説明

サーバ装置、プログラム及び検索エリア推定方法

【課題】エリアに関連する情報検索の対象となるエリアをあらかじめ推定する。
【解決手段】クライアント端末30は、エリアIDを含む、そのエリアに関するコンテンツの検索履歴を入力支援サーバ10に送信する(S1)。入力支援サーバ10は、複数の検索履歴の特徴を示す特徴情報をエリアごとに生成する(S2)。かかる特徴は、エリアごとの検索ユーザの実数や、ユーザごとの各エリアでの検索回数である。入力支援サーバ10は、クライアント端末30から位置情報を受信し、受信した位置情報が示す位置とエリアの代表地点との距離及びそのエリアについての特徴情報が示す特徴に基づいて、エリアIDを特定する(S3〜S6)。このようにして、入力支援サーバ10は、検索履歴から得られる特徴に基づいて検索対象のエリアを推定するとともに、エリアに応じた検索語の提示にこの推定結果を利用する(S7〜S10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検索に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの移動通信端末の普及に伴い、ユーザは、外出先の至る場所で移動通信端末を用いてインターネット上の情報にアクセスしたり、インターネット上の検索エンジンを利用して必要な情報を検索したりすることが可能となった。移動通信端末を用いた情報検索においては、自宅やオフィスなどに設置されたパーソナルコンピュータを使用した情報検索とは異なり、例えばユーザの現在位置に即した検索結果の提示が行われることが望ましい。例えば、ユーザがA駅に居て情報を検索した場合、A駅付近の情報が検索結果として提示された方が、情報を取得するユーザにとっても、情報を提供するコンテンツプロパイダにとっても、より望ましいと言える。
【0003】
ところで、移動通信端末を使っての検索語の入力は、パーソナルコンピュータなどを使う場合に比べて、操作性の問題からユーザにとって煩わしいことも多い。このような課題に対し、ユーザの所望する検索語を推定して検索語を提示することで、ユーザの検索語の入力の負担を減らす技術がある。特許文献1は、検索語の過去の入力履歴と移動通信端末の位置とに応じて、その位置に関連した検索語を提示する技術を開示している。特許文献1に記載の技術で提示される検索語は、そのユーザ自身が過去に入力したものに限らず、他のユーザが入力したものも含まれる。これにより、それまでそのユーザが知らなかったその地域に関する新たな情報を知らしめることができる。
【0004】
また、特許文献2は、現在位置やユーザによって指定された位置に応じた文字列(検索キーワード)を抽出し、それに基づいて位置に応じた検索を行うことを開示している。特許文献3は、地域に関連するコンテンツの検索において、ユーザが検索の対象とするエリアを指定することを開示している。特許文献4は、ユーザの現在位置などの状況に基づいて、検索対象として重要だと予測される地点を推定し、その地域の情報に基づいて検索キーワードを予測することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−153398号公報
【特許文献2】特開2004−318483号公報
【特許文献3】特開2006−127509号公報
【特許文献4】特開2009−237750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1〜4に記載された技術によれば、移動通信端末が所在するエリアや近隣のエリア、ユーザが自ら指定したエリアなどを検索対象とすることができる。一方で、例えば最近の人気スポットに関する情報など、各エリアに関連する情報の価値は時間とともに変化することも多く、このような場合にはユーザが所望する検索対象のエリアを的確に推定することが難しい。
そこで、本発明の目的は、エリアに関連する情報検索の対象となるエリアをあらかじめ推定することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明のサーバ装置は、エリアを識別するエリア識別情報を少なくとも含む、当該エリアに関する検索履歴を取得する取得部と、前記取得部が取得した複数の検索履歴の特徴を示す特徴情報を前記エリアごとに生成する生成部と、前記エリアのエリア識別情報と、当該エリアについて生成された特徴情報とを対応付けて記憶する情報記憶部と、クライアント装置から第1位置情報を少なくとも受信する第1受信部と、前記第1位置情報が示す位置と前記エリアの代表地点との距離、及び前記情報記憶部において当該エリアのエリア識別情報に対応付けられた特徴情報が示す特徴に基づいて、前記情報記憶部からエリア識別情報を特定する特定部と、前記特定部が特定したエリア識別情報を前記クライアント装置宛てに送信する送信部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の好ましい態様において、前記検索履歴は、検索に用いられた検索語を含み、前記取得部が取得した検索履歴に含まれるエリア識別情報と検索語とを対応付けて蓄積する蓄積部と、前記送信部により送信されたエリア識別情報のうち、前記クライアント装置で指定されたエリア識別情報を受信する第2受信部と、前記蓄積部において前記第2受信部が受信したエリア識別情報に対応付けられた検索語を、前記クライアント装置に提示する提示部とを備える。
【0009】
本発明の別の好ましい態様において、前記特定部は、前記エリア識別情報が送信される際の優先度に応じたスコアを、前記特徴情報に基づいて前記エリア識別情報ごとに算出し、前記送信部は、算出されたスコアが示す優先度が高いものをより優先するように前記エリア識別情報を送信する。
本発明の別の好ましい態様において、前記検索履歴は、前記クライアント装置のユーザを識別するユーザ識別情報を含み、前記生成部は、前記ユーザ識別情報に基づいて、検索を実行したクライアント装置のユーザの実数を示す前記特徴情報を生成する。また、前記検索履歴は、前記クライアント装置のユーザを識別するユーザ識別情報を含み、前記生成部は、前記ユーザ識別情報に基づいて、一のユーザによる検索回数を示す前記特徴情報を各ユーザについて生成し、前記情報記憶部は、各ユーザの前記特徴情報をそれぞれ記憶し、前記特定部は、前記第1位置情報を受信したクライアント装置のユーザの前記特徴情報に基づいて、前記エリア識別情報を特定するようにしてもよい。
【0010】
本発明の別の好ましい態様において、前記第1受信部は、前記クライアント装置で指定された距離を示す距離情報を受信し、前記特定部は、前記第1位置情報が示す位置を基準として、前記距離情報が示す距離の範囲内に前記代表地点が含まれる前記エリアについて、前記エリア識別情報を特定する。
本発明の別の好ましい態様において、前記第1受信部は、前記クライアント装置の種別を示す種別情報を受信し、前記特定部は、前記第1位置情報が示す位置を基準として、前記種別情報により定められる距離の範囲内に前記代表地点が含まれる前記エリアについて、前記エリア識別情報を特定する。
本発明の別の好ましい態様において、前記取得部は、検索に用いられた検索語と、当該検索の対象とするエリアのエリア識別情報とを少なくとも含む検索クエリを前記クライアント装置から受信することにより前記検索履歴を取得する。
【0011】
本発明の別の好ましい態様において、前記検索履歴は、前記クライアント装置が検索したときの位置を示す第2位置情報を含み、前記生成部は、前記第2位置情報が示す位置を含む前記エリアについて、当該エリアの前記代表地点からの距離が互いに異なる複数領域のうち、当該位置を含む領域の前記特徴情報を生成し、前記情報記憶部は、前記第1位置情報及び前記エリア識別情報に対応付けて、前記領域ごとに生成された特徴情報と、当該領域に対応する前記代表地点からの距離とをそれぞれ記憶し、前記特定部は、前記情報記憶部において前記第2位置情報が示す位置と前記代表地点との距離に対応付けられた前記特徴情報に基づいて、前記エリア識別情報を特定する。
【0012】
本発明の別の好ましい態様において、前記第1受信部は、前記クライアント装置のユーザを識別するユーザ識別情報を受信し、前記第1受信部により受信されたユーザ識別情報から特定される前記ユーザの各エリアへの訪問履歴を、当該エリアのエリア識別情報と対応付けてそれぞれ記憶する訪問履歴記憶部を備え、前記提示部は、前記訪問履歴記憶部において前記第1受信部が受信したユーザ識別情報に対応付けられた訪問履歴に応じて、前記蓄積部から検索語を特定して提示する。この態様において、前記検索履歴は、検索が行われた検索時期を含み、前記蓄積部は、前記検索履歴に含まれる検索時期を、当該検索履歴に含まれるエリア識別情報及び検索語に対応付けて蓄積し、前記提示部は、前記蓄積部に蓄積された検索時期に応じて、前記蓄積部から検索語を特定して提示するようにしてもよい。
【0013】
本発明の別の好ましい態様において、前記蓄積部は、検索語として用いられるエリアの数の指標となる指標値を、当該検索語及び当該エリアのエリア識別情報に対応付けて蓄積し、前記提示部は、前記蓄積部に蓄積された指標値に応じて、前記蓄積部から検索語を特定して提示する。この態様において、前記第2受信部は、前記提示部が検索語を特定する際に前記指標値を反映させる程度を示す反映度を、前記クライアント装置から受信し、前記提示部は、前記第2受信部が受信した反映度を作用させた前記指標値に応じて、前記蓄積部から検索語を特定して提示するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、エリアを識別するエリア識別情報を少なくとも含む、当該エリアに関する検索履歴を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した複数の検索履歴の特徴を示す特徴情報を前記エリアごとに生成する生成手段と、前記エリアのエリア識別情報と、当該エリアについて生成された特徴情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、クライアント装置から第1位置情報を少なくとも受信する第1受信手段と、前記第1位置情報が示す位置と前記エリアの代表地点との距離、及び前記情報記憶手段において当該エリアのエリア識別情報に対応付けられた特徴情報が示す特徴に基づいて、前記情報記憶手段からエリア識別情報を特定する特定手段と、前記特定手段が特定したエリア識別情報を前記クライアント装置宛てに送信する送信手段として機能させるためのものである。
【0015】
また、本発明の検索エリア推定方法は、エリアを識別するエリア識別情報を少なくとも含む、当該エリアに関する検索履歴を取得し、取得した複数の検索履歴の特徴を示す特徴情報を前記エリアごとに生成し、前記エリアのエリア識別情報と、当該エリアについて生成された特徴情報とを対応付けて情報記憶部に記憶させ、クライアント装置から第1位置情報を少なくとも受信し、前記第1位置情報が示す位置と前記エリアの代表地点との距離、及び前記情報記憶部において当該エリアのエリア識別情報に対応付けられた特徴情報が示す特徴に基づいて、前記情報記憶部からエリア識別情報を特定し、特定したエリア識別情報を前記クライアント装置宛てに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エリアに関連する情報検索の対象となるエリアをあらかじめ推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】検索サービスシステム1の全体構成を示す図
