説明

シコクビエパン配合物およびその調製のためのプロセス

本発明は、シコクビエパン配合物およびその調製のためのプロセスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、シコクビエパン配合物およびその調製のためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
モロコシ、トウジンヒエ、トウモロコシ、ラギ(シコクビエ(finger millet))、キビ(small millet)およびオオムギは、インドで栽培される主な雑穀である。これらはミネラルが豊富で、半乾燥および乾燥帯の天水地域で主に栽培される。2001〜02年の雑穀の生産量は3394万トンであった。シコクビエの生産量は266万トンで、モロコシ(アズキモロコシ)は706万トンであった。(Vikas Singhal, Indian Agriculture 2003, Economic Data Research Centre, New Delhi, pg:153)。コメおよびコムギに比べてほとんどの雑穀では、カルシウムおよびリン含有量が特に高い。コメおよびコムギのカルシウムおよびリン含有量はそれぞれ10mg、160mgおよび41mg、306mg(100gあたり)である。モロコシおよびシコクビエのカルシウムおよびリン含有量(mg/100g)はそれぞれ25、222および344、283である。(C. Gopalan et al 1982. Nutritive value of Indian Foods. National Institute of nutritional, Hyderabad, India)。シコクビエは重要なビタミン、すなわち、チアミン、リボフラビンおよびナイアシンも豊富に含む。シコクビエを常用している消費者では、心血管疾患、十二指腸潰瘍および高血糖の発生率が低いとの報告があることは興味深い。(Mangal Rai. The Hindu Survey of Indian Agriculture, 2002, Pg61)。
【0003】
小麦粉はベーカリー製品の基本的成分である。コムギタンパク質の品質はほとんどの穀類よりも劣っている。これは主に、コムギタンパク質のリジン、メチオニンおよびトレオニン含有量が低いためである。同様に、ミネラルおよびビタミンの大部分は製粉中に一部または全部除去される。小麦粉の低い栄養品質は、粉の精製中にさらに悪化する。シコクビエ、モロコシおよびトウモロコシのようなコムギ以外の穀類を用いることは、ベーカリー製品において栄養上の利点がある。ほとんどのベーカリー製品はタンパク質の量および質が低く、同様にミネラルおよびB群ビタミンも少ない。(Chavan JK and Kadam SS 1993. Nutritional enrichment of bakery products by supplementation with non wheat flours. Critical Reviews in Food Science and Nutrition 33(3), 189-226)。シコクビエのタンパク質はアミノ酸組成のバランスがよく、メチオニン、シスチンおよびリジンの良好な供給源である。パン、ビスケット、クッキーなどの製品は、世界の多くの地域でよく見られるタンパク質栄養不良との戦いにおいて用いるために、標的となる集団に追加のタンパク質を運ぶための良好な媒体として役立ちうる。モロコシ、シコクビエ、カラスムギなどは安価な栄養食品であるため、これらコムギ以外のタンパク質供給源を用いることにより、ベーカリー製品のタンパク質強化を達成することができる。
【0004】
タンパク質成分は、標的となる市場および食物製品の様々な機能および栄養特性において役割を有している。強化されることが最も多い製品はパン、ビスケット、クッキーおよびクラッカーである。マメ、脂肪種子およびコムギ以外の穀類の食物およびタンパク質製品は、ベーカリー製品の栄養強化のために有望な材料である。マメ、脂肪種子およびコムギ以外の穀類の粉は栄養強化のためのこれらの条件をすべて満たしているわけではないが、加工における適当な改変、および配合物中の界面活性剤や他の成分の使用は、そのようなコムギ以外の植物製品を適当な比率で含む小麦粉から、許容できる品質の製品を生産する際の大いなる助けとなっている。コムギ以外の穀類粉および他の穀物加工副産物は、コムギが不足している場合、より多くの集団でコムギ以外の穀類およびそれらの副産物の使用を促進することが望まれる場合、または製品中のタンパク質含有量を改善することが望まれる場合のいずれかに、様々なパンまたはクッキーの調製において小麦粉の一部の代わりに用いられる。
【0005】
本明細書においてJohann (1992)のオーストリア特許第395365B号を参照することができ、ここではマメ、シコクビエおよびオオムギを含むパンの製造法が開示され、ペーストを、挽いていない状態で水に12時間漬けた後にゆでた、ソラマメ、レンズマメ、シコクビエおよびローラーにかけたオオムギを等量混合することにより製造し、このペーストを半分が小麦粉で半分が未精製の小麦粉からなるパンミックスに加える。欠点は、用いる原材料が100%シコクビエ粉でないことである。オオムギ、ソラマメおよびレンズマメは本発明の成分を形成しない。
【0006】
