シミュレーション方法、画像形成装置およびプログラム
【課題】巻癖の程度や搬送経路を容易に得られるようにする。
【解決手段】ユーザが、シミュレーション装置においてリスト状に表示された複数経路のいずれかをダブルクリックする操作を行うと、クリックされた経路が搬送経路の生成に使用される経路として選択される。次に、ユーザが経路生成の開始を指示すると、シミュレーション装置10は、選択された経路の曲率変化をRAM104に格納し、RAM104に格納した曲率変化を合成する。そして、シミュレーション装置10は、記録媒体を搬送した時に合成結果の曲率変化となる搬送経路を生成して表示部107に表示する。
【解決手段】ユーザが、シミュレーション装置においてリスト状に表示された複数経路のいずれかをダブルクリックする操作を行うと、クリックされた経路が搬送経路の生成に使用される経路として選択される。次に、ユーザが経路生成の開始を指示すると、シミュレーション装置10は、選択された経路の曲率変化をRAM104に格納し、RAM104に格納した曲率変化を合成する。そして、シミュレーション装置10は、記録媒体を搬送した時に合成結果の曲率変化となる搬送経路を生成して表示部107に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、シミュレーション方法、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において画像形成に使用されるPPC(Plain Paper Copier)用紙などの記録媒体は、温度変化や含水量の変化などの環境条件の変化によって状態が変化することが知られている。例えば、記録媒体は含水量が減ると収縮するが、表と裏で組成構造に違いがあるため、定着器などの高温環境下を通過して含水量が減ると、表側と裏側とで収縮量が異なることとなり、定着器を通過したあとで巻癖が生じる。また、搬送経路中において搬送方向を変えられる際にも、記録媒体が曲げられて巻癖が生じる。
【0003】
画像形成装置の設計段階においては、画像形成装置から記録媒体が出力された時に記録媒体に巻癖が生じないように搬送経路は設計されるが、設計段階において試作を行って搬送経路を検討することは、工数および費用も掛かるため、例えば特許文献1に開示されているように、搬送経路の最適設計を容易に行えるようにする技術が考案されている。特許文献1に開示されているシミュレーション装置では、設計者が搬送ローラ、円弧の搬送ガイド、直線の搬送ガイドなどのグラフィック画像を表示画面上で配置し、記録媒体や搬送経路の条件を設定してシミュレーションを実行すると、記録媒体の挙動が可視化され、記録媒体の巻癖が表現される。
【0004】
【特許文献1】特開2005−346500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているシミュレーション装置によれば、設計者がローラやガイドを配置すれば、画像形成装置から出力される記録媒体の巻癖が表現されるが、巻癖を少なくするためには、設計者がローラやガイドの配置位置などを試行錯誤して検討する必要がある。
そこで、本発明の目的は、巻癖の程度や搬送経路を容易に得られるようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明は、搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップとを有するシミュレーション方法を提供する。
【0007】
本発明においては、前記曲率変化取得ステップは、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の曲率変化を、各搬送経路の形状から演算により求めてもよい。
また、本発明においては、前記曲率変化取得ステップは、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の曲率変化を、各該搬送経路の形状と前記記録媒体の搬送速度に基づいて求めてもよい。
また、本発明においては、前記曲率変化合成ステップは、曲率変化を合成する際に曲率変化の時間軸を同一にして合成してもよい。
【0008】
また、本発明は、上記搬送経路生成ステップで得られた搬送経路を有する画像形成装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップとを有するシミュレーション方法を提供する。
【0010】
本発明においては、前記残留曲率合成ステップは、前記残留曲率取得ステップで得られた搬送経路毎の残留曲率を加算してもよい。
また、本発明においては、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の残留曲率を、各搬送経路の形状から演算により求めてもよい。
【0011】
また、本発明は、排出する記録媒体の残留曲率が上記シミュレーション方法の残留曲率合成ステップで得られた残留曲率となる画像形成装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと、搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップとを有するシミュレーション方法を提供する。
【0013】
また、本発明は、記録媒体が通過するときに時間経過に応じて変化する記録媒体の曲率変化が上記シミュレーション方法の搬送経路生成ステップで得られた搬送経路を有し、排出する記録媒体の残留曲率が上記シミュレーション方法の残留曲率合成ステップで得られた残留曲率となる画像形成装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに、搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップとを実行させるプログラムを提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータに、搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップとを実行させるプログラムを提供する。
【0016】
また、本発明は、コンピュータに、搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと、搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップとを実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、巻癖の程度や理想的な搬送経路を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[実施形態の構成]
(ハードウェア構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るシミュレーション装置10のハードウェア構成を示した図である。シミュレーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種プログラムを記憶した記憶部を備え、記憶部に記憶されたプログラムに従ってデータ処理、演算処理、画面表示などを行う、所謂コンピュータ装置である。
【0019】
図1に示したように、シミュレーション装置10の各部はバス101に接続されており、このバス101を介して各部間でデータやメッセージの授受を行う。
操作部106は、キーボードやマウス等、シミュレーション装置10を操作するための入力装置を備えている。シミュレーション装置10のユーザがこれらの入力装置を操作することにより、シミュレーション装置10に対する各種入力や各種設定が行われる。
表示部107は、例えば表示デバイスである液晶ディスプレイを有しており、CPU102の制御の下、シミュレーション装置10を操作するための各種画面や、メッセージ等を表示する。なお、表示デバイスは液晶ディスプレイに限定されるものではなく、CRT(Cathode Ray Tube)やEL(Electro Luminescence)ディスプレイ等、他の表示デバイスであってもよい。
【0020】
記憶部105は、各種プログラムや各種情報を永続的に記憶する装置として、ハードディスク装置を具備しており、キーボード入力や画面表示といった各種入出力機能や記憶部105の制御など、コンピュータ装置においてプログラムが共通して利用する基本的機能を実現するOS(Operating System)の機能をコンピュータ装置上に実現させるOSプログラムを記憶している。また、記憶部105は、画像形成装置の搬送経路のシミュレーションを行う機能を実現する搬送経路プログラムを記憶している。また、記憶部105は、搬送経路プログラムが使用する搬送経路のグラフィック画像を表す経路画像情報と、経路画像情報が表す搬送経路に対応した曲率変化情報と、搬送経路プログラムが使用するテーブルTBを記憶している。
