説明

シクロオレフィンコポリマーおよび熱可塑性ポリウレタンの透明な熱可塑性ブレンド

同様な屈折率を有するシクロオレフィンコポリマーと熱可塑性ウレタンとのブレンドは、透明である。上記シクロオレフィンは、ノルボルネンと他のモノマーから誘導され、そのモノマーは、熱可塑性ウレタンと相溶化可能な加工範囲を有する。上記ウレタン成分は、好ましくはポリウレタン中間体を有する。熱可塑性ウレタン相溶化剤は、使用され、望ましくは炭化水素の中間体部分を有する。上記組成物は、静電制御の応用のための望ましい散逸的性質を有するよう作製され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリウレタンベースの本質的に散逸性のポリマー(TPU−IDP))と、シクロオレフィンコポリマーと、望ましくは相溶化剤との透明なブレンドに関する。より詳細には、本発明は熱可塑性ポリウレタンおよびシクロオレフィンの屈折率が同様である、透明なブレンドに関する。本発明はまた、透明でない熱可塑性ポリウレタン(TPU)およびシクロオレフィンコポリマーのブレンドならびに他の本質的に散逸性のポリマーおよびシクロオレフィンコポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本質的に散逸性のポリマー(IPD)は、1x10〜1x1012ohm−cmの固有容量抵抗率を有するポリエーテルエラストマーのクラスである。例としては、ポリエチレンオキシドベースのポリエーテルウレタン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、およびエチレンオキシドのコポリマー(エチレンオキシド/プロピレンオキシドまたはエチレンオキシド/エピクロロヒドリン)が挙げられる。IDPは、プラスチックを静電散逸性(static dissipative)にするのに十分な導電性のレベルを付与する手段として、他の熱可塑性プラスチックとのアロイで使用される(1x10〜1x1012の範囲の表面抵抗率および容量抵抗率)。例えば、特許文献1は、1種以上のベースポリマーとブレンドされ得るポリエーテルポリウレタンIDPを含むポリマー組成物に関する。課題のブレンドは、有用な静電散逸性および例外的な透明性を有し、それらを高感度の電子構成要素およびデバイスの取扱に適合させる。しかしながら上記ブレンドは一般的に透明ではない。
【0003】
特許文献2は、ポリエーテルオリゴマーの鎖長伸長反応の間に、塩(好ましくはリチウムを含む)で改変されて、IDP生成物(例えば、ポリウレタン、ポリエーテルアミドブロックコポリマーおよびポリエーテル−エステルブロックコポリマー)を形成する、低分子量ポリエーテルオリゴマーに関する。上記反応生成物ポリマーは、他のIDPと比較して低い表面抵抗率および低い容量抵抗率および低い静電減衰時間を示し、過剰量の抽出可能なアニオン(特に、塩素、硝酸、リン酸および硫酸)がない。
【0004】
特許文献3、特許文献4および特許文献5は、コア/シェルプロセスで作製された本質的に散逸性のアクリル酸ポリマーについて記載する。このクラスのIDPポリマーは、透明であるが、高い抵抗率、遅い静電減衰および揮発性不純物が多い排ガスに問題があり、それが高感度電子取扱応用に対して、より望ましくないようにさせている。
【0005】
特許文献6は、1種以上のシクロオレフィンコポリマーおよび1タイプ以上のコアシェル粒子もしくは低いガラス転移点を有するゴムからある程度構成される1種以上のコポリマー、または1タイプ以上のコアシェル粒子と低いガラス転移点を有するゴムからある程度構成されるコポリマーとの組み合わせを含む、ポリマーブレンドに関する。
【0006】
特許文献7は、熱可塑性エラストマーとポリオレフィンとの相溶化ブレンドに関する。相溶化剤は、実質的に炭化水素の中間体(例えば、ポリブタジエン、ポリオール、MDIのようなジイソシアネート、およびアミンまたは、例えばネオペンチルグリコールのようなジオール鎖長伸長剤)の反応により形成される熱可塑性ポリウレタンである。上記相溶化剤はその中に軟らかいセグメントを大量有し、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンに対して改善された性質(例えば、良好な衝撃抵抗性、良好な引張強度、良好な引裂抵抗性および良好な剥離抵抗性)を付与する。これらの組成物は透明ではない。
【特許文献1】米国特許第5,574,104号明細書
【特許文献2】米国特許第6,140,405号明細書
【特許文献3】米国特許第4,332,919号明細書
【特許文献4】米国特許第4,302,558号明細書
【特許文献5】米国特許第4,384,078号明細書
【特許文献6】米国特許第6,225,407号明細書
【特許文献7】米国特許第6,054,533号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
透明な熱可塑性ブレンドは、熱可塑性ウレタンと、ノルボルネン−エチレンのようなシクロオレフィンコポリマーとから形成される。熱可塑性ウレタンは、好ましくはポリエーテル中間体を有し、シクロオレフィンコポリマーは、熱可塑性ウレタンに匹敵する加工温度範囲を有する。ノルボルネン−エチレンコポリマーは、一般的に少なくとも約50モル%のエチレンを含有し、そして約150℃未満のTgを有する。両方の成分の屈折率は、同様であり、その結果、透明性が要求される種々の応用(例えば電子および半導体パッケージ、クリーンルーム構成要素および物品、ハードディスクドライブ構成要素およびパッケージング、光学デバイスおよび光学フィルムなど)に使用され得る透明なブレンドが、産生される。炭化水素中間体を有する熱可塑性ポリウレタンであり得る相溶化剤もまた、使用される。
【0008】
優れた物理的性質を有し、TPUの選択により電気的散逸性を有するよう作製され得るシクロオレフィンコポリマーおよび熱可塑性ポリウレタン(TPU)もまた、使用される。上記シクロオレフィンコポリマーはまた、電気的散逸性を与える他の本質的に散逸性のポリマー(非TPU)とブレンドされる。シクロオレフィンコポリマーとブレンドされる他のIDPポリマーの例としては、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、ならびにエチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのコポリマーが挙げられる。
【0009】
(詳細な説明)
本発明の熱可塑性ポリウレタンは、一般的には弱い静電散逸を有する従来のTPUまたは本質的に散逸性のポリマーである他のTPU(TPU−IDP)であり得る。
【0010】
(従来のTPU)
ブレンドポリマーとして使用される適切な代表的または従来のTPUは、ヒドロキシル基末端のポリエステル中間体、または好ましくはヒドロキシル基末端ポリエーテル;少なくとも1つのポリイソシアネート;および1以上の鎖伸長剤を反応させて作製される。上記ヒドロキシ末端ポリエステル中間体ポリマーは、一般的に数平均分子量が約300〜10,000D、好ましくは約500〜約5,000を有する鎖状ポリエステルである。分子量は末端官能基のアッセイにより決定される。上記ポリマーは、(1)1以上のグリコールと1以上のジカルボン酸または無水物とのエステル化または(2)エステル交換、即ち1以上のグリコールとジカルボン酸エステルとの反応により産生される。一般的に、1モルを超える過剰のグリコールが、末端ヒドロキシル基が優勢の線状鎖が得られるので好ましい。
【0011】
ポリエステル中間体の形成のための適切な反応は、種々のラクトン(例えば、エプシロンカプロラクタム)を使用し、ジエチレングリコールのような2官能基性開始剤により開始する開環重合を包含する。
【0012】
ポリエステル中間体のジカルボン酸は、脂肪酸、環式脂肪酸、芳香族またはそれらの組み合わせであり得る。単独でまたは混合物で使用され得る適切なジカルボン酸は、一般的に全部で4〜約15個の炭素原子を有し、そしてこのジカルボン酸としては;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸(Cycolohexanoic)などが挙げられる。上記ジカルボン酸の無水物は、例えば無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸などが使用され得る。アジピン酸が好ましい酸である。望ましいポリエステル中間体を形成するために反応させるグリコールとしては、脂肪族、芳香族またはそれらの組み合わせであり得、全部で2〜約12個の炭素原子を有し、エチレングリコール、プロピレン−1,2−グリコール、1,3−プロパンジオール、ブチレン−1,3−グリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチレン−1,3−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどが挙げられる。1,4−ブタンジオールが好ましいグリコールである。
【0013】
好ましいポリエーテルポリオール中間体は、2〜6個の炭素原子を有するアルキレンオキシド(代表的にはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドまたはそれらの混合物)を含むエーテルと反応する、全部で2〜15個の炭素原子を有するジオールまたはポリオール(例えばアルキルジオールまたはグリコール)から誘導される。例えば、ヒドロキシル基官能性ポリエーテルは、最初にプロピレングリコールとプロピレンオキシドとを反応させ、引き続いてエチレンオキシドと反応させることにより産生され得る。エチレンオキシドから得られる主要なヒドロキシル基は、2級ヒドロキシル基より反応性で、従って好ましい。有用な市販のポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコールと反応するエチレンオキシドを含むポリ(エチレングリコール)、プロピレングリコールと反応するプロピレンオキシドを含むポリ(プロピレングリコール)、プロピレングリコールと反応するプロピレンオキシドおよびエチレングリコールを含むポリ(プロピレン−エチレングリコール)、テトラヒドロフランと反応する水を含むポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)(PTMEG)、プロピレンオキシドと反応するグリセロールを含むエチレンオキシド、プロピレンオキシドと反応するトリメチルプロパンを含むトリメチルプロパン付加物、プロピレンオキシドと反応するペンタエリスリトールを含むペンタエリスリトール付加物、ならびに同様なヒドロキシル基官能基ポリエーテルが挙げられる。上記種々のポリエーテル中間体は、一般的に末端官能基のアッセイにより決定される、約200〜約10,000の、好ましくは約500〜5,000の数平均分子量を、有する。
【0014】
望ましい熱可塑性ポリウレタン(ブレンドポリマー)は、上述の中間体(例えば、ヒドロキシル末端ポリエステルまたはポリエーテルであって、さらにポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートとグリコール鎖延長剤と一緒にさらに反応される、ポリエステルまたはポリエーテル)から作られる。適切なジイソシアネートの例としては、一般的に式R(NCO)を有し、ここでnは、2、3、または4で、非常に好ましくは2である。種々のポリイソシアネートの混合物はまた、使用され得、従って整数である必要はない。Rは、合計で2個〜約30個の炭素原子(好ましくは、約6個〜約15個、または約8個〜約15個の炭素原子)を有する脂肪族、芳香族またはそれらの組み合わせである。適切なジイソシアネートの例としては、立体障害のない芳香族ジイソシアネート(例えば、4,4’−メチレンビス−(フェニルイソシアネート)(MDI);イソホロンジイソシアネート(IPDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、トルエンジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート)および立体障害のない環式脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3’ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、およびシクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート)が挙げられる。MDIは、非常に好ましい。
【0015】
適切な鎖長伸長グリコール(即ち鎖長伸長剤)の例としては、約2〜10炭素原子を有する低級脂肪族グリコールまたは短鎖グリコールであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール(非常に好ましい)、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサン−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンジ(ヒドロキシエチル)エーテルおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールが挙げられる。アミン鎖長伸長剤は、一般に良い性質を与えないので出来る限り避ける。
【0016】
上記中間体を、一般的に等重量のジイソシアネートと反応させ、引き続いて鎖長伸長するような、2段階反応が使用され得るが、1回のプロセスが好ましい。即ち、1以上の中間物、1以上のジイソシアネートおよび1以上の鎖長伸長剤を1つの反応容器に添加し、適切な触媒の存在下で、約100℃より高い温度(通常約125℃より上)まで加熱する。反応が発熱反応なので、反応温度は約200℃〜約260℃、または約200℃〜約290℃まで上がり、そこでは種々の成分が、相互に反応する。触媒は従来からのもので、スズオクトレート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテートのようなスズ触媒および他の金属カルボキシレート化合物が挙げられる。モルベースで、ポリオール中間体の1モル当たりの鎖長伸長グリコールの量は、約0.1〜約3.0、望ましくは約0.2〜約2.0、そして好ましくは約0.5〜約1.5モルである。アミン系鎖長伸長剤は望ましくないので、その量は低く、例えば約0.5モル以下、望ましくは0.2モル以下そして好ましくは0.1モル以下で、最も好ましくは0、すなわち全くなしである。モルベースで、1工程プロセスで産生される高分子量ポリウレタンポリマーは、上記鎖長伸長剤および上記中間体(例えばポリエステルまたはポリエーテル)の両方の全モル数1.0当たり、約0.96〜約1.04、好ましくは約0.98〜約1.02モルのジイソシアネートを含む。
【0017】
述べたように、好ましい中間体は、ポリエーテルであり、MDIが好ましいイソシアネートであり、そして1,4−ブタンジオールが、好ましい鎖長伸長剤である。
【0018】
上記従来の熱可塑性ポリウレタンおよび下記のTPU−IDPは、一般に透明で、約1.48〜約1.58、望ましくは約1.50〜約1.56そして好ましくは約1.52〜約1.54の屈折率を有する。
【0019】
(TPU−IDP)
多くの場合、上述のように、静電散逸剤を含む、熱可塑性ポリウレタンベースの本質的に散逸性のポリマー、TPU−IDP組成物を使用することが望ましい。上記TPU−IDP組成物は、一般的には同時に(即ち1工程重合プロセス)立体障害性のないジイソシアネートと、鎖長伸長剤と反応する2つの反応性部分を有する低分子量ポリエーテルオリゴマーを含む。
【0020】
TPU−IDP組成物のポリエーテルオリゴマーは、一般的に下記式:
【0021】
【化5】

