説明

シミュレーション装置

【課題】遊技機の稼働に関係なく正確なシミュレーションを行うことが可能なシミュレーション装置を提供する。
【解決手段】シミュレーション装置は、確率データ記憶手段と、乱数値発生手段と、乱数値に基づくシミュレーション実行手段とを備え、確率データ記憶手段には、入賞確率設定データと、特別遊技状態発生確率データと、遊技モードを相互に遷移する確率を特定可能な遊技モード遷移確率データとが記憶され、シミュレーション実行手段は、現時点の遊技モードに対応する入賞確率設定データと乱数値とに基づいて入賞領域への入賞のシミュレーションを行う第1のステップと、第1のステップによるシミュレーション結果と、現時点の遊技モードに対応する特別遊技状態発生確率データ及び遊技モード遷移確率データと、乱数値とに基づいて、特別遊技状態の発生と遊技モードの遷移のシミュレーションを行う第2のステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大当りの種類に応じて遊技者が獲得できる遊技球数の期待値が異なる遊技機における釘調整のシミュレーションを行うシミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機といった遊技機には、大当りの種別が予め複数設定され、発生する大当りの種別によって出玉の期待値が異なるものがある。そして、このような遊技機の釘調整を行ったときのシミュレーションを行うことができる遊技情報管理サーバが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
最近の遊技機は、特許文献1に示されるように、15ラウンドの大当りと2ラウンドの大当りとが所定割合で発生する。そして、始動口1で発生した大当りが15ラウンドの大当りとなる割合と、始動口2で発生した大当りが15ラウンドの大当りとなる割合とが異なるような遊技機も存在する。
【0004】
このような遊技機は大当りの発生パターンが複雑なので、遊技情報管理サーバは、遊技機の釘調整を行ったときのシミュレーションを行う際に必要な遊技情報(遊技機のあらゆる性能を数値化したデータ)を得るのが困難である。
【0005】
特許文献1の遊技情報管理サーバでは、遊技店で稼働している遊技機から多量のデータを収集して、収集した実データから統計的な手法により遊技情報を算出し、この遊技情報を用いてシミュレーションを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−29444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の遊技情報管理サーバでは、遊技機から多量のデータを収集した後でなければ遊技情報を算出することができないため、遊技機を実際に稼働してからでなければシミュレーションを行うことができなかった。また、収集する実データの量が少ないと遊技情報の精度が低いため、遊技機の稼働が十分でない初期導入の時期などでは、正確なシミュレーションを行うことができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、遊技機の稼働に関係なく正確なシミュレーションを行うことが可能なシミュレーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシミュレーション装置は、遊技領域に発射された遊技球が入賞領域に入賞することに基づいて遊技者に特典を付与する特別遊技状態が発生する遊技装置をシミュレーションするシミュレーション装置であって、遊技に関する所定の確率データが記憶された確率データ記憶手段と、複数の乱数値を発生させる乱数値発生手段と、該発生した乱数値に基づいてシミュレーションを実行するシミュレーション実行手段と、を備え、前記確率データ記憶手段には、遊技領域に発射された遊技球が所定の入賞領域に入賞する確率を特定可能な入賞確率設定データと、前記入賞領域のうちの所定の始動領域に入賞することで補助遊技が実行されるものとして、該補助遊技の実行により前記特別遊技状態が発生する確率を特定可能な特別遊技状態発生確率データと、前記入賞確率設定データと前記特別遊技状態発生確率データとの組合せパターンが規定される遊技モードが複数設定されるものとして、該複数の遊技モードを相互に遷移する確率を特定可能な遊技モード遷移確率データと、が記憶され、前記シミュレーション実行手段は、現時点の遊技モードに対応する入賞確率設定データと、前記乱数発生手段により発生した乱数値とに基づいて、前記入賞領域への入賞のシミュレーションを行う第1のステップと、前記第1のステップによるシミュレーション結果と、現時点の遊技モードに対応する特別遊技状態発生確率データ及び遊技モード遷移確率データと、前記乱数発生手段により発生した乱数値とに基づいて、前記特別遊技状態の発生と前記遊技モードの遷移のシミュレーションを行う第2のステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技装置から実際に多量の遊技データを収集していなくても乱数を用いてシミュレーションを実行することができるので、遊技装置の稼働に関係なく正確なシミュレーションが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態の遊技システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態の遊技場管理本部に設置されたシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の遊技場管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の会員管理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の遊技装置の構成を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態のシミュレーション装置にてシミュレーションされる遊技装置の仕様データの一例である。
【図7】本発明の実施形態のシミュレーション装置の出力装置に出力される設定入力画面の態様を示す図である。
【図8】本発明の実施形態のシミュレーション装置の出力装置に出力されるシミュレーション結果画面の一例である。
【図9】本発明の実施形態のシミュレーション装置にてシミュレーションを実行する際の処理の手順を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態のシミュレーション実行処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態の球発射演算処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態の第1始動入賞処理及び第2始動入賞処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態の特別遊技状態処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態の理想的な入賞判別乱数の入賞判定テーブルの一例である。
【図15】本発明の実施形態の好ましくない入賞判別乱数の入賞判定テーブルの一例である。
【図16】本発明の実施形態のシミュレーションで使用される乱数値(入賞判別乱数、特賞判別乱数I、特賞判別乱数II)が保存される状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施形態の遊技システムのシステム構成図である。
【0013】
本発明の実施形態における遊技システムでは、遊技場において複数の遊技装置4から収集された実績情報(遊技情報)を遊技場管理本部で一括して管理する。
【0014】
遊技場には、複数の遊技装置4が設置されている。遊技装置4は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機5を含む。遊技装置4は、遊技球又はメダル等の遊技媒体を用いて実際に遊技を行う遊技機5を備え、さらに、当該遊技媒体を提供するための構成(記憶媒体受付端末装置6)を備える。なお、本発明の実施形態では、パチンコ機を含む遊技装置4を例に説明を行ない、詳細については図5にて後述する。また、遊技場内のネットワークには、遊技装置4、ターミナル8、精算装置(残額精算機)15、景品POS9が接続され、遊技装置4は、情報収集端末装置3を介してネットワークに接続される。
【0015】
遊技機5としてパチンコ機を含む遊技装置4では、遊技媒体(遊技球)を計数する各台計数器68(図5参照)が備えられており、獲得した遊技球を遊技装置4から離れずに計数することが可能となっている。一方、遊技機5としてスロットマシンを含む遊技装置4には、遊技装置4ごとに遊技媒体を計数する装置が設置されていないため、遊技場の遊技エリアごとに計数装置(JC)が設置されている。なお、パチンコ機を含む遊技装置4ごとに遊技媒体を計数する装置を設置せず、遊技場の島端などに計数装置を設置してもよい。また、遊技機5としてスロットマシンを含む遊技装置4に、遊技媒体(遊技球又はメダル)を計数する各台計数器を備えてもよい。
【0016】
また、各遊技装置4(記憶媒体受付端末装置6)には、所定の有価価値(例えば、現金)に対する遊技媒体(例えば、遊技球、メダル)の遊技料金(以下、貸出レートまたはレートと言う。)が設定されており、遊技装置ごとに異なる貸出レートを設定することが可能となっている。貸出レートは、例えば、パチンコ機では、遊技球(遊技媒体)1個につき4円(有価価値)や、遊技球1個につき1円など複数種類の貸出レートが設定可能である。
【0017】
また、遊技装置4は、遊技者が所持する記憶媒体(会員カード又はワンデイカード等)を受け付けた場合には、当該記憶媒体に記憶されているカードIDを遊技場管理本部に設置された会員管理装置2に送信する。さらに、遊技媒体を遊技者に貸出した場合には、貸出情報を、有価価値(現金)が入金された場合には、入金された金額情報を会員管理装置2に送信する。
【0018】
会員カードは、図示しない記憶媒体受付発行装置(専用の会員登録端末)によって発行される。遊技者は、記憶媒体受付発行装置に会員カードを発行させる場合には、遊技者の個人情報(名前、住所、電話番号など)を入力する必要がある。
【0019】
情報収集端末装置3は、遊技装置4に接続され、遊技装置4から出力された各種信号に基づいて遊技情報を収集し、累積して保持する。また、情報収集端末装置3は、累積された遊技情報を集計することによって実績情報(蓄積情報)を生成する。収集された遊技情報又は生成された実績情報は、遊技場管理本部に設置された遊技場管理装置1からの要求に応じてターミナル8を介して遊技場管理装置1に送信される。なお、実績情報は、遊技情報そのものを含むようにしてもよい。
【0020】
また、情報収集端末装置3は、遊技場管理装置1に要求された場合以外にも、所定のタイミング(例えば、10分毎)で遊技場管理本部に設置された遊技場管理装置1に送信するようにしてもよい。例えば、一営業単位の実績情報の累積値であれば、遊技場の閉店時に送信するようにしてもよい。ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までの時間を含むように、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前、午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、一週間)にわたるものとしてもよい。
【0021】
なお、情報収集端末装置3は、1台の遊技装置4に接続される構成であってもよいし、複数(例えば、2台)の遊技装置4に接続される構成であってもよい。
【0022】
遊技装置4は、遊技球又はメダル等の遊技媒体を用いて実際に遊技を行う遊技機5を備え、当該遊技媒体を提供するための構成(例えば、カードユニット)を備える。なお、遊技媒体を提供するための構成として現金玉貸機で構成しても良い。
【0023】
精算装置15は、遊技者が所持する記憶媒体に記憶されているカードIDに対応する有価価値(残額)を遊技者に払い戻す。また、精算装置15が、会員カードを遊技者に発行する機能を有してもよい。
【0024】
景品POS9は、遊技者が保有する遊技媒体と景品を交換し、景品の在庫を管理する。また、景品POS9は、遊技者に関する情報を登録し、会員カードを発行する機能を備えてもよい。景品POS9は、使用レート景品交換マスタなどを格納するデータベースを備えるようにしてもよい。
【0025】
一方、遊技場管理本部には、遊技場管理装置1、会員管理装置2、シミュレーション装置7及びターミナル11が設置されている。遊技場管理装置1、会員管理装置2、シミュレーション装置7及びターミナル11は、互いに接続されている。遊技場管理装置1、会員管理装置2、シミュレーション装置7及びターミナル11は、例えば、ネットワークを介して接続される。
【0026】
