説明

システムバスの構造

【課題】断熱・保温目的の材料自体の強度を徒に高めることなく、システムバス全体の構造的な強度を長期に亘って問題のないように構成するシステムバスの構造を提供する。
【解決手段】入浴者が入浴するための浴槽と、壁面を構成する壁パネルとを有するシステムバスの構造において、発泡プラスティックからなる断熱材により、上記浴槽下に設けられた底部と、該底部の延辺から上方に、上記浴槽上端近傍に設置された上記壁パネルの下端近傍まで延設された側壁とから形成された外側断熱層と、上記外側断熱層の底部下に位置し、該外側断熱層の荷重を受ける架台フレームと、該架台フレームから上方に延出し、壁面を構成する壁パネルの荷重を受ける支持材と、上記浴槽の裏面に取設された内側断熱層とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムバスの構造に係り、特に浴槽内に貯留された温水が浴槽裏面から放射されることを防止するシステムバスの保温構造に関する。また、本発明は、浴槽及び壁パネルの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
システムバス、或いはユニットバスの構造には数種類あるが、最も基本的でシンプルなものとしてハーフ構造がある。このハーフ構造は、洗い場付浴槽或いは洗い場一体型浴槽ともいわれ、図22に示すように、架台110の上に洗い場の床111と浴槽112とを一体で形成し、浴槽のリム上に壁パネル113を載置するものである。ハーフ構造は、このように非常に合理的かつシンプルな構成となっており、そのため低コストであるという長所を有するが、以下のような問題点がある。
【0003】
まず、図23に示すように、戸建て住宅に用いられると、浴槽112裏面が外気に直接晒されるので、浴槽112内の湯の温度が低下し易い。次に、浴槽112から万が一漏水があった場合、その水を回収できない。これは、2階以上の階に設けられたとき、特に問題となる。そして、浴槽112自体が構造体であり、形状の選択におけるバリエーションが乏しく、また、壁パネル113が浴槽112のリム上に載置されることから、浴槽の取り替えなどメンテナンスにおいても制限がある。
【0004】
これらの問題を解決した構造として、図24に示すような、二重防水パン構造(フルパン構造)がある。この二重防水パン構造は、床全面に架台110を介して敷設された防水パン114上に浴槽112を載置し、壁パネル113も防水パン114外縁上に周設されるものである。
【0005】
したがって、浴槽112裏面は、図25に示すように、防水パン114、壁パネル113及び浴槽112のエプロン115により囲繞されて外気に直接晒されない。そして、浴槽112下に防水層が形成されるので、万が一浴槽から漏水しても、防水パン114により回収される。また、浴槽112は、システムバスの構造体を構成するものではないので、形状の選択における自由度が高く、壁パネル113は防水パン114外縁上に立設されることから、浴槽112の取り替えが容易である。
【0006】
二重防水パン構造には、このようなメリットがあるとされているが、浴槽112が外気に直接晒されないにしても、それが必ずしも保温性に繋がらないのが現実である。すなわち、防水パン114は、防水性や構造上の強度の観点からFRP製のモノコック構造で構成され、壁材も鋼板等で構成されることが多く、どちらも保温性の高い材料ではない。そのため、浴槽112内の熱は、これら床や壁を簡単に貫流・伝導して、外部に放射されることになる。
【0007】
この問題を解決するため、浴槽の裏面形状に合わせて成型された複数の保温材を浴槽の裏面側に貼り付けて浴槽内部の湯の温度低下を防止したものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0008】
しかしながら、浴槽の裏面形状に合わせて成型した複数の保温材を浴槽の裏面側に貼り付ける方法は、保温材を製造する製造コストが必要になるばかりではなく、様々なタイプの浴槽に合わせた保温材が必要となって保温材のバリエーションが増えるため、当然に保温材を成型する型の制作費が嵩むことになる。
【0009】
また、発泡ウレタンの吹き付けや軟質シート状の保温材の貼り付けによる方法では、保温材の素材の材料費に加え、吹き付けや貼り付けに手間がかかり、生産性が大きく低下するという問題がある。
【特許文献1】特開平8−196458号公報
【特許文献2】特開平9−28599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、断熱・保温目的の材料自体の強度を徒に高めることなく、安価であるというハーフ構造のメリットを保ちつつ、システムバス全体の構造的な強度を長期に亘って問題のないように構成するシステムバスの保温構造を提供することを目的とするものである。
【0011】
本発明の他の目的は、斯かる保温構造を現実化させる浴槽及び壁パネルの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るシステムバスの構造は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、入浴者が入浴するための浴槽と、壁面を構成する壁パネルとを有するシステムバスの構造において、発泡プラスティックからなる断熱材により、上記浴槽下に設けられた底部と、該底部の延辺から上方に、上記浴槽上端近傍に設置された上記壁パネルの下端近傍まで延設された側壁とから形成された外側断熱層と、上記外側断熱層の底部下に位置し、該外側断熱層の荷重を受ける架台フレームと、該架台フレームから上方に延出し、壁面を構成する壁パネルの荷重を受ける支持材と、上記浴槽の裏面に取設された内側断熱層とを備える。