ここでは曲率変化情報は、対応する経路画像情報が表す経路に記録媒体の中央部が入ってから経過した時間と各時間における記録媒体の中央部の曲率とが対応付けられた情報である。例えば、図2(a)に示した搬送経路の場合、記録媒体が搬送経路を通過すると、記録媒体の中央部分は図2(b)に示したように時間の経過とともに曲率が変化する。また、図2(c)に示した搬送経路の場合、記録媒体が搬送経路を通過すると、記録媒体の中央部分は図2(d)に示したように時間の経過とともに曲率が変化する。曲率変化情報は、この図2(b)や図2(d)に示したグラフを表す情報である。なお、本実施形態においては、曲率変化情報は、記録媒体の中央部が入ってから経過した時間と各時間における記録媒体の中央部の曲率とが対応付けられた情報となっているが、例えば、中央部から所定距離離れた特定箇所が経路に入ってからの時間と、各時間における記録媒体の特定箇所の曲率とが対応付けられた情報であってもよい。
【0021】
テーブルTBは、経路画像情報を一意に識別する経路識別子と、経路画像情報が表す搬送経路に対応した曲率変化情報を一意に識別する曲率情報識別子と、経路画像情報が表す搬送経路を記録媒体が通過した後に記録媒体に残る巻癖の曲率(以下、残留曲率という)とを対応付けて格納したテーブルであり、図3に示したフォーマットとなっている。例えば、経路識別子が「002」である経路画像情報に対応した曲率変化情報の曲率情報識別子が「K002」である場合、図3に示したように、「002」と「K002」が同じレコードに格納される。また、経路識別子が「002」である経路画像情報が表す経路を通過した後の記録媒体の残留曲率が「−3.3[1/m]」である場合、図3に示したように、「002」と「−3.3[1/m]」が同じレコードに格納される。なお、本実施形態においては、残留曲率の符号に関しては、経路を通過した後に記録媒体の搬送方向の左側に凸になるように記録媒体に巻癖がつく場合には、残留曲率はプラスで表され、経路を通過した後に記録媒体の搬送方向の右側に凸になるように記録媒体に巻癖がつく場合には、残留曲率はマイナスで表されている。
【0022】
ROM103は、IPL(Initial Program Loader)を記憶している。シミュレーション装置10の電源が投入されると、CPU102はROM103からIPLを読み出して起動する。CPU102によりIPLが起動されると、記憶部105に記憶されているOSプログラムが読み出されて実行され、入出力機能や記憶部105の制御等、コンピュータ装置としての基本的な機能が実現する。そして、OSプログラムが起動されると、シミュレーション装置10においては、記憶部105に記憶されているプログラムを実行することが可能となり、搬送経路プログラムが実行されると、画像形成装置の搬送経路をシミュレーションする機能がシミュレーション装置10において実現する。
【0023】
(機能構成)
次に搬送経路プログラムが実行されることによりシミュレーション装置10において実現する各種機能について説明する。図4は、搬送経路プログラムを実行することによりシミュレーション装置10において実現する機能の構成を示した機能ブロック図である。搬送経路プログラムが実行されると、図4に示したように、経路リスト表示機能110、経路抽出機能120、曲率合成機能130、経路生成機能140および経路表示機能150が実現する。
【0024】
経路リスト表示機能110は、経路画像情報が表す画像をリスト状に表示する機能であり、記憶部105に記憶されている経路画像情報が表す搬送経路をリスト状に表示する機能である。
経路抽出機能120は、経路リスト表示機能110によりリスト状に表示された複数の搬送経路の中から、ユーザが操作部106に行った操作に応じて、ユーザが選択した搬送経路を特定して記憶する機能である。
曲率合成機能130は、経路抽出機能120で特定された各搬送経路に対応した曲率変化情報や残留曲率を合成する機能である。
経路生成機能140は、曲率合成機能130で曲率変化情報を合成して得られた結果から搬送経路を生成する機能である。
経路表示機能150は、経路生成機能140で得られた搬送経路や曲率合成機能130で得られた残留曲率を表示部107に表示させる機能である。
【0025】
シミュレーション装置10において搬送経路プログラムが実行されることにより、上述した各機能が実現すると、ユーザは、シミュレーション装置10を操作して画像形成装置における搬送経路を生成することが可能となり、生成された搬送経路を記録媒体が通過した後に記録媒体に残る残留曲率を得ることができる。
【0026】
[実施形態の動作]
次に、シミュレーション装置10の動作について説明する。まず、シミュレーション装置10のユーザが操作部106を操作し、搬送経路プログラムの実行を指示する操作を行うと、CPU102は記憶部105から搬送経路プログラムを読み出して実行する。CPU102により搬送経路プログラムが実行されると、表示部107が制御されて図6に例示したように、搬送経路やシミュレーション結果を表示する表示領域A1や各種ボタンB1,B2を備えたシミュレーション画面が表示部107に表示される(図5:ステップS1)。
【0027】
図6に示した画面が表示されている状態において、ユーザが操作部106を操作し、画面中の経路リスト表示ボタンB1をクリックする操作を行うと、記憶部105に記憶されている経路画像情報に基づいて、図7に示したように複数の経路がリスト状に並べられた経路リストが表示領域A1内に表示される(ステップS2)。なお、経路リストにおいては、表示された経路の経路画像情報を一意に識別する経路識別子も各経路に対応付けられて表示領域A1内に表示される。
【0028】
次に、ユーザが操作部106を操作し、経路リストに表示された経路をクリックする操作を行って経路を選択した後、選択した経路をダブルクリックする操作を行うと、クリックされた経路が搬送経路の生成に使用される経路として抽出され、この経路を表す経路識別子がRAM104に格納される(ステップS3)。例えば、図7において経路識別子が「002」である経路および経路識別子が「003」である経路について各経路をクリックした後にダブルクリックする操作が行われると、経路識別子「002」と経路識別子「003」とがRAM104に格納される。
【0029】
次に、ユーザが操作部106を操作し、画面中に表示されている経路生成開始ボタンB2をクリックする操作を行うと、シミュレーション装置10は、選択された経路を合成して搬送経路を生成し、生成した経路を通過した記録媒体の残留曲率を求める。
【0030】
具体的には、まず、シミュレーション装置10は、選択された経路の識別子に対応付けてテーブルTBに記憶されている曲率情報識別子を読み出し、この読み出した識別子で特定される曲率変化情報を記憶部105から読み出してRAM104に格納する。例えば、識別子が「002」である識別子の場合、この識別子に対応付けてテーブルTBに格納されている曲率情報識別子「K002」が読み出され、この識別子で特定される曲率変化情報がRAM104に格納される。また、識別子が「003」である識別子の場合、この識別子に対応付けてテーブルTBに格納されている曲率情報識別子「K003」が読み出され、この識別子で特定される曲率変化情報がRAM104に格納される。
【0031】
シミュレーション装置10は、選択された経路の曲率変化情報をRAM104に格納すると、次に、RAM104に格納した曲率変化情報を合成する(ステップS4)。具体的には、シミュレーション装置10は、各曲率変化情報が表す曲率変化のグラフを合成する。例えば、曲率情報識別子が「K002」である曲率変化情報が図2(b)に示した曲率変化を表しており、曲率情報識別子が「K003」である曲率変化情報が図2(d)に示した曲率変化を表している場合、図2(b)のグラフと図2(d)のグラフの時間軸を同一にして合成し、その結果、図8(a)に示したグラフを得る。
【0032】
次にシミュレーション装置10は、図8(a)の曲率変化のグラフを基に、図8(a)のグラフで示したように記録媒体の中央部の曲率が変化する搬送経路を生成する(ステップS5)。図8(a)のグラフの場合、グラフ中の時点t1から時点t2までの区間においては、曲率がプラスとなっているため、図8(a)の時点t1から時点t2までの区間に対応して図8(b)中の経路R1が生成される。また、時点t2から時点t3までの区間においては、時点t1〜時点t2までの間より曲率が大きくなるため、時点t2から時点t3までの区間に対応して時点t1における曲がりより曲がりの大きい、図8(b)中の経路R2が生成される。次に、時点t3から時点t4までの区間においては、曲率がマイナスになるため、時点t3から時点t4までの区間に対応して図8(b)中の経路R3が生成される。そして、時点t4から時点t5までの区間においては、曲率がプラスになるため、時点t4から時点t5までの区間に対応して図8(b)中の経路R4が生成される。
