説明

サーバ装置および情報処理方法

【課題】検索応答の送信にかかるサーバ装置の処理負担を軽減するとともに、ネットワーク内のトラフィックが増大することを抑制すること。
【解決手段】クライアント装置110から送信された処理要求を受信するごとに、受信した処理要求を所定の期間記憶し、処理要求を受信した時点における自装置のステータスが待機中である場合はステータスを要求受付中に切り換えるとともに、自装置のステータスを要求受付中に切り換えてからの経過時間を計測し、自装置のステータスを要求受付中に切り換えてからの経過時間が所定時間に達した場合に、一時記憶手段に記憶されている処理要求に応じた処理を実行するサーバ装置120を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークに接続されたクライアント装置からの操作による設定情報の変更が可能なサーバ装置および当該サーバ装置に用いる情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、プリンタ装置などのサーバ装置をLANケーブルなどを用いて複数台接続することにより構成されるネットワークに、パーソナルコンピュータなどのクライアント装置を接続し、当該クライアント装置から送信された処理要求に応じた処理をサーバ装置において実行させるようにした技術があった。
【0003】
具体的には、たとえば、サーバ装置の設定情報の変更を要求する設定変更要求を処理要求としてクライアント装置から送信し、当該設定変更要求を受信したサーバ装置が受信した設定変更要求に基づいて自装置の設定情報を変更する。各サーバ装置の設定情報の変更をネットワークを介して接続されたクライアント装置によっておこなう場合、各サーバ装置を識別するためにサーバ装置ごとに固有のIPアドレスを割り当てる必要がある。
【0004】
たとえば、ネットワーク内にDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバが存在する場合、当該DHCPサーバを用いることによって、各サーバ装置にネットワーク経由でIPアドレスを割り当てることができる。一方、ネットワーク内にDHCPサーバが存在しない場合、作業者が各サーバ装置のそれぞれに対してIPアドレスを割り当てる作業をおこなわなくてはならない。
【0005】
ネットワーク内にDHCPサーバが存在しない場合に、各サーバ装置のそれぞれに対してIPアドレスを割り当てる作業をおこなうことは煩雑であるため、従来、たとえば、TCP/IPネットワークに接続するためのI/Fカードをそれぞれ有する複数のサーバ装置とクライアント装置とがTCP/IPネットワークで接続されたネットワークにおいて、クライアント装置がIPアドレスを設定したいプリンタ装置のI/Fカードのアドレスを含んだ設定パケットをTCP/IPネットワークにブロードキャストし、TCP/IPネットワークにブロードキャストされた設定パケットをサーバ装置が受信して、受信した設定パケットに含まれるI/Fカードのアドレスと自身のI/Fカードのアドレスとが一致したときは自身の設定を当該設定パケットにしたがって変更するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【0006】
また、従来、たとえば、クライアント装置が、ネットワーク内の複数のサーバ装置に検索要求を送信し、当該検索要求を受信したサーバ装置から検索応答を受信し、検索応答の送信元となるサーバ装置の中から選択されたサーバ装置に対して設定予定のアドレス情報を含むアドレス設定要求を送信し、アドレス設定要求を受信したサーバ装置から当該サーバ装置のアドレス情報を含むアドレス設定応答を受信するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
【0007】
また、従来、たとえば、クライアント装置からブロードキャストされた設定情報の読み出し要求を受信した場合は、サーバ装置ごとにあらかじめ設定されたMAC(Media Access Control)アドレス、IPアドレスおよびマシン名を含む設定情報を読み出し、当該設定情報が未設定である場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスと同一とした設定情報をブロードキャストで返送し、返送された設定情報のマシン名がMACアドレスと一致していた場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることをクライアント装置において明示し、設定情報が未設定のサーバ装置に対してのみ設定変更をおこなうようにした技術があった(たとえば、下記特許文献3を参照。)。
【0008】
従来、サーバ装置は、クライアント装置から送信された要求を受信するごとに、受信した要求をEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などの不揮発性の記憶媒体に記憶するとともに、受信した要求に応じた処理を逐次実行する。不揮発性の記憶媒体においては、常に、最新の要求に関する情報が、前回受信した要求に関する情報に上書きして記憶される。
【0009】
このような従来のサーバ装置は、複数のクライアント装置からそれぞれ送信された複数の要求をほぼ同時に受信した場合、要求を受信するごとに不揮発性の記憶媒体の内容を更新するとともに当該要求に応じた処理を実行する。たとえば、設定情報の変更を要求する設定情報変更要求をほぼ同時に受信した場合、従来のサーバ装置においては、最新の設定情報変更要求(受信した時刻がもっとも遅い設定情報変更要求)に基づいて変更した設定情報のみが有効とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3645401号公報
【特許文献2】特開2010−98640号公報
【特許文献3】特許第4030865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した従来の技術は、サーバ装置が、所定時間の計時中に複数のクライアント装置から同じ処理要求を複数受信した場合、先に受信した同じ処理要求に応じた処理は無効となるにもかかわらず、各処理要求を受信するごとに当該処理要求に応じた処理を実行するため、処理要求に応じた処理にかかるサーバ装置の処理負担が増大するという問題があった。
【0012】
また、ほぼ同時に受信した処理要求が当該処理要求の送信元となるクライアント装置に対する応答情報の送信を要求するものである場合、送信する情報は同じであるにもかかわらず、クライアント装置から処理要求を受信するごとに応答情報を送信するため、サーバ装置の処理負荷が増大するという問題があった。
【0013】
また、ほぼ同時に受信した処理要求が当該処理要求の送信元となるクライアント装置に対する応答情報の送信を要求するものである場合、送信する情報は同じであるにもかかわらず、クライアント装置から処理要求を受信するごとに応答情報を送信するため、ネットワークにおけるトラフィックが増大し、ネットワークにおけるトラフィック障害の発生が懸念されるという問題があった。具体的には、トラフィックが増大することにより、たとえば、ネットワークを構成するクライアント装置やサーバ装置におけるデータの送受信に遅延を生じさせることが懸念されるという問題があった。
【0014】
また、上述した従来の技術は、複数の要求をほぼ同時に受信した場合、最新の要求に基づいて実行された結果のみが有効とされ、それ以前に受信した要求は無効となるにもかかわらず、要求を受信するごとに不揮発性の記憶媒体の内容を変更(更新)する。すなわち、上述した従来の技術は、無効となる要求に関する情報も不揮発性の記憶媒体へ記憶する処理をおこなうため、不揮発性の記憶媒体の劣化を促進してしまうという問題があった。
【0015】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、処理要求に応じた処理にかかるサーバ装置の処理負担を軽減するとともに、ネットワーク内のトラフィックが増大することを抑制することができるサーバ装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、不揮発性の記憶媒体の劣化を抑制することができるサーバ装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるサーバ装置は、ネットワークを介してクライアント装置と接続されたサーバ装置であって、前記クライアント装置から送信された処理要求を受信する処理要求受信手段と、前記処理要求受信手段によって処理要求を受信するごとに、受信した処理要求を所定の期間記憶する一時記憶手段と、前記処理要求受信手段によって処理要求を受信した場合に、自装置のステータスが要求受付中であるか待機中であるかを判断するステータス判断手段と、前記ステータス判断手段によって待機中であると判断された場合は前記ステータスを要求受付中に切り換えるとともに、要求受付中に切り換えてからの経過時間を計測する計時手段と、前記計時手段が計時する経過時間に基づいて、当該経過時間が所定時間に達したか否かを判断する経時判断手段と、前記経時判断手段によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、一時記憶手段に記憶されている処理要求に応じた処理を実行する要求実行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、サーバ装置は、所定時間の計時中に複数のクライアント装置から同じ処理要求を複数受信した場合、当該所定時間が経過した時点において、クライアントに対する応答が必要な場合には、応答情報を1回のみブロードキャストする。これによって、処理要求を受信するごとに当該処理要求に応じた処理を実行する場合と比較して、処理要求に応じた処理にかかるサーバ装置の処理負担を小さくすることができる。
【0019】