【0013】
前記壁パネルの荷重は、好適には、請求項2に記載したように、該壁パネル下辺両端直下に配設された前記支持材によって受けられ前記架台フレームに伝達される構成とすることが望ましい。
【0014】
より好適には、請求項3に記載したように、前記壁パネルは、下辺両端に立設された1の壁面中間部に位置する支柱及び2の壁面の交差部に位置するコーナー支柱により支持され、上記壁パネルの荷重は、上記支柱及びコーナー支柱直下に配設された前記支持材によって受けられ前記架台フレームに伝達されるものとすることも可能である。
【0015】
また、前記壁パネルの荷重は、好適には、請求項4に記載したように、2の壁面の交差部直下に配設された前記支持材によって受けられ前記架台フレームに伝達されるようにすることもできる。
【0016】
より好適には、請求項5に記載したように、前記壁パネルは、下辺両端に立設された1の壁面中間部に位置する支柱及び2の壁面の交差部に位置するコーナー支柱により支持され、上記壁パネルの荷重は、上記コーナー支柱直下に配設された前記支持材によって受けられ前記架台フレームに伝達されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るシステムバスの構造によれば、断熱・保温目的の材料自体の強度を徒に高めることなく、安価であるというハーフ構造のメリットを保ちつつ、システムバス全体の構造的な強度を長期に亘って問題のないように構成するシステムバスの構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るシステムバスの構造の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る保温構造を備えるシステムバスの1概要を示す分解斜視図である。本実施形態に示されたシステムバス1は、同図に示すように、洗い場2と浴槽載置部3とに大別される。また、システムバス1は、図示しない天井パネル、給水・給湯設備等も備えている。
【0019】
洗い場2は、FRP等の樹脂材によって一体的に形成された防水パン10により構成される。防水パン10の裏面には、図3に示すように、床面の強度を確保し撓みを防止するために縦横に幾筋もの補強リブ11が配置され、このリブの交差する位置に支持脚12が形成され、この支持脚に螺合された支持ボルト13を介して建築床Fに載置される。なお、建築床Fと防水パン10との間の距離が大きい場合には、支持脚11に替えてフレームに組まれた洗い場架台が採用されることもある。
【0020】
浴槽載置部3は、架台20、外側断熱層30、周辺フレーム40、エプロン50、浴槽60及び壁パネル70を備える。
【0021】
架台20は、建築床F上に載置され、上部に据え付けられる外側断熱層30、周辺フレーム40、エプロン50、浴槽60及び壁パネル70の荷重を直接又は間接に支持するものであり、架台フレーム21、連結部22、底板23、支持材24及び支持ボルト25等とから構成される。
【0022】
架台フレーム21は、角形鋼管やアングル材で形成されて、浴槽載置部3の四隅を連結し、底板23、連結部22、支持材24が取付られる架台20の主要部をなすものである。架台フレーム21の下面には支持ボルト25が螺合され、この支持ボルト25を介して建築床Fに載置される。
【0023】
連結部22は、架台フレーム21の、洗い場2に接する部材の両端から防水パン10の下面に延出するアーム状に形成され、架台20と防水パン10とを緊結する役目を果たすものである。なお、架台20と防水パン10とが接続する辺の中央下部には、浴槽7及び洗い場からの排水を集めて、図示しない配水管を経由して外部へと排出する排水ピット4が設けられる。
【0024】
底板23は、架台フレーム21の長手方向に横設される2部材間に架設された板材であり、この上に外側断熱層30が載置されて、その荷重を支持する。底板23は、図2に示すように、長手方向の両側面は上方に折曲されて、折曲部23aが形成される。この折曲部23aは、板材の撓みを防止するとともに、外側断熱層30に形成された溝30aに嵌合して、外側断熱層30の位置決めのガイドの役割も果たす。外側断熱層30は、後述するように重いものではないので、底板23は、薄板でよく、また、架台フレーム21で囲まれたエリア全体にある必要はなく、外側断熱層30を安定的に支持できる位置にあればよい。
【0025】
支持材24は、周辺フレーム40及びそれに載置される浴槽60や壁パネル70等の荷重を支持するために、架台フレーム21の四隅に立設された支柱であり、その本体は、下辺の辺長が上辺の辺長より大きい等脚台形状の厚板を左右対称に90度折曲して形成される。支持材24は、周辺フレーム40等の荷重を支えられる強度を有するものであれば形状は問わず、例えば、角形鋼管等であってもよい。しかしながら、図4(b)に示すように、外側断熱層30の欠損を最小限に抑えるためには、折板で構成されたものが好適である。