【0033】
シミュレーション装置10は、図8(b)に示した経路を生成すると、搬送経路が図8(b)に示した経路となるように搬送ロールや搬送ガイドを配置した搬送経路(図8(c))を生成し、生成した搬送経路を表示領域A1に表示する(ステップS6)。また、シミュレーション装置10は、RAM104に格納された経路識別子に対応付けてテーブルTBに格納されている残留曲率を読み出す。そして、読み出した残留曲率を加算(合成)し(ステップS7)、加算結果を表示した搬送経路を通過した後の記録媒体の中央部の残留曲率とし、加算の結果を図9に示したように生成した搬送経路とともに表示領域A2に表示する(ステップS8)。
例えば、選択された経路リストから経路識別子「002」と「003」の経路がユーザにより選択された場合、テーブルTBから残留曲率「−3.3[1/m]」と残留曲率「−1.0[1/m]」が読み出される。そして、図9に示した搬送経路に搬送される前の記録媒体の残留曲率が0[1/m]である場合、−3.3[1/m]と−1.0[1/m]とが加算され、−4.3[1/m]という結果が得られる。そして、この結果が、生成された搬送経路を通過した後の記録媒体の残留曲率として表示される。
【0034】
このように本実施形態においては、複数の搬送経路における曲率の変化情報を合成することにより、搬送経路を合成した搬送経路が得られる。また、選択された搬送経路を通過した後の記録媒体の残留曲率を合成することにより、合成された搬送経路を通過した後の記録媒体の残留曲率を得ることができる。
【0035】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。また、各変形例を組み合わせて本発明を実施してもよい。
【0036】
上述した実施形態においては、選択される経路毎に曲率変化情報が予め対応付けられているが、選択された経路を通過する記録媒体の曲率の変化を、選択された経路を解析して算出し、曲率変化情報を得るようにしてもよい。また、搬送経路を搬送される記録媒体の温度や含水量、材質、記録媒体の搬送速度を表示画面上でユーザが設定するようにしてもよい。また、このように、記録媒体の材質や温度、含水量、搬送速度を設定する構成においては、上述したように曲率変化情報を生成する場合、設定された材質や温度、含水量、搬送速度を加味して曲率変化情報を生成するようにしてもよい。記録媒体の曲率は、記録媒体の温度や含水量、材質、搬送速度が異なると異なる値となるため、このように、記録媒体について細かな設定を行うと、より正確に記録媒体の曲率を得ることができる。
【0037】
上述した実施形態においては、生成された搬送経路と、生成された搬送経路を通過した後の記録媒体の中央部の残留曲率とが共に表示されるが、生成された搬送経路のみを表示するようにしてもよいし、生成された搬送経路を通過した後の記録媒体の中央部の残留曲率のみを表示するようにしてもよい。
。
【0038】
搬送経路プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD、DVD)に記録され、この記録媒体から読み出されてシミュレーション装置10にインストールされてもよく、また、外部の装置に搬送経路プログラムを記憶させておき、無線または有線の通信を行うことにより外部の装置から搬送経路プログラムと各種情報を受信してインストールするようにしてもよい。
【0039】
上述した実施形態においては、搬送経路を生成する機能はコンピュータ装置において実現されているが、搬送経路を生成する機能は上述したシミュレーション装置以外の装置で実現されるようにしてもよい。例えば、画像を記録媒体に形成する画像形成装置において、搬送経路を生成する機能を実現するようにしてもよい。図10は、本発明の変形例に係る画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0040】
図10に示したように、画像形成装置20の各部はバス201に接続されており、このバス201を介して各部間でデータやメッセージの授受を行う。
液晶ディスプレイ207は、CPU202の制御の下、各種画面や各種メッセージ等を表示する。操作部206は、スタートキー、メニュー画面を液晶ディスプレイに表示させるためのメニューキー、テンキーや矢印キー等、画像形成装置20を操作するための各種キーを備えている。また、操作部206は、液晶ディスプレイ207の表示画面を覆うタッチパネルを備えている。ユーザがこれらのキーを操作したり、タッチパネルに触れたりすることにより、画像形成装置20に対する各種指示の入力や画像形成装置の各種設定が行われる。
【0041】
画像入力部208は、読取制御部208A、自動原稿送り部208B、センサ部208C、読取部208D、および画像生成部208Eを備えている。
自動原稿送り部208Bは、自動原稿送り部208Bにセットされた複数枚の文書を一枚ずつ分離して読取部208Dへ搬送するものである。
読取部208Dは、自動原稿送り部208Bによって読取部208Dに搬送された文書に光を照射し、文書で反射した光をCCD(Charge Coupled Device)により検出し、CCDで検出した光に応じた信号を画像生成部208Eへ出力する。
画像生成部208Eは、読取部208Dから入力される信号に基づいて光が照射された文書の画像を表す文書画像データを生成する。この文書画像データは記憶部205に記憶される。
センサ部208Cは、自動原稿送り部208Bにおける紙詰まりを検知するものであり、自動原稿送り装置208Bにおいて紙詰まりが発生すると、紙詰まりが発生したことを示す信号を読取制御部208Aへ出力する。
読取制御部208Aは、CPU202の制御の下、画像入力部208の各部を制御し、文書画像データを記憶部205へ出力する。
【0042】
画像処理部211は、入力される画像データが表す画像に階調補正やスクリーン処理等の画像処理を施す。そして、画像処理が施された画像からY(Yellow),M(Magenta),C(Cyan),K(黒)各色の画像の画像データを生成して画像出力部209へ出力する。
【0043】
画像出力部209は、出力制御部209Aと、搬送部209Bと、画像形成部209Cとを備えている。
画像形成部209Cは、電子写真方式によって記録媒体にトナー像を形成する画像形成エンジン(図示略)を具備している。この画像形成エンジンは中間転写方式を採用しており、Y(Yellow),M(Magenta),C(Cyan),K(黒)の各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを備えている。各画像形成ユニットは、入力される画像データに従って感光体上に静電潜像を形成した後、感光体上にトナーを付着させてYMCKの各色のトナー像を形成する。そして、このトナー像を中間転写ベルトに転写した後、中間転写ベルトに転写されたトナー像を記録媒体を格納したシート格納部(図示略)から搬送される記録媒体に転写する。そして、記録媒体に転写されたトナー像に熱と圧力を加えて定着させる。
【0044】
搬送部209Bは、記録媒体を搬送するものであり、シート格納部に格納された記録媒体を画像形成部209Cへ搬送し、画像形成部209Cでトナー像が定着された記録媒体を画像形成装置20外へ搬送する。
図11は、トナー像が定着された記録媒体を画像形成装置外へ搬送する排出搬送部の構成を模式的に示した図である。この排出搬送部は、搬送ロール対310,搬送ロール対320、ガイド部材330を有している。搬送ロール対310,320は、円筒状の2本のロールを中心軸を平行にして並べたものであり、2本のロールの間に搬送された記録媒体を図中の矢印方向へ搬送する。ガイド部材330は、変形自在な部材であり、搬送ロール対310と搬送ロール対320との間に配置されている。搬送ロール対310,320およびガイド部材330は、モータや駆動機構を備えた駆動部340により駆動され、配置位置が変更される。
出力制御部209Aは、画像出力部209の各部を制御するものであり、CPU202の制御の下、搬送部209Bを制御して画像形成装置20内で記録媒体を搬送させ、入力される画像データを画像形成部209Cへ供給する。
【0045】
記憶部205はハードディスク装置やページメモリ(いずれも図示略)を具備しており、画像入力部208で生成された文書画像データを記憶する。また、記憶部205は、OSプログラム、搬送経路プログラム、経路画像情報、曲率変化情報、テーブルTBを記憶している。