また、この発明にかかるサーバ装置は、上記の発明において、前記サーバ装置に個別に設定可能な設定情報を記憶する不揮発性の記憶媒体と、前記経時判断手段によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、前記一時記憶手段に記憶されている処理要求が自装置に個別に設定可能な設定情報の変更を要求する設定変更要求であるか否かを判断する設定変更要求受信判断手段と、前記経時判断手段によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、前記一時記憶手段に記憶されている処理要求が前記設定情報の送信を要求する設定取得要求であるか否かを判断する設定取得要求受信判断手段と、を備え、前記要求実行手段は、前記設定変更要求受信判断手段によって設定変更要求であると判断した場合に、前記一時記憶手段に記憶されている設定変更要求のうち最後に受信した設定変更要求に基づいて、前記不揮発性の記憶媒体に記憶されている設定情報を更新し、前記設定取得要求受信判断手段によって設定取得要求であると判断した場合に、最後に受信した設定変更要求に基づいて更新した設定情報を含む応答情報をブロードキャストすることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、サーバ装置は、所定時間の計時中にクライアント装置から設定変更要求を複数受信した場合、当該所定時間が経過した時点において最後に受信した最新の設定変更要求に基づいて不揮発性の記憶媒体に記憶されている設定情報を更新することができる。これによって、設定変更要求を受信するごとに設定情報を更新する場合と比較して、設定情報の更新に関するサーバ装置の処理負担を小さくすることができる。
【0021】
また、この発明によれば、サーバ装置は、所定時間の計時中にクライアント装置から設定取得要求を複数受信した場合、最後に受信した最新の設定変更要求に基づいて更新された設定情報を1回のみブロードキャストする。これによって、設定取得要求を受信するごとに設定情報を送信する場合と比較して、設定情報の送信に関するサーバ装置の処理負担を小さくすることができる。
【0022】
また、この発明にかかるサーバ装置は、上記の発明において、前記経時判断手段によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、前記一時記憶手段に記憶されている処理要求が自装置の識別情報の送信を要求する検索要求であるか否かを判断する検索要求受信判断手段を備え、前記要求実行手段が、前記検索要求受信判断手段によって検索要求であると判断した場合に、前記サーバ装置の識別情報を含み、前記設定情報を含む応答情報のデータ容量よりもデータ容量の小さい応答情報をブロードキャストすることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、サーバ装置は、所定時間の計時中に複数のクライアント装置から検索要求を複数受信した場合、当該所定時間が経過した時点において設定情報を含む応答情報のデータ容量よりもデータ容量の小さい応答情報を1回のみブロードキャストする。これによって、設定情報を含む応答情報を送信する場合と比較して、応答情報の送信に関するサーバ装置の処理負担を小さくすることができる。
【0024】
また、この発明にかかる情報処理方法は、ネットワークを介してクライアント装置と接続されたサーバ装置に用いる情報処理方法であって、前記クライアント装置から送信された処理要求を受信する処理要求受信工程と、前記処理要求受信工程によって処理要求を受信するごとに、受信した処理要求を所定の期間記憶する一時記憶工程と、前記処理要求受信工程によって処理要求を受信した場合に、自装置のステータスが要求受付中であるか待機中であるかを判断するステータス判断工程と、前記ステータス判断工程によって待機中であると判断された場合は前記ステータスを要求受付中に切り換えるとともに、要求受付中に切り換えてからの経過時間を計測する計時工程と、前記計時工程が計時する経過時間に基づいて、当該経過時間が所定時間に達したか否かを判断する経時判断工程と、前記経時判断工程によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、前記クライアント装置に対して、一時記憶手段に記憶されている処理要求に応じた処理を実行する要求実行工程と、を含んだことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、所定時間の計時中に複数のクライアント装置から同じ処理要求を複数受信したサーバ装置に対して、当該所定時間が経過した時点において、クライアントに対する応答が必要な場合には、応答情報を1回のみブロードキャストさせることができる。これによって、処理要求を受信するごとに当該処理要求に応じた処理を実行させる場合と比較して、処理要求に応じた処理にかかるサーバ装置の処理負担を小さくさせることができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明にかかるサーバ装置および情報処理方法によれば、処理要求に応じた処理にかかるサーバ装置の処理負担を軽減するとともに、ネットワーク内のトラフィックが増大することを抑制することができるという効果を奏する。
【0027】
また、この発明にかかるサーバ装置および情報処理方法によれば、不揮発性の記憶媒体の劣化を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明にかかる実施の形態のサーバ装置を備えるネットワークシステムの構成を示す説明図である。
【図2】この発明にかかる実施の形態のネットワークシステムを構成するクライアント装置を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態のネットワークシステムを構成するサーバ装置を実現するプリンタ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図4−1】この発明にかかる実施の形態のネットワークシステムを構成する各装置が送受信するパケットフォーマット例を示す説明図(その1)である。
【図4−2】この発明にかかる実施の形態のネットワークシステムを構成する各装置が送受信するパケットフォーマット例を示す説明図(その2)である。
【図4−3】この発明にかかる実施の形態のネットワークシステムを構成する各装置が送受信するパケットフォーマット例を示す説明図(その3)である。
【図5−1】この発明にかかる実施の形態のネットワークシステムを構成する各装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5−2】UDPパケットのパケットフォーマットを模式的に示す説明図である。
【図5−3】表示画面例を示す説明図である。
【図6】この発明にかかる実施の形態のネットワークシステムを構成する各装置がおこなう処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図7】この発明にかかる実施の形態のネットワークシステムを構成する各装置がおこなう処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるサーバ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
(ネットワークシステムの構成)
まず、この発明にかかる実施の形態のサーバ装置を備えるネットワークシステムの構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のサーバ装置を備えるネットワークシステムの構成を示す説明図である。
【0031】
図1において、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100は、クライアント装置110と、サーバ装置120と、を備えている。ネットワークシステム100において、クライアント装置110とサーバ装置120とは、ネットワーク130を介して接続されている。
【0032】
ネットワークシステム100において、クライアント装置110は、複数台(この実施の形態においては3台)設けられている。ネットワークシステム100において、クライアント装置110は、1台であってもよい。クライアント装置110は、たとえば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる(図2を参照)。
【0033】
また、ネットワークシステム100において、サーバ装置120は、複数台(この実施の形態においてはN台(Nは任意の整数))設けられている。この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100において、サーバ装置120の台数は、クライアント装置110の台数よりも多い。サーバ装置120は、たとえば、クライアント装置110との間で通信をおこない、当該クライアント装置110から送信されたプリントデータに基づいてプリント動作を実行するプリンタ装置などによって実現することができる(図3を参照)。
【0034】
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するクライアント装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するクライアント装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0035】
図2において、コンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フロッピーディスク)207と、ディスプレイ208と、入力操作部209と、ネットワークI/F(インターフェース)210と、を備えている。また、コンピュータ装置が備える各部201〜210は、バス211によってそれぞれ接続されている。
【0036】
CPU201は、コンピュータ装置全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0037】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体として、FD207の他、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などであってもよい。
【0038】
ディスプレイ208は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ208を実現する液晶パネルは、各種の文字や画像を表示する。具体的には、たとえば、各種のアイコンや当該アイコンを選択することによって起動される各種のアプリケーション画面などを表示する。
【0039】
入力操作部209は、たとえば、利用者から、各サーバ装置120に対する個別に設定可能な設定情報の入力操作を受け付ける。CPU201は、入力操作部209によって受け付けられた入力操作に応じた情報処理をおこなう。入力操作部209は、たとえば、キーボードやマウスなどによって実現することができる。
【0040】
ネットワークI/F210は、通信回線を通じてネットワーク130に接続され、ネットワーク130を介して顧客端末装置などの外部装置に接続される。そして、ネットワークI/F210は、ネットワーク130とクライアント装置110内部とのインターフェースを司り、コンピュータ装置からのデータの入出力を制御する。
【0041】