【0026】
支持材24本体の頂部には、図4に示すように、スリーブ24aが2片の接続片24bを介して支持材24本体に固設され、スリーブ24aの上方には、六角孔付止めねじ24dが螺嵌するねじ孔24cが穿設される。
【0027】
外側断熱層30は、略すり鉢状に形成された底部と、浴槽60の、エプロン50側を除く三つの側面においてこの底部から上方に延設される側壁とが一体になった筐体として形成される。排水ピット4の周囲には、隙間が生じないように、パッキン等の詰め物が施される。また、外側断熱層30は、架台20の上方から落とし込むようにして架台20の底板23上に載置されるので、支持材24のスリーブ24aを回避すべく、外側断熱層30の四隅には、上下に亘って欠切部30bが形成される。
【0028】
外側断熱層30は、プラスティック系の材料を発泡成形させた断熱材で形成される。中でも、発泡ポリプロピレン(EPP)は、粘りがあって容易に割れない、復元力があって潰れても戻る等の優れた特性を備えるので、外側断熱層30の材料として好適である。また、油類・有機溶剤・洗剤等に対する耐薬品性も高く、型成型も容易である。特に、15〜20倍程度の低発泡倍率のものは高剛性でありながら軽量でもある。
【0029】
発泡倍率15倍程度の発泡ポリエチレン(EPE)も、耐薬品性以外の性能は上記EPPに若干劣るものの、基本的には同傾向の性能を備え、材料単価がEPPに比べて安いというメリットがあり、外側断熱層30として十分使用可能である。
【0030】
倍率15〜20倍程度の発泡スチロール(EPS)は、最もポピュラーな発泡プラスティックであるが、硬度が高く剛性がある、粘りや復元力が弱く押せば潰れたり折れたりする等、こわさ・もろさがあり、構造部材として使うには難点がある。また、油類・有機溶剤・洗剤に対して弱いという短所もある。しかしながら、安価で成形しやすいという捨てがたい長所もあるので、弱点を補填する材料とのハイブリッド化(例えば、粘り・耐薬品性の高いシート材との組み合わせ)等により、実用化を図ることができる。
【0031】
周辺フレーム40は、浴槽60及び壁パネル70の荷重を受けるためのものであり、浴槽載置部3の四囲を囲むように設置される。周辺フレーム40の本体は、図4に示すように、角形鋼管等で形成され、その四隅下端には、短いロッド40aが凸設される。周辺フレーム40は、このロッド40aを支持材24のスリーブ24aに遊挿した後、六角孔付止めねじ24dをねじ孔24cに螺合させて、ロッド40aを側面から押圧することにより所定の位置に固定される。周辺フレーム40は、本発明の横架材を構成する。なお、斯かるねじ止めに用いられるドライバを挿通するために、外側断熱層30の四隅上端には、凹部30cが形成される。
【0032】
このように、周辺フレーム40は、外側断熱層30の上に当接して固定されるものの、荷重はすべて支持材24を介して架台20により支持され、外側断熱層30に伝達されることはない。これにより、外側断熱層30に構造上の強度を持たせる必要がなくなり、純粋に断熱性能のみを追求でき、発泡プラスティック系のような強度の弱い材料を使用することが可能となる。
【0033】
浴槽60には、その裏面ほぼ全域に亘って内側断熱層61が貼着される。内側断熱層61は、発泡プラスティック系の材料であり、様々な形状の浴槽に追従できるように柔軟性を持たせるため、例えば、発泡倍率を50倍程度の発泡ポリスチレン(EPS)シートが採用される。内側断熱層61は、外側断熱層30のように自立する必要がないので、このように発泡倍率を高めても問題はない。
【0034】
浴槽60の洗い場2側には、浴槽60の側方を覆うエプロン50が取り付けられる。エプロン50は、略長方形状を呈し、四周は、補強のために折り曲げられ、リブが形成される。エプロン50の上端は、浴槽60の上端のリム面60a下に取り外し可能に固定され、下端はそこから垂下して、図3に示すように、外側断熱層30の頂面に当接固定される。また、エプロン50の裏面には、外側断熱層30と同じ材料の断熱材が貼着される。
【0035】
エプロン50が取り付けられると、外側断熱層30と一体となり、浴槽60を完全に覆い包み、浴槽60に貼着された内側断熱層61との間に密閉された空気層Aが形成される。こうして、浴槽60は、内側断熱層61、空気層A及び外側断熱層30の三層からなる断熱層により、断熱される。なお、ここでいう「密閉された」とは、ある程度の気密性を有し、外部との熱の往来が十分に遮断される状態をいう。
【0036】
この場合、外側断熱層30を浴槽60の形状に合わせて成型し、外側断熱層30のみで断熱を行うことも考えられるが、材料費が嵩むことや、浴槽のタイプ毎にプレス成型するので、多種の型が必要となり経済的ではない。一方、内側断熱層61のみでは材料の性質上十分な厚みを確保することは困難である。この点、本発明のように密閉された空気層Aを形成した三層構造にすれば、これらの欠点を解消することができ、容易に十分な保温性能を得ることができる。
【0037】
また、外側断熱層30が高性能であり、空気層Aが確実に確保できれば、内側断熱層61がなくても、一定以上の保温性を備えることは可能である。
【0038】
さらに、風呂蓋を浴槽60上に載置すれば、湯面表面からシステムバス1の室内への熱の放射も遮られるので、浴槽60内の湯温の低下をさらに抑えることができる。この場合、図3に示すように、内部に断熱材を内包した風呂蓋5を採用すれば、保温力をさらに高めることができる。