遊技場管理本部に設置されたターミナル11は、広域ネットワーク10を介して遊技場に設置されたターミナル8と接続される。広域ネットワーク10は、インターネットであってもよいし、専用回線であってもよい。インターネット経由で接続する場合には、セキュリティ向上のために、仮想専用回線(VPN)を利用するようにしてもよいし、暗号化通信を行うようにしてもよい。
【0027】
遊技場管理装置1は、従来、遊技場に設置されるコンピュータ(いわゆる、ホールコン)であったが、本発明の実施形態では、遊技場管理本部に設置される。そして、遊技場に設置された情報収集端末装置3に実績情報の生成及び取得を要求する。このとき、情報収集端末装置3に未編集の遊技情報を要求してもよい。
【0028】
遊技場管理装置1には、実績情報(遊技情報)を管理するデータベース106aを備える。データベース106aには、営業単位ごとに集計された実績情報が格納される。また、複数の遊技場の遊技情報を管理する場合には、遊技場ごとに実績情報が管理される。データベース106aは、情報収集端末装置3によって収集された遊技情報そのものを管理してもよく、また、営業単位とは異なる期間の実績情報をさらに管理するようにしてもよい。なお、データベース106aは、外部のストレージ装置に格納するようにしてもよく、例えば、後述のシミュレーション装置7に格納してもよい。或いは、データベース106aを構成するデータを、複数の装置に分散して記憶するようにしてもよい。
【0029】
本発明の実施形態では、遊技者が獲得した遊技媒体を遊技場に預け入れ、後日来店した際に、遊技場に預け入れた遊技媒体を引き出して遊技する、いわゆる貯球再プレイ遊技が可能となっている。会員管理装置2は、会員の個人情報の他に、遊技者(会員)が所持する記憶媒体(例えば、会員カード)の識別情報(カードID)と当該遊技者が所有する各種遊技媒体の数量(貯球数、持球数、貯メダル数、持メダル数等)とを対応付けた口座情報を管理する。
【0030】
会員管理装置2は、会員情報データベース、遊技媒体情報データベース及び使用レート景品交換マスタを含むデータベースを備える。データベース206aは、外部のストレージ装置に格納するようにしてもよい。なお、会員管理装置2が複数の遊技場の会員情報を管理している場合には、遊技場ごとに会員情報を管理する。
【0031】
また、遊技媒体を遊技場に預け入れるためには、遊技者は、あらかじめ遊技場に会員登録し、会員カードの発行を受ける必要がある。そして、会員カードを記憶媒体受付端末装置6に読み取らせた状態で貯球スイッチ(図示省略)を押すことにより、個人口座に遊技媒体を預け入れる(貯球する)ことができる。なお、本発明の実施形態では、会員登録は上記の方法に限らず、記憶媒体受付端末装置6に氏名、電話番号、生年月日等を入力することにより、その場で会員登録をし、会員証を発行できるようにしても良い。
【0032】
また、遊技者が所持する記憶媒体(会員カード)を遊技装置4が受け付けると、会員管理装置2は、遊技装置4から送信されたカードIDに基づいて、当該遊技者が預け入れている遊技媒体数を特定し、特定された遊技媒体数を遊技装置4に送信する。このとき、遊技者は、特定された遊技媒体数に基づいて、個人口座に預け入れられた遊技媒体を遊技装置4から引き出して遊技を行うことができる。また、複数の遊技者を含むグループを登録することによって、遊技場に預け入れられた遊技媒体を他の遊技者と共有することができるように構成してもよい。
【0033】
遊技場管理本部では、複数の遊技場における実績情報(遊技情報)及び会員情報を一括して管理している。例えば、複数の遊技場を運営するグループの本部において、グループ内の各店舗の実績情報(遊技情報)及び会員情報を管理する。このように、複数の遊技場の実績情報(遊技情報)の収集及び管理を一括して行うことによって、管理コストの削減を図ることが可能となる。また、遊技場管理本部は、遊技場と同一敷地内に設置しても良いが、敷地を隔てて設置(つまり、遊技場の外部に設置)し、広域ネットワークを介して通信を行うようにすることで、システムのメンテナンス作業を行う作業者が各遊技場に出向く必要がなくなり、効率良くメンテナンス作業を実施することができる。
【0034】
また、遊技場管理本部には、遊技場管理装置1及び会員管理装置2の他に、遊技場外部管理装置が設置されるようにしてもよい。遊技場外部管理装置は、遊技場管理装置1にデータを提供するコンピュータであって、例えば、遊技機メーカ、ホールコンピュータメーカ、中古遊技機販売会社等から提供されたデータを遊技場管理装置1に提供する。
【0035】
図2は、本発明の実施形態の遊技場管理本部に設置されたシミュレーション装置7の構成を示すブロック図である。
【0036】
シミュレーション装置7は、CPU701、RAM702、ROM703、EEPROM704、バス705、ネットワーク通信ポート706、I/Oポート707を備える。CPU701、RAM702、ROM703、EEPROM704、ネットワーク通信ポート706及びI/Oポート707は、バス705を介して互いに接続される。
【0037】
CPU701は、メモリに記憶されたプログラムを実行し、ネットワークの制御などの処理を実行する。RAM702には、CPU701によって実行されるプログラムが格納される記憶領域、プログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域、及び各種データを一時的に記憶する記憶領域が設けられる。
【0038】
ROM703は、原則的に書き換え不能な不揮発性のメモリであって、シミュレーション装置7の機能を実現するためのプログラムやデータが格納される。また、EEPROM704は、プログラムによって書き換え可能な領域が設けられた不揮発性のメモリであって、ネットワーク構成など、停電等でも保持する必要のあるデータ等を記憶する。
【0039】
ネットワーク通信ポート706は、遊技場管理装置1、会員管理装置2及びターミナル11に接続される。I/Oポート707は、入力装置710及び出力装置711に接続される。入力装置710は、例えば、キーボードやマウスなどであり、管理者がシミュレーション装置7を動作させるために必要なパラメータを入力する。出力装置711は、例えば、ディスプレイ装置であり、動作ログ(状況)を出力したり、設定されたパラメータ情報を出力したりする。
【0040】
ここで、ターミナル11は、遊技場管理本部の外部の広域ネットワーク10に接続される通信インターフェースを有し、所定の通信プロトコルに従って遊技場管理本部の外部のコンピュータ、具体的には、遊技場に設置されたターミナル8とデータ通信を行う。なお、ターミナル11の通信インターフェースは、ネットワーク通信ポートと、物理的に一つのネットワークインターフェースカード上に論理的に構成されてもよいし、物理的に二つのネットワークインターフェースカードによって構成されてもよい。なお、本実施形態ではターミナル11とシミュレーション装置7とは別個に設けたが、ターミナル11にシミュレーション装置7の機能を実装してもよい。また、データベース106aを有する遊技場管理装置1と、シミュレーション装置7とが個別に設けられているが、遊技場管理装置1とシミュレーション装置7とを一体化した装置(一体化されたシミュレーション装置)を構成してもよい。
【0041】
図3は、本発明の実施形態の遊技場管理装置1の構成を示すブロック図である。
【0042】
遊技場管理装置1は、CPU101、CPU101の動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM102、プログラム等を予め格納したROM103、各遊技場で収集された実績情報を管理するデータベース106aを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)106及びネットワーク通信ポート105を備える。
【0043】
RAM102には、CPU101によって実行されるプログラムが格納される記憶領域及びプログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域が設けられる。また、ROM103にプログラムを記憶する代わりに、HDD106にプログラムを格納し、RAM102にプログラムをロードし、RAM102にロードされたプログラムを実行してもよい。
【0044】
これらのCPU101、RAM102、ROM103、HDD106、及びネットワーク通信ポート105はバス104によって接続されている。バス104は、CPU101がデータを読み書きするために使用するアドレスバス及びデータバスによって構成される。
【0045】
ネットワーク通信ポート105は、遊技場管理本部内のネットワークに接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場管理本部内に設置された会員管理装置2及びシミュレーション装置7、ターミナル11を介して遊技場に設置された機器とデータ通信を行う。
【0046】
HDD106には、遊技場から収集された実績情報を管理するデータベース106aが格納される。収集された実績情報は、営業単位(日、月など)ごとに管理される。また、遊技場管理装置1が複数の遊技場の実績情報を管理する場合には、遊技場ごとに実績情報を記憶するようにしてもよいし、実績情報に遊技場ごとの識別子を付与することによって、全実績情報を一括して管理してもよい。
【0047】
図4は、本発明の実施形態の会員管理装置2の構成を示すブロック図である。
【0048】
会員管理装置2は、CPU201、CPU201の動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM202、プログラム等を予め格納したROM203、各遊技場の会員情報を記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)206及びネットワーク通信ポート205を備える。
【0049】
RAM202には、CPU201によって実行されるプログラムが格納される記憶領域及びプログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域が設けられる。また、ROM203にプログラムを記憶する代わりに、HDD206にプログラムを格納し、RAM202にプログラムをロードし、RAM202にロードされたプログラムを実行してもよい。
【0050】
これらのCPU201、RAM202、ROM203、HDD206、及びネットワーク通信ポート205はバス204によって接続されている。バス204は、CPU201がデータを読み書きするために使用するアドレスバス及びデータバスから構成される。
【0051】
ネットワーク通信ポート205は、遊技場管理本部内のネットワークに接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場管理本部内に設置された遊技場管理装置1及びシミュレーション装置7、ターミナル11を介して遊技場に設置された情報収集端末装置3などの機器とデータ通信を行う。
【0052】
図5は、本発明の実施形態の遊技装置4の構成を説明する図である。
【0053】
遊技装置4は、遊技機5、記憶媒体受付端末装置6(カードユニット)及び各台計数器68を備える。遊技機5は、前述のように、パチンコ機やスロットマシンなどである。パチンコ機は封入球式であってもよい。
【0054】
遊技装置4に備えられた記憶媒体受付端末装置6は、遊技媒体の貸出に関する機能を有する。記憶媒体受付端末装置6は、遊技者が所有する有価価値の投入を受け付けると、遊技機5に貸出指令信号を送信する。遊技機5は、記憶媒体受付端末装置6からの貸出指令信号に基づいて、排出制御装置(図示省略)の制御によって排出装置から遊技媒体を払い出す。なお、投入された有価価値の残数がある状態で遊技機5に設けられる貸出ボタンの操作入力を受け付けたことに基づいて貸出指令信号を送信する場合もある。
【0055】
また、遊技装置4に備えられた記憶媒体受付端末装置6は、遊技場に預け入れられた遊技媒体(いわゆる貯球)を払い出す機能を有する。記憶媒体受付端末装置6は、遊技者が所持する記憶媒体(会員カード)を受け付けた状態で再プレイ操作が行われると、遊技場に預け入れられた遊技媒体を指定された数だけ払い出す。遊技者は、払い出された遊技媒体を用いて、遊技機5によって遊技を行うことができる。
【0056】
島設備には、遊技機5に遊技球を補給する補給器70と、遊技機5から排出されたアウト球(回収球)を計数するためのアウトタンク80とが設置される。
【0057】
遊技球は、遊技機5の裏面側上部に設けられた上タンクに供給される。補給器70は補給した球数を計数する補給球計数装置71を有する。補給球計数装置71は、所定数(例えば、10個)の遊技球を計数する毎に補給球の計数結果である補給信号を出力する。
【0058】
遊技に使用された遊技球は、入賞口(入賞装置)に入賞し、又は、いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口39に受け入れられ、遊技機5の裏面側から外部へ導出される。アウトタンク80は、遊技機5の外部に排出された遊技球を計数する回収球計数装置81を有する。回収球計数装置81は、所定数(例えば、10個)の遊技球を計数する毎にアウト球の計数結果である回収信号を出力する。
