説明

システムキッチン

【課題】 システムキッチンを使うにあたって幅広く加熱部位置が選択出来ることにより、様々な調理シーンを想定した加熱部の位置を提供でき、複数人での調理時も同時に加熱調理を行ってもお互いの作業が邪魔にならないように配慮でき、更には、本来加熱調理機器がある部分においても、作業スペースとして十分利用でき、また小さな間口のシステムキッチンにおいても十分な調理スペースと作業スペースを両立できるシステムキッチンを提供する。
【解決手段】 一般家屋用のシステムキッチンにおいて、前記システムキッチンのキッチンカウンター裏面に複数の電磁誘導加熱調理機器を備えることを特徴とするシステムキッチン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチンに係り、特にシステムキッチンのキッチンカウンターの有効活用に好適な電磁誘導式加熱調理機器の配置レイアウトに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理機器を有しているシステムキッチンの良い点は、シンク、作業スペース、加熱調理機器を備えており、洗う、切る、加熱調理する、盛り付けする、と言った一連の作業が1本のキッチンカウンター上で完結出来ることにある。しかしながら加熱調理機器をキッチンカウンター上よりドロップインする仕様のため、必ず加熱調理機器の天板をキッチンカウンター上に露出するための開口部を備える必要があった。よって、シンク部、作業スペース部、加熱調理部は1本のキッチンカウンター上でそれぞれ独立したような形態になっている。例をあげると、加熱調理部は野菜を切ったり、盛り付けをしたり等といった作業スペースとしての利用は、加熱調理機器の天板がキッチンカウンター上に前記開口部露出しているため困難である。また加熱調理機器を複数個設けたい要望があった場合は、作業スペースを犠牲にするかキッチンカウンター間口を更に大きくしなければならない。作業スペースを犠牲にした場合は、野菜や肉を切ったり、盛り付けをしたりと言った作業が、キッチンカウンター上で行うことは困難になってしまうし、キッチンカウンター間口を大きくした場合は、システムキッチンを設置する室内の形状によっては設置出来る家屋も限定されてしまうことにも繋がり、更には加熱調理機器を設置する為の開口部も複数設けなくてはならないので、現実的ではない。また、間口の小さなシステムキッチンにおいては加熱調理機器がキッチンカウンター上に露出するための開口部を備えるため、シンクと加熱調理機器の間の作業スペースが大きくとれず、肉や野菜を切ったり、盛り付けをしたりといった作業性がどうしても悪くなってしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2003−115367号公報
【特許文献2】特開2003−180460号公報
【特許文献3】特開平9−84640号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、システムキッチンを使うにあたって幅広く加熱部位置が選択出来ることにより、様々な調理シーンを想定した加熱部の位置を提供でき、複数人での調理時も同時に加熱調理を行ってもお互いの作業が邪魔にならないように配慮でき、更には、本来加熱調理機器がある部分においても、作業スペースとして十分利用でき、また小さな間口のシステムキッチンにおいても十分な調理スペースと作業スペースを両立できるシステムキッチンである。
別の言い方で言えば、従来の加熱調理機器を備えるためのカウンターにある開口部を有していることに起因する不具合を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、一般家屋用のシステムキッチンにおいて、前記システムキッチンのカウンター裏面に電磁誘導加熱調理機器を備えることを特徴とするシステムキッチンとすることにより、複数人で調理したい場合においても、お互いが邪魔にならないように離れた位置で調理可能になるため、調理の効率が上げる事が可能である。また、キッチンカウンター裏面より電磁誘導加熱調理機器を備えていることを特徴としているため、電磁誘導加熱調理機器を使用していない状況においては、従来困難であった加熱調理機器部分を作業スペースとして利用することを可能とした。