【0039】
壁パネル70は、図4(b)に示すように、周辺フレーム40上に所定間隔を置いて立設された支柱75,75間に掛け渡されて装着される。支柱75は、ジョイナとも呼ばれる。このように壁パネル70は、浴槽60のリム60a上に載置されないことから、浴槽の取り替えなどメンテナンスも容易である。
【0040】
支柱75は、鋼板等をチャンネル状断面に折曲げ、両端部を各々更に内側に深く折曲げて折曲部を形成し、折曲部の傾斜面を傾斜部75a,75aとし、向い合う傾斜部75a,75a間を比較的大きな開口としたものである。壁パネル70は、互いに隣接する支柱75,75間(この図では一方の支柱75のみを示す)に取り付けられる。
【0041】
壁パネル70は、化粧金属板(塩化ビニル樹脂被膜鋼板など)等の表面材71と、表面材71を裏打ちする石膏ボード等の裏打ち材72とからなる。表面材71の左右両端は、背面方向(室外側)へ略J字形に折り曲げられ、弾性に富む弾性係止部71aとされている。そして、表面材71の上下両端は、背面方向(室外側)へ略L字形に折り曲げられ、載置片71bとされている。
【0042】
傾斜部75a,75a間にはパネルジョイナ76が取付けられている。パネルジョイナ76は、変形性と剛性とを兼ね備えた中硬質材であり、且つ、略Ω(オメガ)字状断面の長尺材である。弾性係止部71aは、支柱75の傾斜部75aにパネルジョイナ76を介して弾性係合されている。このため、弾性係止部71a,71aは支柱75,75に室内側から着脱可能である。
【0043】
本実施形態に係るシステムバス1は、このように浴槽60下部に防水パンがないことから、ハーフ構造をベースにしたものといえる。しかしながら、外側断熱層30が水密性を有することから、二重防水パン構造であるともいえる。したがって、比較的高価なFRP製等の防水パンに替えて、比較的安価な断熱材を採用することにより、ハーフ構造のものより若干のコストが追加されるだけで、十分な保温性に加え、防水機能をも備える構造を得ることができる。
【0044】
本実施形態に係るシステムバス1の保温構造は上記のように構成されており、以下その据え付け手順の概略について説明する。据え付けは、まず架台20をおおよその設置位置に載置することから行われる。次に、この架台20の連結部22に防水パン10を接続して一体とし、正確な位置決めを行い、レベルを調整した後、配水管等が接続される。
【0045】
続いて、4本の支持材24の間に外側断熱層30を落とし込む。このとき、外側断熱層30の溝30aが底板23の折曲部23aに嵌合させることにより、容易に所定の位置に設置することができる。
【0046】
そして、周辺フレーム40を支持材上に固設する。これは、周辺フレーム40のロッド40aを支持材24のスリーブ24aに遊挿した後、六角孔付止めねじ24dをねじ孔24cに螺合させて、ロッド40aを側面から押圧することにより行われる。
【0047】
周辺フレーム40が固設されると、支柱75を周辺フレーム40上の所定の位置に立設し、壁パネル70を支柱75,75間に掛け渡して建て込み、浴槽60を周辺フレーム40上に載置する。そして、エプロン50が取り付けられると、本実施形態における保温構造が完成する。その後、天井パネルや給水・給湯器具、照明器具等が取り付けられて、システムバス1の組立が完了する。
【0048】
次に、本実施形態に係る保温構造のメリットについて説明する。背景技術において説明した問題点を解決する保温構造として、まず、図5に示すようなものが考えられる。すなわち、背景技術で示した例のように浴槽60に保温材を貼着するのではなく、既存の二重防水パン構造の防水パン100上、浴槽60裏に位置する壁パネル70面、及びエプロン50裏面に断熱材101を敷設或いは貼着させるものである。
【0049】
しかしながら、この保温構造では、壁パネル70が防水パン外縁上から立設され、断熱材101裏に存在するため、断熱材101の厚みを十分に取れないきらいがある。そのため、浴槽60からの熱が断熱材101を貫流し易く、さらに、貫流した熱が壁パネル70に伝播して、壁パネル70全体から放熱する、所謂ヒートシンク効果が発生する。
【0050】
また、浴槽60裏面という目に付かない部分に、壁パネル70と断熱材101との2種類の部材を存在させることは、コスト面から見ても得策ではない。同様のことは、浴槽下面にも当てはまり、防水パンと断熱材との2種類の部材が存在することになる。
【0051】
このような問題を解決するものとして、図6に示すようなものが考えられる。すなわち、壁パネル70を浴槽60のリム60a近傍の高さから立設して、その下部の壁部分、及び浴槽下部分の通常目に付かない部分を、断熱性を有する構造材102で形成するものである。
【0052】
これらの断熱材は、発泡スチロール等の発泡系のプラスティックや、木毛セメント板等の、空気層を多く内包した繊維系の集積材料を使用することが多く、これらの材料に十分な水密性が備わっていれば、理論的には、二重防水パン方式と同等の水密性能を得ることができる上に、断熱性を得ることが可能である。
【0053】