(ここで、R、R、R、RおよびRの各々は、独立して水素原子、非置換もしくは置換アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキルまたはアルカリルであって、前述の置換され得る該置換基は、OR、SR、CN、またはハロゲンであり、ここで、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アルカリルまたはカルボキシルであり、さらにここで、反応性部分は、OH、NHまたはNHRであり、そしてnは、0、1、2、または4である)を有する1以上のコポリマー化可能な環式エーテルモノマーから誘導される。上記低分子量オリゴマーとジイソシアネートとの反応は10分あたり0.05〜110グラムの融点インデックスを有するポリマーを提供する。上記ポリマーの好ましい融点インデックスの範囲は、約1.0〜65グラム/10分である。一般に、融点インデックスは、ASTM D−1238手順Aにより190℃のバレル温度、8,700グラムのピストン負荷で、決定される。
【0022】
好ましいい実施形態では、用いられる低分子量オリゴマーは、下記式:
【0023】
【化6】

を有する環式エーテルモノマーのポリマーである。より好ましい実施形態では、用いられる低分子量オリゴマーは、環式エーテルモノマーのポリマーであって、ここでR、RおよびRは、水素原子でRは、H、CH、またはCHXであり、Xはハロゲン、ORまたはCOORであり、そしてRは、本明細書で上に規定されている。
【0024】
最も好ましい環式エーテルはエチレンオキシドである。
【0025】
別の実施形態では、低分子量ポリエーテルオリゴマーは、エチレンオキシドで末端キャップされた構造であり、それにより2つの主要な部分を有するオリゴマーを提供する。
【0026】
上記環式エーテル構造式のアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有し得、直鎖または分枝鎖であり得、非置換または置換で有り得る。上記アルケニル基は、1〜6個の炭素原子を有し得、直鎖または分子鎖であり得、1または2個の二重結合を有し得、そして非置換または置換であり得る。
【0027】
上記シクロアルキル基およびシクロアルケニル基は、3〜8個の環炭素原子および1〜3個の環を有し得る。上記シクロアルキル基は、1または2個の二重結合を有し得る。
【0028】
上記アリール基は、6〜10個の環炭素原子および1つまたは2つの環を有し得る。
【0029】
有用なポリエーテルオリゴマーは、一般式:
【0030】
【化7】