【0005】
上記目的を達成するために請求項2記載の発明によれば、カウンター裏面に備えられた複数の電磁誘導加熱調理機器を備えることを特徴とする。よって加熱調理機器の配置をアレンジすることによりさまざまな使い勝手に対応できるシステムキッチンとすることができる。
【0006】
また、請求項3記載の発明によれば、前記複数の電磁誘導加熱調理機器が、前記システムキッチンの長手方向に並んで配置されることを特徴とする請求項1に記載のシステムキッチンとすることにより、キッチンカウンターの間口方向に、従来よりも多くの電磁誘導加熱調理機器、すなわちは加熱部位置を設けていることによって、加熱調理をする際に用途に応じて、シンクに隣接する側の電磁誘導加熱調理機器を使ったり、作業スペースを確保するためにシンクより遠い部分の電磁誘導加熱調理機器を使ったりなどといった多くの加熱部位置を選択して利用できる事を可能とした。
【0007】
また、請求項4記載の発明によれば、前記システムキッチンがシンクを備え、前記電磁誘導加熱調理機器の少なくとも一つが前記シンクの側面部に隣接することを特徴とする請求項1または2に記載のシステムキッチンとすることにより、茹でた麺類などの茹でこぼしをしたい際に、移動距離が少なくそのまま横に鍋を倒すだけで実現可能であり、従来のように作業スペースをまたいでシンク部にこぼしに行く動作がなくなり、移動中に作業スペースに置いている物が邪魔になったり、それをよける為に鍋を横へ移動させるだけでなく、わざわざ作業スペースを避けるように移動したりすることが無くなり、身体的負担を最小にすることを可能とした。
【0008】
また、請求項5記載の発明によれば、前記複数の電磁誘導加熱調理機器の使用時の総消費電力が1台分の最大出力以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシステムキッチンとすることにより、複数の電磁誘導加熱調理機器、加熱部を備えていても、電力を4800W(または5800W)に抑える事ができ、従来の1つのシステムキッチンに1台の電磁誘導加熱調理機器と同じ感覚で利用できるため、うっかりシステムキッチンで多くの電気を使い過ぎてしまい、安全ブレーカー、またはサービスブレーカーを落としてしまう状況が軽減できる。
【0009】
なお、ここで説明している1台分の最大出力以下とは例をあげると、200V電圧の家庭用の加熱調理機器である本発明による電磁誘導加熱調理機器は、その最大使用電力量は4800W(または5800W)と火災予防条例で定められているが、電磁誘導加熱調理機器が2台設置されたシステムキッチンとした場合で、1つの電磁誘導加熱調理機器に、それぞれ火力を2000W、2000W、800Wとする3つの加熱部を設けていると仮定した場合、1台目の加熱部を1ヶ所だけ使って2000Wで使用している場合、2台目の加熱部を2ヶ所使おうとした場合は残り電力は2800Wとなる訳だが、2台目の電磁誘導加熱調理機器の2000W加熱部を2ヶ所使おうとした場合、総電力は6000Wとなってしまいオーバーしてしまう。このような場合、2台目の電磁誘導加熱調理機器の電力の割り当てを最大2800Wとして制御し、2000Wの加熱部の1つは2000W、もう1つの加熱部は最大800Wまで出力を制御する。ということである。また個々の電磁誘導加熱調理機器にそれぞれ専用配線をする必要もなく、施工性の向上を可能とした。
【0010】
