説明

シャッターロック

本発明は、ランプから発せられる光の通過のための光路と、光路の外側または光路を少なくとも部分的に横切る位置に移動可能な少なくとも1つのシャッタープレート130−133と、シャッタープレート130−133に摩擦力を直接または間接的に発生させるよう回転可能となる回転シャッターロック180と、を有し、シャッタープレート130−133に生じた摩擦力はシャッターロック180の回転位置によって決まるとともに少なくとも1つの回転位置においてシャッタープレート130−133を光路の外側または光路を横切る位置に保持するための十分な摩擦力がある、照明装置または照明装置用のシャッターアセンブリに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置のシャッター、特に照明装置のシャッターを適切な位置に固定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば人工照明および建築用照明などの照明装置は、照明リグまたは同様のものから吊るされ得る外側が概して円筒のハウジングを有する。照明光源(例えばランプなど)も設けられ、ハウジング内のレンズに向かう光を放出する。光はレンズから出て所望の領域を明るくする。シャッターが一般的に照明装置内の光線の経路内に、光線の形状を変更し、そして所望の領域の光の投射の形状を変更するために設置される。
【0003】
シャッターは通常さまざまな照明状況に適合する位置に置かれる。いったんシャッターが特定の位置に設置されると、シャッターが重力、通常の建物の振動、熱、および/または偶発的な人の介入に起因して容易に動くこと(例えば、落ちることまたは滑ること)を防ぐために、シャッターをその位置に固定して保持することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、照明装置のシャッターを所定位置に保持するための改良された機構を提供する、または公衆に有益な選択肢を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様によれば、本発明は、広く照明装置用のシャッターアセンブリであると言え、シャッターアセンブリは、
例えば照明装置のランプ等、光源から発せられる光の通過のための光路と、
光路の外側または光路を少なくとも部分的に横切る位置に移動可能な少なくとも1つのシャッタープレートと、
シャッタープレートに直接または間接的に摩擦力を発生させるための回転可能である回転シャッターロックと、を有し、
シャッタープレートに生じた摩擦力はシャッターロックの回転位置によって決まるとともに少なくとも1つの回転位置においてシャッタープレートを光路の外側または光路を横切る位置に保持するための十分な摩擦力がある。
【0006】
摩擦力がシャッターロックの回転位置によって決まるので、シャッタープレートを適切な位置に保持する摩擦力に到達するようシャッタープレートの回転により摩擦力を徐々に増加させることができるということは本発明の利点である。
【0007】
任意的に、シャッターアセンブリは軸方向を有するとともに、摩擦力は、回転シャッターロックがシャッタープレートを直接または間接的に軸方向に固定された支持面に保持することにより生じる。
【0008】
任意的に、シャッタープレートは、軸方向の支持面に対するシャッタープレートの変位を設定することにより、直接または間接的に支持面に対して保持される。
【0009】
任意的に、シャッターロックプレートの回転位置がシャッタープレートの軸方向の変位を設定する。
【0010】
任意的に、少なくとも1つの回転位置はロック位置である。このロック位置において、シャッターロックの回転位置は、摩擦力がシャッタープレートを光路の外側または光路を横切る位置に保持するのに十分であるようなシャッタープレートの変位を設定する。
【0011】
任意的に、シャッターロックは、直接または間接的にシャッタープレートに当接する(bear against)回転プレートを有し、回転プレートの回転位置はシャッタープレートの軸方向の変位を設定する。
【0012】
任意的に、シャッターロックは回転プレートに隣接するダイバータプレート(diverter plate)をさらに有し、ダイバータプレートは直接または間接的にシャッタープレートに当接し、回転プレートおよびダイバータプレートの少なくとも一方は他方のプレートに当接する少なくとも一つのカム面を有し、回転プレートの回転はカム面に少なくともダイバータプレートの軸方向の変位を設定させ、順番にシャッタープレートの軸方向の変位を設定する。任意的に、回転プレートおよびダイバータプレートの少なくとも一方は、各カム面に対して対応する構成を有する。
【0013】
任意的に、各カム面は他方のプレートの対応する構成に当接する。
【0014】
任意的に、複数の半径方向および/または円周方向に離間したカム面および複数の半径方向および/または円周方向に離間した対応する構成がある。
【0015】
