答して、複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを前記識別情報に基づき決定する処理と、決定された前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、決定された前記第一キャラクターのそれぞれが実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理の結果の組合せに応じて前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理を実行するサーバー制御部とを備えるものであり、
さらに、前記第一キャラクターに対応するキャラクター画像を有することを特徴とする遊戯媒体である。
このような遊戯媒体によれば、ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することのできる遊戯媒体を提供することが可能となる。
【0016】
[実施の形態]
(ゲームの概要)
本実施形態にかかるゲームシステムにおいて実行されるゲーム(ゲームプログラム)の一例として競馬ゲームの概要を説明する。この競馬ゲームは、競馬を模したレースゲームと競走馬の育成ゲームを融合させたものである。
【0017】
先ず、遊戯者は、この競馬ゲームに参加する際に、実際のトレーディングカード(実際の遊戯媒体)を店舗で購入するか又はネットワークを介して店舗サイトにアクセスして仮想のトレーディングカード(仮想の遊戯媒体)を購入する必要がある。このトレーディングカードには競走馬のキャラクターが描かれており、遊戯者はこのカードを収集したり、他の遊戯者と交換したりすることができる。遊戯者は、このカードを入手すると、ゲーム空間内において、実際のトレーディングカードに対応付けられた競走馬又は仮想のトレーディングカードに対応付けられた競走馬の馬主となることできる。このように、本実施形態にかかる競馬ゲームでは、実際のトレーディングカード(以下、「実カード」という)と仮想のトレーディングカード(以下、「仮想カード」という)との双方を併用可能に構成されており、遊戯者は主にこの2つのルートにより競走馬を手に入れることができる。
【0018】
次に、遊戯者は、手に入れた競走馬をゲーム空間内において調教する。すなわち、遊戯者は、所有する競走馬の能力を高めるために、トレーニングしたり、餌を与えたりして、競走馬の育成を行う。このように、競走馬に対してどのようなトレーニングを行なったか、又はどのような餌を与えたか等によって、競走馬の能力パラメーター等が設定される。
【0019】
そして、遊戯者は、調教によって能力を高めた競走馬をレースに参加させることができる。なお、このレースにおいては、自己の競走馬と他の遊戯者が所有する競走馬とをネットワーク対戦させることも可能である。そして、遊戯者の所有する競走馬がレースに勝つことができれば、遊戯者に対してゲームポイント等が与えられる。
【0020】
また、遊戯者は、親馬となる種牡馬・繁殖牝馬それぞれの競走馬(第一キャラクターに相当)を選択して交配を行うことにより、仔馬の競走馬(第二キャラクターに相当)を作成することができる。本実施形態かかる競馬ゲームでは、このような交配を行う際、従来のように、実カードのキャラクターとして設定された競走馬同士又は仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬同士を組合せることができるだけでなく、実カードのキャラクターとして設定された競走馬と仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬とを組合せて交配することもできる。
なお、仔馬となる競走馬を作成するための動作例については、追って具体的に説明する。
【0021】
(システムの構成)
ゲームシステム1の構成例について、図1を用いて説明する。図1は、本発明にかかるゲームシステム1のネットワーク構成図である。
本実施形態のゲームシステム1は、図1に示すように、サーバー装置10と、情報処理端末20とを有している。このサーバー装置10と情報処理端末20とは、ネットワーク2を介して互いに接続可能に構成されている。
【0022】
サーバー装置10は、情報処理端末20からのリクエストに応答して、当該情報処理端末20に対して各種情報を配信するものである。本実施形態におけるサーバー装置10は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を提供するサーバー装置である。このサーバー装置10が情報交換を行うためのSNSサイトを提供することにより、複数のユーザー同士はネットワークを介してコミュニケーションを図ることができる。また、本実施形態において、ユーザーは、フレンドリストに登録した他のユーザーをフレンドユーザーとして設定し、そのフレンドユーザーと各種情報のやり取りを行うことによりコミュニケーションを図ることが可能である。そして、このサーバー装置10は、ユーザーに対してゲーム(例えば、競馬ゲーム)等のコンテンツを提供し、このコンテンツを介してユーザーとフレンドユーザーとの間のコミュニケーションを活性化させることができる。なお、このゲームシステムにおいて実行される競馬ゲームのプログラム処理に関しては、追って説明する。
【0023】
情報処理端末20は、ユーザー(遊戯者)からの操作入力を受け付けて、サーバー装置10に対してリクエストを送信し、リクエストに応答したサーバー装置10から配信された各種情報を受信するものである。本実施形態における情報処理端末20は、WEBブラウザ機能を有しており、サーバー装置10から送信されるWEBページを受信することによってユーザーに閲覧させることができる。すなわち、ユーザーは、情報処理端末20を利用してサーバー装置10が提供するSNSサイトにアクセスすることにより、他のユーザーとコミュニケーションを図ることができる。また、この情報処理端末20は、ユーザーがゲームの提供を受ける際には、ゲーム操作を行う入力装置としても利用される。
