説明

シャッタ装置および自動取引装置

【課題】顧客がシャッタにより指等を挟まれることを防止する。
【解決手段】シャッタ3の先端に開閉方向に突出した左右一対の突出部4a、4bを設け、この突出部4a、4bに顧客の手や指を検知する検知センサの発光手段5aと受光手段5bを対向するように設けた構造として、シャッタ3の閉動作の途中で、前記検知センサの受光手段5bの出力が変化したとき、シャッタ3を開動作させるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客が物品を投入したり、取出したりする接客部を開閉するシャッタを備えたシャッタ装置および自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッタ装置は、例えば、金融機関の店舗等に設置される自動取引装置に設けられる。
従来のシャッタ装置は、発光手段と受光手段から構成されている検知センサをシャッタの下側の位置に設けている。また、この発行手段と受光手段とは、該シャッタの開閉方向に沿って対向して配置されている。前記検知センサの状態がONになっている場合、シャッタ装置は、シャッタの閉動作を行わないようにシャッタを制御する。これにより、紙幣がシャッタに挟まり機器障害が発生することを防止するものとなっている(例えば、特許文献1参照)。また、上記同様の構成において、利用者がシャッタに手を挟まれることを防止するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−271756号公報
【特許文献2】特開2004−118602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、センサで検知できる範囲が限られる。例えば、紙幣がセンサで検知できない位置で引っかかっていた場合は、センサが紙幣を検知できないことがある。そのためシャッタの閉動作が行われると、紙幣がシャッタに挟まり機器障害が発生してしまうことがある(例えば、特許文献1参照)。また、顧客がシャッタ位置までしか指や手を入れない場合や、接客部の端の方に指や手を入れた場合には、センサが顧客の指を検知できないことがある。そのためシャッタの閉動作が行われると、顧客の指や手が挟まれてしまうという問題がある(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部と、該接客部の開口部に設けられた開閉可能なシャッタを備えたシャッタ装置において、前記シャッタの先端に、その開閉方向に突出する左右一対の突出部を形成し、この一対の突出部の一方に発光手段と受光手段から構成されている検知センサの発光手段を、他方に受光手段を相対向するように設けたことを特徴とする。
【0006】
また、物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部と、該接客部の開口部に設けられた開閉可能なシャッタを備えたシャッタ装置において、前記シャッタの先端と、該先端に相対する面の一方に検知センサの発光手段と受光手段を設け、他方に前記発光手段からの光を前記受光手段にガイドするガイド部材を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部と、該接客部の開口部に設けられた開閉可能なシャッタを備えたシャッタ装置において、前記シャッタの先端と、該先端に相対する面の一方に検知センサの発光手段を設け、他方に前記発光手段と相対するように受光手段を設けたことを特徴とする。
また、物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部と、該接客部の開口部に設けられた開閉可能なシャッタを備えたシャッタ装置において、前記シャッタの上方側に検知センサの発光手段と受光手段を、前記シャッタの開閉方向に相対させて設けたことを特徴とする。
【0008】
また、紙幣の入出金を行う接客部と、取引の制御を行う制御部と、顧客からの取引入力を受け付ける操作表示部と、前記接客部を覆う開閉可能なシャッタと、物を検知する発光手段及び受光手段を備える検知センサと、前記接客部内の紙幣を検知する紙幣検知センサを備え、前記シャッタの先端に、その開閉方向に突出する左右一対の突出部を形成し、この一対の突出部の一方に前記検知センサの発光手段を、他方に前記検知センサの受光手段を相対するように設け、前記制御部は、顧客からの取引入力に基づき前記紙幣検知センサを監視し、前記紙幣検知センサの監視結果に応じて前記シャッタを閉動作させ、前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させることを特徴とする。
【0009】
また、紙幣の入出金を行う接客部と、取引の制御を行う制御部と、顧客からの取引入力を受け付ける操作表示部と、前記接客部を覆う開閉可能なシャッタと、物を検知する発光手段及び受光手段を備える検知センサと、前記接客部内の紙幣を検知する紙幣検知センサを備え、前記シャッタの先端と、該先端に相対する面の一方に検知センサの発光手段と受光手段を設け、他方に前記発光手段からの光を前記受光手段にガイドするガイド部材を設け、前記制御部は、顧客からの取引入力に基づき前記紙幣検知センサを監視し、前記紙幣検知センサの監視結果に応じて前記シャッタを閉動作させ、前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させることを特徴とする。
【0010】
また、紙幣の入出金を行う接客部と、取引の制御を行う制御部と、顧客からの取引入力を受け付ける操作表示部と、前記接客部を覆う開閉可能なシャッタと、物を検知する発光手段及び受光手段を備える検知センサと、前記接客部内の紙幣を検知する紙幣検知センサを備え、前記シャッタの先端と、該先端に相対する面の一方に検知センサの発光手段を設け、他方に前記発光手段と相対するように受光手段を設け、前記制御部は、顧客からの取引入力に基づき前記紙幣検知センサを監視し、前記紙幣検知センサの監視結果に応じて前記シャッタを閉動作させ、前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させることを特徴とする。
【0011】
