説明

サービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法

【課題】端末間の変更で元の端末に設定されていたアプリケーションソフトを新たな端末に自動的に交換してサービスアプリケーションを自動的に引き継ぐことができるアプリケーションソフトの自動設定方法を提供する。
【解決手段】このサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法では、端末Aに設定されたアプリケーションソフト(22,24,41)を端末Bに交換するとき、端末Aのエージェント21はアプリケーションの状態を保守サーバ13の保守サーバストレージ15に保存するようにアップロードし、端末Bのエージェント21は、保守サーバの保守サーバストレージから端末Aに係るアプリケーションの構成とアプリケーションをダウンロードしかつインストールし、その後に、アップロードされた端末Aのアプリケーションの状態をダウンロードし、インストールしたアプリケーションの更新を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、或るサービス提供端末を異なる他のサービス提供端末に交換するときに当該或るサービス提供端末に設定されたサービス用アプリケーションソフトを当該他のサービス提供端末に自動的に引き継ぐことができるアプリケーションソフトの自動設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サービス提供端末としては、例えば駅構内に設置されたICカードを利用した各種のサービス提供端末が存在する。利用されるICカードは主に交通機関用のICカードである。この種のサービス提供端末は、通常的には少なくとも2台が設置され、スペアの端末が用意されているのが一般的である。
【0003】
他方、1台の或るサービス提供端末が設置された環境で当該サービス提供端末のサービス機能について、これを新しい他のサービス提供端末に交換する場合には、通常、交換対象の元のサービス提供端末に設定されているアプリケーションソフトを新しいサービス提供端末に入れ替える(交換する)ことが必要となる。新旧の2台のサービス提供端末の間のアプリケーションソフトの従来の入れ替えは、サービス提供端末の設置場所に担当者が出向き、当該担当者によって人為的な手作業で行われていた。
【0004】
サービス提供端末に関する新旧の端末機器の交換において、そのアプリケーションソフトの入れ替えの仕組みに関連する従来技術としては、例えば特許文献1,2に示される技術が存在する。特許文献1はネットワーク接続機器の自動生成機構を開示し、ネットワーク接続機器についてエンドユーザが希望するサービスの提供を実現する機能を自動的に生成するシステムを提案している。具体的には、必要な機能を上位で設定すると、当該機能を端末に自動送信でき、接続を管理するLSサーバと機能を管理するRSサーバによって機能を自動的に構成している。特許文献2はネットワーク接続手段の集中管理システムおよび方法を開示しており、多数のルータの集中管理を実現している。ルータの電源投入時にルータの識別子を利用してイニシャルサーバおよびユーザサーバとの関係で必要な情報の送受が行われ、各ルータに関して自動的な環境設定が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−104648号公報
【特許文献2】特開2004−193988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のサービス提供端末の交換において、新たなサービス提供端末のアプリケーションソフトの設定の仕組みでは、システム構成上、一般的に、サービス提供端末内に保存されたアプリケーションの状態を旧い端末から新たな端末に自動的に引き継ぐことはできなかった。そのための端末の交換等の保守作業では、保守管理の担当者がサービス提供端末の設置場所に出向き、手作業で行なわなければならないという問題があった。また特許文献1,2に開示される技術についても、端末の交換における自動的なアプリケーションソフトの自動的な引き継ぎに関しては全く開示されず、その示唆もない。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、端末間の変更で元の端末に設定されていたアプリケーションソフトを新たな端末に自動的に交換してサービスアプリケーションを自動的に引き継ぐことができ、手作業によるアプリケーションソフトの入れ替えをなくすことができるようにしたサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0009】
第1のサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法(請求項1に対応)は、
保守サーバと少なくとも2台のサービス提供端末(端末A,B)の各々とがネットワークを介して相互に通信可能に接続され、サービス提供端末は、保守サーバに対して動作の指示の問合せを行うエージェントと、固有の端末IDと、必要に応じてインストールされたサービス用アプリケーションソフトとを備え、保守サーバは、アプリケーションに係るファイルと、アプリケーション構成に係るファイルと、アプリケーションの状態に係るファイルとを保存するデータ保存手段(保守サーバストレージ)を備えるという構成で適用され、