【0059】
この補給球計数装置71及び回収球計数装置81は情報収集端末装置3に接続され、情報収集端末装置3が補給球計数装置71及び回収球計数装置81から出力される情報を収集する。
【0060】
次に、遊技機5の構成について説明する。
【0061】
遊技機5の前面枠19は本体枠(外枠)17に図示しないヒンジを介して開閉回動可能に組み付けられる。遊技盤50は前面枠19の表側に形成された収納部(図示省略)に収装される。また、前面枠19には、遊技盤50の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
【0062】
遊技盤50の表面には、ガイドレール55で囲われた略円形状の遊技領域51が形成される。
【0063】
遊技領域51には、センターケース40が設置され、センターケース40のほぼ中央で、センターケース40に設けられた凹部で、センターケース40の前面より奥まった位置に表示装置58が取り付けられる。すなわち、センターケース40は表示装置58の表示領域の周囲を囲い、表示装置58の表示面から前面側(遊技者側)に突出するように設けられている。
【0064】
表示装置58は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面が構成されている。表示画面の表示領域には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲーム(特別図柄変動表示ゲーム、補助遊技)を演出するキャラクタが表示される。例えば、表示画面の変動表示領域には、識別情報として割り当てられた三つの特別図柄が変動表示(可変表示)して特図変動表示ゲーム(補助遊技)が行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
【0065】
センターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート31が設けられる。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口32が設けられ、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口32が設けられる。センターケース40の下側には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)35が設けられ、その直下には開閉可能な普通変動入賞装置33を備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)34が配設されている。センターケース40の下側に設けられた第2始動入賞口34の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れやすい状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)36が設けられる。
【0066】
一般入賞口32、第1始動入賞口35、第2始動入賞口34、又は特別変動入賞装置36に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた賞球数の遊技球が賞球として払い出される。
【0067】
遊技機5では、遊技球(パチンコ球)が発射装置(図示省略)から遊技領域51に向けて打ち出される。打ち出された遊技球は、遊技領域51内の各所に設置された釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域51を流下し、一般入賞口32、第1始動入賞口35、第2始動入賞口34又は特別変動入賞装置36に入賞するか、遊技領域51の最下部に設けられたアウト口39に入ることによって遊技が行われる。なお、一部の遊技球は、普通図柄始動ゲート31を通過した後、各入賞口又はアウト口39に入る。
【0068】
第2始動入賞口34は、普通変動入賞装置33の開閉によって、遊技球が入賞しやすい状態(促進状態)と遊技球が入賞しにくい状態(抑制状態)とのいずれかに変換される。普通変動入賞装置33は通常は閉状態であり、第2始動入賞口34の上方には第1始動入賞口35が設けられているので、閉状態では第2始動入賞口34に遊技球が入賞しにくい。普通図柄始動ゲート31を遊技球が通過することによって、普図変動表示ゲームが実行され、普図変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、普通変動入賞装置33が開状態に変換され、第2始動入賞口34は遊技球が入賞しやすい状態となる。
【0069】
一般入賞口32への遊技球の入賞は、一般入賞口センサによって検出される。
【0070】
第1始動入賞口35及び第2始動入賞口34への遊技球の入賞は、それぞれの内部に設けられた特図始動口センサによって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技機5の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶(始動記憶)として所定数(例えば、最大で4個)を限度に記憶される。ここでは、第1始動入賞口35に入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口34に入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。そして、これら始動記憶の記憶数は、遊技状態表示器に表示される。遊技機5は、第1始動記憶に基づいて表示装置58にて第1特図変動表示ゲーム(補助遊技)を行い、第2始動記憶に基づいて表示装置58にて第2特図変動表示ゲーム(補助遊技)を行う。
【0071】
第1始動記憶又は第1始動入賞口35に遊技球の入賞があると、表示装置58では、前述した数字等で構成される識別情報(第1特別図柄)が変動表示を開始して、第1特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、表示装置58では、第1始動記憶の記憶数に対応する回数だけ、第1特図変動表示ゲームが行われ、興趣向上のために多様な表示を演出する。なお、第2始動記憶又は第2始動入賞口34に遊技球の入賞があるときについても同様である。
【0072】
第1始動入賞口35又は第2始動入賞口34への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当たり乱数値が当たり値であるとき)には第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態となる。具体的には、特図表示器(遊技状態表示器)では、当たり図柄である一桁の特別図柄で停止して、表示装置58は、三つの特別図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置36の大入賞口は、所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換されることを所定回数だけ繰り返す大当り状態(特別遊技状態)となる。すなわち、特別変動入賞装置36が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
【0073】
特別変動入賞装置36の大入賞口への遊技球の入賞は、カウントセンサによって検出される。
【0074】
普通図柄始動ゲート31への遊技球の通過は、普通図柄始動ゲートセンサによって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技機5の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、普通図柄入賞記憶の記憶された個数は遊技状態表示器に表示される。
【0075】
普図入賞記憶があると、表示装置58では、普図入賞記憶に基づいて普図表示器(遊技状態表示器)で普図変動表示ゲームを開始する。すなわち、普通図柄始動ゲート31への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普図乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、普通図柄の当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置33が所定の時間だけ開放されるため、第2始動入賞口34は遊技球が入賞しやすい状態となる。
【0076】
なお、遊技装置4では、大当り遊技状態後に特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)の大当たり確率が変化する場合があり、確率状態は特図変動表示ゲームの当選確率が低い低確率状態か、低確率状態よりも当選確率が高い高確率状態の何れかに設定される。
【0077】
また、遊技装置4では、遊技状態に応じて普通変動入賞装置33の開放頻度が変化するようになっており、普通変動入賞装置33の開放頻度が低い抑制状態か、抑制状態よりも開放頻度が高い促進状態(変動時間短縮状態)の何れかに設定される。遊技装置4の普通変動入賞装置33の開放時間は、促進状態では2.9秒間、抑制状態では0.5秒間としている。
【0078】
この特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態/高確率状態)と、普通変動入賞装置33の開放頻度の状態(抑制状態/促進状態)は、互いに独立して発生するものであるが、所定の条件を満たした場合には、何らかの相関を持って発生することもある。
【0079】
本実施の形態では、低確率状態と抑制状態が同時に発生している状態を「低確抑制モード」とし、低確率状態と促進状態が同時に発生している状態を「低確促進モード」とし、高確率状態と抑制状態が同時に発生している状態を「高確抑制モード」とし、高確率状態と促進状態が同時に発生している状態を「高確促進モード」としている。即ち、遊技装置4には、4つの遊技モードが存在することになる。
【0080】
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、その内部に装飾装置(ランプ、LED等)を備え、遊技の進行に合わせて発光する装飾部材16が設けられる。また、ガラス枠18の上方には、その内部に装飾装置(ランプ、LED等)が備わる照明ユニット37が設けられる。
【0081】
前面枠19の下部の開閉パネル20には発射装置に遊技球を供給する上皿21が、固定パネル22には灰皿29、下皿23及び図示しない発射装置の操作部24等が備わっている。
【0082】
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるためのセレクトボタン44及び演出ボタン41が備わっている。遊技者がセレクトボタン44を操作することによって、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)において表示装置58に表示される演出内容を選択することができる。また、遊技者が演出ボタン41を操作することによって、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
【0083】
上皿21の右上部には、遊技者が有価価値を消費して遊技媒体を借りる場合に操作する貸出ボタン26、及び、記憶媒体受付端末装置6から記憶媒体(ワンデイカード、会員カード等)を排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。これらのボタン26、27の間には、会員カードやワンデイカード等のカードに記憶された残高を表示する残高表示部28が設けられる。
【0084】
下皿23には、下皿23に貯留された遊技球を排出するための下皿球抜き機構42が備えられる。操作部24が遊技者により回動操作されると、上皿21の遊技球が発送装置によって発射される。前面枠19の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備わっている。
【0085】
遊技機5からは、賞球信号、特賞信号、確変・時短信号、スタート信号、第1始動入賞信号、第2始動入賞信号、図柄確定信号、枠開放信号が出力される。
【0086】
賞球信号は、所定数の賞球を払い出した場合に遊技機5から出力される信号で、例えば10個の賞球を排出する毎にパルス信号が出力される。特賞信号は、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りとなると実行される大当り状態において出力される信号である。
【0087】
確変・時短信号は、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が大当りとなる確率が高い高確率状態において出力され、また、単位時間に第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が多く実行される促進状態においても出力される信号である。第1始動入賞信号は、第1特図始動口センサが第1始動入賞口35への遊技球の入賞を検出した場合に出力される信号である。第2始動入賞信号は、第2特図始動口センサが第2始動入賞口34への遊技球の入賞を検出した場合に出力される信号である。