また、紙幣の入出金を行う接客部と、取引の制御を行う制御部と、顧客からの取引入力を受け付ける操作表示部と、前記接客部を覆う開閉可能なシャッタと、物を検知する発光手段及び受光手段を備える検知センサと、前記接客部内の紙幣を検知する紙幣検知センサを備え、前記シャッタの上方側に検知センサの発光手段と受光手段を、前記シャッタの開閉方向に相対させて設け、前記制御部は、顧客からの取引入力に基づき前記紙幣検知センサを監視し、前記紙幣検知センサの監視結果に応じて前記シャッタを閉動作させ、前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このようにした本発明は、入出金時や振込時に紙幣がセンサで検知できない位置で引っかかっていた場合や、顧客が指をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部の端の方に指を入れた場合においても紙幣や顧客の指を確実に検知することができる。そのためシャッタの閉動作により、紙幣や顧客の指が挟まれることを防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施例を示す自動取引装置の図
【図2】第1の実施例におけるシャッタ部分の平面図
【図3】第1の実施例におけるシャッタの平面図
【図4】第1の実施例の作用を示すフローチャート
【図5】第2の実施例を示す平面図
【図6】第2の実施例の作用を示すフローチャート
【図7】第3の実施例を示す平面図
【図8】第3の実施例の作用を示すフローチャート
【図9】第4の実施例を示す側面図
【図10】第4の実施例の作用を示すフローチャート
【図11】第5の実施例を示す側面図
【図12】第5の実施例を示す平面図
【図13】第5の実施例におけるシャッタの平面図
【図14】第6の実施例を示す平面図
【図15】第7の実施例を示す平面図
【図16】第8の実施例を示す平面図
【図17】第9の実施例を示す平面図
【図18】第10の実施例を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明によるシャッタ装置の実施例を自動取引装置に設けられたものとして説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は第1の実施例を示す自動取引装置の図である。図2は第1の実施例におけるシャッタ部分の平面図である。図3は第1の実施例におけるシャッタの平面図である。
図1(a)は自動取引装置のブロック図である。
【0016】
金融機関の営業店等に設置された自動取引装置1は、カード処理部(読取り部)1−2、音声案内部1−3、通帳処理部(読取り部)1−4、紙幣入出金部1−5、硬貨入出金部1−6、操作表示部1−8、記憶部1−9、インターフェース1−10、及びこれらを制御する制御部1−7を備えている。
【0017】
図1(b)は自動取引装置1の外観を示す斜視図である。正面上部に設定されたほぼ水平あるいは若干傾斜した立面部と平面部からなる接客面が設けられている。立面部にカード挿入排出口1−2a、スピーカ1−3a及び通帳挿入排出口1−4aが設けられている。平面部に紙幣入出金口1−5a、硬貨入出金口1−6a及び操作表示部1−8が設けられている。
【0018】
カード挿入排出口1−2a、スピーカ1−3a、通帳挿入排出口1−4a、紙幣入出金口1−5a、硬貨入出金口1−6aは、図1(a)に示したカード処理部1−2、音声案内部1−3、通帳処理部1−4、紙幣入出金部1−5、硬貨入出金部1−6と対応して配置されている。カード処理部1−2は、カード挿入排出口1−2aから挿入される取引媒体の磁気ストライプに記録されている口座番号等のカードデータを読み取る。また、必要に応じて所定のデータの書込みを行う。通帳処理部1−4は、通帳挿入排出口1−4aから挿入される通帳の磁気ストライプに記録されている口座番号等の通帳データを読み取る。また、通帳の印字欄に取引内容や未記帳データ等の印字を行う。
尚、カード処理部1−2はカードの磁気ストライプに記録されているカードデータの読取りのみを行うカードリーダであってもよい。
【0019】
紙幣入出金部1−5は、紙幣入出金口1−5aに投入される入金紙幣を鑑別、計数して紙幣収納部に収納する入金処理を行う。また、顧客が指定した金種、金額の紙幣を紙幣収納部から繰り出して鑑別、計数する。その後、紙幣入出金口1−5aから出金する出金処理を行う。硬貨入出金部1−6は顧客により硬貨入出金口1−6aに投入される入金硬貨を鑑別、計数して硬貨収納部に収納する入金処理を行う。また、顧客が指定した金種、金額の硬貨を硬貨収納部から繰り出して鑑別、計数する。その後、硬貨入出金口1−6aから出金する出金処理を行う。
音声案内部1−3は、顧客の操作を誘導するメッセージ等をガイダンス音声としてスピーカ1−3aから出力する。
【0020】
操作表示部1−8は、顧客の操作を誘導するメッセージを配した画面や各種の入力キーを表示する。入力キーをタッチパネル上から指で押下することにより、入力キーに定義された情報を入力できるものとなっている。また、入力された情報の表示等も行うようになっている。顧客は、操作表示部1−8を操作して行いたい取引の取引項目を選択する。制御部1−7は、操作表示部1−8からの操作指示に基づいて、入出金などの取引を制御する。
【0021】
記憶部1−9は、取引時における入力データ等を記憶する他、装置の動作を制御するための制御プログラムが格納されている。また、取引選択画面や各取引における処理ステップ毎の案内画面や入力画面等も記憶部1−9に格納されている。
【0022】
制御部1−7は、記憶部1−9に格納されている制御プログラムに基づいてカード処理部1−2、音声案内部1−3、通帳処理部1−4、紙幣入出金部1−5、硬貨入出金部1−6、操作表示部1−8等を制御する。また、制御部1−7は、記憶部1−9に格納されている画面を随時操作表示部1−8に表示して各種の取引を行う機能を有している。制御部1−7は、インターフェース1−10を介して上位装置であるホストコンピュータと通信を行い、各種の取引を行う。これにより、制御部1−7とホストコンピュータ間で必要な情報の授受を行うものとなっている。
ホストコンピュータは、金融機関のセンタ等に設置されている。ホストコンピュータは、各顧客の氏名、口座番号、暗証番号、取引履歴の未記帳データ、及び残高等を口座データとして管理する機能を有している。
【0023】
図1(c)は自動取引装置1の側面図である。自動取引装置1は、接客部2が設けられている。接客部2の上面は接客面であり開口している。顧客は、入金時には接客部2に紙幣を投入する。出金時には接客部2に手を入れて接客部2に集積されている紙幣を取り出す。
接客部2の開口部は、シャッタ3が設けられている。シャッタ3は、図示しないモータを動力源として前後方向に移動して開閉する。シャッタ3の先端には、開閉方向に突出した左右一対の突出部4a、4bが形成されている。
【0024】
検知センサ5は、顧客の手や指等(以下、「物」ともいう)を検知するセンサであり、図2及び図3に示したように、発光手段(発光素子)5aと受光手段(受光素子)5bから構成されている。発光手段5aと受光手段5bは、相対するようにシャッタ3の突出部4a、4bに固定されている。
