説明

サーバ装置、通信管理方法、及びプログラム

【課題】トランザクション処理が増加した場合であっても、トランザクション処理の停滞を回避し得る、サーバ装置、通信管理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】外部装置(端末31)からのサービスの要求に応じてトランザクションを実行するサーバ装置10を用いる。サーバ装置10は、外部装置がサービスを要求した場合に、外部装置と当該サーバ装置10との通信のためのパスを設定する、通信制御部11と、外部装置が要求したサービスを提供するためのトランザクションを実行し、更に、トランザクションの実行中において、パスを介して、外部装置との間で通信を行なう、トランザクション実行部12と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末からの要求に基づいて、端末にサービスを提供する、サーバ装置、サーバ装置による通信を管理するための通信管理方法、及びこれらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業などでは、従来からの資産を生かしつつ、システムの発展を図るため、メインフレームと呼ばれる大型のコンピュータと、オープンサーバと呼ばれる汎用のサーバコンピュータとを組み合わせることが行われている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照。)。
【0003】
このようなメインフレームとオープンサーバとを組み合わせたシステム(以下「複合システム」とする。)では、メインフレームが、基幹業務のための処理を実行する。一方、オープンサーバは、データベースサービス、Webサービスといった各種サービスを提供するための処理を実行する。
【0004】
また、複合システムでは、オープンサーバが提供するサービスは、メインフレームを介して、利用者の端末に提供される。メインフレームは、利用者が端末を介してサービスの提供を要求すると、対応するローカルトランザクションを実行し、オープンサーバにリモートトランザクションを実行させる。
【0005】
具体的には、メインフレームが、ローカルトランザクションの中で、該当するオープンサーバに、リモートトランザクションの実行を要求すると、オープンサーバはリモートトランザクションを実行する。次に、オープンサーバからメインフレームにリモートトランザクションの処理結果が返却されると、メインフレームは、オープンサーバにリモートトランザクションのコミットを要求する。その後、メインフレームは、オープンサーバから、リモートトランザクションの実行結果(コミット結果等)を受け取ると、ローカルトランザクションをコミットする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−340216号公報
【特許文献2】特開2000−227868号公報
【特許文献3】特開2002−169728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、オープンサーバは、トランザクションを実行するにあたり、メインフレームとの間との間で多数の通信を行なう必要がある。また、トランザクションを実行するに際しては、オープンサーバの内部において、モジュール間での通信も行なわれる。
【0008】
これらの通信は、通常は、オープンサーバに実装されている通信モジュールによって行なわれる。具体的には、通信モジュールは、接続要求の受信、接続要求に対する応答の送信、トランザクション要求の受信、トランザクションの実行結果の送信、コミット要求の受信、コミット結果の送信、モジュール間通信、等を実行する。このように、通信モジュールによってトランザクション処理に必要な通信を全て行なわせた場合は、オープンサーバにおける通信処理の管理が容易になるという利点がある。
【0009】
しかしながら、通信モジュールによってトランザクション処理に必要な通信を全て行なわせた場合は、トランザクションの数が増加したときに、通信モジュールが処理仕切れずにトランザクション処理が停滞する可能性がある。
【0010】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、トランザクション処理が増加した場合であっても、トランザクション処理の停滞を回避し得る、サーバ装置、通信管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるサーバ装置は、外部装置からのサービスの要求に応じてトランザクションを実行するサーバ装置であって、
前記外部装置がサービスを要求した場合に、前記外部装置と当該サーバ装置との通信のためのパスを設定する、通信制御部と、
前記外部装置が要求したサービスを提供するためのトランザクションを実行し、更に、前記トランザクションの実行中において、前記パスを介して、前記外部装置との間で通信を行なう、トランザクション実行部と、
を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における通信管理方法は、外部装置との通信を制御する通信制御部と、前記外部装置からのサービスの要求に応じてトランザクションを実行するトランザクション実行部と、を備えたサーバ装置において、外部装置との通信を管理するための方法であって、
(a)前記外部装置がサービスを要求した場合に、前記通信制御部によって、前記外部装置との通信のためのパスを設定する、ステップと、