【図2】入力支援サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】検索履歴情報131のデータ構造を示す図
【図4】エリア管理情報132のデータ構造を示す図
【図5】検索語情報133のデータ構造を示す図
【図6】入力支援サーバ10の機能的構成を示す機能ブロック図
【図7】検索サービスシステム1における動作手順を示すシーケンスチャート
【図8】エリアID取得クエリのデータ構造を示す図
【図9】検索エリアを説明する図
【図10】エリア管理情報132aのデータ構造を示す図
【図11】検索履歴情報131aのデータ構造を示す図
【図12】検索エリアを説明する図
【図13】エリア管理情報132bのデータ構造を示す図
【図14】入力支援サーバ10の機能的構成を示す機能ブロック図
【図15】検索語情報133cのデータ構造を示す図
【図16】訪問履歴情報135のデータ構造を示す図
【図17】検索サービスシステムにおける動作手順を示すシーケンスチャート
【図18】特殊度又は新鮮度を変化させた場合の検索語の提示結果の一例を示す図
【図19】属性情報134のデータ構造を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、この実施形態の検索サービスシステム1の全体構成を示す図である。
図1に示すように、検索サービスシステム1は、入力支援サーバ10と、検索サーバ20と、クライアント端末30とを備える。入力支援サーバ10と、検索サーバ20と、クライアント端末30とは、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークNWは、ここでは、移動体通信網、ゲートウェイ及びインターネットを含む通信網である。
なお、ここでは、クライアント端末30を1つだけ図示するが、実際にはより多数のクライアント端末30が存在する。
【0019】
入力支援サーバ10は、本発明のサーバ装置の一例であり、ユーザによるクライアント端末30への検索語の入力を支援する機能を有している。検索サーバ20は、サーチエンジンの機能を有する検索手段であり、クライアント端末30から受信した検索クエリに応じた検索結果をクライアント端末30に提示する。検索サーバ20は、各エリア(地域)に関連したコンテンツの検索が可能なように、クライアント端末30により指定されたエリアに応じた検索結果を提示する。クライアント端末30は、ネットワークNWを介して入力支援サーバ10及び検索サーバ20にアクセスするクライアント装置であり、ここでは携帯電話機である。クライアント端末30は、検索サーバ20から提示された検索結果に応じてwebサーバなどからコンテンツの提供を受ける。
なお、クライアント端末30は、携帯電話機に限らず、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータなどであってもよい。要するに、クライアント端末30は、少なくとも通信機能や、GPS(Global Positioning System)測位機能などの自端末の位置を測定する機能を備えたコンピュータ装置であればよい。また、情報検索によりクライアント端末30に提供されるコンテンツは、例えばHTML(HyperText Markup Language)形式のWebページがあるが、通信ネットワークNWを介して遣り取り可能なデータであればよい。
【0020】
図2は、入力支援サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、入力支援サーバ10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備える制御装置であり、そのメモリや記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、入力支援サーバ10の動作を制御する。通信部12は、ネットワークNWに接続するためのインタフェースを備える。通信部12は、入力支援サーバ10における通信に関する制御を司るものであり、例えばクライアント端末30との間で各種データを送受信する。記憶部13は、例えばハードディスク装置を備える記憶手段であり、制御部11により読み出される各種プログラムのほか、検索履歴情報131、エリア管理情報132及び検索語情報133を含む各種情報を記憶する。
続いて、検索履歴情報131、エリア管理情報132及び検索語情報133のデータ構造を説明する。
【0021】
図3は、検索履歴情報131のデータ構造を示す図である。検索履歴情報131は、検索サービスシステム1において実行された検索の履歴を表す情報を含む。
図3に示すように、検索履歴情報131は、「検索日時」、「ユーザID」、「エリアID」及び「検索語」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構造である。図3に示す各行を1つのレコードとし、1つのレコードに記述される検索履歴が1回の検索に対応する。
「検索日時」のフィールドには、検索が実行された日時が記述される。「ユーザID」のフィールドには、検索を実行したクライアント端末30のユーザを一意に識別するユーザ識別情報が記述される。ユーザIDは、例えばクライアント端末30の個体識別番号やユーザが自身で設定したIDであるが、ユーザの識別機能を持つものであればよい。「エリアID」のフィールドには、各エリアを一意に識別するエリア識別情報が記述される。図3に示すように、例えば、「AREA−1」、「AREA−2」及び「AREA−3」という各エリアIDが割り当てられたエリアが存在する。「検索語」のフィールドには、クライアント端末30が検索するときに用いた検索語が記述される。
例えば、図3の第1行に示すレコードは、「2010/4/1 0:00:00」に、ユーザID「UID−A」が割り当てられたユーザのクライアント端末30が、検索語を「ラーメン」として、エリアID「AREA−1」が割り当てられたエリアに関する情報検索をしたことを意味する。
【0022】
図4は、エリア管理情報132のデータ構造を示す図である。エリア管理情報132は、検索サーバ20において検索対象となりうるエリアの情報を含む。
図4に示すように、エリア管理情報132は、「エリアID」、「エリア名」、「位置情報」及び「検索者数」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構造である。図4に示す各行を1つのレコードとし、1つのレコードに1つのエリアに関する情報が記述される。「エリアID」のフィールドには、検索履歴情報131と共通するエリアIDが記述される。「エリア名」のフィールドには、エリアIDが示すエリアの名称を示す情報が記述される。エリア名は、ユーザがそれを見てどのエリアを指しているのかを判別することができるものである。「位置情報」のフィールドには、各エリアの代表地点を示す位置情報が記述される。かかる位置情報は、例えば緯度情報及び経度情報を含む。代表地点は、例えばエリアの中心や主要な駅など、そのエリアの代表的となる位置にあらかじめ決められている。この代表地点は、エリアにおけるどの位置に決められてもよい。
【0023】
「検索者数」のフィールドには、そのエリアを検索対象としたクライアント端末30のユーザの実数が記述される。「検索者数」のフィールドに記述される情報は、本発明の特徴情報の一例であり、検索履歴情報131を構成する検索履歴のエリアごとの特徴を示すものである。このように、検索者数は、検索履歴の統計に基づく数量的な特徴を、エリアごとに表した情報ということもできる。検索者数は、情報検索の観点からユーザによる注目度の高さ(人気の高さ)の指標となる特徴であり、その値が大きいエリアほど、注目度が高いエリアであると推測することができる。
例えば、図4の第1行に示すレコードは、エリアID「AREA−1」が割り当てられたエリア名「○○区」のエリアが、代表地点の緯度情報及び経度情報が「x1,y1」であり、そのエリアを検索対象とした検索者数は「100」人であることを意味する。
なお、この実施形態におけるエリアの分け方は一態様である。例えば、A駅を中心とした所定範囲をひとつのエリアとしてもよく、どのようにエリアを区分するかについては任意である。
【0024】
図5は、検索語情報133のデータ構造を示す図である。検索語情報133は、クライアント端末30に提示されうる検索語を蓄積する。
図5に示すように、検索語情報133は、「エリアID」、「検索語」及び「検索語スコア」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構造である。図5に示す各行を1つのレコードとし、1つのレコードに1つの検索語に関する情報が記述される。「エリアID」のフィールドには、検索履歴情報131及びエリア管理情報132と共通するエリアIDが記述される。「検索語」のフィールドには、検索履歴情報131に含まれる検索語と共通する検索語であり、過去に検索に使用されたものが記述される。「検索語スコア」のフィールドには、その検索語に関する情報のユーザによる注目度の高さ(人気の高さ)の指標となる値が記述される。ここでは、検索語スコアのエリアごとの合計値がそれぞれ「1」となるように正規化され、検索語スコアの値が大きいほど、注目度の高い情報に関する検索語であると推測することができる。
【0025】
ここで、制御部11による検索語スコアの算出手順を説明する。
制御部11は、検索履歴情報131及びエリア管理情報132に基づいて、検索語スコアを算出する。例えば、エリアID「AREA−1」の検索者数が「100」であり、「ラーメン」という検索語を用いた検索者数が「50」であり、「映画館」という検索語を用いた検索者数が「30」であり、「バス」という検索語を用いた検索者数が「20」であったとする。この場合、制御部11は、エリアごとに検索者数の合計値を算出して(ここでは、100)、各検索語の検索者数をこの合計値で除して正規化し、検索語スコアを算出する。すなわち、制御部11は、検索語「ラーメン」について検索語スコア「0.5」を算出し、検索語「映画館」について検索語スコア「0.3」を算出し、検索語「バス」について検索語スコア「0.2」を算出する。
なお、制御部11は、エリアID「AREA−2」及び「AREA−3」のエリアを含む各エリアについて、同様の手順で検索語スコアを算出する。
【0026】