本明細書においてZhaozheng (2000)による中国特許第1254517号を参照してもよく、ここではシコクビエおよびモロコシで構成される主食ならびにその生産技術が開示される。乾麺、通常の麺、即席麺、蒸しパン、パン、パンケーキなどを含む主食が、精製シコクビエ粉もしくは精製モロコシ粉またはそれらの混合物(40〜60重量%)、アルファシコクビエ粉もしくはアルファモロコシ粉またはそれらの混合物(5〜45重量%)ならびにシコクビエ粉、モロコシ粉、マメ粉末など、またはそれらの混合物およびアルファ粉またはそれらの混合物を精製することによる粉末グルテリン(3〜15重量%)から構成され、これらを水と混合し、熟成させ、最終の食品を製造する。ここでの欠点は、特許が主に精製穀物からなる製品調製のための穀物粉混合物の製造に関するものであり、パンだけを調製するための100%シコクビエ粉の使用に関するものではないことである。
【0007】
中国特許第1304661号(2001)は、ふるい分け、粉砕、比率に応じた混合、および微粉砕を通して、主な原材料としてのコムギ、トウモロコシ、ダイズおよびシコクビエで構成される複合多成分栄養粉に関する。これを乾麺および薄い生地に加工することができる。ここでの欠点は、コムギが主な原材料であるが、本発明ではシコクビエ粉が乾麺や薄い生地ではなくパン調製のための主な原材料であるという点である。
【0008】
本明細書において中国特許第1194786号(1998)を参照してもよく、これは栄養がより豊富で独特な味のために、その原材料の一部としてシコクビエを用いることを特徴とするシコクビエパンシリーズの調製に関する。ここでの欠点は、シコクビエが原材料の一部であって、本発明のパン調製用に用いる100%シコクビエ粉である主原材料ではないことである。
【0009】
本明細書において中国特許出願第19990251477U 19991122号を参照してもよく、ここではトウモロコシ、モロコシなどの詰め物をした蒸しパンを調製するための方法が開示される。ここでの欠点は、これは詰め物としてのトウモロコシ、モロコシなどからなる蒸しパンであって、詰め物なしの100%シコクビエ粉製の焼いたパンではないことである。
【0010】
本明細書においてElkhalifa and El-Tinay 2002. Effect of cysteine on bakery products from wheat-sorghum blends. Food chemistry 77, 133-137を参照してもよく、ここではコムギ-モロコシ混合物によるベーカリー製品へのシステインの影響が論じられる。パン調製のための化学生地生成法を用いて、10%のモロコシを60ppmのシステインと共に小麦粉に加えることにより、高品質のパンを製造することができた。モロコシ粉20%およびシステイン60ppm/粉10グラムを小麦粉に加えることにより、高品質のビスケットを製造することができる。欠点は、パン製品が本発明のようにすべてシコクビエ粉で作られているのではないことである。また、本発明ではシステインは成分となっていない。
【0011】
本明細書においてEPO 396162, Bl, B2を参照してもよく、ここでは焼成食品を改良するためにパン改良物質(bread improvers)を用い、改良物質はセルラーゼ酵素を含み、例えば、キシラナーゼはオキシダーゼまたはペルオキシダーゼを含む。酵素の混合物を、パンまたは他の焼成生地製品、例えば、パフペーストリー(puff pastry)用の生地への添加物として粉に組み込んでもよい。ここでの欠点は、酵素を含むパン改良物質を、主原材料としてシコクビエ粉を用いて作った酵母発酵製品ではなく、精製小麦粉製の焼成食品に加える点である。本発明で用いる改良物質は酵素または酵素混合物ではない。
【0012】
本明細書においてGB 2360438Aを参照してもよく、ここでこの発明は油性媒体およびフュームドシリカ安定化剤中の改良物質懸濁液の形の液体パン改良物質組成物を提供する。改良物質は酸化剤、還元剤および酵素から選択することができる。ここでの欠点は、本発明の改良物質混合物は液体の形ではなく、酸化剤、還元剤または酵素は改良物質混合物の成分ではないことである。
【発明の開示】
【0013】
発明の目的:
本発明の主な目的は、シコクビエパン配合物およびその調製のためのプロセスに関する。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、シコクビエ粉または抽出率95%の雑穀粉の調製に関する。
【0015】
本発明のさらにもう一つの目的は、本発明の配合を用いての酵母ベーカリー製品の調製に関する。
【0016】
本発明のさらにもう一つの目的は、乾燥グルテン粉末、アスコルビン酸、真菌α-アミラーゼ、蒸留モノステアリン酸グリセロールおよびステアロイル-2-乳酸ナトリウムなどの改良物質の組み合わせの使用に関する。
【0017】
本発明のさらにもう一つの目的は、シコクビエ粉の粒径が、10XX(129μ)ふるいのトラフ(trough)パーセンテージが74〜78%となるようなものであることである。
【0018】
本発明のさらにもう一つの目的は、シコクビエ粉の抽出率95%が、シコクビエを45メッシュ(480μ)を通して約5%のふすま(bran)を除去することによって得られることである。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、本発明の配合物を用いてシコクビエ生地に所望の流体力学的特性を与えることである。
【0020】
本発明のさらにもう一つの目的は、シコクビエパン生地の調製のために混合法を改変することである。
【0021】
本発明のもう一つの目的は、ホワイトパンブレッドに比べてタンパク質およびカルシウム含有量が高いシコクビエパンを生産することである。
【0022】
発明の概要
本発明は、シコクビエパン配合物およびその調製のためのプロセスに関する。
【0023】
発明の詳細な説明:
したがって、本発明は以下を含むシコクビエパン配合物に関する。