第1のサービス提供端末に設定されたサービス用アプリケーションソフトを第2のサービス提供端末に交換するとき、
第1のサービス提供端末のエージェントは、サービス用アプリケーションソフトによるアプリケーションの状態を保守サーバのデータ保存手段に保存するようにアップロードし、
第2のサービス提供端末のエージェントは、保守サーバのデータ保存手段から第1のサービス提供端末に係るアプリケーションの構成とアプリケーションをダウンロードしかつインストールし、その後に、保守サーバのデータ保存手段から、アップロードされた第1のサービス提供端末のアプリケーションの状態をダウンロードし、インストールしたアプリケーションの更新を行うことで特徴づけられる。
【0010】
第2のサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法(請求項2に対応)は、上記の方法において、好ましくは、保守サーバは、サービス提供端末のエージェントが行う問合せの中に含まれる端末IDに基づいて、端末の交換を行うの第1および第2のサービス提供端末を特定することを特徴とする。
【0011】
第3のサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法(請求項3に対応)は、上記の方法において、好ましくは、第2のサービス提供端末は、初期にはサービス用アプリケーションソフトをインストールされていないことを特徴とする。
【0012】
第4のサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法(請求項4に対応)は、上記の方法において、好ましくは、保守サーバは、端末の交換を含むサービス提供に係る保守作業の要否についてオペレータから指示を受けるようにされたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば次の効果を奏する。
2台のサービス提供端末の間に関して「端末の交換」の動作の指示があり、これに従って第1のサービス提供端末のサービス用アプリケーションソフトの内容を第2のサービス提供端末に交換する場合において、2台のサービス提供端末の各々のエージェント、および保守サーバストレージを装備した保守サーバに基づくネットワークを経由したプログラム也データの送受(アップロード、ダウンロード)によって、第1のサービス提供端末のサービス用アプリケーションソフトを第2のサービス提供端末に自動的に交換して引き継ぐことができ、保守員がサービス提供端末の設置場所に出向く必要がなくなり、手作業の負担を無くし、さらに手作業に起因する操作ミスの発生をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法が実施されるシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による端末交換の際のプログラムおよびデータの移動の状態を示す図である。
【図3】本実施形態による端末交換の際のプログラムおよびデータの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係るサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法が実施されるシステム構成を示し、図2は、端末交換の際のプログラムおよびデータの処理の流れを示している。
ここで、「サービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法」とは、或るサービス提供端末にインストールされたアプリケーションに係るプログラム(ソフトウェア)を、異なる他のサービス提供端末に移動させるときに、自動的に引き継ぎのためのインストールを行うことができる仕組みのこという。
【0017】
図1を参照してアプリケーションソフトの自動設定方法が実施されるシステム構成を説明する。図1において、符号11はサービス提供端末を表すブロックを指している。サービス提供端末11は、サービスのためのアプリケーションを実行し、当該サービスを利用者に提供するための端末機器である。サービス提供端末11は、通常的に、情報入力のための入力操作装置、および情報提示等の出力のための表示装置を備えている。これらの入力操作装置と表示装置の図示は省略している。サービス提供端末11については、図1中、複数(例えばn個)の端末機器が図示されている。さらに図1中、後述される説明の関係上で、左端のサービス提供端末11を「端末A」、その隣りのサービス提供端末11を「端末B」と名付け、また右端のサービス提供端末11を「サービス提供端末n」と記している。「n」は複数のサービス提供端末11の総数を表す記号である。
【0018】
サービス提供端末11の内部構造の一例は「端末A]のブロック内に示されている。サービス提供端末11は、ソフトウェア(プログラム)で実現される機能要素として、エージェント21とアプリケーション22を有している。エージェント22は機能ブロックとして図示され、アプリケーション22はファイルとして図示されている。また、これらの機能要素で用いられるデータとして、端末ID23およびアプリケーション構成24が用意されている。
【0019】