図5に示すように、エリアID「AREA−1」のエリアについては、検索語として「ラーメン」、「映画館」及び「バス」が含まれ、それらの検索語スコアは順に、「0.5」、「0.3」、「0.2」である。つまり、エリアID「AREA−1」のエリアでは、「ラーメン」に関する情報を検索した検索者数が最も多く、その情報の注目度が高いと推測される。一方、エリアID「AREA−2」のエリアについては、検索語として「映画館」、「ラーメン」及び「遊園地」が含まれ、それらの検索語スコアは順に、「0.6」、「0.2」、「0.2」である。つまり、エリアID「AREA−2」のエリアでは、「映画館」に関する情報を検索した検索者数が最も多く、このエリアではその情報の注目度が高いと推測される。
このように、エリアごとに注目度が高い情報が異なる場合には、それに応じて検索語スコアも異なる。図5に示す例では、エリアID「AREA−1」のエリアには、人気のラーメン店があり、エリアID「AREA−3」のエリアには、有名な映画館があるといった推測が可能である。
【0027】
図6は、入力支援サーバ10の機能的構成を示す機能ブロック図である。入力支援サーバ10は、プログラムを実行することにより、履歴取得部101、特徴情報生成部102、情報記憶部103、位置情報受信部104、特定部105、エリアID送信部106、エリアID受信部107、検索語蓄積部108及び検索語提示部109の各部に相当する機能を実現する。
履歴取得部101は、本発明の取得部の一例であり、エリアIDを含む、そのエリアIDが示すエリアに関する検索履歴を取得する。履歴取得部101は、クライアント端末30から検索履歴を受信してこれを取得し、情報記憶部103に記憶させる。これにより、上述した検索履歴情報131の内容が更新される。
【0028】
特徴情報生成部102は、本発明の生成部の一例であり、履歴取得部101が取得した複数の検索履歴の特徴を示す特徴情報をエリアごとに生成する。ここでは、特徴情報生成部102は、情報記憶部103の検索履歴情報131に記述されたユーザIDをエリアIDごとに分けて計数して、それぞれ検索者の実数を算出する。特徴情報生成部102は、図4に示すエリア管理情報132の「検索者数」のフィールドに、算出した検索者数を記述する。
【0029】
情報記憶部103は、本発明の情報記憶部の一例であり、検索履歴情報131及びエリア管理情報132を記憶する。
位置情報受信部104は、本発明の第1受信部の一例であり、クライアント端末30から位置情報を少なくとも受信する。かかる位置情報は、本発明の第1位置情報の一例であり、例えばクライアント端末30の現在位置の緯度情報及び経度情報を含む。
【0030】
特定部105は、本発明の特定部の一例である。特定部105は、位置情報受信部104が受信した位置情報が示す位置とエリアの代表地点との距離及びエリア管理情報132においてそのエリアのエリアIDに対応付けられた特徴情報が示す特徴に基づいて、エリア管理情報132からエリアIDを特定する。
特定部105は、例えばクライアント端末30の現在位置を基準として、所定の検索範囲(例えば、半径50kmの範囲)内に代表地点が含まれるエリアのエリアIDのうち、特徴情報が示す特徴に応じたエリアIDを特定する。
エリアID送信部106は、本発明の送信部の一例であり、特定部105で特定されたエリアIDをクライアント端末30宛てに送信する。
【0031】
エリアID受信部107は、本発明の第2受信部の一例であり、エリアID送信部106により送信されたエリアIDのうち、クライアント端末30で指定されたエリアIDを、クライアント端末30から受信する。なお、エリアID受信部107は、クライアント端末30で指定されたエリアIDを特定できる別の情報を受信してもよい。
検索語蓄積部108は、本発明の蓄積部の一例であり、クライアント端末30に提示しうる検索語を蓄積するものである。具体的には、検索語蓄積部108は検索語情報133を記憶する。
検索語提示部109は、本発明の提示部の一例であり、検索語蓄積部108においてエリアID受信部107が受信したエリアIDに対応付けられた検索語を、クライアント端末30に提示する。
次に、検索サービスシステム1の動作について説明する。
【0032】
図7は、検索サービスシステム1における動作手順を示すシーケンスチャートである。
まず、クライアント端末30のユーザは、入力支援サーバ10へのアクセスするようクライアント端末30を操作する。この操作を契機として、クライアント端末30は、エリアID取得クエリを生成して入力支援サーバ10宛てに送信する(ステップS1)。入力支援サーバ10の制御部11は、通信部12によってクライアント端末30からエリアID取得クエリを受信する。
【0033】
図8は、エリアID取得クエリのデータ構造を示す図である。
図8に示すように、エリアID取得クエリには、「位置情報」、「検索範囲」及び「種別情報」に分類される各情報が含まれる。「位置情報」は、クライアント端末30の現在位置を示す位置情報(つまり、第1位置情報)であり、現在位置の緯度情報及び経度情報を含む。クライアント端末30は自端末の位置を測位して緯度情報及び経度情報を得ると、これをエリアID取得クエリに含ませる。「検索範囲」は、クライアント端末30の現在位置を基準として、どの範囲に属するエリアを検索対象とするかを距離によって規定するものである。かかる検索範囲は、例えばユーザの操作に応じてクライアント端末30において指定される。「種別情報」は、クライアント端末30の端末種別を示す情報である。この端末種別は、クライアント端末30が携帯電話機であるのか、パーソナルコンピュータであるかといった、端末の種別を判別可能な情報である。
図8に示す内容のエリアID取得クエリの場合、クライアント端末30の現在位置を示す位置情報は(xa,ya)であり、検索範囲は「50km」、種別情報は「携帯電話機」である。以下の説明においては、入力支援サーバ10が、ステップS1の処理で図8に示す内容のエリアID取得クエリを受信した場合の動作を説明する。
【0034】
図7の説明に戻る。
制御部11は、ステップS1の処理で受信したエリアID取得クエリに基づいて、エリアスコアを算出する(ステップS2)。エリアスコアは、情報検索の観点からのユーザによる各エリアの注目度の高さの指標となる値である。注目度が高いエリアほど、エリアスコアの値は大きくなる。
ここで、ステップS2の処理について図9を参照しつつ説明する。
【0035】
図9は、情報検索の対象となるエリア(以下、「検索エリア」という。)を説明する図である。図9は、エリアID「AREA−1」〜「AREA−3」のエリアの範囲の領域を模式的に表したものである。
まず、制御部11は、エリアID取得クエリに含まれる「位置情報」及び「検索範囲」を基に、検索エリアを決定する。図9に示すように、クライアント端末30の現在位置(図9に☆印で図示)が(xa,ya)であるとすると、そこから半径50kmの距離範囲内には、エリアID「AREA−1」である「○○区」、エリアID「AREA−2」である「△△区」及びエリアID「AREA−3」である「□□区」の3つのエリアの代表地点(図9に★印で図示)が含まれる。つまり、制御部11は、クライアント端末30と各エリアの代表地点との距離に基づいて、エリアIDを特定する。
なお、仮にクライアント端末30の現在位置が(xa,ya)の位置よりもさらに図中右側であった場合、同一のエリアに所在していても、エリアID「AREA−2」のエリアが検索範囲に含まれないことがある。このとき、制御部11は、エリアID「AREA−2」を特定しない。
【0036】
次に、制御部11は、エリア管理情報132に記述された「検索者数」を用いてエリアスコアを算出する。図4に示すように、エリアID「AREA−1」の検索者数は「100」であり、エリアID「AREA−2」の検索者数は「70」であり、エリアID「AREA−3」の検索者数は「30」である。制御部11は、距離範囲に応じて特定した検索エリアの検索者数の合計値を算出して(ここでは、200)、各エリアの検索者数をこの合計値で除して正規化することにより、エリアスコアを算出する。ここでは、制御部11は、エリアID「AREA−1」についてエリアスコア「0.5」を算出し、エリアID「AREA−2」についてエリアスコア「0.35」を算出し、エリアID「AREA−3」についてエリアスコア「0.15」を算出する。この場合、前者のエリアIDのエリアほど、実際に検索エリアとしたユーザの実数が多く、ユーザからの注目度が高いエリアであると推測することができる。
【0037】
次に、制御部11は、ステップS2の処理で算出したエリアスコアに応じてエリア管理情報132からエリアIDを特定する(ステップS3)。制御部11は、算出したエリアスコアが大きいエリアIDを優先的に特定する。
具体的には、ステップS3の処理では、制御部11は、エリアスコアが閾値以上であるエリアIDのみを特定する。この閾値を例えば「0.2」とすれば、制御部11は、エリアID「AREA−1」及び「AREA−2」を特定するが、エリアID「AREA−3」を特定しない。これにより、制御部11は、ユーザの現在位置から近くても注目度が比較的低いと推測されるエリアについてはエリアIDを特定せず、ユーザの現在位置から比較的近く、且つ注目度が高いと推測されるエリアのエリアIDを優先的に特定する。
【0038】
ところで、ステップS3の処理の内容は以下のものであってもよい。
例えば、制御部11は、エリアスコアが上位である決められた数(例えば、上位5つ)のエリアIDのみを特定してもよいし、エリアスコアが最大であるエリアIDのみを特定してもよい。このように、制御部11は、注目度が高いと推測されるエリアのエリアIDを特定するのであれば、検索者数をどのように用いてエリアIDを特定しても構わない。
なお、ステップS3の処理において、制御部11がどのような態様でエリアIDを特定するかについては、検索サービスシステム1であらかじめ決められてもよいし、入力支援サーバ10やクライアント端末30に対する設定内容に応じて決められてもよい。
【0039】
次に、制御部11は、ステップS3の処理で特定したエリアIDを通信部12によってクライアント端末30宛てに送信する(ステップS4)。ここでは、制御部11は、エリアIDとともに、そのエリア名を示す情報も併せて送信する。つまり、ステップS2の処理では、制御部11は、エリアIDが送信される際の優先度に応じたエリアスコアを、検索者数に応じてエリアIDごとに算出したことになる。
以上の処理によって、制御部11は、これからユーザにより指定されるであろう検索エリアを、あらかじめ推定したことになる。
【0040】
続いて、クライアント端末30は、ステップS4の処理で送信されたエリアIDを受信すると、受信したエリアIDのうちのいずれかを選択する。クライアント端末30は、ステップS4の処理で送信されたエリアID及びエリア名に基づいて、受信したエリアIDに対応するエリア名を一覧表示する。ユーザは、所望する検索エリアに応じてクライアント端末30に対していずれかのエリア名を選択する操作を行って、エリアIDを選択する。クライアント端末30は、選択されたエリアIDを入力支援サーバ10宛てに送信する(ステップS5)。
なお、ステップS4の処理で送信されるエリアIDが1つである場合には、この選択に関する処理を省略してもよい。この場合、制御部11は、このエリアIDがクライアント端末30で選択されたものとして以下の処理ステップを実行し、ステップS4,S5の処理ステップについては省略する。
【0041】
