説明

サーバ装置

【課題】複数の再生装置を設置した位置に適するように音量を調節する技術を提供する。
【解決手段】第1取得部38は、複数の再生装置を設置すべきエリアの地図情報上における位置情報であって、かつ各再生装置が設置される位置についての位置情報を取得する。第1導出部40は、取得した位置情報をもとに、再生装置の密集度を再生装置単位に導出する。第2取得部42は、各再生装置において再生すべきコンテンツデータのカテゴリに関する情報を取得する。第2導出部48は、取得したカテゴリに関する情報と、導出した密集度とをもとに、各再生装置がコンテンツデータを再生する際の音量を導出する。通信部54は、導出した音量によるコンテンツデータの再生を各再生装置へ指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、特に再生装置と通信するサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機に広告機能を搭載した装置は、消費者が自動販売機に表示されるメニュー画面を操作することによって、広告画像を表示するとともに、音声を出力する。また、別の広告装置は、人の接近に応じて出力内容を変化させる。しかしながら、コンテンツの再生時間帯、日付等によって個別に設定された音量、音質レベルや、人の混雑度、装置設置場所の周囲の騒音レベル等の不規則に変化する環境の変化に対応したきめ細かな音声制御は困難である。これに対応するために、広告装置を設置した場所付近の人の存在をセンサにて監視し、センサ検出時の制御パラメータに応じて、音声の音量、音質が一時的に自動調節される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−53432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタル技術を利用した広告媒体のひとつが、デジタルサイネージ(Digital Signage)である。デジタルサイネージでは、表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイなどによって映像や情報を表示する。また、デジタルサイネージでは、デジタル通信によって受信した多数の表示情報を内蔵記憶装置に記憶するので、柔軟な表示内容の切替が可能になり、多様な映像広告が展開される。広告データによる広告効果を向上させるために、店舗等に複数の再生装置を配置し、複数の再生装置のそれぞれにさまざまな広告データを表示させることが有効である。棚に陳列された商品のカテゴリに応じて広告データの内容を変更すると、広告効果がさらに向上する。
【0005】
例えば、肉類が陳列された棚に設置された再生装置では、肉類に関する広告や肉類を使用した料理の広告が表示される。複数の再生装置が近接して配置される場合、ひとつ再生装置から出力される音声が別の再生装置のそばでも聞こえてしまう。そのため、複数の再生装置のそれぞれから出力される音声が同時に聞こえてしまう状況が生じることもある。再生装置単体から出力される音声の音量が調節されても、複数の再生装置が近接して配置されると、音声は聞きづらくなってしまう。この場合であっても、聞きやすい音声の出力が望まれる。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の再生装置を設置した位置に適するように音量を調節する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のサーバ装置は、複数の再生装置を設置すべきエリアの地図情報上における位置情報であって、かつ各再生装置が設置される位置についての位置情報を取得する第1取得部と、第1取得部において取得した位置情報をもとに、再生装置の密集度を再生装置単位に導出する第1導出部と、各再生装置において再生すべきコンテンツデータのカテゴリに関する情報を取得する第2取得部と、第2取得部において取得したカテゴリに関する情報と、第1導出部において導出した密集度とをもとに、各再生装置がコンテンツデータを再生する際の音量を導出する第2導出部と、第2導出部において導出した音量によるコンテンツデータの再生を各再生装置へ指示する指示部と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様もまた、サーバ装置である。この装置は、再生装置において再生すべきコンテンツデータのカテゴリに関する情報を取得する取得部と、取得部において取得したカテゴリに関する情報をもとに、再生装置がコンテンツデータを再生する際の音量を導出する導出部と、導出部において導出した音量によるコンテンツデータの再生を再生装置へ指示する指示部と、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の再生装置を設置した位置に適するように音量を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係る再生システムの構成を示す図である。
【図2】図1のサーバ装置の構成を示す図である。
【図3】図2の記憶部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。