任意的に、各カム面はくぼみのような傾斜した突起であるとともに対応する構成は2つの直径を有する開口(twin diameter aperture)であり、各開口について大きい直径は、対応する突起に係合するとともに回転プレートおよびダイバータプレートの相対回転に関与し、各開口について小さい直径は、回転プレートをダイバータプレートから変位させるよう対応する突起に部分的に係合する
あるいは、各カム面は斜面であるとともに対応する構成はスプリングタブ(spring tab)であり、回転プレートおよびダイバータプレートの相対回転は、回転プレートをダイバータプレートから変位させるよう各タブに対応する斜面を上または下にスライドさせる。
【0016】
あるいは、回転プレートは対応する構成に当接する少なくとも1つのカム面を有し、回転プレートの回転は、シャッタープレートの軸方向の変位を設定するようにカム面を対応する構成に対して移動させる。
【0017】
任意的に、軸方向はシャッターロックプレートの回転軸と平行である。
【0018】
任意的に、シャッターロックは光路の一部を形成する中央開口を有する。
【0019】
任意的に、2組の対向するシャッタープレートがあり、平面内に位置する各プレートの組は、光路を隔てたプレートの他の組が位置する平面と平行であるとともにシャッターロックプレートの位置する平面と平行であり、各組の各プレートはそれぞれの平面内および第1の軸方向に移動可能である。任意的に、少なくとも一組の対向するシャッタープレートが互いに接触する場合、光路は塞がれる。
【0020】
任意的に、各組の対向するシャッタープレートが平行に並べられる(aligned)とともに接触する場合、2組のシャッタープレートは互いに垂直の方向に位置する。各組の少なくとも1つのプレートの動きは、各組の対向するプレートの間に光線が通過するための隙間を作り出す。
【0021】
任意的に、シャッターアセンブリはまた、2組の対向するシャッタープレートの間の第1の分離プレートと、対向するシャッタープレートの組の1つと表面との間の第2の分離プレートと、を有し、第1の分離プレートおよび第2の分離プレートのそれぞれは光線が通過するための中央開口を有する。
【0022】
任意的に、表面はシャッターハウジングの一部を形成する。
【0023】
他の態様において、本発明はシャッターアセンブリであると言うこともでき、このシャッターアセンブリは、
照明装置の光源から発せられる光の通過のための光路と、
光路の外側または光路を少なくとも部分的に横切る位置に移動可能な少なくとも1つのシャッタープレートと、
シャッタープレートに摩擦力を直接または間接的に発生させるよう回転可能である回転シャッターロックと、を有し、
シャッタープレートに生じた摩擦力はシャッターロックの回転位置によって決まるとともに少なくとも1つの回転位置においてシャッタープレートを光路の外側または光路を横切る位置に保持するための十分な摩擦力がある。
【0024】
本明細書において特許明細書、他の外部文書、または他の情報源を参照しているが、これは一般に本発明の特徴を説明するための文脈を提供することを目的としている。特に明記しない限り、このような外部文書への参照は、このような文書、またはこのような情報源が、いずれの法域においても、従来技術である、または当技術分野の共通の一般的な知識の一部を形成する、ということの自白であるとして解釈されるものではない。
【0025】
本明細書で使用される「〜有している、〜含んでいる(“comprising”)」の語は「少なくとも一部は〜からなる(“consisting at least in part of”)」ことを意味する。「有する、含む(“comprise”)」、「有した、含んだ(“comprised”)」などの関連する語も同様に解釈されるものである。
【0026】
本発明はまた、本出願の明細書中で言及または示唆した、個別のまたは集合的な、部品、要素および特徴に、ならびに部品、要素または特徴の任意の2つ以上の組み合わせのいずれかまたは全てにあると広く言うことができ、本発明が関連する技術における既知の均等物を有する特定の完全体(integers)が本明細書で言及される場合、このような既知の均等物は個別に説明したものとして本明細書に組み込まれるものとみなされる。
【0027】
本発明の実施形態は以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、照明装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1の照明装置用のシャッターアセンブリの第1実施形態の斜視図である。
【図3】図3は、図2のシャッターアセンブリの組立分解等角正面図である。
【図4】図4は、ロック解除状態でハウジングのない図2のシャッターアセンブリの斜視後面図である。
【図5】図5は、ロック状態でハウジングのない図2のシャッターアセンブリの斜視後面図である。
【図6】図6は、異なる角度からのハウジングが有る図4のシャッターアセンブリの正面斜視図である。
【図7】図7は、図1の照明装置用のシャッターアセンブリの第2実施形態の斜視図である。
【図8】図8は、図7のシャッターアセンブリの組立分解等角正面図である。