しかしながら、これらの材料は材料強度が高くなく、浴槽60等の比較的大きな荷重が長期間かかり続けると、変形は免れない。構造材が変形すれば、システムバスの部屋そのものも歪み、重大な不具合が発生する。この問題を防止するためには、断熱性を有する構造材102に然るべき強度を持たせなければならず、例えば、強靱な表層で覆ったり、内部に強度がある部材を仕込んだりすることが必要となる。これでは当初の目的に反してむしろコストの上昇を招いてしまう。
【0054】
また、上記2例では、浴槽からの熱の放射は、直接空気層に接することになるが、やはり放熱体を第1次に断熱材で覆うことが保温には肝要である。
【0055】
本実施形態に係るシステムバスの構造では、架台20から立設された支持材23に浴槽60や壁パネル70の荷重を支持させ、外側断熱層30に荷重がかからない構造とすることにより、斯かる問題を解決している。また、浴槽60に第1次断熱層としての内側断熱層61を貼着し、密閉された空気層Aを介して第2次断熱層としての外側断熱層を配することにより、少ない材料で、厚さの大きい一層の断熱材を用いる場合と同等の高い断熱性を得ることができる。
【0056】
次に、本発明に係るシステムバスの構造の第2の実施形態について、図を参照して説明する。本実施の形態のシステムバス1Aの保温構造は、図7に示すように、周辺フレーム40に替えて浴槽60の四隅に支持片41を備える点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0057】
支持片41は、図8に示すように、プレート41a、リブ41b、及び支柱取付部41c,41cから構成され、浴槽60の載置部と支柱75の取付部との両方の役目を果たすものである。
【0058】
プレート41aは、浴槽60及び壁パネル70や支柱75、並びに浴槽内の湯や入浴者等の荷重を支えるのに十分な厚みを有する板材であり、支持材24Aの長ナット24eをボルト結合するためのボルト孔41dが穿設されている。なお、斯かる支持片41を取付可能とするために、支持材24Aは、スリーブ24aに替えて長ナット24eを備える。
【0059】
リブ41cは、プレート41aの裏面に垂設された略三角形の板材であり、図9(a)に示すように、上記荷重が支持片41にかかったときに、リブ41cの垂直な端部が長ナット24eの側面に当接して、プレート41の撓みを防止するものである。
【0060】
支柱取付部41bは、支柱75Aを取り付けるための部分であり、プレート41aから上方に突設する板材が裏面側へ180度折曲されて形成され、略中央にはねじ止めに供されるねじ孔41eが穿設される。この支柱取付部41bは、コーナーを対称軸として左右2カ所設けられる。
【0061】
支持片41は、図9(a)に示すように、外側断熱層30の立ち上がり30dが折曲された支柱取付部41cに挟入されるように長ナット24e上に載置され、ボルト42を用いて長ナット24eにボルト結合される。こうして支持片41が固定されると、支柱75Aが支柱取付部41cにねじ止めされる。
【0062】
壁パネル70は、図10に示すように、表面材71の弾性係止部71aが支柱75Aの傾斜部75a,75a間に嵌合されて装着される。また、浴槽60は、図9(a)に示すように、プレート41a上に載置される。
【0063】
ここで、本実施形態に係る壁パネル70の取付構造について説明する。通常の場合、一辺に載置される複数の壁パネル70は、図11(a)に示すように、端部に立設された支柱75Aと中間に立設された支柱75とにより保持されるものの、壁パネル70の下端は防水パンの壁載せ面103上に載置されることから、等分布荷重として計算される。これは、支柱を用いず壁パネル自体を相互に接続していく方法のものであっても同様である。
【0064】
そのため、その荷重を支える壁載せ面103には、相応の強度が必要とされ、防水パンの構成や製法を制約していた。
【0065】
しかしながら、本実施形態係る壁パネル70の取付構造では、図11(b)に示すように、一辺に載置される壁パネル70が2枚以下であれば、端部において支持材24Aの一点でその荷重が支持されると考えることができる。
【0066】
すなわち、壁パネル70は、その上部における天井パネル6の存在により面内方向の回転や面外(前後)方向の撓みはある程度抑えられるので、例えば中間部に横方向の補強材78で補強することにより、或いは、下部において面外方向の動きを抑えるガイド79を設けることにより、中間部において垂直方向の荷重を支える構造部材は不要となる。また、壁パネル間をジョイントする中間部の支柱も必須のものではなくなる。
【0067】
したがって、本実施形態におけるように、浴槽載置部3の四隅に設けられた支持片41のみによって壁パネル70の荷重を支持することは可能である。
【0068】
さらに、壁の構成が横方向の積み上げ方式の場合では、一辺に載置される壁パネルが浴室の端部から端部まで掛け渡されるため、図12に示すように、浴槽載置部3のエプロン50側の2本の支持材24A、支持片41も必須のものではなくなる。
【0069】
続いて、本発明に係るシステムバスの構造の第3の実施形態について、図を参照して説明する。本実施形態のシステムバス1Bの保温構造は、図13及び図14に示すように、二重防水パン構造が採用される点、及び外側断熱層が底部と側部とに分解可能である点で第2の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第2の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0070】