【0024】
(サーバー装置の構成)
サーバー装置10の構成例について、図2及び図4乃至図8を用いて説明する。図2は、サーバー装置10の機能上の構成を示すブロック図である。図4は、端末テーブルの構成例を示す図である。図5は、ユーザーテーブルの構成例を示す図である。図6は、キャラクターテーブルの構成例を示す図である。図7は、馬ID設定情報を説明するための図である。図8は、確率情報を説明するための図である。
【0025】
本実施形態のサーバー装置10は、CPU(Central Processing Unit)等のサーバー制御部11と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のサーバー記憶部12と、ネットワークを介して情報処理端末20と情報通信可能に接続するためのサーバー通信部13と、コンテンツを識別するコンテンツID(例えば、競走馬を識別するための識別情報(以下、「馬ID」という))に関連付けて複数のコンテンツデータ(例えば、競走馬のグラフィックデータ)を格納するコンテンツデータベース14と、を有している。
【0026】
サーバー制御部11は、SNSサイト(ゲームサービスも含む)を提供するための各種処理、情報処理端末20からのリクエストに対する各種処理など、システムに関する各種制御、情報処理を実行する機能を有している。
【0027】
サーバー記憶部12は、サーバー装置10におけるシステムプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROMと、サーバー制御部11で生成される各種データ(システムプログラムで使用するフラグや演算した値)が記憶されるとともに、サーバー制御部11の演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAMとを有している。そして、このサーバー記憶部12は、バスを介してサーバー制御部11に接続され、サーバー制御部11の処理に応じて記憶されているデータを参照、読み出し、書き換える処理が行われる。
【0028】
本実施形態に係るサーバー記憶部12は、図2に示すように、システムプログラムと、端末テーブルと、ユーザーテーブルと、キャラクターテーブルと、馬ID設定情報と、確率情報と、を有している。
【0029】
端末テーブルは、情報処理端末20を識別するための端末IDに関連付けて当該情報処理端末に関する情報を格納している。本実施形態における端末テーブルには、図4に示すように、端末ID、ユーザー(遊戯者)を識別するユーザーID、競走ゲームに登場する競走馬を識別する馬ID等の端末情報が格納されている。端末ID及びユーザーIDに対して、実カードのキャラクターとして設定された競走馬の馬IDが複数関連付けられている。
【0030】
ユーザーテーブルは、ユーザーIDに関連付けて当該ユーザーに関する情報を格納している。本実施形態におけるユーザーテーブルには、図5に示すように、ユーザーID、馬ID等のユーザー情報が格納されている。ユーザーIDに対して、実カードのキャラクターとして設定された競走馬の馬ID及び仮想カードとして設定された競走馬の馬IDが複数関連付けられている。すなわち、ユーザーが、実カードを購入することにより入手した馬及び仮想カードを購入することにより入手した馬を、それぞれ複数所有していることがわかる。
【0031】
キャラクターテーブルは、馬IDに関連付けて当該馬IDの競走馬に設定された各種のキャラクター情報を格納している。本実施形態におけるキャラクターテーブルは、図6に示すように、馬ID、名前、性別、脚質、血統、スピード、スタミナ、パワー、精神力、ダッシュ力、親馬の馬ID等のキャラクター情報が、ユーザーIDごとに格納されている。
【0032】
馬ID設定情報は、馬IDに対応する競走馬が、実カードのキャラクターとして設定された競走馬であるのか又は仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬であるのかを定めたものである。本実施形態における馬ID設定情報では、図7に示すように、馬IDナンバーが001〜100までの競走馬を実カードのキャラクターとして設定された競走馬とし、馬IDナンバーが101〜200までの競走馬を仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬として予め決定されている。したがって、店舗にて売られている実カードには、対応する競走馬の馬IDが001〜100のうちのいずれかのナンバーが予め割り当てられることになる。一方、店舗サイトにてネットワークを介して入手しうる仮想カードには、対応する競走馬の馬IDが101〜200のうちのいずれかのナンバーが予め割り当てられることになる。
【0033】
確率情報は、交配により仔馬を作成する際、親馬の組合せによって仔馬に突然変異が生ずる確率を定めたものである。本実施形態においては、図8に示すように、親馬である種牡馬と繁殖牝馬の組合せが、実カードのキャラクターとして設定された競走馬同士の組合せである場合、又は、仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬同士の組合せである場合には、それら親馬の交配によって作成される仔馬に対して突然変異が起こる確率が25%に設定されている。また、親馬の組合せが、実カードのキャラクターとして設定された競走馬と仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬との組合せである場合には、それら親馬の交配によって作成される仔馬に対して突然変異が起こる確率が75%に設定されている。なお、これらの数値は一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。なお、仔馬に対して生ずる突然変異に関する処理手順については、追って詳述する。