突出部4a、4bは、図2に示したようにシャッタ3が接客部2を覆う幅Xよりも外側に設けられている。これにより顧客が接客部2に手を入れる際、顧客の手が検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bに触れないようにしている。
【0025】
紙幣検知センサ8は、発光手段(発光素子)8aと受光手段(受光素子)8bから構成されている。発光手段8aと受光手段8bは、シャッタ3の開閉方向の向きで相対するように接客部2内に配置され、顧客が接客部2内に投入した入金紙幣や顧客に支払う出金紙幣を検知する。
【0026】
上述した構成による第1の実施例の作用について説明する。図4は第1の実施例の作用を示すフローチャートである。図4にSで示したステップに従って説明を行う。尚、以下に説明する各部の動作は、記憶部1−9に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて、制御部1−7により制御されるものとする。
【0027】
まず、顧客は入金取引または出金取引を選択し、取引を実行する。取引の過程において、シャッタ3が開く。シャッタ3が開の状態で、顧客が接客部2内への紙幣の投入(セット)または接客部2に集積されている紙幣の取出しを行う(S1)。制御部1−7は、接客部2内に設けられている紙幣検知センサ8の検知結果により、紙幣の投入または取出し操作が完了したかを判断する。つまり、入金時には紙幣検知センサ8が投入紙幣を検知したかどうかにより操作が完了したかを判断する。出金時には紙幣検知センサ8が支払紙幣を検知しなくなったかどうかにより操作が完了したかを判断する。
【0028】
操作が完了すると、シャッタ3の閉動作が開始される(S2)。シャッタ3の閉動作中、制御部1−7は検知センサ5が監視する(S3)。検知センサ5の受光手段5bの出力がONに変化した場合(物を検知した場合)、制御部1−7はシャッタ3を開動作させて(S4)、図示しないタイマにより時間を測定する。予め定めた時間の経過後、S2に戻ってシャッタ3の閉動作を再開する。
【0029】
受光手段5bの出力がOFFのままであれば(物を検知しない場合)、制御部1−7はシャッタ3の閉動作を継続する(S5)。制御部1−7は、シャッタ3の閉動作が完了したかどうかを判断する(S6)。この判断は、シャッタ3が完全に閉じたことを検知するセンサを別途に設けて、そのセンサの出力により判断することが可能である。
シャッタ3の閉動作が完了していない場合は、S3に戻って制御部1−7は処理を繰り返す。シャッタ3の閉動作が完了した場合は、制御部1−7はシャッタ3の閉動作を停止して(S7)処理を終了する。
【0030】
以上説明したように第1の実施例では、シャッタ3の先端に開閉方向に突出した左右一対の突出部4a、4bを設ける。突出部4a、4bは、顧客の手や指を検知する検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bが相対するように設けた構造となっている。このような構造により、入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合等においても顧客の指や手を確実に検知することができる。そのため顧客がシャッタ3により指や手を挟まれることを防止できるという効果が得られる。
【実施例2】
【0031】
図5は本発明の第2の実施例を示す平面図である。図5(a)は、シャッタ3が閉じる途中の状態を示した図である。図5(b)は、シャッタ3が完全に閉じた状態を示した図である。第2の実施例は、図5(b)に示すように、シャッタ3が完全に閉じたとき、シャッタ3の突出部4aに設けられている検知センサ5の発光手段5aと相対する位置に受光手段5cを設ける。受光手段5cは、自動取引装置1の筐体の一部に配置したものである。発光手段5aと第2の受光手段5cにより、シャッタ閉検知センサを構成したものである。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0032】
上述した構成による第2の実施例の作用について説明する。図6は第2の実施例の作用を示すフローチャートである。図6にSで示したステップに従って説明を行う。尚、以下に説明する各部の動作も、記憶部1−9に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて、制御部1−7により制御されるものとする。
【0033】
まず、S11からS15は、第1の実施例のS1からS5と同様の処理が行われる。その後、制御部1−7は、シャッタ閉検知センサを監視する(S16)。そして、シャッタ閉検知センサの受光手段5cの出力がOFFの場合は、制御部1−7はシャッタ3の閉動作が完了していないものと判断してS13に戻って処理を繰り返す。受光手段5cがONになった場合は、制御部1−7はシャッタ3の閉動作が完了したものと判断してシャッタ3の閉動作を停止し(S17)、処理を終了する。
【0034】
以上説明した第2の実施例でも第1の実施例と同様の効果が得られる。また、第2の実施例では、顧客の手や指を検知する検知センサ5の発光手段5aをシャッタ閉検知センサの発光側として利用している。シャッタ3が完全に閉じたとき、発光手段5aと相対する位置に受光手段5cを設けてシャッタ閉検知センサを構成しているため、センサ部品を削減できるという効果も得られる。
【実施例3】
【0035】
図7は本発明の第3の実施例を示す平面図である。図7(a)は、シャッタ3が閉じる途中の状態を示した図である。図7(b)は、シャッタ3が完全に閉じた状態を示した図である。第3の実施例は、図7(b)に示すように、シャッタ3が完全に閉じたとき、シャッタ3の突出部4aに設けられている検知センサ5の発光手段5aと対向する位置に遮光板6を設けたものである。遮光板6は、自動取引装置1の筐体の一部に配置したものである。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0036】
上述した構成による第3の実施例の作用について説明する。図8は第3の実施例の作用を示すフローチャートである。図8にSで示したステップに従って説明を行う。尚、以下に説明する各部の動作も、記憶部1−9に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて、制御部1−7により制御されるものとする。
【0037】
まず、S21からS23まで、第1の実施例のS1からS3と同様の処理が行われる。検知センサ5の受光手段5bの出力がOFFのままであれば、制御部1−7はシャッタ3の閉動作を継続する(S24)。受光手段5bの出力がONに変化した場合、制御部1−7は、シャッタ3の閉動作開始から受光手段5bの出力ONまでに要した動作時間を計測し、予め定めた時間より短いか長いかを判定する(S25)。
【0038】