入力支援サーバ10の制御部11は、通信部12によってエリアIDをクライアント端末30から受信すると、そのエリアIDが割り当てられたエリアに関する検索語から、クライアント端末30へ提示する検索語を特定する(ステップS6)。制御部11は、検索語情報133のうち、ステップS5の処理で受信したエリアIDに対応するフィールドを参照する。そして、制御部11は、そのエリアIDに対応付けられた検索語のうち、検索語スコアに応じた検索語を提示する(ステップS7)。具体的には、制御部11は、提示する検索語を含む送信データを生成し、クライアント端末30宛てに送信する。
ステップS7の処理において、例えば、制御部11は、予め算出した検索語スコアが上位である決められた数の検索語を提示する。図5の内容に従えば、制御部11がエリアID「AREA−1」を受信したとすると、検索語スコアが最大である「ラーメン」という検索語を最も優先して表示させ、続いて「映画館」、「バス」などの検索語を順に提示する。このとき、制御部11は、算出した検索語スコアが大きいものがクライアント端末30で指定されやすくなるように、検索語スコアが高い検索語を上位に提示してもよい。また、制御部11は、検索語スコアが最も高い検索語のみを提示してもよいし、検索語スコアが閾値(例えば、0.4)以上である検索語を提示してもよい。また、制御部11は、ステップS5の処理で受信したエリアIDに対応付けられたすべての検索語を提示してもよい。このように、制御部11が検索語を提示するか否かを判断する際のアルゴリズムについては、種々の態様を採りうる。
【0042】
クライアント端末30は、ユーザにより指定された検索語に基づいて検索クエリを生成する(ステップS8)。このとき、クライアント端末30は、入力支援サーバ10により提示された検索語がユーザによって指定されるか、又はユーザの入力操作により新たに検索語が入力されて検索語が指定されると、その検索語を含む検索クエリを生成する。かかる検索クエリは、ここでは、検索に用いられる検索語と、検索されたコンテンツに関するエリアのエリアIDと、クライアント端末30のユーザを識別するユーザIDを含む。
なお、エリアIDは、ステップS5の処理で送信されたものと同じエリアIDである。
【0043】
このステップS8の処理で、入力支援サーバ10により提示された検索語が指定された場合、ユーザにしてみれば検索語の入力操作の手間が省け、その負担が軽減される。これにより、入力支援サーバ10は、ユーザの検索語の入力を支援したこととなる。また、検索語に関する情報をユーザが知らない場合であっても、入力支援サーバ10によってユーザはその情報を新たに知る機会を得られることになる。また、入力支援サーバ10は、検索クエリを検索履歴として用いることができるので、検索履歴に関する情報を別途クライアント端末30に生成させる必要がない。
【0044】
クライアント端末30は、検索クエリを入力支援サーバ10宛てに送信する(ステップS9)。入力支援サーバ10の制御部11は、通信部12により検索クエリを受信する。制御部11は、受信した検索クエリを検索履歴として取得し、検索者数である特徴情報を生成するとともに、検索履歴情報131、エリア管理情報132及び検索語情報133の内容をそれぞれ更新する(ステップS10)。このとき、制御部11は、検索クエリに含まれる各情報を検索履歴情報131の対応するフィールドにそれぞれ記述する。そして、制御部11は、更新後の検索履歴情報131の内容に基づいて、検索履歴情報131に含まれるユーザIDの実数をエリアごとに計数して、エリアごとの特徴情報を生成する。そして、制御部11は、エリア管理情報132及び検索語情報133の内容を更新する。このとき、制御部11は、例えば過去3ヶ月内など所定期間内の検索履歴が含まれるように、エリア管理情報132及び検索語情報133の内容を更新するとよい。これにより、比較的近い時期の検索履歴の特徴を、ステップS3の処理であるエリアIDの特定に反映させることができる。
【0045】
また、クライアント端末30は、検索するためにステップS8の処理で生成した検索クエリを検索サーバ20宛てに送信する(ステップS11)。検索サーバ20は、検索クエリに含まれるエリアIDに従ってどのエリアに関する検索結果を提供するかを特定し、そのエリアと検索語とに応じた検索結果をクライアント端末30宛てに送信する(ステップS12)。そして、クライアント端末30は、検索サーバ20からエリアIDが付加された検索語を含む検索結果を受信する。そして、クライアント端末30は、その検索結果に示されるURL(Uniform Resource Locator)を指定するなどして、そのURLにより特定されるコンテンツを格納するサーバにアクセスして、コンテンツの提供を受ける。
【0046】
以上説明した第1実施形態によれば、入力支援サーバ10は、検索語の提示に際して、クライアント端末30の現在位置とともに、検索履歴の特徴(ここでは、検索者数)に基づいて検索エリアをあらかじめ推定する。具体的には、入力支援サーバ10は、クライアント端末30の現在位置と各エリアの代表地点との距離に基づいて1又は複数のエリアを特定する。そして、入力支援サーバ10は、特定したエリアのうち、検索者数が多いエリアについて優先的にエリアIDを特定する。この構成によれば、入力支援サーバ10が検索エリアを推定する際に検索履歴の特徴を反映させるので、実際のユーザによる注目度を加味した検索エリアを特定することができる。これにより、情報の価値が時々刻々と変化しうるような場合であっても、入力支援サーバ10は、その変化に照らして検索エリアを的確に推定することができる。
更に、入力支援サーバ10は、各検索語を用いたユーザの実数をエリアごとに算出して検索語スコアを算出し、その検索語エリアに応じてクライアント端末30に提示する検索語を特定する。これにより、入力支援サーバ10は、ユーザにより指定されたエリアで注目度の高い情報に関する検索語を、優先的にクライアント端末30に提示することができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態の検索サービスシステムは、上述した特徴情報が示す特徴の内容と、特徴情報に関わる構成が第1実施形態と相違する。よって、検索サービスシステムの全体構成や各装置のハードウェア構成は第1実施形態と共通する。以下の説明において、本実施形態の検索サービスシステムの構成のうち、第1実施形態と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明及び図示を適宜省略する。また、第1実施形態と対応する構成について符号の末尾に「a」を付して表し、適宜その説明を省略する。
【0048】
図10は、この実施形態のエリア管理情報132aのデータ構造を示す図である。
図10に示すように、エリア管理情報132aは、「エリアID」、「エリア名」、「位置情報」、「検索者数」及び「距離」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構造である。これらのうち、「エリアID」、「エリア名」、「位置情報」及び「検索者数」の各情報の内容は、上述した第1実施形態と共通する。「距離」のフィールドに記述された情報は、エリアの代表地点からの距離を表す。「検索者数」のフィールドは、この「距離」のフィールドのそれぞれに対応して記述される。
【0049】
エリア管理情報132aにおいては、代表地点からの距離に応じてエリアが更に複数領域に細分化され、その領域ごとの検索者数が記述される。すなわち、この実施形態の検索者数は、一のエリアについて代表地点からの距離ごとに異なることがある。例えば、図10の第1行に示すレコードは、エリアID「AREA−1」のエリアのうち、代表地点からの距離が「0−9」kmの範囲に居る50人のユーザにより、検索が行われたことを意味する。
【0050】
図11は、この実施形態の検索履歴情報131aのデータ構造を示す図である。
図11に示すように、検索履歴情報131aは、「検索日時」、「ユーザID」、「エリアID」、「距離」及び「検索語」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構造である。これらのうち、「検索日時」、「ユーザID」、「エリアID」及び「検索語」の各情報の内容は、上述した第1実施形態と共通する。「距離」のフィールドに記述される情報は、クライアント端末30が検索を行ったときの位置を表す位置情報である。かかる位置情報は、本発明の第2位置情報の一例であり、緯度情報及び経度情報を含む。そして、かかる位置情報が示す位置は、その位置を含むエリアの代表地点からの距離を表す。例えば、図11の第1行に示すレコードは、エリアID「AREA−1」のエリアのうち、代表地点からの距離が「15」kmの地点でクライアント端末30が検索を行ったことを意味する。
【0051】
次に、検索サービスシステム1における動作を図12を参照しつつ説明する。図12は、検索エリアを説明する図である。図12は、エリアID「AREA−1」〜「AREA−3」のエリアの範囲の領域を模式的に表したものである。
検索サービスシステム1における動作手順は基本的には、図7に示すシーケンスチャートと同様の手順であるが、以下の点において相違する。
ステップS1の処理により、クライアント端末30がエリアID取得クエリを送信すると、ステップS2の処理において、入力支援サーバ10の制御部11は、エリアID取得クエリに含まれる位置情報が示す位置と、検索範囲(50km)に代表地点が含まれるエリアの各代表地点との距離をそれぞれ算出する。そして、制御部11は、各エリアについて、算出した距離に対応する検索者数を特定してエリアスコアを算出する。ここで、制御部11は、エリアID「AREA−1」のエリアからの距離が25kmであり、エリアID「AREA−2」のエリアからの距離が25kmであり、エリアID「AREA−3」のエリアからの距離が15kmであると算出したとする。この場合、図10の内容に従えば、制御部11は、エリアID「AREA−1」のエリアについて検索者数「20」、エリアID「AREA−2」のエリアについて検索者数「10」、エリアID「AREA−3」のエリアについて検索者数「10」と特定する。そうすると、図12に示すように、制御部11は、第1実施形態と同じ手順により、エリアID「AREA−1」のエリアについてエリアスコア「0.5」、エリアID「AREA−2」のエリアについてエリアスコア「0.25」、エリアID「AREA−3」のエリアについてエリアスコア「0.25」とそれぞれ算出する。
ステップS3の処理からステップS9の処理は、上述の第1実施形態と同じである。
【0052】
ステップS10の処理では、制御部11は、クライアント端末30が検索を実行したときの位置を示す位置情報(本発明の第2位置情報に相当する。)を含む検索履歴を受信する。そして、制御部11は、受信した位置情報が示す位置を含む領域について特徴情報を生成し、検索履歴情報131aの内容を更新する。
それ以外は、検索サービスシステム1においては上述した第1実施形態と同じ手順で処理が実行される。
【0053】