また、請求項6記載の発明によれば前記システムキッチンのキッチンカウンター裏面に、前記電磁誘導加熱調理機器を移動可能な移動部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のシステムキッチンとすることにより、電磁誘導加熱調理機器の取付部を設けている部分においては左右方向に自由に位置を決めることができるため、従来のようにシステムキッチンの購入時点で加熱調理機器の位置を決めるのではなく、利用者が使い勝手等を考慮し、施工時、または施工後実際に使用してみてからでも希望する位置に電磁誘導加熱調理機器を設置することが可能とした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、システムキッチンにおいて、複数人で調理したい場合においてもお互いが邪魔にならない離れた位置で調理可能であり、また加熱調理機器部分での作業スペースとしての利用も可能としているため、小間口のシステムキッチンにおいても十分な作業スペースが確保できる。すなわち電磁誘導加熱調理機器をカウンター裏面に設置されているスペースが、加熱調理に使用できたり、作業スペースとして使用したりとより効率的にシステムキッチンを利用することを可能としたという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明の実施例について図1〜図8を参照して説明する。
【実施例】
【0013】
第1の実施例は図1に示すように複数の加熱調理機器を備える一般家屋用のキッチンカウンターであり、1は耐熱性、電気絶縁性等を有するキッチンカウンターであり、裏面には電磁誘導加熱調理機器を備えることのできる矩形状のキッチンカウンター、2は1に開口部を設け備え付けられたシンク、3は1キッチンカウンター1に備え付けられた水栓金具であり、4は1を載置する為に設けられたキャビネット、5および6はキッチンカウンター1裏面に配置された2台の電磁誘導加熱調理機器。19は作業スペース、調理面を兼ね備えたスペースA。20は作業スペース、調理面を兼ね備えたスペースB、また10、11、12、13、14、15はそれぞれの電磁誘導加熱調理機器の加熱部を表す。
また請求項5に記載の「並んで配置される」とは図1中のL1に示すように長手方向に並んでいることを表している。
【0014】
次にこのシステムキッチンの使用状況について説明する。
外側の電磁誘導加熱機器5を使用する場合は従来通り作業スペースが必要な調理、特に洗う、切る、加熱するの手順を必要とする調理に対してはシンク2から作業を行う面としてスペースB20、調理を行う面としてスペースA19を利用して一連の動作が順を追って出来るので有効である。
一例を挙げると、煮物料理をする場合はまずシンク2内で野菜等を洗い汚れを落し、次にシンク2隣の電磁誘導加熱調理機器6上のスペースB20を作業スペースとして使い、まな板やボウルを置いて野菜や肉類をカットし、ボウル内に野菜を一次置きする。次の手順としては、まず肉類に火を通す事になるが、スペースA19部の電磁誘導加熱調理機器5の加熱部10または加熱部11または加熱部12を使い加熱調理を行う。肉類に十分火が通るまでの間は、ボウルに入った野菜はシンク2隣の電磁誘導加熱調理機器6上のスペースB20に仮置きしておく事になる。肉類に火が通り野菜を入れ軽く火を通し、水分を追加して味付けし煮込むのであるが、その際は鍋がシンク2と作業面で使ったシンク2隣接の電磁誘導加熱調理機器6上のスペースB20よりも離れた位置にあるので、引続き次の料理のための下準備が電磁誘導加熱調理機器6上のスペースB20を作業スペースとして続行出来る。
一例を挙げると、電磁誘導加熱機器5上では先ほどからの煮込み料理を続行中であるが、電磁誘導加熱機器6上のスペースB20を作業スペースとしてサラダ等を作るための野菜のカットなどがそこで行えることになる。よって2台の調理機器を備えているにも関らず、作業面を十分に確保したシステムキッチンを提供する事が出来る。
シンク2隣接の電磁誘導加熱調理機器6を使用する場合はパスタなどの麺類を茹でたりする事を想定している。シンク2に隣接しており、特に加熱部14は鍋の移動距離が従来のキッチンカウンターに比べ格段に少ないので、お湯をシンク2内にこぼす作業が図9にて表している従来のシステムキッチンに比べ容易である。
