シャッタ装置
【課題】経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、スラット同士の擦れを低減または解消させるシャッタ装置を提供する。
【解決手段】装置は、窓開口6eを形成するようにスラット6を回動させて開放させるスラット開放機構をもつ。シャッタカーテン1は断面姿勢変位部を有する。これによりスラット6が回動するときにおいて、スラット6の厚みを示す断面で回動スラット6oと隣設スラット6scとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラット6scの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を有する。
【解決手段】装置は、窓開口6eを形成するようにスラット6を回動させて開放させるスラット開放機構をもつ。シャッタカーテン1は断面姿勢変位部を有する。これによりスラット6が回動するときにおいて、スラット6の厚みを示す断面で回動スラット6oと隣設スラット6scとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラット6scの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスラットを開閉方向に沿って並設した巻取可能なシャッタカーテンを有するシャッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右方向に延設されたスラットを高さ方向に沿って複数個並設して形成されたシャッタカーテンと、巻取体とを備えるシャッタ装置が開示されている。巻取体が一方向へ回転すると、シャッタカーテンが巻取体の外周部に巻き取られる。巻取体が逆方向へ回転すると、巻取体の外周部に巻き取られているシャッタカーテンが巻き外される。
【0003】
この種のシャッタ装置によれば、シャッタカーテンを構成するスラットを下降させ、シャッタカーテンの先端部の座板が着地して全閉したことに伴い、最下端側のスラットから順次回動させて、開放姿勢のスラットを閉鎖姿勢とするものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−271574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したシャッタ装置によれば、スラットが回動して窓開口を形成するため、採光、通風、視認等に貢献できる。しかし、窓開口を形成するようにスラットが回動するとき、経年変化、寸法公差等の影響により、回動するスラットと、それと隣設する回動しないスラットとが接触して互いに干渉するおそれがある。この場合、回動するスラットと、それと隣設する回動しないスラットとが擦れるおそれがある。特に、スラットの長さが長いとき、スラットの長手方向の中間部において、重力の影響が無視できないため、スラット同士の干渉が発生するおそれがある。この場合、スラット同士の干渉による擦れに起因して異音が発生したり、スラットの耐久性および寿命を低下させたりするおそれがある。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、窓開口を形成するようにスラットが回動するときにおいて、経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、スラット同士の干渉、ひいては擦れを低減または解消させることができるシャッタ装置を提供することを課題とするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)様相1に係るシャッタ装置は、(i)基部と、(ii)基部に設けられ、複数のスラットを開閉方向に沿って並設した巻取可能なシャッタカーテンと、(iii)基部に回転可能に設けられ、一方向への回転に伴いシャッタカーテンを巻取り、逆方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻き外す巻取体と、(iv)基部に設けられ、巻取体を一方向および逆方向に回転させるための駆動機構と、(v)スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するようにスラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備しており、(vi)複数のスラットのうち、回動させるスラットを回動スラットと定義し、回動スラットに隣設するスラットを隣設スラットと定義するとき、(vii)シャッタカーテンは、スラットが回動するときにおいて、スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とする。
【0007】
スラットが回動するとき、シャッタカーテンに設けられている断面姿勢変位部は、スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる。これにより経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、スラットが回動するとき、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消される。なお、隣設スラットは、一般的には、窓開口を形成するために回動されるものではないが、場合によっては回動させるタイプでも良い。
【0008】
本様相によれば、断面姿勢変位部は、シャッタ装置の製造時にシャッタカーテンの構成部品と一体成形されていても良いし、あるいは、別体として取り付けられていても良いし、あるいは、シャッタカーテンの構成部品に後付けで取り付けられても良い。
【0009】
(2)様相2に係るシャッタ装置用スラットは、開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数のスラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するようにスラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置に取り付けられるスラットであって、複数のスラットのうち、回動させるスラットを回動スラットと定義し、回動スラットに隣設するスラットを隣設スラットと定義するとき、
隣設スラットは、回動スラットが回動するときにおいて、隣設スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とする。
【0010】
スラットが回動するとき、隣設スラットの断面姿勢変位部は、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、スラットの厚みを示す断面で、隣設スラットの断面姿勢を変位させる。これにより経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消される。本様相によれば、断面姿勢変位部は隣設スラットと一体成形品であっても良いし、隣設スラットに後付けで取り付けられても良い。
【0011】
(3)様相3に係るシャッタ装置用吊持部材は、開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数のスラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するようにスラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置に取り付けられる吊持部材であって、複数のスラットのうち、回動させるスラットを回動スラットと定義し、回動スラットに隣設するスラットを隣設スラットと定義するとき、
吊持部材は、回動スラットが回動するときにおいて、隣設スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とする。
【0012】
スラットが回動するとき、吊持部材の断面姿勢変位部は、隣設スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる。これにより経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消される。本様相によれば、断面姿勢変位部は吊持部材と一体成形品であっても良いし、吊持部材に後付けで取り付けられても良い。
【0013】
(4)様相4に係るシャッタ装置用アタッチメントは、開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数のスラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するようにスラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置のうち、吊持部材およびスラットのうちの少なくとも一方に取り付けられるアタッチメントであって、複数のスラットのうち、回動させるスラットを回動スラットと定義し、回動スラットに隣設するスラットを隣設スラットと定義するとき、
アタッチメントは、回動スラットが回動するときにおいて、隣設スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる変位突部を具備することを特徴とする。
【0014】
スラットが回動するとき、断面姿勢変位部を構成するアタッチメントは、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる。これにより経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消される。
【0015】
更にスラットの断面形状を変更させることなく、あるいは、大幅に変更させることなく、アタッチメントを取り付けるだけで、スラット同士の干渉度を低減または解消させるように対処できる利点が得られる。アタッチメントは、シャッタ装置の製造時において吊持部材およびスラットのうちの少なくとも一方に取り付けても良い。あるいは、既に構造物に据え付られている状態のシャッタ装置に後付けでアタッチメントを吊持部材およびスラットのうちの少なくとも一方に取り付けることにしても良い。
【発明の効果】
【0016】