(ここで、X+1は、繰返しエーテル単位の数であり、各Mは、反応性部分であり、nは、0、1、2、または4であり、R、R、R、RおよびRは、本明細書に、上で規定されている通りである)を有する直鎖状ポリマーである。最もよくあるMは、OH基である。課題発明に関して、X+1は、少なくとも4であり、4と約250との間である。分子量ベースで、ポリエーテルオリゴマーの有用な範囲は、数平均分子量約200〜約10,000であり、好ましくは約500〜約5,000である。非常に好ましいオリゴマーはポリエチレングリコールである。本発明に有用な市販のポリエチレングリコールとしては、代表的にはポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール1,450、ポリエチレングリコール4,000が企図されている。
【0031】
上記ポリエチレンオリゴマーは、ホモポリマーであり得、また2種以上のコポリマー化可能なモノマーのコポリマーであり得る。コモノマーのいくつかの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、アリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、テトラヒドロフランまたはスチレンオキシドである。
【0032】
本発明に従って、低分子量ポリエーテルオリゴマー中間体および立体障害のないジイソシアネートは、1工程プロセスにおいて、約100℃より上の、通常は120℃の温度で、同時にともに反応し、そうするとすぐにこの反応は発熱するので上記反応温度は約200℃〜約285℃に上昇する。
【0033】
グリコール鎖長伸長剤は、任意のジオール(すなわち、グリコール)またはジオールの組合せであり得、該ジオールは2〜10個の炭素原子を有し、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、または2つの反応性ヒドロキシル基を含む任意の脂肪族分子または芳香族分子で有り得る。好ましい鎖長伸長剤は1,4−ブタンジオールである。
【0034】
上述のヒドロキシル基末端ポリオールは、グリコール鎖長伸長剤とブレンドされ得、その後、そのブレンドをポリイソシアネートまたはポリオールと反応させ、そしてその鎖長伸長剤は、反応ゾーンに同時に持ってこられ得る。あまり望ましくないこととしては、上記ポリオールが、上記ジイソシアネートと反応し得、次いで上記プレポリマーが、鎖長伸長剤と反応することである。抗酸化剤のような安定剤は、上記反応の前または反応中に添加され得る。
【0035】
グリコール鎖長伸長剤の量は、一般的には低分子量ポリエーテルオリゴマー1モル当たり約0または約0.1〜約35モル、そして望ましくは約0または約0.1〜約20モルである。一般的に低分子量ポリエーテルオリゴマーのモル数と鎖長伸長剤のモル数とを加えた全モル数当たりのジイソシアネートのモル数は、約0.95〜約1.06で、望ましくは約0.97〜約1.03である。
【0036】
別の手順では、2種以上のポリエーテルオリゴマーをジイソシアネートと反応させ、オリゴマーのダイマーまたはトリマーを供し得る。これらのダイマーまたはトリマーは、その後高分子量ポリマーを形成する時と同様な条件化で鎖長伸長され得る。この手順は、種々のポリイソシアネート基を有する高分子量の鎖長伸長されたポリマーを産生するときに使用され得る。
【0037】
従来のジイソシアネートまたはポリイソシアネート型成分は、上記ポリエーテルの反応性部分と反応する2つの官能基(反応性部位)を有する分子である。
【0038】
上記反応性部分は、代表的には慣用的な合成の結果として、ポリエーテルオリゴマーの末端に発生するが、しかしながら上記反応性部分は、末端以外の位置にも、位置し得る。本発明のための最も有用な反応性部分は、OH、NHおよびNHRである。好ましい形態では、上記反応性部分は、OH、NHまたはNHRであり、1級炭素原子上にある。最も好ましい反応性部分は、OHである。
【0039】
任意の従来のジイソシアネートが、脂肪族であれ、芳香族であれ使用され得る。上記ジイソシアネートは、一般的に構造式R(NCO)を有し、ここでnは、2、3または4であり、あるいはnが必ずしも整数である必要はなく好ましくは約2であるポリイソシアネートの混合物である。Rは、脂肪族、芳香族またはそれらの組合せであり、これらは全部で2〜約30個の炭素原子を有するが、6または約8〜約15個の炭素原子を有するRが好ましい。好ましい実施形態では、ジイソシアネートが使用される。適切なジイソシアネートとしては、例えば1,4−ジシソシアナトベンゼン(PPDI)、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)、4,4’−メチレンビス(3−メトキシフェニルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、1,10−ジイソシアナトナフチレン、および4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)が挙げられる。最も好ましいジイソシアネートはMDIである。
【0040】
好ましいTPU−IDP組成物は、従ってポリエチレンオキシドグリコールであるポリエーテル中間体、好ましくはMDIであるジイソシアネート、および好ましくはブタンジオールである鎖長伸長剤を含む。好ましいTPU−IDP組成物はまた、米国特許第5,574,104号、に示され、それは本明細書に参考として援用される。
【0041】
上記TPU−IDP組成物は、静電散逸剤のような少量の塩を含み得、そしてそのような組成物は、一般的に好ましい。上記塩は、一般的には、存在する任意のTPU−IDP組成物に添加され得、その塩は、例えば、参考として完全に本明細書に援用され、上に示される塩である。
【0042】
従って、金属イオンと非金属イオンまたは非金属分子との連合で形成される有効量の塩、塩複合体または塩化合物を使用することは、本発明の重要な局面である。これらの塩は、好ましくは1工程重合プロセスの間に添加される。上記TPU−IDP反応生成物への塩の連結および/または誘引の正確な機序は、完全には理解されていないが、上記塩は、受容不能な高レベルの抽出可能なアニオンの存在なしで、得られるポリマーの表面抵抗性および容量抵抗性を、予想外に改善する。さらに静電減衰時間は、受容可能な範囲に留まる。本課題発明に有用な塩の例としては、以下に挙げられるが、これらに限定されない:LiClO、LiN(CFSO、LiPF、LiAsF、LiI、LiBr、LiSCN、LiSOCF、LiNO、LiC(SOCF、LiSおよびLiMR、ここで、Mは、AlまたはBであり、Rは、ハロゲン、アルキルまたはアリール基である。好ましい塩としては、LiN(CFSOであり、これは通常リチウムトリフロロメタンスルホンイミドという。1工程重合に添加される選択された塩は、TPU−IDP組成物100重量部を基礎にして少なくとも約0.10重量部〜約10重量部、望ましくは少なくとも約0.25重量部〜約7重量部、好ましくは少なくとも約0.75重量部〜約5重量部である。
【0043】
本発明の別の重要な特性に従って、用いられる塩の量は、その塩が有効量の共溶媒と一緒に添加される場合、予想外に少なくなり得、低い表面抵抗性および容量抵抗性が得られることが見出されている。即ちポリエーテルポリオール中間体は、溶媒と考えられる。本目的に適切な共溶媒の例としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ガンマブチロラクトンおよびN−メチル−2−ピロリドンが挙げられるが、これらに限定されない。炭酸エチレンが好ましい。1種の共溶媒の添加は、任意であるが、いくつかの応用において、より低い量の塩が望ましい。TPU−IDPの望ましい性質を維持しながら、より低い塩の使用の望ましい結果を達成するために必要な共溶媒の有効量は、TPU−IDP100部を基礎にして少なくとも約0.1重量部〜約20重量部、好ましくは少なくとも約0.50重量部〜約15重量部そして最も好ましくは、少なくとも約1.0重量部〜約7重量部である。
【0044】
上記TPU−IDP組成物はまた、その中にアニオンのような少量の不純物を有する。例えば、塩素アニオン、硝酸アニオン、リン酸アニオンおよび硫酸アニオンのうちの抽出可能なアニオンの全量は、一般的に、抽出可能な溶液全重量10億部当たり、約8,000重量部未満、望ましくは約7,000重量部未満、そして好ましくは約6,000重量部未満である;一般的に、抽出可能な塩素イオン全重量10億部当たり、約1,000重量部未満、望ましくは約700重量部未満、そして好ましくは約350重量部未満である;一般的に、抽出可能な硝酸イオン全重量10億部当たり、約100重量部未満、望ましくは約90重量部未満、そして好ましくは約75重量部未満である;一般的に、抽出可能なリン酸イオン全重量10億部当たり、約6,000重量部未満、望ましくは約5,500重量部未満、そして好ましくは約5,000重量部未満である;一般的に、前抽出可能な硫酸イオン全重量10億部当たり、約1,000重量部未満、望ましくは約750重量部未満、そして好ましくは約500重量部未満である。抽出可能なイオンなどは、8X2cmのサンプルを10mlの水の中に80℃で60分間入れる事により決定される。そのイオン含量は、イオンクロマトグラフィーにより分析された。従って、上記の結果は、全抽出水10億重量部当たりの重量部で報告される。
【0045】
リチウム塩の単独または溶媒と共同の使用は、本明細書により参考として援用される米国特許第6,140,450号に詳細が記載されている。
【0046】
好ましくは熱可塑性ウレタンである本発明の静電散逸性組成物は、ASTM D257により測定された良好な表面抵抗性および容量抵抗性を有する。例えば、上記TPU−IDP組成物は、リチウム塩を含もうが含むまいが、一般的に、約1X10〜約1X1012オーム/平方、望ましくは約1X10〜約1X1011オーム/平方そして好ましくは約1X10〜約1X1010オーム/平方の表面抵抗性、ならびに約1X10〜約1X1012オームcm、望ましくは約1X10〜約1X1011オームcm、そして好ましくは、約1X10〜約5X1010オームcmの容量抵抗性を有する。
【0047】
TPU−IDP以外のIDPは、上述のように、本発明のブレンドに使用され得る。ポリエーテルアミド(AtofinaからPebax(登録商標)として市販されている)、ポリエーテルエステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーおよびエチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのコポリマーのようなIDPポリマーが、使用され得る。特に透明なブレンドが望ましい場合に最も好ましいIDPは、上述のTPU−IDPである。
【0048】
(COC)
本発明のシクロオレフィンコポリマーは、モノマーの全量を基礎にして、0.1重量%〜99.9重量%の、下記構造式Iおよび/またはIIの少なくとも1種の多環オレフィン
【0049】
【化8】

【0050】
【化9】

(ここで、R、R、R、R、RおよびRの各々は、同じであるかまたは異なり、水素原子または炭化水素ラジカルであって、異なる構造式中の同じラジカルは、異なる意味を有し得る);ならびにモノマーの全量を基礎にして0.1重量%〜99重量%の下記構造式IIIの少なくとも1種の鎖状1−オレフィン
【0051】
【化10】