従来のシステムキッチンのようにシンクと加熱調理機器の中間に作業スペースがあり、シンクと加熱調理機器間の距離がある場合は、鍋をシンクまで運ぶ距離がどうしても大きくなってしまい、その作業スペースに調理途中の具材等が置いてある状況を想定すると、その具材よりも鍋を上に抱えて具材を避け、シンク方面へ移動するか、一旦後ろに下がり、具材が乗っている作業スペース上を避けるように移動しなければならず、非常に作業が面倒になってしまう。
【0015】
よって、野菜を切ったり、盛り付けをしたりなどの作業はスペースA19側またはスペースB20側の都合の良い方を使用し、調理する場合は、調理内容に応じ電磁誘導加熱調理機器5および6を選択でき、使用の用途に応じて使い分けの出来るキッチンカウンター1を備えたシステムキッチンを提供する事が出来る。
また、複数人で同時に調理を行いたい場合などにおいて、従来では1台の加熱調理機器で複数人での作業を行おうとした場合、加熱部同士の距離が図10のL6に示すようにおおよそ300mm程度の為、それぞれ左右の過熱部を使い2名で過熱調理を行う際には、お互いの腕や肩が当たり非常に作業が行いにくいのだが、本システムキッチンにおいて、1台の電磁誘導加熱調理機器のみでは従来通り、加熱部同士の距離はL6に示すように300mm程度だが、2台備えていることを特徴としているため、加熱部10と加熱部14の距離は従来の電磁誘導加熱調理機器の2倍以上は十分確保出来る。よって容易に複数人で調理をしてもお互いが邪魔になる事が無く調理が出来るようになり、作業性の向上につながり、快適な調理作業の出来るシステムキッチンを提供する事が出来る。
なお本実施例では電磁誘導加熱調理機器を2台用いた場合を示したが、1台であっても従来と比べると、加熱調理機器を使用していない時のスペースが広がるという利点を備えている。
【0016】
図2は第1の実施例から水栓金具3、キャビネット4を省き、正面から見た略図である。
電磁誘導加熱調理機器側面部21とシンク側面部22の距離がL4にて設置されていることを表す。本実施例ではL4を70mmとしているが、L4は200mm以下とする。またその距離が50mm以上であることによって、シンク2をカウンター1に取り付けた際の取り付け強度も確保出来るので更に有効である。
またL4を最大200mmまでとしているが、200mm以上となると電磁誘導加熱調理機器を設けていないシンク2に隣接した作業スペースが発生してしまうため、第一の実施例で説明している容易にゆで汁をこぼしたり等の、シンク2が電磁誘導加熱調理機器の近くにあって欲しい作業が従来のシステムキッチン同様に容易に出来なくなり、従来のシステムキッチンと同様の構成になってしまうからである。
【0017】
図3は第1の実施例であるシステムキッチンの間口が小さくなった場合をあらわす第2の実施例である。
1は耐熱性、電気絶縁性等を有するキッチンカウンターであり、裏面には電磁誘導加熱調理機器を備えることのできる矩形状のキッチンカウンター。2は1に開口部を儲け備え付けられたシンク、3は1キッチンカウンター1に備え付けられた水栓金具であり、4は1を載置する為に設けられたキャビネット。8および9はキッチンカウンター1裏面に配置された2台の電磁誘導加熱調理機器であり、電磁誘導加熱調理機器8は16の加熱部、17の加熱部と2つの加熱部を設けていることを特徴としている。電磁誘導加熱調理機器9は18の加熱部のみの加熱部を設けていることを特徴としている。
そして小さい間口のシステムキッチンとはL3にて表しているように1650mm〜1950mmの場合をあらわす。
本発明によるシステムキッチンによれば、電磁誘導加熱調理機器のある面についても作業スペースとして確保可能なため、従来の作業スペースよりも大きく作業スペースを確保できる。したがって十分な作業スペースを持ち合わせた間口1650mm〜1950mmのシステムキッチンを提供することが可能となる。
【0018】
図4は複数個の電磁誘導加熱調理機器を設けた場合に、機器の総消費電力を1台分に抑える場合の電気配線に関する概念を表している。