ROM203は、IPL(Initial Program Loader)を記憶している。画像形成装置20の電源が投入されると、CPU202はROM203からIPLを読み出して起動する。CPU202によりIPLが起動されると、記憶部205に記憶されているOSプログラムが読み出されて実行され、入出力機能や記憶部205の制御、複写機能、画像形成機能、スキャン機能等の基本的な機能が実現する。そして、OSプログラムが起動されると、画像形成装置20においては、記憶部205に記憶されているプログラムを実行することが可能となる。
【0046】
ユーザが操作部206を操作し、搬送経路プログラムの実行を指示する操作を行うと、CPU202は記憶部205から搬送経路プログラムを読み出して実行する。搬送経路プログラムが実行されると、画像形成装置の搬送経路をシミュレーションする機能が画像形成装置20において実現し、図6に示した画面が液晶ディスプレイ207に表示される。この後、上述した実施形態と同様にユーザが操作部206を操作して経路リストから経路を選択し、経路生成開始ボタンB2をクリックする操作を行うと、画像形成装置20は、選択された経路を合成して得た搬送経路と、生成した経路を通過した記録媒体の残留曲率を液晶ディスプレイ207に表示する。
また、画像形成装置20は、上述した排出搬送部における搬送経路が、選択された経路を合成して得た搬送経路となるように搬送ロール対とガイド部材の位置を制御する。
具体的には、CPU202は、合成により得られた搬送経路におけるロール対とガイド部材の位置に基づいて搬送部209Bの駆動部340を制御する。
すると、駆動部340は、搬送ロール対310,320およびガイド部材330の位置を移動させ、合成により得られた搬送経路におけるロール対とガイド部材の位置に搬送ロール対310,320およびガイド部材330を位置させる。
例えば、シミュレーションにより得られた搬送経路が図8(c)により得られた搬送経路である場合、画像形成装置20は、図11に示した状態の搬送ロール対310,320および搬送ガイド330を、図12の位置に移動させる。
このように、画像形成装置20においてシミュレーションにより得られた搬送経路を実現することにより、画像形成装置20の外へ排出される記録媒体の残留曲率をユーザの所望の残留曲率にすることができる。
【0047】
上述した実施形態においては、ユーザにより選択される搬送経路を図7に示したようにリスト状に表示しているが、スクロール表示により搬送経路を一つづつ表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るシミュレーション装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図2】搬送経路と、経路を通過する記録媒体の曲率の変化の関係を表した図である。
【図3】テーブルTBのフォーマットを示した図である。
【図4】シミュレーション装置において実現する機能の構成を示したブロック図である。
【図5】シミュレーション装置が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】シミュレーション装置が表示する画面を例示した図である。
【図7】シミュレーション装置が表示する画面を例示した図である。
【図8】シミュレーション装置が行う処理により得られる曲率変化情報と搬送経路を示した図である。
【図9】シミュレーション装置が表示する画面を例示した図である。
【図10】本発明の変形例に係る画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の変形例に係る排出搬送部の構成を模式的に示した図である。
【図12】本発明の変形例に係る排出搬送部の構成を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0049】
10・・・シミュレーション装置、20・・・画像形成装置、101・・・バス、102・・・CPU、103・・・ROM、104・・・RAM、105・・・記憶部、106・・・操作部、107・・・表示部、110・・・経路リスト表示機能、120・・・経路抽出機能、130・・・曲率合成機能、140・・・経路生成機能、150・・・経路表示機能、202・・・CPU、202・・・ROM、204・・・RAM、205・・・記憶部、207・・・操作部、208・・・画像入力部、209・・・画像出力部、211・・・画像処理部、310,320・・・搬送ロール対、330・・・ガイド部材、340・・・駆動部
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、シミュレーション方法、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において画像形成に使用されるPPC(Plain Paper Copier)用紙などの記録媒体は、温度変化や含水量の変化などの環境条件の変化によって状態が変化することが知られている。例えば、記録媒体は含水量が減ると収縮するが、表と裏で組成構造に違いがあるため、定着器などの高温環境下を通過して含水量が減ると、表側と裏側とで収縮量が異なることとなり、定着器を通過したあとで巻癖が生じる。また、搬送経路中において搬送方向を変えられる際にも、記録媒体が曲げられて巻癖が生じる。
【0003】
画像形成装置の設計段階においては、画像形成装置から記録媒体が出力された時に記録媒体に巻癖が生じないように搬送経路は設計されるが、設計段階において試作を行って搬送経路を検討することは、工数および費用も掛かるため、例えば特許文献1に開示されているように、搬送経路の最適設計を容易に行えるようにする技術が考案されている。特許文献1に開示されているシミュレーション装置では、設計者が搬送ローラ、円弧の搬送ガイド、直線の搬送ガイドなどのグラフィック画像を表示画面上で配置し、記録媒体や搬送経路の条件を設定してシミュレーションを実行すると、記録媒体の挙動が可視化され、記録媒体の巻癖が表現される。
【0004】
【特許文献1】特開2005−346500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているシミュレーション装置によれば、設計者がローラやガイドを配置すれば、画像形成装置から出力される記録媒体の巻癖が表現されるが、巻癖を少なくするためには、設計者がローラやガイドの配置位置などを試行錯誤して検討する必要がある。
そこで、本発明の目的は、巻癖の程度や搬送経路を容易に得られるようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明は、搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップとを有するシミュレーション方法を提供する。
【0007】
本発明においては、前記曲率変化取得ステップは、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の曲率変化を、各搬送経路の形状から演算により求めてもよい。
また、本発明においては、前記曲率変化取得ステップは、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の曲率変化を、各該搬送経路の形状と前記記録媒体の搬送速度に基づいて求めてもよい。
また、本発明においては、前記曲率変化合成ステップは、曲率変化を合成する際に曲率変化の時間軸を同一にして合成してもよい。
【0008】
また、本発明は、上記搬送経路生成ステップで得られた搬送経路を有する画像形成装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップとを有するシミュレーション方法を提供する。
【0010】
本発明においては、前記残留曲率合成ステップは、前記残留曲率取得ステップで得られた搬送経路毎の残留曲率を加算してもよい。
また、本発明においては、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の残留曲率を、各搬送経路の形状から演算により求めてもよい。
【0011】
また、本発明は、排出する記録媒体の残留曲率が上記シミュレーション方法の残留曲率合成ステップで得られた残留曲率となる画像形成装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと、搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップとを有するシミュレーション方法を提供する。
【0013】