(ここで、ここでR、R、RおよびR10の各々は、同じであるかまたは異なり、水素原子、または炭化水素ラジカル、好ましくはC−C10アリールラジカルまたはC−Cアルキルラジカルであり、エチレンもしくはプロピレンが好ましい)を重合することによって調製される。
【0052】
、R、R、R、RおよびRの各々が同一かもしくは異なり、そして水素原子かもしくは炭化水素ラジカル、特に(C−C10)アリールラジカルまたは(C−C)アルキルラジカルであり、異なる構造式中の同じラジカルは異なる意味を有し得る、式Iまたは式IIのシクロオレフィンが好ましい。
【0053】
特に好ましい多環オレフィンは、ノルボルネンおよびテトラシクロドデセンであり、それらは必要に応じてC〜Cアルキル置換を有し得る。それらは、好ましくはエチレンとコポリマー化される。
【0054】
1種以上の鎖状オレフィンモノマーの量は、一般的には構造式Iおよび/またはIIの上記1種以上の鎖状1−オレフィンモノマーおよび上記1種以上の多環オレフィンモノマーの全モル数を基礎にして、約0.1モル%〜約99モル%、望ましくは、約45モル%〜約85モル%、より望ましくは約55モル%〜約80モル%、好ましくは約60モル%〜約70モル%である。
【0055】
新規なポリマーブレンドは、存在する上記シクロオレフィンコポリマーが以下に記載されるプロセスにより調製されることを特徴とする。新規なポリマーブレンドに存在するシクロオレフィンコポリマーを調製するプロセスは、DEA−196 52 340に詳細に記載されるが、これは参考として本明細書に明白に援用される。
【0056】
シクロオレフィンコポリマーを調製するための本発明に従ったプロセスは、触媒系の存在下で少なくとも1種の多環オレフィンモノマーと少なくとも1種の鎖状1−オレフィンとの重合を包含する。上記新規なポリマーブレンドに存在するシクロオレフィンコポリマーを調製するために使用される触媒系は、少なくとも1種の遷移金属化合物を含む。遷移金属化合物として、1種以上のメタロセンの使用が好ましい。
【0057】
上記重合は、液体シクロオレフィン自体の中か、またはシクロオレフィン溶液の中で、実施される。その圧力は通常1バールより上である。
【0058】
新規なポリマーブレンドに存在するシクロオレフィンコポリマーを調製するのに使用される触媒系はさらに、1種以上の共触媒を含む。
【0059】
新規なポリマーブレンドに存在するシクロオレフィンコポリマーを調製するために使用される触媒系は、オレフィン重合のための非常に活性が高い触媒である。メタロセンと共触媒とを使用することが好ましい。特に、反応体ブレンド、または広いもしくは多様式モル質量分布を有するポリオレフィンを調製するために2種以上のメタロセンの混合物を使用することもまた、可能である。
【0060】
新規なポリマーブレンドに存在するシクロオレフィンコポリマーを調製するプロセス、およびこのプロセスに使用される触媒系はまた、DE−A−1 96 52 340に詳細に記載されるが、これは参考として本明細書に明白に援用される。
【0061】
新規なポリマーブレンドに存在するシクロオレフィンコポリマーを調製するために使用される触媒系に存在する共触媒は、好ましくはアルミノキサンを含む。
【0062】
本発明に従って使用されるメタロセンの例は:
イソプロピレン(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1−インデニル)(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(1−インデニル)(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1−インデニル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(1−インデニル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニレンメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−トリメチリシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−トリメチリシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−トリメチリシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0063】
本発明によるプロセスの別の可能な実施形態は、構造式RNH4〜XBR’または構造式RPHBR’の塩型化合物を、アルミノキサンの代わりのまたはそれに加えて共触媒として使用する。
【0064】
ここで、x=1、2または3であり、R=アルキルまたはアリールであり、同一であろうが異なろうがよく、そしてR’=アリールであり、それはまた、フッ素化されるか、または部分的にフッ素化される。この場合、上記触媒は、メタロセンと(EP−A−0277004)で言及される1種の化合物との反応生成物から構成される。
【0065】
反応混合物に添加される任意の溶媒は、通常の不活性溶媒である(例えば、脂肪族もしくは環式脂肪族炭化水素、ガソリン溜分もしくは水素添加ディーゼル油溜分またはトルエン)。
【0066】
上記メタロセンは、好ましくはラセミ体の形態で使用される。上記メタロセンは、好ましくは、遷移金属を基礎にして、反応器容量1dm当たりの遷移金属10−1〜10−8モル、好ましくは10−2〜10−7モル、特に好ましくは10−3〜10−7モルの濃度で使用される。アルミノキサンはアルミニウム含量を基礎にして、反応器容量1dm当たり10−4〜10−1モル、好ましくは10−4〜2.10−2モルの濃度で使用される。しかしながら、原則的に、より高い濃度もまた、可能である。
【0067】
上記シクロオレフィンコポリマーが250℃までのガラス転移温度を有し得るが、好ましくは、それらは、TPUポリマーまたはTPU−IDPポリマーと適合する加工温度範囲を有する。TPUポリマーまたはTPU−IDPポリマーとブレンドするための適切なシクロオレフィンコポリマーは、一般的に約−25℃〜約150℃、望ましくは約50℃〜約125℃、そして好ましくは約60℃〜約115℃のTgを有する。
【0068】
本発明の目的のために適切なCOCは、25〜200ml/g、好ましくは40〜120ml/g、特に好ましくは40〜100ml/gの粘数(viscosity number)(135℃、デカリン中で決定される)を有する。
【0069】
上記シクロオレフィンコポリマーは、J.Ruchatz、Dusseldorf 1997による論文に詳細に記載されている、特定の構造である。
【0070】
従って、新規なポリマーブレンドに存在するシクロオレフィンコポリマーは、次々と取り込まれた2つのノルボルネン単位の配列を有し得る。2つのノルボルネン単位はまた、新規なポリマーブレンドに存在するシクロオレフィンコポリマーの最大可能な配列長に対応する。
【0071】
シクロオレフィンコポリマーの量は、一般的に、1種以上のシクロオレフィンコポリマーと1種以上のTPU、TPU−IDPおよび/または他のIDPポリマーとの全重量を基礎として約45重量%〜約90重量%、望ましくは約60重量%〜85重量%、好ましくは約70重量%〜約80重量%である。
【0072】
上述のように、シクロオレフィンポリマーおよび透明な熱可塑性ウレタンの透明なブレンドを産生することは、本発明の重要な局面である。従って、一般的に屈折率が、約1.48〜約1.58、望ましくは約1.50〜約1.56、そして好ましくは、約1.52〜約1.54のシクロオレフィンコポリマーが使用される。TPUおよび/またはTPU−IDPは同様である屈折率を有するのでブレンドは透明である。一般的にこれらの2つの化合物の屈折率が同様であり、従って、それらの間の差は、約0.05未満、望ましくは約0.03未満、好ましくは約0.01未満である。上述のごとくまた、TPU化合物またはTPU−IDP化合物は、一般的に、約1.48〜約1.58、望ましくは約1.50〜約1.56、そして好ましくは、約1.52〜約1.54の屈折率を有する。ASTM D−1003―61に従って測定される125milプラークに関する、透明ブレンドの光透過率は、望ましくは50%より高く、そして好ましくは75%より高い。
【0073】
適切なシクロオレフィンコポリマー(COC)は、Ticona GmbHからTopas(登録商標)の名前で市販されている。COCの特定のグレードの適当な選択は、上記COCとブレンドされるIDPポリマーに依存する。透明なブレンドを得るためには、COCの屈折率が使用されるIDPポリマーと同様である必要がある。また溶融加工温度は、上記ポリマーの適当な良好なブレンドを達成するのに十分、近接している必要がある。上記COCの適当な選択は、無理な実験なしで、ポリマーをコンパウンド化する分野の当業者により決定される。さらにCOC相の性質、従って本発明の性質は、異なる熱特性およびレオロジー的性質を有するCOC樹脂を組み合わせることにより、必要に応じて適合させられ得る。上記COC樹脂は混合可能であるので、ガラス転移温度および粘度は、それらの割合を調整することにより変化させ得る。
【0074】
(相溶化剤)
本発明のブレンドは、上記熱可塑性ポリウレタン(TPU)(例えば、本質的に散逸性の熱可塑性ポリマー(TPU−IDP)組成物またはポリマー)および上記シクロオレフィンコポリマー(COC)(例えば、ノルボルネンとオレフィンとのコポリマー)を含む。上記2つの成分が、同様な加工温度を有し、従って加工可能であり、そしてまた、同様な屈折率を有し従って透明であるが、それらは一般的に不適合であり、従って相溶化剤が、ブレンドを安定化し、かつ透明度を無くしたり、著しく減少させないで性質を改善するために使用される。
【0075】
COCおよびTPUを透明なブレンドにする好ましい相溶化剤は、実質的に炭化水素の中間体、ジイソシアネートおよび鎖長伸長剤の反応から誘導される熱可塑性ポリウレタンである。炭化水素中間体は、低分子量化合物、またはヒドロキシル基(好ましくは)、アミン、またはカルボン酸末端基を有するポリマーである。実質的に炭化水素の中間体は、単に炭化水素であるだけではないが(例えばポリエステル)、その非炭素原子(例えば酸素)の間に連続するポリマー骨格炭素原子の数は、大きく、即ち少なくとも20個の炭素原子、望ましくは少なくとも30個の炭素原子、そして好ましくは少なくとも45個〜約60個の炭素原子、または約75個、または100個の炭素原子である。そのような実質的に炭化水素の中間体の例としては、即ち長鎖ポリエステルポリオールUnichemaからのPriplast(登録商標)3197が挙げられる。Priplast(登録商標)3197は、少なくとも36個の炭素原子を含有するダイマージオールPripol(登録商標)2033および約44個の炭素原子を含有するダイマー酸から調製されるダイマージオールジメレートである。適切な低分子量炭化水素中間体は、36個の炭素原子のダイマージオールである、UnichemaからのPripol(登録商標)2033である。しかしながら上記中間体は、好ましくは、全部で4〜8個の炭素原子を有する1種以上のジエン(例えば、ブタジエン、イソプレンなどで、ブタジエンが好ましい)から誘導される単独の炭化水素中間体である。上記炭化水素中間体の数平均分子量は、一般的に約300または約500〜約10,000、望ましくは約1,000〜約7,500そして好ましくは約2,000〜約5,000である。上記炭化水素中間体は不飽和であり得るが、好ましくは実質的に水素化されるので、上記中間体中の、少なくとも約80%、望ましくは少なくとも約90%または約95%、好ましくは約98%、または約99%そして100%さえの、炭素−炭素二重結合が飽和である。水素化は米国特許第5,393,843号または同第5,405,911号(本明細書に全部、参考として援用される)に示されるような従来の手順および様式で実施され得る。ブタジエンが使用される場合、得られるポリマーの微小構造はほぼ、各々一般的に好ましい同様な量(例えば、35〜65%)を有する1,2−構造または1,4構造(例えば、15〜85%)であり得る。ブタジエンから誘導される炭化水素ポリオールの例として以下が挙げられる。
【0076】
【化11】