23は引き込み線を通じて屋内に入って来た電気を住宅内に分配するための装置である分電盤、24は契約アンペア数以上の電気が流れるとその電気を遮断するための装置であるサービスブレーカー、25は家電製品を使い過ぎ、多くの電気が流れた場合に電気を遮断するための安全ブレーカー、26は電化製品を使う為に屋内に設けられたコンセント、27は1個以上の電磁誘導加熱調理機器の総消費電力量を制御するための出力制御装置である。
従来、消費電力の大きい電気機器を複数個設置する場合は、分電盤からそれぞれ個々の安全ブレーカー25から専用線として配線する方法が一般的である。この場合は分電盤23のサービスブレーカー24の契約アンペア数一杯まで電力が使えるが、電磁誘導加熱調理機器は消費電力が4800W(または5800W)と大きい為、家屋によっては複数台を最大消費電力で使用した場合、電磁誘導加熱調理機器一台分の最大消費電力を4800W(または5800W)とすればそれだけで契約した電気容量一杯に使ってしまう事になる。(50Aの場合)
また分電盤23から安全ブレーカー25を介し、配線した先で複数の電磁誘導加熱調理機器を設けた場合にも同様の事が言える。
そこで途中に電磁誘導加熱調理機器5および6の使用電力を監視し、制御する装置である出力制御装置27を設けることによって複数台の電磁誘導加熱調理機器を設けていても、最大消費電力量は一台分4800W(または5800W)に収めることが出来る。すなわち出力制御装置27の役割について具体的に1例を挙げると、電磁誘導加熱調理機器5および6が2台設置されたシステムキッチンとした場合で、それぞれの電磁誘導加熱調理機器に、それぞれ火力を2000W、2000W、800Wとする3つの加熱部を設けていると仮定した場合、1台目の電磁誘導加熱調理機器5の加熱部を1ヶ所だけ使って2000Wで使用している場合、2台目の電磁誘導加熱調理機器6の加熱部を2ヶ所使おうとした場合は残り電力は2800Wとなる訳だが、2台目の電磁誘導加熱調理機器の2000W加熱部を2ヶ所使おうとした場合、総電力は6000Wとなってしまいオーバーしてしまう。このような場合、2台目の電磁誘導加熱調理機器6の電力割り当てを最大2800Wとして制御し、2000Wの加熱部の1つは2000W、もう1つの加熱部は最大800Wまで出力を制御する。ということである。
よって2台の電磁誘導加熱調理機器5および6を同時に使用しても、制御装置20によって最大消費電力量を4800W(または5800W)以下に出来るので、2台の電磁誘導加熱調理機器5および6の使用に対する総使用電力量を気にすることなく2台の電磁誘導加熱調理機器5および6を用い調理が出来るシステムキッチンを提供出来る。また、それぞれの電磁誘導過熱調理機器用に安全ブレーカー25、コンセント26を設ける必要はなく1配線で完結できるので、施工性の向上も提供できる。
【0019】
図5は図1の断面A―A部を側面から見た図を表している。
32は図1のキッチンカウンター1の断面であることをあらわすキッチンカウンター断面、33は電磁誘導加熱調理機器の断面であることをあわらす電磁誘導加熱調理機器断面、34は電磁誘導加熱調理機器5を取り付けるために設けられた部分であるキッチンカウンター薄肉部裏面28は電磁誘導加熱調理機器5をキッチンカウンター1裏面に密着させる為に締め付けを行う固定金具、29は固定金具28を締め付ける事によって電磁誘導加熱調理機器断面33の電磁誘導加熱調理機器取付面30をキッチンカウンター薄肉部裏面34と挟みこませて密着させるために設けている取付金具、30は電磁誘導加熱調理機器断面33を固定する為に設けられた電磁誘導加熱調理機器取付面、31は取付金具30をキッチンカウンター1裏面へ取り付けるための取付金具取付面である。
次に電磁誘導加熱調理機器のカウンター裏面への固定の方法について説明する。
まずは電磁誘導加熱調理機器5を電磁誘導加熱調理機器取付面30とキッチンカウンター薄肉部裏面34が合わさるような形に仮置きする。次に取付金具29を取付金具取付面31に設置し、取付金具29に付属の固定金具28を締め付けることによって、取付金具29がキッチンカウンター裏面に近づいて行き、キッチンカウンター1の電磁誘導加熱調理機器取付部であるキッチンカウンター薄肉部裏面34と電磁誘導加熱調理機器5の事実上の天面である電磁誘導加熱調理機器取付面30を密着させている。他の部位の電磁誘導加熱調理機器についても同様な固定方法を行っている。