n個のサービス提供端末11の内部構造は、すべて、基本的に上記の端末Aの内部構造と同じである。但し、本実施形態では、後述される「端末の交換」に関連して端末Bであるサービス提供端末11の内部にはアプリケーション22等はインストールされていないものとする。またすべてのサービス提供端末11はネットワーク12に接続されており、内蔵された通信機能部に基づき外部の機器要素と通信可能になっている。
【0020】
上記のエージェント22は、サービス提供端末11上で動作するソフトウェアであり、サービス提供端末11の構成および動作の状態を制御・管理するプログラムである。その役割は後述される。
【0021】
また上記のアプリケーション22は、サービス提供端末11上で動作するサービスを提供するためのソフトウェアである。またアプリケーション構成24は、当該アプリケーション22のディレクトリ構造、ファイル構成を定義したデータである。これらのデータに加えて、さらに、アプリケーション22のディレクトリまたはファイルが、当該アプリケーション22の状態を決定するデータか否かを定義したデータ(「構成種別情報」という)を有している。端末ID23は、サービス提供端末11(端末A)を特定するための情報であり、一般的にはn個のサービス提供端末11の各々を一意に識別するためのIDデータである。
【0022】
なお端末Aであるサービス提供端末11においては、上記のアプリケーション22には(App1)という識別符号が割り当てられ、アプリケーション構成24には(AppConf1)という識別符号が割り当てられている。
【0023】
前述したn個のサービス提供端末11に対して、好ましくは一台の保守サーバ13が設けられている。保守サーバ13は管理部署に設置されており、当該管理部署に居るオペレータ14によって操作・管理される態様になっている。保守サーバ13は、サービス提供端末11で使用される「アプリケーション」および「アプリケーション構成」を保持する機器である。オペレータ14は、「端末の交換」等のごときサービス提供端末11を保守するための作業の要否を判断し、当該保守作業(「端末の交換」等)を行うことの必要性が発生したときに、その指令指示を保守サーバ13に対して行う担当者である。保守サーバ13は、そのための入力操作装置13Aと表示装置13Bを備えている。オペレータ14によって「端末の交換」を行うことの指示が出されると、原則的に、「端末の交換」の処理は、後述するように、指定された2つの端末の間で自動的に実行される。さらに保守サーバ13は、付随する要素として、データ格納部としての保守サーバストレージ15を装備している。
【0024】
保守サーバストレージ15には「アプリケーションの状態」に係る複数のファイル31、「アプリケーション構成」に係る複数のファイル32、「アプリケーション」に係る複数のファイル33が格納されている。「アプリケーション構成」については前述したアプリケーション構成24と同じ内容であり、「アプリケーション」については前述したアプリケーション22と同じ内容である。「アプリケーション構成」に係る複数のファイル32および「アプリケーション」に係る複数のファイル33は、それぞれ、n個のサービス提供端末11のそれぞれに応じて、保守サーバ13側で用意され、保守サーバストレージ14にて保存されているものである。また「アプリケーションの状態」に係るデータは、或る1つのアプリケーションが2つ以上のサービス提供端末11で動作している場合において、一方のサービス提供端末から他方のサービス提供端末へ動作内容に関するデータの複写または移動の処理を行うと、2つ以上のサービス提供端末11の動作状態が全く同じ状態になって同じサービスを提供することができるようになるデータである。「アプリケーションの状態」に係るデータは、端末の交換におけるサービスの引き継ぎに用いられる。「アプリケーションの状態」に係る当該データの具体例は、アプリケーションの動作設定ファイルやデータベースなどである。
【0025】
保守サーバ13は通信機能部を内蔵しており、ネットワーク12を介してn個のサービス提供端末11の各々と相互に情報(要求・応答等のメッセージ、各種のプログラムおよびデータ等)の送受を行うように構成されている。
【0026】
上記の保守サーバ13は、オペレータ14から与えられる「端末の交換」等の指示を受ける働き、あるいは交換対象であるサービス提供端末11のエージェント21からの指示の問合せに応答する働きを有している。他方、交換対象であるサービス提供端末11のエージェント21は、保守サーバ13に対して問合せを行って「端末の交換」等の指示を受け、「アプリケーションの状態」を保守サーバ13にアップロードし、または保守サーバ13から「アプリケーションの状態」等をダウンロードし、「端末の交換」等の処理を実行する。
【0027】
次に、図2および図3を参照して、特定のアプリケーション22のプログラムがインストールされている或るサービス提供端末11(端末A)から、当該アプリケーション22がインストールされていない異なる他のサービス提供端末11(端末B)へ交換(移動)する、という処理の流れを説明する。すなわち、図1で示した2つのサービス提供端末11である端末Aから端末Bへの「端末の交換」の処理の流れを説明する。
【0028】
先ず、端末Aと端末Bとの間でのサービス用のアプリケーション22の交換(入れ替え、移動)することに基づいて端末Aから端末Bへサービス機能の移動を行うに当たって、「アプリケーションソフトの自動設定方法」の前提を説明する。