【0024】
シコクビエ(finger millet)は「ラギ(ragi)」とも呼ばれる。植物学的名称はEleurine corcanaである。以下、「シコクビエ」なる用語は「ラギ」とも呼び、同じ植物からの「シコクビエ」を意味することが意図される。
【0025】
本発明の態様において、選択された乾燥グルテン粉末はタンパク質含有量74〜78%、水分保持能力1.3〜1.4ml/gを有していてもよい。
【0026】
本発明のもう一つの態様において、選択された酵素は50,000SKB(Standsted Kneen Blish)単位/gの活性を有する真菌α-アミラーゼであってもよい。
【0027】
本発明のさらにもう一つの態様において、シコクビエパンは以下の特徴を有していてもよい。

【0028】
用いる脂肪は植物油から作られたいかなる硬化脂肪であってもよい。
【0029】
本発明はまた、以下の段階を含むシコクビエパンの調製のプロセスを提供する:
a)5%のふすまが分離された、細かく挽いたシコクビエ粉を調製する段階、
b)シコクビエ粉および乾燥グルテン粉末を50%の水で10分間水和させる段階、
c)酵母、食塩、砂糖、アスコルビン酸、真菌αアミラーゼ、蒸留モノステアリン酸グリセロール、ステアロイル-2-乳酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、氷酢酸を別々に水に溶解する段階、
d)水和されたシコクビエ粉および段階c)の混合物を5分間混合して生地を得、かつ生地を30分間発酵させる段階、
e)段階d)のシコクビエ生地を2分間再混合し、かつシコクビエ生地を15〜30分間休ませる段階、
f)段階e)のシコクビエ生地を機械的装置を用いて整形する段階、
g)生地を30〜45分間、酵母により盛り上がらせる段階、
h)酵母により盛り上がらせた生地を、220〜230℃の範囲の温度で、オーブンで25〜30分間焼く段階、
i)2〜3時間冷ましてシコクビエパンを得る段階。
【0030】
前述の方法において、「ノックバック(knock back)」は発酵時間の約4分の3経過後に生地を再混合することを含む。「酵母により盛り上がらせる(proofing)」段階において、整形した生地をパンニング(pan)し、十分にふくれるまで発酵させる。スケーリングの段階において、生地を適当な重量に量り分け、例えば450gの生地を量り、焼成後400gのパンが得られる。
【0031】
本発明のさらにもう一つの態様において、シコクビエパンの調製に用いる成分の重量は以下の通りである。