【0088】
スタート信号は、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始した場合に出力される信号である。図柄確定信号は、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が終了した(識別情報の変動表示が停止した)場合に出力される信号である。枠開放信号は、ガラス枠18又は前面枠19が開放された場合に出力される信号である。
【0089】
なお、遊技機5は、これらの信号の全てを出力しなくても、一部の信号のみを出力するものであってもよい。
【0090】
次に、記憶媒体受付端末装置6の構成について説明する。
【0091】
記憶媒体受付端末装置6は、カード挿入口61、表示装置62、紙幣挿入口63、状態表示部64、払出口66及び球払出案内装置67を備える。
【0092】
カード挿入口61は、記憶媒体受付端末装置6の表示装置62の下方に設けられる。カード挿入口61には、ワンデイカード又は会員カード等の記憶媒体が挿入される。
【0093】
表示装置62は、記憶媒体受付端末装置6の中央付近に設けられる。表示装置62は、表示画面及び操作部(中断スイッチ、カードIDクリアスイッチ)を備える。
【0094】
中断スイッチは、遊技者が食事など遊技装置4の前を離れる場合(つまり、遊技を中断する場合)に操作されるスイッチである。中断スイッチが操作されると、記憶媒体受付端末装置6は、カード挿入口61に挿入されているカードのカードIDを記憶してからカードを排出する。そして、カード挿入口61にカードが新たに挿入されても、挿入されたカードのカードIDとカード記憶されたカードIDとが一致しなければ、新たに挿入されたカードを排出し、記憶されたカードID以外のカード以外での遊技を禁止する。カードIDクリアスイッチは、中断スイッチの操作によって記憶されたカードIDを消去する場合に操作される。
【0095】
遊技者がカード挿入口61に会員カード又はワンデイカードを挿入すると、遊技機5の残高表示部28に、受け付けられたカード残高が表示される。その後、遊技者が遊技機5の貸出ボタン26を操作すると、記憶媒体受付端末装置6からの貸出指令信号に基づいて、排出制御装置の制御によって排出装置から所定数の遊技球が排出され、排出流路を流下して上皿21に排出される。なお、記憶媒体受付端末装置6が球貸し機能を有し、払出口66から貸球を排出するようにしてもよい。
【0096】
なお、本発明の実施形態では、貯球と貸球を区別しているが、貯球を遊技者所有の有価価値と捉え、貯球を再使用する場合に、有価価値を消費して遊技球を払い出したと見做せば、貯球も貸球と考えることができる。従って、貯球の再使用を売上(貸球)とみなして割数を算出することもできる。
【0097】
表示装置62は、カード情報表示画面、大当り情報表示画面、残高情報表示画面、及びグループ登録画面等を表示する。カード情報表示画面では、カード挿入口61に挿入されたワンデイカード又は会員カードに記憶された情報(会員情報)が表示される。大当り情報表示画面では、遊技機5において所定期間の間に実行された特図変動表示ゲームの回数及び特図変動表示ゲームの結果が大当りである回数が表示される。残高情報表示画面では、カード挿入口61に挿入されたワンデイカード又は会員カードに記憶された有価価値、又は、カードが挿入されない状態で、紙幣挿入口63に紙幣が挿入されることにより、記憶媒体受付端末装置6内にストックされた有価価値の残高が表示される。
【0098】
記憶媒体受付端末装置6からは、カード情報、球貸情報、貯球払出情報、持球払出情報が出力される。
【0099】
カード情報は、記憶媒体受付端末装置6に受け付けられたカードに記憶されたカードIDやカードの種類である。球貸情報は、記憶媒体受付端末装置6が貸し出した遊技球の数を示す信号である。貯球払出情報は、記憶媒体受付端末装置6が払い出した貯玉の数を示す信号である。持球払出情報は、記憶媒体受付端末装置6が払い出した持球の数を示す信号である。
【0100】
図5に示す構成では、記憶媒体受付端末装置6は各遊技機5に一対一に設けられているが、例えば、1台の記憶媒体受付端末装置6を2台の遊技機5の間に設け、切替スイッチによって、左右どちらの遊技機5に対応するかを切り替えてもよい。
【0101】
各台計数器68は、遊技者が遊技の結果獲得した遊技球の数を計数し、計数信号を出力する。各台計数器68からは、計数した遊技球の数を示す計数信号が出力される。
【0102】
以上が、遊技システムの各構成である。続いて、遊技場管理本部に設置されたシミュレーション装置7について説明する。
【0103】
図6は、本発明の実施形態のシミュレーション装置7にてシミュレーションされる遊技装置4の仕様データの一例である。仕様データは、遊技場管理装置1のデータベース106a(図1参照)に記憶されている。
【0104】
低確率時大当り確率301は、遊技装置4が低確率状態のときの大当り確率であり、低確率状態で特図変動表示ゲームを1回実行したときに大当りとなる確率である。また、高確率時大当り確率302は、遊技装置4が高確率状態のときの大当り確率であり、高確率状態で特図変動表示ゲームを1回実行したときに大当りとなる確率である。
【0105】
なお、図では確率値の分母の値が表示されている。また、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームは、同じ確率でもって抽選が行われる。従って、この低確率時大当り確率301及び高確率時大当り確率302は、特図変動表示ゲーム(補助遊技)の実行により、大当り(特別遊技状態)が発生する確率を特定するデータである。
【0106】
第1始動口賞球数303は、発射された遊技球が第1始動入賞口35に入賞したときに払い出される賞球の数である。第2始動口賞球数304は、発射された遊技球が第2始動入賞口34に入賞したときに払い出される賞球の数である。一般入賞口賞球数305は、発射された遊技球が一般入賞口32に入賞したときに払い出される賞球の数である。
【0107】
最大獲得賞球数311は、第1特図変動表示ゲームが大当りとなった場合に獲得できる賞球数の最大値である。大当り種別コード312は、第1特図変動表示ゲームが大当りとなったときに発生する大当りの種別を特定するコードである。獲得賞球数313は、発生した大当りの際に獲得できる賞球数を、大当りの種別毎に規定したものである。
【0108】
遷移モード314は、発生した大当りが終了した後に移行するモードを、大当りの種別毎に規定したものである。なお、大当り後に、低確率状態且つ抑制状態となるモードへ移行する場合は「低確抑制」、低確率状態且つ促進状態となるモードへ移行する場合は「低確促進」、高確率状態且つ促進状態となるモードへ移行する場合は「高確促進」となる。また、図には示されていないが、大当り後に、高確率状態且つ抑制状態となるモード(所謂、潜伏モード)へ移行する場合は「高確抑制」となる。
【0109】
高確率回数315は、高確率状態へ移行した際に、低確率状態へ転落するまでに実行可能な第1特図変動表示ゲームの回数を規定したものである。時短回数316は、促進状態へ移行した際に、抑制状態へ転落するまでに実行可能な第1特図変動表示ゲームの回数を規定したものである。なお、図では「10000」という値が設定されている種別の大当りがあり、このような大当り後に高確率状態や促進状態に移行した場合は、ほぼ確実に大当りが発生することになる。
【0110】
振分確率は、低確抑制モード時の設定値317、低確促進モード時の設定値318、高確抑制モード時の設定値319、高確促進抑制モード時の設定値320の4種類がある。
【0111】
低確抑制モード時の設定値317は、低確率状態且つ抑制状態となるモードで大当りが発生した場合において、どの種別の大当りとするかを振り分ける情報である。数値は百分率を示しており、縦方向の数値を総計すると100となる。当該モードで大当りが発生した場合は、この割合に対応する比率で大当りの種別を決定することになり、具体的には、30%の確率で「10H」の種別となる大当りとなり、1%の確率で「14H」の種別となる大当りとなり、69%の確率で「15H」の種別となる大当りとなる。なお、種別コードが「11H」、「12H」、「13H」、「16H」となる他の大当りは発生しない。
【0112】
低確促進モード時の設定値318は、低確率状態且つ促進状態となるモードで大当りが発生した場合において、どの種別の大当りとするかを振り分ける情報である。数値は百分率を示しており、縦方向の数値を総計すると100となる。当該モードで大当りが発生した場合は、この割合に対応する比率で大当りの種別を決定することになり、具体的には、10%の確率で「11H」の種別となる大当りとなり、10%の確率で「12H」の種別となる大当りとなり、10%の確率で「13H」の種別となる大当りとなり、1%の確率で「14H」の種別となる大当りとなり、69%の確率で「15H」の種別となる大当りとなる。なお、種別コードが「10H」及び「16H」となる大当りは発生しない。
【0113】
高確抑制モード時の設定値319は、高確率状態且つ抑制状態となるモードで大当りが発生した場合において、どの種別の大当りとするかを振り分ける情報である。ただし、本実施形態の遊技機では、当該モードは発生しないので、どの種別の大当りも数値は「0」となっている。
【0114】
高確促進モード時の設定値320は、高確率状態且つ促進状態となるモードで大当りが発生した場合において、どの種別の大当りとするかを振り分ける情報である。数値は百分率を示しており、縦方向の数値を総計すると100となる。当該モードで大当りが発生した場合は、この割合に対応する比率で大当りの種別を決定することになり、具体的には、30%の確率で「10H」の種別となる大当りとなり、1%の確率で「14H」の種別となる大当りとなり、29%の確率で「15H」の種別となる大当りとなり、40%の確率で「16H」の種別となる大当りとなる。なお、種別コードが「11H」、「12H」、「13H」となる他の大当りは発生しない。
【0115】
このようにして、各設定値317〜320は、大当りを契機に低確抑制モード、低確促進モード、高確抑制モード及び高確促進モードの各モードが相互に遷移する確率を特定するためのデータとなっている。
【0116】
なお、第2特図変動表示ゲームが大当りとなった場合は、第1特図変動表示ゲームが大当りとなったときの各データを、最大獲得賞球数331、大当り種別コード332、獲得賞球数333、遷移モード334、高確率回数335、時短回数336、低確抑制モード時の設定値337、低確促進モード時の設定値338、高確抑制モード時の設定値339、高確促進抑制モード時の設定値340に置き換えればよいので、説明を省略する。
【0117】
図7は、本発明の実施形態のシミュレーション装置7の出力装置711に出力される設定入力画面400の態様を示す図である。設定入力画面400は、シミュレーション対象の遊技装置4の設定データが示されており、オペレータによって任意の数値が設定できるようになっている。また、設定入力画面400には、オペレータが操作に用いるボタンが示されている。なお、遊技装置4の設定データ自体は遊技場管理装置1のデータベース106aに記憶されている。
【0118】
終日アウト数401には、1日の営業を通して遊技装置4で発射される遊技球の総数を設定する。遊技装置4が1時間稼働する場合には約6000個の発射球数が発生すると想定されるので、オペレータは、遊技店での実際の稼動時間を考慮して、予想される発射球数を画面上で設定する。
【0119】
シミュレーション日数402には、シミュレーションを実行する日数を設定する。貸球レート403には、遊技者が貸球として遊技球を借りる際に必要な金額を、遊技球1個当りに換算して設定する。清算レート404には、遊技者が持球を景品に交換する際に獲得できる景品の金額を、遊技球1個当りに換算して設定する。
【0120】
一般入賞数405には、遊技装置4の遊技領域51に発射された遊技球が、一般入賞口32に入賞する頻度を設定する。ここでは、1分間に100個の遊技球が発射されるものと想定して、この100個のうちの何個が一般入賞口32に入賞するのかを設定する。第1始動入賞数406には、遊技装置4の遊技領域51に発射された遊技球が、第1始動入賞口35に入賞する頻度を設定する。ここでは、一般入賞口32同様に、1分間に100個の遊技球が発射されるものと想定して、この100個のうちの何個が第1始動入賞口35に入賞するのかを設定する。
【0121】
通常時第2始動入賞数407及び時短時第2始動入賞数408には、遊技装置4の遊技領域51に発射された遊技球が、第2始動入賞口34に入賞する頻度を設定する。ここでは、一般入賞口32同様に、1分間に100個の遊技球が発射されるものと想定して、この100個のうちの何個が第2始動入賞口34に入賞するのかを設定する。ただし、遊技装置4が抑制状態のときと促進状態のときでは、普通変動入賞装置33が開放される頻度が異なるため、抑制状態のときの入賞頻度を通常時第2始動入賞数407に設定し、促進状態のときの入賞頻度を時短時第2始動入賞数408に設定する。
