説明

シャッター装置

【課題】機械器具の内部に大きな空間を確保する必要がなくコンパクト化するとともに、耐久性をも向上することができる新規なシャッター装置を提供する。
【解決手段】固定収容部11,12と、固定片と、を有してなる固定収容部材2と、一方の可動側収容部31・・・101と他方の可動側収容部32・・・102を有する複数の可動側収容部材とシャッター板部とを有してなり、入れ子状に重ねられた可動収容部材3・・・10とを備え、可動収容部材が離間する方向に移動した際に、最も近い可動収容部材に係合する係合部材32d・・・102dが形成され、可動収容部材全体の最も短い状態とされた場合、可動部の可動により最も小型の可動収容部材が一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に移動させられると、係合部材同士が順番に係合して、最終的には各シャッター板部15b,35b・・・105bにより所定の壁が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、切削、穴開け、パンチ加工その他金属や樹脂を加工するために使用される工作機械やレーザ光を用いて金属などを加工するレーザ加工装置又はレーザ発振機、或いは集塵機等の各種の装置や機械器具に配置されるシャッター装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の装置や工作機械やレーザ加工機、或いは集塵機等の各種機械器具には、これまで所定の開口を開閉するシャッター装置が配置されているものがある。例えば、工作機械の中でも、パンチ加工を行う加工機では、パンチとダイとの間にシャッター装置を開閉自在に配置したもの(特許文献1参照)が存在し、また、切削加工や穴開け可能その他を行う部位の左右両側にシャッター装置を配置することにより、加工時に発生する切粉,塵埃或いは切削液が飛散することを防止したものも存在する。また、集塵機においては、集塵機本体内に塵埃が吸引される開口を開閉するシャッター装置が配置されている。また、レーザ加工装置又はレーザ発振機(特に、個体レーザ発振機)のレーザビームの光路の途中にシャッター装置が配置されているものがある(特許文献2参照)。
【0003】
そして、上記シャッター装置には、以下に説明するように、幾つかの構造(タイプ)に分類することができる。一つは、開口の面積よりも広い面積を備えた板体を移動機構により移動させ、該板体の移動機構による移動により、上記開口を開閉するタイプである。また、上記板体を使用するものではなく、軸の外周に帯状体を巻き付け、該帯状体の端部を引き出すことにより上記開口を閉塞し、軸を逆転させることにより該帯状体を巻き戻すタイプのものも存在する。上記軸は、モータ等の駆動装置を使用するもの以外に、バネ等の弾性材の弾性力により帯状体を巻上げる方向に該弾性材を付勢させる構造も存在する。なお、上記帯状体の素材は、工作機械を中心とした機械器具では、剛性と防錆の観点からステンレススチールのバネ鋼である場合も多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4732616号公報
【特許文献2】特開2001−196677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した各構造(タイプ)のシャッター装置では、それぞれ以下に説明する課題を有し、特定の装置や機械器具では使用できない場合が多い。すなわち、上記板体を移動機構により移動させるタイプのシャッター装置では、開閉する開口の近傍に、ほぼ該板体と同じ長さ幅の空間を確保することが必須となり、その空間を確保できない場合には、その装置や機械器具に配置することは不能となる。また、上述した軸に巻回された帯状体を引き出すタイプのシャッター装置では、上記板体を使用した場合の課題は解消されるが、その一方で上記軸の外周に帯状体が巻回された状態における全体の外径が太いものとなり、その配置位置を確保しなければならない。特に、帯状体の素材を上記ステンレススチールとした場合であって、開閉する面積が広く或いはその開口の長さが長い場合には、帯状体が巻回された軸全体の径は長いものとならざるを得ず、それ全体が配置できる空間を機械器具の内部に確保しなければならない。さらに、このタイプのシャッター装置であってステンレススチールのような金属板を帯状体として構成したシャッター装置では、所定の年月が経過することによる劣化や変形等により、その帯状体を頻繁に交換する作業が伴うばかりか、交換作業の際においてシャッター装置(金属板)の端部により作業者が怪我を負うケースも多い。特に、上記軸に弾性材を配置し、帯状体を巻上げる方向に該弾性材を付勢させる構造では、巻き取り用の弾性材の弾性力により誤ってシャッター装置の端部で怪我を負うケースが珍しくない。