【0034】
(情報処理端末の構成)
情報処理端末20の構成例について、図3を用いて説明する。図3は、情報処理端末20の機能上の構成を示すブロック図である。
本実施形態の情報処理端末20は、ユーザーがSNSサイトにアクセスする際や、コンテンツの配信を要求する際に用いる装置であり、CPU(Central Processing Unit)等の端末制御部21と、ROM(Read Only
Memory)、RAM(Random Access Memory)等の端末記憶部22と、ネットワークを介してサーバー装置10と情報通信可能に接続するための端末通信部23と、ユーザーが操作入力を行う操作入力部24と、画像を生成する画像生成部25と、画像を表示する表示部26と、実際の遊戯媒体が有する情報を読み取る読取部27と、を有している。なお、この情報処理端末20には、携帯電話機、ゲーム機、パーソナルコンピューター等の情報処理装置が含まれる。
【0035】
端末制御部21は、SNSサイト等にアクセスするための各種処理や、サーバー装置10に対してリクエストするための各種処理など、システムに関する各種制御、情報処理を実行する機能を有している。
【0036】
端末記憶部22は、情報処理端末20におけるシステムプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROMと、端末制御部21で生成されるデータ(システムプログラムで使用するフラグや演算した値)や受信したコンテンツ等の情報が記憶されるとともに、端末制御部21の演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAMとを有している。バスを介して端末制御部21に接続され、端末制御部21の処理に応じて記憶されているデータを参照、読み出し、書き換える処理が行われる。
【0037】
端末通信部23は、サーバー装置10と情報処理端末20とを情報通信可能に接続する機能を有し、受信部と送信部とを含んで構成される。受信部は、サーバー装置10から送信される各種データや信号を受信する機能を有している。送信部は、端末制御部21の処理に応じた各種データや信号を送信する機能を有している。
【0038】
操作入力部24は、ユーザーによる操作入力を受け付けるものであって、ボタン、タッチパネル等により構成される。この操作入力部24は、ユーザーがゲームを行う場合には、ゲーム操作を行うためのコントローラーとして利用される。
【0039】
画像生成部25は、端末制御部21による制御の下、サーバー装置10から配信された各種データに基づき画像を生成するものである。
【0040】
表示部26は、画像生成部25が生成した画像、例えば、サーバー装置10から送信されたWEBページやゲーム画像等を表示するものである。
【0041】
読取部27は、実カードが有する情報を読み取りデジタルデータとして取り込むものである。読み取られたデジタルデータは、バスを介して端末制御部21によって受信されて情報の内容が解読される。例えば、本実施形態にかかる情報処理端末20が携帯電話機である場合であって、かつ、実カードが有する情報が2次元コードである場合には、2次元コード等の画像を撮像するCCDカメラ(携帯電話機に内蔵されたカメラ)が読取部27に相当することになる。
【0042】
(遊戯媒体の構成)
本実施形態にかかる実際の遊戯媒体の一例としてのトレーディングカードについて、図9を用いて説明する。図9は、トレーディングカードの構成を示す図である。図9Aは、トレーディングカードの表面を示しており、図9Bは、トレーディングカードの裏面を示している。なお、本実施形態にかかる実際の遊戯媒体は、トレーディングカードやコイン等のような平面形状の物体に限られるものではなく、フィギュア等の立体形状の物体であってもよい。
【0043】
本実施形態にかかるトレーディングカードは、図9Aに示すように、対応付けられたキャラクターの画像をその表面に有している。本実施形態では、キャラクターの一例としての競走馬がその名前と共に印刷されている。このため、ユーザーは、トレーディングカードの画像を目視することにより、トレーディングカードに対応付けられた競走馬を把握することができる。
【0044】
そして、このトレーディングカードの裏面には、図9Bに示すように、2次元コードと、能力パラメーター(スピード、スタミナ、パワー、精神力、ダッシュ力)などのキャラクター情報が印刷されている。2次元コードには、アクセス先のURL、馬IDなどの情報が含まれている。このため、ユーザーは、情報処理端末20の読取部27にトレーディングカードの2次元コードを読み取らせることにより、2次元コードに含まれるURLで指定されたサイトにアクセスすることができると共に、2次元コードに含まれる馬IDをアクセス先に送信することができる。また、能力パラメーターは、競走馬の特性を示すデータであって、例えば、スピード、スタミナ、パワー、ダッシュ力、精神力、寿命等を数値化した情報である。
【0045】
なお、キャラクター情報には、この能力パラメーター以外にも、性別(牡・牝)、脚質(逃げ、先行、差し、追込み)などの情報が含まれる。
また、上記のように、2次元コードが印刷されたカードに限定されるものではない。例えば、トレーディングカードとして、ICチップを搭載した非接触型ICカードや磁気カードなども適用可能である。
【0046】
(システムの動作)
本実施形態にかかるゲームシステムの動作例について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、サーバー装置10と情報処理端末20との間における処理ステップを示すフローチャートである。図11は、実カードに対応付けられた競走馬の画像が情報処理端末20の表示部26に表示された状態を示す図である。