上述した第1及び第2の実施形態に係る保温構造が、ハーフ構造を原点とするのに対し、本実施形態は、二重防水パン構造を採用するため、支持材24Aは防水パン10Aから立設される。このように、二重防水パン構造を採用すれば、床成形用の型として既存のものが利用でき、新たに型を起こすコストがかからない。特に、既存のシステムバスに保温構造を追加することができるので、新設の場合のみならずリフォーム等においても採用できるという長所がある。
【0071】
また、外側断熱層30が、底部31、長辺方向側部32、及び短辺方向側部33,33に分解することができるので、取付時における振り回しが容易となる。この場合においても、壁パネル70及び浴槽60、並びに浴槽60内の湯や入浴者の荷重は、支持片41を介して支持材24Aにより支持されるので、底部31に浴槽60等の荷重がかかることはなく、長辺方向側部32、及び短辺方向側部33の上に壁パネル70が位置していても、長辺方向側部32、及び短辺方向側部33に壁パネル70の荷重がかかることはない。
【0072】
なお、浴槽60の脚下部分に、発泡プラスティック製の外側断熱層30に換えて、硬質な材料からなる荷重伝達片34を、FRP製防水パン10A上に載置すれば、従来の二重防水パン構造と同様に浴槽60の荷重を支持することになり、特に支持材24を設けなくてもよい。
【0073】
続いて、本発明に係るシステムバスの構造の第4の実施形態について、図を参照して説明する。本実施形態のシステムバス1Cの保温構造は、図15に概略を示すように、内側断熱層が浴槽側面保温材62及び浴槽底面保温材63とから構成される点で、また、壁側浴槽長辺中央にも支持材24が立設される点で第2の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第2の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0074】
浴槽側面保温材62は、外側断熱層30と同質の材料が、上下が開口し、側面は浴槽60の側面に密着可能な略長楕円筒状に成形される。そして、浴槽底面保温材63は、外側断熱層30と同質の材料が、開口した上面が浴槽60の底面に密着可能に、また、下面は外側断熱層30の上面に密接可能な略舟形に成形される。
【0075】
このように成形されることにより、浴槽底面保温材63と外側断熱層30とは、図16に示すように、隙間無く密着して据え付けられる。これにより、浴槽60の底部から架台20の底板23まで、断熱材が密実に設置され、高い保温性能を確保することができる。
【0076】
これにより、浴槽60、溜められた湯、及び入浴者の重量は、支持材24を介して伝達される外、二重の断熱層によっても分担して支持される。断熱層にかかる荷重は、従来の浴槽のように複数の浴槽脚で防水パン上に支持されるのではなく、面で支持されるので、単位面積当たりの荷重はそれほど大きくならず、EPPやEPE等であってもこの重量を支持することが十分可能である。そして、外側断熱層30及び浴槽底面保温材62全面で支持された荷重は、外側断熱層30裏面に当接する複数の底板23を介して建築床Fに伝達される。
【0077】
この場合、浴槽底面保温材63と外側断熱層30とが一体に成形されると、防水パンの大きさ、形状、及び浴槽のタイプが異なる毎に異なった断熱層を製作する必要が生じる。しかしながら、本実施形態のように、浴槽底面保温材63と外側断熱層30とが別個に形成されると、それぞれを適当に組み合わせることにより、複数の防水パンの大きさ、形状、及び浴槽のタイプに対応することができ、製作される断熱層の種類を減少させることが可能となる。
【0078】
次に、本実施形態のシステムバス1Cの、浴槽60及び壁パネル70の荷重支持について説明する。本実施形態においては、図17に示すように、5箇所に立設された支持材24のそれぞれの頂部に支持片が取設される。
【0079】
同図中Fで示す浴槽60のエプロン50側端部に位置する支持材24頂部には、支持片41Aがボルト42によりボルト接合される。この支持片41Aは、図18(a)に示すように、ステンレス鋼板等が折曲形成され、壁パネル載置部41gと、壁パネル支持部41fと、リム受け部41hとからなる。
【0080】
壁パネルが載置される壁パネル載置部41gから上方へ折曲された壁パネル支持部41fは、支柱75に背面から当接し、支柱75はこの壁パネル支持部41fにねじ止めされる。他方、リム受け部41hは、壁パネル載置部41gから段落ちしたクリップ状に折曲され、浴槽60のリム60a端部が係入される。このように、支持片41Aは、浴槽60の荷重支持と壁パネル70の立設との二つの機能を有する。
【0081】
同図中Hで示す壁側浴槽長辺中央に位置する支持材24頂部には、支持片41Cがボルト42によりボルト接合される。この支持片41Cは、支持片41A類似の形状を有し、支持片41A同様に、浴槽60の荷重支持と壁パネル70の立設との二つの機能を有する。なお、壁側浴槽長辺中央に位置する支持材24は、コーナー部に立設される支持材のように横断面をL字状に形成できないので、曲げモーメント等の力に対抗すべく角柱等で形成される。
【0082】