Kraton(登録商標)L2203は、本発明において好ましい。
【0077】
実質的に炭化水素の中間体と関連する用語「ポリオール」は、上記炭化水素が好ましくは2つのヒドロキシ官能末端基を有するが、同じものが一般的には1分子当たり約1.8〜約2.2末端基の範囲であり得ることを意味するものと理解されるべきである。
【0078】
本発明で用いられるイソシアネートは、好ましくはジイソシアネートであり、脂肪族、環式脂肪族、芳香族、アルキル置換芳香族ジイソシアネートなどおよびそれらの混合物が挙げられる。そのようなジイソシアネートは、一般的に構造式R(NCO)を有し、ここでRは、脂肪族、芳香族またはそれらの組合せで有り得、それは合計で2〜約30個の炭素原子を有するが約6または約8〜約15個の炭素原子が好ましく、そしてnは、2〜約4であり、2が非常に好ましい。代表的な例としては、エチレンジイソシアネート;トルエンジイソシアネート;メチレンビス−(4−フェニルイソシアネート)、即ちMDI;イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート;シクロヘキシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート、メタテトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXD1)、パラテトラメチルキシレンジイソシアネート(p−TMXD1)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびそれらの組合せなどが挙げられ、MDIが好ましい。種々のジイソシアネートのアイソマーもまた使用し得ることは理解されるべきである。
【0079】
鎖長伸長剤は、合計で2〜約15個の炭素原子を含む、ジアミン、アルカノールアミン、または好ましくはジオールのいずれかであり得る。鎖長伸長剤の例としては、エタノールアミン、エチレンジアミン、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオールもしくは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシル)エーテル、1,4−シクロヘキサン−ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノールなどが挙げられるが、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(BEPD)が好ましく、そしてネオペンチルグリコールが非常に好ましい。
【0080】
鎖長伸長剤の量は、ゼロ(即ちなし)であり得るが、鎖長伸長剤と熱可塑性ポリウレタン相溶化剤の形成に使用される実質的に炭化水素の中間体との全重量を基礎にして、望ましくは約3〜約30重量%、好ましくは約6〜約25重量%である。用いられる鎖長伸長剤および中間体の量は、それらがヒドロキシル基、アミン基などを含むか否かに関らず、一般的に用いられるジイソシアネートの量に対して1当量より過剰である。即ち、ジイソシアネート対炭化水素中間体と鎖長伸長剤とのモル比は、一般的に約0.8〜約1.05で望ましくは約0.9〜約1.01である。
【0081】
熱可塑性ポリウレタン相溶化剤をランダム重合か、プレポリマー法のいずれかで作ることは本発明の望ましい局面である。上記ランダム重合は、実質的に炭化水素中間体、ジイソシアネートおよび鎖長伸長剤が全て一緒に一度に加えられて重合する。上記プレポリマー法は好ましく、ここでは鎖長伸長剤が一般的な場合中間体に不溶である。従って、プレポリマー法が、一般的には好ましく、ここではイソシアネート成分が最初に部分的に、または完全に炭化水素中間体もしくはポリオールと反応しイソシアネート末端プレポリマーを形成する。同じことが溶融重合(melt−polymerization)で達成され得る。部分的にまたは完全に形成されたプレポリマーは、その後引き続き鎖長伸長剤と反応する。
【0082】
本発明の熱可塑性相溶化剤を形成する上記反応体の重合は、一般的には溶融重合により、実質的に溶媒なしで、そして好ましくは完全に溶媒なしの環境で実施され得る。炭化水素中間体は約80℃〜約160℃の温度まで加熱される。MDIのようなジイソシアネートが添加され、そしてプレポリマー形成が始まる。短時間後に、例えば2分、または数分後に、それまでに部分的または全部のプレポリマーが形成され、鎖長伸長剤が添加され、そして反応は完全に実行される。本方法は、ネオペンチルグリコールは実質的に炭化水素の中間体には溶解しないので、ネオペンチルグリコールのような不溶性の鎖長伸長剤のジイソシアネートとの反応を容易にする。
【0083】
相溶化剤の形成は、一般的には有機スズ触媒(例えば、スズオクトエート、好ましい触媒;スズオレエート;ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレートなど)のような少量の触媒の存在下に実施される。他の有機触媒としては、アセチルアセトナト鉄、アセチルアセトナトマグネシウムなどが挙げられる。3級有機アミン触媒(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミンなど)もまた、使用され得る。触媒の量は、一般的に非常に少なく、反応体の全重量を基礎にして、100万部あたり重量で約25〜約1,000重量部、望ましくは約40〜約500PPMである。
【0084】
種々の添加剤および充填剤(顔料、潤滑剤、安定剤、抗酸化剤、抗静電剤、難燃剤など)が当該分野および文献に公知であるように使用され得るが、同じものは一般的には相溶化剤の調製には使用されない。
【0085】
本発明の熱可塑性ポリウレタン相溶化剤は、柔軟なセグメントと硬いセグメントを有する。柔軟なセグメントは、一般的に中間体の炭化水素部分だけとして規定される。硬いセグメントは他の全てとして規定され、例えば、上記中間体末端基と上記ジイソシアネートとの反応および上記鎖長伸長剤と上記ジイソシアネートとの反応である。本発明の好ましい相溶化剤は、望ましくは柔軟なセグメントの多い量、例えば、他の添加剤、充填剤などを除外して、熱可塑性ポリウレタン相溶化剤の全重量を基礎にして、少なくとも約25重量%または約35重量%、望ましくは約45重量%〜約90重量%、好ましくは約60重量%〜約80重量%を有する。
【0086】
上記熱可塑性ポリウレタン相溶化剤は、ランダム溶融重合法またはプレポリマー法のいずれかで調製した。ランダム溶融重合法において上記ポリオールおよび鎖長伸長剤は、約100℃〜約150℃または約250℃で一緒にブレンドした。ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を、別個に約100℃〜約150℃、または約250℃に加熱し、その後上記ブレンドと混合する。反応体を激しく3、4分混合した。ポリマー溶融物を、冷却されたTeflonコートした鍋に放出し、70℃で1週間硬化させ、その後顆粒化した。プレポリマー法において、上記ポリオールを、約100℃〜約150℃、または約250℃に加熱し、上記ポリオールと混合し、1、2分間反応させた。上記鎖長伸長剤を添加しそしてその反応をさらに1.5〜3分継続した。上記ポリマー溶融物を上記のように処理した。そのメルトインデックスを、ASTM D−1238で得た。
【0087】
本発明の本質的に炭化水素の中間体熱可塑性ウレタン相溶化剤はまた、2000年4月25日に登録された米国特許第6,054,533号に詳細に記載されており、これは本明細書により参考として全部援用される。
【0088】
透明なブレンドを達成するCOCとのブレンドにおいてTPUおよび/またはTPU−IDPを使用する場合、他の相溶化剤もまた、使用され得るが、それらは、より低い透明度および光透過率の結果になるので一般的には好ましくない。そのようなより望ましくない相溶化剤としては、文献および当該分野で公知であって、Shell ChemicalからKRATON(登録商標)として市販されているスチレン−ブタジエン−スチレンのブロックコポリマーが挙げられる。種々の無水マレイン酸グラフトポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン−g−無水マレイン酸およびポリエチレン−g−無水マレイン酸)の他の相溶化剤がある。相溶化剤の適当な選択は、ブレンドに望まれている透明性に依存する。上述のより望ましくない相溶化剤は、透明度が望まれていない場合、TPUまたはTPU−IDPとブレンドされるCOCと一緒に使用され得る。上述のより望ましくない相溶化剤はまた、非TPUベースのIDPとブレンドされるCOCと一緒に使用され得る。
【0089】
本発明の1種以上の相溶化剤の量は、一般的に少なく、1種以上の熱可塑性ウレタンTPUおよび/またはTPU−IDP、および/または他のIDPポリマーおよび1種以上のシクロオレフィンコポリマー、COCの100重量部当たりの重量は、例えば約0.1〜約12重量部、望ましくは約0.25〜約8重量部、そして好ましくは約0.5〜約2重量部もしくは3重量部である。
【0090】
(光透過性の良い透明なブレンド)
上述の如く、上記COCは、TPU、TPU−IDPまたは他のIDPポリマーおよび相溶化剤とブレンドされ得る。上記ブレンドの透明度はブレンド中の他のポリマーの性質と合致するCOCの適当な選択に依存する。最も好ましいブレンドは、TPUおよび/またはTPUおよび/またはTPU−IDPとブレンドされるCOCであり、透明ブレンドは下記に記載される。本発明の光透過性の良い透明なブレンドまたはアロイは、3つの成分、即ちTPUおよび/またはTPU−IDP、COCおよび相溶化剤を、例えば、Banbury(登録商標)のような任意の適切なブレンダーにおいて、または2軸スクリュー押し出し機で、約150℃〜約250℃の温度で、望ましくは約190℃〜220℃の温度で、溶融コンパウンディングにより作製される。
【0091】
光学的性質は、光透過率および曇り度が挙げられ、ASTM D−1003により測定される。一般的に、少なくとも約65%または約70%、望ましくは少なくとも約75%または約80%、好ましくは少なくとも約82%の光透過率を有する熱可塑性組成物が使用される。適切な曇り度は一般的には約32%以下、望ましくは約27%または約22%以下であり、好ましくは約8または約5%以下である。より良好な光学的性質は、TPUがTPU−IDPでない場合に得られる。TPU−IDPを使用する場合、逆により良好な静電散逸性が、得られる。
【0092】
安定剤は、使用され得るが、望ましくは、抗酸化剤,UV阻害因子、潤滑剤、難燃剤などの添加剤は、それらが光透過率および透明度を減少させるので、使用されない。そのような添加剤が使用される場合、それらは、一般的に、TPUおよび/またはTPU−IDPおよびCOC成分の100重量部を基礎として、約10%未満、望ましくは約5%未満、そして好ましくは約3%未満で、さらに好ましくは、無しで使用される。
【0093】
相溶化剤の使用は、上記COC相とTPU相とが正の混合自由エネルギーを有し、従って混合不能であるので、一般的に必要とされる。本発明の相溶化形態は、非相溶化コントロールと比較していくつかの利点を有する。界面張力を減少させ、界面付着力を増加させることにより、上記相溶化剤はブレンドの望ましい形態、従って性質を安定化させるのに役立つ。共連続形態は、目的がTPU−IDPの使用により電気的性質を達成することである場合、好ましい。増加した界面付着力は、その2つの層の間のエネルギー移動を改善する。これは、上記ブレンドが、例えば射出成形のような2次プロセスの間に見られる剪断力を受ける場合、剥離または全層分離を抑制するのに役立つ。それはまた、衝撃的性質および破壊エネルギーを増加させる結果になる。
【0094】
本発明の光透過性の良好な透明なブレンドは、静電散逸的性質、高い曲げ弾性率および高い曲げ強さ、良好な透明度、低い抽出可能なイオンなどを含むいくつかの利点を有する。上記ブレンドの注目すべき改良点は、下記のデータから明白なように低いオフガス的性質を有し、ごく少量の気体しか放出されない。例えば、一般的に約10μg未満のオフガス/グラム・サンプル、望ましくは約5μg未満のオフガス/グラムサンプル、または約3μg未満のオフガス/グラムサンプル、好ましくは1μg未満のオフガス/グラムサンプルである。そのような気体はトルエン、スチレン、メチルメタクリレートなどである。
【0095】
アウトガスは、20ccバイエルビンに500mgのサンプルを入れて、Tekmar(登録商標)7000頭隙分析器中で、85℃で60分間加熱することにより決定される。次いで、頭隙のアリコートを自動的に除去し、水素炎イオン化検出器を備えたHewlett Packard(登録商標)5890 Series II GCに注入した。デカンの応答因子を測定し、3つの有機化合物の全量および頭隙の中の全量を決定するために使用した。各化合物の同定は、保持時間単独によった。オフガス量は、μg未満のオフガス/グラムサンプルで報告される。
【0096】
性質の上記組み合わせにより、電子包装材料および半導体包装材料、クリーンルーム構成要素、および物品、ハードディスクドライブ構成要素、ハードディスクドライブ包装、光学的デバイス、光学的デバイス、光学的フィルムまたは光学的コーティングなどに適切な有用なポリマーブレンドが得られる。上記ブレンド組成物はまた、射出成形、押出し成形、熱成形などを含むプロセスに使用され得る。
【0097】
本発明は、以下の実施例を参考としてより良く理解され、その実施例は、発明を限定するものではなく説明に役立つものである。
【実施例】
【0098】
表1および表2(実施例A〜P)に示される成分を、以下の一般的な条件でWerner Pfleiderer(登録商標)モデルZSK30 2軸スクリュー押出し機でブレンドした:
速度:25〜35lbs/時間
Rpm:175
温度(℃):
帯域1:165
帯域2:175
帯域3:185
帯域4:190
帯域5:190
帯域6:185
ダイ:170
Amps:40。
【0099】
物理的試験、電子的試験、および透明性試験に使用される標本を、射出成形した。
【0100】
可視光線透過率%を、Perkin Elmer Model Lambda(登録商標)9分光光度計で試験した。0.125インチ厚さのサンプルを400〜860nmの範囲で、240nm/分の速度でスキャンした。光源は、タングステン−ハロゲンランプであった。スリットの巾は2nmで、参照サンプルは空気であった。透過率%は、700nmで報告される。
【0101】
光透過率および曇り度を含む光学的性質を、ASTM D−1003に従って決定する。
【0102】
透明な組成物を、実施例A〜Jに示される以下の処方に従って作製した。そこに列挙された表は重量による。さらなる実施例が表2に示される。
【0103】
【表1−1】