【0047】
情報処理端末20からユーザーIDとパスワードがログイン情報としてサーバー装置10に送信されると、サーバー装置10はユーザー認証を行う。そして、認証処理が成功すると、サーバー装置10はユーザーのマイページを情報処理端末20へ送信する。このマイページはHTML(HyperText Markup Language)形式で作成されており、情報処理端末20はWEBブラウザ機能によりマイページを表示部26に表示させることができる。このようにしてシステムログインが完了した後、ユーザーによる各種操作に応じて以下の処理が行われる。
【0048】
ここでは、ユーザーが、実カードを用いてゲームシステムを利用し、実カードに対応付けられた競走馬のオーナーとなる場合の動作例について説明する。
【0049】
先ず、ユーザーは入手した実カードに付されている2次元コードを情報処理端末20の読取部27により読み取らせる。情報処理端末20は、2次元コードをデジタルデータとして取り込み、このデジタルデータを解読してコードに含まれる馬IDとアクセス先のURLを取得する。そして、情報処理端末20は、サーバー装置10に対して端末IDと取得した馬IDを送信すると共に2次元コードにより指定されたURLへのアクセス要求を行う(S101)。
【0050】
サーバー装置10は、このアクセス要求を受信すると、受信した馬IDに基づいて競走馬を選定する。そして、サーバー装置10は、受信した馬IDに対応付けられた競走馬を特定できたら、その競走馬の画像を含むWEBページを作成して情報処理端末20へ送信する(S102)。
【0051】
情報処理端末20は、そのWEBページを受信すると、図11に示すように、実カードに対応付けられた競走馬の画像を表示部26に表示させることができる。ユーザーは、画面でその競走馬を確認し、その競走馬のオーナーになるか否かを決定する。そして、ユーザーは、その競走馬の馬主となることを承認する場合には、操作入力部24を操作してその旨の入力を行う。この際、情報処理端末20は、サーバー装置10に対して端末IDとユーザーIDを送信すると共に承認の要求を送信する(S103)。
【0052】
サーバー装置10は、承認リクエストを受信すると、受信した端末IDとユーザーIDが正しく関連付けられているものか否かチェックすると共に、その競走馬を既に所有しているか否かチェックする。サーバー装置10は、いずれの条件も満たす場合には、ユーザーIDと馬IDとを関連付けてユーザーテーブルに格納することにより、その競走馬をユーザーの所有する競走馬として登録する。そして、サーバー装置10は、ユーザーの所有する競走馬として登録した旨の通知を情報処理端末20に対して行う(S104)。
【0053】
次に、ユーザーは、競走馬の登録完了後、競馬ゲームを開始するための当該ユーザー用のゲーム開始ページにアクセスする。すなわち、情報処理端末20は、ユーザーによる操作入力に応答して、サーバー装置10に対して端末ID及びユーザーIDを送信すると共にゲーム開始ページの配信要求を行う(S105)。
【0054】
サーバー装置10は、情報処理端末20からの配信要求に応答して、ユーザーのゲーム開始ページを配信する(S106)。この際、サーバー装置10は、ユーザーが所有する競走馬に関する情報を含むゲーム開始ページを作成する。
【0055】
(サーバー装置の動作例1)
次に、上記のシステム動作例に対応するサーバー装置10の動作例について、図12を用いて説明する。図12は、実カードに対応付けられた競走馬をゲーム内に登場させる処理を示すフローチャートである。
【0056】
先ず、サーバー装置10は、実カードに付された2次元コードにより指定されたURLへのアクセス要求を情報処理端末20から受信すると(S201)、かかるアクセス要求と共に2次元コードに含まれた馬IDを受信したか否か判定する(S202)。
【0057】
サーバー制御部11は、馬IDを受信しなかったものと判定した場合には(S202:No)、サーバー通信部13により情報処理端末20に対して競馬ゲームのトップページ(タイトル画面)を送信させる(S203)。一方で、馬IDを受信したものと判定した場合には(S202:Yes)、サーバー制御部11は、サーバー通信部13により受信した馬IDをキーとしてコンテンツデータベース14を参照することにより、馬IDに関連付けられた競走馬の画像を抽出する(S204)。
【0058】
次いで、サーバー制御部11は、抽出した競走馬の画像を含むWEBページを作成し、そのWEBページをサーバー通信部13により情報処理端末20に対して送信させる(S205)。
【0059】
次いで、サーバー装置10は、ユーザーがそのWEBページに含まれる競走馬を所有することについて承認する旨の承認リクエストを端末ID及びユーザーIDと共に情報処理端末20から受信すると(S206)、受信した端末IDとユーザーIDが正しく関連付けられているものか否かチェックし(S207)、その競走馬を既に所有しているか否かチェックする(S209)。具体的には、サーバー制御部11は、端末IDをキーとして図4に示す端末テーブルにアクセスし、当該端末IDに対応付けられたユーザーIDを取得し、受信したユーザーIDと一致するか否かチェックする。サーバー制御部11は、一致しない場合には(S207:No)、ユーザーIDが不一致である旨の通知を情報処理端末20に対して行う(S208)。一方で、サーバー制御部11は、一致する場合には(S207:Yes)、ユーザーIDをキーとして図5に示すユーザーテーブルにアクセスし、当該ユーザーIDに既に関連付けられた馬IDの中に、承認リクエスト対象となる競走馬の馬IDと一致するものがあるか否かチェックする。一致するものがある場合には(S209:No)、当該ユーザーが承認リクエスト対象となる競走馬と同じ競走馬を既に所有している旨の通知を情報処理端末20に対して行う(S210)。一方で、サーバー制御部11は、一致するものがない場合には(S209:Yes)、承認リクエスト対象となる競走馬の馬IDをユーザーIDに関連付けて図5に示すユーザーテーブルに格納する(S211)。