窓開口を形成するようにスラットが回動するときにおいて、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部がシャッタカーテンに設けられている。
【0017】
このため窓開口を形成するようにスラットが回動するとき、経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消され、擦れに起因する異音が低減または解消される。擦れに起因するスラットの損傷も抑制され、スラットの耐久性および長寿命化を図り得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明によれば、断面姿勢係合部は、回動スラットが回動するときにおいて、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に隣設スラットの断面姿勢を変位させる。例えば、断面姿勢変位部は、スラットの厚みを示す断面で、隣設スラットの上端部を一方向に変位させると共に、隣設スラットの下端部を他方向に変位させることができる。一方向は、室内方向および室外方向のうちの一方とすることができる。他方向は、室内方向および室外方向のうちの他方とすることができる。断面姿勢変位部は、シャッタ装置の製造時において取り付けても良い。あるいは、据え付けられたシャッタ装置の経年変化等で擦れの問題が発生するとき、断面姿勢変位部を後付けで取り付けても良い。断面姿勢変位部を取り付ける形態としては、螺子やリベット等の取付具、かしめ加工、溶接、半田付け、接着剤等が例示される。
【0019】
本発明の一視点によれば、シャッタカーテンは、複数のスラットと、複数のスラットを吊持する吊持部材とを具備しており、断面姿勢変位部は、スラットのうち隣設スラットおよび吊持部材のうちの少なくとも一方に設けられている。断面姿勢変位部は、隣設スラットに設けられていても良いし、吊持部材に設けられていても良いし、隣設スラット及び吊持部材の双方に設けられていても良い。本発明の一視点によれば、断面姿勢変位部は、隣設スラットおよび吊持部材のうちの少なくとも一方に一体品として一体的に成形されている。従って、断面姿勢変位部は、隣設スラットに一体品として一体的に成形されていても良いし、あるいは、吊持部材に一体品として成形されていても良い。隣設スラットがスラット本体とスラット本体に取り付けられるキャップとで形成されている場合には、断面姿勢変位部は、キャップに一体的に成形されていても良いし、あるいは、スラット本体に一体的に成形されていても良い。本発明の一視点によれば、断面姿勢変位部は、隣設スラットおよび吊持部材に対して別体として形成されたアタッチメントであり、アタッチメントは、隣設スラットおよび吊持部材のうちの少なくとも一方に取り付けられる。アタッチメントは、シャッタ装置の製造時において取り付けても良い。あるいは、据え付けられたシャッタ装置の経年変化等で擦れの問題が発生するとき、アタッチメントを取り付けても良い。隣設スラットがスラット本体とスラット本体に取り付けられるキャップとで形成されている場合には、アタッチメントは、キャップに一体的に成形されていても良いし、あるいは、スラット本体に一体的に成形されていても良い。アタッチメントを取り付ける形態としては、螺子やリベット等の取付具、かしめ加工、溶接、半田付け、接着剤等が例示される。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の実施例1について図1〜図9を参照して具体的に説明する。複雑化を避けるため、図面ではハッチングが省略されている。図1は、建築物等の構造物の開口を開閉するように、構造物に据え付けられるシャッタ装置の正面図を模式的に示す。
【0021】
図1に示すように、シャッタ装置は、スラット6を高さ方向(矢印H方向)に沿って複数個並設して形成されたシャッタカーテン1と、シャッタカーテン1を巻き取る巻取体2と、巻取体2を回転させる駆動機構であるモータ3と、巻取体2を回転可能に保持する基部の一部を構成する横フレーム4と、シャッタカーテン1の両側の側方に設けられた基部の一部を構成する2個の縦支柱5とを備えている。モータ3を制御するスイッチ(図示せず)が設けられている。スイッチによりモータ3が駆動し、巻取体2が回転中心線2xを中心として一方向へ回転すると、シャッタカーテン1は矢印H2方向(シャッタ閉鎖方向)に移動し、座板6xoが着地する。スイッチによりモータ3が逆動し、巻取体2が逆方向へ回転すると、巻取体2からシャッタカーテン1が巻き下され、矢印H1方向(シャッタ開放方向)に移動する。
【0022】
シャッタカーテン1は、複数個のスラット6と、スラット6の長手方向(L方向)の両端部を吊持する吊持部材として機能するチェーン状の線状連結部材7とで形成されている。スラット6は、2個の縦支柱5間において、長手方向(L方向)に沿って延設されている。巻取体2またはモータ3には、巻取体2の回動を不能とするブレーキ部20が設けられている。図1はあくまでも概念図を示しており、スラット6の数は図1に限定されるものではない。図1に示すように、シャッタカーテン1の左右両側には、チェーン状の線状連結部材7(吊持部材)がそれぞれ設けられている。
【0023】
線状連結部材7は、シャッタ装置の高さ方向(矢印H方向)に隣設する各スラット6の長さ方向の端部同士を連結すると共に、高さ方向(矢印H方向)に沿って伸縮可能とされている。図2に示すように、シャッタカーテン1は、シャッタカーテン1の開閉方向(矢印H方向)において並設された複数のスラット6を備えている。スラット6は、金属または樹脂製のスラット本体60と、スラット本体60の長手方向の両端部に嵌合させた樹脂製のスラットキャップ62とを備えている。スラットキャップ62は、スラット本体60の端部に取り付けられた被着部63と、被着部63から外方向(スラット6の長手方向)に沿って軸状に外方に向けて突出する軸状突出部64とを備えている。軸状突出部64は線状連結部材7に連結されている。ここで、複数のスラット6のうち、最上側または上側の所定枚数(例えば3枚)のスラット6は、回動スラット6oとして開放姿勢になり得るように設定されている。
【0024】
図5に示すように、線状連結部材7は、端71a,71cを有する縦長形状をもつ第1リンク71と、高さ方向に隣設する第1リンク71を枢支具74を介して回動可能に枢支する縦長形状をもつ第2リンク72とを交互に連結することにより形成されている。線状連結部材7は、第1リンク71の上端部および下端部にそれぞれ設けられ高さ方向(矢印H方向)に延びる長孔73とをもつ。第1リンク71は、スラット6の長手方向における端部に一体的に枢支ピン6w(連結要素)によりスラット6の軸状突出部64の端面に回動可能に連結されている。従って第1リンク71に対してスラット6は、枢支ピン6wおよび軸状突出部64の軸芯64pを回転中心として回動可能とされている。ここで本実施例によれば、全部のスラット6には、窓開口6eを閉鎖するような付勢力を発揮させるバネ650(捻りコイルバネ,図5参照)が、第1リンク71とスラット6のスラットキャップ62の軸状突出部64との間に設けられている。通常の状態では、バネ650の付勢力により軸芯64p回りでスラット6はこれの閉鎖方向へ付勢されている。このため、スラット6の軸状突出部64に形成されているストッパ部600は、第1リンク71の被ストッパ部710のうち被当接面711に対面して係合しており、この結果、全部のスラット6は閉鎖位置に維持されるようになっている。
【0025】
図3は、比較例に係り、スラット6の厚みを示す断面を表す。図3に示すように、スラット6の上側には、凸状の上側嵌合部60uが形成されている。スラット6の下側には、凹状の下側嵌合部61dが形成されている。上側嵌合部60uは、上側に隣設するスラット6の下側嵌合部61dに対して嵌合可能および離脱可能とされている。嵌合下側嵌合部61dは、下側に隣設するスラット6の上側嵌合部60uに対して嵌合可能および離脱可能とされている。シャッタカーテン1が全閉鎖状態であるときには、高さ方向(矢印H方向)において互いに隣設するスラット6の上側嵌合部60uと下側嵌合部61dとが互いに嵌合し、スラット6同士の嵌合量が増加している(図示せず)。この結果、隣設するスラット6の境界における剛性が高まる。ひいてはシャッタカーテン1の剛性が高まり、防犯性が高められる。
【0026】
本実施例(図4)によれば、比較例(図3)と同様に、スラット開放機構84が設けられている。スラット開放機構84は、シャッタカーテン1が閉鎖方向(矢印H2方向)に移動して閉鎖作動するとき、スラット6間に窓開口6eを形成するように所定のスラット6を回動させて開放させる機構である。ここで、複数のスラット6のうち、回動させるスラット6を回動スラット6oと定義する。窓開口6eを開放させる回動スラット6oの数は、1台のシャッタ装置において防犯上、数枚に制限されていることが好ましい。但し、これに限定されるものではない。ここで、複数個のスラット6のうち、シャッタカーテン1のうち最上側の所定枚数が、窓開口6eを形成できるように軸状突出部64の軸芯64pを中心として回動可能な回動スラットの6oとされている。
【0027】
比較例に係る図3によれば、シャッタカーテン1が閉鎖方向(矢印H2方向)に移動する途中において、回動スラット6oを回動させて窓開口6eを形成する状態が示されている。シャッタカーテン1が閉鎖方向(矢印H2方向)に移動するとき、線状連結部材7は可撓状態にされている。シャッタカーテン1が閉鎖方向に移動しているとき、図3に示すように、矢印H2方向に互いに隣設しているスラット6の下側嵌合部61dと上側嵌合部60uとは嵌合していないか、あるいは、嵌合度がかなり低い。この結果、シャッタカーテン1の剛性は低めである。よってシャッタカーテン1を閉鎖方向に移動させるときには、シャッタカーテン1を構成するスラット6を線状連結部材7と共に巻取体2から巻き外すことができ、更には、シャッタカーテン1を開放方向(矢印H1方向)に移動させるとき、スラット6を線状連結部材7と共に巻取体2に巻き取ることもできる。
【0028】