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来のシャッター装置の構造が有する課題を解決するために提案されたものであって、機械器具の内部に大きな空間を確保する必要がなくコンパクト化することができるとともに、弾性材を使用することなく耐久性をも向上することができる新規なシャッター装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、特定方向に長さを有してなる一方の固定収容部と、この一方の固定収容部と直交する方向に長さを有してなる他方の固定収容部と、少なくともこれら一方又は他方の固定収容部に形成され機械器具に固定される固定片と、を有してなる固定収容部材と、それぞれ上記一方の固定収容部内に収容される一方の可動側収容部と、上記他方の固定収容部内に収容される他方の可動側収容部を有してなる複数の可動側収容部材と、上記一方の可動側収容部又は他方の可動側収容部の何れかに形成されたシャッター板部と、をそれぞれ有してなり互いに大きさが異なる複数の可動収容部材と、を備え、上記複数の可動収容部材は、最も小型の可動収容部材を除いて、特定の可動収容部材を構成する一方の可動側収容部内に、該特定の可動収容部材の内側に配置された他の可動収容部材を構成する一方の可動側収容部が収容され、該特定の可動収容部材を構成する他方の可動側収容部内に、該特定の可動収容部材の内側に配置された他の可動収容部材を構成する他方の可動側収容部が収容されるというように、それぞれ順番に入れ子状に重ねられた状態で配置され、該複数の可動収容部材全体で伸縮自在とされ、これら複数の可動収容部材で最も内側に配置された小型の可動収容部材には、機械器具の可動部に固定される可動側固定片が形成されてなるとともに、上記最も小型の可動収容部材も含めた複数の可動収容部材のそれぞれには、特定の可動収容部材が上記一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に所定距離に亘って移動した際に該特定の可動収容部材に最も近い他の可動収容部材に係合する係合部材が形成され、上記複数の可動収容部材全体の長さが最も短い状態とされた場合に、機械器具の可動部の可動により上記最も小型の可動収容部材が上記一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に移動させられると、上記係合部材同士が順番に係合して、最終的には上記各シャッター板部により所定の壁が形成されることを特徴とするものである。
【0008】
この第1の発明に係るシャッター装置では、固定収容部材と複数の可動収容部材とからなり、これら複数の可動収容部材は、最も小型の可動収容部材を除いて、特定の可動収容部材を構成する一方の可動側収容部内に、該特定の可動収容部材の内側に配置された他の可動収容部材を構成する一方の可動側収容部が収容され、該特定の可動収容部材を構成する他方の可動側収容部内に、該特定の可動収容部材の内側に配置された他の可動収容部材を構成する他方の可動側収容部が収容されるというように、それぞれ順番に入れ子状に重ねられた状態で配置されており、その入れ子状とされた一方及び他方の可動側収容部の全ては、上記固定収容部材を構成する一方又は他方の固定収容部内に収容される。また、最も小型の可動収容部材も含めた複数の可動収容部材のそれぞれには、特定の可動収容部材が上記一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に所定距離に亘って移動した際に該特定の可動収容部材に最も近い他の可動収容部材に係合する係合部材が形成され、上記複数の可動収容部材全体の長さが最も短い状態とされた場合に、機械器具の可動部の可動により上記最も小型の可動収容部材が上記一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に移動させられると、上記係合部材同士が順番に係合する。したがって、このシャッター装置が配置される機械器具の可動部の駆動により、最も小型の可動収容部材が一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に所定距離に亘って移動させられると、該最も小型の可動収容部材が内側に収容された次の可動収容部材に形成された係合部材と係合し、該次の可動収容部材が一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に所定距離に亘って移動する、というように、順番に可動収容部材が移動することにより、それぞれ可動収容部材に形成された各シャッター板部により所定の壁が形成される。
【0009】
したがって、上記第1の発明によれば、機械器具の内部に大きな空間を確保する必要がなくコンパクト化することができるとともに、弾性材を使用することなく耐久性をも向上することができる。
【0010】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記一方又は他方の固定収容部は、正面板部と、この正面板部に面対向してなる背面板部と、一側は上記シャッター板部に連続し他側は上記背面板部に連続してなる連結板部との3つの板部とから構成され該3つの板部で囲まれた空間が固定収容空間となされ、前記それぞれの一方又は他方の可動側収容部は、前記シャッター板部と、このシャッター板部に面対向してなる背面板部と、一側は上記シャッター板部に連続し他側は上記背面板部に連続してなる連結板部との3つの板部とから構成され該3つの板部で囲まれた空間が可動側収容空間となされてなることを特徴とするものである。
【0011】
この第2の発明に係るシャッター装置では、従来のシャッター装置のように一枚のシャッター板で構成されていたり、シャッター装置が帯状体により構成されていたりするものではなく、シャッター板部、背面板部、連結板部の3つの板部で構成されており、これらが入れ子状に重ねられた状態で配置され伸縮する構造であるため、最も縮小された場合に極めてコンパクトになるばかりではなく、剛性が極めて高いことから、不用意に何らかの物体と衝突しても変形する可能性は低く、そのために頻繁な交換作業も要求される蓋然性は低いものとなる。