【0104】
【表1−2】

表2のデータは、2つの市販の公知のIDPアロイ(実施例KおよびL)を示す。実施例M、NおよびOは、シクロオレフィンコポリマーおよびTPU相溶化剤とブレンドした異なるレベルのTPU−IDPを示す。実施例Pは、TPU相溶化剤なしのCOC/TPU−IDPブレンドである。成形結果は、TPU相溶化剤が、成形のような高い剪断加工の間の剥離を抑制するのに必要であることを示す。剥離は、ポリマーブレンドにおける適合性の欠如の暗示である。例えば、多くの場合、押出しのような低い剪断加工は、剥離を示さない傾向にある。
【0105】
【表2−1】

【0106】
【表2−2】

下記の表3のデータは、2つの他の市販の透明な実質的に散逸性のポリマーと比較して、本発明の組成物の低いオフガスを示すために提供された。本発明の低いオフガス特性は、電子構成要素の損傷を避けるために電子応用には重要である。下記の表は、本発明の実施例B、および2つの別の透明な静電散逸性ポリマーのオフガス結果を示す。実施例Bの組成は表1に示される。実施例K(比較)は、アクリル酸ベースのポリマーとポリエーテルアミドベースのIDPとのブレンドである。それは、Cyro IndustriesからClearStat(登録商標)C−37という商品名で市販されている。実施例L(比較)は、コア/シェルプロセスにより作製された、本質的に散逸性のアクリル酸ポリマーである。それはKurehaから商品名Bayon(登録商標)で市販されている。実施例Bは、各々同定された種類のより低い全オフガスおよびより低いアウトガスを示す。実施例KおよびLの処方は表2に示される。
【0107】
【表3】