【0122】
従って、これらの第1始動入賞数406、通常時第2始動入賞数407、時短時第2始動入賞数408として設定される各データは、遊技領域51に発射された遊技球が、特図変動表示ゲーム(補助遊技)を実行させるための始動領域に入賞する確率を特定するデータとなる。
【0123】
第1特図大当りでの最大発射数409は、第1特図変動表示ゲームが大当りとなった場合において、その大当り中を通して遊技領域51に発射される遊技球の数を設定する。ただし、大当り中に実行されるラウンドの数が固定されておらず、大当り中の時間はいつも一定ではないことから、最大のラウンドとなる大当りが発生したときに発射される遊技球の数を設定する。
【0124】
第2特図大当りでの最大発射数410は、第2特図変動表示ゲームが大当りとなった場合において、その大当り中を通して遊技領域51に発射される遊技球の数を設定する。この設定値にも、最大のラウンドとなる大当りが発生したときに発射される遊技球の数を設定する。
【0125】
営業開始時のクリア操作411には、1日分のシミュレーションを終えた際に、遊技モードを「抑制状態且つ低確率状態」となる状態に設定してから次の日のシミュレーションを実行するか、シミュレーション終了時の遊技モードを変更しないで次の日のシミュレーションを実行するかを、選択するためのデータである。前者の場合は「有」を、後者の場合は「無」を設定する。
【0126】
遊技者離席条件412は、持球を所有している遊技者が、遊技をやめて景品に交換するときの条件を設定する。例えば、遊技者は、大当り終了後に遊技モードが抑制状態となったタイミングで即座に遊技をやめたり、大当り終了後に遊技モードが抑制状態となってから所定回数の変動表示ゲームを実行してから遊技をやめたりするので、実際の遊技店での遊技者の行動に対応させて条件を設定しておく。
【0127】
なお、遊技者全員が同じタイミングで遊技をやめるとは限らないので、辞めるタイミングの種別毎に、遊技者の割合を設定することも可能である。例えば、「大当り終了後に遊技モードが抑制状態となったタイミングで即座に遊技をやめる遊技者を50%とし、残りの遊技者は遊技を継続する」というような条件を設定することも可能である。本実施形態のシミュレーション装置7では、このような遊技をやめるタイミングの組合せが予め「条件1」、「条件2」、‥というように複数パターン用意されているので、オペレータはこの複数のパターンの中から1つを選択して設定する。
【0128】
レア大当り発生調整413は、確率的に発生しにくい種別の大当りが所望の回数だけ所望の時期に発生するように、乱数値に加工を加えてシミュレーションを行う場合の設定項目である。乱数値に加工を加えて意図的に大当りを発生させる場合は「有」を、意図的に大当りを発生させない場合は「無」を設定する。
【0129】
なお、確率的に発生しにくい種別の大当りとは、図6に規定した各種別の大当りのうち、大当りコードが「14H」又は「24H」となる大当りの様な大当りである。これらの大当りは、100分の1の頻度でしか発生しないので、短期間のシミュレーションを行っただけでは確率通りの頻度で発生することが期待できない。
【0130】
もし、このような大当り(以下、レア大当りとする)が発生すると遊技者が大量の出球を獲得できるような遊技装置4であるならば、レア大当りが数回発生しただけでも遊技店にとっての利益はマイナスになるし、レア大当りが1回も発生しない場合は遊技者にとっての利益は大きなマイナスになる。従って、レア大当りに関しては、乱数を用いて発生のシミュレーションを行うと、出力結果のばらつきが大きすぎて、遊技店の営業データとして扱いにくくなる。
【0131】
そのため、本実施形態のシミュレーション装置7では、このようなレア大当りの発生回数や発生時期を固定してシミュレーションを行うことが出来るようになっており、予め発生するレア大当りの回数を想定した上でのシミュレーションを行うことで、より現実的な営業データを得ることが出来るようになっている。
【0132】
なお、レア大当り発生調整413を「有」にした状態で、発生頻度設定ボタン413aを操作すると、図示しない設定用の画面が出現して、レア大当りの発生回数、発生時期などのパターンを詳細に設定できるようになっている。例えば、「シミュレーションの開始から特図変動表示ゲームが1000回実行されたときと、2000回実行されたときと、3000回実行されたときの、合計3度のタイミングでレア大当りが発生する」というような設定を行う。
【0133】
この場合、レア大当りが所望のタイミングで発生するように、後述の特賞判別乱数に加工を行って、意図的にレア大当りを発生させる処理が行われる。なお、特賞判別乱数を意図的に加工する処理については、図16で後述する。
【0134】
また、実行ボタン421は、シミュレーションを開始するためのボタンである。また、乱数系列変更ボタン422は、シミュレーション時に使用する乱数値が、前回のシミュレーションと同じ値にならないようにする場合に操作するボタンである。
【0135】
また、設定条件保存ボタン423は、設定入力画面400で設定した各種パラメータの組合せを保存しておくためのボタンである。このようなパラメータの組合せを保存しておけば、後日、同様の条件でシミュレーションを実行する際に、設定入力画面400の各設定項目を1から設定しなおす必要がなくなる。この保存したパラメータの組合せを用いて、シミュレーション時のパラメータとして再設定する場合は、設定条件読込ボタン424を操作する。
【0136】
図8は、本発明の実施形態のシミュレーション装置7の出力装置711に出力されるシミュレーション結果画面500の一例である。
【0137】
通常中ベース501は、遊技モードが抑制状態のときに限定して算出された、アウト球数に対するセーフ球数の割合である。時短中ベース502は、遊技モードが促進状態のときに限定して算出された、アウト球数に対するセーフ球数の割合である。
【0138】
また、通常中スタート503は、遊技モードが抑制状態のときに限定して算出された、特図変動表示ゲームの実行回数である。時短中スタート504は、遊技モードが促進状態のときに限定して算出された、特図変動表示ゲームの実行回数である。
【0139】
また、通常中TS505は、遊技モードが抑制状態のときに限定して算出された、特図変動表示ゲームの実行回数に対する大当り発生回数の比率である。時短中TS506は、遊技モードが促進状態のときに限定して算出された、特図変動表示ゲームの実行回数に対する大当り発生回数の比率である。
【0140】
また、TY507は、遊技者の持球数が1回の大当りでどのくらい増加したのかを、平均値で示すものである。ただし、最初に大当りが発生して大当り終了後の遊技モードが促進状態となった場合には、この促進状態が終了するまでの間のアウト数及びセーフ数も、大当り中の持球数の増減として含ませる。また、遊技モードが促進状態のときに大当りとなった場合には、新たに発生した大当りで増減する出球の数は、直前に発生した大当りの出球に含ませることにして計数される。
【0141】
言い換えれば、最初の大当りと、大当り終了後の遊技モードが促進状態となっている間と、促進状態のときに発生した大当りまでの一連の流れを、出球数が多い1回の大当りとして処理したほうが、遊技装置4の性能を把握する上で都合がよいので、そのような都合に合わせた出力結果を示しているのである。
【0142】
T1Y508は、遊技者の持球数が1回の大当りでどのくらい増加したのかを、平均値で示すものである。T1Y508は、TY507とは異なって、遊技モードが促進状態となっている間の出球の増減は計数されない。また、抑制状態で発生した大当りも、促進状態で発生した大当りも、それぞれ別の大当りとして扱う点も異なっている。T1Y508は、遊技装置4の性能を把握するよりも、大当り発生中のセーフ球数を確認するための釘調整用のデータとして用いられる。
【0143】
また、出球率509は、アウト球数に対するセーフ球数の割合であり、遊技モードに関係なく、シミュレーション全体を通しての割合として算出したものである。台売上510は、シミュレーション全体を通しての売上額である。台利益511は、シミュレーション全体を通しての売上額から、シミュレーション全体を通しての清算額を差し引いたものである。
【0144】
また、スランプグラフ出力521は、算出結果を時系列的に表したものであり、アウト球数とセーフ球数との差をグラフで表示する。また、大当り発生頻度出力522は、大当りが発生した時刻を記号で表したものである。
【0145】
なお、シミュレーション結果画面500にて出力される各出力データは、表形式523で示すことも可能であり、保存ボタン531を操作することでこれらの各出力データを保存しておくこともできるようになっている。なお、戻るボタン532を操作すると、シミュレーション結果画面500は消えて、図7の設定入力画面400に切り替わる。
【0146】
以下、シミュレーション装置7による制御について具体的な処理を説明する。
【0147】
〔メイン処理〕
図9は、本発明の実施形態のシミュレーション装置7にてシミュレーションを実行する際のメイン処理の手順を説明するフローチャートである。シミュレーションの実行は、シミュレーション装置7のCPU701によって実行される。
【0148】
まず、シミュレーション装置7が起動されると、CPU701は、シミュレーション開始準備の処理を実行する(S101)。ここでは、図7に示す設定入力画面400が出力装置711に出力され、オペレータによって必要な設定データが入力される。また、レア大当り発生調整413を設定することによって、特定種類の大当りが指定回数だけ発生するように設定することも出来る。
【0149】
なお、オペレータが乱数系列変更ボタン422を操作しなければ、CPU701は、前回のシミュレーション時に発生した乱数値を用いて今回のシミュレーションを行うことになり、乱数系列変更ボタン422を操作すれば、前回のシミュレーション時に発生した乱数値をクリアして、新たな乱数値を発生させて今回のシミュレーションを行うことになる。そのため、オペレータによって、前回のシミュレーション時の乱数値を再度使用するか否かを、選択できる構成となっている。
【0150】
次に、オペレータによる実行ボタン421の操作を受け付けると、CPU701は、シミュレーションを開始し(S102)、シミュレーション実行処理を実行する(S103)。なお、シミュレーション実行処理の詳細については、図10にて後述する。
【0151】
次いで、S104の処理では、CPU701は、レア大当り発生調整413が「有」であるか否かを判定し、「有」でない場合、即ち「無」の場合はレア大当りの発生頻度を調整する必要がないと判断して(S104の結果が「N」)、S107へ分岐して図8に示すシミュレーション結果画面500を表示し、メイン処理を終了する。
【0152】
一方、CPU701は、レア大当り発生調整413が「有」の場合は、レア大当りの発生頻度を調整する必要があると判断して(S104の結果が「Y」)、記憶されている乱数値の列(図10のS124で記憶した乱数の列)を検索して、特定種類の大当りが指定回数だけ発生するように乱数値の値を固定値に置き換える。なお、固定値に置き換える処理の詳細については、図16で後述する。
【0153】
次いで、CPU701は、再度、シミュレーション実行処理を実行する(S106)。これにより、乱数値の一部が固定値に置き換えられた状態でシミュレーションが実行されるため、特定種類の大当りが指定回数だけ発生するという前提でシミュレーションが実行される。次いで、図8に示すシミュレーション結果画面500を表示し(S107)、メイン処理を終了する。
【0154】
〔シミュレーション実行処理〕
続いて前述のメイン処理(図9)のシミュレーション実行処理(S103、S106)についての詳細を説明する。図10は、本実施形態のシミュレーション実行処理の手順を示すフローチャートである。
【0155】
まず、シミュレーション装置7のCPU701は、シミュレーションされる遊技装置4のモードが低確率状態且つ抑制状態となるモードに設定する(S111)。次いで、時短カウンタと高確率カウンタを「0」にクリアする(S112)。時短カウンタは、現在の遊技装置4のモードが促進状態である場合において、抑制状態へ転落するまでに実行可能な特図変動表示ゲームの実行回数が格納されている。高確率カウンタは、現在の遊技装置4のモードが高確率状態である場合において、低確率状態へ転落するまでに実行可能な特図変動表示ゲームの実行回数が格納されている。
【0156】
次いで、CPU701は、シミュレーション対象の各種遊技成績データを「0」にクリアして初期化する(S113)。遊技成績データは、図8のシミュレーション結果を算出するために必要なデータであり、売上額、精算額、持球数、アウト球数、セーフ球数、図柄変動回数、大当り回数などが含まれる。
【0157】