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同等の効果を奏するととともに、以下の作用効果も奏する。入力支援サーバ10は、検索エリアを推定する際に、検索履歴に基づいてユーザが検索を行ったエリア内の位置を加味する。例えば、互いに共通するエリア内で、クライアント端末30が同じ検索条件で情報検索を試みた場合でも、代表地点から所定範囲内では検索者数がかなり多い一方で、その範囲外では極端に検索者数が減ることも考えられる。上述した第1実施形態の構成では、両者の場合で検索エリアの推定結果は同じになる。一方、この実施形態の構成によれば、このような場合でも検索履歴が示す特徴に適した検索エリアの推定が可能である。
【0054】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
この第3実施形態の検索サービスシステムは、上述した特徴情報が示す特徴の内容と、特徴情報に関わる構成が第1実施形態と相違する。よって、検索サービスシステムの全体構成や各装置のハードウェア構成は第1実施形態と共通する。以下の説明において、本実施形態の検索サービスシステムの構成のうち、第1実施形態と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明及び図示を適宜省略する。また、第1実施形態と対応する構成について符号の末尾に「b」を付して表し、適宜その説明を簡略化する。
【0055】
図13は、この実施形態のエリア管理情報132bの構成を示す図である。
図13に示すように、エリア管理情報132bは、「エリアID」、「エリア名」、「位置情報」及び「検索回数」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構成である。これらのうち、「エリアID」、「エリア名」及び「位置情報」の各情報の内容は、上述した第1実施形態と共通する。
検索回数は、本発明の特徴情報の一例であり、ユーザごとに異なる特徴を表すものである。かかる検索回数も、検索履歴の統計に基づく数量的な特徴をエリアごとに表すものということができる。この検索回数は、一のユーザが各エリアについて情報検索を何回実行したかを表す値である。すなわち、検索回数は、エリア単位のユーザごとの情報検索の特徴を表すものである。つまり、この実施形態の特徴情報が示す特徴は、不特定多数のユーザのクライアント端末30で共用されるものではなく、ユーザごとに異なるものが用いられる。
例えば、図13の第1行に示すレコードは、エリアID「AREA−1」が割り当てられたエリア名「○○区」のエリアは、代表地点の位置情報が「x1,y1」であり、ユーザID「UID−A」のユーザはそのエリアで「30」回検索を実行したことを意味する。
【0056】
次に、検索サービスシステム1における動作を説明する。
検索サービスシステム1における動作手順は基本的には、図7に示すシーケンスチャートと同様の手順であるが、以下の点において相違する。
ステップS1の処理により、クライアント端末30がエリアID取得クエリを送信する際に、自端末のユーザのユーザIDをそこに含ませて送信する。
ステップS2の処理では、入力支援サーバ10の制御部11は、エリアID取得クエリに含まれる検索範囲と、クライアント端末30と各エリアの代表地点の位置との距離とに基づいて、第1実施形態と同様にしてエリアIDを特定する。次に、制御部11は、エリア管理情報132bに記述された「検索回数」を用いてエリアスコアを算出する。図13に示すように、エリアID「AREA−1」での検索回数は「30」であり、エリアID「AREA−2」での検索回数は「10」であり、エリアID「AREA−3」での検索回数は「10」である。制御部11は、これら検索エリアのエリアスコアの合計値を算出して(つまり、50)、各エリアの検索回数を正規化してエリアスコアを算出する。つまり、制御部11は、エリアID「AREA−1」のエリアスコア「0.6」を算出し、エリアID「AREA−2」のエリアスコア「0.2」を算出し、エリアID「AREA−3」のエリアスコア「0.2」を算出する。
以降、検索サービスシステム1においては上述した第1実施形態と同じ手順で処理が実行される。ただし、ステップS10の処理では、制御部11は、エリアID取得クエリに含まれるユーザIDに基づいて、一のユーザによる検索回数を示す特徴情報をユーザごとに生成し、エリア管理情報132bに記述する。
【0057】
以上説明した第3実施形態によれば、上述した第1実施形態と同等の効果を奏するととともに、以下の作用効果も奏する。この第3実施形態の構成は、エリアごとの検索履歴の特徴に基づいて検索エリアを推定する点では、第1実施形態の構成と共通するが、ユーザごとに異なる特徴情報を用いる点で相違する。この構成によれば、入力支援サーバ10は、クライアント端末30のユーザごとの検索の特徴を加味することができ、例えば、ユーザが興味を持っているエリアについては優先的に検索エリアとして推定することもできる。このように、第3実施形態の構成によれば、クライアント端末30のユーザごとに適した態様で、検索語を提示することができる。
【0058】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
この第4実施形態の検索サービスシステムは、入力支援サーバの検索語スコアの算出に係るアルゴリズムが上述した第1実施形態とは異なり、その結果、クライアント端末30に提示する検索語を選択する際の手順が第1実施形態と相違する。一方で、検索サービスシステムの全体構成や各装置のハードウェア構成は第1実施形態と共通する。以下の説明において、本実施形態の検索サービスシステムの構成のうち、第1実施形態と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明及び図示を適宜省略する。また、第1実施形態と対応する構成について符号の末尾に「c」を付して表し、適宜その説明を省略する。
【0059】
図14は、入力支援サーバ10の機能的構成を示す機能ブロック図である。入力支援サーバ10は、プログラムを実行することにより、履歴取得部101、特徴情報生成部102、情報記憶部103、位置情報受信部104c、特定部105c、エリアID送信部106c、エリアID受信部107c、検索語蓄積部108c、検索語提示部109c及び訪問履歴記憶部110の各部に相当する機能を実現する。履歴取得部101、特徴情報生成部102及び情報記憶部103が実現する機能は、上述した第1実施形態と共通する。
【0060】
検索語蓄積部108cは、検索語情報133cを記憶する。
図15は、検索語情報133cのデータ構造を示す図である。検索語情報133cは、クライアント端末30に提示されうる検索語と、提示対象となる検索語が特定される際に制御部11に参照される情報とを対応付けて蓄積するものである。図15に示すように、検索語情報133cは、「エリアID」、「検索語」、「検索者数」、「特殊度」及び「新鮮度」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構造である。図15に示す各行を1つのレコードとし、1つのレコードに1つの検索語に関する情報が記述される。「エリアID」及び「検索語」の各情報の内容は、上述した第1実施形態と共通する。「検索者数」のフィールドには、同一レコードで対応付けられた検索語を用いて検索を行ったユーザの数が、検索者数trとして記述される。ここでは、最も多く用いられた検索語(図15の例では、「スポーツバー」である。)の値が「1」となるように、現実の検索者数を、最も多く用いられた検索語を用いた検索者数で除することで正規化された値が、「検索者数」のフィールドに記述される。図15の例では、エリアID「AREA−1」のエリアについては、「スポーツバー」や「映画館」という検索語の検索者数trが比較的大きな値である。
【0061】
「特殊度」のフィールドには、同一レコードで対応付けられた検索語が用いられるエリアの数の指標となる指標値が、特殊度idfとして記述される。特殊度idfは、例えば「店舗A」や「店舗B」のような固有名詞については高くなる傾向にある。或る特定のエリアにしかない店舗や地名等の検索語は、検索語として用いられるエリアが限られてくるものであり、検索語としての使用に際してエリアの制約を受けやすいものである。このように、特殊度にあっては、使用エリアの観点から、検索語として特殊である傾向が強いものほど、その値が大きくなる。反対に、「スポーツバー」や「映画館」のような一般名詞については、特殊度idfが低くなる傾向にある。例えば、どのエリアでも使用されうるような店舗の業種(ジャンル)や飲食店のメニュー等の検索語は、使用エリアが左右されにくく、検索語としての使用に際してエリアの制約を受けにくいものである。このように、特殊度idfにあっては、使用エリアの観点から、検索語として特殊である傾向が弱いものほど、その値が小さくなる。本実施形態において、特殊度idfは下記式(1)の関係を満たす。
特殊度idf=log{(全エリア数)/(検索語情報133cにおいて検索語が登場するエリア数)} ・・・(1)
【0062】
式(1)において、「全エリア数」は、例えば、検索語情報133cに記述されたエリアIDの総数である。「検索語情報133cにおいて検索語が登場するエリア数」は、検索語情報133cにおいて検索語に対応付けられているエリアIDの総数である。図15の例では、エリアID「AREA−1」のエリアについては、「店舗A」や「店舗B」という検索語の特殊度idfが比較的大きな値である。
【0063】
「新鮮度」のフィールドには、最近の検索語として使用された回数又は頻度の指標である値が新鮮度freとして記述される。新鮮度は、例えば同一レコードで対応付けられた検索語を用いて検索が行われた時期(以下、「検索時期」という。)に基づいて定義される。検索時期は、ここでは検索履歴情報131に記述された検索日時であり、検索が行われた年月日及び時刻を含む。例えば、新鮮度freは、現時点から過去の24時間以内に検索語として用いられれば、「1」となり、所定時間が経過するたびに所定値ずつ次第に減少する。このように、検索語に関連する情報の流行が過ぎた場合等、その情報が新鮮でない状況になるほど、その値が小さくなる。このように、新鮮度freは、最近検索語としてどの程度用いられているかの指標となる値である。図15の例では、エリアID「AREA−1」のエリアについては、「店舗B」や「スポーツバー」という検索語の新鮮度freが比較的大きな値である。
本実施形態では、新鮮度は、検索語スコアの算出時期に検索履歴情報131が参照されて、最新の検索時期に応じた値となるように算出される。
【0064】
図14に戻って説明する。
位置情報受信部104cは、クライアント端末30から位置情報とともに、クライアント端末30のユーザを識別するユーザIDを受信する。
訪問履歴記憶部110は、本発明の訪問履歴記憶部の一例であり、訪問履歴情報135を記憶する。訪問履歴情報135は、位置情報受信部104cにより受信された位置情報及びユーザIDから特定されるユーザの各エリアへの訪問履歴を、各エリアのエリアIDと対応付けてそれぞれ記述したものである。