【図9】図9は、図8のいくつかの要素の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
照明装置用のシャッターアセンブリが2つの実施形態を参照して説明される。
【0030】
各実施形態のシャッターアセンブリは照明装置全体の一部を形成する。例えば、照明装置は人工照明または建築用照明であり得るが、このアセンブリは任意の適切な照明装置に使用され得る。このアセンブリは、照明装置から出る光線の形状を調整するための手段を提供するために既存の照明装置に組み込まれることもできる。この明細書において、シャッターアセンブリ自体の実施形態が記述されるが、当然のことながら、本発明のシャッターアセンブリを採用する照明装置を含むほかの実施形態が保護の範囲から除外されるものではない。
【0031】
図1は本発明のシャッターアセンブリを使用または含むことができる照明装置50を示す。
【0032】
図2−5は本発明のシャッターアセンブリ100の第1実施形態を示す。図2は組み立てられた形態のシャッターアセンブリ100を示す。このアセンブリ100は、シャッターアセンブリ100の機構を保持するハウジング110を有する。ハウジング110は、特にシャッターアセンブリ100用に形成された独立したハウジングであり得る、あるいはシャッターアセンブリ100を採用する照明装置のハウジングの一部であり得る。ハウジング110は概して円筒形であるとともに長手方向軸、より一般的に長手(軸)方向Lを有する。
【0033】
図3はシャッターアセンブリ100内に収容された内部構成部品を示す。ハウジング110は、ハウジング110の円筒アセンブリを形成するよう一体に接続されることができる2つの円盤状面110aおよび110bとして形成される。ハウジング110は、(回転(ロック)プレート140、ボールベアリング151およびコイルスプリング152から形成される)シャッターロック180と、当技術分野において既知の任意の適切な形態のシャッタープレートであり得るシャッタープレート130−133と、第1および第2分離プレート160および170それぞれと、ハウジングキャスティング(casting)プレート182とを保持する。ハウジング110およびハウジング内に保持されたプレート140、150、160、170は、ランプ(図示せず)から放射される光線が光路に沿ってこれらの開口190を通って通過することを可能にするための開口190を含む。
【0034】
ハウジングキャスティングプレート182は、遮光板およびアイリス(図示せず)などの照明アクセサリーが照明装置50内で使用されることを可能にする。ハウジングキャスティングプレート182は、アクセサリーのガイドの機能を果たすとともにシャッタープレートアセンブリへの締め付け荷重を分散もさせる。
【0035】
シャッタープレート130−133は、シャッターアセンブリ100を出る光線の形状を変更するために、光線(光路)の経路の外側(完全に外)になるまたは少なくとも部分的に横切るよう、移動可能である。シャッタープレート130、132は、それぞれハンドル120、122の移動を介して移動可能であるとともに、互いに独立して移動可能でもある。シャッタープレート131、133は、それぞれハンドル121、123の移動を介して移動可能であるとともに互いに独立して移動可能でもある。ハウジング110は、いったんシャッターアセンブリ100が(図2に示すように)組み立てられるとハンドル120−123がハウジング110を超えて延びることを可能にする隙間(apertures)115−118(図6も参照)を備える。隙間115−118は、ハウジング110の外周壁に関して概して円周方向に離間されるとともに回転および軸方向の変位におけるシャッタープレート130−133に必要な運動の程度に応じた長さおよび幅である。いったんシャッタープレート130−133が所望の位置に移動されると、シャッターロック180はシャッタープレート130−133を適切な位置に保持するために使用されることができる。
【0036】
図3に示すように、シャッタープレート130−133は、2組の対向するシャッタープレート130、132および131、133に配置される。平面内に位置するそれぞれのプレートの組は、他の組のプレートが位置する平面およびシャッターロック180の位置する平面と平行である。各組のそれぞれのプレート130、132および131、133は、それぞれの平面内および軸方向L(および反対方向)にも移動可能である。任意的に、少なくとも1つの組の対向するシャッタープレートが平行に並べられる(aligned)とともに互いに接触する場合、光線はアセンブリ100から出ることが妨害される。また、それぞれの閉じられた組の少なくとも1つのプレートの動きは、光線が通過するための各組の対向するプレートの間に隙間(gap)を作り出す。
【0037】