(プリンタ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120を実現するプリンタ装置のハードウエア構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120を実現するプリンタ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0042】
図3において、プリンタ装置は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、メモリ304と、ネットワークI/F305と、プリントヘッド306と、モータ307、308と、ディスプレイ309と、操作部310と、各種センサ311と、を備えている。プリンタ装置が備える各部301〜311は、バス312によってそれぞれ接続されている。
【0043】
CPU301は、プリンタ装置全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、アプリケーションプログラムなどのプログラムに関係する情報を記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。メモリ304は不揮発性の記憶媒体によって実現され、プリンタ装置の設定情報を記憶する。
【0044】
設定情報は、たとえば、設定情報の設定(変更)対象とするサーバ装置120の製造番号、機種、ROMなどのメモリのバージョン、MACアドレス、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイIPアドレス、ホスト名、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)の使用の有無、回線速度の種類、印字濃度、印字速度などを示す。
【0045】
また、設定情報は、たとえば、プリンタ装置で使用可能な記録媒体の種別(用紙種別)、記録媒体が発色可能な色数、などを示す情報を含んでいてもよい。さらに、設定情報は、たとえば、プリンタ装置が備えるカッタ機構を、プリント長さに応じて適宜動作させるかどうか(用紙の自動カット動作を有効とするか無効とするか)を示す情報を含んでいてもよい。また、設定情報は、たとえば、プリンタ装置で使用可能な記録媒体の印字幅を示す情報を含んでいてもよい。
【0046】
また、設定情報は、たとえば、用紙切れセンサ、プリンタ装置の起動時における用紙の頭出し、ブザーによる警告など、プリンタ装置が備える機能をそれぞれ有効とするか無効とするかを示す情報を含んでいてもよい。ブザーによる警告を有効とする場合、設定情報は、当該警告に際して用いるブザーの音調を示してもよい。この場合、具体的には、ブザーの音調は、たとえば「トーン1」、「トーン2」、「トーン3」、「トーン4」などのようにあらかじめ定められた複数種類の音調の中から任意の音調を選択することによって設定することができる。
【0047】
また、設定情報は、たとえば、プリンタ装置において利用する文字のコードページを示す情報を含んでいてもよい。コードページは、特定の符号化文字集合を指定するための数字、または、当該数字で指定された符号化文字集合によって実現される。それぞれのコードページ(符号化文字集合)は、たとえば「コードページ○○(○○は2桁から5桁の数字)」という形で示される。
【0048】
また、設定情報は、たとえば、いずれの国際文字を使用するかを示す情報を含んでいてもよい。国際文字は、具体的には、たとえば、「アメリカ」、「フランス」、「ドイツ」、「イギリス」、「デンマーク」、「日本」、「韓国」、「中国」など、プリンタ装置を設置する国(地域)で使用可能な文字を示す。
【0049】
また、設定情報は、たとえば、プリンタ装置における漢字のプリントが有効であるか無効であるかを示す情報を含んでいてもよい。さらに、ディスプレイ309における表示言語(LCD表示言語)を示す情報を含んでいてもよい。ディスプレイ309における表示言語は、具体的には、たとえば、「英語」、「フランス語」、「ドイツ語」、「イタリア語」、「スペイン語」、「日本語」、「中国語」などを示す。また設定情報は、ディスプレイ309における表示方向(LCD表示方向)が正立であるか倒立であるかを示してもよい。
【0050】
また、設定情報は、たとえば、プリンタ装置が待機状態にある場合にディスプレイ309を自動的にオフ(非表示)にするか否か、および、ディスプレイ309を自動的にオフ(非表示)にする場合はプリンタ装置が待機状態になってからディスプレイ309を自動的にオフ(非表示)にするまでの時間を示す情報を含んでいてもよい。
【0051】
プリンタ装置が待機状態になってからディスプレイ309を自動的にオフ(非表示)にするまでの時間は、たとえば、「30秒後」、「5分後」などのように任意に設定することができる。設定情報は、プリンタ装置が備える操作キーによるプリンタ装置に対する直接操作が有効であるか無効であるかを示す情報を含んでいてもよい。
【0052】
設定情報を記憶するメモリ304を、不揮発性の記憶媒体によって実現することにより、プリンタ装置の電源を切っても設定情報を記憶しておくことができる。具体的には、メモリ304は、たとえば、EEPROMなどの不揮発性の記憶媒体によって実現することができる。
【0053】
ネットワークI/F305は、ネットワーク130を介してクライアント装置110を実現するコンピュータ装置に接続され、プリンタ装置とコンピュータ装置とのインターフェースを司り、プリンタ装置からのデータの入出力を制御する。具体的には、プリンタ装置は、たとえばネットワークI/F305を介してクライアント装置110を実現するコンピュータ装置からプリントデータを受信し、受信したプリントデータに基づいてCPU301によって各部を制御することによってプリント動作をおこなう。
【0054】
プリントヘッド306は、CPU301によって駆動制御され、長尺状の用紙などの被記録媒体に対してプリントデータに基づく情報をプリントする。プリントヘッド306は、たとえば、ライン状に配列された複数の発熱素子を備えた感熱方式のプリントヘッドによって実現することができる。プリントヘッド306は、CPU301によって駆動制御されることにより、ライン状に配列された複数の発熱素子に対する選択的な通電をおこない、該当する発熱素子を選択的に発熱させる。
【0055】
プリンタ装置は、プリントヘッド306におけるライン状に配列された複数の発熱素子に対して、記録媒体の搬送経路を間にして対向するように配置された図示を省略するプラテンを備えている。プリンタ装置は、プリントヘッド306とプラテンとの間に感熱紙などの感熱発色性を有する記録媒体を介在させた状態で、プリントヘッド306が備える発熱素子に選択的に通電することによって該当する発熱素子を選択的に発熱させ、用紙上に小さな点(ドット)を発色させる。
【0056】
プリントヘッド306は、感熱方式に限るものではなく、感熱方式と同様のノンインパクト方式を採用してプリントをおこなうものであってもよい。ノンインパクト方式としては、たとえば熱転写方式、インクジェット方式、レーザー方式などによってプリントをおこなうプリントヘッド306が挙げられる。この場合、プリントヘッド306は、感熱方式に代えて、各印字方式にあわせたプリントヘッドを備える。熱転写方式、インクジェット方式、レーザー(電子写真)方式のプリント方法については公知の技術であるため説明を省略する。
【0057】
また、プリントヘッド306は、ノンインパクト方式を採用してプリントをおこなうものに限らず、ドットインパクトプリントヘッドを用いたインパクト方式を採用してプリントをおこなうものであってもよい。具体的には、プリントヘッド306は、たとえば、ワイヤドットプリンタなどのように、インパクト方式を採用した印字をおこなうものであってもよい。
【0058】
モータ307は、CPU301によって駆動制御され、図示を省略する搬送ローラを回転させる駆動力を発生する。モータ307は、CPU301によって駆動制御され、プリントヘッド306に対する通電タイミングに応じて搬送ローラを回転させる。これによって、記録媒体上において小さな点(ドット)を連続して発色させることができ、記録媒体に文字などをプリントすることができる。プリントは、発色させた小さな点(ドット)によって文字をあらわす場合に限らず、図形など文字以外をあらわす場合も含む。
【0059】
モータ308は、CPU301によって駆動制御され、図示を省略するカッタ機構における可動刃を動作させる駆動力を発生する。カッタ機構は、プリンタ装置において位置が固定された固定刃と、当該固定刃に対して相対的に移動可能な可動刃と、を備え、固定刃と可動刃との間に記録媒体を位置させた状態で固定刃に対して可動刃を移動させることにより、記録媒体を任意の位置において切断する。
【0060】
ディスプレイ309は、CPU301によって制御されることによって文字や記号などの情報を表示する。具体的には、ディスプレイ309は、たとえば、プリンタ装置に異常が発生した場合や、記録媒体の残量が所定以下になった場合などに、各状況を案内する文字情報などを表示する。操作部310は複数の操作キーを備え、CPU301は操作部310において操作された操作キーに応じた信号を検出して所定の処理をおこなう。
【0061】
プリンタ装置は、記録媒体の位置(先端位置)を検出するセンサや、記録媒体の残量を検出するセンサなど、各種センサ311を備えている。各種センサ311は、たとえば、発光素子と当該発光素子が発光した光を受光する受光素子とを備え、受光素子における受光量の変化に基づいて記録媒体の位置(先端位置)や記録媒体の残量を検出する光電センサによって実現することができる。
【0062】
(パケットフォーマット例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成する各装置が送受信するパケットフォーマット例について説明する。図4−1、図4−2および図4−3は、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成する各装置が送受信するパケットフォーマット例を示す説明図である。
【0063】
図4−1は、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成する各装置110、120が送受信するパケットフォーマットの基本構成を示している。図4−1において、パケットフォーマットは、識別情報部、通信方向部、コマンド番号部からなるヘッダ行と、サーバ装置固有の設定情報を含むデータ行と、パケットの末尾を示す終了行と、を先頭から末尾に向かって順に組み合わせた構成を基本としている。
【0064】