【0012】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明において、前記固定収容部材を構成する一方の固定収容部は鉛直方向に長さを有し、前記他方の固定収容部は水平方向に長さを有するように機械器具に固定され、上記他方の固定収容部内には、該他方の固定収容部内に収容される他方の可動側収容部を支持するとともに該他方の可動側収容部を該他方の固定収容部の長さ方向にガイドする上方ガイド板部が形成され、上記一方の固定収容部を構成する正面板部の下端には、前記複数の可動収容部材の内で最も大型の可動収容部材を構成するシャッター板部を下端で支持してなるとともに、上記他方の固定収容部の長さ方向にガイドする下方ガイド板部が形成されてなるとともに、最も小型の可動収容部材を除く上記複数の可動収容部材を構成するシャッター板部の下端には、隣り合うシャッター板部を上記他方の固定収容部の長さ方向にガイドする可動側ガイド板部がそれぞれ形成されてなることを特徴とするものである。
【0013】
上記第3の発明では、上記複数の可動収容部材は、上方では上記上方ガイド板部により水平方向にガイドされ、下方では上記下方ガイド板部とそれぞれの可動側ガイド板部により水平方向にガイドされる。すなわち、この第3の発明に係るシャッター装置では、上記可動収容部材は、上下二か所で水平方向にガイドされることから、極めて安定した開閉動作を実現することができる。特に、この第3の発明では、移動する可動収容部材の下端側は、可動収容部材そのものに形成されていることから、可動収容部材の下側に、該可動収容部材とは別個に異なるガイド手段を配置する必要性がない。このことは、このシャッター装置が配置される機械器具に対して、該シャッター装置を配置するための設計変更を要求するものではないことを意味することから、色々な機械器具に配置できる可能性を広げることができる。
【発明の効果】
【0014】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係るシャッター装置によれば、機械器具の内部に大きな空間を確保する必要がなくコンパクト化することができるとともに、弾性材を使用することなく耐久性をも向上することができる。
【0015】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)に係るシャッター装置では、従来のシャッター装置のように一枚のシャッター板で構成されていたり、シャッター装置が帯状体により構成されていたりするものではなく、シャッター板部、背面板部、連結板部の3つの板部で構成されており、これらが入れ子状に重ねられた状態で配置され伸縮する構造であるため、最も縮小された場合に極めてコンパクトになるばかりではなく、剛性が極めて高いことから、不用意に何らかの物体と衝突しても変形する可能性は低く、そのために頻繁な交換作業も要求される蓋然性は低いものとなる。
【0016】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)に係るシャッター装置によれば、極めて安定した開閉動作を実現することができる。特に、この第3の発明では、移動する可動収容部材の下端側は、可動収容部材そのものに形成されていることから、可動収容部材の下側に、該可動収容部材とは別個に異なるガイド手段を配置する必要性がない。このことは、このシャッター装置が配置される機械器具に対して、該シャッター装置を配置するための設計変更を要求するものではないことを意味することから、色々な機械器具に配置できる可能性を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態に係るシャッター装置を斜め正面側から示す斜視図である。
【図2】図1に示すシャッター装置を斜め背面側から示す斜視図である。
【図3】図1に示すシャッター装置を分解し斜め背面側から示す分解斜視図である。
【図4】図1に示すシャッター装置の左先端側から拡大して示す拡大斜視図である。
【図5】第1の可動収容部材を斜め正面側から示す斜視図である。
【図6】第1の可動収容部材を別の角度から示す斜視図である。
【図7】図1に示すシャッター装置の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態に係るシャッター装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、このシャッター装置1は、単一の固定収容部材2と、この固定収容部材2に装着された複数(第1から第8の)可動収容部材3・・・10から構成されている。上記固定収容部材2は、図2又は図3に示すように、一方の固定側収容部11と、この一方の固定側収容部11の上端に基端が形成されてなり該一方の固定側収容部11の長さ方向とは直交する方向に長さを有する他方の固定側収容部12とを有している。そして、上記一方の固定側収容部11は、鉛直(垂直)方向に長さを有する左側板部13aと、この左側板部13aから直角に折曲されてなる背面板部13bとから構成された基材13と、この基材を構成する上記左側板部13aの外側面に固定手段(リベット)を介して固定された固定側可動収容部材15とから構成されている。この固定側可動収容部材15は、上記リベットにより左側板部13aに固定された固定板部15aと、この固定板部15aから直角に折曲されてなり裏面は上記背面板部13bと面対向してなる固定側シャッター板部15bとから構成されている。したがって、この一方の固定側収容部11は、上記左側板部13aと背面板部13bと、上記固定側シャッター板部15bとの3つの板部により一方の固定側収容空間が形成され、右側は解放された状態となっている。なお、上記固定側シャッター板部15bの右側(の端部)には、やや内側に折曲された折曲片15cが形成されてなり、この折曲片15cの先端は、後述する各可動収容部材3・・・10を構成するシャッター板部の正面に当接している。また、図1及び図2に示すように、上記固定側シャッター板部15bの下端には、背面側に折曲された固定側ガイド部15dが形成されている。なお、この実施の形態に係るシャッター装置1では、上記固定側シャッター板部15bの下端側は、上記左側板部13aや背面側板部13bの下端よりも下側に位置している。