【図4】図2の記憶部に記憶された別のテーブルのデータ構造を示す図である。
【図5】図2の記憶部に記憶されたさらに別のテーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】図2の記憶部に記憶されたさらに別のテーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】図2の記憶部に記憶されたさらに別のテーブルのデータ構造を示す図である。
【図8】図1の再生装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、店舗等に設置されたサーバ装置と複数の再生装置によって形成される再生システムに関する。各再生装置は、無線LANを介してサーバ装置に接続される。また、各再生装置は、さまざまな売場や入口付近等に設置され、売場に陳列された商品のカテゴリと関連したコンテンツデータを再生する。なお、コンテンツデータは、サーバ装置からダウンロードされる。同一の売場に複数の再生装置が配置される場合、それらから出力される音声が同時に聞こえてしまうと、互いに干渉が発生し、各音声が聞きづらくなってしまう。これに対応するために、本実施例に係る再生システムは、次の処理を実行する。
【0013】
サーバ装置は、店舗における売場等のレイアウトが示された地図情報(以下、単に「地図データ」という)を記憶する。サーバ装置は、地図データを画面に表示し、サーバ装置を操作している店員が、地図データ上において再生装置を設置した場所を選択する。サーバ装置は、地図データ上における再生装置の位置をもとに、再生装置が密集している程度(以下、「密集度」という)を再生装置ごとに導出する。さらに、店員は、各再生装置において再生すべきコンテンツデータのカテゴリをサーバ装置に入力する。サーバ装置は、コンテンツデータのカテゴリと密集度とをもとに、各再生装置での音量を導出する。サーバ装置は、導出した音量によるコンテンツデータの再生を各再生装置に指示する。
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る再生システム100の構成を示す。再生システム100は、再生装置10と総称される第1再生装置10a、第2再生装置10b、第3再生装置10c、サーバ装置14を含む。また、再生システム100は、店舗18に備えられ、店舗18には、棚16と総称される第1棚16a、第2棚16b、第3棚16c、第4棚16d、第5棚16e、第6棚16f、第7棚16g、第8棚16h、第9棚16i、第10棚16j、第11棚16k、第12棚16lを含む。
【0015】
店舗18は、例えば、スーパーマーケットである。サーバ装置14は、複数のコンテンツデータを記憶する。また、サーバ装置14は、無線通信機能を有し、記憶した複数のコンテンツデータを複数の再生装置10へ配信する。なお、サーバ装置14は、再生装置10へコンテンツデータをストリーミング配信しているのではなく、複数のコンテンツデータを再生装置10にダウンロードさせる。また、サーバ装置14は、複数のコンテンツデータを再生すべき順番が示されたリストを生成し、各再生装置10にリストも送信する。リストは、再生装置10単位に異なっていてもよい。
【0016】
各棚16には、総菜、精肉、鮮魚、野菜等が配置されている。棚16には、再生装置10が設置されている。再生装置10は、無線通信機能を有してサーバ装置14とも通信可能であるとともに、所定のコンテンツデータおよびリストを記憶する。ここで、記憶したコンテンツデータおよびリストは、前述のごとく、サーバ装置14からダウンロードされている。一般的に、コンテンツデータの内容は、再生装置10が配置された棚16に陳列された商品のカテゴリに関連する。再生装置10は、リストに示された順序にしたがってコンテンツデータを再生し、再生したコンテンツデータの画像を表示するとともに、再生したコンテンツデータの音声を出力する。なお、再生装置10は、棚16だけではなく、店舗18の正面入口付近等の任意の場所に配置されてもよい。
【0017】
複数の再生装置10が近くに配置される場合、それらから出力される音声が互いに干渉するおそれがある。干渉が発生すると、それらの音声が聞きづらくなってしまう。これに対応するために、サーバ装置14は、店舗18の地図情報を記憶するとともに、地図情報上における各再生装置10の配置場所を管理する。サーバ装置14は、管理した配置場所をもとに密集度を導出するとともに、再生すべきコンテンツデータのカテゴリ等を考慮して、各再生装置10が音声を出力する際の音量を導出する。サーバ装置14は、各再生装置10に対して、導出した音量での再生を指示する。
【0018】
図2は、サーバ装置14の構成を示す。サーバ装置14は、表示部30、受付部32、処理部34、記憶部36、第1取得部38、第1導出部40、第2取得部42、第3取得部44、第4取得部46、第2導出部48、コンテンツ生成部50、リスト生成部52、通信部54、アンテナ56、制御部58を含む。
【0019】