識別情報部は、サーバ装置120(プリンタ装置)の製造元や、機種情報を一意に特定できる情報で構成される。通信方向部は、ネットワーク中に出力された情報の通信方向を示す。通信方向部は、たとえば、クライアント装置110からサーバ装置120側へ向かう方向、すなわち、0×00の方向であることを示す。また、通信方向部は、たとえば、サーバ装置120側からクライアント装置110へ向かう方向、すなわち、0×FFの方向であることを示す。コマンド番号部は、先頭のバイトが最下位のバイトとされ、たとえば、2進数の4バイトの情報量を有し、パケットの種類を示す。
【0065】
データ行は、サーバ装置固有の設定情報を含み、行数(データ量)は可変とされている。データ行は、たとえば、“(データ識別文字列)”+”(Space)=(Space)”+“(データ文字列)”+“¥r¥n“によってあらわされる。データ行は、テキストデータで構成されることを基本としている。また、データ行におけるデータの長さは、データ識別文字列に依存する。終了行は、データの末尾であることを示し、たとえば、“END(Space)=(Space)¥r¥n”によってあらわされる。終了行パケットは、たとえば、8バイトの情報量を有する。
【0066】
図4−2は、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120が送信する検索応答のパケット(検索応答パケット)を示している。図4−2において、検索応答は、上記のパケットフォーマットにしたがい、識別情報部、通信方向部、コマンド番号部からなるヘッダ行と、サーバ装置固有の設定情報を含むデータ行と、パケットの末尾を示す終了行と、を先頭から末尾に向かって順に組み合わせて構成されている。
【0067】
検索応答におけるデータ行は、機種、ROMバージョン、製造番号、IPアドレス、ホスト名を含んでいる。検索応答において機種を示すデータ行は、たとえば、“DEV=“および“IF1−ET01 “およびデータ行の終了を示す“¥r¥n“によって構成することができる。データ行において、“DEV=“は6バイト、“IF1−ET01 “は16バイト、“¥r¥n“は2バイトの情報量を有する。
【0068】
検索応答においてROMバージョンを示すデータ行は、たとえば、“VER=“および“DQ00−01XX “およびデータ行の終了を示す“¥r¥n“によって構成することができる。データ行において、“VER=“は6バイト、“DQ00−01XX “は16バイト、“¥r¥n“は2バイトの情報量を有する。
【0069】
検索応答において製造番号を示すデータ行は、たとえば、“SERILAL_NUM=“および“10100033“およびデータ行の終了を示す“¥r¥n“によって構成することができる。データ行において、“SERILAL_NUM=“は13バイト、“10100033“は16バイト、“¥r¥n“は2バイトの情報量を有する。
【0070】
検索応答においてIPアドレスを示すデータ行は、たとえば、“IP=“および“169.254.1.10“およびデータ行の終了を示す“¥r¥n“によって構成することができる。データ行において、“IP=“は5バイト、“169.254.1.10“は15バイト、“¥r¥n“は2バイトの情報量を有する。
【0071】
検索応答においてホスト名を示すデータ行は、たとえば、“HOST_NAME=“および“Cash desk01 “およびデータ行の終了を示す“¥r¥n“によって構成することができる。データ行において、“HOST_NAME=“は12バイト、“Cash desk01 “は32バイト、“¥r¥n“は2バイトの情報量を有する。
【0072】
図4−2に示した検索応答は、168バイトの情報量を有する。検索応答に含まれるデータ行はさらに少なくてもよく、たとえば、製造番号を示すデータ行だけでもよい。このように、検索応答を、サーバ装置120の識別が可能な最低限の情報のみで構成することにより、検索応答のデータサイズを小さくすることができる。検索応答のデータは、圧縮してもよい。検索応答のデータを圧縮することにより、ネットワーク130に出力される検索応答のデータサイズをより小さくすることができる。
【0073】
図4−3は、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120が送信する設定取得応答のパケット(設定取得応答パケット)を示している。図4−3において、設定取得応答は、上記のパケットフォーマットにしたがい、識別情報部、通信方向部、コマンド番号部からなるヘッダ行と、サーバ装置固有の設定情報を含むデータ行と、パケットの末尾を示す終了行と、を先頭から末尾に向かって順に組み合わせて構成されている。
【0074】
設定取得応答におけるデータ行パケットは、機種、ROMバージョン、MACアドレス、回線速度、DHCPが有効であるか無効であるかを示す情報、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイIPアドレス、初期化時IPアドレス、SNMP(Simple Network Management Protocol)関係の設定情報、印刷ポート、印刷データを受信する際のタイムアウト時間、サーバ装置120を実現するプリンタ装置の製造社名、ホスト名および製造番号を示す情報を含んでいる。図4−3に示した設定取得応答は、537バイトの情報量を有している。
【0075】
図4−2に示した検索応答および図4−3に示した設定取得応答を比較すると、設定取得応答の情報量は検索応答の情報量よりも大きい。すなわち、検索応答を送信する時点においてはサーバ装置120の検索に必要最低限の情報とすることにより、ネットワーク内のトラフィックが増大することを抑制することができる。本実施の形態において、設定取得応答の情報量は、検索応答の情報量の約3倍であるが、設定取得応答の情報量に制限はなく、たとえば検索応答の情報量の100倍であってもよい。
【0076】
(ネットワークシステム100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成する各装置の機能的構成について説明する。図5−1は、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成する各装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0077】
(クライアント装置110の機能的構成)
まず、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するクライアント装置110の機能的構成について説明する。図5−1において、この発明にかかる実施の形態のクライアント装置110の各機能は、入力操作受付部511と、処理要求送信部512と、応答情報受信部513と、表示部514と、を備えている。この発明にかかる実施の形態のクライアント装置110の各機能を実現する入力操作受付部511、処理要求送信部512、応答情報受信部513および表示部514は、クライアント装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部によって実現することができる。
【0078】
入力操作受付部511は、クライアント装置110の利用者による入力操作を受け付ける。入力操作受付部511は、サーバ装置120に対する処理を要求する処理要求を、当該サーバ装置120に送信する入力操作を受け付ける。具体的には、入力操作受付部511は、たとえば、サーバ装置120に対して当該サーバ装置120の識別情報の送信を要求する検索要求を、ネットワーク130に接続された各サーバ装置120に対してブロードキャストする指示の入力操作を受け付ける。
【0079】
また、具体的には、入力操作受付部511は、たとえば、サーバ装置120に対して当該サーバ装置120の設定情報の取得を要求する設定取得要求を送信する指示の入力操作を受け付ける。また、具体的には、入力操作受付部511は、たとえば、サーバ装置120に対して当該サーバ装置120の設定情報の変更を要求する設定変更要求を送信する指示の入力操作を受け付ける。
【0080】
処理要求送信部512は、入力操作受付部511によって処理要求の入力操作を受け付けた場合に、当該処理要求をサーバ装置120に対して送信する。具体的には、処理要求送信部512は、たとえば、入力操作受付部511によって、検索要求のブロードキャストを指示する処理要求の入力操作を受け付けた場合に、指示された検索要求をネットワーク130に接続されたサーバ装置120に対してブロードキャストする。この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム130において、クライアント装置110とサーバ装置120との間における要求や応答の送受信は、たとえば、UDP(User Datagram Protocol)ブロードキャストによって実現することができる。
【0081】
処理要求送信部512は、入力操作受付部511によって、検索要求のブロードキャストを指示する処理要求の入力操作を受け付けた場合に、ネットワークシステム100を構成するすべてのサーバ装置120を送信先とするブロードキャストアドレスを設定した検索要求を、ネットワークシステム100内の不特定多数のサーバ装置120に向かって送信する。検索要求送信部512は、複数の相手を指定して検索要求をマルチキャストするのではなく、検索要求をブロードキャストする。
【0082】
ここで、一般的なUDPパケットのパケットフォーマットについて説明する。図5−2は、UDPパケットのパケットフォーマットを模式的に示す説明図である。図5−2において、一般的なUDPパケット500は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにおけるデータリンク層で、MACフレームとして構成される。
【0083】
UDPパケット500を含むMACフレームは、データリンク層ヘッダ501と、IPヘッダ502と、UDPヘッダ503と、データ部504と、データリンク層トレーラ505と、を備える。データリンク層ヘッダ501は、ルータを越えない同一ネットワーク内での通信制御情報を備え、宛先MACアドレス501aと、送信元MACアドレス501bと、図示しないその他の通信制御情報と、で構成される。
【0084】
IPヘッダ502は、アドレスによるホストの識別をおこない、LANやWANにかかわらずルータを越えるホスト間接続を可能にするための通信制御情報を備え、宛先IPアドレス502aと、送信元IPアドレス502bと、図示しないその他の通信制御情報と、で構成される。UDPヘッダ503は、通信の両端のホストにおけるアプリケーションを識別するためのポート番号を備えており、宛先ポート番号503aと、送信元ポート番号503bと、その他の通信制御情報と、で構成される。
【0085】