(b)前記トランザクション実行部によって、前記外部装置が要求したサービスを提供するためのトランザクションを実行し、更に、前記トランザクション実行部によって、前記トランザクションの実行中において、前記パスを介して、前記外部装置との間で通信を行なう、ステップと、
を有する、ことを特徴とする。
【0013】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、外部装置との通信を制御する通信制御部と、前記外部装置からのサービスの要求に応じてトランザクションを実行するトランザクション実行部と、が構築されたコンピュータにおいて、外部装置との通信を管理するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記外部装置がサービスを要求した場合に、前記通信制御部を用いて、前記外部装置との通信のためのパスを設定する、ステップと、
(b)前記トランザクション実行部を用いて、前記外部装置が要求したサービスを提供するためのトランザクションを実行し、更に、前記トランザクション実行部を用いて、前記トランザクションの実行中において、前記パスを介して、前記外部装置との間で通信を行なう、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、トランザクション処理が増加した場合であっても、トランザクション処理の停滞を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態におけるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態におけるサーバ装置の動作を示すシーケンス図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態におけるサーバ装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、サーバ装置、通信管理方法、及びプログラムについて、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0017】
[装置構成]
最初に、本発明の実施の形態におけるサーバ装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すサーバ装置10は、外部の利用者の端末31からのサービスの要求に応じてトランザクションを実行するオープンサーバである。本実施の形態では、図1に示すように、サーバ装置10は、メインフレーム20と共に、複合システムを構築している。
【0019】
また、利用者の端末31は、ネットワーク30を介して、メインフレーム20に接続されている。よって、利用者の端末31からのサービスの要求、即ち、トランザクションの実行要求は、メインフレーム20を経由して、サーバ装置10に伝達される。また、サーバ装置10からのサービスは、メインフレーム20を経由して、端末31に提供される。
【0020】
図1に示すように、サーバ装置10は、通信制御部11と、トランザクション実行部12とを備えている。このうち、通信制御部11は、端末31がメインフレーム20を経由してサービスを要求した場合に、端末31とサーバ装置10との通信との通信のためのパスを設定する。実際には、パスは、メインフレーム20とサーバ装置10との間に設定される。
【0021】
また、トランザクション実行部12は、メインフレーム20を経由して端末31が要求したサービスを提供するための、トランザクションを実行する。更に、トランザクション実行部12は、トランザクションの実行処理だけでなく、トランザクションの実行中において、パスを介して、端末20との間で通信を行なう。なお、トランザクション実行部12と端末20との通信は、実際には、メインフレーム20を経由して行なわれる。
【0022】
このように、サーバ装置10では、トランザクションの実行までの通信を通信制御部11が受け持ち、トランザクションの実行開始から終了までの通信をトランザクション実行部12が受け持っている。よって、サーバ装置10によれば、トランザクション処理が増加した場合であっても、トランザクション処理の停滞を回避することが可能になる。
【0023】
ここで、サーバ装置10の構成を更に具体的に説明する。まず、図1に示すように、本実施の形態では、サーバ装置10は、通信インターフェイス14を備えており、通信制御部11及びトランザクション実行部12による通信処理は、通信インターフェイス14を介して行なわれる。
【0024】
また、本実施の形態では、サーバ装置10は、データベース管理システム(DBMS:Data Base Management System)40に対する操作をサービスとして提供する。サーバ装置10は、トランザクションとして、DBMS40に対する操作処理を実行する。また、本実施の形態において「トランザクション」には、サービスの実行処理、コミット処理及びロールバック処理が含まれる。
【0025】
また、図1に示すように、本実施の形態では、サーバ装置10は、更に、プログラム管理部13を備えている。プログラム管理部13は、サービスを提供するためのプログラム(以下「DAA:Data Access Adapter」)を管理している。トランザクション実行部は、プログラム管理部13から、要求があったサービスに対応する1以上のDAAを取得し、取得したDAAを実行して、サービスを提供する。なお、本実施の形態では、トランザクションの実行に用いられる1以上のDAAを総括して「TX実行スレッド」と表記する。