【0020】
図6は3台の電磁誘導加熱調理機器5および6および7を備えた対面式システムキッチンの場合の図である。図に表すように紙面図中のキッチンカウンター1上部の長辺がダイニング側の部分に相当するのだが、そのダイニング側にも電磁誘導加熱調理機器7を設けている。従来の対面式システムキッチンで同様にダイニング側に加熱調理機器を設置すると、本来配膳スペースや食事を取ったり団欒をするはずのスペースが加熱調理機器を設置することによって阻害されてしまう。しかしながら本発明のシステムキッチンでは、電磁誘導加熱調理機器をキッチンカウンター1の裏面より設置されていることを特徴とするため、ダイニング側に加熱調理機器を配置しても団欒スペースは阻害される事は無い。また、ダイニング側にも加熱調理機器を有していることから、お互いに向き合って会話をしながら調理をする事も実現可能であり、更なる団欒も提供できることになる。
よってダイニング側に加熱調理機器を有している対面式のシステムキッチンで、従来の対面式システムキッチンの良い所、すなわち配膳のためのスペースや、団欒をキッチンでするためのスペースを損なうことなく、ダイニング側からも調理可能で、互いに向き合って会話を楽しみながら調理出来るシステムキッチンを提供することが出来る。
【0021】
図7はシンクを挟んで両側に電磁誘導加熱調理機器が設置された場合を表す第3の実施例である。
図7に表しているような従来のキッチンカウンターの場合は、必ずシンクの長手方向の左右どちらか一方にしか加熱調理機器が存在せず、システムキッチン購入時に右シンク仕様か左シンク使用か決めなければならない。実際の使い勝手において、使用者が加熱調理機器の位置が左右反対の仕様の方が良かった場合や、他の者が使う場合に左右逆勝手仕様が良い場合もあるが、従来このような状況に面した場合は対処のしようがなく、使いにくいまま使用することになる。本発明のシステムキッチンでは、電磁誘導過熱調理機器がキッチンカウンター1の裏面より設置されていることを特徴としているため、とのときの使用状況に合わせて、スペース19、スペース20を作業を行う面、調理を行う面を都度選択できる構成がとれることになる。
第3の実施例では電磁誘導加熱調理機器の左側、または右側のどちらか一方がシンク2の部分に対し隣接しているため、使用者にとって使いやすい方で加熱調理の作業を行う事が出来る。また、シンク2が中央にあり、図5にて説明した電磁誘導調理機器取付面30がシンク2の両端に存在するため、左右対称の構造となり、左右キッチンカウンター仕様が存在せず共通化されているので、キッチンカウンターの品番点数も従来の半分で済む事になる。よって左右の使い勝手を気にすることなく購入でき、また製造する側からとってもキッチンカウンターの物流在庫数を半減できるシステムキッチンを提供できる。また、電磁誘導加熱調理機器はシンク2の左右どちらか一方のみに取り付けるだけでも問題はない。したがって使用者の使い勝手に合わせプラン変更することができ大変有効である。
【0022】
次にこの第3実施例におけるキッチンカウンターへ、電磁誘導加熱調理機器の設置位置が左右方向であるcd間に対し、自由に選択して設置できることについて図8を用いて説明をおこなう。1は図7のキッチンカウンター1を裏面から見ているキッチンカウンター、6は電磁誘導加熱調理機器、35はキッチンカウンター1の裏面に設けられた取付部である。
従来のシステムキッチンにおいては、加熱調理機器の位置はキッチンカウンターに設けられた加熱調理機器取付用の開口穴に対して設置されるため、キッチンカウンター製造時にその位置は決っており、設置後実際に使用をした結果、もう少し左側に設置位置を変えた方がもっと使い勝手が上がると判断した場合、位置を変更するにはシステムキッチンを交換する以外には方法はなかった。