更に、スラット6のうち、回動スラット6oに隣設すると共に、窓開口6eを形成するように回動しない非回動タイプのスラットを、隣設スラット6scと定義する。スラット6のうち、窓開口6eを形成するように回動する回動スラット6oのうち、最も下側に位置する回動スラット6oの真下に存在する単数のスラットを、隣設スラット6scと定義する。ここで、複数個の回動スラット6oがまとめて高さ方向において並設されている場合には、複数個の回動スラット6oのうち最も下方の回動スラット6oの真下に存在する1個のスラットが、隣設スラット6scに相当する。あるいは、回動スラット6oが1つ置きに存在する場合には、各回動スラット6oの真下に存在する非回動タイプのスラットが、隣設スラット6scに相当する。ある回動スラット6oの真下のスラットが回動スラット6oである場合には、真下の回動スラット6oは窓開口6eを形成するために回動しているため、回動スラット6o同士の擦れの問題は抑えられている。
【0029】
比較例ではこれの図3に示すように、回動スラット6oが軸状突出部64の軸芯64pを回動中心として回動方向(矢印RK方向)に回動するとき、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deが回動し得る軌跡を、回動軌跡RWとして示す。シャッタ装置の製造時には、窓開口6eを形成するように回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deが軸芯64pを中心として回動軌跡RWに沿って回動したとしても、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deと隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueとの間には、隙間D1(図3参照)が設定されている。このように隙間D1が存在する結果、回動スラット6oが回動軌跡RWに沿って回動したとしても、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deと、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueとが互いに干渉しないように、つまり、互いに接触して擦らないように設定されている。この場合、図3から理解できるように、軸状突出部64の軸芯64p同士を繋ぐ仮想線HPに対して、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueは、室内10側にΔW1突出しており、且つ、回動スラット6oの上側嵌合部60uの端部60ueは、室内10側に同量、つまりΔW1突出している。
【0030】
ところでシャッタ装置の経年変化や寸法公差等の影響で、上記した隙間D1が消失するおそれがある。この場合、図3に示す比較例では、窓開口6eを形成するように回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deが回動軌跡RWに沿って回動するとき、部位XAにおいて、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deと、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueとが互いに干渉して擦れるおそれがある。特に、スラット6の長さが長いときには、スラット6の長手方向の中央部が重力により垂れるため、干渉して擦れるおそれがある。この場合、擦れに起因して異音が発生したり、スラット6を損傷させたりするおそれがある。そこで本実施例によれば、図5〜図7に示すように、シャッタカーテン1の構成要素である線状連結部材7には、断面姿勢変位部として機能するアタッチメント100が別体として用意されている。すなわち、図6に示すように、アタッチメント100は、線状連結部材7のうち、擦れを発生させる隣設スラット6scに相当する第1リンク71に取付具77(例えばリベット)を介して取り付けられている。アタッチメント100は、金属板をプレス成形した成形品で形成されており、図6に示すように、取付具77が挿通される取付孔104をもつ第1フランジ部101と、第1リンク71を嵌める取付溝108を形成するように第1フランジ部101に接近しつつ対面する第2フランジ部102と、第2フランジ部102から曲成され且つ軸状突出部64の外周面に対面する第3フランジ部103とを有する。
【0031】
図6に示すように、第1フランジ部101および第2フランジ部102は、隣設スラット6scの軸状突出部64の軸直角方向に沿っている。第3フランジ部103は隣設スラット6scの軸状突出部64の軸芯64pに沿っており、先端部に変位突部106をもつ。図7,図8に示すように、アタッチメント100の変位突部106は、軸状突出部64のストッパ部600の外面に当接でき、隣設スラット6scの姿勢を規制させる。上記したようにアタッチメント100は、線状連結部材7のうち隣設スラット6scの第1リング71に取り付けられている。このため、図8から理解できるように、アタッチメント100の先端の変位突部106は、第1リンク71の被ストッパ部710の被当接面711からストッパ部600に向けてΔK2突出している。この結果、第1リンク71の被ストッパ部710の被当接面711が、隣設スラット6scの軸状突出部64のストッパ600の外面に当接するよりも先に、アタッチメント100の先端の変位突部106は、隣設スラット6scの軸状突出部64のストッパ600の外面に当接することができる。この結果、隣設スラット6scの断面姿勢を、比較例に係るスラット姿勢よりも、矢印RS方向(図4,図8参照)に傾斜させることができる。この場合、本実施例に係る図4から理解できるように、スラット6の軸状突出部64の軸芯64p同士を繋ぐ仮想線HPに対して、回動前の回動スラット6oについては、これの上側嵌合部60uの端部60ueは、室内10側に向けてΔW1突出しており、且つ、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deは、ほぼ仮想線HP上に位置している。これに対して、図4から理解できるように、回動スラット6oの真下に存在する隣設スラット6scについては、これの上側嵌合部60uの端部60ueは、室内10側に向けてΔW1+α突出している。ΔW1+αは、回動スラット6oの上側嵌合部60uの端部60ueが室内10側に向けて突出しているΔW1よりも大きい。且つ、図4から理解できるように、隣設スラット6scの下側嵌合部61dの端部61deは、逆方向である室外12側に向けてΔW3突出するように変位している。
【0032】
すなわち、本実施例によれば、アタッチメント100が隣設スラット6scの第1リンク71(吊持部材を構成する部品)に取り付けられているため、スラット6の断面において、隣設スラット6scの上端部は軸状突出部64回りで一方向(室内10側)に変位していると共に、隣設スラット6scの下端部は軸状突出部64回りで他方向(室外12側)に変位しているように、隣設スラット6scの断面姿勢は軸状突出部64回りで傾いている。換言すると、アタッチメント100により、隣設スラット6scの断面姿勢を仮想線HPに対して軸芯64p回りで矢印RS方向(図4参照)に傾斜させることができる。従って、本実施例によれば、図4に示すように、回動前の回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部と隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部との間には、隙間D2(D2>D1)が形成される。なお、隣設スラット6sc以外のスラット6については、スラット6同士の隙間は比較例の場合と同様にD1(D2>D1)とされている。
【0033】
上記したように本実施例によれば、線状連結部材7のうち隣設スラット6scに対面する第1リンク71に、金具状をなすアタッチメント100が取り付けられている。この結果、シャッタカーテン1が閉鎖方向(矢印H2方向)に閉鎖作動されているとき、アタッチメント100は、隣設スラット6scの断面姿勢を軸芯64p回りで微小量傾斜させている。この結果、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部と隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部との接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueを室内10側に向けて傾けて変位させている。このような本実施例によれば、仮に経年変化等があったとしても、窓開口6eを形成するように回動スラット6oが軸状突出部64の軸芯64pを回動中心として回動される場合、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deと隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueとが干渉して擦れることが、隙間D2により抑制または解消される。ひいては擦れに起因する異音の発生が抑制され、スラット6の損傷が抑制され、スラット6の耐久性および長寿命化に貢献できる。
【0034】
加えて本実施例によれば、図8に示すように、アタッチメント100の変位突部106は、隣設スラット6scの軸状突出部64のストッパ部600に対面する。このため、アタッチメント100の変位突部106は、隣設スラット6scの断面姿勢を傾ける回動中心となる軸芯64pに接近している。故に、擦りが発生しないように隣設スラット6scの断面姿勢を軸芯64pちを中心として傾けるにあたり、アタッチメント100の変位突部106と軸芯64pとの間における距離ΔK1(図8参照)を少なくできる。ひいては、アタッチメント100の変位突部106の突出量ΔK2(図8参照)が少なくて済む。この場合、外観構造の変化が少なくて済む利点が得られる。図8に示すように、アタッチメント100は第1リンク71の鍔状をなすように曲成された被ストッパ部710に重なるように取り付けられているため、アタッチメント100は被ストッパ部710により保護され、アタッチメント100に対する保護性を高め得る。なお本実施例によれば、シャッタ装置を製造するとき、隣設スラット6scに相当する線状連結部材7に、アタッチメント100を予め取り付けておいても良い。あるいは、シャッタ装置を据え付け時には上記した擦れの問題が発生しなかったが、経年変化等により上記した擦れの問題が発生することもある。この場合には、擦れの問題が発見されたら、擦れを発生させる隣設スラット6scに相当する線状連結部材7にアタッチメント100を後付けで取り付ければ良い。