【0026】
更に、本実施の形態では、パスの設定後に、端末31が新たなサービスを要求した場合、トランザクション実行部12は、このパスを介して、直接、端末31から、メインフレーム20を経由して、新たなサービスの要求を受け取る。そして、トランザクション実行部12は、新たなサービスを提供するためのトランザクションを実行する。また、この場合も、トランザクション実行部12は、新たなサービスに対応する1以上のDAAを取得し、取得したDAAを実行することによって新たなサービスを提供する。
【0027】
[装置動作]
次に、本実施の形態におけるサーバ装置10の動作について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるサーバ装置の動作を示すシーケンス図である。但し、図2においては、サーバ装置10の動作に加えて、端末31及びメインフレーム20の動作も示されている。
【0028】
また、以下の説明においては、適宜図1を参酌する。更に、本実施の形態では、サーバ装置10を動作させることによって、通信管理方法が実施される。よって、本実施の形態における通信管理方法の説明は、以下のサーバ装置10の動作説明に代える。
【0029】
図2に示すように、まず、ユーザAが、端末31(以下「端末A」と表記する。)上で、トランザクションA(サービス[1])の実行を求めると、端末Aは、トランザクションA(サービス[1])の実行要求をメインフレーム20に送信する(ステップA1)。これにより、メインフレーム20は、サーバ装置10に対してパス接続要求を行なう(ステップA2)。
【0030】
次に、サーバ装置10において、通信制御部11は、ステップA2のパス接続要求に対応するパスを設定し、メインフレーム20に対してパス接続応答を送信する(ステップA3)。次に、メインフレーム20は、サーバ装置10からパス接続応答を受信すると、サービス[1]の実行要求をサーバ装置10へと送信する(ステップA4)。
【0031】
次に、サーバ装置10において、通信制御部11は、メインフレーム20からサービス[1]の実行要求を受信すると、これを、トランザクション実行部12に受け渡す(ステップA5)。
【0032】
次に、トランザクション実行部12は、プログラム管理部13(図2において図示せず。)から、サービス[1]に対応するTX実行スレッド[1]を取得し、これを用いて、サービス[1]を実行する(ステップA6)。これにより、例えば、DBMS40に対する操作が行なわれる。また、ステップA6により、トランザクションAの実行が開始される。
【0033】
その後、トランザクション実行部12は、サービス[1]の実行結果を、通信制御部11を経由しないで、直接、メインフレーム20に送信する(ステップA7)。また、メインフレーム20は、送信されてきたサービス[1]の実行結果を、端末Aに送信する(ステップA8)。
【0034】
次に、ユーザAが、サービス[1]の実行結果を受けて、更に、端末A上で、サービス[2]の実行を求めると、端末Aは、メインフレーム20へと、サービス[2]の実行要求を送信する(ステップA9)。続いて、メインフレーム20は、サーバ装置10に対してサービス[2]の実行要求を送信する(ステップA10)。
【0035】
なお、ステップA9及びA10は、パスの設定後に行なわれているので、ステップA10によるサービス[2]の実行要求は、トランザクション実行部12によって受信される。
【0036】
次に、トランザクション実行部12は、実行要求があったサービス[2]に対応するTX実行スレッド[2]を取得し、これを用いて、サービス[2]を実行する(ステップA11)。ステップA11においても、例えば、DBMS40に対する操作が行なわれる。
【0037】
その後、トランザクション実行部12は、サービス[2]の実行結果を、直接、メインフレーム20に送信する(ステップA12)。また、メインフレーム20は、送信されてきたサービス[2]の実行結果を、端末Aに送信する(ステップA13)。
【0038】
次に、ユーザAが、サービス[2]の実行結果を受けて、端末A上で、処理のコミットを求めると、端末Aは、メインフレーム20に、トランザクションAのコミット要求を送信する(ステップA14)。続いて、メインフレーム20は、サーバ装置10に対して、トランザクションAのコミット要求を送信する(ステップA15)。
【0039】
ステップA15によるコミット要求は、トランザクション実行部12によって受信される。トランザクション実行部12は、コミット処理を実行し(ステップA16)、コミット結果をメインフレーム20に送信する(ステップA17)。更に、メインフレーム20は、端末Aにコミット結果を送信する(ステップA18)。その後、トランザクション実行部12は、通信制御部11に、トランザクションAが終了したことを通知する(ステップA19)。
【0040】
また、トランザクションAの終了後、ユーザAが、端末A上で、パスの切断を求めた場合は、端末Aは、メインフレーム20に、パス切断要求を送信する(ステップA20)。これにより、メインフレーム20は、サーバ装置10にパス切断を指示し(ステップA21)、パスが切断されると、更に、端末Aに、パス切断の完了を通知する(ステップA22)。
【0041】
以上のように、ステップA1〜A22により、端末AのユーザAに対して、サーバ装置10により、サービス[1]とサービス[2]とが提供される。また、本実施の形態では、図2に示すように、ステップA1〜A22の実行中に、別のユーザBから、端末Bを介してサービス[3]の実行も要求されている。以下に、説明する。