【0065】
図16は、訪問履歴情報135のデータ構造を示す図である。訪問履歴情報135は、「訪問時期」、「ユーザID」及び「エリアID」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構成である。これらのうち、「ユーザID」及び「エリアID」の各情報の内容は、上述した第1実施形態と共通する。「訪問時期」は、各ユーザが検索を行ったエリアに訪問した日時を表し、ここでは検索履歴情報131に記述された検索日時により定められる。
例えば、図16の第1行に示すレコードは、訪問日時「2010/4/10 0:00」に、ユーザID「UID−A」が示すユーザが、エリアID「AREA−1」が示すエリアに訪問して検索を試みたことを示す。訪問履歴情報135は、例えば履歴取得部101が取得した検索履歴に基づいてその内容が更新される。また、位置情報受信部104cが位置情報及びユーザIDを受信した日時を訪問時期としてもよい。
【0066】
特定部105cは、訪問履歴記憶部110の訪問履歴情報135を参照して、位置情報受信部104cが受信したユーザIDのユーザについて、同時に受信したエリアIDが示すエリアへの訪問履歴を示すパラメータを生成する。ここでの訪問履歴を示すパラメータは、同一エリアへの連続訪問日数fpaである。例えば、3日間連続してユーザが同一エリアへ訪問していれば、そのエリアの連続訪問日数fpaは「3」となり、2日間連続してユーザがエリアへ訪問していれば、連続訪問日数fpaは「2」となる。一方、連続訪問が途絶えると、連続訪問日数fpaは「0」にリセットされる。
【0067】
エリアID送信部106cは、特定部105cで特定されたエリアIDと連続訪問日数fpaとをクライアント端末30宛てに送信する。
【0068】
エリアID受信部107cは、エリアID送信部106cにより送信されたエリアID及び連続訪問日数fpaの組のうち、クライアント端末30で指定された組を受信するとともに、更に、新鮮度を反映させる程度を示す反映度gpaを、クライアント端末30から受信する。反映度gpaは、クライアント端末30側で設定可能なパラメータであり、入力支援サーバ10が提示する検索語を特定する際に、新鮮度freをどの程度反映させたいか(重視するか)によって、ユーザによって任意の値に定められる。反映度gpaは、ここでは、0以上1以下の値である。
【0069】
検索語提示部109cは、エリアID受信部107cが受信したユーザIDが示すユーザのクライアント端末30に検索語を提示する際に、訪問履歴記憶部110においてこのユーザIDに対応付けられた訪問履歴に応じて、検索語蓄積部108cから検索語を特定して提示する。ここでは、検索語提示部109cは、エリアID受信部107cにより受信されたエリアID及び連続訪問日数fpaの組と、訪問履歴情報135に記述された各情報とに基づいて検索語スコアを算出し、この検索語スコアが大きいものをより優先するように検索語を特定して提示する。
本実施形態の構成の説明は以上である。
【0070】
続いて、本実施形態の動作について説明する。
図17は、この実施形態の検索サービスシステムにおける動作手順を示すシーケンスチャートである。以下の説明において、図7に示されると同じ処理ステップについては同じ符号を付して表してその説明を省略するとともに、対応する処理ステップについては符号の末尾に「c」を付して表してその説明を簡略化することがある。
まず、クライアント端末30は、第1実施形態で説明したような位置情報、検索範囲及び種別情報に分類される各情報に加えて、更に、自端末のユーザのユーザIDを含ませたエリアID取得クエリを、入力支援サーバ10宛てに送信する(ステップS1)。そして、入力支援サーバ10の制御部11は、上述の第1実施形態と同じ手順でエリアスコアを算出して(ステップS2)、エリアIDを特定する(ステップS3)。
【0071】
次に、制御部11は、エリアID取得クエリを用いて受信したユーザIDのユーザについて、その受信したエリアIDが示す各エリアへの連続訪問日数fpaを生成する。制御部11は、訪問履歴情報135を参照して連続訪問日数fpaを生成する。そして、制御部11はエリアIDや連続訪問日数fpaを含む情報を、クライアント端末30宛てに送信する(ステップS4c)。
【0072】
クライアント端末30は、ステップS4cの処理で送信されたエリアIDを受信すると、受信したエリアIDのうちのいずれかをユーザの操作に応じて選択する。そして、クライアント端末30は、選択したエリアIDと、このエリアIDが示すエリアに関するユーザの連続訪問日数fpaと、反映度gpaとを組としたデータを、入力支援サーバ10宛てに送信する(ステップS5c)。クライアント端末30のユーザは、エリアIDとともに、反映度gpaを指定し、クライアント端末30はこの指定された内容に応じた情報を送信する。
【0073】
制御部11は、クライアント端末30からエリアIDと、連続訪問日数fpaと、反映度gpaとの組を示すデータを受信すると、受信したデータに基づいて検索語スコアを算出し、提示する検索語を特定する(ステップS6c)。
ステップS6cの処理についてより具体的に説明する。
制御部11は、クライアント端末30で指定された反映度gpaや連続訪問日数fpa、更には検索語情報133cに記述された検索者数tr、特殊度idf、及び新鮮度freの情報を加味して、下記式(2)を満たす演算式により検索語スコアを算出する。なお、下記式(2)において、a,bは定数であり、例えば、設計段階等のあらかじめ決められた値である。
検索語スコア=tr×idfa×gpa×freb×fpa ・・・(2)
【0074】
式(2)から明らかなように、制御部11が算出する検索語スコアにあっては、反映度gpaが特殊度idfに作用し、連続訪問日数fpaが新鮮度freに作用する。そして、反映度gpaの値が大きいほど、検索語スコアに与える特殊度idfの影響度が大きくなる。また、連続訪問日数fpaの値が大きいほど、検索語スコアに与える新鮮度freの影響度が大きくなる。このように、本実施形態の検索語スコアは、検索語の特殊度idf及び新鮮度freに応じて変化し、その結果、制御部11が提示する検索語も変化する。この結果、クライアント端末30に対して様々なバリエーションで検索語の提示が可能となる。
【0075】
ここで、特殊度idf及び新鮮度freのそれぞれと、ステップS6cの処理で制御部11が特定する検索語との関係について、図18を参照しつつ説明する。図18は、エリアID「AREA−1」のエリアについて、図15に示す内容の検索語情報133cを用いた場合の検索語の提示結果の一例を示す図である。図18(a)は、特殊度idfに作用させられる反映度gpaを変化させた場合に提示される検索語を上位から表したものであり、図18(b)は、新鮮度freに作用させられる連続訪問日数fpaを変化させた場合に提示される検索語を上位から表したものである。図18(a),(b)において、紙面の上側に記載したものほど検索語スコアが大きく、より優先的に検索語として提示される。
【0076】
まず、反映度gpaの影響について図18(a)を参照しつつ説明する。
反映度gpaが「0」である場合、特殊度idfが検索語スコアに与える影響は最小となり、特殊度idfの高い検索語が優先的に提示されるわけではない。よって、「スポーツバー」、「映画館」、「店舗A」、「店舗B」の順で検索語スコアが大きく、検索者数trや新鮮度freが高いものがより優先される。反映度gpaが「0.3」である場合、特殊度idfが検索語スコアに与える影響は中程度となるので、特殊度idfの高い検索語が或る程度優先的される。よって、「スポーツバー」、「店舗A」、「店舗B」、「映画館」の順で検索語スコアが大きく、反映度gpaが「0」である場合に比べると、店舗Aや店舗Bのように、特殊度idfが高いものが上位で提示されるようになる。反映度gpaが「1.0」である場合、特殊度idfが検索語スコアに与える影響は最高となるので、特殊度idfの高い検索語が更に優先的に提示される。よって、「店舗A」、「店舗B」、「スポーツバー」、「映画館」の順で検索語スコアが大きく、反映度gpaが「0.3」である場合に比べて、「店舗A」や「店舗B」のように、検索語として使用されるエリアが限定的であり、特殊度idfが高いものがより上位で提示されるようになる。
【0077】
次に、連続訪問日数fpaの影響について図18(b)を参照しつつ説明する。
連続訪問日数fpaが「0」である場合、新鮮度freが検索語スコアに与える影響は最小となるので、新鮮度freの高い検索語が優先的に提示されるわけではない。よって、「スポーツバー」、「映画館」、「店舗A」、「店舗B」の順で検索語スコアが大きく、検索者数trや特殊度idfが高いものがより優先されるようになっている。連続訪問日数fpaが「3」である場合、新鮮度freが検索語スコアに与える影響は中程度となるので、新鮮度freの高い検索語が或る程度優先的に提示される。よって、「スポーツバー」、「店舗B」、「映画館」、「店舗A」の順で検索語スコアが大きく、連続訪問日数fpaが「0」である場合に比べると、「店舗B」のように、新鮮度が高いものが比較的上位で提示されるようになる。連続訪問日数fpaが「10」である場合、新鮮度freが検索語スコアに与える影響は更に大きくなるので、新鮮度freの高い検索語が更に優先的に提示される。よって、「店舗B」、「スポーツバー」、「店舗A」、「映画館」の順で検索語スコアが大きく、連続訪問日数fpaが「3」である場合に比べて、「店舗B」や「スポーツバー」のように、最近検索語として用いられることが多く、新鮮度freが高いものが更に上位で提示されるようになる。
以上のように、反映度gpaや連続訪問日数fpaによって、特殊度idfや新鮮度freが検索語スコアに与える影響が様々に変化するとともに、各エリアへの訪問状況やユーザの指定内容でこれらをどの程度反映させるかが変化するので、入力支援サーバ10によれば、検索語の提示結果をユーザの行動に応じてカスタマイズすることができる。
以降、検索サービスシステムは、ステップS7の処理以降は、基本的には上述した第1実施形態と同じ手順で動作する。ただし、ステップS9の処理で検索履歴を受信すると、制御部11は、受信した検索履歴に基づいて、検索語情報133cの各フィールドの情報を更新するとともに、訪問履歴情報135を更新する。なお、制御部11が検索語情報133や訪問履歴情報135を更新するタイミングは、これ以外であってもよい。
【0078】
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の作用効果を奏するとともに、以下の作用効果も奏する。本実施形態の検索サービスシステムでは、ユーザの各エリアの訪問履歴を検索語スコアに作用させるから、ユーザが同一エリアにたびたび訪問するような場合であっても、訪問のたびに提示する検索語を変化させることができ、特に、各ユーザの行動に応じた内容にカスタマイズすることができる。これにより、上述した第1実施形態の構成に比べて、ユーザに対して同一の検索語が提示され続けることを抑えることができるので、同じ検索語が提示され続けた結果、ユーザが飽きてしまう可能性を抑えることができる。