各シャッタープレートの形状がシャッタープレート130を参照して説明される。しかし、当然のことながら、残りのシャッタープレートも概して同じ形状を有する。シャッタープレート130−133は、首部、例えばシャッタープレート130の130aを有し、この首部は対応するハンドル120から光ブロック部130bに延び、光ブロック部は端部130cにおいて終端する。1つの形態において、光ブロック部(そしてより一般的にはシャッタープレート)は直線状の端部、例えば130cにおいて終端する。しかし、当然のことながら、シャッタープレートは任意の外形を有して終端することができる。任意的に、他のシャッタープレートが、その組において、互いに対向する2つのシャッタープレートが平行に並べられるとともに接触する場合に、それらの間に初めに形成されていた隙間がシャッターアセンブリ100を通過する如何なる光も完全に遮断されるよう閉じられる相補的な外形をもって終端する。
【0038】
任意的に、首部は、シャッタープレートにそれぞれの隙間内での高いレベルの回転に関する操作性を与えるために、幅において光ブロック部より狭い。しかし、当然のことながら、首部のサイズは、アプリケーションおよび必要とされるシャッタープレートの操作性のレベルによって決まる。この実施形態において、シャッタープレートの各組の端部130c、132cおよび131c、133cが互いに平行である場合、プレート130と132は主に垂直に方向付けられ、プレート131と133は主に水平に方向付けられる。
【0039】
シャッタープレート130−133をそれらが動かされてきた位置に固定するためのシャッターロック180の操作を、図3−5を参照して説明する。シャッターロック180は、シャッタープレートに摩擦力を発生させるよう回転可能であるとともに、特に、シャッターロック180の少なくとも1つの回転位置における、ロック位置が、シャッタープレート130−133を(光線の経路の外側または経路を横切る)適切な位置に固定するための十分な摩擦力を発生させる。シャッターロック180を回転させることは、シャッタープレート130−133(およびアセンブリ内の残りのプレート)の軸方向Lにおける変位を設定する。すなわち、シャッターロック180をロック位置に回転させることは、シャッタープレート130−133(およびアセンブリ内の残りのプレート)の軸方向Lにおける変位を、シャッタープレート130−133(およびアセンブリ内の残りのプレート)を固定支持面に対して軸方向Lに保持する十分な摩擦力を発生する量だけ、設定する。この実施形態において、固定支持面は、図2に示されるハウジング110bによって提供される。
【0040】
図3は、回転プレート140、ボールベアリング141およびスプリング152を有するシャッターロック180を備える本発明の第1実施形態を示す。回転プレート140およびハウジング110aは互いに対して回転可能である。この実施形態では、回転プレート140は軸L周りに回転可能であるとともに、ハウジング110aは軸L周りの回転が固定される。ダイバータプレート150はシャッタープレート130および132に当接する。回転プレート140の回転位置は、回転プレート140の軸方向Lの変位を設定し、これは順番にダイバータプレート150および、順番にシャッタープレートの第1の組130および132の変位を設定し、このシャッタープレートの第1の組は順番に隣接する第1分離プレート160を移動させ、この第1分離プレートは隣接するシャッタープレート131および133を移動させ、このシャッタープレートは最終的に第2分離プレート170およびハウジングキャスティングプレート182を移動させる。ハウジングキャスティングプレート182は、プレートが更に移動することを防ぐハウジング110bに当接する。このようにして、摩擦力が、全ての隣接するプレートおよびシャッタープレート130−133を保持するハウジング110bの間に発生する。ロック位置において、回転プレート140は、シャッタープレート130−133をロックの前にそれらが移動した回転位置にロックするために十分な摩擦力を発生するのに十分な量だけダイバータプレート150を動かす位置に、回転する。回転プレート140の回転ハンドル145を、回転プレート140をロック位置におよびロック位置の外に回転させるために使用することができる。ハウジング110aは、回転ハンドル145がハウジング110を通って突出することを可能にするための対応する隙間を有する。
【0041】
回転方向の動きを軸方向の変位に変換するために、回転プレート140は少なくとも1つのカム面を有するとともに、回転プレート140の回転はカム面に回転プレートの変位を設定させる。これは、各カム面に対するダイバータプレート150の対応する構成または対応する独立した構成を当接させることによって達成される。図3では、回転プレート140が一体的に形成された斜面141の形態の複数の円周方向に離間した(追加的にまたは代替的に半径方向に離間した)カム面を有するように示される。対応する独立した構成は、コイルスプリング152の開口上部に位置するボールベアリング151である一組の構成部品の形態で提供される。ボールベアリング151は、回転プレート140およびスプリング152に当接する。スプリング152は、ボールベアリング151およびハウジング110aに当接する。スプリング152はシャッターアセンブリ100に予圧を与えること(pretensioning)に寄与する。
【0042】