【0042】
図2に示すように、ユーザBが、端末31(以下「端末B」と表記する。)上で、トランザクションB(サービス[3])の実行を求めると、端末Bは、トランザクションB(サービス[3])の実行要求をメインフレーム20に送信する(ステップB1)。これにより、メインフレーム20は、サーバ装置10に対してパス接続要求を行なう(ステップB2)。
【0043】
次に、サーバ装置10において、通信制御部11は、ステップB2のパス接続要求に対応するパスを設定し、メインフレーム20に対してパス接続応答を送信する(ステップB3)。次に、メインフレーム20は、サーバ装置10からパス接続応答を受信すると、サービス[3]の実行要求をサーバ装置10へと送信する(ステップB4)。
【0044】
次に、サーバ装置10において、通信制御部11は、メインフレーム20からサービス[3]の実行要求を受信すると、これを、トランザクション実行部12に受け渡す(ステップB5)。
【0045】
次に、トランザクション実行部12は、プログラム管理部13から、実行要求があったサービス[3]に対応するTX実行スレッド[2]を取得し、これを用いて、サービス[3]を実行する(ステップB6)。これにより、例えば、DBMS40に対する操作が行なわれる。また、ステップB6により、トランザクションBの実行が開始される。
【0046】
その後、トランザクション実行部12は、サービス[3]の実行結果を、直接、メインフレーム20に送信する(ステップB7)。また、メインフレーム20は、送信されてきたサービス[3]の実行結果を、端末Bに送信する(ステップB8)。
【0047】
次に、ユーザBが、サービス[3]の実行結果を受けて、端末B上で、処理のコミットを求めると、端末Bは、メインフレーム20に、トランザクションBのコミット要求を送信する(ステップB9)。続いて、メインフレーム20は、サーバ装置10に対して、トランザクションBのコミット要求を送信する(ステップB10)。
【0048】
ステップB10によるコミット要求は、トランザクション実行部12によって受信される。トランザクション実行部12は、コミット処理を実行し(ステップB11)、コミット結果をメインフレーム20に送信する(ステップB12)。更に、メインフレーム20は、端末Bにコミット結果を送信する(ステップB13)。その後、トランザクション実行部12は、通信制御部11に、トランザクションBが終了したことを通知する(ステップB14)。
【0049】
また、トランザクションBの終了後、ユーザBが、端末B上で、パスの切断を求めた場合は、端末Bは、メインフレーム20に、パス切断要求を送信する(ステップB15)。これにより、メインフレーム20は、サーバ装置10にパス切断を指示し(ステップB16)、更に、端末Bに、パス切断の完了を通知する(ステップB17)。
【0050】
なお、図2に示したように、トランザクションBは、トランザクションAと並行して実行されているが、ステップB1〜B17それぞれの実行タイミングは、図2の例に限定されるものではない。ステップB1〜B17それぞれの実行タイミングは、トランザクションBの実行要求のタイミング、及びネットワーク負荷等に応じて適宜設定される。
【0051】
以上のように、本実施の形態では、トランザクション処理に必要な通信は、通信制御部11とトランザクション実行部12とによって実行されるので、トランザクション処理が増加しても、通信制御部11における負担が増加しすぎることはない。図2の例では、複数のトランザクションの実行が要求されているが、通信制御部11は、トランザクション毎に、パスの設定及び切断を行なうだけで良い。この結果、本実施の形態によれば、トランザクション処理の停滞が回避される。
【0052】
[プログラム]
また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図2に示すステップA3、A5、A6、A7、A11、A12、A16、A17、A19、B3、B5、B6、B7、B11、B12、B14を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態におけるサーバ装置10と通信管理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、通信制御部11、トランザクション実行部12、及びプログラム管理部13として機能し、処理を行なう。
【0053】
ここで、本実施の形態におけるプログラムを実行することによって、サーバ装置10を実現するコンピュータの具体例について図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるサーバ装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0054】
図3に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、通信インターフェイス117は、図1においては、通信インターフェイス14として表記されている。
【0055】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0056】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0057】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明によれば、サーバ装置において、トランザクション処理が増加した場合であっても、トランザクション処理の停滞を回避することができる。本発明は、メインフレームと呼ばれる大型のコンピュータと、オープンサーバと呼ばれる汎用のサーバコンピュータとを組み合わせた、システムに有用である。