【0035】
上記したようにアタッチメント100は、回動スラット6oの直下の隣設スラット6scに取り付けられる。図9は、アタッチメント100が取りけられていない通常のスラット6を示す。通常のスラット6は、上記したスラット6のうち隣設スラット6sc以外のスラットを意味する。図9(a),図9(b)に示すように、隣設スラット6scの場合と同様に、線状連結部材7は、縦長形状をもつ第1リンク71と、高さ方向に隣設する第1リンク71を回動可能に枢支する縦長形状をもつ第2リンク72と、第1リンク71の上端部にそれぞれ設けられ高さ方向(矢印H方向)に延びる長孔73と、第2リンク72に設けられた突起状の嵌合ピン74(嵌合体)とをもつ。第1リンク71は、スラット6の長手方向における端部に一体的に枢支ピン6w(連結要素)によりスラット6の軸状突出部64に回動可能に連結されている。但し、図9(a),図9(b)に示すように、第1リンク71にはアタッチメント100が取り付けられていない。なお本実施例によれば、前述したようにアタッチメント100は線状連結部材7の第1リンク71に取り付けられているが、場合によっては、第2リンク72に取り付けることにしても良い。
【実施例2】
【0036】
図10は実施例2を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を示す。実施例1と同様に、図10に示すように、吊持部材として機能する線状連結部材7を構成する第1リンク71Bは、金属材のプレス成形で形成されている。第1リンク71Bには、断面姿勢変位部100Bがプレス成形で一体的に成形されている。断面姿勢変位部100Bは、実施例1に係るアタッチメント100の変位突部106に相当する突部である。従って、実施例1と同様に、線状連結部材7の第1リンク71Bに一体的に成形されている断面姿勢変位部100Bは、回動スラット6oと隣設スラット6scとが擦れることを低減または解消させる方向に、隣設スラット6scの断面姿勢を変位させる。よって、窓開口6eを形成させるように回動スラット6oが回動するとき、経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部と隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部とが干渉して擦れることが抑制または解消される。ひいては、擦れに起因する異音が抑制され、スラット6の損傷が抑制され、スラット6の耐久性および長寿命化に貢献できる。
【0037】
なお、シャッタ装置を製造するとき、隣設スラット6scに相当する線状連結部材7の第1リンクに代えて、擦れの問題を解消できる第1リンク71Bを予め取り付けても良い。あるいは、シャッタ装置を据え付け時には、上記した擦れの問題が発生しなかったが、経年変化等により上記した擦れの問題が発生することもある。この場合には、擦れの問題を解消できない線状連結部材7の第1リンクに代えて、擦れの問題を解消できる断面姿勢変位部100Bを有する第1リンク71Bを、後付けで取り付けても良い。
【実施例3】
【0038】
図11および図12は実施例3を示す。本実施例は実施例1,2と基本的には同様の構成および作用効果を示す。図11および図12に示すように、隣設スラット6scのスラットキャップ62を構成する軸状突出部64は、樹脂を基材として成形されている。スラットキャップ62の軸状突出部64のストッパ部600の外壁面に、断面姿勢変位部110Cが一体的に樹脂で成形されている。断面姿勢変位部110Cは、線状連結部材7の第1リンク71に形成されている被ストッパ部710の被当接面711に対面して当接できるように設けられている。従って、軸状突出部64に一体成形されている断面姿勢変位部110Cは、回動スラット6oと隣設スラット6scとが干渉して擦れることを低減または解消させる方向に、隣設スラット6scの断面姿勢を変位させることができる。よって、窓開口6eを形成させるように回動スラット6oが回動するとは、経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラット6oと隣設スラット6scとが擦れることが抑制または解消される。ひいては異音が抑制され、スラット6の損傷が抑制され、スラット6の耐久性および長寿命化に貢献できる。
【0039】
シャッタ装置を製造するとき、断面姿勢変位部110Cが一体的に形成されている隣設スラット6scを、上記した擦れの問題を発生させるおそれがあるスラットの代わりに、予め取り付けても良い。あるいは、シャッタ装置の据え付け時には上記した擦れの問題が発生しなかったが、経年変化等により上記した擦れの問題が発生することもある。この場合、擦れの問題を発生させるスラットの代わりに、断面姿勢変位部110Cが一体的に形成されているため擦れの問題を発生させない隣設スラット6scを、後付けで取り付けても良い。本実施例によれば、隣設スラット6scの軸状突出部64の外周面に断面姿勢変位部110Cが一体的に成形されているが、これに限らず、隣設スラット6scの軸状突出部64の外周面に、アタッチメントである断面姿勢変位部110Cが接着剤ままたは留め具により取り付けられていても良い。
【実施例4】
【0040】
図13〜図21は実施例4を示す。本実施例は実施例1〜3と基本的には同様の構成および作用効果を示す。図13および図14はスラット6の要部を示す。図13は、開放姿勢になり得るように設定されている回動スラットとして機能するスラット6o(o:open)に取り付けられているスラットキャップ62付近を示す。図13に示すように、スラット6oの樹脂製のスラットキャップ62には、第1係合部67および第2係合部68が樹脂材料を基材として一体成形されている。第1係合部67は軸状突出部64の外壁面に突設されている。第2係合部68は被着部63の外壁面において軸状突出部64とほぼ平行に外方に向けて突設されている。第1係合部67の中心および第2係合部68の中心は、スラット6の長手方向(矢印L方向)において間隔ΔL(図13参照)を隔てて形成されている。
【0041】
シャッタカーテン1を構成する複数のスラット6のうち、回動スラット6o以外のスラット6s(s:shut)は、開放姿勢にならないように設定されている。主として防犯上の理由により、必要以上に窓開口6eが形成されることを抑えるためである。
【0042】
図14は、開放姿勢にならないように設定されているスラット6sのスラットキャップ62の要部を示す。図13および図14の比較から理解できるように、スラット6sの樹脂製のスラットキャップ62には、第1係合部67および第2係合部68が成形されていない。
【0043】
図15および図16は、開放姿勢に設定可能なスラット6oが開放姿勢とされておらず、閉鎖姿勢とされている状態のシャッタカーテン1を示す。図16に示すように、スラット6の上側には、凸状の上側嵌合部60uが形成されている。スラット6の下側には、凹状の下側嵌合部61dが形成されている。上側嵌合部60uは、上側に隣設するスラット6の下側嵌合部61dに対して嵌合可能および離脱可能とされている。下側嵌合部61dは、下側に隣設するスラット6の上側嵌合部60uに対して嵌合可能および離脱可能とされている。図18に示すように、縦支柱5には、第1案内通路51および第2案内通路52を形成するガイドレール部53が設けられている。第1案内通路51、第2案内通路52およびガイドレール部53は、高さ方向(矢印H方向)に沿って延設されている。図15および図16に示すように、基部の一部となる縦支柱5のガイドレール部53の上端部には、アクチュエータ8が脱着可能に取り付けられている。アクチュエータ8は、基部の一部となるように縦支柱5のガイドレール部53の上端開口53fを塞ぐようにガイドレール部53の上端部に固定されたガイドレールキャップ部材80と、ガイドレールキャップ部材80に取り付けられた樹脂製の蓋部材81と、蓋部材81に取り付けられた硬質樹脂または金属製の作動体83と、ガイドレールキャップ部材80に取り付けられたスラット開放機構84(図15参照)とを備えている。ガイドレールキャップ部材80の下部を形成する嵌合部80aは、縦支柱5のガイドレール部53の最上端の上端開口53f内に嵌合されている。嵌合部80aは取付具80d(図20参照)でガイドレール部53に取り付けられている。
【0044】
本実施例によれば、図17〜図19に示すように、作動体83は矢印E1,E2方向に移動できるように、アクチュエータ8の蓋部材81にスライド可能に支持されている。即ち、図17に示すように、蓋部材81は、作動体83を矢印E1,E2方向(直動方向、シャッタカーテン1の開閉方向と直交する方向)に移動させる移動通路81bと、作動体83の上側面83uに対面して規制する板状のばね部82とを備えている。このように作動体83は、係合位置Aと退避位置Bとの間において、シャッタカーテン1の開閉方向(矢印H方向)に対して交差する方向に沿って移動可能に、アクチュエータ8の蓋部材81に搭載されている。図17に示すように、ばね部82の基端部82aは、蓋部材81に回動可能に連結されている。ばね部82の突起状をなす先端部82cは自由端状とされており、作動体83の一部である上面83uに対面し、作動体83の断面姿勢を定位置(ほぼ水平位置)に維持する機能をもつ。蓋部材81は、長孔81xと孔81yとをもつ。
【0045】
作動体83は、ばね部82により規制されているものの、ばね部82の付勢力に抗して回避方向(図17に示す矢印F1方向)に変位することができる。このように作動体83の位置が変位したとしても、ばね部82の付勢力により作動体83は復帰方向(図17に示す矢印F2方向)に戻り、定位置に復帰することができる。図18および図19は、ガイドレール部53の軸直角方向の断面図を示す。図18および図19に示すように、作動体83は、スラット6の軸状突出部64に向けて突出している作動突起83eを有する。図18は、作動体83の作動突起83eの面83eoがガイドレール部53の外壁面53eから距離S2離間して、退避位置Bに切り替えられている状態を示す。この場合、図18に示すように、スラット6の長手方向(矢印L方向)において、作動体83の作動突起83eとスラット6の第1係合部67とは寸法LW離間している。この結果、スラット6が下降したとしても、回動スラット6oの第1係合部67と作動体83の作動突起83eとは係合(当接)できないようにされている。この場合、回動スラット6oといえども、回動しない。これに対して、図19は、作動体83の作動突起83eの表面83eoがガイドレール部53の外壁面53eから距離S1離間し、係合位置Aに切り替えられている状態を示す。この場合、図19に示すように、スラット6の長手方向(矢印L方向)において、スラット6の第1係合部67と作動体83の作動突起83eとは対面可能とされており、このため作動体83の作動突起83eとスラット6の第1係合部67とは係合(当接)可能である。