記憶部36は、複数のコンテンツデータを記憶する。記憶部36は、ハードディスク等の記憶媒体である。記憶部36に記憶された各コンテンツデータは、例えば、棚16に配置された品物を広告するための動画像であったり、BGMであったりする。また、コンテンツデータは、MPEG(Moving Picture Experts Group)等によって圧縮されている。ここでは、動画像そのもの、動画像のデジタルデータを区別せずに、コンテンツデータと呼ぶ。また、記憶部36は、図1の店舗18の地図情報、棚16の設置位置に関する情報(以下、これらをまとめて「地図データ」という)も記憶する。ここで、店舗18の地図情報は、図1のごとく、複数の棚16が配置されることによって形成されている。なお、地図データもデジタルデータとして生成されている。地図データでは、座標が規定されている。
【0020】
コンテンツ生成部50は、図1に示された再生装置10において再生すべきコンテンツデータを記憶部36から抽出する。なお、ひとつの再生装置10に再生するために複数のコンテンツデータを抽出してもよい。コンテンツ生成部50は、抽出したコンテンツデータを通信部54へ出力する。なお、コンテンツ生成部50は、異なったコンテンツデータを再生装置10単位に出力してもよいし、共通のコンテンツデータを複数の再生装置10に対して出力してもよい。リスト生成部52は、コンテンツデータを再生装置10に再生させる順序が示されたリストを生成する。リストは、再生装置10単位に生成される。リスト生成部52は、リストを通信部54へ出力する。なお、コンテンツ生成部50にコンテンツデータを抽出させるための指示、リスト生成部52にリストを生成させるための指示は、後述の受付部32を介して、店員から受けつけるものとする。
【0021】
処理部34は、記憶部36から地図データを抽出する。処理部34は、表示部30へ地図データを出力する。表示部30は、ディスプレイであり、処理部34から受けつけた地図データを表示する。表示された地図データは、図1のように示される。受付部32は、ボタン、キーボード、マウス等のインターフェイスを備え、店員等からの指示を受けつける。指示は、(1)地図データ上において再生装置10を配置すべき位置、(2)再生装置10において再生すべきコンテンツデータ、(3)再生装置10に備えられたディスプレイのサイズに加えて、(4)リストにて示すべきコンテンツデータの順序である。このような指示は、再生装置10単位に受けつければよい。受付部32は、(4)リストにて示すべきコンテンツデータの順序に関する指示を受けつけると、処理部34を介してリスト生成部52へ当該指示を出力する。
【0022】
第1取得部38は、処理部34を介して、(1)地図データ上において再生装置10を配置すべき位置情報を受けつける。第1取得部38は、複数の再生装置10のそれぞれに対する位置情報を受けつける。このような位置情報は、店舗18の地図情報上における位置情報であって、かつ各再生装置10が設置される位置についての位置情報であり、座標によって示される。第1取得部38は、各再生装置10に対する位置情報を第1導出部40へ出力する。
【0023】
第1導出部40は、第1取得部38から、各再生装置10に対する位置情報を受けつける。第1導出部40は、位置情報をもとに、再生装置10の密集度を再生装置10単位に導出する。ここでは、密集度の導出方法を説明する。第1導出部40は、ひとつの再生装置10の位置情報を抽出し、位置情報にて示された座標を中心として、一定の半径の円を想定する。第1導出部40は、想定した円の中に、他の再生装置10の位置情報にて示された座標が含まれるかを確認する。第1導出部40は、円に含まれる他の再生装置10の数を計数し、他の再生装置10の数に1を加えることによって、抽出した位置座標の再生装置10を導出する。1を加えることは、一定の半径の円を想定させた再生装置10を考慮することに相当する。そのため、円に含まれる他の再生装置10の数が0である場合、密集度は1になり、円に含まれる他の再生装置10の数が1である場合、密集度は2になる。第1導出部40は、複数の再生装置10のそれぞれに対して、上記の処理を実行する。第1導出部40は、各再生装置10に対する密集度を第2導出部48へ出力する。
【0024】
第2取得部42は、処理部34を介して、(2)再生装置10において再生すべきコンテンツデータの情報を受けつける。ここで、第2取得部42は、コンテンツデータの情報とともに、コンテンツデータのカテゴリに関する情報も受けつける。このようなコンテンツデータのカテゴリに関する情報は、受付部32において、コンテンツデータの情報ともに受けつけているものとする。第2取得部42は、コンテンツデータのカテゴリに関する情報を再生装置10単位に取得しているものとする。コンテンツデータのカテゴリとして、「BGM(音楽)」、「BGM(効果音)」、「BGM(音声)」、「動画(メーカCM)」、「動画(特別PR)」、「動画(案内)」が規定されている。第2取得部42は、これらのうちのいずれかのカテゴリを取得する。第2取得部42は、コンテンツデータのカテゴリに関する情報を第2導出部48へ出力する。
【0025】