動作時間が予め定めた時間より短い場合は、制御部1−7は顧客の指等を検知したものと判断してシャッタ3を開動作させる(S26)。予め定めた時間(シャッタ3が閉じるまでに要する程度の時間)経過後、S22に戻ってシャッタ3の閉動作を再開する。動作時間が予め定めた時間より長い場合は、制御部1−7はシャッタ3の閉動作が完了したものと判断する。つまり、検知センサ5の発光手段5aからの光が遮光板6により遮られることで受光手段5bの出力がONに変化したものと判断してシャッタ3の閉動作を停止し(S27)、処理を終了する。
【0039】
以上説明した第3の実施例でも第1の実施例と同様の効果が得られる。また、第3の実施例では、シャッタ3が完全に閉じたとき、発光手段5aの光を遮光板6が遮る。これにより、受光手段5bの出力をONにして、シャッタ閉の検知を行えるように構成したので、簡単な構成でシャッタ閉の検知手段を実現できるという効果も得られる。
【0040】
尚、上述した第3の実施例では、検知センサ5の受光手段5bの出力がONになった場合、シャッタ3の閉動作開始から受光手段5bの出力ONまでに要した動作時間が短いか長いかにより、顧客の指等の検知か、シャッタ3の閉動作が完了したかを判断するものとした。しかしながら、シャッタの動力源となるモータがパルスモータの場合は、駆動パルス数で判断する方法を採用することも可能である。また、モータにロータリエンコーダを設けられている場合は、その出力パルス数で判断する方法を採用することも可能である。つまり、シャッタ3の大まかな位置を判断できる方法であれば、他の方法を採用することも可能である。
【実施例4】
【0041】
図9は本発明の第4の実施例を示す平面図である。第4の実施例は、シャッタ3の突出部4a、4bに発光手段5aと受光手段5bが相対するように検知センサ5を設け、接客部2内に手検知センサ7と、紙幣10を検知する紙幣検知センサ8と、ランプ(報知手段)9を設けたものとなっている。手検知センサ7は、発光手段(発光素子)7aと受光手段(受光素子)7bから構成されている。発光手段7aと受光手段7bは、シャッタ3の下方において、シャッタ3の開閉方向の向きで相対するように接客部2内に配置されている。
【0042】
紙幣検知センサ8は、発光手段(発光素子)8aと受光手段(受光素子)8bから構成されている。発光手段8aと受光手段8bは、顧客が接客部2内に投入した入金紙幣や顧客に支払う出金紙幣を検知可能な位置にある。発光手段8aと受光手段8bは、シャッタ3の開閉方向の向きで相対するように接客部2内に配置されている。ランプ9(報知手段)は、接客部2内に設けられている。ランプ9に代えて、シャッタ3の近傍にフリッカランプ(報知手段)を設けるようにしてもよい。その他の構成は、第1の実施例と同様である。
【0043】
上述した構成による第4の実施例の作用について説明する。図10は第4の実施例の作用を示すフローチャートである。図10にSで示したステップに従って説明を行う。尚、以下に説明する各部の動作も、記憶部1−9に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて、制御部1−7により制御されるものとする。
【0044】
まず、シャッタ3が開の状態で、顧客の接客部2内への紙幣10の投入(セット)または接客部2に集積されている紙幣10の取出しを行う(S31)。制御部1−7は、接客部2内に設けられている手検知センサ7及び紙幣検知センサ8の検知結果により、紙幣10の投入または取出し操作が完了したかを判断する。
【0045】
つまり、入金時には手検知センサ7の受光手段7bがOFFからONになった後、再びOFFに変化し、かつ紙幣検知センサ8の受光手段8bがOFFからONに変化したかどうかにより、操作の完了を判断する。出金時には手検知センサ7の受光手段7bがOFFからONになった後、再びOFFに変化し、かつ紙幣検知センサ8の受光手段8bがONからOFFに変化したかどうかにより操作が完了したかを判断する。
【0046】
紙幣の投入または取出し操作が完了すると、制御部1−7はシャッタ3の閉動作が開始する。制御部1−7は、シャッタ3の閉動作の開始と同時に、ランプ9(またはフリッカランプ)を点灯または点滅させ(S32)、顧客に対して注意を喚起する。シャッタ3の閉動作中、制御部1−7は検知センサ5を監視する(S33)。検知センサ5の受光手段5bの出力がONに変化した場合(物を検知した場合)、制御部1−7はシャッタ3を開動作する(S34)。このとき、ランプ9(またはフリッカランプ)を点灯または点滅させたままの状態にしてもよい。また、S32ではランプ9(またはフリッカランプ)を点灯させ、S34ではランプ9(またはフリッカランプ)を点灯状態から点滅させてもよい。制御部1−7は図示しないタイマにより時間を測定する。予め定めた時間の経過後、制御部1−7はS32に戻ってシャッタ3の閉動作を再開する。
【0047】
受光手段5bの出力がOFFのままであれば(物を検知しない場合)、制御部1−7はシャッタ3の閉動作を継続する(S35)。制御部1−7は、シャッタ3の閉動作が完了したかどうかを判断する(S36)。この判断は、第2の実施または第3の実施例と同様に判断することが可能である。
【0048】
シャッタ3の閉動作が完了していない場合は、制御部1−7はS33に戻って処理を繰り返す。シャッタ3の閉動作が完了した場合は、制御部1−7はシャッタ3の閉動作を停止して(S37)処理を終了する。
【0049】
以上説明した第4の実施例でも第1の実施例と同様の効果が得られる。また、第4の実施例では、検知センサ5のONでシャッタ3を開動作させるとき、接客部2内に設けたランプ9またはシャッタ3の近傍に設けたフリッカランプを点灯または点滅させる。これにより、顧客に注意を喚起することができる。さらに、顧客がシャッタ3の位置に手や指を差し込んでいる場合は、その手や指を退避させることができるという効果も得られる。
【0050】
尚、上述した第4の実施例では、シャッタ3を開動作させると共に、ランプ9またはフリッカランプを点灯または点滅させるものとした。しかしながら、検知センサ5の受光手段5bの出力がONに変化した場合(物を検知した場合)、制御部1−7はシャッタ3を開動作させず、物を検知した時点で停止して、ランプ9またはフリッカランプを点灯または点滅させるものとしてもよい。また、検知センサ5の受光手段5bの出力がONに変化した場合(物を検知した場合)、制御部1−7はランプ9またはフリッカランプを点灯または点滅させながら、シャッタ3を一定距離だけ開動作させてから停止するものとしてもよい。また、ランプ9またはフリッカランプを点灯または点滅させる代わりに、スピーカ(報知手段)から顧客に対して注意を喚起する旨のメッセージを音声で出力するようにしてもよい。また、ランプ9またはフリッカランプと、スピーカの両者を併用するようにしてもよい。
【0051】