【0046】
図15に示すように、スラット開放機構84は、作動体83を係合位置Aおよび退避位置Bに切り替えるものであり、ガイドレール部53の上端部に保持されたガイドレールキャップ部材80に搭載されている。スラット開放機構84は、駆動源85と、駆動源85により回動されるリンク状の回動体86と、回動体86を退避位置Bに向けて常時付勢する捻りコイルばねで形成された付勢部材86hとをもつ。ここで、付勢部材86hは、回動体86を退避位置Bに向けて退避方向(矢印E1方向)に常時付勢している。このため、万一、駆動源85が故障したときであっても、回動体86は、係合位置A(スラット6oを開放姿勢とする位置)ではなく、退避位置B(スラット6oを開放姿勢としない位置)に維持されている。故に、スラット6oが過誤的に開放姿勢となることは防止されており、防犯上好ましい。
【0047】
図15に示すように、駆動源85は、アクチュエータ8のガイドレールキャップ部材80に保持されており、励磁ソレノイド85aと、一方向(K1方向、上方向)に前進すると共に他方向(K2方向、下方向)に後退可能な可動プランジャー85cとをもつ。駆動源85は励磁ソレノイドを有するが、モータでも、空気圧シリンダ、油圧シリンダでも良く、要するに作動体83を係合位置Aと退避位置Bとの間において移動させ得るものであれば良い。図15に示すように、回動体86は、一方向(矢印D1方向)および他方向(矢印D2方向)に回動可能になるように、アクチュエータ8のガイドレールキャップ部材80において、回動中心となる取付具87により枢支されている。回動体86と可動プランジャー85cとはピン状の第1連結具88で回動可能に連結されている。具体的には、回動体86の長孔86cと可動プランジャー85cの第1連結具88とは嵌合されている。回動体86の先端部86eと作動体83の基端部83kとは、ピン状の第2連結具89で回動可能に連結されている。
【0048】
ここで、図15から理解できるように、駆動源85が一方向(係合方向)に駆動して、可動プランジャー85cを係合方向(矢印K1方向)に移動させると、回動体86は取付具87の回りで係合方向(矢印D1方向)に移動し、ひいては、作動体83の作動突起83eは係合方向(矢印E1方向)に移動して係合位置A(図10参照)となる。これに対して、駆動源85が他方向(退避方向)に駆動し、可動プランジャー85cを退避方向(矢印K2方向)に移動させると、回動体86は取付具87を中心として退避方向(矢印D2方向)に回動し、ひいては作動体83の作動突起83eは退避方向(矢印E2方向)に移動して退避位置Bとなる。
【0049】
次に、シャッタカーテン1を閉鎖する場合について説明する。この場合、アクチュエータ8の駆動源85がオフであれば、図15に示すように、駆動源85の可動プランジャー85cは退避方向(矢印K2方向)に移動しており、回動体86は付勢部材86hにより付勢され、回動体86の回動中心(取付具87)を中心として退避方向(矢印D2方向)に回動している。ひいては、作動体83は退避方向(矢印E2方向)に移動し、退避位置Bに退避されている(図15,図18参照)。この状態で、モータ3が巻き外し方向に作動し、巻取体2が巻き外し方向へ回転すると、巻取体2からシャッタカーテン1が巻き外され、シャッタ閉鎖方向(矢印H2方向、下方向)に移動する。このとき、前述したように、アクチュエータ8の駆動源85がオフ(断電)であるため、付勢部材86hの付勢力により、作動体83の作動突起83eは退避位置Bに切り替えられている(図15,図16,図18参照)。このため、通路57(図18参照)が確保されている。故に、スラット6が下方に移動したとしても、スラット6の第1係合部67は通路57を支障無く通過できるため、作動体83の作動突起83eとスラット6の第1係合部67とは距離LW(図18参照)離間しており、互いに係合(当接)しない。従ってスラット6oは開放姿勢に回動せず、閉鎖姿勢のまま状態で下方に降ろされる。従って、シャッタカーテン1が閉鎖しているときには、回動スラット6oはいずれも開放姿勢には回動しておらず、隣設する回動スラット6o間には窓開口6eが形成されていない(図16参照)。なお、スラット6が矢印H2方向(下方)に下降するとき、スラット6のスラットキャップ62の軸状突出部64はガイドレール部53の第1案内通路51内を下降する(図18参照)。
【0050】
次に、シャッタカーテン1を閉鎖する場合に、回動スラット6oを開放姿勢にする場合について説明する。この場合、アクチュエータ8の駆動源85をオンさせる。すると、駆動源85の可動プランジャー85cは係合方向(矢印K1方向)に移動しており、回動体86は係合方向(矢印D1方向)に移動しており、ひいては、作動体83の作動突起83eは係合方向(矢印E1方向)に移動している。この結果、作動体83の作動突起83eは係合位置A(図20,図19参照)に切り替えられている。このように作動体83が係合位置Aに切り替えられている状態において、モータ3が巻き外し方向に作動し、巻取体2が巻き外し方向へ回転すると、巻取体2からシャッタカーテン1が巻き外され、矢印H2方向(閉鎖方向、下方)に移動する。このとき、前述したように、作動体83の作動突起83eが係合位置Aに位置しており、通路57を塞いでいる。このため、図20および図21から理解できるように、回動スラット6oの第1係合部67が作動体83の作動突起83eに係合(当接)してしまう。従って回動スラット6oは、開放姿勢方向(図21に示す矢印M1方向)へ、軸状突出部64を中心として回動する。このように第1係合部67は、回動スラット6oを開放姿勢方向に回動させる起点となる回動起点部として機能することができる。
【0051】
従ってスラット6は開放姿勢に維持され、開放姿勢の状態で下方に降ろされる。故に、シャッタカーテン1を閉鎖させるとき、第1係合部67が形成されているスラット6oは、開放姿勢方向(矢印M1方向,RK方向)へ回動する。従って、図20および図21に示すように、隣設するスラット6o間に、窓開口6eが形成される。窓開口6eは、通風用、採光用、視認用として機能できる。このようにスラット6oが矢印M1方向へ回動し開放姿勢となるとき、図21に示すように第2係合部68はガイドレール部53の第2案内通路52に進入したまま、矢印H2方向に下降する。この状態では、スラット6oには、図略のばねによりスラット6を閉鎖姿勢とする方向(矢印M2方向)の付勢力が作用しているが、第2係合部68は第2案内通路52の壁面52c(図21参照)に当たるため、スラット6oは閉鎖姿勢とする方向(矢印M2方向)へ回動することができない。このためシャッタカーテン1が閉鎖されているとき、スラット6oを開放姿勢に維持することができる。このように第2係合部68は、スラット6oを開放姿勢に維持する開放姿勢維持部として機能することができる。
【0052】
しかしながら作動体83の作動突起83eが係合位置Aに存在するときであっても、非開放型のスラット6sは、第1係合部67を備えていないので、作動突起83eに係合できず、スラット6sは開放姿勢に回動できず、閉鎖姿勢のまま下方向(矢印H2方向)に移動する。従って、非開放型のスラット6sについては、隣設するスラット6s間に窓開口6eが形成されない。従って本実施例によれば、窓開口6eを形成したい位置に相当するスラットについては、第1係合部67および第2係合部68を併有する回動スラット6oとすれば良い。窓開口6eを形成したくない位置に相当するスラットについては、スラット6s(第1係合部67および第2係合部68を有しない)とすれば良い。このように複数のスラット6のうち、任意のものをスラット6oとすることができる。一般的には、防犯性等を考慮すると、複数のスラット6のうち、上側の数枚について、第1係合部67および第2係合部68を形成して回動スラット6oとすることができる。この場合には、回動スラット6oが開放姿勢方向に回動し、第2係合部68が第2案内通路52の壁面52cを摩擦摺動するとしても、その摩擦摺動距離が短くて澄み、第2係合部68の摩耗が抑制される。なお、第1係合部67および/または第2係合部68はスラットキャップ62と同材質の樹脂で形成しても良いし、あるいは、スラットキャップ62を構成する樹脂よりも摩擦摺動性が更に強力な樹脂(例えばエンジニアプラスチック等)で形成しても良く、場合によってはアルミニウム合金等の金属でも良い。
【0053】
次に、閉鎖状態のシャッタカーテン1を開放方向(矢印H1方向)に移動させる場合について説明する。この場合、モータ3により巻取体2がこれの回転中心線2xの回りで巻取方向に回動する。すると、巻取体2よりも下方の線状連結部材7は上方(矢印H1方向)に移動し、巻取体2の外周面に次第に巻き取られる。この場合、スラット6oを開放姿勢に設定するための駆動源85はオフであり、作動体83の作動突起83eは退避位置Bに退避している。このように作動体83の作動突起83eが退避位置Bに退避していると、スラット6oが上方(矢印H1方向)に移動するとき、スラット6oと共に上方に移動する第2係合部68が作動体83の作動突起83eに当接して干渉するおそれがある。この場合、スラット6oが上方に移動できないおそれがある。そこで本実施例によれば、図17に示すように、当該干渉を回避させるべく、作動体83は、回避方向(矢印F1方向,上方)に変位可能にアクチュエータ8の蓋部材81に支持されている。即ち、蓋部材81は、前述したように、作動体83を矢印E1,E2方向に移動させる移動通路81bと、作動体83を回避方向(矢印F1方向)に変位可能に支持する板状のばね部82とを備えている。従って、スラット6oが第2係合部68と共に上方(矢印H1方向)に移動するとき、上方に移動するスラット6oの第2係合部68が作動体83の作動突起83eの下面83d(図17参照)に当接して干渉するものの、作動体83は第2連結具89を中心として回避方向(矢印F1方向,上方)に変位することができる。この結果、スラット6oは図略のばねにより閉鎖姿勢方向(図21に示す矢印M2方向)に常時付勢されているため、スラット6oは閉鎖姿勢方向(矢印M2方向)に自動的に付勢され、従ってスラット6oの第2係合部68は干渉から逃げることができる。この結果、スラット6oを閉鎖姿勢とした状態で巻取体2に良好に巻き取ることができる。