また、本発明は、記録媒体が通過するときに時間経過に応じて変化する記録媒体の曲率変化が上記シミュレーション方法の搬送経路生成ステップで得られた搬送経路を有し、排出する記録媒体の残留曲率が上記シミュレーション方法の残留曲率合成ステップで得られた残留曲率となる画像形成装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに、搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップとを実行させるプログラムを提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータに、搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップとを実行させるプログラムを提供する。
【0016】
また、本発明は、コンピュータに、搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと、搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップとを実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、巻癖の程度や理想的な搬送経路を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[実施形態の構成]
(ハードウェア構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るシミュレーション装置10のハードウェア構成を示した図である。シミュレーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種プログラムを記憶した記憶部を備え、記憶部に記憶されたプログラムに従ってデータ処理、演算処理、画面表示などを行う、所謂コンピュータ装置である。
【0019】
図1に示したように、シミュレーション装置10の各部はバス101に接続されており、このバス101を介して各部間でデータやメッセージの授受を行う。
操作部106は、キーボードやマウス等、シミュレーション装置10を操作するための入力装置を備えている。シミュレーション装置10のユーザがこれらの入力装置を操作することにより、シミュレーション装置10に対する各種入力や各種設定が行われる。
表示部107は、例えば表示デバイスである液晶ディスプレイを有しており、CPU102の制御の下、シミュレーション装置10を操作するための各種画面や、メッセージ等を表示する。なお、表示デバイスは液晶ディスプレイに限定されるものではなく、CRT(Cathode Ray Tube)やEL(Electro Luminescence)ディスプレイ等、他の表示デバイスであってもよい。
【0020】
記憶部105は、各種プログラムや各種情報を永続的に記憶する装置として、ハードディスク装置を具備しており、キーボード入力や画面表示といった各種入出力機能や記憶部105の制御など、コンピュータ装置においてプログラムが共通して利用する基本的機能を実現するOS(Operating System)の機能をコンピュータ装置上に実現させるOSプログラムを記憶している。また、記憶部105は、画像形成装置の搬送経路のシミュレーションを行う機能を実現する搬送経路プログラムを記憶している。また、記憶部105は、搬送経路プログラムが使用する搬送経路のグラフィック画像を表す経路画像情報と、経路画像情報が表す搬送経路に対応した曲率変化情報と、搬送経路プログラムが使用するテーブルTBを記憶している。
ここでは曲率変化情報は、対応する経路画像情報が表す経路に記録媒体の中央部が入ってから経過した時間と各時間における記録媒体の中央部の曲率とが対応付けられた情報である。例えば、図2(a)に示した搬送経路の場合、記録媒体が搬送経路を通過すると、記録媒体の中央部分は図2(b)に示したように時間の経過とともに曲率が変化する。また、図2(c)に示した搬送経路の場合、記録媒体が搬送経路を通過すると、記録媒体の中央部分は図2(d)に示したように時間の経過とともに曲率が変化する。曲率変化情報は、この図2(b)や図2(d)に示したグラフを表す情報である。なお、本実施形態においては、曲率変化情報は、記録媒体の中央部が入ってから経過した時間と各時間における記録媒体の中央部の曲率とが対応付けられた情報となっているが、例えば、中央部から所定距離離れた特定箇所が経路に入ってからの時間と、各時間における記録媒体の特定箇所の曲率とが対応付けられた情報であってもよい。
【0021】
テーブルTBは、経路画像情報を一意に識別する経路識別子と、経路画像情報が表す搬送経路に対応した曲率変化情報を一意に識別する曲率情報識別子と、経路画像情報が表す搬送経路を記録媒体が通過した後に記録媒体に残る巻癖の曲率(以下、残留曲率という)とを対応付けて格納したテーブルであり、図3に示したフォーマットとなっている。例えば、経路識別子が「002」である経路画像情報に対応した曲率変化情報の曲率情報識別子が「K002」である場合、図3に示したように、「002」と「K002」が同じレコードに格納される。また、経路識別子が「002」である経路画像情報が表す経路を通過した後の記録媒体の残留曲率が「−3.3[1/m]」である場合、図3に示したように、「002」と「−3.3[1/m]」が同じレコードに格納される。なお、本実施形態においては、残留曲率の符号に関しては、経路を通過した後に記録媒体の搬送方向の左側に凸になるように記録媒体に巻癖がつく場合には、残留曲率はプラスで表され、経路を通過した後に記録媒体の搬送方向の右側に凸になるように記録媒体に巻癖がつく場合には、残留曲率はマイナスで表されている。
【0022】
ROM103は、IPL(Initial Program Loader)を記憶している。シミュレーション装置10の電源が投入されると、CPU102はROM103からIPLを読み出して起動する。CPU102によりIPLが起動されると、記憶部105に記憶されているOSプログラムが読み出されて実行され、入出力機能や記憶部105の制御等、コンピュータ装置としての基本的な機能が実現する。そして、OSプログラムが起動されると、シミュレーション装置10においては、記憶部105に記憶されているプログラムを実行することが可能となり、搬送経路プログラムが実行されると、画像形成装置の搬送経路をシミュレーションする機能がシミュレーション装置10において実現する。
【0023】
(機能構成)
次に搬送経路プログラムが実行されることによりシミュレーション装置10において実現する各種機能について説明する。図4は、搬送経路プログラムを実行することによりシミュレーション装置10において実現する機能の構成を示した機能ブロック図である。搬送経路プログラムが実行されると、図4に示したように、経路リスト表示機能110、経路抽出機能120、曲率合成機能130、経路生成機能140および経路表示機能150が実現する。
【0024】
経路リスト表示機能110は、経路画像情報が表す画像をリスト状に表示する機能であり、記憶部105に記憶されている経路画像情報が表す搬送経路をリスト状に表示する機能である。
経路抽出機能120は、経路リスト表示機能110によりリスト状に表示された複数の搬送経路の中から、ユーザが操作部106に行った操作に応じて、ユーザが選択した搬送経路を特定して記憶する機能である。
曲率合成機能130は、経路抽出機能120で特定された各搬送経路に対応した曲率変化情報や残留曲率を合成する機能である。
経路生成機能140は、曲率合成機能130で曲率変化情報を合成して得られた結果から搬送経路を生成する機能である。
経路表示機能150は、経路生成機能140で得られた搬送経路や曲率合成機能130で得られた残留曲率を表示部107に表示させる機能である。
【0025】
シミュレーション装置10において搬送経路プログラムが実行されることにより、上述した各機能が実現すると、ユーザは、シミュレーション装置10を操作して画像形成装置における搬送経路を生成することが可能となり、生成された搬送経路を記録媒体が通過した後に記録媒体に残る残留曲率を得ることができる。
【0026】
[実施形態の動作]
次に、シミュレーション装置10の動作について説明する。まず、シミュレーション装置10のユーザが操作部106を操作し、搬送経路プログラムの実行を指示する操作を行うと、CPU102は記憶部105から搬送経路プログラムを読み出して実行する。CPU102により搬送経路プログラムが実行されると、表示部107が制御されて図6に例示したように、搬送経路やシミュレーション結果を表示する表示領域A1や各種ボタンB1,B2を備えたシミュレーション画面が表示部107に表示される(図5:ステップS1)。
【0027】