更に、検知センサ5は、シャッタ3の突出部4a、4bの幅Y(図2)に複数設けるようにしてもよい。そうすることによって、検知センサ5が1対のときでは検知することが出来ないような位置にある顧客の指や手をより素早く検知することが可能となる。
【実施例5】
【0052】
図11は本発明の第5の実施例を示す側面図である。図12は第5の実施例を示す平面図である。図13は第5の実施例におけるシャッタの平面図である。第5の実施例は、シャッタ3の先端に形成された突出部4a、4bと相対する面に、顧客の手や指等(以下、「物」ともいう)を検知する発光手段(発光素子)5aと受光手段(受光素子)5bから構成される検知センサ5を設ける。さらに、シャッタ3の突出部4a、4bに反射により光をガイドするガイド部材としての一対の反射板(反射ミラー)11(11a、11b)を設けたものである。発光手段5aと受光手段5bは、自動取引装置1の筐体の一部に配置したものである。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0053】
以上の構成による第5の実施例の作用は、図12に示したように、発光手段5aからの光がA矢印で示した経路のように反射板11a、11bで反射され、受光手段5bに導かれるようにした。その他は、図4のフローチャートを用いて説明した第1の実施例の作用と同様であるので、その説明を省略する。
【0054】
以上説明したように第5の実施例では、シャッタ3の突出部4a、4bと相対する面に、発光手段5aと受光手段5bから構成される検知センサ5を設ける。さらに、シャッタ3の突出部4a、4bに反射板11a、11bを設けた構造としている。これにより、第1の実施例と同様に入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合においても顧客の指や手を確実に検知することができる。そのため顧客がシャッタ3により指や手を挟まれることを防止できるという効果が得られる。
【0055】
また、反射板11a、11bを使用することで光が往復する経路を構成するようにした。これにより、1つの検知センサ5で2つの検知センサを設けた場合と同じ役割をはたすことができ、指や手の検知をきめ細かく行うことが可能になるという効果も得られる。
第5の実施例のように、シャッタ3の突出部4a、4bと相対する面に、発光手段5aと受光手段5bから構成される検知センサ5を設けるようにすれば、シャッタ3の突出部4a、4bに反射板11a、11bを取り付けるだけで良いので、設置が容易となる。
【実施例6】
【0056】
図14(a)は本発明の第6の実施例を示す平面図である。第6の実施例は、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、顧客の手や指等を検知する複数対(図14(a)では2対)の検知センサ5を設ける。検知センサ5は、発光手段5aと受光手段5bから構成されている。発光手段5aと受光手段5bは、自動取引装置1の筐体の一部に配置したものである。検知センサ5に対応するように、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数対(図14(a)では2対)の反射板(反射ミラー)11(11a、11b)を設けたものである。反射板11は、反射により光をガイドするガイド部材である。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0057】
以上の構成による第6の実施例の作用は、図14(a)に示したようにそれぞれの発光手段5aからの光がA矢印で示した経路のように各対の反射板11a、11bで反射され、それぞれの受光手段5bに導かれるようにした。その他は、図4のフローチャートを用いて説明した第1の実施例の作用と同様であるので、その説明を省略する。
【0058】
以上説明したように第6の実施例では、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数対の検知センサ5を設ける。さらに、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数対の反射板11a、11bを設けた構造としている。これにより、第1の実施例と同様に入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合においても顧客の指や手を確実に検知することができる。そのため顧客がシャッタ3により指や手を挟まれることを防止できるという効果が得られる。
【0059】
この実施例では、複数対の検知センサ5と、複数対の反射板11a、11bを組み合わせた構成としているため、接客部2を細かく監視することができる。また、入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合においても、顧客の指や手をより素早く検知することが可能となる。更に、例えば、発光手段5aと受光手段5bが2対の場合、検知センサ5を4つ設けた場合と同じになり、よりきめの細かい指等の検知を行うことが可能になるという効果も得られる。
【0060】
尚、第6の実施例においても、検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bの位置は逆でもよい。また、図14(b)に示すように、各検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bを、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で設け、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で各対の反射板11a、11bを設ける構造としてもよい。
【実施例7】
【0061】
図15(a)は本発明の第7の実施例を示す平面図である。第7の実施例は、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で顧客の手や指を検知する検知センサ5の発光手段5aを設ける。また、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、顧客の手や指を検知する検知センサ5の受光手段5bを設ける。そして、発光手段5aと受光手段5bは相対向させるようにする。受光手段5bは、自動取引装置1の筐体の一部に配置したものである。図15(a)ではシャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で発光手段5aを設け、シャッタ3と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で受光手段5bを設けたものとしている。しかしながら、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で受光手段5bを設け、シャッタ3の先端と相対する面に、シャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で発光手段5aを設けるものとしてもよい。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0062】