【0054】
以上説明したように本実施例によれば、シャッタカーテン1を構成する回動スラット6oを開放姿勢に回動させて窓開口6eを形成することができる。更に本実施例によれば、作動体83の作動突起83eは、係合位置Aと退避位置Bとの間において、シャッタカーテン1の開閉方向(矢印H方向)に対して交差する方向(矢印E1,E2方向)に沿ってほぼ直進的に移動する。このため作動体83の作動突起83eについては、係合位置Aと退避位置Bとの間の移動距離を短くできる。故に、係合位置Aと退避位置Bとの間の切替時間を短時間で済ませ得る。
【0055】
また本実施例によれば、作動体83およびスラット開放機構84を備えているアクチュエータ8は、縦支柱5のガイドレール部53の上端開口53fに取り付けられることにより縦支柱5のガイドレール部53(基部)の上端に設けられている。このため縦支柱5のガイドレール部53に無用な取付開口を形成せずともよく、アクチュエータ8の組付性を高め得ると共に、ガイドレール部53の強度を確保することができる。更に本実施例によれば、スラット6oを開放姿勢とさせる第1係合部67と、スラット6oを開放姿勢に維持する第2係合部68がスラット6oの樹脂製のスラットキャップ62に一体成形されている。このため、部品点数の増加が抑えられる。更に第1係合部67および第2係合部68の位置、形状、サイズ等が変更されるときであっても、第1係合部67および第2係合部68は樹脂製のスラットキャップ62において一体成形されているため、第1係合部67および第2係合部68の位置、形状、サイズ等を容易に変更することができる。さらに、作動体83の移動方向は矢印E1,E2方向であり、スラット6の長手方向(矢印L方向)に沿っているものの、駆動源85の可動プランジャー85cの移動方向は上下方向である。このためシャッタ装置のサイズが横外方に増加することが抑制される。
【0056】
本実施例においても、前記した実施例1と同様に、線状連結部材7の第1リンク71に取り付けられているアタッチメント100は、回動スラット6oが回動するとき、回動スラット6oと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラット(最も下方の回動スラット6oの真下のスラットに相当)の断面姿勢を変位させる。この結果、図4に示すように、スラット6が軸状突出部64を回動中心として回動方向に回動させて窓開口6eを形成する場合、経年変化、寸法公差等があったとしても、回動スラット6oの下側の端部と隣設スラット6scの上側の端部とが擦れることが抑制または解消される。ひいては異音の発生が抑制され、スラット6の損傷が抑制され、スラット6の耐久性および長寿命化に貢献できる。
【0057】
(その他)
実施例1によれば、図4に示すように、隣設スラット6scの断面姿勢を傾けるにあたり、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部を室内10側に向けて変位させると共に、隣設スラット6scの下側嵌合部61dの端部を室外12側に向けて変位させている。これに逆に、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部を室外12側に向けて変位させると共に、隣設スラット6scの下側嵌合部61dの端部を室内10側に向けて変位させても良い。実施例4によれば、シャッタカーテン1を閉鎖する場合に、スラット6oを開放姿勢にするためにはアクチュエータ8の駆動源85をオンさせると共に、スラット6oを閉鎖姿勢にするときにはアクチュエータ8の駆動源85をオフさせることにしているが、これに限らず、場合によっては、スラット6oを開放姿勢にするためにはアクチュエータ8の駆動源85をオフさせると共に、スラット6oを閉鎖姿勢にするときにはアクチュエータ8の駆動源85をオンさせることにしても良い。
【0058】
実施例4によれば、スラット本体60の両端部のスラットキャップ62のそれぞれに第1係合部67および第2係合部68が形成されており、2つの縦支柱5のそれぞれに第1案内通路51および第2案内通路52が形成されているものの、スラット6oを開放姿勢とするためのアクチュエータ8は、2つの縦支柱5のうちの一方のみに搭載されており、コスト低減が図られている。但し、2つの縦支柱5の双方にアクチュエータ8を搭載しても良い。スラット6の上側には、凸状の上側嵌合部60uが形成されている。スラット6の下側には、凹状の下側嵌合部61dが形成されている。凹凸関係は逆としても良い。本発明は上記した実施形態および実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。各実施例の特徴を併有することにしても良い。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
【0059】
(付記項1)基部と、基部に設けられ、複数のスラットを開閉方向に沿って並設した巻取可能なシャッタカーテンと、基部に回転可能に設けられ、一方向への回転に伴いシャッタカーテンを巻取り、逆方向への回転に伴いシャッタカーテンを巻き外す巻取体と、基部に設けられ、巻取体を回転させるための駆動機構と、基部に設けられ、シャッタカーテンが閉鎖方向に移動するとき、移動するスラットの少なくとも一部に係合してスラットを開放姿勢に回動させ且つ隣設するスラット間に窓開口を形成する係合位置と、移動するスラットに係合せずスラットを開放姿勢に回動させない退避位置とに切り替え可能に設けられた作動体と、基部に設けられ、係合位置と退避位置とに作動体を切り替えるためのスラット開放機構とを具備することを特徴とするシャッタ装置。
【0060】
(付記項2)請求項1において、基部は、シャッタカーテンのスラットの端部を案内するガイドレール部を備えており、作動体およびスラット開放機構を備えているアクチュエータは、ガイドレール部の上端に取り付けられることにより前記基部に設けられていることを特徴とするシャッタ装置。
【0061】
(付記項3)請求項1または2において、スラットは、係合位置に存在する前記作動体に係合することにより、スラットを開放姿勢に回動させる第1係合部を備えていることを特徴とするシャッタ装置。
【0062】
(付記項4)請求項1〜3のうちの一項において、スラットは、開口形成方向に回動したスラットの開放姿勢を維持するために、基部の一部に係合する第2係合部を備えていることを特徴とするシャッタ装置。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は建築物(一般家庭、ビル、集合住宅等)、車両、船舶等といった構造物の開口を開閉するシャッタ装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1に係り、シャッタ装置を示す正面図である。
【図2】実施例1に係り、シャッタカーテンを示す正面図である。
【図3】比較例に係り、回動スラットと隣設スラットとが接近している状態を示す断面図である。
【図4】実施例1に係り、回動スラットと隣設スラットとが接近している状態を示す断面図である。
【図5】実施例1に係り、(a)はアタッチメントが取り付けられた線状連結部材を示す側面図であり、(b)はアタッチメントが取り付けられた線状連結部材をもつスラットの部分正面図である。
【図6】実施例1に係り、アタッチメントを示す三面図であり、(a)はアタッチメントの平面図であり、(b)はアタッチメントの正面図であり、(c)はアタッチメントの側面図である。
【図7】実施例1に係り、アタッチメントが取り付けられた線状連結部材をもつスラットの部分斜視図である。
【図8】実施例1に係り、アタッチメントが取り付けられた線状連結部材の部分斜視図である。
【図9】実施例1に係り、(a)はアタッチメントが取り付けられていない線状連結部材を示す側面図であり、(b)はアタッチメントが取り付けられていない線状連結部材をもつスラットの部分正面図である。
【図10】実施例2に係り、断面姿勢変位部が形成された線状連結部材の部分斜視図である。
【図11】実施例3に係り、断面姿勢変位部が形成されたスラットの部分斜視図である。
【図12】実施例3に係り、断面姿勢変位部が形成されたスラットの部分斜視図である。
【図13】実施例4に係り、開閉断面姿勢に回動できるスラットのスラットキャップ付近を示す図である。
【図14】実施例4に係り、開閉断面姿勢に回動できないスラットのスラットキャップ付近を示す図である。
【図15】実施例4に係り、作動体が退避位置に切り替えられている状態を示す要部の正面図である。
【図16】実施例4に係り、作動体が退避位置に切り替えられていると共に、スラットが閉鎖姿勢のまま下方に移動する状態を示す要部の断面図である。
【図17】実施例4に係り、アクチュエータの蓋部材に作動体が取り付けられている状態を示す図である。
【図18】実施例4に係り、作動体が退避位置に切り替えられている状態を水平方向に沿って切断した要部の断面図である。
【図19】実施例4に係り、作動体が係合位置に切り替えられている状態を水平方向に沿って切断した要部の断面図である。
【図20】実施例4に係り、スラットが開放されるように回動されつつ下方に移動する状態を示す要部の正面図である。