図6に示した画面が表示されている状態において、ユーザが操作部106を操作し、画面中の経路リスト表示ボタンB1をクリックする操作を行うと、記憶部105に記憶されている経路画像情報に基づいて、図7に示したように複数の経路がリスト状に並べられた経路リストが表示領域A1内に表示される(ステップS2)。なお、経路リストにおいては、表示された経路の経路画像情報を一意に識別する経路識別子も各経路に対応付けられて表示領域A1内に表示される。
【0028】
次に、ユーザが操作部106を操作し、経路リストに表示された経路をクリックする操作を行って経路を選択した後、選択した経路をダブルクリックする操作を行うと、クリックされた経路が搬送経路の生成に使用される経路として抽出され、この経路を表す経路識別子がRAM104に格納される(ステップS3)。例えば、図7において経路識別子が「002」である経路および経路識別子が「003」である経路について各経路をクリックした後にダブルクリックする操作が行われると、経路識別子「002」と経路識別子「003」とがRAM104に格納される。
【0029】
次に、ユーザが操作部106を操作し、画面中に表示されている経路生成開始ボタンB2をクリックする操作を行うと、シミュレーション装置10は、選択された経路を合成して搬送経路を生成し、生成した経路を通過した記録媒体の残留曲率を求める。
【0030】
具体的には、まず、シミュレーション装置10は、選択された経路の識別子に対応付けてテーブルTBに記憶されている曲率情報識別子を読み出し、この読み出した識別子で特定される曲率変化情報を記憶部105から読み出してRAM104に格納する。例えば、識別子が「002」である識別子の場合、この識別子に対応付けてテーブルTBに格納されている曲率情報識別子「K002」が読み出され、この識別子で特定される曲率変化情報がRAM104に格納される。また、識別子が「003」である識別子の場合、この識別子に対応付けてテーブルTBに格納されている曲率情報識別子「K003」が読み出され、この識別子で特定される曲率変化情報がRAM104に格納される。
【0031】
シミュレーション装置10は、選択された経路の曲率変化情報をRAM104に格納すると、次に、RAM104に格納した曲率変化情報を合成する(ステップS4)。具体的には、シミュレーション装置10は、各曲率変化情報が表す曲率変化のグラフを合成する。例えば、曲率情報識別子が「K002」である曲率変化情報が図2(b)に示した曲率変化を表しており、曲率情報識別子が「K003」である曲率変化情報が図2(d)に示した曲率変化を表している場合、図2(b)のグラフと図2(d)のグラフの時間軸を同一にして合成し、その結果、図8(a)に示したグラフを得る。
【0032】
次にシミュレーション装置10は、図8(a)の曲率変化のグラフを基に、図8(a)のグラフで示したように記録媒体の中央部の曲率が変化する搬送経路を生成する(ステップS5)。図8(a)のグラフの場合、グラフ中の時点t1から時点t2までの区間においては、曲率がプラスとなっているため、図8(a)の時点t1から時点t2までの区間に対応して図8(b)中の経路R1が生成される。また、時点t2から時点t3までの区間においては、時点t1〜時点t2までの間より曲率が大きくなるため、時点t2から時点t3までの区間に対応して時点t1における曲がりより曲がりの大きい、図8(b)中の経路R2が生成される。次に、時点t3から時点t4までの区間においては、曲率がマイナスになるため、時点t3から時点t4までの区間に対応して図8(b)中の経路R3が生成される。そして、時点t4から時点t5までの区間においては、曲率がプラスになるため、時点t4から時点t5までの区間に対応して図8(b)中の経路R4が生成される。
【0033】
シミュレーション装置10は、図8(b)に示した経路を生成すると、搬送経路が図8(b)に示した経路となるように搬送ロールや搬送ガイドを配置した搬送経路(図8(c))を生成し、生成した搬送経路を表示領域A1に表示する(ステップS6)。また、シミュレーション装置10は、RAM104に格納された経路識別子に対応付けてテーブルTBに格納されている残留曲率を読み出す。そして、読み出した残留曲率を加算(合成)し(ステップS7)、加算結果を表示した搬送経路を通過した後の記録媒体の中央部の残留曲率とし、加算の結果を図9に示したように生成した搬送経路とともに表示領域A2に表示する(ステップS8)。
例えば、選択された経路リストから経路識別子「002」と「003」の経路がユーザにより選択された場合、テーブルTBから残留曲率「−3.3[1/m]」と残留曲率「−1.0[1/m]」が読み出される。そして、図9に示した搬送経路に搬送される前の記録媒体の残留曲率が0[1/m]である場合、−3.3[1/m]と−1.0[1/m]とが加算され、−4.3[1/m]という結果が得られる。そして、この結果が、生成された搬送経路を通過した後の記録媒体の残留曲率として表示される。
【0034】
このように本実施形態においては、複数の搬送経路における曲率の変化情報を合成することにより、搬送経路を合成した搬送経路が得られる。また、選択された搬送経路を通過した後の記録媒体の残留曲率を合成することにより、合成された搬送経路を通過した後の記録媒体の残留曲率を得ることができる。
【0035】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。また、各変形例を組み合わせて本発明を実施してもよい。
【0036】
上述した実施形態においては、選択される経路毎に曲率変化情報が予め対応付けられているが、選択された経路を通過する記録媒体の曲率の変化を、選択された経路を解析して算出し、曲率変化情報を得るようにしてもよい。また、搬送経路を搬送される記録媒体の温度や含水量、材質、記録媒体の搬送速度を表示画面上でユーザが設定するようにしてもよい。また、このように、記録媒体の材質や温度、含水量、搬送速度を設定する構成においては、上述したように曲率変化情報を生成する場合、設定された材質や温度、含水量、搬送速度を加味して曲率変化情報を生成するようにしてもよい。記録媒体の曲率は、記録媒体の温度や含水量、材質、搬送速度が異なると異なる値となるため、このように、記録媒体について細かな設定を行うと、より正確に記録媒体の曲率を得ることができる。
【0037】
上述した実施形態においては、生成された搬送経路と、生成された搬送経路を通過した後の記録媒体の中央部の残留曲率とが共に表示されるが、生成された搬送経路のみを表示するようにしてもよいし、生成された搬送経路を通過した後の記録媒体の中央部の残留曲率のみを表示するようにしてもよい。
。
【0038】
搬送経路プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD、DVD)に記録され、この記録媒体から読み出されてシミュレーション装置10にインストールされてもよく、また、外部の装置に搬送経路プログラムを記憶させておき、無線または有線の通信を行うことにより外部の装置から搬送経路プログラムと各種情報を受信してインストールするようにしてもよい。
【0039】
上述した実施形態においては、搬送経路を生成する機能はコンピュータ装置において実現されているが、搬送経路を生成する機能は上述したシミュレーション装置以外の装置で実現されるようにしてもよい。例えば、画像を記録媒体に形成する画像形成装置において、搬送経路を生成する機能を実現するようにしてもよい。図10は、本発明の変形例に係る画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0040】
図10に示したように、画像形成装置20の各部はバス201に接続されており、このバス201を介して各部間でデータやメッセージの授受を行う。
液晶ディスプレイ207は、CPU202の制御の下、各種画面や各種メッセージ等を表示する。操作部206は、スタートキー、メニュー画面を液晶ディスプレイに表示させるためのメニューキー、テンキーや矢印キー等、画像形成装置20を操作するための各種キーを備えている。また、操作部206は、液晶ディスプレイ207の表示画面を覆うタッチパネルを備えている。ユーザがこれらのキーを操作したり、タッチパネルに触れたりすることにより、画像形成装置20に対する各種指示の入力や画像形成装置の各種設定が行われる。
【0041】
画像入力部208は、読取制御部208A、自動原稿送り部208B、センサ部208C、読取部208D、および画像生成部208Eを備えている。
自動原稿送り部208Bは、自動原稿送り部208Bにセットされた複数枚の文書を一枚ずつ分離して読取部208Dへ搬送するものである。
読取部208Dは、自動原稿送り部208Bによって読取部208Dに搬送された文書に光を照射し、文書で反射した光をCCD(Charge Coupled Device)により検出し、CCDで検出した光に応じた信号を画像生成部208Eへ出力する。