Topasは、Ticona GmbHにより作製されたエチレンとノルボルネンとのコポリマーである。Noveon Inc.により作製されたTPU−IDPは、ポリエチレンオキシド中間体、MDIおよび鎖長伸長剤としてブタンジオールと少量のLi塩とから誘導されるTPUであり、米国特許第6,140,405号に従って調製される。
【0108】
Kraton(登録商標)FG−1901Xは、マレエート化スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマー(SEBS−MA)である。それは重量にして28%のポリスチレンおよび2%の無水マレイン酸を含有する。
【0109】
TPU相溶化剤は、ポリブタジエン中間体、MDI、およびネオペンチルグリコール鎖長伸長剤から誘導され、米国特許第6,054,533号に従って作製される。
【0110】
表1から明らかなように、改善された光学的性質は、非静電散逸熱可塑性ウレタンを使用する場合に得られる(実施例FおよびGを参照のこと)。しかしながら、TPU−IDPが実施例BおよびDで使用される場合、光学的性質は低下し、しかし好ましい表面抵抗率および容量抵抗率が得られ、それは導電性過ぎることもなく、抵抗性過ぎることもない。実施例M、NおよびO(表2)は、TPU−IDPレベルの表面抵抗率および容量抵抗率に及ぼす効果を例証する。抵抗率が、TPU−IDPレベルの増加と共に減少する。値は静電散逸性範囲内の望ましいレベルに調整され得る。引張強度および引張弾性率の値はTPU−IDPレベルの増加に伴って減少する。
【0111】
改善された衝撃的性質(Gardnerおよびノッチつきアイゾット)はまた、TPU−IDPが使用される場合、使用されない場合のCOCと比較する場合に得られた。
【0112】
特許法に従って最良の態様および好ましい実施形態が示されたが、本発明の範囲はそれらに限定されず、むしろ添付の請求項の範囲による。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な熱可塑性組成物であって、以下:
シクロオレフィンコポリマーおよび熱可塑性ポリウレタンのブレンドであって、該シクロオレフィンコポリマーおよび該熱可塑性ポリウレタンが、独立して、約1.48〜約1.58の屈折率を有するブレンド
を含む、透明な熱可塑性組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の透明な熱可塑性組成物であって、前記シクロオレフィンコポリマーは、少なくとも1種の多環オレフィンモノマーからと少なくとも1種の鎖状1−オレフィンモノマーとから誘導され、ここで該鎖状1−オレフィンモノマーの量が、該鎖状1−オレフィンモノマーと該多環オレフィンモノマーとの全モル数を基礎として、約45〜約85モル%である、透明な熱可塑性組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の透明な熱可塑性組成物であって、該組成物が、ASTM D−1003に従って少なくとも約65%の光透過率および約32%以下の曇り度を有し、
前記熱可塑性ポリウレタンが、a)2〜約6個の炭素原子を有するアルキレンオキシドモノマーから作られる中間体か、または4〜約15個の炭素原子を有するジカルボン酸と2〜約12個の炭素原子を有するグリコールから作られるポリエステル中間体、(b)式R(NCO)を有し、ここでnは、約2〜約4であり、Rは、合計で2〜約30個の炭素原子を有する、脂肪族、芳香族またはそれらの組み合わせである、ポリイソシアネート、ならびにc)2〜約10個の炭素原子を有するジオールから誘導される、透明な熱可塑性組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の透明な熱可塑性組成物であって、前記多環オレフィンモノマーが、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンであり、前記鎖状1−オレフィンモノマーがエチレンまたはプロピレンであり、
前記アルキレンオキシドがエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドであり、
前記エステル中間体が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびそれらの組み合わせからとグリコールから誘導され、該グリコールは、エチレングリコール、プロピレン−1,2−グリコール、1,3−プロパンジオール、ブチレン−1,3−グリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチレン−1,3−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコールおよびそれらの組合せを含み;
前記ポリイソシアネートは、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI);イソホロン(isophorone)ジイソシアネート(IPDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI),トルエンジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびシクロヘキシル−1,4−ジイソシアネートまたはこれらの組み合わせを含むジイソシアネートであり、ならびに;
前記ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサン−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンジ(ヒドロキシル)エーテルおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールまたはそれらの組み合わせである、透明な熱可塑性組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の透明な熱可塑性組成物であって、前記シクロオレフィンコポリマーおよび前記熱可塑性ポリウレタンは、独立して約1.50〜約1.56の屈折率を有し、該熱可塑性組成物は、ASTM D−1003に従って、少なくとも約80%の光透過率および約27%以下の曇り度を有する、透明な熱可塑性組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の透明な熱可塑性組成物であって、前記シクロオレフィンコポリマーが、ノルボルネンとエチレンとから誘導され、該エチレンの量が、該エチレンおよび該ノルボルネンの全モル数を基礎にして約60〜約70モル%であり、前記アルキレンオキシドがエチレンオキシドであり、前記ジイソシアネートがMDIであり、そして前記ジオールがブタンジオールである、透明な熱可塑性組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の透明な熱可塑性組成物であって、前記シクロオレフィンコポリマーおよび前記熱可塑性ポリウレタンが、独立して約1.52〜約1.54の屈折率を有し、該熱可塑性組成物が、ASTM D−1003に従って、少なくとも約82%の光透過率および約22%以下の曇り度を有する、透明な熱可塑性組成物。
【請求項8】
相溶化剤を含む、請求項1に記載の透明な熱可塑性組成物であって、ここで該相溶化剤は、ジイソシアネート、ジオールおよび中間体骨格における非炭素原子の間に少なくとも20個の炭素原子を含有する実質的に炭化水素の中間体から誘導される熱可塑性ポリウレタンを含むか、または該中間体が、全部で4〜8個の炭素原子を有する1以上のジエンから誘導される、透明な熱可塑性組成物。
【請求項9】
相溶化剤を含む、透明な熱可塑性組成物であって、該相溶化剤は、ジイソシアネート、ジオールおよび中間体骨格における非炭素原子の間に少なくとも20個の炭素原子を含有する実質的に炭化水素中間体から誘導される熱可塑性ポリウレタンを含むか、または該中間体が、全部で4〜8個の炭素原子を有する1以上のジエンから誘導され、該中間体における初期の炭素−炭素二重結合の少なくとも80%が飽和であり、
該ジイソシアネートは、エチレンジイソシアネート;トルエンジイソシアネート;メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)(MDI);イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート;シクロヘキシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート、メタテトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXD1)、パラテトラメチルキシレンジイソシアネート(p−TMXD1)、m−キシレンジイソシアネート(XDI),デカン−1,10−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートまたはこれらの組み合わせであって、ならびに
前記ジオールは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオールもしくは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、1,4−シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサン−ジメタノールおよびそれらの組み合わせである、請求項3に記載の透明な熱可塑性組成物。
【請求項10】
請求項7に記載の透明な熱可塑性組成物であって、前記熱可塑性ウレタンと前記シクロオレフィンコポリマーとの100重量部に対して約0.25〜約8重量部の相溶化剤を含み、ここで該相溶化剤は、全部で4〜8個の炭素原子を有する1以上のジエンから誘導される炭化水素中間体を有する熱可塑性ポリウレタンを含み、ここで初期の炭素−炭素二重結合の少なくとも90%が飽和であり、ここで前記イソシアネートがMDIであって、そしてここで前記ジオールがネオペンチルグリコールである、透明な熱可塑性組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の組成物を含む、光学フィルムまたは光学コーティング。
【請求項12】
請求項8に記載の組成物を含む、光学フィルムまたは光学コーティング。
【請求項13】
静電散逸熱可塑性組成物であって、以下:
シクロオレフィンコポリマー、静電散逸熱可塑性組成物および相溶化剤を含む、組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の静電散逸熱可塑性組成物であって、該静電散逸熱可塑性組成物は、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーおよびエチレンオキシドとエピクロルヒドリンとのコポリマーからなる群より選択されるポリマーを含有する、静電散逸熱可塑性組成物。
【請求項15】
請求項13に記載の静電散逸熱可塑性組成物であって、前記シクロオレフィンコポリマ−が、少なくとも1種の多環オレフィンモノマーおよび少なくとも1種の鎖状1−オレフィンモノマーから誘導され、該多環オレフィンモノマーは、下記式
【化1】

【化2】

を有し、ここでR、R、R、R、RおよびRの各々は、独立して同じであるかまたは異なり、水素原子または炭化水素ラジカルであって、該鎖状1−オレフィンは下記式
【化3】