【0020】
また、上記他方の固定側収容部12は、図1、図2、図3又は図4に拡大して示すように、水平方向に長さを有する細長の長方形状に成形された正面板部12aと、この正面板部12aの上端から直角に折曲された天板部12bと、この天板部12bの背面側端部から垂直に折曲され上記正面板部12aと対向してなる背面板部12cとを備えている。
【0021】
そして、さらに、この他方の固定側収容部12を構成する正面板部12aには、図2及び図3に示すように、一方の固定プレート18が溶接されている。この一方の固定プレート18は、上記正面板部12aに溶接された垂直板部18aと、この垂直板部18aの上端から直角に折曲され先端は、このシャッター装置1の正面(手前)側に突出してなる上側固定片18bと、上記垂直板部18aの下端から上記背面板部12c側に折曲されてなる上側ガイド板部18cとから構成されており、側面形状はクランク状に成形されている。なお、上記上側固定片18bは、本発明を構成する固定片であり、上記上側ガイド板部18cは、本発明を構成する上方ガイド板部であり、上記天板部12bと面対向してなるとともに該天板部12bの幅よりもやや短い幅とされている。そして、この実施の形態に係るシャッター装置1では、他方の固定側収容部12内が、上記正面板部12a、天板部12b、背面板部12cの3つの板部と、上記上側ガイド板部18cとにより囲まれた上側収容空間が形成されている。なお、上記一方の固定プレート18を構成する上側固定片18bには、図示しないボルトの軸部が挿通される複数(二つ)の透孔18e,18eが穿設されている(図1参照)。
【0022】
そして、上記一方の固定プレート18には、補強プレート19が溶接されている。この補強プレート19は、図4に示すように、上記垂直板部18aの正面に溶接された垂下板部19aと、この垂下板部19aの上端から垂直に折曲され上記上側固定片18bの下面に溶接されてなる水平補強板部19bとから構成されてなるものであり、該水平補強板部19bには、上記上側固定片18bに穿設された複数(二つ)の透孔18e,18eと同じ(対応した)位置に図示しない透孔が穿設され、該透孔を囲むように、水平補強板部19bの下面には図示しないボルトが螺合するナット20,20がそれぞれ溶接されている(図1参照)。なお、図4に示すように、上記垂下板部19aの幅は、上記垂直板部18aの幅よりも長いものとされ、該垂下板部19aの下端は垂直板部18aの下端よりも下方に位置している。そして、上記一方の固定プレート18と補強プレート19は、このシャッター装置1を図示しない機械器具に固定するために用いられるものであり、その固定方法は、該機械器具に設けられ図示しない二つのボルト挿通穴が形成された水平プレートの下面に上記上側固定片18bの上面を接合させ、ボルトの軸部を上記ナット20,20に螺合させながら螺進させ図示しない機械器具側のナットに螺合させることにより行う。そして、上記一方の固定側収容部11を構成する背面板部12cの先端には、図4に示すように、後述する第1の可動収容部材3を構成する第1の係合片32dが当接するストッパー板部12dが固定されている。
【0023】
また、図1に示すように、このシャッター装置1の左側面には、他方の固定プレート22が固定されている。この他方の固定プレート22は、上記固定収容部材2を構成する一方の固定側収容部11に溶接されてなるものである。この他方の固定プレート22は、このシャッター装置1の後方に突出した固定板部22aと、上記一方の固定側収容部11を構成する左側板部13aに溶接されてなる溶接板部22bと、上記他方の固定側収容部12の左端に固定され、上記正面板部12a、天板部12b、背面板部12cの3つの板部からなる図示しない開口を閉塞する閉塞板部22cとから構成されている。そして、上記固定板部22aには、複数のボルト挿通穴22dが穿設されている。なお、これらのボルト挿通穴22dは、このシャッター装置1を図示しない機械器具に固定するために用いられるものであり、その固定方法は、該機械器具に設けられ図示しない複数(6つ)のボルト挿通穴が形成された垂直プレートの側面に上記固定プレート22の側面を接合させ、ボルトの軸部を上記ボルト挿通穴22dに挿通させ図示しない機械器具側のナットに螺合させることにより行う。
【0024】
次に、冒頭に記載した複数(第1から第8の)可動収容部材3・・・10について説明する。これらの可動収容部材3・・・10は、図3に示すように、第1の可動収容部材3よりも第2の可動収容部材4が小さく、第2の可動収容部材4よりも第3の可動収容部材5が小さい、と言うように徐々に小型化されてなるものである。そこで、先ず、第1の可動収容部材3について、図5及び図6を参照しながら詳細に説明し、その後に、第2ないし第8の可動収容部材4・・・10について簡単に説明する。
【0025】