【図21】実施例4に係り、スラットが開放されるように回動されつつ下方に移動する状態を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1はシャッタカーテン、2は巻取体、20はブレーキ部、3はモータ(駆動機構)、4は横フレーム(基部)、5は縦支柱(基部)、6はスラット、6oは回動スラット、6scは隣設スラット、62はスラットキャップ、63は被着部、64は軸状突出部、67は第1係合部、68は第2係合部、6eは窓開口、7は線状連結部材(吊持部材)、71は第1リンク、72は第2リンク、8はアクチュエータ、80はガイドレールキャップ部材、82はばね部、83は作動体、83eは作動突起、84はスラット開放機構、85は駆動源、85cは可動プランジャー、86は回動体、Aは係合位置、Bは退避位置、100はアタッチメント(断面姿勢変位部)、104は取付孔、106は変位突部、110は断面姿勢変位部を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスラットを開閉方向に沿って並設した巻取可能なシャッタカーテンを有するシャッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右方向に延設されたスラットを高さ方向に沿って複数個並設して形成されたシャッタカーテンと、巻取体とを備えるシャッタ装置が開示されている。巻取体が一方向へ回転すると、シャッタカーテンが巻取体の外周部に巻き取られる。巻取体が逆方向へ回転すると、巻取体の外周部に巻き取られているシャッタカーテンが巻き外される。
【0003】
この種のシャッタ装置によれば、シャッタカーテンを構成するスラットを下降させ、シャッタカーテンの先端部の座板が着地して全閉したことに伴い、最下端側のスラットから順次回動させて、開放姿勢のスラットを閉鎖姿勢とするものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−271574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したシャッタ装置によれば、スラットが回動して窓開口を形成するため、採光、通風、視認等に貢献できる。しかし、窓開口を形成するようにスラットが回動するとき、経年変化、寸法公差等の影響により、回動するスラットと、それと隣設する回動しないスラットとが接触して互いに干渉するおそれがある。この場合、回動するスラットと、それと隣設する回動しないスラットとが擦れるおそれがある。特に、スラットの長さが長いとき、スラットの長手方向の中間部において、重力の影響が無視できないため、スラット同士の干渉が発生するおそれがある。この場合、スラット同士の干渉による擦れに起因して異音が発生したり、スラットの耐久性および寿命を低下させたりするおそれがある。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、窓開口を形成するようにスラットが回動するときにおいて、経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、スラット同士の干渉、ひいては擦れを低減または解消させることができるシャッタ装置を提供することを課題とするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)様相1に係るシャッタ装置は、(i)基部と、(ii)基部に設けられ、複数のスラットを開閉方向に沿って並設した巻取可能なシャッタカーテンと、(iii)基部に回転可能に設けられ、一方向への回転に伴いシャッタカーテンを巻取り、逆方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻き外す巻取体と、(iv)基部に設けられ、巻取体を一方向および逆方向に回転させるための駆動機構と、(v)スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するようにスラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備しており、(vi)複数のスラットのうち、回動させるスラットを回動スラットと定義し、回動スラットに隣設するスラットを隣設スラットと定義するとき、(vii)シャッタカーテンは、スラットが回動するときにおいて、スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とする。
【0007】
スラットが回動するとき、シャッタカーテンに設けられている断面姿勢変位部は、スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる。これにより経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、スラットが回動するとき、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消される。なお、隣設スラットは、一般的には、窓開口を形成するために回動されるものではないが、場合によっては回動させるタイプでも良い。
【0008】
本様相によれば、断面姿勢変位部は、シャッタ装置の製造時にシャッタカーテンの構成部品と一体成形されていても良いし、あるいは、別体として取り付けられていても良いし、あるいは、シャッタカーテンの構成部品に後付けで取り付けられても良い。
【0009】
(2)様相2に係るシャッタ装置用スラットは、開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数のスラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するようにスラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置に取り付けられるスラットであって、複数のスラットのうち、回動させるスラットを回動スラットと定義し、回動スラットに隣設するスラットを隣設スラットと定義するとき、
隣設スラットは、回動スラットが回動するときにおいて、隣設スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とする。
【0010】
スラットが回動するとき、隣設スラットの断面姿勢変位部は、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、スラットの厚みを示す断面で、隣設スラットの断面姿勢を変位させる。これにより経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消される。本様相によれば、断面姿勢変位部は隣設スラットと一体成形品であっても良いし、隣設スラットに後付けで取り付けられても良い。
【0011】
(3)様相3に係るシャッタ装置用吊持部材は、開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数のスラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するようにスラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置に取り付けられる吊持部材であって、複数のスラットのうち、回動させるスラットを回動スラットと定義し、回動スラットに隣設するスラットを隣設スラットと定義するとき、
吊持部材は、回動スラットが回動するときにおいて、隣設スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とする。
【0012】
スラットが回動するとき、吊持部材の断面姿勢変位部は、隣設スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる。これにより経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消される。本様相によれば、断面姿勢変位部は吊持部材と一体成形品であっても良いし、吊持部材に後付けで取り付けられても良い。
【0013】
(4)様相4に係るシャッタ装置用アタッチメントは、開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数のスラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するようにスラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置のうち、吊持部材およびスラットのうちの少なくとも一方に取り付けられるアタッチメントであって、複数のスラットのうち、回動させるスラットを回動スラットと定義し、回動スラットに隣設するスラットを隣設スラットと定義するとき、
アタッチメントは、回動スラットが回動するときにおいて、隣設スラットの厚みを示す断面で、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる変位突部を具備することを特徴とする。
【0014】
スラットが回動するとき、断面姿勢変位部を構成するアタッチメントは、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる。これにより経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消される。
【0015】
更にスラットの断面形状を変更させることなく、あるいは、大幅に変更させることなく、アタッチメントを取り付けるだけで、スラット同士の干渉度を低減または解消させるように対処できる利点が得られる。アタッチメントは、シャッタ装置の製造時において吊持部材およびスラットのうちの少なくとも一方に取り付けても良い。あるいは、既に構造物に据え付られている状態のシャッタ装置に後付けでアタッチメントを吊持部材およびスラットのうちの少なくとも一方に取り付けることにしても良い。
【発明の効果】
【0016】
窓開口を形成するようにスラットが回動するときにおいて、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部がシャッタカーテンに設けられている。
【0017】
このため窓開口を形成するようにスラットが回動するとき、経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラットと隣設スラットとの擦れが低減または解消され、擦れに起因する異音が低減または解消される。擦れに起因するスラットの損傷も抑制され、スラットの耐久性および長寿命化を図り得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明によれば、断面姿勢係合部は、回動スラットが回動するときにおいて、回動スラットと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に隣設スラットの断面姿勢を変位させる。例えば、断面姿勢変位部は、スラットの厚みを示す断面で、隣設スラットの上端部を一方向に変位させると共に、隣設スラットの下端部を他方向に変位させることができる。一方向は、室内方向および室外方向のうちの一方とすることができる。他方向は、室内方向および室外方向のうちの他方とすることができる。断面姿勢変位部は、シャッタ装置の製造時において取り付けても良い。あるいは、据え付けられたシャッタ装置の経年変化等で擦れの問題が発生するとき、断面姿勢変位部を後付けで取り付けても良い。断面姿勢変位部を取り付ける形態としては、螺子やリベット等の取付具、かしめ加工、溶接、半田付け、接着剤等が例示される。