図4に示すロック解除位置では、シャッタープレート130−133は光線の形状を変えるために自由に移動することができ、ボールベアリング151は斜面141の最深部141aに当接する。最深部141aは図2に示すように正面から見た場合に斜面141の最も高い端部であり、すなわち、それはダイバータプレート150に最も近い斜面141の端部である。この実施形態では、この位置において、回転プレート140はハウジング110aから最も近い距離にある。回転プレート140のこのごく僅かな(または全く無い)移動は、順番にダイバータプレート150をほんのごく僅か動かし(または全く無い)、従ってシャッタープレート130−131をほんのごく僅か動かす(または全く無い)。そして、これはシャッタープレート130−133のハウジング110bの固定支持面に対する力が低くなり、摩擦力を減らすとともに光路を横切るシャッタープレート130−133の移動を可能にすることを意味する。
【0043】
回転プレート140を、回転ハンドル145を介して(図2のように前方から見て)反時計回りに、回転させることは、各ボールベアリング151に対応する斜面141を(図2のように前方から見て)斜面141の最も低い端部141bに向けて上にスライドさせる。ボールベアリング151が斜面141に沿ってスライドすることにより移動するにつれて、回転プレート140は軸方向Lにより遠くに移動し、順番にダイバータプレート150を軸方向Lに移動させる。これは図5に最もよく示され、回転プレート140はロック位置に回転している。これは、長手方向に沿ったダイバータプレート150(そしてシャッタープレート)の変位を設定する。回転プレート140の回転によりロック位置に設定されるダイバータプレート150の変位は、シャッタープレート130−133を保持するとともに上述のようにそれらの更なる動きを防ぐために必要な摩擦力を発生させるために、シャッタープレートを固定支持面に押し付ける(この場合間接的であるが、例えば分離プレートと追加スプリング175が用いられない場合に直接的にもできる)十分な力を作り出す。
【0044】
この実施形態では、シャッターアセンブリ100は、プレートを軸方向に固定支持面から離れるように付勢する少なくとも1つのスプリング要素をさらに有する。図3に示すように、コイルスプリング175の形態の複数の円周方向に離間されたスプリング要素は、それぞれがハウジング110bに向かって突出する対応するカップ構造178内に置かれるように提供される。これはまたシャッターアセンブリ100に予圧を与えることに寄与し、すなわち、ハウジングキャスティングプレート182をシャッターロック180により設定される変位と反対の方向に押し付けるスプリング175の付勢作用により、回転プレート140とハウジングキャスティングプレート182との間の距離が、いまやさらに減少するので、シャッタープレート130−133の摩擦力を増加させる。図6は、シャッタープレートを固定した後のスプリングタブ175の付勢作用により、ハウジングキャスティングプレート182とリム112との間に形成された隙間176を示す。
【0045】
本発明のシャッターアセンブリ200の第2実施形態が図7−9を参照し説明される。図7は組み立てられた形態のシャッターアセンブリ200を示す。このアセンブリは、シャッターアセンブリの機構を保持するハウジング210を有する。ハウジング210は、特にシャッターアセンブリ200用に形成された独立したハウジングであり得る、またはシャッターアセンブリ200を採用する照明装置のハウジングの一部であり得る。ハウジング210は概して2つの円盤状面210aおよび210bを接続することにより形成されるとともに長手方向軸、より一般的に長手方向Lを有する。
【0046】
図8はシャッターアセンブリ200内に収容された内部構成部品を示す。ハウジング210は、回転プレート240およびダイバータプレート250から形成されたシャッターロック280と、当技術分野において既知の任意の形態のシャッタープレートであり得るシャッタープレート230−233と、第1および第2分離プレート260および270それぞれと、を保持する。ハウジング210およびハウジング内に(シャッタープレートから離れて)保持されるプレートは、ランプから放射される光線が通過することを可能にする開口290を含む。シャッタープレート230−233は、シャッターアセンブリ200を出る光線の形状を変更するために、光線の経路の外または少なくとも部分的に経路内に、移動可能である。シャッタープレート230−233は、それぞれハンドル220−223の移動を介して移動可能である。いったんシャッタープレート230−233が所望の位置に移動されると、シャッターロック280がシャッタープレート230−233を適切な位置に保持するために使用され得る。
【0047】
シャッタープレート230−233は、上述の第1実施形態で説明したものと類似している。シャッターロック280により提供されるロック機構が動作する原理は上述の第1実施形態で説明したものと同じである。この実施形態のカム面は、斜面241の形態で回転プレート240に設けられるとともに、対応する構成は、スプリングタブ251の形態でダイバータプレート250に設けられる。この実施形態では、複数の円周方向に離間された回転プレート240にらせん状斜面241、およびダイバータプレート250に対応するらせん状スプリングタブ251が設けられる。