上記第1の可動収容部材3は、前記一方の固定側収容部11の長さ方向と同じ長さ方向に長さを有してなる一方の可動側収容部31と、前記他方の固定側収容部12の長さ方向と同じ方向に長さを有してなる他方の可動側収容部32と、を備えている。上記一方の可動側収容部31は、図5又は図6に示すように、前記一方の固定側収容部11を構成する左側板部13aの面積よりもやや狭い面積に成形された側板部31aと、この側板部31aの後端から直角に折曲された背面板部31bと、上記側板部31aにリベットにより固定された可動側可動収容部材35とから構成されている。この可動側可動収容部材35は、上記リベットにより左側板部31aに固定された固定板部35aと、この固定板部35aから直角に折曲されてなり裏面は上記背面板部31bと面対向してなる(第1の)可動側シャッター板部35bとから構成されている。そして、上記可動側シャッター板部35bの右側(の端部)には、やや内側に折曲された折曲片35cが形成されてなり、この折曲片35cの先端は、後述する第2の可動収容部材4を構成するシャッター板部の正面に当接している。なお、上記第1の可動収容部材3を構成するシャッター板部35bの長さ幅(面積)は、前記固定収容部材2を構成する固定側シャッター板部15bの長さ幅(面積)と同じであり、この点は、後述する第2ないし第8の可動収容部材4・・・10を構成するシャッター板部も同様である。
【0026】
また、上記第1の可動収容部材3を構成する他方の可動収容部32は、水平方向に長さを有する細長の長方形状に成形された正面板部32aと、この正面板部32aの上端から直角に折曲された天板部32bと、この天板部32bの背面側端部から垂直に折曲され上記正面板部32aと対向してなる背面板部32c(図6参照)とを備えている。そして、この他方の可動収容部32の右端、すなわち上記天板部32bの先端には、第1の係合片32dが垂下した状態で形成されている。そして、上記第1の可動収容部材3は、上記一方の固定側収容部11内に上記一方の可動側収容部31が収容されるとともに、上記他方の固定側収容部12内に上記他方の可動側収容部32が収容される大きさに成形されている。
【0027】
以上が第1の可動収容部材3の構成であり、次に第2ないし第8の可動収容部材4・・・10について簡単に説明する。これら第2ないし第8の可動収容部材4・・・10の基本構成は、上記第1の可動収容部材3の構成と同じであるが、それぞれの(第2ないし第8の)一方の可動側収容部41・・・101及び(第2ないし第8の)他方の可動側収容部42・・・102は、それぞれ順番に小さく成形され、第2の可動収容部材4を構成する一方の可動側収容部41が第1の可動収容部材3を構成する一方の可動側収容部31内に収容可能な大きさとされ、第2の可動収容部材4を構成する他方の可動側収容部42が第1の可動収容部材3を構成する他方の可動側収容部32内に収容可能な大きさとされ、第3の可動収容部材5を構成する一方の可動側収容部51が第2の可動収容部材4を構成する一方の可動側収容部41内に収容可能な大きさとされている。また、上記第3の可動収容部材5を構成する他方の可動側収容部52が第2の可動収容部材4を構成する他方の可動側収容部42内に収容可能な大きさとされ、第4の可動収容部材6を構成する一方の可動側収容部61が第3の可動収容部材5を構成する一方の可動側収容部51内に収容可能な大きさとされ、第4の可動収容部材6を構成する他方の可動側収容部62が第3の可動収容部材5を構成する他方の可動側収容部52内に収容可能な大きさとされている。また、上記第5の可動収容部材7を構成する一方の可動側収容部71が第4の可動収容部材6を構成する一方の可動側収容部61内に収容可能な大きさとされ、第5の可動収容部材7を構成する他方の可動側収容部72が第4の可動収容部材6を構成する他方の可動側収容部62内に収容可能な大きさとされ、第6の可動収容部材8を構成する一方の可動側収容部81が第5の可動収容部材7を構成する一方の可動側収容部71内に収容可能な大きさとされている。また、第6の可動収容部材8を構成する他方の可動側収容部82が第5の可動収容部材7を構成する他方の可動側収容部72内に収容可能な大きさとされ、第7の可動収容部材9を構成する一方の可動側収容部91が第6の可動収容部材8を構成する一方の可動側収容部81内に収容可能な大きさとされ、第7の可動収容部材9を構成する他方の可動側収容部92が第6の可動収容部材8を構成する他方の可動側収容部82内に収容可能な大きさとされている。また、上記第8の可動収容部材10を構成する一方の可動側収容部101が第7の可動収容部材9を構成する一方の可動側収容部91内に収容可能な大きさとされ、第8の可動収容部材10を構成する他方の可動側収容部102が第7の可動収容部材9を構成する他方の可動側収容部92内に収容可能な大きさとされている。すなわち、上記第8の可動収容部材10は第7の可動収容部材9内に、上記第7の可動収容部材9は第6の可動収容部材9内に、上記第6の可動収容部材9は第5の可動収容部材8内に、上記第5の可動収容部材8は第4の可動収容部材7内に、上記第4の可動収容部材7は第3の可動収容部材6内に、上記第3の可動収容部材5は第2の可動収容部材4内に、第2の可動収容部材4は第1の可動収容部材3内に、(入れ子状に)収納可能となされ、そして、これら第8ないし第2の可動収容部材10・・・4が収容される第1の可動収容部材3は、上記固定側収容部11内に収容可能とされている。
【0028】