ここで、アウト球数は、遊技装置4のモードが抑制状態のとき、遊技装置4のモードが促進状態のとき、及び大当り中では個別に計数され、それぞれを、通常中アウト球数、時短中アウト球数、特賞中アウト球数としている。特に指定がない限り、通常中アウト球数、時短中アウト球数、特賞中アウト球数の全ての合計値を、単にアウト球数ということにする。
【0158】
同様に、セーフ球数は、遊技装置4のモードが抑制状態のとき、遊技装置4のモードが促進状態のとき、及び大当り中では個別に計数され、夫々を、通常中セーフ球数、時短中セーフ球数、特賞中セーフ球数としている。特に指定がない限り、通常中セーフ球数、時短中セーフ球数、特賞中セーフ球数の合計値を、単にセーフ球数ということにする。
【0159】
同様に、図柄変動回数は、遊技装置4のモードが抑制状態のときと促進状態のときとで個別に計数され、また、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを区別して計数する。具体的には、通常中第1特図図柄変動回数、時短中第1特図図柄変動回数、通常中第2特図図柄変動回数、時短中第2特図図柄変動回数に区別する。
【0160】
同様に、大当り回数は、遊技装置4のモードが抑制状態のときに発生した大当りの回数と、遊技装置4のモードが促進状態のときに発生した大当りの回数とを個別に計数し、夫々を通常中大当たり回数、時短中大当たり回数とする。
【0161】
次いで、CPU701は、持球数が「0」であるか否かを判定し(S114)、持球数が「0」であれば、持球がないために貸球操作を行ったものとして売上額に100円を加算し、100円に相当する貸球数の球を持球数に加算する(S115)。このとき、100円に相当する貸球数は、貸球レート403のデータに対応して算出される。次いで、球発射演算処理を実行する(S116)。なお、球発射演算処理の詳細については図11にて後述する。ステップS114で持球数が「0」でなければ、貸球の処理を行わずにS116の球発射演算処理を実行する。
【0162】
次いで、CPU701は、遊技者が遊技装置4での遊技をやめて離席するための条件が成立したかを判定する(S117)。ここでは、遊技者離席条件412(図7)に設定した条件が成立していれば「Y」の判定となる。離席の条件に割合が含まれている場合は、乱数等を用いて判定する。例えば、「大当り終了後に遊技モードが抑制状態となったタイミングで即座に遊技をやめる遊技者を50%とし、残りの遊技者は遊技を継続する」という条件であれば、大当り終了後に遊技モードが抑制状態となったタイミングで抽選を行って50%の確率で「Y」とする判定を行う。
【0163】
そして、CPU701は、離席条件成立(ステップS117で「Y」の判定)であれば遊技を終了したものとして、持球数を清算した際に発生する金額を清算額に加算し、持球数を「0」にクリアする(S118)。このとき、持球数を清算した際に発生する金額は、清算レート404のデータに対応して算出される。一方、ステップS117で離席の条件が成立していなければ、清算の処理を行わずにS119に移行する。
【0164】
次いで、CPU701は、アウト球数が終日アウト数401に達したか否かを判定する(S119)。ここでは、通常中アウト球数と時短中アウト球数との合計値(特賞中アウト数は含まれていない)が、終日アウト数401に達しているかを判定する。次いで、ステップS119により、アウト球数が終日アウト数401達していなければ(S119で「N」)、ステップS114からの処理を繰り返す。
【0165】
一方、ステップS119でアウト球数が1日に発生するアウト数に達していれば(S119で「Y」)、CPU701は、持球数を清算した際に発生する金額を清算額に加算し、持球数を「0」にクリアする(S120)。ここでは、ステップS118と同様の処理が行われる。次いで、計数した各種遊技成績データを、1日の成績データとして保存する(S121)。
【0166】
次いで、CPU701は、次の日のシミュレーションを開始するために、シミュレーションが実行された日数がシミュレーション日数402に達したか否かを判定する(S122)。そして、達していなければ、営業開始時のクリア操作411が「有」であるかを判定し(S123)、「有」であればシミュレーションされる遊技装置4のモードが、低確率状態且つ抑制状態となるモードに設定するためにS111に移行する。一方、ステップS123で、営業開始時のクリア操作411が「有」でない場合は、遊技装置4のモードをクリアしないで翌日のシミュレーションを行うために、S113に移行する。
【0167】
なお、今回のシミュレーションでもって、シミュレーションが実行された日数がシミュレーション日数402に達していれば、CPU701は、シミュレーションが終了したものとして、シミュレーションの開始時点から発生した乱数値(入賞判別乱数、特賞判別乱数I、特賞判別乱数II)を保存してから(S124)、呼び出し元のメイン処理に戻る。
【0168】
〔球発射演算処理〕
続いて前述のシミュレーション実行処理(図10)の球発射演算処理(S116)についての詳細を説明する。図11は、本発明の実施形態の球発射演算処理の手順を示すフローチャートである。
【0169】
まず、シミュレーション装置7のCPU701は、アウト球数を+1更新する(S131)。ここでは、遊技装置4のモードが抑制状態のときには通常中アウト球数を更新し、遊技装置4のモードが促進状態のときには時短中アウト球数を更新する。また、持球数からは「1」だけ減算する。これにより、1個の遊技球が遊技領域51に発射されたことが、アウト球数として計数される。
【0170】
次に、CPU701は、入賞判別乱数を抽出する(S132)。ここでは、前回のシミュレーション時に使用されて、遊技場管理装置1のデータベース106aに記憶されている入賞判別乱数を使用する。つまり、前回のシミュレーション時に使用されたものと同一の入賞判別乱数が抽出される。なお、前回使用した入賞判別乱数が保存されていなければ、新規に乱数を抽出する。
【0171】
次に、CPU701は、抽出した入賞判別乱数を判別して、遊技領域51に発射された1個の遊技球がどの入賞口に入賞するか、又はどの入賞口にも入賞せずにアウト口に取り込まれたかを、決定する(S133)。ここでは、図7の一般入賞数設定405、第1始動入賞数設定406、通常時第2始動入賞数設定407、時短時第2始動入賞数設定408に設定したデータに対応する確率が実現されるように、入賞判別乱数の入賞判定テーブルが予め設定されている。
【0172】
入賞の判定は、抽出した入賞判別乱数が入賞判定テーブルに設定された規定の範囲内に属するか否かによって行われ、「一般入賞」、「第1始動入賞」、「第2始動入賞」、「入賞せず」の何れかの判定結果となる。尚、入賞判定テーブルについては図14で後述する。
【0173】
なお、CPU701は、入賞判定の結果により処理を分岐させる(S134)。ステップS133の入賞判定結果が「一般入賞」であれば一般入賞処理に分岐する(S135)。ここでは、遊技装置4のモードが抑制状態のときには通常中セーフ球数に一般入賞口の賞球数が加算され、遊技装置4のモードが促進状態のときには時短中セーフ球数に一般入賞口の賞球数が加算される。また、持球数にも一般入賞口の賞球数が加算される。
【0174】
また、CPU701は、ステップS133の入賞判定結果が「第1始動入賞」であれば第1始動入賞処理に分岐する(S136)。第1始動入賞処理の詳細については図12にて後述するが、ここでは、遊技領域51に発射された1個の遊技球が第1始動入賞口35に入賞したものとして、第1特図変動表示ゲームを実行するシミュレーションが行われ、さらに、第1特図変動表示ゲームが大当りとなるか否かの抽選を行い、大当りになった場合は大当りフラグがオンとなるが、大当りにならない場合は大当りフラグがオフのままとなる。
【0175】
そして、CPU701は、第1始動入賞処理が終了すると、大当りフラグがオンであるか否かを判定し(S138)、大当りフラグがオンである場合は、特別遊技状態処理を実行する(S139)。特別遊技状態処理の詳細については図13にて後述するが、ここでは、1回の大当りが発生したときのアウト球数やセーフ球数を更新する処理が行われ、最後に大当りフラグがオフされる。特別遊技状態処理が終了すると呼び出し元のシミュレーション実行処理に戻る。
【0176】
一方、CPU701は、ステップS133の入賞判定結果が「第2始動入賞」であれば第2始動入賞処理に分岐する(S137)。第2始動入賞処理の詳細については図12にて後述するが、ここでは、遊技領域51に発射された1個の遊技球が第2始動入賞口34に入賞したものとして、第2特図変動表示ゲームを実行するシミュレーションが行われ、さらに、第2特図変動表示ゲームが大当りとなるか否かの抽選を行い、大当りになった場合は大当りフラグがオンとなるが、大当りにならない場合は大当りフラグがオフのままとなる。
【0177】
そして、CPU701は、第2始動入賞処理が終了すると、大当りフラグがオンであるか否かを判定し(S138)、大当りフラグがオンである場合は、特別遊技状態処理を実行する(S139)。以下は、前述の特別遊技状態処理と同様であるので、説明を省略する。
【0178】
なお、ステップS133の入賞判定結果が「入賞せず」であれば、CPU701は、一般入賞処理、第1始動入賞処理、第2始動入賞処理の何れの処理も実行しないで、呼び出し元のシミュレーション実行処理に戻る。
【0179】
〔第1始動入賞処理及び第2始動入賞処理〕
次に、前述の球発射演算処理(図11)の第1始動入賞処理(S136)及び第2始動入賞処理(S137)についての詳細を説明する。図12は、本発明の実施形態の第1始動入賞処理及び第2始動入賞処理の手順を示すフローチャートである。
【0180】
第1始動入賞処理を実行する場合は、まず、シミュレーション装置7のCPU701は、第1特図変動表示ゲームの実行回数を+1更新する(S141)。ここでは、遊技装置4のモードが抑制状態のときには通常中第1特図図柄変動回数を更新し、遊技装置4のモードが促進状態のときには時短中第1特図図柄変動回数を更新する。これにより、1回の第1特図変動表示ゲームが実行されたことが計数される。
【0181】
次に、CPU701は、セーフ球数及び持球数を加算更新する(S142)。ここでは、遊技装置4のモードが抑制状態のときには通常中セーフ球数に第1始動入賞口35の賞球数が加算され、遊技装置4のモードが促進状態のときには時短中セーフ球数に第1始動入賞口35の賞球数が加算される。また、持球数にも第1始動入賞口35の賞球数が加算される。
【0182】
次に、CPU701は、特賞判別乱数I(第1特図用の大当りを判別するための乱数)を抽出する(S143)。ここでは、前回のシミュレーション時に使用されて、遊技場管理装置1のデータベース106aに記憶されている特賞判別乱数Iを使用する。つまり、前回のシミュレーション時に使用されたものと同一の特賞判別乱数Iが抽出される。なお、前回使用した特賞判別乱数Iが保存されていなければ、新規に乱数を抽出する。
【0183】
そして、CPU701は、抽出した特賞判別乱数Iを判別して、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる否かを判定する(S144)。ここでは、図6で前述した仕様データに設定された低確率時大当り確率301若しくは高確率時大当り確率302に対応させて、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する。
【0184】
次に、CPU701は、ステップS144における判定結果が大当りであるか否かを判別し(S145)、大当りでなければ(S145で「N」)大当りフラグをオフする(S146)。次いで、高確率カウンタの減算更新の処理を行う(S147)。ここでは、高確率カウンタが「0」より大きければ高確率カウンタを1だけ減算する処理を行い、減算の結果として高確率カウンタが「0」になった場合には、モードを低確率状態に移行する処理を行う。なお、既に高確率カウンタが「0」である場合は、何も処理を行わない。
【0185】
次いで、CPU701は、時短カウンタの減算更新の処理を行う(S148)。ここでは、時短カウンタが「0」より大きければ時短カウンタを1だけ減算する処理を行い、減算の結果として時短カウンタが「0」になった場合には、モードを抑制状態に移行する処理を行う。なお、既に時短カウンタが「0」である場合は、何も処理を行わない。ステップS148の処理が終了すると、呼び出し元の球発射演算処理に戻る。
【0186】
一方、CPU701は、ステップS144における判定結果が大当りである場合(S145で「Y」)は、大当りフラグをオンする(S149)。次いで、発生した大当りの種別判定を行う(S150)。ここでは、図6で前述した仕様データの各設定値317〜320に規定された振分確率に対応して、大当り終了後に移行するモードを決定しておく。振り分けは、大当り判定時に用いた特賞判別乱数I(第2特図に関する判定を行った場合は、大当り判定時に用いた特賞判別乱数II)を再度使用して決定する。次いで、ステップS150で決定した大当りの種別に対応する種別コード312(第2特図に関する判定を行った場合は種別コード332)(図6を参照)を記憶しておく(S151)。ステップS151の処理が終了すると、呼び出し元の球発射演算処理に戻る。