本発明のシステムキッチンでは、電磁誘導加熱調理機器をキッチンカウンター1の裏面より設置されていることを特徴としており、かつ、キッチンカウンター1の裏面に取付部35を図7のcd間に設けているため、施工時にcd間のcd方向で任意の位置に取付が可能である。また一度施工した後でも使用後の使い勝手が悪いので位置を変えたい場合、その位置をcd間内のcd方向であれば自由に変更することが可能である。
したがって、システムキッチン周りの配置プランのバリエーションが豊富になり、使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の複数の電磁誘導加熱調理機器を持つシステムキッチンを示す概略斜視図である。
【図2】本発明の電磁誘導加熱調理機器とシンクの設置位置の関係を示す概略図である。
【図3】本発明の複数の電磁誘導加熱調理機器を持つ間口1650mm〜1950mmのシステムキッチン示す概略斜視図である。
【図4】本発明の複数個の電磁誘導加熱調理機器を設けた場合に、機器の総消費電力を一台分に抑える場合の電気配線に関する概念図である。
【図5】本発明の電磁誘導加熱調理機器をキッチンカウンター裏面に固定していることをあらわす図1A−A部分の断面図である。
【図6】本発明の対面式システムキッチンの場合の、電磁誘導加熱調理機器の設置位置を表す概略斜視図である。
【図7】本発明の複数の電磁誘導加熱調理機器を持つ、中央にシンクを備えているシステムキッチンを示す概略斜視図である。
【図8】本発明の電磁誘導加熱調理機器を移動可能な移動部を備えたキッチンカウンターを表す図である。
【図9】従来のシステムキッチンを表す概略斜視図である。
【図10】従来の電磁誘導加熱調理機器を表す平面図である。
【符号の説明】
【0024】
1…キッチンカウンター
2…シンク
3…水栓金具
4…キャビネット
5…電磁誘導加熱調理機器
6…電磁誘導加熱調理機器
7…電磁誘導加熱調理機器
8…電磁誘導加熱調理機器
9…電磁誘導加熱調理機器
10…加熱部
11…加熱部
12…加熱部
13…加熱部
14…加熱部
15…加熱部
16…加熱部
17…加熱部
18…加熱部
19…スペース
20…スペース
21…電磁誘導加熱調理機器側面部
22…シンク側面部
23…分電盤
24…サービスブレーカー
25…安全ブレーカー
26…コンセント
27…出力制御装置
28…固定金具
29…取付金具
30…電磁誘導加熱調理機器取付面
31…取付金具取付面
32…キッチンカウンター断面
33…電磁誘導加熱調理機器断面
34…キッチンカウンター薄肉部裏面
35…取付部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般家屋用のシステムキッチンにおいて、前記システムキッチンのキッチンカウンター裏面に電磁誘導加熱調理機器を備えることを特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
前記電磁誘導加熱調理機器を複数備えることを特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項3】
前記複数の電磁誘導加熱調理機器が、前記システムキッチンの長手方向に並んで配置されることを特徴とする請求項2に記載のシステムキッチン。
【請求項4】
前記システムキッチンがシンクを備え、前記電磁誘導加熱調理機器の少なくとも一つが前記シンクの側面部に隣接することを特徴とする請求項2または3に記載のシステムキッチン。
【請求項5】
前記複数の電磁誘導加熱調理機器の使用時の総消費電力が1台分の最大出力以下であることを特徴とする請求項2乃至4いずれか1項に記載のシステムキッチン。
【請求項6】
前記システムキッチンのキッチンカウンター裏面に、前記電磁誘導加熱調理機器を移動可能な移動部を備えたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載のシステムキッチン。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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