このような構成による第7の実施例の作用は、図4のフローチャートを用いて説明した第1の実施例の作用と同様であるので、その説明を省略する。
以上説明したように第7の実施例では、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で顧客の手や指を検知する検知センサ5の発光手段5aを設けた。また、シャッタ3の先端と相対する面に、シャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、顧客の手や指を検知する検知センサ5の受光手段5bを設けた。そして、発光手段5aと受光手段5bが相対するように設けた構造とした。これにより、第1の実施例と同様に入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合においても顧客の指や手を確実に検知することができる。そのため、顧客がシャッタ3により指や手を挟まれることを防止できるという効果が得られる。
【0063】
尚、第7の実施例でも、図15(b)に示すように、検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bをシャッタ3の幅方向に複数設けるようにしてもよい。これにより、入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合においても顧客の指や手をより素早く検知することが可能となる。
【実施例8】
【0064】
図16(a)は本発明の第8の実施例を示す平面図である。第8の実施例は、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、顧客の手や指を検知する検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bを設ける。発光手段5aと受光手段5bは、自動取引装置1の筐体の一部に配置したものである。さらにシャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、プリズム(導光体)12を設けたものである。プリズム12は、反射により光をガイドするガイド部材である。プリズム12は、発光手段5aからの光を反射させ、受光手段5bに導かれるように配置してある。図16(a)ではシャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、発光手段5aと受光手段5bを設け、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内でプリズム12を設けたものとしている。しかしながら、図16(b)に示すように、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bを設け、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、プリズム12を設けるものとしてもよい。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0065】
このような構成による第7の実施例の作用は、プリズム12により発光手段5aからの光がA矢印で示した経路のように受光手段5bに導かれるようにした。その他は、図4のフローチャートを用いて説明した第1の実施例の作用と同様であるので、その説明を省略する。
【0066】
以上説明したように第8の実施例では、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、顧客の手や指を検知する検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bを設ける。シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、光をガイドするガイド部材としてのプリズム12を設けた。そのため、第1の実施例と同様に入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合においても顧客の指や手を確実に検知することができる。また、顧客がシャッタ3により指や手を挟まれることを防止できるという効果が得られる。
【実施例9】
【0067】
図17(a)は本発明の第9の実施例を示す平面図である。第9の実施例は、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、顧客の手や指を検知する検知センサ5を複数対(図17(a)では2対)設ける。検知センサ5は、発光手段5aと受光手段5bから構成されている。発光手段5aと受光手段5bは、自動取引装置1の筐体の一部に配置したものである。さらにシャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数(図17(a)では2個)のプリズム(導光体)12を設けたものである。プリズム12は、反射により光をガイドするガイド部材である。プリズム12は、発光手段5aからの光を反射させ、受光手段5bに導かれるように配置してある。図17(a)ではシャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数対の検知センサ5を設け、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数のプリズム12を設けたものとしている。しかしながら、図17(b)に示すように、シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数対の検知センサ5を設け、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数のプリズム12を設けるものとしてもよい。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0068】
以上の構成による第9の実施例の作用は、各プリズム12により各発光手段5aからの光がA矢印で示した経路のように受光手段5bに導かれるようにした他は、図4のフローチャートを用いて説明した第1の実施例の作用と同様であるので、その説明を省略する。
【0069】