データ部504は、UDPブロードキャストによって送信される要求や応答の本体で構成され、識別情報部、通信方向部、コマンド番号部からなるヘッダ行と、サーバ装置120に固有の設定情報を含むデータ行と、パケットの末尾を示す終了行と、を先頭から末尾に向かって順に組み合わせて構成されている。データリンク層トレーラ505は、MACフレームの末尾に配置され、図示しない通信中に起きたエラー情報などを備える。なお、OSI参照モデル、LAN、WAN、各ヘッダのその他の通信制御情報は公知の技術であるため説明を省略する。
【0086】
具体的には、処理要求送信部512は、たとえば、図5−2におけるデータリンク層ヘッダ501の宛先MACアドレス501aに「FF:FF:FF:FF:FF:FF」をブロードキャストアドレスとして設定した検索要求を送信する。また、具体的には、処理要求送信部512は、たとえば、図5−2におけるIPヘッダ502の宛先IPアドレス502aに「255.255.255.255」をブロードキャストアドレスとして設定した検索要求を送信する。
【0087】
また、具体的には、処理要求送信部512は、たとえば、ホスト部のビットをすべて1にしたブロードキャストアドレスとして設定した検索要求を送信するものであってもよい。この場合、より具体的には、たとえば、ネットワークアドレスが「192.168.0.0」であって、ホストアドレスが下位8ビットである場合、処理要求送信部512は、「192.168.0.255」というブロードキャストアドレスを設定した検索要求を送信する。
【0088】
検索要求送信部512が送信する検索要求において、図5−2におけるUDPヘッダ503の宛先ポート番号503aおよび送信元ポート番号503bに設定する番号には特に制限はない。具体的には、検索要求送信部512は、たとえば、図5−2におけるUDPヘッダ503の宛先ポート番号503aおよび送信元ポート番号503bに、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)が管理するWELL KNOWN PORT NUMBERS(0番から1023番の範囲)以外の番号(1024番から65535番の範囲)のうち、既に公的に占有されていない番号を使用(設定)することが好ましい。
【0089】
また、具体的には、処理要求送信部512は、たとえば、サーバ装置120が選択された状態で所定の入力操作を受け付けた場合に、選択されたサーバ装置120に対して、当該サーバ装置120の識別情報(たとえば製造番号)を含む設定取得要求を送信する。サーバ装置120の選択は、たとえば、クライアント装置110を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイ208に表示された所定の表示画面(図5−3を参照)にしたがった所定の入力操作によっておこなうことができる。
【0090】
図5−3は、表示画面例を示す説明図である。図5−3においては、クライアント装置110が工場出荷状態のサーバ装置120を検索した場合に、クライアント装置110を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイ208が表示する表示画面例を示している。図5−3において、表示画面530は、略中央段において、クライアント装置110がブロードキャストした検索要求に応じて検索応答を送信したサーバ装置120の設定情報の一部である簡易情報を表示する。この実施の形態において、簡易情報は、サーバ装置120の製造番号、機種、ROMバージョン、IPアドレス、ホスト名のみを示し、表示画面530における略中央段に表示される。
【0091】
表示画面530における最上段は、表示画面530における略中央段において選択されたサーバ装置120の簡易情報を示す。表示画面530における最上段は、略中央段において選択されたサーバ装置120が変更されるごとに表示内容を更新し、略中央段において選択されたサーバ装置120に関する簡易情報を示す。表示画面530における下段は、表示画面530における略中央段に示されたサーバ装置120のうち選択されたサーバ装置120に関する設定情報を表示する。表示画面530における下段は、該当するサーバ装置120の簡易情報を含む、詳細な設定情報を表示する。設定情報は、上記の図4−3に示した設定取得応答のデータを示すパケットに含まれる。
【0092】
表示画面530における下段は、設定情報として、たとえば、サーバ装置120の製造番号、機種、ROMバージョン、IPアドレス、ホスト名に加えて、MACアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイIPアドレス、DHCP、回線速度、印字濃度、印字速度などの設定情報を表示する。工場出荷時の同機種のサーバ装置120は、製造番号とMACアドレス以外、すべて同じコンフィグレーションとされている。製造番号とMACアドレスは、工場で装置ごとに一意に設定される。
【0093】
より具体的には、処理要求送信部512は、たとえば、表示画面530における略中央段においてサーバ装置120が選択された状態で、表示画面における上段に表示された「設定取得」キーが操作されることによって、選択されたサーバ装置120のメモリ304に記憶された設定情報の送信を要求する設定取得要求を処理要求とする入力操作を受け付けた場合に、選択されたサーバ装置120のサーバ装置の識別情報(たとえば製造番号)を含む設定取得要求を送信する。
【0094】
処理要求送信部512は、選択されたサーバ装置120の設定情報の取得を要求する設定取得要求を、ネットワーク130を構成するすべてのサーバ装置120に対してブロードキャストする。また、処理要求送信部512は、選択されたサーバ装置120の設定情報の取得を要求する設定取得要求を、該当するサーバ装置120に対してのみ送信するものであってもよい。
【0095】
応答情報受信部513は、処理要求送信部512によって処理要求を送信した結果、当該処理要求を受信したサーバ装置120から送信された応答情報を受信する。応答情報がサーバ装置120からブロードキャストされた場合、応答情報受信部513は、自装置に該当する応答情報のみを受信する。
【0096】
具体的には、応答情報受信部513は、たとえば、処理要求送信部512によって検索要求をブロードキャストした結果、当該検索要求を受信したサーバ装置120から送信された検索応答を応答情報として受信する。また、具体的には、応答情報受信部513は、たとえば、処理要求送信部512によって設定取得要求を送信した結果、該当するサーバ装置120から送信された設定取得応答を応答情報として受信する。
【0097】
表示部514は、応答情報受信部513が受信した応答情報に基づいて、各種の表示画面を表示する。具体的には、表示部514は、たとえば、応答情報受信部513が応答情報として検索応答を受信した場合、当該検索応答に基づいて、クライアント装置110がブロードキャストした検索要求に応じて検索応答を送信したサーバ装置120の設定情報の一部である簡易情報を示す表示画面を表示する。
【0098】
複数のサーバ装置120から検索応答が送信された場合、応答情報受信部513は複数の検索応答を受信し、表示部514は複数の検索応答に基づいて、複数のサーバ装置120の簡易情報を示す表示画面を表示する。また、具体的には、表示部514は、たとえば、応答情報受信部513が応答情報として設定取得応答を受信した場合、応答情報受信部513が受信した設定取得応答に基づいて、画面内の下段に、選択されたサーバ装置120の詳細な設定情報を表示する。
【0099】
(サーバ装置120の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120の機能的構成について説明する。図5−1において、この発明にかかる実施の形態のサーバ装置120の各機能は、記憶部521と、処理要求受信部522と、一時記憶部523と、ステータス判断部524と、ステータス記憶部525と、計時部526と、経時判断部527と、設定変更要求受信判断部528と、設定取得要求受信判断部529と、検索要求受信判断部530と、要求実行部531とによって実現される。
【0100】
この発明にかかる実施の形態のサーバ装置120の各機能を実現する記憶部521、処理要求受信部522、一時記憶部523、ステータス判断部524、ステータス記憶部525、計時部526、経時判断部527、設定変更要求受信判断部528、設定取得要求受信判断部529、検索要求受信判断部530および要求実行部531は、サーバ装置120を実現するプリンタ装置が備える各部によって実現することができる。記憶部521は、サーバ装置120に個別に設定可能な設定情報を記憶する。記憶部521は、電源の供給の有無にかかわらず、設定情報を不揮発に記憶する不揮発性の記憶媒体によって実現することができる。
【0101】
処理要求受信部522は、クライアント装置110から送信された処理要求を受信する。処理要求受信部522は、たとえば、クライアント装置110からブロードキャストされた検索要求を処理要求として受信する。また、処理要求受信部522は、たとえば、クライアント装置110から送信された設定取得要求を処理要求として受信する。たとえば、設定取得要求のように特定のサーバ装置120に対する処理要求がクライアント装置110からブロードキャストされた場合、処理要求受信部522は、自装置に該当する処理要求のみを受信する。
【0102】
一時記憶部523は、処理要求受信部522によって処理要求を受信するごとに、受信した処理要求を所定の期間記憶する。一時記憶部523は、たとえば、RAM(Random Access Memory)などと称される揮発性の記憶媒体によって実現することができる。RAMを用いることにより、当該RAMに記憶されたデータに任意の順序でアクセスできる(ランダムアクセス)ため、読み出し、書き込み、消去を高速におこなうことができる。また、一時記憶部523は、たとえば、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SDRAM(Synchrous DRAM)、DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)などと称される記憶媒体によって実現されるものであってもよい。
【0103】
ステータス判断部524は、処理要求受信部522によって処理要求を受信した場合に、自装置のステータスが要求受付中であるか待機中であるかを判断する。自装置のステータスが要求受付中であるか待機中であるかは、たとえば、ステータス記憶部525に記憶された変数の値(たとえばフラグの状態)によって判断することができる。ステータス判断部524は、ステータス記憶部525に記憶された変数の値が待機中である場合に、処理要求受信部522によって処理要求を受信した場合に、ステータスを要求受付中に切り換える。