そして、上記第2ないし第8の可動収容部材4・・・10を構成する各一方の可動収容部41・・・101には、それぞれ(第2ないし第8の)可動側可動収容部材45・・・105が固定され、該(第2ないし第8の)可動側可動収容部材45・・・105には第2ないし第8の可動側シャッター板部45b・・・105bが形成され、これら第2ないし第7の可動側シャッター板部45b・・・95bのそれぞれの下端には、背面側に折曲された(第2ないし第7の)可動側ガイド部45d・・・95dが形成されている。なお、上記第1ないし第8のシャッター板部35b・・・105bの長さ幅(面積)は、上記固定側シャッター板部15bとほぼ同じものとされている。そして、上記第8のシャッター板部105bの下端は、上記第7の可動側ガイド部95d上に支持され、該第7の可動側ガイド部95dは、第6の可動側ガイド部85d上に支持され、該第6の可動側ガイド部85dは、第5の可動側ガイド部75d上に支持され、該第5の可動側ガイド部75dは、第4の可動側ガイド部65d上に支持され、該第4の可動側ガイド部65dは、第3の可動側ガイド部55d上に支持され、該第3の可動側ガイド部55dは、第2の可動側ガイド部45d上に支持され、該第2の可動側ガイド部45dは、第1の可動側ガイド部35d上に支持され、そして、該第1の可動側ガイド部35dは、上述したように、前記固定板部15aの下端に形成された固定側ガイド部15d上に支持されている。
【0029】
また、第2ないし第7の可動収容部材4・・・9を構成する他方の可動側収容部42・・・92は、正面板部42a・・・92aと、この正面板部42a・・・92aの上端から直角に折曲された天板部42b・・・92bと、この天板部42b・・・92bの背面側端部から垂直に折曲され上記正面板部42a・・・92aと対向してなる背面板部42c・・・92cを備え、上記天板部42b・・・102bの先端には、第2ないし第7の係合片42d・・・92dが垂下した状態で形成されている。なお、最も小さな第8の可動収容部材10は、正面板部は形成されておらず、天板部102bと、この天板部102bの背面側端部から垂直に折曲されてなる背面板部102cとを備え、上記天板部102bの先端には、第8の係合片102dが垂下した状態で形成されている。そして、上述した構成からなる第1ないし第8の可動収容部材3・・・10を構成する他方の可動側収容部32・・・102の長さは、該第1の可動収容部材3を構成する他方の可動側収容部32が最も長く、第8の可動収容部材10を構成する他方の可動収容部102が最も短いものとされ、隣り合うそれぞれの可動収容部材の長さは、上記シャッター板部の幅よりも若干短いものとされている。したがって、上記第1ないし第8の可動収容部材3・・・10を上記固定収容部材2内に収容した状態(シャッター装置1が最も縮小した状態)においては、上記第8の係合片102dが最も他方の固定側収容部12の基端側に位置し、
この第8の係合片102dの位置から各シャッター板部15b,35b・・・105bの幅よりもやや短い間隔を隔てて第7の係合片92dが位置し、この第7の係合片92dから上記シャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い間隔を隔てて第6の係合片82dが位置し、この第6の係合片82dから上記シャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い間隔を隔てて第5の係合片72dが位置し、この第5の係合片72dから上記シャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い間隔を隔てて第4の係合片62dが位置し、この第4の係合片62dから上記シャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い間隔を隔てて第3の係合片52dが位置し、この第3の係合片52dから上記シャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い間隔を隔てて第2の係合片42dが位置し、この第2の係合片42dから上記シャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い間隔を隔てて第1の係合片32dが位置している。
【0030】
そして、図1又は図3に示すように、上記第8の可動収容部材10を構成する上記一方の可動側収容部101には、駆動プレート17が溶接されている。この駆動プレート17は、本発明を構成する可動側固定片であり、図示しない機械器具に配置され各他方の可動収容部32・・・102の長さ方向及びその逆方向に駆動する駆動機構に固定される部位である。
【0031】
そして、上述した状態(シャッター装置1が最も縮小した状態)から上記図示しない機械器具に設けられた駆動機構の駆動により、上記駆動プレート17を上記固定収容部材2から離間する方向に移動させると、該駆動プレート17が溶接された上記第8の可動収容部材10が移動し、シャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い距離に亘って移動すると、やがて該第8の可動収容部材10を構成する第8の係合片102dが、第7の可動収容部材9を構成する第7の係合片92dに係合し、その後は該第8及び第7の可動収容部材10,9が共に移動する。そしてさらに、第8及び第7の可動収容部材10,9がシャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い距離に亘って移動すると、やがて該第7の可動収容部材を構成する第7の係合片92dが、第6の可動収容部材8を構成する第6の係合片82dに係合し、その後は該第8ないし第6の可動収容部材10,9,8が共に移動する。またさらに、第8ないし第6の可動収容部材10・・・8がシャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い距離に亘って移動すると、やがて該第6の可動収容部材8を構成する第6の係合片82dが、第5の可動収容部材7を構成する第5の係合片72dに係合し、その後は該第8ないし第5の可動収容部材10・・・7が共に移動する。