【0060】
次いで、サーバー装置10は、承認リクエスト対象の競走馬をユーザーの所有する競走馬として登録した旨の通知を情報処理端末20に対して行う(S212)。
【0061】
次いで、サーバー装置10は、ユーザーのゲーム開始ページの配信要求を端末ID及びユーザーIDと共に情報処理端末20から受信すると(S213)、ユーザーIDが既に存在しているかチェックする(S214)。具体的には、サーバー制御部11は、端末IDをキーとして図4に示す端末テーブルを参照し、受信したユーザーIDに誤りがないかチェックする。すなわち、受信したユーザーIDと端末テーブルに格納されているユーザーIDが一致しない場合には(S214:No)、情報処理端末20に対してその旨の通知を行う(S215)。一方で、一致する場合には(S214:Yes)、図5に示すユーザーテーブルを参照し、ユーザーが所有する競走馬の馬ID(関連付けられた馬ID)を含むユーザー情報を抽出する(S216)。
【0062】
次いで、サーバー装置10は、ユーザーのゲーム開始ページにユーザー情報を書き込む(S217)。すなわち、サーバー制御部11は、抽出した馬ID(ユーザーの所有する競走馬の馬ID)をキーとして図6に示すキャラクターテーブルを参照してキャラクター情報を取得すると共に、コンテンツデータベース14にアクセスすることにより、馬IDに関連付けられた競走馬の画像データを取得する。そして、サーバー制御部11は、これら取得した情報を含む当該ユーザーのゲーム開始ページを作成する。
【0063】
次いで、サーバー装置10は、作成した当該ユーザーのゲーム開始ページを情報処理端末20へ送信する(S218)。
【0064】
(サーバー装置の動作例2)
次に、サーバー装置における仔馬を作成するための動作例について、図13を用いて説明する。図13は、サーバー装置における仔馬を作成する処理を示すフローチャートである。
【0065】
ユーザーは、ユーザーのゲーム開始ページにおいて、仔馬を作成するべく交配を行うための操作入力を開始する(S301)。
【0066】
先ず、ユーザーは、当該ユーザーのゲーム開始ページにおいて、繁殖牝馬となる競走馬を選択する(S302)。ユーザーのゲーム開始ページには、当該ユーザーが所有する競走馬のキャラクター情報が含まれているため、ユーザーは表示部26でこれを参照しながら操作入力部24を用いて選択操作を行う。そして、繁殖牝馬として選択された競走馬の馬IDは、情報処理端末20からサーバー装置10へ送信される。
【0067】
同様に、ユーザーは、当該ユーザーのゲーム開始ページにおいて、種牡馬となる競走馬を選択する(S303)。そして、種牡馬として選択された競走馬の馬IDは、情報処理端末20からサーバー装置10へ送信される。
【0068】
次いで、交配に関して最終確認を行う(S304)。すなわち、サーバー制御部11は、受信した繁殖牝馬の馬IDと種牡馬の馬IDをキーとして図6に示すキャラクターテーブルを参照し、親馬それぞれの血統データを取得する。この血統データは、親馬の相性に定める情報である。すなわち、親馬が持つ血統の相性によっては、作成される仔馬の能力パラメーターの初期値に対して、血統による加算値(又は減算値)が付与されることとなる。そして、サーバー制御部11は、ユーザーにより選択された親馬それぞれの血統データに基づいて、作成される仔馬の能力が上がる期待度を含むWEBページを作成し、情報処理端末20へ送信する。ユーザーは、その期待度を画面で確認し、選択した親馬の組合せで良いか、又は改めて親馬を選択し直すか、を決定することができる。そして、サーバー装置10は、ユーザーが前者(組合せOK)を選択した旨の信号を情報処理端末20から受信すると(S304:Yes)、交配処理を開始し(S305)、ユーザーが後者(組合せNG)を選択した旨の信号を情報処理端末20から受信すると(S304:No)、ステップS302へ戻り、親馬の選択をやり直す。
【0069】
次いで、サーバー装置は、交配処理を開始すると、種牡馬と繁殖牝馬の組合せについてチェックする。すなわち、サーバー制御部11は、図7に示す馬ID設定情報に基づき、選択された繁殖牝馬の馬IDナンバーが001〜100の範囲内であるか否かをチェックすることにより、繁殖牝馬が実カードのキャラクターとして設定された競走馬であるか否かをチェックする(S306)。そして、ステップS306で肯定された場合には、サーバー制御部11は、図7に示す馬ID設定情報に基づき、選択された種牡馬の馬IDナンバーが001〜100の範囲内であるか否かをチェックすることにより、種牡馬が実カードのキャラクターとして設定された競走馬であるか否かをチェックする(S308)。そして、ステップS308で否定された場合には、親馬の組合せが、実カードのキャラクターとして設定された競走馬と仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬との組合せとなるため、図8に示す確率情報に従って、作成される仔馬の突然変異率が75%に設定される(S309)。一方で、ステップS308にて肯定された場合には、親馬の組合せが、実カードのキャラクターとして設定された競走馬同士の組合せとなるため、図8に示す確率情報に従って、作成される仔馬が突然変異を起こす確率が25%に設定される(S310)。
【0070】