第3取得部44は、処理部34を介して、(3)再生装置10に備えられたディスプレイのサイズに関する情報を受けつける。ここでは、説明を簡潔にするために、ディスプレイのサイズとして、42インチ、15インチ、7インチを想定する。第3取得部44は、ディスプレイのサイズに関する情報を第2導出部48へ出力する。第4取得部46は、処理部34を介して、再生装置10が設置される売場に関する情報を受けつける。以下では、売場に関する情報を配置カテゴリとする。配置カテゴリは、正面入口、果物、鮮魚のように示される。配置カテゴリは、受付部32が店員から受けつければよい。また、第4取得部46は、第1取得部38と同様に、各再生装置10に対する位置情報を受けつけてもよい。その際、第4取得部46は、座標と売場との対応関係を予め記憶しており、当該対応関係をもとに、位置情報から配置カテゴリを導出する。第4取得部46は、配置カテゴリに関する情報を第2導出部48へ出力する。
【0026】
第2導出部48は、第1導出部40から密集度を受けつけ、第2取得部42からコンテンツデータのカテゴリに関する情報を受けつけ、第3取得部44からディスプレイのサイズに関する情報を受けつけ、第4取得部46から配置カテゴリに関する情報を受けつける。これらの情報は、再生装置10単位に受けつける。第2導出部48は、密集度、コンテンツデータのカテゴリに関する情報、ディスプレイのサイズに関する情報、配置カテゴリに関する情報とをもとに、各再生装置10がコンテンツデータを再生する際の音量を導出する。この処理を具体的に説明する。
【0027】
第2導出部48は、記憶部36に記憶されたテーブルを参照して、密集度から補正値を導出する。図3は、記憶部36に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、密集度欄200、補正値欄202が含まれている。第2導出部48は、密集度欄200の密集度に対応した補正値を補正値欄202から抽出する。図2に戻る。第2導出部48は、記憶部36に記憶されたテーブルを参照して、コンテンツデータのカテゴリから補正値を導出する。図4は、記憶部36に記憶された別のテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、コンテンツカテゴリ欄210、補正値欄212が含まれている。第2導出部48は、コンテンツカテゴリ欄210のカテゴリに対応した補正値を補正値欄212から抽出する。図2に戻る。
【0028】
第2導出部48は、記憶部36に記憶されたテーブルを参照して、ディスプレイのサイズから補正値を導出する。図5は、記憶部36に記憶されたさらに別のテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、モニタ欄220、補正値欄222が含まれている。第2導出部48は、モニタ欄220のディスプレイサイズに対応した補正値を補正値欄222から抽出する。図2に戻る。第2導出部48は、記憶部36に記憶されたテーブルを参照して、配置カテゴリから補正値を導出する。図6は、記憶部36に記憶されたさらに別のテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、配置カテゴリ欄230、補正値欄232が含まれている。第2導出部48は、配置カテゴリ欄230の配置カテゴリに対応した補正値を補正値欄232から抽出する。図2に戻る。
【0029】
第2導出部48は、音量の基準値を予め規定する。ここでは、基準値を「5」とする。なお、音量の基準値「5」は、記憶部36に記憶される際のコンテンツデータの音量に相当する。また、値が大きくなるほど、音量も大きくなるとする。第2導出部48は、密集度に対する補正値(以下、「第1補正値」という)にて基準値を補正する。また、第2導出部48は、コンテンツデータのカテゴリに対する補正値(以下、「第2補正値」という)にて基準値を補正する。第2導出部48は、ディスプレイのサイズに対する補正値(以下、「第3補正値」という)にて基準値を補正する。さらに、第2導出部48は、配置カテゴリに対応した補正値(以下、「第4補正値」という)にて基準値を補正する。第2導出部48は、これらの補正結果を加算することによって、コンテンツデータを再生する際の音量を再生装置10単位に導出する。
【0030】
つまり、音量は、次のように導出される。
音量=(基準値+第1補正値)+(基準値+第2補正値)+(基準値+第3補正値)+(基準値+第4補正値)
なお、音量は、次のように導出されてもよい。
音量=(基準値+第1補正値)×(基準値+第2補正値)×(基準値+第3補正値)×(基準値+第4補正値)
第2導出部48は、10を最大値として音量を正規化してもよい。前者の場合では、音量を1/2にすることに相当する。なお、リストに含まれる複数のコンテンツデータが、異なったカテゴリである場合、第2導出部48は、コンテンツデータごとに音量を導出してもよいし、最も音量の小さい値や大きい値を選択してもよい。第2導出部48は、導出した音量を通信部54へ出力する。
【0031】
また、第2導出部48は、受けつけたデータをテーブル形式で記憶部36に記憶させる。図7は、記憶部36に記憶されたさらに別のテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、再生装置欄240、設置位置欄242、配置カテゴリ欄244、密集度欄246、コンテンツカテゴリ欄248が示されている。再生装置欄240には、各再生装置10を識別するための情報が示されており、各再生装置10に対する配置位置、配置カテゴリ、密集度、コンテンツカテゴリが、設置位置欄242、配置カテゴリ欄244、密集度欄246、コンテンツカテゴリ欄248に示されている。図2に戻る。