一方、同図中Gで示す壁パネル70が直交する位置に取設される支持片41Bは、第2の実施形態において示した支持片41と類似の形体を有し、斯かる支持片41Bに係合する形状に加工された支持材24にボルト接合される。しかしながら、そのプレート41Baは、支持片41のそれより小さく、外側断熱層30頂部より、浴槽60側へと突出しない。そのため、壁パネル70のみを支持し、浴槽60の荷重をささえるものではない。
【0083】
このように、浴槽60の荷重は、浴槽60のエプロン50側端部の支持片41A,41A、及び壁側浴槽長辺中央の支持片41Cの計3箇所で支持される。なお、図18(b)に、支持片41A等が存在しない位置での縦断面を示す。
【0084】
続いて、本発明に係るシステムバスの構造の第5の実施形態について、図19〜図21を参照して説明する。本実施形態のシステムバス1Dの保温構造は、図19に概略を示すように、架台20の内、エプロン50側端部に位置する支持材24と、壁側浴槽長辺中央に位置する支持材24を備えない代わりに外側断熱層30に荷重伝達片34が備えられ、且つ新たに外側断熱層30の頂部に壁受け材44が横設された点で、第4の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第2の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。また、壁パネルは、大型パネルまたは横積み形式の採用により、中間部に支柱75を必要としないものとなっている。
【0085】
図19及び図20に示すように、浴槽底面保温材63の、浴槽脚60bが位置する部位には、貫通孔63aが設けられ、この貫通孔63a内に挿入された浴槽脚60bは、外側断熱層30の対応する位置に設けられた硬質な荷重伝達片34上に載置される。そして、この荷重は、底板23を経由して建築床Fに伝達される。
【0086】
この構成により、4〜5カ所の浴槽脚60aと荷重伝達片34との間にライナーを挿入するだけで、容易に浴槽のレベル調整を行うことが可能となる。また、断熱層が荷重を支持することがないので、外側断熱材30と浴槽側面保温材62及び浴槽底面保温材63との間に空気層を設けることができるので、断熱性能を下げることなく断熱材の厚さを薄くすることもできる。
【0087】
次に、本実施形態のシステムバス1Dの、浴槽60及び壁パネル70の荷重支持について説明する。本実施形態においては、図19に示すように、外側断熱材30の頂部略全長に亘って、直線状の壁受け材44が横設され、この壁受け材44は、壁パネル70が直交するコーナーにおいて壁受け材44Aにより接続される。
【0088】
この横設材44は、硬質樹脂や金属の押出し材から形成され、図21(b)に示すように、壁パネル載置部44aと、壁パネル支持部44bと、外嵌部44cとからなる。
【0089】
壁パネルが載置される壁パネル載置部44aから上方へ延出した壁パネル支持部44bは、壁パネル70に背面から当接する。他方、外嵌部44cは、壁パネル載置部44aの裏面と壁パネル載置部44aの両端から下方へ延出する2枚の側板とで構成され、外側断熱材30の頂部に外嵌し接着、はめあい嵌合、またはねじ46によりねじ止めされる。これにより、破損し易い外側断熱材30の頂部が保護されるとともに、そりや変形が生じやすいこの部分のそりや変形が防止される。
【0090】
図21(a)は、リム受け材47がある部分の壁受け材44を示すものである。リム受け材47は、図19に示すように、第4の実施形態におけると同様、計5箇所に取設される。
【0091】
リム受け材47は、ステンレス鋼板等が折曲形成され、固定部47aと、壁パネル支持部47bと、リム受け部47cとに分けられる。固定部47aは、壁受け材44の外嵌部44cに当接され、外嵌部44cとともに外側断熱材30にねじ止めされて、リム受け材47を固定する。
【0092】
リム受け材47の壁パネル支持部47bは、壁受け材44の壁パネル支持部44bとで壁パネル70を挟持し、これらをねじ45が連通嵌挿することにより壁パネルが固定される。リム受け部47は、壁パネル70との間にできる空間に浴槽60のリム60a端部が係入されて、浴槽を所定の位置に固定する。この構成によれば、壁パネル70は、ねじ止めされるので、より強固に壁パネル70が固定される。
【0093】
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明に係るシステムバスの構造の第1の実施形態の概要を示す分解斜視図。
【図2】第1の実施形態に係るシステムバスの構造の浴槽長手方向縦断面図。
【図3】第1の実施形態に係るシステムバスの構造の浴槽短手方向縦断面図。
【図4】支持材、周辺フレーム、外側断熱層及び壁パネルの取り合いを説明する図であって、(a)はコーナー部縦断面図、(b)は(a)のB−B矢視図。
【図5】従来の保温構造の改良保温構造を例示する図。
【図6】従来の保温構造の他の改良保温構造を例示する図。
【図7】本発明に係るシステムバスの構造の第2の実施形態の概要を示す分解斜視図。
【図8】支持片の詳細を示す図。
【図9】支持材、支持片、外側断熱層及び壁パネルの取り合いを説明する図であって、(a)はコーナー部縦断面図、(b)は(a)のD−D矢視図。
【図10】図9(a)のE−E矢視図。
【図11】システムバスの壁支持構造の概念を模式的に説明する図であって、(a)は従来構造を、(b)は本実施形態における壁支持構造をそれぞれ説明する図。