以上説明したように第9の実施例では、シャッタ3の先端と相対する面にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、顧客の手や指を検知する複数の検知センサ5を設ける。シャッタ3の先端にシャッタ3が接客部2を覆う幅X(図2)の範囲内で、複数のプリズム12を設けた。そのため、第1の実施例と同様に入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合においても顧客の指や手を確実に検知することができる。また、顧客がシャッタ3により指や手を挟まれることを防止できるという効果が得られる。
【0070】
この実施例では、複数対の検知センサ5と複数のプリズム12を組み合わせた構成としている。これにより、接客部2を細かく監視することができる。また、入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合等においても顧客の指や手をより素早く検知することが可能となる。更に、例えば、発光手段5aと受光手段5bが2対の場合、検知センサ5を4つ設けた場合と同じになり、よりきめの細かい指等の検知を行うことが可能になるという効果も得られる。
【実施例10】
【0071】
図18は本発明の第10の実施例を示す平面図である。第10の実施例は、検知センサ5を、シャッタ3の上方側においてシャッタ3の開閉方向の向きで相対するように自動取引装置1の筐体の一部に配置したものである。その他の構成は第4の実施例と同様である。
以上の構成による第10の実施例の作用は、シャッタ3の上方側の検知センサ5が制御部1−7により監視される。受光手段5bのON、OFFに基づいて、制御部1−7はシャッタ3の制御を行うようにした。その他は、図10のフローチャートを用いて説明した第4の実施例の作用と同様であるので、その説明を省略する。
【0072】
以上説明した第10の実施例は、シャッタ3の上方側に、検知センサ5の発光手段5aと受光手段5bを、シャッタ3の開閉方向の向きで相対するように配置している。更に、第4の実施例と同様に、検知センサ5のONでシャッタ3を開動作させるとき、制御部1−7は接客部2内のランプ9またはシャッタ3の近傍に設けたフリッカランプを点灯または点滅させるため、第4の実施例と同様の効果も得られる。
【0073】
また、第10の実施例でも、シャッタ3を開動作させると共に、ランプ9またはフリッカランプを点灯または点滅させるものとした。しかしながら、検知センサ5の受光手段5bの出力がONに変化した場合(物を検知した場合)、制御部1−7はシャッタ3を開動作させず、物を検知した時点で停止して、ランプ9またはフリッカランプを点灯または点滅させるものとしてもよい。また、ランプ9またはフリッカランプを点灯または点滅させる代わりに、スピーカ(報知手段)から顧客に対して注意を喚起する旨のメッセージを音声で出力するようにしてもよい。また、ランプ9またはフリッカランプと、スピーカの両者を併用するようにしてもよい。
【0074】
更に、接客部2またはシャッタ3の幅方向に複数の検知センサ5を設けるようにする。これにより、入出金時や振込時に顧客が指や手をシャッタ位置までしか入れない場合や、接客部2の端の方に指や手を入れた場合においても顧客の指や手をより素早く検知することが可能となる。
【0075】
以上、各実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、上述した、第4の実施例及び第10の実施例で、シャッタ3の閉動作時にランプ9(またはフリッカランプ)を点灯または点滅させ、顧客に対して注意を喚起するものとした。しかしながら、その他の実施例においても、同様にランプ9(またはフリッカランプ)を設けて、シャッタ3の閉動作時に点灯または点滅させるようにしてもよい。これにより、顧客に対して注意を喚起することが出来る。また、ランプ9またはフリッカランプを点灯または点滅させる代わりに、スピーカ(報知手段)から顧客に対して注意を喚起する旨のメッセージを音声で出力するようにしてもよい。また、ランプ9またはフリッカランプと、スピーカの両者を併用するようにしてもよい。
また、上述した各実施例では、本発明のシャッタ装置を自動取引装置に適用した例を説明したが、紙等を含む物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部を有する装置全てに適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 自動取引装置
2 接客部
3 シャッタ
4a 突出部
4b 突出部
5a 発光手段
5b 受光手段
5c 受光手段
6 遮光板
7 手検知センサ
8 紙幣検知センサ
9 ランプ
10 紙幣
11a 反射板
11b 反射板
12 プリズム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部と、該接客部の開口部に設けられた開閉可能なシャッタを備えたシャッタ装置において、
前記シャッタの先端に、その開閉方向に突出する左右一対の突出部を形成し、この一対の突出部の一方に発光手段と受光手段から構成されている検知センサの発光手段を、他方に受光手段を相対するように設けたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項2】
物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部と、該接客部の開口部に設けられた開閉可能なシャッタを備えたシャッタ装置において、
前記シャッタの先端と、該先端に相対する面の一方に検知センサの発光手段と受光手段を設け、他方に前記発光手段からの光を前記受光手段にガイドするガイド部材を設けたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項3】
物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部と、該接客部の開口部に設けられた開閉可能なシャッタを備えたシャッタ装置において、
前記シャッタの先端と、該先端に相対する面の一方に検知センサの発光手段を設け、他方に前記発光手段と相対するように受光手段を設けたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項4】
物品の投入、取出しの少なくとも一方を行う接客部と、該接客部の開口部に設けられた開閉可能なシャッタを備えたシャッタ装置において、
前記シャッタの上方側に検知センサの発光手段と受光手段を、前記シャッタの開閉方向に相対させて設けたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のシャッタ装置において、