そして、ステップS306に戻り、ステップS306にて否定された場合には、サーバー制御部11は、図7に示す馬ID設定情報に基づき、選択された種牡馬の馬IDナンバーが001〜100の範囲内であるか否かをチェックすることにより、種牡馬が実カードのキャラクターとして設定された競走馬であるか否かをチェックする(S307)。ステップS307にて肯定された場合には、親馬の組合せが、実カードのキャラクターとして設定された競走馬と仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬との組合せとなるため、図8に示す確率情報に従って、作成される仔馬の突然変異率が75%に設定される(S309)。一方で、ステップS307で否定された場合には、親馬の組合せが、仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬同士の組合せとなるため、図8に示す確率情報に従って、作成される仔馬の突然変異率が25%に設定される(S310)。
【0071】
なお、上記のS306、S307、S308のステップにおいては、親馬が実カードのキャラクターとして設定された競走馬であるか否かをチェックしたが、親馬が仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬であるか否かをチェックすることにより判定することもできる。
【0072】
次いで、サーバー制御部11は、作成される仔馬が突然変異を起こすか否かを判定する(S311)。ここで、突然変異とは、作成される仔馬に対してゲームの進行において有利になるようにキャラクター情報が設定されることを意味する。例えば、突然変異が起こると、作成される仔馬の能力パラメーターの初期値に対して特別な値が加算されるようにする。すなわち、能力値の高い仔馬を特別に作成され、例えば、調教後においてレースに出走した場合に良い成績を収める可能性を高めることができる。
【0073】
なお、仔馬が突然変異を起こすか否かは突然変異率によって決まるため、仔馬作成時に必ずしも突然変異が起こる訳ではない。そのため、ユーザーに対して期待感を抱かせることができるため、ゲームの遊戯性に面白味を付加することが可能となる。もちろん、この実施形態に限定されるものではなく、親馬の組合せに応じて必ず突然変異を起こすようにしてもよい。たとえば、親馬の組合せが実カードのキャラクターとして設定された競走馬と仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬との組合せとなる場合には、作成される仔馬に対して必ず突然変異を起こすようにしてもよい。
【0074】
次いで、ステップS311による判定の結果、突然変異が可能となった場合には(S311:Yes)、サーバー制御部11は、作成される仔馬の能力パラメーターの初期値に対して突然変異による加算値を付与する(S312)。
【0075】
一方で、ステップS311による判定の結果、突然変異が不可能となった場合には(S311:No)、サーバー制御部11は、作成される仔馬の能力パラメーターの初期値に対して突然変異による加算値を付与しない。
【0076】
次いで、サーバー制御部11は、所定の確率に基づいて、作成される仔馬の性別を決定する(S313)。なお、作成された競走馬の牡・牝比率に応じて調整するようにしてもよい。すなわち、例えば繁殖牝馬が増えすぎたときは、種牡馬の増えるように確率を調整してもよい。
【0077】
このようにして、ユーザーによって選択された親馬の交配により、仔馬となる競走馬が作成されることとなる(S314)。なお、新しく仔馬が作成されると、親馬の馬IDは仔馬の馬IDに関連付けてキャラクターテーブル(図6参照)に格納されるため、親馬と仔馬とは親子関係を持つ競走馬として関連付けられることとなる。
【0078】
(まとめ)
以上のように、本実施形態に係るサーバー装置10は、遊戯者が実カードを用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステム1の進行を制御するサーバー制御部11を備え、情報処理端末20がネットワーク2を介して接続されるように構成され、前記サーバー制御部11は、前記情報処理端末20からの要求に応答して複数の競走馬のうちから少なくとも2つの親馬となる競走馬を決定する処理と、前記親馬となる競走馬それぞれに関連付けられた仔馬となる競走馬を作成する処理と、前記親馬となる競走馬のそれぞれが前記実カードのキャラクターとして設定された競走馬であるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理による成否の組合せに応じて、作成された前記仔馬となる競走馬のキャラクター情報を設定する処理と、を実行する。これにより、交配を行う際において従来では使用されていなかった「実カードのキャラクターとして設定された競走馬であるか否かの情報」を有効利用し、ゲームの遊戯性に新たな面白味を付加することのできるサーバー装置10を提供することが可能となる。
【0079】
また、前記サーバー制御部11は、前記判定処理による成否の組合せのそれぞれに対して設定された突然変異率を参照し、その突然変異率に基づいて前記仔馬となる競走馬のキャラクタウー情報を設定することとした。これにより、突然変異を起こす仔馬が作成されるのか否かについて遊戯者に期待感を抱かせることができるため、より面白味を付加することが可能となる。
【0080】
また、前記判定処理の結果により否定された前記親馬となる競走馬は、仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬であり、前記突然変異率は、前記親馬となる競走馬の組合せが前記仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬同士の組合せである場合の確率値よりも、前記実カードのキャラクターとして設定された競走馬と前記仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬との組合せである場合の確率値の方が高くなるように設定されていることとした。これにより、ネットワークを介して仮想カードを頻繁に購入する遊戯者であっても、店舗へ行って実カードを購入したくなる動機付けが生まれるため、実カードの利用を促進させることができる。