【0187】
一方、第2始動入賞処理を実行する場合は、CPU701は、まず、シミュレーション装置7のCPU701によって、第2特図変動表示ゲームの実行回数が+1更新される(S152)。ここでは、遊技装置4のモードが抑制状態のときには通常中第2特図図柄変動回数が更新され、遊技装置4のモードが促進状態のときには時短中第2特図図柄変動回数が更新される。これにより、1回の第2特図変動表示ゲームが実行されたことが計数される。
【0188】
次に、CPU701は、セーフ球数及び持球数を加算更新する(S153)。ここでは、遊技装置のモードが抑制状態のときには通常中セーフ球数に第2始動入賞口34の賞球数が加算され、遊技装置のモードが促進状態のときには時短中セーフ球数に第2始動入賞口34の賞球数が加算される。また、持球数にも第2始動入賞口34の賞球数が加算される。
【0189】
次に、CPU701は、特賞判別乱数II(第2特図用の大当りを判別するための乱数)を抽出する(S154)。ここでは、前回のシミュレーション時に使用されて、遊技場管理装置1のデータベース106aに記憶されている特賞判別乱数IIを使用する。つまり、前回のシミュレーション時に使用されたものと同一の特賞判別乱数IIが抽出される。なお、前回使用した特賞判別乱数IIが保存されていなければ、新規に乱数を抽出する。
【0190】
そして、CPU701は、抽出した特賞判別乱数IIを判別して、第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる否かを判定する(S155)。ここでは、図6で前述した仕様データに設定された低確率時大当り確率301若しくは高確率時大当り確率302に対応させて、第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する。
【0191】
次に、CPU701は、ステップS155における判定結果が大当りであるか否かを判別し(S145)、大当りでない場合(S145で「N」)は、ステップS146以降の処理を実行し、大当りである場合(S145で「Y」)は、ステップS149以降の処理を実行した後、元の球発射演算処理に戻る。
【0192】
〔特別遊技状態処理〕
次に、前述の球発射演算処理(図11)の特別遊技状態処理(S139)についての詳細を説明する。図13は、本発明の実施形態の特別遊技状態処理の手順を示すフローチャートである。
【0193】
まず、シミュレーション装置7のCPU701は、大当り回数を+1更新する(S161)。ここでは、遊技装置4のモードが抑制状態のときには通常中大当たり回数が更新され、遊技装置4のモードが促進状態のときには時短中大当たり回数が更新される。これにより、1回の大当りが発生したことが大当り回数として計数される。
【0194】
次に、CPU701は、大当り種別コードに基づいて獲得賞球を決定する(S162)。ここでは、図6の仕様データの獲得賞球数313、333の中から、図12のステップS151で記憶した大当り種別コードに対応するものを取得する。この獲得賞球数は、今回発生した大当りにより獲得できる賞球の数である。次に、特賞中セーフ球数と持球数の各々に、S162で取得された獲得賞球数を加算する(S163)。
【0195】
また、CPU701は、今回発生した大当りの間に発射される遊技球の数を予測し、特賞中アウト球数に加算する(S164)。ここでは、発生した大当りが第1特図の大当りであれば、図7で設定した第1特図大当りでの最大発射数409と、S162で取得された獲得賞球数との積を算出し、さらに、図6の最大獲得賞球数311で除したものを発射予測数とする。また、発生した大当りが第2特図の大当りであれば、図7で設定した第2特図大当りでの最大発射数410と、S162で取得された獲得賞球数との積を算出し、さらに、図6の最大獲得賞球数331で除したものを発射予測数とする。そして、この発射予測数を特賞中アウト球数に加算する。即ち、S162で取得された獲得賞球数の最大獲得賞球数に対する割合を、大当り中の最大発射数と掛け合わせることで発射数を予測している。
【0196】
次に、CPU701は、持球数から、ステップS164で算出した発射予測数を減算する(S165)。次いで、高確率カウンタに値を設定する(S166)。ここでは、図6の仕様データの高確率回数315、335の中から、図12のステップS151で記憶した大当り種別コードに対応するものを取得して、高確率カウンタに設定する。次に、時短カウンタに値を設定する(S167)。ここでは、図6の仕様データの時短回数316、336の中から、図12のステップS151で記憶した大当り種別コードに対応するものを取得して、時短カウンタに設定する。
【0197】
次に、CPU701は、大当り終了後の遊技のモードを設定する(S168)。ここでは、図6の仕様データの遷移モード314、334の中から、図12のステップS151で記憶した大当り種別コードに対応するものを取得して、大当り終了後の遊技のモードとする。次に、大当りフラグをオフして(S169)、呼び出し元の球発射演算処理に戻る。
【0198】
〔入賞判定テーブル〕
次に、図14及び図15を参照して、前述の球発射演出処理(図11)の入賞振分処理(S133)で用いられる入賞判定テーブルについて説明する。
【0199】
図14は、理想的な入賞判別乱数の入賞判定テーブルの一例である。
【0200】
図14(1)は、図7の設定入力画面400に設定されている一般入賞数405、第1始動入賞数406、通常時第2始動入賞数407、及び時短時第2始動入賞数408に対応した入賞判定テーブル600である。
【0201】
入賞判別乱数601は、1〜1000の範囲で抽出される。そして、入賞判別乱数601は所定の範囲ごとに3つのグループ603に区別される。ここでは、入賞判別乱数601が1〜200の範囲のときグループA、201〜400の範囲のときグループB、401〜1000の範囲のときグループCに区分けされる。
【0202】
ここで、グループAの入賞判別乱数601は、一般入賞口32に入賞するか否かを判定するために用いられる乱数であり、乱数値に応じて入賞の結果602が「一般入賞」又は「入賞せず」になる。グループBの入賞判別乱数601は、第1始動入賞口35に入賞するか否かを判定するために用いられる乱数であり、乱数値に応じて入賞の結果602が「第1始動入賞」又は「入賞せず」になる。グループCの入賞判別乱数601は、第2始動入賞口34に入賞するか否かを判定するために用いられる乱数であり、乱数値に応じて入賞の結果602が「無条件第2始動入賞」、「促進中第2始動入賞」又は「入賞せず」になる。したがって入賞判別乱数601は、1〜1000の乱数値を7つの範囲に区分けされる。
【0203】
なお、「無条件第2始動入賞」となる入賞判別乱数601は、遊技装置4のモードが抑制状態か促進状態かに関係なく、第2始動入賞口34に入賞したと判定される。また、「促進中第2始動入賞」となる入賞判別乱数601は、遊技装置4のモードが促進状態のときにのみ、第2始動入賞口34に入賞したと判定される。
【0204】
このように、本実施形態では、1〜1000の範囲で入賞判別乱数601が発生する。そして、本図の入賞判定テーブル600により、図11のS132で抽出された入賞判別乱数601は、判定対象となる入賞口別に区分けされたグループ603内において「入賞」又は「入賞せず」の結果602を決定される。
【0205】
図14(2)は、図14(1)の入賞判定テーブル600をベースに一般入賞口32の入賞頻度を高めた場合の入賞判定テーブル610である。具体的には、図7の一般入賞数405を0.5から1.0に変更した。その他の入賞数は変更していない。
【0206】
この場合の入賞判定テーブル610は、入賞判定テーブル600から、一般入賞の判定に係るグループA(1〜200)内の入賞判別乱数611の当選範囲を変更するのみで対応できる。すなわち、グループAの入賞判別乱数611において、入賞の結果612が「一般入賞」となる割合を高くする。したがって、グループAの「一般入賞」となる入賞判別乱数611の範囲を広げて、「入賞せず」となる入賞判別乱数611の範囲を狭めればよい。このとき他のグループB及びグループCの当選範囲は変更する必要はない。
【0207】
なお、一般入賞口32の入賞頻度(一般入賞数405)の変更に準ずるように、第1始動入賞数406を変更する場合は、Bグループ(乱数値201〜400)のみの当選範囲を変更すればよいので、他のAグループやCグループの当選範囲には影響を与えない。また、通常時第2始動入賞数407や時短時第2始動入賞数408を変更する場合は、Cグループ(乱数値401〜1000)のみの当選範囲を変更すればよいので、他のAグループやBグループの当選範囲には影響を与えない。
【0208】
一方、図15は、好ましくない入賞判別乱数の入賞判定テーブルの一例である。
【0209】
図15(1)は、図7の設定入力画面400に設定されている一般入賞数405、第1始動入賞数406、通常時第2始動入賞数407、及び時短時第2始動入賞数408に対応した入賞判定テーブル620である。
【0210】
ここで、入賞判定テーブル620は、入賞判別乱数621が1〜1000の範囲で抽出されること及び乱数値に応じて入賞の結果622が決定されることは、図14(1)の入賞判定テーブル600と同様であるが、入賞判別乱数621が入賞口別にグループ区分けされていない点が異なる。
【0211】
具体的には、入賞判別乱数621の乱数値は、入賞の結果622が「一般入賞」、「第1始動入賞」、「無条件第2始動入賞」、「促進中第2始動入賞」、又は「入賞せず」のいずれかに図7の設定割合で決定されるように、5つの範囲に区分けされる。ここでは、乱数値が1〜5のとき「一般入賞」となり、乱数値が6〜67のとき「第1始動入賞」となり、乱数値が68〜70のとき「無条件第2始動入賞」となり、乱数値が71〜270のとき「促進中第2始動入賞」となり、乱数値が271〜1000のとき「入賞せず」となる。
【0212】
図15(2)は、図15(1)の入賞判定テーブル620をベースに一般入賞口32の入賞頻度を高めた場合の入賞判定テーブル630である。具体的には、図7の一般入賞数405を0.5から1.0に変更した。その他の入賞数は変更していない。
【0213】
この場合の入賞判定テーブル630は、入賞判定テーブル620から、入賞の結果632が「一般入賞」となる割合を高くする。具体的には、入賞判定テーブル620で「一般入賞」となる入賞判別乱数621の範囲が1〜5であったのに対し、入賞判定テーブル630では1〜10に設定される。これにより、「第1始動入賞」、「無条件第2始動入賞」及び「促進中第2始動入賞」に対応する乱数値が5ずつずれる。そして、「入賞せず」に対応する乱数値の範囲は、276〜1000に狭まる。
【0214】
ところで、図15のような入賞判定テーブルを用いると、図15(1)の入賞判定テーブル620に従ってシミュレーションを実行したときと同じ値の乱数を使って、図15(2)の入賞判定テーブル630に従ってシミュレーションを実行する場合に問題がある。入賞判定テーブル630は入賞判定テーブル620よりも入賞頻度を高めたにも関わらず、入賞判定テーブル620を用いるよりも出玉が少なくなるようなことが考えられる。
【0215】
例えば、シミュレーション開始早々に乱数値「8」が抽出されるような場合、入賞判定テーブル620では「第1始動入賞」と判定され、第1特図変動表示ゲームが実行されるが、入賞判定テーブル630では「一般入賞」と判定されるため、第1特図変動表示ゲームが実行されない。この第1特図変動表示ゲームが大当りとなるような場合は、入賞判定テーブル620を用いた方がシミュレーション開始早々に出玉が多くなる。入賞頻度を高めていない方が高めた方よりも出玉が多くなるという、入賞頻度の設定と出玉数の関係の逆転が生じてしまう。これでは、シミュレーションの結果を再現するときに支障が出る。
【0216】
これに対し、図14のような入賞判定テーブルを用いる場合は、図14(1)の入賞判定テーブル600に従ってシミュレーションを実行したときと同じ値の乱数を使って、図14(2)の入賞判定テーブル610に従ってシミュレーションを実行しても何ら問題はない。入賞判定テーブル610は入賞判定テーブル600よりも入賞頻度を高めたにも関わらず、入賞判定テーブル600を用いるよりも出玉が少なくなるようなことはない。釘調整を良くして入賞頻度を高めれば出玉が多くなるという、入賞頻度の設定と出玉数の関係を正常に保つことができる。これにより、シミュレーションの結果を適切に再現することができる。
【0217】
〔入賞判別乱数、特賞判別乱数I、特賞判別乱数IIの保存〕
次に、図16を参照して、シミュレーションで使用された乱数値の記憶、置き換えについて説明する。図16は、本実施形態のシミュレーションで使用される乱数値(入賞判別乱数、特賞判別乱数I、特賞判別乱数II)が保存される状態を説明する図である。
【0218】
シミュレーションで使用される乱数値(入賞判別乱数、特賞判別乱数I、特賞判別乱数II)は、シミュレーション装置7のRAM702の作業領域に記憶され、シミュレーションが完了した時点で記憶領域に保存される。