【0048】
ロック解除位置では、シャッタープレート230−233はそれらが光路を横切って移動することにより光線の形状を変えるために自由に移動することができ、ダイバータプレート250のスプリングタブ251は、回転プレート240のらせん状斜面241の最深部241a(図9により良く示される)に当接する。回転ハンドル245を介して前方から見て反時計回りに回転プレート240を回転させることは、各タブ251を対応する斜面241に沿ってスライドさせる。タブ251が斜面241に沿ってスライドするにつれて、ダイバータプレート250の軸方向Lに沿った変位は増加し、これは上述のようにプレート間の摩擦力を次第に増加させる。この実施形態では、ハウジングプレート210bは軸方向Lに関して固定された表面を提供する。この摩擦はシャッタープレート230−233を動かすことを困難にするとともに、いったん回転プレート240が、対応する斜面241の最浅部241bにタブ251がある回転位置に達すると、発生する摩擦力はシャッタープレートを保持するのに十分になるとともにそれらのさらなる移動を防止する。これがロック位置である。この実施形態の代替の形態では、シャッタープレートをロックするために十分な力が、タブ251が最浅部241bに到達する前に獲得されてもよい。回転プレート240から離れる自然な付勢により、スプリングタブ251はダイバータプレート260の更なる変位をもたらす。この実施形態ではまた、カム面により提供される斜面の外形に起因するアセンブリのプレート間の摩擦力の漸増を可能にする。
【0049】
本発明の前述の説明はその実施形態を含む。本発明の範囲から離れることなく修正が可能である。例えば、シャッタープレートの動きがシャッターアセンブリを出る光線を依然として変更することができるような1つのシャッタープレートのみがあってもよい。
【0050】
また、代替実施形態では、シャッタープレートが直接固定表面に当接するとともにシャッターロックに直接当接するようにシャッタープレートがない。
【0051】
さらなる代替として、ダイバータプレートが複数の円周方向に離間したくぼみを備える。回転プレートは2つの直径を有する開口の形態の対応する構成を有し、一方の開口は他方より大きい直径を有する。くぼみの直径は、小さい開口と大きい開口の直径の間のサイズであるとともに好ましくは小さいサイズの開口より有意に大きい。シャッタープレートが光線の形状を変えるために自由に移動することができるロック解除位置では、ダイバータプレートのくぼみは回転プレートの大きい開口に、係合するとともにそこを通って突出する。この位置において、回転プレートはダイバータプレートに対して同一平面上にあるまたはほぼ同一平面上にあることが好ましい。これは、ダイバータプレート、従ってシャッタープレートを、ごく僅かな量だけ変位させる(または全く無い)。
【0052】
回転プレートの回転は、小さい開口をくぼみに向かって移動させる。くぼみは、そのサイズのために小さい開口を通って部分的にだけ突出するとともに係合し、ダイバータプレートを同様に軸方向に変位させる。構造が小さい直径の開口に完全に係合しないので、これはダイバータプレートを回転プレートから離れるように変位させる。ダイバータプレートのこの変位は、シャッタープレートを保持するとともにそれらの更なる動きを防ぐために必要な摩擦力を発生させるよう、シャッタープレートを固定支持面に押し付けるのに十分である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置用のシャッターアセンブリであって:
光源から発せられる光の通過のための光路と、
前記光路の外側または前記光路を少なくとも部分的に横切る位置に移動可能な少なくとも1つのシャッタープレートと、
前記シャッタープレートに直接または間接的に摩擦力を発生させるための回転可能である回転シャッターロックと、を有し、
前記シャッタープレートに発生した前記摩擦力は前記回転シャッターロックの回転位置によって決まるとともに少なくとも1つの回転位置において前記シャッタープレートを前記光路の外側または前記光路を横切る位置に保持するための十分な摩擦力がある、
シャッターアセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの回転位置はロック位置である、
請求項1に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項3】
前記シャッターアセンブリは軸方向を有するとともに、前記摩擦力は、前記回転シャッターロックが前記シャッタープレートを直接または間接的に前記軸方向に固定された支持面に保持することにより生じる、
請求項1または2に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項4】