【0081】
また、前記サーバー制御部11は、前記親馬となる競走馬の組合せが、前記実カードのキャラクターとして設定された競走馬と前記仮想カードのキャラクターとして設定された競走馬との組合せである場合には、ゲームシステムの進行において、作成される前記仔馬となる競走馬が有利になるように当該仔馬のキャラクター情報を設定することとした。これにより、ゲームシステムにおいて実カードの利用をさらに促進させることができる。
【0082】
[その他の実施形態]
なお、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。
【0083】
また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0084】
上記の実施形態においては、本ゲームシステムにおいて実行されるゲームとして競馬ゲームを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、野球ゲーム、サッカーゲーム等のスポーツゲームにおいても、キャラクターを作成する際に本発明を適用することができる。
【0085】
また、上記の実施形態においては、育成対象を競走馬とする育成ゲームを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、RPG(ロールプレイングゲーム)、アクションゲーム、格闘ゲーム等においても、遊戯者の操作対象となるキャラクターやその他のキャラクターを作成する際に本発明を適用することができる。
【0086】
また、上記の実施形態においては、親馬である牡馬と牝馬とから仔馬を作成する場合、すなわち、2つのキャラクターから1つのキャラクターを作成する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、RPG等のゲームにおいて、3つ以上のキャラクターから1つのキャラクターを作成する場合等にも、本発明を適用することができる。
【0087】
また、上記の実施形態においては、遊戯者が所有する複数の競走馬(キャラクター)から親馬となる競走馬(キャラクター)を選択し、仔馬となる競走馬(キャラクター)を作成する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、遊戯者が所有するキャラクターと他の遊戯者が所有するキャラクターとから新たなキャラクターを作成する場合や、遊戯者が所有する複数のキャラクターから選択したキャラクターとシステム側で自動的に選択したキャラクター(遊戯者の所有するキャラクターではない)とから新たなキャラクターを作成する場合にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 ゲームシステム
2 ネットワーク
10 サーバー装置
11 サーバー制御部
12 サーバー記憶部
13 サーバー通信部
14 コンテンツデータベース
20 情報処理端末
21 端末制御部
22 端末記憶部
23 端末通信部
24 操作入力部
25 画像生成部
26 表示部
27 読取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯者が実際の遊戯媒体を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムの進行を制御するサーバー制御部を備え、情報処理端末がネットワークを介して接続されるように構成されたサーバー装置であって、
前記サーバー制御部は、
前記情報処理端末からの要求に応答して複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、
前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、
前記第一キャラクターのそれぞれが前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理による成否の組合せに応じて、作成された前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、
を実行することを特徴とするサーバー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバー装置であって、
前記サーバー制御部は、
前記判定処理による成否の組合せのそれぞれに対して設定された確率情報を参照し、前記確率情報に基づいて前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定することを特徴とするサーバー装置。
【請求項3】
請求項2に記載のサーバー装置であって、
前記判定処理の結果により否定された前記第一キャラクターは、ゲーム空間に出現する仮想の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであり、
前記確率情報は、
前記第一キャラクターの組合せが前記仮想の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターのみの組合せである場合の確率値よりも、前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターと前記仮想の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターとの組合せである場合の確率値の方が高くなるように設定されていることを特徴とするサーバー装置。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバー装置であって、