【0104】
ステータス記憶部525は、自装置のステータスの判定結果を保持するレジスタであって、たとえば、フリップフロップなどの回路素子を用いてデータを保持する回路によって実現することができる。また、ステータス記憶部525は、専用の回路素子によって実現するものではなく、たとえば、プロセッサの内部に存在する記憶媒体の一部を用いて実現される、機能的なレジスタによって実現するものであってもよい。
【0105】
計時部526は、ステータス記憶部525におけるステータスが、待機中から要求受付中に切り換わってからの経過時間を計測する。経時判断部527は、計時部526が計時する経過時間に基づいて、当該経過時間が所定時間に達したか否かを判断する。所定時間は、たとえば、「1秒」、「3秒」などのように任意の時間を設定することができる。
【0106】
設定変更要求受信判断部528は、経時判断部527によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、一時記憶部523に記憶されている処理要求が自装置に個別に設定可能な設定情報の変更を要求する設定変更要求であるか否かを判断する。設定取得要求受信判断部529は、経時判断部527によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、一時記憶部523に記憶されている処理要求が設定情報の送信を要求する設定取得要求であるか否かを判断する。検索要求受信判断部530は、経時判断部527によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、一時記憶部523に記憶されている処理要求が自装置の識別情報の送信を要求する検索要求であるか否かを判断する。
【0107】
要求実行部531は、経時判断部527が経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、クライアント装置110に対して、一時記憶部523に記憶されている処理要求に応じた処理を実行する。たとえば、応答を要求する処理要求が一時記憶部523に記憶されている場合、要求実行部531は、受信した処理要求に応じた応答情報を生成し、生成した応答情報を送信する。
【0108】
応答情報の送信に際して、要求実行部531は、たとえば、生成した応答情報を、ネットワーク130を構成するすべてのクライアント装置110に対してブロードキャストする。また、要求実行部531は、たとえば、生成した応答情報を、該当するクライアント装置110に対してのみ送信するものであってもよい。
【0109】
具体的には、たとえば、設定変更要求受信判断部528によって、一時記憶部523に記憶されている処理要求が設定変更要求であると判断した場合、要求実行部531は、一時記憶部523に記憶されている設定変更要求のうち最後に受信した設定変更要求に基づいて、不揮発性の記憶媒体に記憶されている設定情報を更新する。これによって、所定時間内に複数のクライアント装置110からそれぞれ送信された設定変更要求を受信した場合は、設定情報は、最後に受信した設定変更要求に基づいて更新される。
【0110】
また、具体的には、たとえば、設定取得要求受信判断部529によって、一時記憶部523に記憶されている処理要求が設定取得要求であると判断した場合、要求実行部531は、更新した設定情報を含む応答情報(設定取得応答)をブロードキャストする。これによって、所定時間内に複数のクライアント装置110からそれぞれ送信された設定取得要求を受信した場合は、最後(直近)に受信した設定変更要求に基づいて更新された設定情報を含む応答情報が、ネットワーク130を構成するすべてのクライアント装置110に対して送信される。ブロードキャストされた応答情報(設定取得応答)は、設定取得要求を送信したクライアント装置110において受信される。
【0111】
設定取得応答は、検索応答よりもデータ容量が大きい。具体的には、設定取得応答は、たとえば、機種、ROMバージョン、MACアドレス、回線速度、DHCPが有効であるか無効であるかを示す情報、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイIPアドレス、初期化時IPアドレス、SNMP関係の設定情報、印刷ポート、印刷データを受信する際のタイムアウト時間、サーバ装置120を実現するプリンタ装置の製造社名、ホスト名および製造番号を示す情報をデータ行に含むことができる。
【0112】
また、具体的には、たとえば、検索要求受信判断部530によって、一時記憶部523に記憶されている処理要求が検索要求であると判断した場合、要求実行部531は、サーバ装置120の識別情報を含み、設定情報を含む応答情報のデータ容量よりもデータ容量の小さい応答情報(検索応答)をブロードキャストする。
【0113】
設定情報を含む応答情報のデータ容量よりもデータ容量の小さい応答情報(検索応答)は、たとえば、上記の設定取得応答のデータのパケットのうち、サーバ装置120の識別情報のみで構成することができる。具体的には、検索応答は、たとえば、上記のように、サーバ装置120の製造番号、機種、ROMバージョン、IPアドレス、ホスト名を含んで構成することができる。
【0114】
要求実行部531は、一連の処理要求の実行を終了すると、一時記憶部523に記憶された処理要求に関する情報を、すべて、受信なしの状態(処理要求を受信していない状態)にする。さらに、ステータス判断部524は、ステータス記憶部525に記憶されているステータスを待機中に切り替える。
【0115】
(ネットワークシステム100の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成する各装置がおこなう処理手順について説明する。図6および図7は、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成する各装置がおこなう処理手順を示すフローチャートである。
【0116】
図6においては、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するクライアント装置110がおこなう処理手順を示している。図6のフローチャートにおいて、まず、入力操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS601)。ステップS601において、入力操作を受け付けていない場合(ステップS601:No)は、入力操作を受け付けるまで待機する。
【0117】
ステップS601において、入力操作を受け付けた場合(ステップS601:Yes)は、ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が検索要求の送信を指示する入力操作であるか否かを判断する(ステップS602)。ステップS602において、ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が検索要求の送信を指示する入力操作である場合(ステップS602:Yes)は、検索要求を生成して(ステップS603)、生成した検索要求をブロードキャストする(ステップS604)。
【0118】
つぎに、ステップS604において検索要求をブロードキャストしてから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS616)。ステップS616において判断の基準になる所定時間は、たとえば、利用者などが任意に設定することができる。ステップS616において、ステップS604おいて検索要求をブロードキャストしてから所定時間が経過していない場合(ステップS616:No)は、ステップS604においてブロードキャストした検索要求に対してサーバ装置120から送信された検索応答を受信したか否かを判断する(ステップS605)。
【0119】
ステップS605において、ステップS604においてブロードキャストした検索要求に対してサーバ装置120から送信された検索応答を受信した場合(ステップS605:Yes)は、クライアント装置110を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイ208に、サーバ装置120の簡易情報を表示して(ステップS606)、ステップS616に戻る。
【0120】
一方、ステップS605において、ステップS604においてブロードキャストした検索要求に対してサーバ装置120から送信された検索応答(応答情報)を受信していない場合(ステップS605:No)は、ステップS616に戻り、ステップS604において検索要求をブロードキャストしてから所定時間が経過したか否かを判断する。
【0121】
ステップS616において、ステップS604において検索要求をブロードキャストしてから所定時間が経過した場合(ステップS616:Yes)は、クライアント装置110を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイ208に、検索応答の受信期間が終了した旨のメッセージを表示し(ステップS617)、一連の処理を終了する。
【0122】
ステップS602において、ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が検索要求の送信を指示する入力操作ではない場合(ステップS602:No)は、ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が設定取得要求の送信を指示する入力操作であるか否かを判断する(ステップS607)。ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が設定取得要求の送信を指示する入力操作である場合(ステップS607:Yes)は、設定取得要求を生成して(ステップS608)、生成した設定取得要求を送信する(ステップS609)。
【0123】
ステップS609においては、たとえば、ステップS608において生成した設定取得要求を、ネットワーク130を構成するすべてのサーバ装置120に対してブロードキャストする。また、ステップS609においては、たとえば、ステップS608において生成した設定取得要求を、該当するサーバ装置120に対してのみ送信するものであってもよい。
【0124】
つぎに、ステップS609において送信した設定取得要求に対してサーバ装置120から送信された設定取得応答を受信したか否かを判断する(ステップS610)。ステップS610において、ステップS609において送信した設定取得要求に対してサーバ装置120から送信された設定取得応答を受信した場合(ステップS610:Yes)は、クライアント装置110を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイ208に、該当するサーバ装置120の設定情報を表示して(ステップS611)、一連の処理を終了する。