ここで、「アプリケーションソフトの自動設定」とは、前述の通り、「端末Aから端末Bにサービス用アプリケーションを交換する時に端末Bでサービス用アプリケーションソフトを自動的に移動して設定する」ことを意味している。
当該前提として、交換対象となる端末A,Bに加えて保守サーバ13の関わりが必要となる。端末Aには、図2に示される通り、アプリケーション22とアプリケーション構成24がインストールされており、これらのアプリケーション22とアプリケーション構成24が保守サーバ13を介して端末Bに移動されることになる。保守サーバ13は、2つの端末A,Bについてサービスを提供するアプリケーション構成24を知っており、さらに端末A,Bにおいてサービスを提供するアプリケーション22を保守サーバストレージ15内のアプリケーションに係るファイル33で所有している。
【0029】
前述した通り、アプリケーション構成24はアプリケーション22がどのようなディレクトリ構造、ファイル構成からなるかを定義した情報であり、加えてさらに、それらのディレクトリおよびファイルが「端末の交換」の時にアプリケーションの状態を引き継ぐために必要か否かを定義した情報(構成種別情報)を含むものである。また端末A,Bにインストールされたエージェント21は「端末の交換」(換言すれば「端末の移動」)の操作を実行するアプリケーションである。なお保守サーバ13において、端末A,Bの識別は、エージェント21から提供される端末ID23によって識別することができる。
【0030】
次いで、端末Aにインストールされているアプリケーション22のプログラムを当該端末Aから端末Bへ交換する処理の流れを説明する。
【0031】
最初のステップS101では、端末Aのエージェント21が保守サーバ13に対して動作の指示(この場合には「端末の交換」等)について問い合わせる(手順P101)。この動作の指示の問合せのメッセージの中には、問合せの内容と共に端末Aを特定する端末ID(例えば「1000」)23が含まれている。保守サーバ13は、問合せのメッセージを受信し、当該問合せのメッセージに含まれる端末ID23に基づいて、問合せを行ったサービス提供端末11(端末A)を特定する(ステップS201)。その後、端末Aからの問合せ(手順P101)に対して、保守サーバ13は端末Aのエージェント21に対して「動作の指示」について応答する(ステップS202、手順P201)。なお保守サーバ13は、ステップS201より前の段階において、常時、n個のサービス提供端末11からの送られてくる問合せの有無を監視している。
【0032】
保守サーバ13からの動作の指示の応答(手順P201)を受けた(ステップS102)端末Aのエージェント21は、「端末の交換」に係る動作の指示について、自身が交換時に「アプリケーションの状態」を提供する端末であった場合には、「構成種別情報」に従って当該「アプリケーションの状態」41を保守サーバ13にアップロードする(ステップS103、手順P102)。当該「アプリケーションの状態」41は、図2に示すように、アプリケーション22とアプリケーション構成24を含むものである。保守サーバ13は、アップロードされた「アプリケーションの状態」41を受信しかつ保守サーバストレージ15に保管する(ステップS203)。
【0033】
次に、端末Bのエージェント21は、定期的に保守サーバ13に対して動作の指示(「端末の交換」等)について問い合わせる(ステップS301、手順P301)。保守サーバ13では、判断ステップS204において常時に動作の指示の問合せの有無を判断している。判断ステップS204でYESの場合において、続いて保守サーバ13は、問合せ動作を行っているサービス提供端末11(端末B)の端末ID(例えば「1100」)から端末Bを特定する(ステップS205)。そして、保守サーバ13は端末Bのエージェント21に対して「動作の指示」について応答する(ステップS206、手順P202)。
【0034】
保守サーバ13からの動作の指示の応答(手順P202)を受けた(ステップS302)端末Bのエージェント21は、「端末の交換」に係る動作の指示について、自身が交換時に「アプリケーションの状態」を受け取る端末であった場合には、先ず、アプリケーションの構成24(AppConf1)を保守サーバ13の保守サーバストレージ15内の「アプリケーション構成」に係るファイル32からダウンロードする(ステップS303、手順P302)。端末Bのエージェント21は、さらに、取得したアプリケーションの構成24に従って、保守サーバ13の保守サーバストレージ15内の「アプリケーション」に係るファイル33からアプリケーション22(App1)をダウンロードする(ステップS304、手順P303)。そして、端末Bのエージェント21は、ダウンロードしたアプリケーション22(App1)を当該端末Bにインストールする(ステップS305)。次いで、端末Bのエージェント21は、「構成種別情報」に従って、上記のステップS103で端末Aのエージェント21が保守サーバ13にアップロードした「アプリケーションの状態」に係るデータ41を保守サーバ13からダウンロードすることを、保守サーバ13に対して要求する(ステップS306、手順P304)。
【0035】
端末Bのエージェント21からの上記の要求に対して、保守サーバ13は、端末Aから「アプリケーションの状態」のアップロードが完了していることを応答する(ステップS207、手順P203)。この応答を受けて(ステップS307)、これに基づき、端末Bのエージェント21は、保守サーバ13の保守サーバストレージ15から「アプリケーションの状態」41をダウンロードする(ステップS308、手順P305)。そして、この「アプリケーションの状態」41を用いてインストール済みのアプリケーション22を更新する(ステップS308)。