画像生成部208Eは、読取部208Dから入力される信号に基づいて光が照射された文書の画像を表す文書画像データを生成する。この文書画像データは記憶部205に記憶される。
センサ部208Cは、自動原稿送り部208Bにおける紙詰まりを検知するものであり、自動原稿送り装置208Bにおいて紙詰まりが発生すると、紙詰まりが発生したことを示す信号を読取制御部208Aへ出力する。
読取制御部208Aは、CPU202の制御の下、画像入力部208の各部を制御し、文書画像データを記憶部205へ出力する。
【0042】
画像処理部211は、入力される画像データが表す画像に階調補正やスクリーン処理等の画像処理を施す。そして、画像処理が施された画像からY(Yellow),M(Magenta),C(Cyan),K(黒)各色の画像の画像データを生成して画像出力部209へ出力する。
【0043】
画像出力部209は、出力制御部209Aと、搬送部209Bと、画像形成部209Cとを備えている。
画像形成部209Cは、電子写真方式によって記録媒体にトナー像を形成する画像形成エンジン(図示略)を具備している。この画像形成エンジンは中間転写方式を採用しており、Y(Yellow),M(Magenta),C(Cyan),K(黒)の各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを備えている。各画像形成ユニットは、入力される画像データに従って感光体上に静電潜像を形成した後、感光体上にトナーを付着させてYMCKの各色のトナー像を形成する。そして、このトナー像を中間転写ベルトに転写した後、中間転写ベルトに転写されたトナー像を記録媒体を格納したシート格納部(図示略)から搬送される記録媒体に転写する。そして、記録媒体に転写されたトナー像に熱と圧力を加えて定着させる。
【0044】
搬送部209Bは、記録媒体を搬送するものであり、シート格納部に格納された記録媒体を画像形成部209Cへ搬送し、画像形成部209Cでトナー像が定着された記録媒体を画像形成装置20外へ搬送する。
図11は、トナー像が定着された記録媒体を画像形成装置外へ搬送する排出搬送部の構成を模式的に示した図である。この排出搬送部は、搬送ロール対310,搬送ロール対320、ガイド部材330を有している。搬送ロール対310,320は、円筒状の2本のロールを中心軸を平行にして並べたものであり、2本のロールの間に搬送された記録媒体を図中の矢印方向へ搬送する。ガイド部材330は、変形自在な部材であり、搬送ロール対310と搬送ロール対320との間に配置されている。搬送ロール対310,320およびガイド部材330は、モータや駆動機構を備えた駆動部340により駆動され、配置位置が変更される。
出力制御部209Aは、画像出力部209の各部を制御するものであり、CPU202の制御の下、搬送部209Bを制御して画像形成装置20内で記録媒体を搬送させ、入力される画像データを画像形成部209Cへ供給する。
【0045】
記憶部205はハードディスク装置やページメモリ(いずれも図示略)を具備しており、画像入力部208で生成された文書画像データを記憶する。また、記憶部205は、OSプログラム、搬送経路プログラム、経路画像情報、曲率変化情報、テーブルTBを記憶している。
ROM203は、IPL(Initial Program Loader)を記憶している。画像形成装置20の電源が投入されると、CPU202はROM203からIPLを読み出して起動する。CPU202によりIPLが起動されると、記憶部205に記憶されているOSプログラムが読み出されて実行され、入出力機能や記憶部205の制御、複写機能、画像形成機能、スキャン機能等の基本的な機能が実現する。そして、OSプログラムが起動されると、画像形成装置20においては、記憶部205に記憶されているプログラムを実行することが可能となる。
【0046】
ユーザが操作部206を操作し、搬送経路プログラムの実行を指示する操作を行うと、CPU202は記憶部205から搬送経路プログラムを読み出して実行する。搬送経路プログラムが実行されると、画像形成装置の搬送経路をシミュレーションする機能が画像形成装置20において実現し、図6に示した画面が液晶ディスプレイ207に表示される。この後、上述した実施形態と同様にユーザが操作部206を操作して経路リストから経路を選択し、経路生成開始ボタンB2をクリックする操作を行うと、画像形成装置20は、選択された経路を合成して得た搬送経路と、生成した経路を通過した記録媒体の残留曲率を液晶ディスプレイ207に表示する。
また、画像形成装置20は、上述した排出搬送部における搬送経路が、選択された経路を合成して得た搬送経路となるように搬送ロール対とガイド部材の位置を制御する。
具体的には、CPU202は、合成により得られた搬送経路におけるロール対とガイド部材の位置に基づいて搬送部209Bの駆動部340を制御する。
すると、駆動部340は、搬送ロール対310,320およびガイド部材330の位置を移動させ、合成により得られた搬送経路におけるロール対とガイド部材の位置に搬送ロール対310,320およびガイド部材330を位置させる。
例えば、シミュレーションにより得られた搬送経路が図8(c)により得られた搬送経路である場合、画像形成装置20は、図11に示した状態の搬送ロール対310,320および搬送ガイド330を、図12の位置に移動させる。
このように、画像形成装置20においてシミュレーションにより得られた搬送経路を実現することにより、画像形成装置20の外へ排出される記録媒体の残留曲率をユーザの所望の残留曲率にすることができる。
【0047】
上述した実施形態においては、ユーザにより選択される搬送経路を図7に示したようにリスト状に表示しているが、スクロール表示により搬送経路を一つづつ表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るシミュレーション装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図2】搬送経路と、経路を通過する記録媒体の曲率の変化の関係を表した図である。
【図3】テーブルTBのフォーマットを示した図である。
【図4】シミュレーション装置において実現する機能の構成を示したブロック図である。
【図5】シミュレーション装置が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】シミュレーション装置が表示する画面を例示した図である。
【図7】シミュレーション装置が表示する画面を例示した図である。
【図8】シミュレーション装置が行う処理により得られる曲率変化情報と搬送経路を示した図である。
【図9】シミュレーション装置が表示する画面を例示した図である。
【図10】本発明の変形例に係る画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の変形例に係る排出搬送部の構成を模式的に示した図である。
【図12】本発明の変形例に係る排出搬送部の構成を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0049】
10・・・シミュレーション装置、20・・・画像形成装置、101・・・バス、102・・・CPU、103・・・ROM、104・・・RAM、105・・・記憶部、106・・・操作部、107・・・表示部、110・・・経路リスト表示機能、120・・・経路抽出機能、130・・・曲率合成機能、140・・・経路生成機能、150・・・経路表示機能、202・・・CPU、202・・・ROM、204・・・RAM、205・・・記憶部、207・・・操作部、208・・・画像入力部、209・・・画像出力部、211・・・画像処理部、310,320・・・搬送ロール対、330・・・ガイド部材、340・・・駆動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、
前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、
記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと
を有するシミュレーション方法。
【請求項2】
前記曲率変化取得ステップは、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の曲率変化を、各搬送経路の形状から演算により求めることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項3】