またさらに、第8ないし第5の可動収容部材10・・・7がシャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い距離に亘って移動すると、やがて該第5の可動収容部材7を構成する第5の係合片72dが、第4の可動収容部材6を構成する第4の係合片62dに係合し、その後は該第8ないし第4の可動収容部材10・・・6が共に移動する。さらに、第8ないし第4の可動収容部材10・・・6がシャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い距離に亘って移動すると、やがて該第4の可動収容部材6を構成する第4の係合片62dが、第3の可動収容部材5を構成する第3の係合片52dに係合し、その後は該第8ないし第3の可動収容部材10・・・5が共に移動する。さらに、第8ないし第3の可動収容部材10・・・5がシャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い距離に亘って移動すると、やがて該第3の可動収容部材5を構成する第3の係合片52dが、第2の可動収容部材4を構成する第2の係合片42dに係合し、その後は該第8ないし第2の可動収容部材10・・・4が共に移動する。さらに、第8ないし第2の可動収容部材10・・・4がシャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い距離に亘って移動すると、やがて該第2の可動収容部材4を構成する第2の係合片42dが、第1の可動収容部材3を構成する第1の係合片32dに係合し、その後は該第8ないし第1の可動収容部材10・・・3が共に移動する。そして、第8ないし第1の可動収容部材10・・・3が、シャッター板部(符号は省略する。)の幅よりもやや短い距離に亘って移動すると、やがて上記固定収容部材2の先端に形成されたストッパー板部12dに当接し、図1に示す状態、すなわち第1ないし第8のシャッター板部35b・・・105bが最も広がった状態(機械器具に形成された開口等を閉塞した状態)となる。
【0032】
そして、こうしたシャッター装置1が最も縮小した状態からの動作は、図4又は図7に示すように、上記第1ないし第7の可動収容部材3・・・9を構成する正面板部32a・・・92aの下端が上記一方の固定プレート18を構成する上側ガイド板部18c上に支持された状態であり、且つ、下方側は、先に説明したように、上記第8のシャッター板部105bの下端は、上記第7の可動側ガイド部95d上に支持され、該第7の可動側ガイド部95dは、第6の可動側ガイド部85d上に支持され、該第6の可動側ガイド部85dは、第5の可動側ガイド部75d上に支持され、該第5の可動側ガイド部75dは、第4の可動側ガイド部65d上に支持され、該第4の可動側ガイド部65dは、第3の可動側ガイド部55d上に支持され、該第3の可動側ガイド部55dは、第2の可動側ガイド部45d上に支持され、該第2の可動側ガイド部45dは、第1の可動側ガイド部35d上に支持され、そして、該第1の可動側ガイド部35dは、上述したように、前記固定板部15aの下端に形成された固定側ガイド部15d上に支持されている状態であるから、スムーズな開閉動作がなされる。
【0033】
すなわち、上述した実施の形態に係るシャッター装置1では、板体を移動機構により移動させるタイプのシャッター装置ではないことから、開閉する開口の近傍に、ほぼ該板体と同じ長さ幅の空間を確保することは不要となり、機械器具にそうした空間が確保されていなくても装着することができる。また、このシャッター装置1は、軸に巻回された帯状体を引き出すタイプのシャッター装置ではないことから、該太い外径となされた空間を確保する必要性もない。また、このシャッター装置1は、ステンレススチールのような金属板を帯状体として構成したシャッター装置ではないことから、所定の年月が経過することによる劣化や変形等も少なく、頻繁な交換作業を必要とすることがなく、交換作業の際においてステンレススチールからなる金属板の端部により作業者が怪我を負うこともない。
【0034】
また、この実施の形態に係るシャッター装置1では、機械器具に形成された開口等を閉塞した状態においては、図1に示すように、正面側が上記固定側シャッター板部15bと第1ないし第8のシャッター板部35b・・・105bにより閉塞されるばかりではなく、背面側は、図2に示すように、第1の可動収容部材3を構成する背面板部31b、第2の可動収容部材4を構成する背面板部41b、第3の可動収容部材5を構成する背面板部51b、第4の可動収容部材6を構成する背面板部61b、第5の可動収容部材7を構成する背面板部71b、第6の可動収容部材8を構成する背面板部81b、第7の可動収容部材を構成する背面板部91b及び第8の可動収容部材10を構成する背面板部101bが一部重なりながら連続し、且つ、正面側の第1ないし第8のシャッター板部35b・・・105bとの間には側板部31a・・・101aが存在していることから、極めて剛性が高く、機械器具によりワークその他の被加工物等が不用意に衝突した場合であっても容易に破損する等の危険性がない。
【符号の説明】
【0035】
1 シャッター装置
2 固定収容部材
3 第1の可動収容部材
4 第2の可動収容部材
5 第3の可動収容部材
6 第4の可動収容部材
7 第5の可動収容部材
8 第6の可動収容部材
9 第7の可動収容部材
10 第8の可動収容部材
11 一方の固定側収容部