【図12】本発明に係るシステムバスの壁パネル取付構造の変形例の概要を示す図。
【図13】本発明に係るシステムバスの構造の第3の実施形態の概要を示す分解斜視図。
【図14】第3の実施形態に係るシステムバスの構造の浴槽短手方向縦断面図。
【図15】第4の実施形態に係るシステムバスの構造の概要を示す分解斜視図。
【図16】第4の実施形態に係るシステムバスの構造の浴槽短手方向縦断面図。
【図17】第4の実施形態に係るリム受け構造を示す図。
【図18】第4の実施形態に係る壁パネルの支持構造の詳細を示す図であり、(a)はリム受け部、(b)はその他の部分を示す図。
【図19】第5の実施形に係るシステムバスの構造態の概要を示す分解斜視図。
【図20】第5の実施形態に係るシステムバスの構造の浴槽短手方向縦断面図。
【図21】第5の実施形態に係る壁パネルの支持構造の詳細を示す図であり、(a)はリム受け部、(b)はその他の部分を示す図。
【図22】ハーフ構造の概要を説明する斜視図。
【図23】従来の浴槽の放熱を説明する断面図。
【図24】従来の二重防水パン構造の概要を説明する分解斜視図。
【図25】従来の二重防水パン構造の概略構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0095】
1,1A,1B,1C,1D システムバス
2 洗い場
3 浴槽載置部
4 排水ピット
5 風呂蓋
6 天井パネル
10,10A 防水パン
11 補強リブ
12 支持脚
13 支持ボルト
20 架台
21 架台フレーム
22 連結部
23 底板
23a 折曲部
24 支持材
24a スリーブ
24b 接続片
24c ねじ孔
24d 六角孔付止めねじ
24e 長ナット
25 支持ボルト
30 外側断熱層
30a 溝
30b 欠切部
30c 凹部
30d 立ち上がり
31 底部
32 長辺方向側部
33 短辺方向側部
34 荷重伝達片
40 周辺フレーム
40a ロッド
41,41A,41B,41C 支持片
41a プレート
41b 支柱取付部
41c リブ
41d ボルト孔
41e ルーズホール
41f 壁パネル支持部
41g 壁パネル載置部
41h リム受け部
42 ボルト
43,45,46 ねじ
44,44A 壁受け材
44a 壁パネル載置部
44b 壁パネル支持部
44c 外嵌部
45,46 ねじ
47 リム受け材
47a 固定部
47b 壁パネル支持部
47c リム受け部
50 エプロン
60 浴槽
60a リム
60b 浴槽脚
61 内側断熱層
62 浴槽側面保温材
63 浴槽底面保温材
63a 貫通孔
70,70A 壁パネル
71 表面材
71a 弾性係止部
71b 載置片
72 裏打ち材
73 パッキン
75,75A 支柱
75a 傾斜部
76 パネルジョイナ
78 補強材
79 ガイド
A 空気層
F 建築床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入浴者が入浴するための浴槽と、壁面を構成する壁パネルとを有するシステムバスの構造において、
発泡プラスティックからなる断熱材により、上記浴槽下に設けられた底部と、該底部の延辺から上方に、上記浴槽上端近傍に設置された上記壁パネルの下端近傍まで延設された側壁とから形成された外側断熱層と、
上記外側断熱層の底部下に位置し、該外側断熱層の荷重を受ける架台フレームと、
該架台フレームから上方に延出し、壁面を構成する壁パネルの荷重を受ける支持材と、
上記浴槽の裏面に取設された内側断熱層と、
を備えることを特徴とするシステムバスの構造。
【請求項2】
前記壁パネルの荷重は、該壁パネル下辺両端直下に配設された前記支持材によって受けられ前記架台フレームに伝達されることを特徴とする請求項1記載のシステムバスの構造。
【請求項3】
前記壁パネルは、下辺両端に立設された1の壁面中間部に位置する支柱及び2の壁面の交差部に位置するコーナー支柱により支持され、上記壁パネルの荷重は、上記支柱及びコーナー支柱直下に配設された前記支持材によって受けられ前記架台フレームに伝達されることを特徴とする請求項1記載のシステムバスの構造。
【請求項4】
前記壁パネルの荷重は、2の壁面の交差部直下に配設された前記支持材によって受けられ前記架台フレームに伝達されることを特徴とする請求項1記載のシステムバスの構造。
【請求項5】
前記壁パネルは、下辺両端に立設された1の壁面中間部に位置する支柱及び2の壁面の交差部に位置するコーナー支柱により支持され、上記壁パネルの荷重は、上記コーナー支柱直下に配設された前記支持材によって受けられ前記架台フレームに伝達されることを特徴とする請求項1記載のシステムバスの構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−29077(P2006−29077A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272984(P2005−272984)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【分割の表示】特願2004−224553(P2004−224553)の分割
【原出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】