前記曲率変化取得ステップは、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の曲率変化を、各該搬送経路の形状と前記記録媒体の搬送速度に基づいて求めることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項4】
前記曲率変化合成ステップは、曲率変化を合成する際に曲率変化の時間軸を同一にして合成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシミュレーション方法。
【請求項5】
搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、
前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップと
を有するシミュレーション方法。
【請求項6】
前記残留曲率合成ステップは、前記残留曲率取得ステップで得られた搬送経路毎の残留曲率を加算すること
を特徴とする請求項5に記載のシミュレーション方法。
【請求項7】
前記複数の搬送経路毎の記録媒体の残留曲率を、各搬送経路の形状から演算により求めることを特徴とする請求項5に記載のシミュレーション方法。
【請求項8】
搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、
前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、
記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと、
搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、
前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップと
を有するシミュレーション方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のシミュレーション方法の搬送経路生成ステップで得られた搬送経路を有する画像形成装置。
【請求項10】
排出する記録媒体の残留曲率が前記請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のシミュレーション方法の残留曲率合成ステップで得られた残留曲率となる画像形成装置。
【請求項11】
請求項8記載のシミュレーション方法の搬送経路生成ステップで得られた搬送経路を有し、
排出する記録媒体の残留曲率が請求項8記載のシミュレーション方法の残留曲率合成ステップで得られた残留曲率となる画像形成装置。
【請求項12】
コンピュータに、
搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、
前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、
記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、
前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、
前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、
記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと、
搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、
前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項1】
搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、
前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、
記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと
を有するシミュレーション方法。
【請求項2】
前記曲率変化取得ステップは、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の曲率変化を、各搬送経路の形状から演算により求めることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項3】
前記曲率変化取得ステップは、前記複数の搬送経路毎の記録媒体の曲率変化を、各該搬送経路の形状と前記記録媒体の搬送速度に基づいて求めることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項4】
前記曲率変化合成ステップは、曲率変化を合成する際に曲率変化の時間軸を同一にして合成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシミュレーション方法。
【請求項5】
搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、
前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップと
を有するシミュレーション方法。
【請求項6】
前記残留曲率合成ステップは、前記残留曲率取得ステップで得られた搬送経路毎の残留曲率を加算すること
を特徴とする請求項5に記載のシミュレーション方法。
【請求項7】
前記複数の搬送経路毎の記録媒体の残留曲率を、各搬送経路の形状から演算により求めることを特徴とする請求項5に記載のシミュレーション方法。
【請求項8】
搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、
前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、
記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと、
搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、
前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップと
を有するシミュレーション方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のシミュレーション方法の搬送経路生成ステップで得られた搬送経路を有する画像形成装置。
【請求項10】
排出する記録媒体の残留曲率が前記請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のシミュレーション方法の残留曲率合成ステップで得られた残留曲率となる画像形成装置。
【請求項11】
請求項8記載のシミュレーション方法の搬送経路生成ステップで得られた搬送経路を有し、
排出する記録媒体の残留曲率が請求項8記載のシミュレーション方法の残留曲率合成ステップで得られた残留曲率となる画像形成装置。
【請求項12】
コンピュータに、
搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、
前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、
記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、
前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
搬送経路を記録媒体が通過するときの該記録媒体の時間経過に応じた曲率変化を、複数の搬送経路毎に得る曲率変化取得ステップと、
前記曲率取得ステップで得られた複数の曲率変化を合成する曲率変化合成ステップと、
記録媒体が通過するときの時間経過に応じた曲率変化が前記曲率変化合成ステップにて得られた曲率変化となる搬送経路を生成する搬送経路生成ステップと、
搬送経路を記録媒体が通過した後の該記録媒体の残留曲率を、複数の搬送経路毎に得る残留曲率取得ステップと、
前記残留曲率取得ステップで得られた複数の残留曲率を合成する残留曲率合成ステップと
を実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−157603(P2009−157603A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334437(P2007−334437)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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