【0032】
通信部54は、アンテナ56を介して、図示しない再生装置10との間で無線通信を実行する。通信部54は、例えば、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)にしたがって、無線通信を実行する。通信部54は、第2導出部48、コンテンツ生成部50、リスト生成部52からのデータを受けつけ、データを格納するようにパケット信号を生成する。通信部54は、生成したパケット信号を変調する。変調方式として、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM等が規定される。ここで、変調した結果は、周波数領域のOFDM信号に相当する。
【0033】
通信部54は、変調した結果に対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を実行することによって、周波数領域のOFDM信号を時間領域のOFDM信号へ変換する。通信部54は、時間領域のOFDM信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、通信部54は、無線周波数のパケット信号をアンテナ56から送信する。なお、通信部54には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。パケット信号の送信は、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LANと同様に、CSMA/CAと呼ばれるアクセス制御機能にしたがってなされる。
【0034】
通信部54がコンテンツデータを送信することによって、コンテンツデータは、各再生装置10にダウンロード送信される。また、通信部54が、リストを送信することによって、リストによるコンテンツデータの再生が各再生装置10に指示される。さらに、通信部54が音量の情報を送信することによって、音量によるコンテンツデータの再生が各再生装置10に指示される。制御部58は、サーバ装置14全体の動作タイミングを制御する。
【0035】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0036】
図8は、再生装置10の構成を示す。再生装置10は、アンテナ70、通信部72、コンテンツ受付部74、リスト受付部76、音量情報受付部78、記憶部80、再生部82、表示部84、スピーカ86、制御部88を含む。
【0037】
通信部72は、アンテナ70を介して、図示しないサーバ装置14との間で無線通信を実行する。通信部72も、通信部54と同様に、例えば、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LANに対応する。通信部72は、図示しないサーバ装置14から送信されたパケット信号をアンテナ70にて受信する。通信部72は、アンテナ70を介して受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、時間領域のOFDM信号を生成する。通信部72は、時間領域のOFDM信号に対してFFTを実行することによって、時間領域のOFDM信号を周波数領域のOFDM信号へ変換する。周波数領域のOFDM信号は、複数のサブキャリア信号にて形成される。通信部72は、周波数領域のOFDM信号を復調する。通信部72は、復調した結果をコンテンツ受付部74、リスト受付部76、音量情報受付部78へ出力する。また、通信部72には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
【0038】
コンテンツ受付部74は、通信部72から受けつけた復調結果のうち、コンテンツデータを抽出し、コンテンツデータを記憶部80に記憶させる。リスト受付部76は、通信部72から受けつけた復調結果のうち、リストを抽出し、リストを記憶部80に記憶させる。音量情報受付部78は、通信部72から受けつけた複数結果のうち、音量情報を抽出し、音量情報を記憶部80に記憶させる。記憶部80は、ハードディスク等の記憶媒体であり、コンテンツデータ、リスト、音量情報とを記憶する。再生部82は、リストに示された複数のコンテンツデータの順序にしたがって、コンテンツデータを再生する。再生部82は、再生したコンテンツデータの動画像を表示部84に出力し、再生したコンテンツデータの音声をスピーカ86に出力する。その際、再生部82は、音量情報に対応した音量にて、音声の音量を調節する。制御部88は、再生装置10全体の動作を制御する。
【0039】