【0032】
詳細に説明すると、シコクビエパン配合物の調製プロセスは以下の段階を含む。
【0033】
段階1. シコクビエ粉の調製
市販のシコクビエをチャッキー(インドの石臼、ディスクミル)で細かく挽き、粉を32メッシュ(670μ)を通してふすまを除去する。ふすまを再度挽いて微粉とし、粉と再度混合する。シコクビエ粉の粒径は10XX(129μ)ふるいのトラフパーセンテージが74〜78%となるようなものである。
【0034】
段階2. 95%抽出率シコクビエ粉の調製
45メッシュ(480μ)を用いて5%のふすまを除去することにより、95%抽出率のシコクビエ粉を得る。
【0035】
段階3. 調製法
a. シコクビエ粉および乾燥グルテン粉末を全水分の50%を用いて8〜10分間水和させる。
b. 酵母、食塩および砂糖を残りの水に別々に溶解する。
c. 水和シコクビエ粉および乾燥グルテン粉末を溶解した酵母、食塩、砂糖懸濁液および他の成分と、スピードIで4〜6分間とスピードで4〜6分間混合する。
d. シコクビエ生地を30〜60分間発酵させる。
e. シコクビエ生地を2分間再混合し、分割し、丸める。
f. シコクビエ生地を15から30分間休ませる。
g. シコクビエ生地を機械的装置を用いて整形する。
h. 生地を30から45分間、酵母により盛り上がらせる。
i. 酵母により盛り上がらせた生地を220〜230℃のオーブンで25〜30分間焼く。
j. 2〜3時間冷ましてシコクビエパンを得る。
【0036】
シコクビエパンの調製
以下の配合を用いた。

シコクビエ粉100kgあたりの100gの標準パンの収量 421個
【0037】
シコクビエパンの調製に含まれる異なる単位操作および条件を以下のフローチャートに示す。

【0038】
以下の実施例は例示のために示すものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0039】
実施例1
配合物1の組成

【0040】
実施例2
配合物2の組成

【0041】
実施例3
配合物3の組成

【0042】
実施例4

【0043】
調製法
1. 対照シコクビエパン生地の混合
i. 酵母、食塩および砂糖を全水分の一部に別々に溶解する。
ii. シコクビエ粉を溶解した酵母、食塩、砂糖懸濁液および他の成分と、スピードIで3分間とスピードIIで3分間混合する。
【0044】
2. 実験シコクビエパン生地(配合物1、2および3)の混合
1. シコクビエ粉および乾燥グルテン粉末を全水分の50%を用いて10分間水和させる。
2. 酵母、食塩および砂糖を残りの水に別々に溶解する。
3. 水和シコクビエ粉および乾燥グルテン粉末を溶解した酵母、食塩、砂糖懸濁液ならびに配合物1、2および3の他の成分と、スピードIで5分間とスピードIIで5分間別々に混合する。
4. 対照および実験シコクビエ生地を30分間発酵させる。
5. シコクビエ生地を2分間再混合し、分割し、丸める。
6. シコクビエ生地を15分間休ませる。
7. シコクビエ生地を整形する。
8. 生地を30分間、酵母により盛り上がらせる。
9. 220℃で25分間焼く。
10. 2〜3時間冷まして包装する。
11. シコクビエパンの物理的および感覚的特性を評価する。
【0045】
シコクビエパンの品質に対する3つの配合法の効果を調べるために、シコクビエパンを調製することにより実験を行った。パンの重量を記録し、菜種置換法を用いてパンの体積を測定した。6名の訓練された審査員が、皮の色、形状、対称性、中身の色、粒、食感および味に点数を割り付けて、パン試料の感覚評価を行った。全般的品質スコア(100)を前述の性状すべての合計点とした。中身の固さをAACC (2000)の方法に従い、以下の条件下でテクスチャー分析器(Model Tahdi, Stable Microsystems, UK)を用いて測定した:試料厚25mm、ロードセル(load cell)10Kg、プランジャー直径36mmおよびプランジャー速度100mm/分。25%圧縮時の力である、中身の固さを測定した。
【0046】
対照シコクビエパンおよび3つの配合法を用いたシコクビエパンを調製し、客観的および感覚的評価に供した。対照シコクビエパンの重量および体積は137gおよび170mlで、配合物1、配合物2、および配合物3を用いて調製したシコクビエパンではそれぞれ、155gおよび460ml、154gおよび490ml、ならびに154gおよび525mlであった。対照シコクビエパンの比容は1.24ml/gで、配合物1、配合物2、および配合物3を用いて調製したシコクビエパンではそれぞれ2.97ml/g、3.18ml/g、および3.41ml/gに上昇した。
【0047】
(表2)シコクビエ粉の製パン品質に対する改良物質混合物の効果