を有し、ここでR、R、RおよびR10の各々は、独立して同じであるかまたは異なり、水素原子、またはC−C10アリール基またはC−Cアルキル基であって、
該静電散逸熱可塑性組成物は、約1X10〜約1X10オーム/平方の表面抵抗率を有する、
静電散逸熱可塑性組成物。
【請求項16】
請求項15に記載の静電散逸熱可塑性組成物であって、該静電散逸熱可塑性組成物は、1種以上の環式エーテルモノマーから誘導される熱可塑性ポリウレタン、少なくとも1種のジイソシアネート、および少なくとも1種のジオールを含み、該環式エーテルモノマーは、下記式
【化4】

を有し、ここでR、R、R、RおよびRの各々は、独立して水素原子、非置換もしくは置換アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキルまたはアルカリルであって、前述の置換され得る該置換基は、OR、SR、CN、またはハロゲンであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アルカリルまたはカルボキシルであり、そしてnは、0,1,2、または4であって、前記相溶化剤は、ジイソシアネート、ジオール、および、中間体骨格における非炭素原子間に少なくとも20個の炭素原子を含有する実質的に炭化水素の中間体または全部で4〜8個の炭素原子を有する1種以上のジエンから誘導される該炭化水素中間体から誘導される熱可塑性ポリウレタンを含む、静電散逸熱可塑性組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の静電散逸熱可塑性組成物であって、前記シクロオレフィンコポリマーは、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンから誘導され、前記鎖状1−オレフィンモノマーは、エチレンまたはプロピレンであり、前記静電散逸熱可塑性ポリウレタン環式エーテルモノマーは、3〜8個の環炭素原子を有するシクロアルキルであり、
前記ジイソシアネートは,1,4−ジイソシアナトベンゼン(PPDI)、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)、4,4’メチレンビス(3−メトキシフェニルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、1,10−ジイソシアナトナフチレン、および4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)であって、ここで前記グリコール鎖長延長剤は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルまたはそれらの組み合わせである、静電散逸熱可塑性組成物。
【請求項18】
請求項17に記載の静電散逸熱可塑性組成物であって、ここでシクロオレフィンコポリマーは、ノルボルネンおよびエチレンから誘導され、ここで該エチレンモノマーの量は、該エチレンモノマーおよび該ノルボルネンモノマーの全モル数を基礎にして約45%〜約85%であって、そしてここで前記相溶化剤ジイソシアネートは、エチレンジイソシアネート;トルエンジイソシアネート;メチレンビス−(4−フェニルイソシアネート)(MDI);イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート、メタテトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXD1)、パラテトラメチルキシレンジイソシアネート(p−TMXD1)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびこれらの組み合わせであって、
ならびに;ここで前記相溶化剤ジオールは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオールもしくは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、1,4−シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの組み合わせである、静電散逸熱可塑性組成物。
【請求項19】
請求項18に記載の静電散逸熱可塑性組成物であって、前記静電散逸熱可塑性ウレタンシクロアルキルはエチレンオキシドであり、前記ジイソシアネートは、MDIであり、そして前記ジオールは、ブタンジオールであって、ここで前記静電散逸熱可塑性ポリウレタンは、約1X10〜約1X1010オーム/平方の表面抵抗率を有し、そして前記相溶化剤の量は、前記シクロオレフィンコポリマーと該静電散逸熱可塑性ウレタンとの100重量部に対して、約0.25〜約8重量部である、静電散逸熱可塑性組成物。
【請求項20】
請求項19に記載の静電散逸熱可塑性組成物であって、ここで前記シクロオレフィンコポリマーにおける前記エチレンモノマーの量が、該エチレンモノマーと前記ノルボルネンモノマーとの全モル数を基礎にして、約55〜約80モル%であって、そしてここで前記相溶化剤中間体は、ブタジエンから誘導され、ここで前記ジイソシアネートは、MDIであって、そして前記ジオールがネオペンチルジオールである、静電散逸熱可塑性組成物。
【請求項21】
前記組成物が、前記シクロオレフィンコポリマーと前記静電散逸熱可塑性ウレタンとの共連続相を含む、請求項20に記載の静電散逸熱可塑性組成物。
【請求項22】
請求項13に記載の組成物を含む電子パッケージ材料または半導体パッケージ材料。
【請求項23】
請求項17に記載の組成物を含む電子パッケージ材料または半導体パッケージ材料。
【請求項24】
請求項20に記載の組成物を含む電子パッケージ材料または半導体パッケージ材料。
【請求項25】
請求項14に記載の組成物を含む電子パッケージ材料または半導体パッケージ材料。
【請求項26】
請求項13に記載の組成物を含むハードディスクドライブ構成要素またはパッケージ材料。
【請求項27】
請求項16に記載の組成物を含むハードディスクドライブ構成要素またはパッケージ材料。
【請求項28】
請求項20に記載の組成物を含むハードディスクドライブ構成要素またはパッケージ材料。
【請求項29】
請求項14に記載の組成物を含むハードディスクドライブ構成要素またはパッケージ材料。
【請求項30】
シクロオレフィンコポリマー、熱可塑性ポリウレタンおよび相溶化剤を含む、相溶化ポリマーブレンド。
【請求項31】
請求項30に記載の相溶化ポリマーブレンドであって、前記シクロオレフィンコポリマーは、少なくとも1種の多環オレフィンモノマーと少なくとも1種の鎖状1−オレフィンモノマーとから誘導され、該鎖状1−オレフィンモノマーの量が、該鎖状1−オレフィンモノマーと該多環オレフィンモノマーとの全モル数を基礎として、約45〜約85モル%であって、
前記熱可塑性ポリウレタンが、a)2〜約6個の炭素原子を有するアルキレンオキシドモノマーから作られる中間体か、または4〜約15個の炭素原子を有するジカルボン酸と2〜約12個の炭素原子を有するグリコールとから作られるポリエステル中間体、(b)式R(NCO)を有し、nは、約2〜約4であり、そしてここでRは、2〜約30個の炭素原子を有する、脂肪族、芳香族またはそれらの組み合わせである、ポリイソシアネート、ならびにc)2〜約10個の炭素原子を有するジオールから誘導され、ならびに
前記相溶化剤は、ジイソシアネート、ジオールおよび中間体骨格における非炭素原子の間に少なくとも20個の炭素原子を含有する実質的に炭化水素の中間体から誘導される熱可塑性ポリウレタンを含むか、または該中間体が、全部で4〜8個の炭素原子を有する1以上のジエンから誘導される、相溶化ポリマーブレンド。
【請求項32】
請求項31に記載の相溶化ポリマーブレンドであって、前記多環オレフィンモノマーが、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンであり、前記鎖状1−オレフィンモノマーがエチレンまたはプロピレンであって、
前記アルキレンオキシドがエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドであり、
前記エステル中間体が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびそれらの組み合わせとグリコールとから誘導され、該グリコールは、エチレングリコール、プロピレン−1,2−グリコール、1,3−プロパンジオール、ブチレン−1,3−グリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチレン−1,3−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコールおよびそれらの組合せを含み;
前記熱可塑性ポリウレタンポリイソシアネートは、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI);イソホロンジイソシアネート(IPDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、トルエンジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびシクロヘキシル−1,4−ジイソシアネートまたはこれらの組み合わせを含むジイソシアネートであって、ならびに;
ここで前記熱可塑性ポリウレタンジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサン−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンジ(ヒドロキシエチル)エーテルおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールまたはそれらの組み合わせであって、
前記相溶化剤中間体は、全部で4〜8個の炭素原子を有する1以上のジエンから誘導され、該中間体における初期の炭素−炭素二重結合の少なくとも80%が飽和されており、前記相溶化剤ジイソシアネートは、エチレンジイソシアネート;トルエンジイソシアネート;メチレンビス−(4−フェニルイソシアネート)(MDI);イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート;シクロヘキシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート、メタテトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXD1)、パラテトラメチルキシレンジイソシアネート(p−TMXD1)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびこれらの組み合わせであって、ならびに;ここで前記相溶化剤ジオールは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオールもしくは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、1,4−シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの組み合わせである、相溶化ポリマーブレンド。
【請求項33】
請求項32に記載の相溶化ポリマーブレンドであって、前記シクロオレフィンコポリマーが、ノルボルネンとエチレンとから誘導され、ここで該エチレンの量が、該エチレンと該ノルボルネンとの全モル数を基礎にして約60〜約70モル%であり、
前記熱可塑性ポリウレタンアルキレンオキシドがエチレンオキシドであり、前記ジイソシアネートがMDIであり、そして前記ジオールがブタンジオールであって;
前記相溶化剤炭化水素中間体が、全部で4〜8個の炭素原子を有する1以上のジエンから誘導され、ここで初期の炭素−炭素二重結合の少なくとも90%が飽和であり、該ジイソシアネートがMDIであり、そして該ジオールはネオペンチルグリコールである、相溶化ポリマーブレンド。

【公表番号】特表2007−506849(P2007−506849A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528298(P2006−528298)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/031695
【国際公開番号】WO2005/030861
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(505026538)ノベオン アイピー ホールディングス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】