また、検索サービスシステムでは、検索履歴に基づいて検索語毎に新鮮度が設定される。これにより、入力支援サーバ10が検索語を提示する際に、同一エリアを何度も訪問するユーザに対しては、より新鮮度を重視して検索語を提示することができ、検索語の提示結果にユーザが飽きてしまう可能性をより抑えることができる。
また、入力支援サーバ10では、ユーザが指定する反映度に応じて特殊度が検索語スコアに与える影響を変化させる。これにより、ユーザの希望に応じて、エリア独特の検索語を優先的に提示するようにしたり、反対に、どのエリアでも使用されるような検索語を優先的に提示したりすることが可能である。ユーザがそのエリア独特の検索語を知りたければ反映度を高く設定し、エリアに関わらず一般的な検索語を知りたければ反映度を低く設定すれば、それが実現されるので、入力支援サーバ10では、ユーザの好みに合わせて検索語の系統を変化させることができる。
なお、本実施形態の検索語スコアの算出に係る構成は、上述した第2又は第3実施形態に組み合わされてもよい。
【0079】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
[変形例1]
上述した第3実施形態では、ユーザごとに異なる検索履歴の特徴を示す特徴情報として、検索回数を用いた。これに対し、ユーザが初めてそのエリアを訪れたりした場合や、検索サービスシステム1の利用を開始した当初の場合には、検索回数の蓄積がないか、その蓄積がほとんどない状態である。かかる場合であっても、検索サービスシステム1で適切な検索語を提示できるように、上記第3実施形態の構成を以下のように変形してもよい。
この変形例では、ステップS1の処理で、クライアント端末30は、ユーザの性別及び年齢という、そのユーザの属性を示す属性情報をエリアID取得クエリに含ませて送信する。そして、入力支援サーバ10の制御部11は、受信した属性情報に基づいて、ユーザ属性情報134を生成し、記憶部13に記憶させる。
【0080】
図19は、ユーザ属性情報134のデータ構造を示す図である。
図19に示すように、ユーザ属性情報134は、「ユーザID」、「性別」及び「年齢」の各フィールドに記述された情報を対応付けた構造である。属性情報134に記述される情報は、ユーザがどのような属性のユーザであるかを特定しうる内容となっている。
【0081】
ステップS1の処理により、制御部11は、入力支援サーバ10が未知のユーザIDや、検索回数の総数が極端に少ないことを意味する閾値以下であるユーザIDを含むエリアID取得クエリを受信した場合は、上記第3実施形態の動作に代えて、以下のように動作する。
制御部11は、エリアID取得クエリに含まれる属性情報に基づいて性別及び年齢を特定し、属性情報134でこの組み合わせと同じ属性のユーザIDを特定する。そして、制御部11は、特定したユーザIDの検索回数を用いてエリアスコアを算出する。例えば、制御部11が、エリアID取得クエリから年齢「10代」、性別「女性」という属性を特定すると、ユーザID「UID−A」のユーザがアクセスしてきた場合と同様にして、エリアスコアを算出する。制御部11が以降において実行する処理ステップの内容は、上述の第3実施形態と同じでよい。
この構成によれば、どのようなユーザであっても第3実施形態の構成による効果を享受することができる。
なお、制御部11は、性別及び年齢が完全一致する属性がなければ一方が一致するユーザIDを選択してもよい。また、属性情報が示す属性は、性別及び年齢に限定されず、ユーザの出身地や趣味などユーザに関する別の属性が採用されてもよい。
【0082】
[変形例2]
上述した各実施形態では、エリアID取得クエリに「検索範囲」を示す情報が含まれ、ユーザが検索範囲を指定する構成であったが、以下のように変形してもよい。
制御部11は、エリアID取得クエリに含まれる種別情報に基づいて検索範囲を特定する。例えば、クライアント端末30が携帯電話機のような携帯機器である場合、ユーザが外出中にアクセスしていると考えられる。この場合、ユーザが外出先に関するコンテンツを調べることを欲していると推測されるので、制御部11は検索範囲を「25km」などのように小さくする。一方、クライアント端末30がパーソナルコンピュータのように設置型の機器である場合、ユーザが在宅中にアクセスしていると考えられる。この場合、ユーザがこれから外出する場所に関する情報検索をしたいと考えているとも推測されるので、制御部11は検索範囲を「75km」などのように大きくする。
このように、制御部11は、クライアント端末30の端末種別に応じて検索エリアを決定してもよい。
【0083】
[変形例3]
本発明の特徴情報が示す特徴は、上述した第1実施形態では検索者数であり、上述した第2実施形態では検索回数であったが、これ以外のものでもよい。
例えば、入力支援サーバ10は、検索が行われた頻度(以下、「検索頻度」という。)を示す特徴情報を採用してもよい。例えば、上述の第1,2実施形態の構成で、制御部11は、単位時間当たりに検索が行われた回数をその単位時間(例えば、3分間)で除することで検索頻度を算出する。こうすれば、例えば、所定期間内の検索者数が同じ場合であっても、検索頻度には違いが現れることがあり、検索頻度が高い場合を注目度が高いと推測することができる。よって、第1実施形態の特徴情報を検索頻度を示すものとしても、第1実施形態と同等の効果を奏すると考えられる。また、上記第3実施形態において、ユーザごとの検索頻度を特徴情報として採用してもよい。このように、入力支援サーバ10は、エリアの注目度や人気度の指標となるパラメータとして、検索履歴の統計に基づく数量的な特徴を用いることで、上述の第1,2実施形態と同等の効果を奏すると考えられる。
【0084】
また、例えば、エリアの注目度を考えれば、1日の各時間帯でエリアの注目度が変化する場合がある。繁華街が多いエリアでは、昼間よりも夜間の方が注目度が高まるし、オフィス街などでは、夜間よりも昼間の方が注目度が高まると考えられる。よって、入力支援サーバ10は、検索履歴情報131の「検索時間」に基づいて、各時間帯の検索回数を求める。そして、入力支援サーバ10は、検索エリアを推定する際には、現在時刻を含む時間帯の検索回数に基づいてエリアを推定するようにしてもよい。このように、エリアの注目度や人気度の指標となるパラメータを用いることで、本発明による効果を奏すると考えられる。
また、入力支援サーバ10は、前掲した特徴情報を複数組み合わせてエリアIDを特定してもよい。その際、入力支援サーバ10は、特徴情報の種類に応じてエリアスコアに重み付けをしてもよい。
【0085】
[変形例4]
上述した実施形態では、制御部11は、クライアント端末30の現在位置とエリアの代表地点との位置との距離に基づいて、ステップS4の処理でエリアIDを特定していた。この構成を以下のように変形してもよい。
例えば、ユーザが現時位置に応じた検索エリアの推定を望んでおらず、例えば近々出かける旅行先に応じた検索エリアの推定を望むこともあると考えられる。このような場合でも上記各実施形態の構成による効果を享受できるように、上記各実施形態のクライアント端末30の現在位置を、旅行先などのユーザによって任意に指定された位置に置き換えても本発明を特定することができる。この場合、エリアID取得クエリに含まれる位置情報が示す位置が実施形態とは異なるが、その他の構成及び動作は上記各実施形態と同じでよい。
【0086】
[変形例5]
上述した各実施形態では、検索履歴に日時情報が含まれていたが、上述した第4実施形態を除いては、これを省略してもよいし、ユーザIDが必要ない場合にはこれを適宜省略してもよい。検索履歴には、少なくとも検索が行われたエリアのエリアIDが含まれていればよい。
また、上述した各実施形態では、入力支援サーバ10は、検索者数や検索回数を合計値で正規化してエリアスコアを算出していたが、正規化せずに、検索者数や検索回数の大小関係でエリアIDを特定してもよい。つまり、入力支援サーバ10は、エリアスコアに応じたエリアIDを特定するのでなく、特徴情報が示す特徴そのものに応じてエリアIDを特定してもよい。また、制御部11は、検索語スコアについて同様にしてもよく、検索語を使用した検索者数や検索回数そのものを比較してもよい
また、上述した実施形態のステップS4の処理で、制御部11は、エリアIDに対応付けてエリアスコアも併せて送信してもよい。この場合、クライアント端末30側で上記実施形態の態様でエリアIDを指定できるようにするための制御を行うとよい。
【0087】
[変形例6]
上述した第4実施形態では、エリアID送信部106cがクライアント端末30に連続訪問日数fpaを送信していたが、これを送信しないようにしてもよい。要するに、検索語提示部109cが検索語スコアを算出する際に、連続訪問日数fpaを参照できればよい。また、検索語スコアを算出するための演算式は式(2)のものに限定されない。検索語提示部109cは、反映度gpaや連続訪問日数fpa、更には検索語情報133cに記述された検索者数tr、特殊度idf、及び新鮮度freの情報を加味して検索語スコアを算出すれば、その演算式は他のものでもよい。また、検索語提示部109cによる検索語スコアの算出において、反映度gpa及び連続訪問日数fpa、並びに検索語情報133cに記述された検索者数tr、特殊度idf及び新鮮度freのうちの一又は複数の条件が除外されてもよい。
また、制御部11は、連続訪問日数fpa以外の訪問履歴に応じて検索語スコアを算出してもよい。例えば、現時点から過去の所定期間内にユーザが各エリアを訪問した回数であってもよいし、訪問の総回数であってもよく、本発明の訪問履歴は、過去の訪問の内容を反映したパラメータであればよい。この場合であっても、ユーザの各エリア訪問の仕方によって、検索語の提示結果が変化する。また、特殊度idfや新鮮度freの算出手順について上述した第4実施形態で説明した内容はあくまで一例であり、各パラメータの趣旨に沿ったものであれば、パラメータの決め方は前掲のものに限定されない。例えば、特殊度は、検索語として用いられるエリアの総数のみによって算出されてもよい。
【0088】
[変形例7]
上述した各実施形態では、入力支援サーバ10は、ユーザの検索語の入力無しに、検索語を提示していたが、或る検索語が入力されたことを契機に、それに関連する別の検索語(第二検索語)を提示する際に、上記各実施形態のような検索語の提示方法が採用されてもよい。この場合、入力支援サーバ10は、ユーザにより入力される検索語(第一検索語)ごとに、第二検索語として提示対象とする検索語を分類して管理すればよい。また、入力支援サーバ10は、ユーザが一文字目の文字が入力されたことを契機に、先頭の文字が一致する検索語を提示するようにしてもよい。この構成であっても、ユーザの入力文字に応じて提示候補となる検索語が絞り込まれるだけであり、入力支援サーバ10の構成は各実施形態と同じでよい。
また、入力支援サーバ10は、2つ以上の検索語を同時に提示してもよい。例えば、入力支援サーバ10が「ラーメン」と提示するだけでは、どのラーメン店に関する情報が注目されているか、ユーザが把握できない場合がある。よって、入力支援サーバ10は、2つ以上の検索語を検索語情報において1つの「検索語」のフィールドに記述しておき、例えば「ラーメン ○×亭」(AND条件)といった複数の検索語を同時に提示してもよい。