以上の構成による再生システム100の動作を説明する。コンテンツデータは、再生システム100において規定される基準音量レベルに変換され、サーバ装置14に登録される。サーバ装置14は、再生装置10の設置場所、密集度、コンテンツデータのカテゴリに応じて、基準音量レベルを補正するための補正値を導出する。サーバ装置14は、補正値によって基準音量レベルを補正する。サーバ装置14は、コンテンツデータを再生装置10にダウンロードさせる。また、サーバ装置14は、リストおよび音量情報を再生装置10へ送信する。再生装置10は、リストに応じた順序によってコンテンツデータを再生する。その際、再生装置10は、音量情報に応じて音量を設定する。
【0040】
本発明の実施例によれば、再生装置の密集度に応じて音量の補正値を決定するので、再生装置が密集するほど音量を小さくできる。また、再生装置が密集するほど音量が小さくされるので、音声の干渉を低減できる。また、再生装置が密集しなければ音量が大きくされるので、音声を聞きやすくできる。また、再生装置の密集度に応じて音量の大きさを調節するので、複数の再生装置を設置した位置に適するように音量を調節できる。また、再生装置で再生させるべきコンテンツデータのカテゴリに応じて音量を調節するので、コンテンツデータの内容に適した音量を設定できる。また、コンテンツデータを表示すべきディスプレイのサイズに応じて音量を調節するので、ディスプレイのサイズに適した音量を調節できる。
【0041】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0042】
本発明の実施例において、第2導出部48は、再生装置10の密集度とコンテンツデータのカテゴリとをもとに、音量を決定する。しかしながらこれに限らず例えば、第2導出部48は、近接したふたつの再生装置10において、重複したタイミングにて、同一のコンテンツデータを再生させる場合、一方の再生装置10に対する音量をオフにすることを決定してもよい。また、重複したタイミングにて、同一のコンテンツデータを再生させる再生装置10が3つ以上存在する場合、第2導出部48は、ひとつの再生装置10に対する音量をオフにすることを決定してもよく、ふたつ以上の再生装置10に対する音量をオフにすることを決定してもよい。さらに後者の場合、ひとつの再生装置10だけが音声を主力してもよい。本変形例によれば、音声の干渉を低減できる。
【符号の説明】
【0043】
10 再生装置、 14 サーバ装置、 16 棚、 18 店舗、 30 表示部、 32 受付部、 34 処理部、 36 記憶部、 38 第1取得部、 40 第1導出部、 42 第2取得部、 44 第3取得部、 46 第4取得部、 48 第2導出部、 50 コンテンツ生成部、 52 リスト生成部、 54 通信部、 56 アンテナ、 58 制御部、 70 アンテナ、 72 通信部、 74 コンテンツ受付部、 76 リスト受付部、 78 音量情報受付部、 80 記憶部、 82 再生部、 84 表示部、 86 スピーカ、 88 制御部、 100 再生システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の再生装置を設置すべきエリアの地図情報上における位置情報であって、かつ各再生装置が設置される位置についての位置情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部において取得した位置情報をもとに、再生装置の密集度を再生装置単位に導出する第1導出部と、
各再生装置において再生すべきコンテンツデータのカテゴリに関する情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部において取得したカテゴリに関する情報と、前記第1導出部において導出した密集度とをもとに、各再生装置がコンテンツデータを再生する際の音量を導出する第2導出部と、
前記第2導出部において導出した音量によるコンテンツデータの再生を各再生装置へ指示する指示部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
各再生装置がコンテンツデータを表示させるためのモニタのタイプに関する情報を取得する第3取得部をさらに備え、
前記第2導出部は、前記第3取得部において取得したモニタのタイプに関する情報も反映させて、各再生装置がコンテンツデータを再生する際の音量を導出することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第2導出部は、近接したふたつの再生装置において、同一のコンテンツデータが再生される場合、一方の再生装置に対する音量をオフにすることを決定することを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
再生装置において再生すべきコンテンツデータのカテゴリに関する情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得したカテゴリに関する情報をもとに、再生装置がコンテンツデータを再生する際の音量を導出する導出部と、
前記導出部において導出した音量によるコンテンツデータの再生を再生装置へ指示する指示部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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