前記シャッタープレートは、前記軸方向の前記支持面に対する前記シャッタープレートの変位を設定することにより、直接または間接的に前記支持面に対して保持される、
請求項3に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項5】
前記シャッターアセンブリは軸方向を有するとともに、前記シャッターロックの回転位置が前記シャッタープレートの前記軸方向の変位を設定する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項6】
前記シャッターアセンブリは軸方向を有するとともに、前記シャッターロックは、直接または間接的に前記シャッタープレートに当接する回転プレートを有し、前記回転プレートの回転位置は前記シャッタープレートの前記軸方向の変位を設定する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項7】
前記シャッターロックは前記回転プレートに隣接するダイバータプレートをさらに有し、前記ダイバータプレートは直接または間接的に前記シャッタープレートに当接し、少なくとも前記回転プレートおよび前記ダイバータプレートの一方は他の前記プレートに当接する少なくとも一つのカム面を有し、前記回転プレートの回転は前記カム面に少なくとも前記ダイバータプレートの前記軸方向の変位を設定させ、順番に前記シャッタープレートの前記軸方向の変位を設定する、
請求項6に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項8】
前記回転プレートおよび前記ダイバータプレートの少なくとも一方は、各前記カム面に対して対応する構成を有するとともに、各前記カム面は他の前記プレートの対応する構成に当接する、
請求項7に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項9】
各前記カム面は斜面であるとともに前記対応する構成はスプリングタブであり、前記回転プレートおよび前記ダイバータプレートの相対回転は、前記回転プレートを前記ダイバータプレートから変位させるよう各前記タブを対応する前記斜面に沿ってスライドさせる、
請求項8に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項10】
前記回転プレートは対応する構成に当接する少なくとも1つのカム面を有し、前記回転プレートの回転は、前記シャッタープレートの前記軸方向の変位を設定するように前記カム面を前記対応する構成に対して移動させる、
請求項6に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項11】
前記シャッターアセンブリは軸方向を有するとともに、前記軸方向は前記シャッターロックプレートの回転軸と平行である、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項12】
前記シャッターロックは前記光路の一部を形成する中央開口を有する、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項13】
2組の対向する前記シャッタープレートがあり、平面内に位置する各前記プレートの組は、前記光路を隔てた前記プレートの他の組が位置する平面と平行であるとともに前記シャッターロックプレートの位置する平面と平行であり、前記対向するシャッタープレートの各組の各プレートがそれぞれの平面内および第1の軸方向に移動可能である、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項14】
前記支持面は前記シャッターハウジングの一部を形成する、
請求項3または4に記載のシャッターアセンブリ。
【請求項15】
照明装置は、シャッターアセンブリを有し、前記シャッターアセンブリは:
前記照明装置の光源から発せられる光の通過のための光路と、
前記光路の外側または前記光路を少なくとも部分的に横切る位置に移動可能な少なくとも1つのシャッタープレートと、
前記シャッタープレートに摩擦力を直接または間接的に発生させるよう回転可能である回転シャッターロックと、を有し、
前記シャッタープレートに生じた前記摩擦力は前記回転シャッターロックの回転位置によって決まるとともに少なくとも1つの回転位置において前記シャッタープレートを前記光路の外側または前記光路を横切る位置に保持するための十分な摩擦力がある。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−519935(P2012−519935A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552568(P2011−552568)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050971
【国際公開番号】WO2010/100628
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】