【0089】
[変形例8]
上述した各実施形態では、入力支援サーバ10と検索手段として機能する検索サーバ20とが別々のサーバ装置で実現されていたが、これらが一体のサーバ装置により実現されてもよい。
上述した各実施形態では、エリアIDとエリアの代表地点の位置情報とを別々の情報としていたが、エリアIDが代表地点の位置情報と兼ねられてもよい。本発明において代表地点を位置情報は、それ自体が各エリアを一意に識別する識別機能を有しており、本発明のエリア識別情報としても機能しうるからである。よって、入力支援サーバ10は、各エリアの代表地点を示す位置情報としてエリアIDを用いることで、エリアIDから代表地点の位置を特定することができる。換言すると、入力支援サーバ10は、エリアIDとして各エリアの代表地点を示す位置情報を用いることで、その位置情報から各エリアを識別することもできる。
上述した各実施形態では、入力支援サーバは、ステップS4(ステップS4c)の処理でエリアIDを送信するための処理(つまり、S2〜S4(S4c)及びS10の処理)と、ステップS7(ステップS7c)の処理で検索語を提示するための処理(つまり、S6(S6c)〜S7(S7c)の処理)との両方を行っていた。これに対し、本発明は、これらのうち、エリアIDを送信するための処理(つまり、S2〜S4(S4c)及びS10の処理)のみを行うものとしても特定可能である。この場合、検索語を提示するための処理(つまり、S6(S6c)〜S7(S7c)の処理)は、別のサーバ装置において実行されるとよい。
【符号の説明】
【0090】
1…検索サービスシステム、10…入力支援サーバ、101…履歴取得部、102…特徴情報生成部、103…情報記憶部、104,104c…位置情報受信部、105,105c…特定部、106,106c…エリアID送信部、107,107c…エリアID受信部、108,108c…検索語蓄積部、109,109c…検索語提示部、110…訪問履歴記憶部、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、131,131a…検索履歴情報、132,132a,132b…エリア管理情報、133,133c…検索語情報、134…属性情報、135…訪問履歴情報、20…検索サーバ、30…クライアント端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリアを識別するエリア識別情報を少なくとも含む、当該エリアに関する検索履歴を取得する取得部と、
前記取得部が取得した複数の検索履歴の特徴を示す特徴情報を前記エリアごとに生成する生成部と、
前記エリアのエリア識別情報と、当該エリアについて生成された特徴情報とを対応付けて記憶する情報記憶部と、
クライアント装置から第1位置情報を少なくとも受信する第1受信部と、
前記第1位置情報が示す位置と前記エリアの代表地点との距離、及び前記情報記憶部において当該エリアのエリア識別情報に対応付けられた特徴情報が示す特徴に基づいて、前記情報記憶部からエリア識別情報を特定する特定部と、
前記特定部が特定したエリア識別情報を前記クライアント装置宛てに送信する送信部と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記検索履歴は、検索に用いられた検索語を含み、
前記取得部が取得した検索履歴に含まれるエリア識別情報と検索語とを対応付けて蓄積する蓄積部と、
前記送信部により送信されたエリア識別情報のうち、前記クライアント装置で指定されたエリア識別情報を受信する第2受信部と、
前記蓄積部において前記第2受信部が受信したエリア識別情報に対応付けられた検索語を、前記クライアント装置に提示する提示部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記エリア識別情報が送信される際の優先度に応じたスコアを、前記特徴情報に基づいて前記エリア識別情報ごとに算出し、
前記送信部は、算出されたスコアが示す優先度が高いものをより優先するように前記エリア識別情報を送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記検索履歴は、前記クライアント装置のユーザを識別するユーザ識別情報を含み、
前記生成部は、前記ユーザ識別情報に基づいて、検索を実行したクライアント装置のユーザの実数を示す前記特徴情報を生成する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記検索履歴は、前記クライアント装置のユーザを識別するユーザ識別情報を含み、
前記生成部は、前記ユーザ識別情報に基づいて、一のユーザによる検索回数を示す前記特徴情報を各ユーザについて生成し、
前記情報記憶部は、各ユーザの前記特徴情報をそれぞれ記憶し、
前記特定部は、前記第1位置情報を受信したクライアント装置のユーザの前記特徴情報に基づいて、前記エリア識別情報を特定する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記第1受信部は、前記クライアント装置で指定された距離を示す距離情報を受信し、
前記特定部は、前記第1位置情報が示す位置を基準として、前記距離情報が示す距離の範囲内に前記代表地点が含まれる前記エリアについて、前記エリア識別情報を特定する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記第1受信部は、前記クライアント装置の種別を示す種別情報を受信し、
前記特定部は、前記第1位置情報が示す位置を基準として、前記種別情報により定められる距離の範囲内に前記代表地点が含まれる前記エリアについて、前記エリア識別情報を特定する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記取得部は、検索に用いられた検索語と、当該検索の対象とするエリアのエリア識別情報とを少なくとも含む検索クエリを前記クライアント装置から受信することにより前記検索履歴を取得する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記検索履歴は、前記クライアント装置が検索したときの位置を示す第2位置情報を含み、
前記生成部は、前記第2位置情報が示す位置を含む前記エリアについて、当該エリアの代表地点からの距離が互いに異なる複数領域のうち、当該位置を含む領域の前記特徴情報を生成し、
前記情報記憶部は、前記エリア識別情報に対応付けて、前記領域ごとに生成された特徴情報と、当該領域に対応する前記代表地点からの距離とをそれぞれ記憶し、
前記特定部は、前記情報記憶部において前記第2位置情報が示す位置と前記代表地点との距離に対応付けられた前記特徴情報に基づいて、前記エリア識別情報を特定する
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記第1受信部は、前記クライアント装置のユーザを識別するユーザ識別情報を受信し、
前記第1受信部により受信されたユーザ識別情報から特定される前記ユーザの各エリアへの訪問履歴を、当該エリアのエリア識別情報と対応付けてそれぞれ記憶する訪問履歴記憶部を備え、
前記提示部は、前記訪問履歴記憶部において前記第1受信部が受信したユーザ識別情報に対応付けられた訪問履歴に応じて、前記蓄積部から検索語を特定して提示する
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記検索履歴は、検索が行われた検索時期を含み、
前記蓄積部は、前記検索履歴に含まれる検索時期を、当該検索履歴に含まれるエリア識別情報及び検索語に対応付けて蓄積し、
前記提示部は、前記蓄積部に蓄積された検索時期に応じて、前記蓄積部から検索語を特定して提示する
ことを特徴とする請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記蓄積部は、検索語として用いられるエリアの数の指標となる指標値を、当該検索語及び当該エリアのエリア識別情報に対応付けて蓄積し、
前記提示部は、前記蓄積部に蓄積された指標値に応じて、前記蓄積部から検索語を特定して提示する
ことを特徴とする請求項2、10又は11に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記第2受信部は、前記提示部が検索語を特定する際に前記指標値を反映させる程度を示す反映度を、前記クライアント装置から受信し、
前記提示部は、前記第2受信部が受信した反映度を作用させた前記指標値に応じて、前記蓄積部から検索語を特定して提示する
ことを特徴とする請求項12に記載のサーバ装置。
【請求項14】
コンピュータを、
エリアを識別するエリア識別情報を少なくとも含む、当該エリアに関する検索履歴を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した複数の検索履歴の特徴を示す特徴情報を前記エリアごとに生成する生成手段と、
前記エリアのエリア識別情報と、当該エリアについて生成された特徴情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
クライアント装置から第1位置情報を少なくとも受信する第1受信手段と、
前記第1位置情報が示す位置と前記エリアの代表地点との距離、及び前記情報記憶手段において当該エリアのエリア識別情報に対応付けられた特徴情報が示す特徴に基づいて、前記情報記憶手段からエリア識別情報を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定したエリア識別情報を前記クライアント装置宛てに送信する送信手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
エリアを識別するエリア識別情報を少なくとも含む、当該エリアに関する検索履歴を取得し、
取得した複数の検索履歴の特徴を示す特徴情報を前記エリアごとに生成し、
前記エリアのエリア識別情報と、当該エリアについて生成された特徴情報とを対応付けて情報記憶部に記憶させ、
クライアント装置から第1位置情報を少なくとも受信し、
前記第1位置情報が示す位置と前記エリアの代表地点との距離、及び前記情報記憶部において当該エリアのエリア識別情報に対応付けられた特徴情報が示す特徴に基づいて、前記情報記憶部からエリア識別情報を特定し、
特定したエリア識別情報を前記クライアント装置宛てに送信する
ことを特徴とする検索エリア推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−14675(P2012−14675A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253954(P2010−253954)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】