前記シャッタの閉動作の途中で、前記検知センサが物を検知したとき、前記シャッタを開動作させることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のシャッタ装置において、
報知手段を設け、
前記シャッタの閉動作の途中で、前記検知センサが物を検知したとき、前記シャッタを開動作させると共に前記報知手段により顧客に対して注意を喚起することを特徴とするシャッタ装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のシャッタ装置において、
報知手段を設け、
前記シャッタの閉動作の途中で、前記検知センサが物を検知したとき、前記シャッタを停止させ、前記報知手段により顧客に対して注意を喚起することを特徴とするシャッタ装置。
【請求項8】
請求項1に記載のシャッタ装置において、
前記シャッタが閉じたとき、前記シャッタの突出部に設けられている前記発光手段と相対する位置に前記受光手段とは別に受光手段を設けたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項9】
請求項1に記載のシャッタ装置において、
前記シャッタが閉じたとき、前記シャッタの突出部に設けられている前記発光手段と相対する位置に遮光板を設けたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項10】
請求項2に記載のシャッタ装置において、
前記検知センサの発光手段と受光手段及び前記ガイド部材を、前記シャッタが前記接客部を覆う幅の範囲内にそれぞれ複数設けたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項11】
請求項2または請求項10に記載のシャッタ装置において、
前記ガイド部材は反射板であることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項12】
請求項2または請求項10に記載のシャッタ装置において、
前記ガイド部材は導光体であることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項13】
請求項3または請求項4に記載のシャッタ装置において、
前記検知センサの発光手段と受光手段を、前記シャッタが前記接客部を覆う幅の範囲内にそれぞれ複数設けたことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項14】
紙幣の入出金を行う接客部と、
取引の制御を行う制御部と、
顧客からの取引入力を受け付ける操作表示部と、
前記接客部を覆う開閉可能なシャッタと、
物を検知する発光手段及び受光手段を備える検知センサと、
前記接客部内の紙幣を検知する紙幣検知センサを備え、
前記シャッタの先端に、その開閉方向に突出する左右一対の突出部を形成し、この一対の突出部の一方に前記検知センサの発光手段を、他方に前記検知センサの受光手段を相対するように設け、
前記制御部は、顧客からの取引入力に基づき前記紙幣検知センサを監視し、前記紙幣検知センサの監視結果に応じて前記シャッタを閉動作させ、
前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させることを特徴とする自動取引装置。
【請求項15】
紙幣の入出金を行う接客部と、
取引の制御を行う制御部と、
顧客からの取引入力を受け付ける操作表示部と、
前記接客部を覆う開閉可能なシャッタと、
物を検知する発光手段及び受光手段を備える検知センサと、
前記接客部内の紙幣を検知する紙幣検知センサを備え、
前記シャッタの先端と、該先端に相対する面の一方に検知センサの発光手段と受光手段を設け、他方に前記発光手段からの光を前記受光手段にガイドするガイド部材を設け、
前記制御部は、顧客からの取引入力に基づき前記紙幣検知センサを監視し、前記紙幣検知センサの監視結果に応じて前記シャッタを閉動作させ、
前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させることを特徴とする自動取引装置。
【請求項16】
紙幣の入出金を行う接客部と、
取引の制御を行う制御部と、
顧客からの取引入力を受け付ける操作表示部と、
前記接客部を覆う開閉可能なシャッタと、
物を検知する発光手段及び受光手段を備える検知センサと、
前記接客部内の紙幣を検知する紙幣検知センサを備え、
前記シャッタの先端と、該先端に相対する面の一方に検知センサの発光手段を設け、他方に前記発光手段と相対するように受光手段を設け、
前記制御部は、顧客からの取引入力に基づき前記紙幣検知センサを監視し、前記紙幣検知センサの監視結果に応じて前記シャッタを閉動作させ、
前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させることを特徴とする自動取引装置。
【請求項17】
紙幣の入出金を行う接客部と、
取引の制御を行う制御部と、
顧客からの取引入力を受け付ける操作表示部と、
前記接客部を覆う開閉可能なシャッタと、
物を検知する発光手段及び受光手段を備える検知センサと、
前記接客部内の紙幣を検知する紙幣検知センサを備え、
前記シャッタの上方側に検知センサの発光手段と受光手段を、前記シャッタの開閉方向に相対させて設け、
前記制御部は、顧客からの取引入力に基づき前記紙幣検知センサを監視し、前記紙幣検知センサの監視結果に応じて前記シャッタを閉動作させ、
前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させることを特徴とする自動取引装置。
【請求項18】
請求項14〜請求項17のいずれか1項に記載の自動取引装置において、
顧客に対して注意を喚起する報知手段を備え、
前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は前記シャッタを開動作させるとともに、前記報知手段により顧客に対して注意を喚起することを特徴とする自動取引装置。
【請求項19】
請求項14〜請求項17のいずれか1項に記載の自動取引装置において、
顧客に対して注意を喚起する報知手段を備え、
前記シャッタが閉動作中で、かつ前記検知センサが物を検知したとき、前記制御部は、前記報知手段により顧客に対して注意を喚起しながら、前記シャッタを一定距離だけ開動作させてから停止することを特徴とする自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−212421(P2012−212421A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254420(P2011−254420)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】