【0125】
一方、ステップS610において、ステップS609において送信した設定取得要求に対してサーバ装置120から送信された設定取得応答(応答情報)を受信していない場合(ステップS610:No)は、ステップS609において設定取得要求を送信してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS618)。ステップS618において判断の基準になる所定時間は、たとえば、利用者などが任意に設定することができる。
【0126】
ステップS618において、ステップS609において設定取得要求を送信してから所定時間が経過していないと判断された場合(ステップS618:No)は、ステップS610へ戻り、設定取得応答(応答情報)を受信したか否かを判断する。一方、ステップS618において、ステップS609において設定取得要求を送信してから所定時間が経過したと判断された場合(ステップS618:Yes)は、クライアント装置110を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイ208に、設定取得応答が受信されなかった旨のメッセージを表示し(ステップS619)、一連の処理を終了する。
【0127】
ステップS607において、ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が設定取得要求の送信を指示する入力操作ではない場合(ステップS607:No)は、ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が設定変更要求の送信を要求する入力操作であるか否かを判断する(ステップS612)。ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が設定変更要求の送信を要求する入力操作である場合(ステップS612:Yes)は、設定変更要求を生成して(ステップS613)、生成した設定変更要求を送信して(ステップS614)、一連の処理を終了する。
【0128】
ステップS614においては、たとえば、ステップS613において生成した設定変更要求を、ネットワーク130を構成するすべてのサーバ装置120に対してブロードキャストする。また、ステップS614においては、たとえば、ステップS613において生成した設定変更要求を、該当するサーバ装置120に対してのみ送信するものであってもよい。
【0129】
ステップS612において、ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作が設定変更要求の送信を指示する入力操作ではない場合(ステップS612:No)は、ステップS601:Yesにおいて受け付けた入力操作に応じたその他の処理をおこなって(ステップS615)、一連の処理を終了する。
【0130】
図7においては、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120がおこなう処理手順を示している。図7のフローチャートにおいて、まず、クライアント装置110がブロードキャスト(送信)した処理要求を受信したか否かを判断する(ステップS701)。
【0131】
ステップS701においては、クライアント装置110がブロードキャスト(送信)した、設定変更要求、設定取得要求あるいは検索要求のいずれかを処理要求として受信したか否かを判断する。ステップS701において、処理要求を受信していない場合(ステップS701:No)は、処理要求を受信するまで待機する。
【0132】
ステップS701において、クライアント装置110がブロードキャスト(送信)した処理要求を受信した場合(ステップS701:Yes)は、受信した処理要求を一時記憶する(ステップS702)。ステップS702においては、たとえば、RAMなどの揮発性の記憶媒体に、ステップS701:Yesにおいて受信した処理要求を一時記憶する。
【0133】
一時記憶部523に一時記憶される情報は、上記の各装置が送受信するパケットフォーマットに基づいた情報でもよい。より好適には、検索要求、設定取得要求に関しては、要求受信の有無のみが記憶されていればよい。また、より好適には、たとえば、上記の設定取得要求受信判断部529および検索要求受信判断部530が、値が1の場合には受信あり、値が0の場合には受信なしと判断可能な、1ビットのフラグ情報として実現されていてもよい。これにより、一時記憶部523が必要とするデータ容量をより削減でき、一時記憶部523を実現する手段が必要とするコストを削減できる。
【0134】
つぎに、ステップS701:Yesにおいて処理要求を受信した時点における自装置のステータスが待機中であるか否かを判断する(ステップS703)。ステップS703において、ステップS701:Yesにおいて処理要求を受信した時点における自装置のステータスが待機中ではない場合(ステップS703:No)は、ステップS706へ移行する。
【0135】
ステップS703において、ステップS701:Yesにおいて処理要求を受信した時点における自装置のステータスが待機中である場合(ステップS703:Yes)は、自装置のステータスが「要求受付中」となるように、当該ステータスを切り換える(ステップS704)とともに、ステータスを「要求受付中」に切り換えてからの経過時間の計時を開始する(ステップS705)。
【0136】
つぎに、ステータスを「要求受付中」に切り換えてからの経過時間が所定時間以上となったか否かを判断する(ステップS706)。ステップS706において、ステータスを「要求受付中」に切り換えてからの経過時間が所定時間未満である場合(ステップS706:No)は、ステップS701に戻り、別の処理要求を受信したか否かを判断する。
【0137】
ステップS706において、ステータスを「要求受付中」に切り換えてからの経過時間が所定時間以上となった場合(ステップS706:Yes)は、一時記憶されている処理要求の中に設定変更要求があるか否かを判断する(ステップS707)。ステップS707において、一時記憶されている処理要求の中に設定変更要求がない場合(ステップS707:No)は、ステップS709へ移行する。ステップS707において、一時記憶されている処理要求の中に設定変更要求がある場合(ステップS707:Yes)は、受信した設定変更要求に基づいて自装置の設定情報を変更する(ステップS708)。
【0138】
つぎに、一時記憶されている処理要求の中に設定取得要求があるか否かを判断する(ステップS709)。ステップS709において、一時記憶されている処理要求の中に設定取得要求がない場合(ステップS709:No)は、ステップS712へ移行する。ステップS709において、一時記憶されている処理要求の中に設定取得要求がある場合(ステップS709:Yes)は、応答情報として設定取得応答を生成し(ステップS710)、生成した設定取得応答を送信する(ステップS711)。
【0139】
ステップS711においては、たとえば、ステップS710において生成した設定取得応答を、ネットワーク130を構成するすべてのクライアント装置110に対してブロードキャストする。また、ステップS711においては、たとえば、ステップS710において生成した設定取得応答を、該当するクライアント装置110に対してのみ送信するものであってもよい。
【0140】
つぎに、一時記憶されている処理要求の中に検索要求があるか否かを判断する(ステップS712)。ステップS712において、一時記憶されている処理要求の中に検索要求がない場合(ステップS712:No)は、ステップS715に移行する。ステップS712において、一時記憶されている処理要求の中に検索要求がある場合(ステップS712:Yes)は、応答情報として検索応答を生成し(ステップS713)、生成した検索応答を送信する(ステップS714)。
【0141】
ステップS714においては、たとえば、ステップS713において生成した検索応答を、ネットワーク130を構成するすべてのクライアント装置110に対してブロードキャストする。また、ステップS714においては、たとえば、ステップS713において生成した検索応答を、該当するクライアント装置110に対してのみ送信するものであってもよい。
【0142】
その後、一時記憶部523に記憶されている情報をすべて受信なしにするように情報を更新し(ステップS715)、ステータスを待機中に切り替えて(ステップS716)、一連の処理を終了する。ステップS715の処理とステップS716の処理とは、実行する順序が逆であってもよい。すなわち、ステータスを待機中に切り替えてから、一時記憶部523に記憶されている情報をすべて受信なしにしてもよい。
【0143】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120は、ネットワークを介してクライアント装置110と接続され、クライアント装置110から送信された処理要求を受信するごとに、受信した処理要求を所定の期間記憶し、処理要求を受信した時点における自装置のステータスが待機中である場合はステータスを要求受付中に切り換えるとともに、自装置のステータスを要求受付中に切り換えてからの経過時間を計測する。そして、自装置のステータスを要求受付中に切り換えてからの経過時間が所定時間に達した場合に、一時記憶されている処理要求に応じた処理を実行することを特徴としている。
【0144】
これにより、サーバ装置120は、所定時間の計時中に複数のクライアント装置110から同じ処理要求を複数受信した場合、当該所定時間が経過した時点において、クライアントに対する応答が必要であれば応答情報を1回のみブロードキャストする。これによって、処理要求を受信するごとに当該処理要求に応じた処理を実行する場合と比較して、処理要求に応じた処理にかかるサーバ装置120の処理負担を小さくすることができる。
【0145】
このように、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120によれば、処理要求を受信するごとに、当該処理要求の送信元となるクライアント装置110に対して個別に応答情報を送信する場合と比較して、応答情報の送信にかかるサーバ装置120の処理負担を軽減するとともに、ネットワーク内のトラフィックが増大することを抑制し、さらには応答情報の受信にかかるクライアント装置110の処理負荷を軽減することができる。
【0146】