【0036】
上記の通り端末Aのサービス機能を異なる他の端末Bに交換する場合において、本実施形態に係るアプリケーションソフトの自動設定方法によれば、各端末のエージェント21と保守サーバ13との処理機能によって、端末Aにセットされているアプリケーション22に基づくサービス機能が端末Bへ自動的に設定することができる。ここで、前述のオペレータ14は保守サーバ13を監視・管理し必要に応じて操作する者であり、「端末の交換」等のサービス提供端末11を保守する作業が発生する場合において、保守サーバ13に対して当該保守作業の実行を指示する者である。しかしながら、上記の「端末の交換」に係る動作が実行されているときには全く関与せず、端末Bでのアプリケーションソフトのインストール等についてオペレータ14自身が手作業を行うことはない。
【0037】
また、上記の端末の交換では、端末Bは、初期の段階では特定のサービス用アプリケーションソフトがインストールされていないという前提に立っていたが、他のサービス用アプリケーションがインストールされている前提で、これの代わりに端末Aのサービス用アプリケーションソフトに入れ替える、あるいは、これと共に追加的に端末Aのサービス用アプリケーションをインストールするように構成することもできる。
【0038】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係るサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法は、ICカード等を用いて利用される各種のサービス提供端末の端末交換等に利用され、軽い作業負担で簡単に端末の交換を行うときに利用される。
【符号の説明】
【0040】
11 サービス提供端末
12 ネットワーク
13 保守サーバ
13A 入力操作装置
13B 表示装置
14 オペレータ
15 保守サーバストレージ
21 エージェント
22 アプリケーション
23 端末ID
24 アプリケーション構成
31 「アプリケーションの状態」に係るファイル
32 「アプリケーション構成」に係るファイル
33 「アプリケーション」に係るファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保守サーバと少なくとも2台のサービス提供端末の各々とがネットワークを介して相互に通信可能に接続され、
前記サービス提供端末は、前記保守サーバに対して動作の指示の問合せを行うエージェントと、固有の端末IDと、必要に応じてインストールされたサービス用アプリケーションソフトとを備え、
前記保守サーバは、アプリケーションに係るファイルと、アプリケーション構成に係るファイルと、アプリケーションの状態に係るファイルとを保存するデータ保存手段を備えるように構成され、
第1の前記サービス提供端末に設定された前記サービス用アプリケーションソフトを第2の前記サービス提供端末に交換するとき、
前記第1のサービス提供端末の前記エージェントは、前記サービス用アプリケーションソフトによるアプリケーションの状態を前記保守サーバの前記データ保存手段に保存するようにアップロードし、
前記第2のサービス提供端末の前記エージェントは、前記保守サーバの前記データ保存手段から前記第1のサービス提供端末に係るアプリケーションの構成とアプリケーションをダウンロードしかつインストールし、その後に、前記保守サーバの前記データ保存手段から、アップロードされた前記第1のサービス提供端末の前記アプリケーションの状態をダウンロードし、インストールした前記アプリケーションの更新を行う、
ことを特徴とするサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法。
【請求項2】
前記保守サーバは、前記サービス提供端末の前記エージェントが行う問合せの中に含まれる前記端末IDに基づいて、端末の交換を行う前記の第1および第2のサービス提供端末を特定することを特徴とする請求項1記載のサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法。
【請求項3】
前記第2のサービス提供端末は、初期には前記サービス用アプリケーションソフトをインストールされていないことを特徴とする請求項1または2記載のサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法。
【請求項4】
前記保守サーバは、端末の交換を含む前記サービス提供に係る保守作業の要否についてオペレータから指示を受けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサービス提供端末におけるアプリケーションソフトの自動設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−128631(P2012−128631A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279108(P2010−279108)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】