前記サーバー制御部は、
前記第一キャラクターの組合せが、前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターと前記仮想の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターとの組合せである場合には、ゲームシステムの進行において前記第二キャラクターが有利になるように当該第二キャラクターのキャラクター情報を設定することを特徴とするサーバー装置。
【請求項5】
遊戯者が実際の遊戯媒体を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムの進行を制御するコンピューターに、
遊戯者からの要求に応答して複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、
決定された前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、
決定された前記第一キャラクターのそれぞれが前記実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理による成否の組合せに応じて、作成された前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
遊戯者の操作する情報処理端末と、前記情報処理端末がネットワークを介して接続されるように構成されたサーバー装置とを有し、前記遊戯者が実際の遊戯媒体を用いて遊戯しうるように構成されたゲームシステムであって、
前記情報処理端末は、
下記第二キャラクターの作成を要求する操作入力を受け付ける操作入力部と、ネットワークを介して前記要求を前記サーバー装置へ送信する端末通信部と、
を備え、
前記サーバー装置は、
前記情報処理端末からの前記要求を受信するサーバー通信部と、
前記情報処理端末からの前記要求に応答して、複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、決定された前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、決定された前記第一キャラクターのそれぞれが実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理の結果の組合せに応じて前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、を実行するサーバー制御部と、
を備えたことを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
ネットワークを介してサーバー装置と通信可能に構成された情報処理端末であって、
第二キャラクターの作成を要求する操作入力を受け付ける操作入力部と、
ネットワークを介して前記要求を前記サーバー装置へ送信する端末通信部であって、
前記要求に応答して、複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを決定する処理と、決定された前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、決定された前記第一キャラクターのそれぞれが実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理の結果の組合せに応じて前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理と、を実行するサーバー制御部を備えた前記サーバー装置から、ネットワークを介して作成された前記第二キャラクターの前記キャラクター情報を受信する端末通信部と、
を備えたことを特徴とする情報処理端末。
【請求項8】
遊戯者の操作する情報処理端末と、前記情報処理端末がネットワークを介して接続されるように構成されたサーバー装置とを有するゲームシステムにおいて用いられ、識別情報を有する実際の遊戯媒体であって、
前記情報処理端末は、下記第二キャラクターの作成を要求する操作入力を受け付ける操作入力部と、前記識別情報を読み取る読取部と、ネットワークを介して前記要求及び前記識別情報を前記サーバー装置へ送信する端末通信部とを備え、
前記サーバー装置は、前記情報処理端末からの前記要求及び前記識別情報を受信するサーバー通信部と、前記情報処理端末からの前記要求に応答して、複数のキャラクターのうちから少なくとも2つの第一キャラクターを前記識別情報に基づき決定する処理と、決定された前記第一キャラクターそれぞれに関連付けられた第二キャラクターを作成する処理と、決定された前記第一キャラクターのそれぞれが実際の遊戯媒体のキャラクターとして設定されたキャラクターであるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理の結果の組合せに応じて前記第二キャラクターのキャラクター情報を設定する処理を実行するサーバー制御部とを備えるものであり、
さらに、前記第一キャラクターに対応するキャラクター画像を有することを特徴とする遊戯媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−245160(P2012−245160A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119153(P2011−119153)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(505183107)株式会社ダーツライブ (2)
【Fターム(参考)】