また、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120は、自装置のステータスを要求受付中に切り換えてからの経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、一時記憶されている処理要求が、設定変更要求であるか否か、および、設定取得要求であるか否かを判断する。そして、設定変更要求である場合は自装置のステータスを要求受付中に切り換えてからの所定時間が経過するまでに受信した設定変更要求のうち最後に受信した設定変更要求に基づいて、サーバ装置120に個別に設定可能な設定情報を記憶する不揮発性の記憶媒体に記憶されている設定情報を更新する。また、設定取得要求である場合は、更新後の設定情報を含む応答情報をブロードキャストすることを特徴としている。
【0147】
これにより、サーバ装置120は、所定時間の計時中にクライアント装置110から設定変更要求を複数受信した場合、当該所定時間が経過した時点において最後に受信した最新の設定変更要求に基づいて不揮発性の記憶媒体に記憶されている設定情報を更新することができる。これによって、設定変更要求を受信するごとに設定情報を更新する場合と比較して、設定情報の更新に関するサーバ装置120の処理負担を小さくすることができる。
【0148】
また、これにより、サーバ装置120は、所定時間の計時中にクライアント装置110から設定取得要求を複数受信した場合、最後に受信した最新の設定変更要求に基づいて更新された設定情報を1回のみブロードキャストする。これによって、設定取得要求を受信するごとに設定情報を送信する場合と比較して、設定情報の送信に関するサーバ装置120の処理負担を小さくすることができる。
【0149】
このように、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120によれば、設定変更要求を受信するごとに、不揮発性の記憶媒体に記憶されている設定情報を更新する場合と比較して、不揮発性の記憶媒体の書き込み(上書き)回数を減らすことができ、不揮発性の記憶媒体の劣化を抑制することができる。
【0150】
また、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120によれば、設定取得要求を受信するごとに当該設定取得要求の送信元となるクライアント装置110に対して個別に応答情報を送信する場合と比較して、応答情報の送信にかかるサーバ装置120の処理負担を軽減するとともに、ネットワーク130内のトラフィックが増大することを抑制し、さらには応答情報の受信にかかるクライアント装置110の処理負荷を軽減することができる。
【0151】
また、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120は、自装置のステータスを要求受付中に切り換えてからの経過時間が所定時間に達した場合に、一時記憶されている処理要求が検索要求であるか否かを判断する。そして、一時記憶されている処理要求が検索要求であると判断した場合に、サーバ装置120の識別情報を含み、設定情報を含む応答情報のデータ容量よりもデータ容量の小さい応答情報をブロードキャストすることを特徴としている。
【0152】
これにより、サーバ装置120は、所定時間の計時中に複数のクライアント装置110から検索要求を複数受信した場合、当該所定時間が経過した時点において設定情報を含む応答情報のデータ容量よりもデータ容量の小さい応答情報を1回のみブロードキャストする。これによって、設定情報を含む応答情報を送信する場合と比較して、応答情報の送信に関するサーバ装置120の処理負担を小さくすることができる。
【0153】
このように、この発明にかかる実施の形態のネットワークシステム100を構成するサーバ装置120によれば、所定時間の計時中に複数のクライアント装置110から検索要求を複数受信した場合、当該所定時間が経過した時点において設定情報を含む応答情報のデータ容量よりもデータ容量の小さい応答情報を1回のみブロードキャストする。これによって、検索要求を受信するごとに、当該処理要求の送信元となるクライアント装置110に対して個別に応答情報を送信する場合と比較して、応答情報の送信にかかるサーバ装置120の処理負担を確実に軽減するとともに、ネットワーク130内のトラフィックが増大することを一層抑制し、さらには応答情報の受信にかかるクライアント装置110の処理負荷を軽減することができる。
【0154】
クライアント装置110から検索要求が送信された時点においては、クライアント装置110において、ネットワーク130に接続されているサーバ装置120を確認することができればよいため、サーバ装置120の設定情報などの情報を省いた応答情報をブロードキャストすることにより、応答情報の送信にかかるサーバ装置120の処理負担を確実に軽減するとともに、ネットワーク130内のトラフィックが増大することを一層抑制することができ、さらには応答情報の受信にかかるクライアント装置110の処理負荷を軽減することができる。
【0155】
なお、この実施の形態で説明した情報処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0156】
以上のように、この発明にかかるサーバ装置および情報処理方法は、ネットワークに接続されたクライアント装置からの操作による設定情報の変更が可能なサーバ装置および当該サーバ装置に用いる情報処理方法に有用であり、特に、DHCPサーバが存在しないネットワークに接続されたクライアント装置からの操作による設定情報の変更が可能なサーバ装置および当該サーバ装置に用いる情報処理方法に適している。
【符号の説明】
【0157】
100 ネットワークシステム
110 クライアント装置
120 サーバ装置
511 入力操作受付部
512 処理要求送信部
513 応答情報受信部
514 表示部
521 記憶部
522 処理要求受信部
523 一時記憶部
524 ステータス判断部
525 ステータス記憶部
526 計時部
527 経時判断部
528 設定変更要求受信判断部
529 設定取得要求受信判断部
530 検索要求受信判断部
531 要求実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してクライアント装置と接続されたサーバ装置であって、
前記クライアント装置から送信された処理要求を受信する処理要求受信手段と、
前記処理要求受信手段によって処理要求を受信するごとに、受信した処理要求を所定の期間記憶する一時記憶手段と、
前記処理要求受信手段によって処理要求を受信した場合に、自装置のステータスが要求受付中であるか待機中であるかを判断するステータス判断手段と、
前記ステータス判断手段によって待機中であると判断された場合は前記ステータスを要求受付中に切り換えるとともに、要求受付中に切り換えてからの経過時間を計測する計時手段と、
前記計時手段が計時する経過時間に基づいて、当該経過時間が所定時間に達したか否かを判断する経時判断手段と、
前記経時判断手段によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、一時記憶手段に記憶されている処理要求に応じた処理を実行する要求実行手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記サーバ装置に個別に設定可能な設定情報を記憶する不揮発性の記憶媒体と、
前記経時判断手段によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、前記一時記憶手段に記憶されている処理要求が自装置に個別に設定可能な設定情報の変更を要求する設定変更要求であるか否かを判断する設定変更要求受信判断手段と、
前記経時判断手段によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、前記一時記憶手段に記憶されている処理要求が前記設定情報の送信を要求する設定取得要求であるか否かを判断する設定取得要求受信判断手段と、
を備え、
前記要求実行手段は、
前記設定変更要求受信判断手段によって設定変更要求であると判断した場合に、前記一時記憶手段に記憶されている設定変更要求のうち最後に受信した設定変更要求に基づいて、前記不揮発性の記憶媒体に記憶されている設定情報を更新し、
前記設定取得要求受信判断手段によって設定取得要求であると判断した場合に、最後に受信した設定変更要求に基づいて更新した設定情報を含む応答情報をブロードキャストすることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記経時判断手段によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、前記一時記憶手段に記憶されている処理要求が自装置の識別情報の送信を要求する検索要求であるか否かを判断する検索要求受信判断手段を備え、
前記要求実行手段は、前記検索要求受信判断手段によって検索要求であると判断した場合に、前記サーバ装置の識別情報を含み、前記設定情報を含む応答情報のデータ容量よりもデータ容量の小さい応答情報をブロードキャストすることを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
ネットワークを介してクライアント装置と接続されたサーバ装置に用いる情報処理方法であって、
前記クライアント装置から送信された処理要求を受信する処理要求受信工程と、
前記処理要求受信工程によって処理要求を受信するごとに、受信した処理要求を所定の期間記憶する一時記憶工程と、
前記処理要求受信工程によって処理要求を受信した場合に、自装置のステータスが要求受付中であるか待機中であるかを判断するステータス判断工程と、
前記ステータス判断工程によって待機中であると判断された場合は前記ステータスを要求受付中に切り換えるとともに、要求受付中に切り換えてからの経過時間を計測する計時工程と、
前記計時工程が計時する経過時間に基づいて、当該経過時間が所定時間に達したか否かを判断する経時判断工程と、
前記経時判断工程によって経過時間が所定時間に達したと判断した場合に、前記クライアント装置に対して、一時記憶手段に記憶されている処理要求に応じた処理を実行する要求実行工程と、
を含んだことを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−212993(P2012−212993A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76793(P2011−76793)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(507351883)シチズン・システムズ株式会社 (82)
【Fターム(参考)】