*テクスチュロメーター(texturometer)を用いて測定した25%圧縮時の力
【0048】
対照シコクビエパンは中身の固さの値が19000gで、非常に固いテクスチャーを示している。配合物1、2および3を用いて調製したシコクビエパンの中身の固さの値は1050〜1200gの範囲であった。配合物3を用いて調製したシコクビエパンは中身の固さの値が最も低い1050gで、柔らかいパンのテクスチャーを示していた。前述のデータは、配合物3がシコクビエパンの体積、比容およびテクスチャーを著しく改良することを示した。シコクビエパンの感覚的評価により、対照シコクビエパンは皮の色が白っぽく、形状は平坦で、中身の色は濃褐色、粒は完全に閉じており、テクスチャーは固いことが判明した。配合物1、2および3を用いたシコクビエパンの調製は、シコクビエパンの皮の色、形状、中身の粒およびテクスチャーを著しく改良した。これは前述のパラメーターに関する感覚スコアの上昇により示される。対照シコクビエパンの全般的品質スコアは100のうちの16で、配合物1、2および3を用いて調製したシコクビエパンでは72〜86の範囲であった。全般的品質スコア86の最高の改良は配合物3で記録され、次いで配合物2(80)および配合物1(72)の順に低下した。しかし、すべてのパンは典型的な健康によいシコクビエの味を有していた。前述のデータに基づき、配合物3が優れた品質のシコクビエパンを製造するために最も適していると結論することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含むシコクビエパン配合物:


【請求項2】
乾燥グルテン粉末が、74〜78%のタンパク質含有量および1.3〜1.4ml/gの水分保持能力を有する、請求項1記載の配合物。
【請求項3】
真菌α-アミラーゼ酵素が少なくとも50,000SKB(Standsted Kneen Blish)単位/gの活性を有する、請求項1および2記載の配合物。
【請求項4】
シコクビエパンが以下の特性を有する、請求項1〜3記載の配合物:


【請求項5】
以下の段階を含む、シコクビエパンの調製のプロセス:
a)5%のふすま(bran)が分離された、細かく挽いたシコクビエ粉を調製する段階、
b)シコクビエ粉および乾燥グルテン粉末を50%の水で10分間水和させる段階、
c)酵母、食塩、砂糖、アスコルビン酸、真菌αアミラーゼ、蒸留モノステアリン酸グリセロール、ステアロイル-2-乳酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、氷酢酸を別々に水に溶解する段階、
d)水和されたシコクビエ粉および段階c)の混合物を5分間混合して生地を得、かつ生地を30分間発酵させる段階、
e)段階d)のシコクビエ生地を2分間再混合し、かつシコクビエ生地を15〜30分間休ませる段階、
f)段階e)のシコクビエ生地を機械的装置を用いて整形する段階、
g)生地を30〜45分間、酵母により盛り上がらせる段階、
h)酵母により盛り上がらせた生地を、220〜230℃の範囲の温度で、オーブンで25〜30分間焼く段階、
i)2〜3時間冷ましてシコクビエパンを得る段階。

【公表番号】特表2007−527693(P2007−527693A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512740(P2005−512740)
【出願日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【国際出願番号】PCT/IN2003/000441
【国際公開番号】WO2005/063026
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(505185709)カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (35)
【Fターム(参考)】