12 他方の固定側収容部
15b 固定側シャッター板部
17 駆動プレート
18 一方の固定プレート
22 他方の固定プレート
31 (第1の)一方の可動側収容部
32 (第1の)他方の可動側収容部
32d 第1の係合片
35b 第1の可動側シャッター板部
41 (第2の)一方の可動側収容部
42 (第2の)他方の可動側収容部
42d 第2の係合片
45b 第2の可動側シャッター板部
51 (第3の)一方の可動側収容部
52 (第3の)他方の可動側収容部
52d 第3の係合片
55b 第3の可動側シャッター板部
61 (第4の)一方の可動側収容部
62 (第4の)他方の可動側収容部
62d 第4の係合片
65b 第4の可動側シャッター板部
71 (第5の)一方の可動側収容部
72 (第5の)他方の可動側収容部
72d 第5の係合片
75b 第5の可動側シャッター板部
81 (第6の)一方の可動側収容部
82 (第6の)他方の可動側収容部
82d 第6の係合片
85b 第6の可動側シャッター板部
91 (第7の)一方の可動側収容部
92 (第7の)他方の可動側収容部
92d 第7の係合片
95b 第7の可動側シャッター板部
101 (第8の)一方の可動側収容部
102 (第8の)他方の可動側収容部
102d 第8の係合片
105b 第8の可動側シャッター板部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定方向に長さを有してなる一方の固定収容部と、この一方の固定収容部と直交する方向に長さを有してなる他方の固定収容部と、少なくともこれら一方又は他方の固定収容部に形成され機械器具に固定される固定片と、を有してなる固定収容部材と、
それぞれ上記一方の固定収容部内に収容される一方の可動側収容部と、上記他方の固定収容部内に収容される他方の可動側収容部を有してなる複数の可動側収容部材と、上記一方の可動側収容部又は他方の可動側収容部の何れかに形成されたシャッター板部と、をそれぞれ有してなり互いに大きさが異なる複数の可動収容部材と、を備え、
上記複数の可動収容部材は、最も小型の可動収容部材を除いて、特定の可動収容部材を構成する一方の可動側収容部内に、該特定の可動収容部材の内側に配置された他の可動収容部材を構成する一方の可動側収容部が収容され、該特定の可動収容部材を構成する他方の可動側収容部内に、該特定の可動収容部材の内側に配置された他の可動収容部材を構成する他方の可動側収容部が収容されるというように、それぞれ順番に入れ子状に重ねられた状態で配置され、該複数の可動収容部材全体で伸縮自在とされ、これら複数の可動収容部材で最も内側に配置された小型の可動収容部材には、機械器具の可動部に固定される可動側固定片が形成されてなるとともに、
上記最も小型の可動収容部材も含めた複数の可動収容部材のそれぞれには、特定の可動収容部材が上記一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に所定距離に亘って移動した際に該特定の可動収容部材に最も近い他の可動収容部材に係合する係合部材が形成され、
上記複数の可動収容部材全体の長さが最も短い状態とされた場合に、機械器具の可動部の可動により上記最も小型の可動収容部材が上記一方の固定収容部又は他方の固定収容部とは離間する方向に移動させられると、上記係合部材同士が順番に係合して、最終的には上記各シャッター板部により所定の壁が形成されることを特徴とするシャッター装置。
【請求項2】
前記一方又は他方の固定収容部は、正面板部と、この正面板部に面対向してなる背面板部と、一側は上記シャッター板部に連続し他側は上記背面板部に連続してなる連結板部との3つの板部とから構成され該3つの板部で囲まれた空間が固定収容空間となされ、
前記それぞれの一方又は他方の可動側収容部は、前記シャッター板部と、このシャッター板部に面対向してなる背面板部と、一側は上記シャッター板部に連続し他側は上記背面板部に連続してなる連結板部との3つの板部とから構成され該3つの板部で囲まれた空間が可動側収容空間となされてなることを特徴とする請求項1記載のシャッター装置。
【請求項3】
前記固定収容部材を構成する一方の固定収容部は鉛直方向に長さを有し、前記他方の固定収容部は水平方向に長さを有するように機械器具に固定され、上記他方の固定収容部内には、該他方の固定収容部内に収容される他方の可動側収容部を支持するとともに該他方の可動側収容部を該他方の固定収容部の長さ方向にガイドする上方ガイド板部が形成され、
上記一方の固定収容部を構成する正面板部の下端には、前記複数の可動収容部材の内で最も大型の可動収容部材を構成するシャッター板部を下端で支持してなり、上記他方の固定収容部の長さ方向にガイドする下方ガイド板部が形成されてなるとともに、
最も小型の可動収容部材を除く上記複数の可動収容部材を構成するシャッター板部の下端には、隣り合うシャッター板部を上記他方の固定収容部の長さ方向にガイドする可動側ガイド板部がそれぞれ形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかのシャッター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−103313(P2013−103313A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249901(P2011−249901)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(593208751)株式会社ナベル (20)