【0219】
図16(A)は、まだ何れの乱数も保存されていない状態である。乱数値記憶テーブル650には、最上段651の列に入賞判別乱数、中段652の列に特賞判別乱数I、最下段653の列に特賞判別乱数IIが格納される。乱数は左から順に格納され、「★」は次に発生する乱数が格納される領域である。
【0220】
図16(B)は、図16(A)の状態でシミュレーションを開始した場合に、発生した乱数を格納している状態である。最上段651の列に入賞判別乱数が左から順に格納される。入賞判別乱数は球発射演算処理(図11)のS132で抽出される。そして、第1始動入賞となる入賞判別乱数が発生するごとに中段652の列に特賞判別乱数Iが格納される。特賞判別乱数Iは第1始動入賞処理(図12)のS143で抽出される。また、第2始動入賞となる入賞判別乱数が発生するごとに最下段653の列に特賞判別乱数IIが格納される。特賞判別乱数IIは第2始動入賞処理(図12)のS154で抽出される。
【0221】
図16(C)は、シミュレーションが完了した状態である。これらの格納された乱数は、シミュレーション実行処理(図10)のS124で保存される。そして、再度シミュレーションを実行する場合は、CPU701は、乱数値記憶テーブル650の左側から順に保存されている乱数を抽出するので、前回のシミュレーションと同一の値を抽出することができる。ここで、「☆」は空き領域である。
【0222】
図16(D)は、図16(C)の乱数値を用いた場合に保存されている乱数では足りずに新たに乱数を追加した状態である。前回のシミュレーションと同じ乱数を用いて今回のシミュレーションを行う場合に、前回よりも図7の終日アウト数401を増やすと、保存されている乱数のみでは不足する。このような場合は、保存されていた乱数を使用して足りなくなった時点で、CPU701は新たな乱数を発生させて格納していく。このとき新たな乱数は、図16(C)の空き領域「☆」に左側から順に格納される。
【0223】
図16(E)は、図7のレア大当り発生調整413で「有」が設定され、図16(C)の状態から特賞判別乱数Iの所定領域の乱数値がレア大当りとなる乱数値に置き換えられた状態である。本実施形態では、特賞判別乱数I若しくは特賞判別乱数IIが1〜100の範囲の値の場合に大当りとなり、さらに乱数値が1のときにレア大当りとなる。ここで、CPU701は、乱数値記憶テーブル650は、図7の発生頻度設定ボタン413aでオペレータが設定したレア大当りの発生時期に対応する領域に、レア大当りとなる乱数「1」を設定する。具体的には、シミュレーション開始後の3回目の第1特図変動表示ゲームでレア大当りが発生するように、中段652の左から3番目の特賞判別乱数Iを「16940」から「1」に変更する。
【0224】
(本実施形態の効果)
本発明の実施形態によれば、シミュレーション装置7は、乱数を発生させて釘調整のシミュレーションを実行する。所謂、モンテカルロ・シミュレーションを行う。このとき、シミュレーションのパラメータとして、遊技領域51に発射された遊技球が各入賞口に入賞する確率を設定した入賞確率設定データ(図7の一般入賞数405、第1始動入賞数406、通常時第2始動入賞数407、時短時第2始動入賞数408)を使用する。そして、抽出した乱数と入賞確率設定データにより、発射球が何れかの入賞口に入賞するのか又は入賞せずにアウト口に入るかをシミュレーションで実行する。その後、第1始動入賞口35及び第2始動入賞口34に入賞すると判定された発射球に対して、大当り発生の判定と、大当りを契機とする遊技モードの遷移とをシミュレーションで実行する。ここでは、パラメータとして、特図変動表示ゲーム(補助遊技)が大当りになる確率を設定した特別遊技状態発生確率データ(図6の特図低確率301、特図高確率302)と、特別遊技状態終了後の遊技状態を設定した遊技モード遷移確率データ(図6の遊技モード317〜320、337〜340)とを使用する。このように、シミュレーション装置7は、遊技装置4から実際に多量の遊技データを収集していなくてもシミュレーションを実行することができるので、遊技装置4の稼働に関係なく稼働前でも正確なシミュレーションが可能となる。
【0225】
また、シミュレーション時に使用する乱数は、前回のシミュレーションと同じ乱数を用いるのか又は新たに発生させた乱数を用いるのか選択することができる。オペレータが図7の乱数系列変更ボタン422を押した場合に、前回のシミュレーションに用いた乱数とは異なって新たに発生させる乱数を用いてシミュレーションが行われる。オペレータが図7の乱数系列変更ボタン422を押さない場合には、前回のシミュレーションに用いた乱数で再びシミュレーションが行われる。このため、シミュレーション装置7は、同一乱数を用いてシミュレーション結果を再現したり、新たな乱数によってシミュレーション結果のパターンを増やしたりすることができる。
【0226】
なお、前回のシミュレーションと同じ乱数を用いる方法として、本実施形態では、初回のシミュレーションで使用した乱数値を全て記憶しておき、次回以降のシミュレーションでは、記憶していたこれらの乱数値を再度読み出すことにより、同一の乱数を使用したシミュレーションが可能となっているが、このような方法に限定されることはない。
【0227】
例えば、乱数の系列が変化しないように、前回のシミュレーションのときの乱数の種値を固定したままで、乱数発生アルゴリズムの数式も変更せずに次回のシミュレーションを行うような方法でもよい。この場合、乱数の種値を変更すれば、前回のシミュレーションとは異なる系列の乱数を取得することができるので、乱数の系列の設定を自在に操作することが可能となる。
【0228】
また、発射球が何れかの入賞口に入賞するのか又は入賞せずにアウト口に入るかのシミュレーションを行う入賞振分処理(図11のS133)では、図14の入賞判定テーブルが用いられる。図14の入賞判定テーブルでは、入賞判別乱数が入賞口の数に対応してグループに区分けされる。そして、入賞口の入賞判定は対応するグループ内の乱数を用いて行われる。このため、1つの入賞口の入賞頻度を変更しても他の入賞口の入賞判定を行う乱数に影響を与えない。これにより、図15で前述したように入賞頻度の設定と出玉数の関係において、入賞頻度を高くしたにもかかわらず出玉は少ないという逆転の関係が起こる虞がない。
【0229】
また、オペレータが図7のレア大当り発生調整413を「有」にして発生頻度設定ボタン413aを操作することで、確率的に発生しにくい種別の大当りを所望の回数だけ所望の時期に発生するように設定できる。この設定により、図16(E)に示すように既存の乱数値が強制的にレア大当りになる乱数値(予め定められた固有値)に置き換えられる。このように発生頻度のばらつきが大きい特別遊技状態を意図的に発生させるシミュレーションを行うことができるので、より現実的な遊技の営業データを得ることができる。
【0230】
さらに、オペレータが図7の営業開始時のクリア操作411を「有」に設定することで、日が変わるたびに遊技装置4の遊技モードを初期設定に戻す設定もできる。これにより、複数日(複数の区間)に渡るシミュレーションを実行する際に、実際の遊技店の営業形態に近い、すなわち遊技装置4の電源投入による初期化も真似したシミュレーションを実行することができる。
【0231】
なお、特別遊技状態発生確率データや遊技モード遷移確率データは、本実施形態のように図6に示したデータをそのまま用いてもよいが、遊技装置4から情報収集端末装置3を介してデータベース106aに収集された実測のデータを用いてもよく、図6に示したデータと実測のデータとを適宜組み合わせたデータであってもよい。
【0232】
同様に入賞確率設定データは、本実施形態のように図7に示したデータをそのまま用いてもよいが、遊技装置4から情報収集端末装置3を介してデータベース106aに収集された実測のデータを用いてもよく、図7に示したデータと実測のデータとを適宜組み合わせたデータであってもよい。
【0233】
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0234】
1 遊技場管理装置
1a データベース
2 会員管理装置
3 情報収集端末装置
4 遊技装置
5 遊技機
6 記憶媒体受付端末装置(台間サンド、遊技用装置)
7 シミュレーション装置
8 ターミナル(遊技場側)
10 広域ネットワーク
11 ターミナル(遊技場管理本部側)
13 中継端末装置
15 精算装置(残額精算機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に発射された遊技球が入賞領域に入賞することに基づいて遊技者に特典を付与する特別遊技状態が発生する遊技装置をシミュレーションするシミュレーション装置であって、
遊技に関する所定の確率データが記憶された確率データ記憶手段と、
複数の乱数値を発生させる乱数値発生手段と、
該発生した乱数値に基づいてシミュレーションを実行するシミュレーション実行手段と、を備え、
前記確率データ記憶手段には、
遊技領域に発射された遊技球が所定の入賞領域に入賞する確率を特定可能な入賞確率設定データと、
前記入賞領域のうちの所定の始動領域に入賞することで補助遊技が実行されるものとして、該補助遊技の実行により前記特別遊技状態が発生する確率を特定可能な特別遊技状態発生確率データと、
前記入賞確率設定データと前記特別遊技状態発生確率データとの組合せパターンが規定される遊技モードが複数設定されるものとして、該複数の遊技モードを相互に遷移する確率を特定可能な遊技モード遷移確率データと、が記憶され、
前記シミュレーション実行手段は、
現時点の遊技モードに対応する入賞確率設定データと、前記乱数発生手段により発生した乱数値とに基づいて、前記入賞領域への入賞のシミュレーションを行う第1のステップと、
前記第1のステップによるシミュレーション結果と、現時点の遊技モードに対応する特別遊技状態発生確率データ及び遊技モード遷移確率データと、前記乱数発生手段により発生した乱数値とに基づいて、前記特別遊技状態の発生と前記遊技モードの遷移のシミュレーションを行う第2のステップと、を含むことを特徴とするシミュレーション装置。
【請求項2】
前記乱数値発生手段は、
以前に実行したシミュレーションの際に発生した乱数値と同一の値の乱数値を再度発生させる第1の乱数値発生手段と、
以前に実行したシミュレーションの際に発生した乱数値とは相関のない、新たな乱数値を発生させる第2の乱数値発生手段と、を含み、
前記第1の乱数値発生手段と前記第2の乱数値発生手段のどちらによって乱数値を生成させるかを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
前記入賞領域は複数種類設定され、
該複数種類の入賞領域への入賞の確率を、各入賞領域毎に設定可能な入賞確率設定手段を備え、
前記シミュレーション実行手段は、前記第1のステップでは、前記乱数値発生手段により発生した乱数値が所定の当選範囲である場合に、前記各入賞領域のうちの1つの入賞領域に入賞したものとしてシミュレーションを実行し、
前記当選範囲は前記各入賞領域の種類の数に対応して相互に重ならないように複数設定されており、
前記入賞確率設定手段により1つの入賞領域への入賞の確率を変更した場合には、該入賞領域に対応する一の当選範囲が変更され、且つ、該一の当選範囲以外の当選範囲は変更されないことを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション装置。
【請求項4】
予め定められた固有値が所定の頻度で発生するように設定する固有値発生設定手段と、
前記乱数値発生手段が発生する複数の乱数値の一部を、前記固有値発生設定手段により設定された固有値に置換する置換手段と、
を備えるとともに、
前記シミュレーション実行手段は、前記固有値に置換された乱数値と、前記固有値に置換されていない乱数値の各々に基づいて、シミュレーションを実行し、
前記固有値発生設定手段により設定される固有値は、前記補助遊技の実行により前記特別遊技状態を発生させるものであることを特徴とする請求項3に記載のシミュレーション装置。
【請求項5】
前記遊技モードには、前記特別遊技状態が発生する確率が互いに異なる複数の確率モードが含まれ、
前記シミュレーション実行手段には、
前記シミュレーションを複数の区間に区切って実行する区間シミュレーション実行手段と、
該区間シミュレーション実行手段によって新たな区間のシミュレーションを開始する際の遊技モードを、前記複数の確率モードのうちの1つに設定する遊技モード初期化手段と、
を備えたとことを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載のシミュレーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−111219(P2013−111219A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259834(P2011−259834)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】