【符号の説明】
【0059】
10 サーバ装置
11 通信制御部
12 トランザクション実行部
13 プログラム管理部
14 通信インターフェイス
20 メインフレーム
30 ネットワーク
31 端末
40 データベース管理システム
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置からのサービスの要求に応じてトランザクションを実行するサーバ装置であって、
前記外部装置がサービスを要求した場合に、前記外部装置と当該サーバ装置との通信のためのパスを設定する、通信制御部と、
前記外部装置が要求したサービスを提供するためのトランザクションを実行し、更に、前記トランザクションの実行中において、前記パスを介して、前記外部装置との間で通信を行なう、トランザクション実行部と、
を備えていることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記サービスを提供するためのプログラムを管理する、プログラム管理部を備え、
前記トランザクション実行部は、前記プログラム管理部から、要求があったサービスに対応するプログラムを取得し、取得した前記プログラムを実行することによって前記トランザクションを実行する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記パスの設定後に、前記外部装置が新たなサービスを要求した場合に、前記トランザクション実行部が、前記パスを介して、前記外部装置から前記新たなサービスの要求を受け取り、前記新たなサービスを提供するためのトランザクションを実行する、
請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
外部装置との通信を制御する通信制御部と、前記外部装置からのサービスの要求に応じてトランザクションを実行するトランザクション実行部と、を備えたサーバ装置において、外部装置との通信を管理するための方法であって、
(a)前記外部装置がサービスを要求した場合に、前記通信制御部によって、前記外部装置との通信のためのパスを設定する、ステップと、
(b)前記トランザクション実行部によって、前記外部装置が要求したサービスを提供するためのトランザクションを実行し、更に、前記トランザクション実行部によって、前記トランザクションの実行中において、前記パスを介して、前記外部装置との間で通信を行なう、ステップと、
を有する、ことを特徴とする通信管理方法。
【請求項5】
前記サーバ装置が、更に、前記サービスを提供するためのプログラムを管理する、プログラム管理部を備えており、
前記(b)のステップにおいて、前記トランザクション実行部によって、前記プログラム管理部から、要求があったサービスに対応するプログラムを取得し、取得した前記プログラムを実行することによって前記トランザクションを実行する、
請求項4に記載の通信管理方法。
【請求項6】
(c)前記パスの設定後に、前記外部装置が新たなサービスを要求した場合に、前記トランザクション実行部によって、前記パスを介して、前記外部装置から前記新たなサービスの要求を受け取り、前記新たなサービスを提供するためのトランザクションを実行する、ステップを更に有する、請求項4または5に記載の通信管理方法。
【請求項7】
外部装置との通信を制御する通信制御部と、前記外部装置からのサービスの要求に応じてトランザクションを実行するトランザクション実行部と、が構築されたコンピュータにおいて、外部装置との通信を管理するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記外部装置がサービスを要求した場合に、前記通信制御部を用いて、前記外部装置との通信のためのパスを設定する、ステップと、
(b)前記トランザクション実行部を用いて、前記外部装置が要求したサービスを提供するためのトランザクションを実行し、更に、前記トランザクション実行部を用いて、前記トランザクションの実行中において、前記パスを介して、前記外部装置との間で通信を行なう、ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、更に、前記サービスを提供するためのプログラムを管理する、プログラム管理部が構築されており、
前記(b)のステップにおいて、前記トランザクション実行部用いて、前記プログラム管理部から、要求があったサービスに対応するプログラムを取得し、取得した前記プログラムを実行することによって前記トランザクションを実行する、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、
(c)前記パスの設定後に、前記外部装置が新たなサービスを要求した場合に、前記トランザクション実行部を用いて、前記パスを介して、前記外部装置から前記新たなサービスの要求を受け取り、前記新たなサービスを提供するためのトランザクションを実行する、ステップを更に実行させる、請求項7または8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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