【0019】
本発明の一視点によれば、シャッタカーテンは、複数のスラットと、複数のスラットを吊持する吊持部材とを具備しており、断面姿勢変位部は、スラットのうち隣設スラットおよび吊持部材のうちの少なくとも一方に設けられている。断面姿勢変位部は、隣設スラットに設けられていても良いし、吊持部材に設けられていても良いし、隣設スラット及び吊持部材の双方に設けられていても良い。本発明の一視点によれば、断面姿勢変位部は、隣設スラットおよび吊持部材のうちの少なくとも一方に一体品として一体的に成形されている。従って、断面姿勢変位部は、隣設スラットに一体品として一体的に成形されていても良いし、あるいは、吊持部材に一体品として成形されていても良い。隣設スラットがスラット本体とスラット本体に取り付けられるキャップとで形成されている場合には、断面姿勢変位部は、キャップに一体的に成形されていても良いし、あるいは、スラット本体に一体的に成形されていても良い。本発明の一視点によれば、断面姿勢変位部は、隣設スラットおよび吊持部材に対して別体として形成されたアタッチメントであり、アタッチメントは、隣設スラットおよび吊持部材のうちの少なくとも一方に取り付けられる。アタッチメントは、シャッタ装置の製造時において取り付けても良い。あるいは、据え付けられたシャッタ装置の経年変化等で擦れの問題が発生するとき、アタッチメントを取り付けても良い。隣設スラットがスラット本体とスラット本体に取り付けられるキャップとで形成されている場合には、アタッチメントは、キャップに一体的に成形されていても良いし、あるいは、スラット本体に一体的に成形されていても良い。アタッチメントを取り付ける形態としては、螺子やリベット等の取付具、かしめ加工、溶接、半田付け、接着剤等が例示される。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の実施例1について図1〜図9を参照して具体的に説明する。複雑化を避けるため、図面ではハッチングが省略されている。図1は、建築物等の構造物の開口を開閉するように、構造物に据え付けられるシャッタ装置の正面図を模式的に示す。
【0021】
図1に示すように、シャッタ装置は、スラット6を高さ方向(矢印H方向)に沿って複数個並設して形成されたシャッタカーテン1と、シャッタカーテン1を巻き取る巻取体2と、巻取体2を回転させる駆動機構であるモータ3と、巻取体2を回転可能に保持する基部の一部を構成する横フレーム4と、シャッタカーテン1の両側の側方に設けられた基部の一部を構成する2個の縦支柱5とを備えている。モータ3を制御するスイッチ(図示せず)が設けられている。スイッチによりモータ3が駆動し、巻取体2が回転中心線2xを中心として一方向へ回転すると、シャッタカーテン1は矢印H2方向(シャッタ閉鎖方向)に移動し、座板6xoが着地する。スイッチによりモータ3が逆動し、巻取体2が逆方向へ回転すると、巻取体2からシャッタカーテン1が巻き下され、矢印H1方向(シャッタ開放方向)に移動する。
【0022】
シャッタカーテン1は、複数個のスラット6と、スラット6の長手方向(L方向)の両端部を吊持する吊持部材として機能するチェーン状の線状連結部材7とで形成されている。スラット6は、2個の縦支柱5間において、長手方向(L方向)に沿って延設されている。巻取体2またはモータ3には、巻取体2の回動を不能とするブレーキ部20が設けられている。図1はあくまでも概念図を示しており、スラット6の数は図1に限定されるものではない。図1に示すように、シャッタカーテン1の左右両側には、チェーン状の線状連結部材7(吊持部材)がそれぞれ設けられている。
【0023】
線状連結部材7は、シャッタ装置の高さ方向(矢印H方向)に隣設する各スラット6の長さ方向の端部同士を連結すると共に、高さ方向(矢印H方向)に沿って伸縮可能とされている。図2に示すように、シャッタカーテン1は、シャッタカーテン1の開閉方向(矢印H方向)において並設された複数のスラット6を備えている。スラット6は、金属または樹脂製のスラット本体60と、スラット本体60の長手方向の両端部に嵌合させた樹脂製のスラットキャップ62とを備えている。スラットキャップ62は、スラット本体60の端部に取り付けられた被着部63と、被着部63から外方向(スラット6の長手方向)に沿って軸状に外方に向けて突出する軸状突出部64とを備えている。軸状突出部64は線状連結部材7に連結されている。ここで、複数のスラット6のうち、最上側または上側の所定枚数(例えば3枚)のスラット6は、回動スラット6oとして開放姿勢になり得るように設定されている。
【0024】
図5に示すように、線状連結部材7は、端71a,71cを有する縦長形状をもつ第1リンク71と、高さ方向に隣設する第1リンク71を枢支具74を介して回動可能に枢支する縦長形状をもつ第2リンク72とを交互に連結することにより形成されている。線状連結部材7は、第1リンク71の上端部および下端部にそれぞれ設けられ高さ方向(矢印H方向)に延びる長孔73とをもつ。第1リンク71は、スラット6の長手方向における端部に一体的に枢支ピン6w(連結要素)によりスラット6の軸状突出部64の端面に回動可能に連結されている。従って第1リンク71に対してスラット6は、枢支ピン6wおよび軸状突出部64の軸芯64pを回転中心として回動可能とされている。ここで本実施例によれば、全部のスラット6には、窓開口6eを閉鎖するような付勢力を発揮させるバネ650(捻りコイルバネ,図5参照)が、第1リンク71とスラット6のスラットキャップ62の軸状突出部64との間に設けられている。通常の状態では、バネ650の付勢力により軸芯64p回りでスラット6はこれの閉鎖方向へ付勢されている。このため、スラット6の軸状突出部64に形成されているストッパ部600は、第1リンク71の被ストッパ部710のうち被当接面711に対面して係合しており、この結果、全部のスラット6は閉鎖位置に維持されるようになっている。
【0025】
図3は、比較例に係り、スラット6の厚みを示す断面を表す。図3に示すように、スラット6の上側には、凸状の上側嵌合部60uが形成されている。スラット6の下側には、凹状の下側嵌合部61dが形成されている。上側嵌合部60uは、上側に隣設するスラット6の下側嵌合部61dに対して嵌合可能および離脱可能とされている。嵌合下側嵌合部61dは、下側に隣設するスラット6の上側嵌合部60uに対して嵌合可能および離脱可能とされている。シャッタカーテン1が全閉鎖状態であるときには、高さ方向(矢印H方向)において互いに隣設するスラット6の上側嵌合部60uと下側嵌合部61dとが互いに嵌合し、スラット6同士の嵌合量が増加している(図示せず)。この結果、隣設するスラット6の境界における剛性が高まる。ひいてはシャッタカーテン1の剛性が高まり、防犯性が高められる。
【0026】
本実施例(図4)によれば、比較例(図3)と同様に、スラット開放機構84が設けられている。スラット開放機構84は、シャッタカーテン1が閉鎖方向(矢印H2方向)に移動して閉鎖作動するとき、スラット6間に窓開口6eを形成するように所定のスラット6を回動させて開放させる機構である。ここで、複数のスラット6のうち、回動させるスラット6を回動スラット6oと定義する。窓開口6eを開放させる回動スラット6oの数は、1台のシャッタ装置において防犯上、数枚に制限されていることが好ましい。但し、これに限定されるものではない。ここで、複数個のスラット6のうち、シャッタカーテン1のうち最上側の所定枚数が、窓開口6eを形成できるように軸状突出部64の軸芯64pを中心として回動可能な回動スラットの6oとされている。
【0027】
比較例に係る図3によれば、シャッタカーテン1が閉鎖方向(矢印H2方向)に移動する途中において、回動スラット6oを回動させて窓開口6eを形成する状態が示されている。シャッタカーテン1が閉鎖方向(矢印H2方向)に移動するとき、線状連結部材7は可撓状態にされている。シャッタカーテン1が閉鎖方向に移動しているとき、図3に示すように、矢印H2方向に互いに隣設しているスラット6の下側嵌合部61dと上側嵌合部60uとは嵌合していないか、あるいは、嵌合度がかなり低い。この結果、シャッタカーテン1の剛性は低めである。よってシャッタカーテン1を閉鎖方向に移動させるときには、シャッタカーテン1を構成するスラット6を線状連結部材7と共に巻取体2から巻き外すことができ、更には、シャッタカーテン1を開放方向(矢印H1方向)に移動させるとき、スラット6を線状連結部材7と共に巻取体2に巻き取ることもできる。
【0028】
更に、スラット6のうち、回動スラット6oに隣設すると共に、窓開口6eを形成するように回動しない非回動タイプのスラットを、隣設スラット6scと定義する。スラット6のうち、窓開口6eを形成するように回動する回動スラット6oのうち、最も下側に位置する回動スラット6oの真下に存在する単数のスラットを、隣設スラット6scと定義する。ここで、複数個の回動スラット6oがまとめて高さ方向において並設されている場合には、複数個の回動スラット6oのうち最も下方の回動スラット6oの真下に存在する1個のスラットが、隣設スラット6scに相当する。あるいは、回動スラット6oが1つ置きに存在する場合には、各回動スラット6oの真下に存在する非回動タイプのスラットが、隣設スラット6scに相当する。ある回動スラット6oの真下のスラットが回動スラット6oである場合には、真下の回動スラット6oは窓開口6eを形成するために回動しているため、回動スラット6o同士の擦れの問題は抑えられている。
【0029】
比較例ではこれの図3に示すように、回動スラット6oが軸状突出部64の軸芯64pを回動中心として回動方向(矢印RK方向)に回動するとき、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deが回動し得る軌跡を、回動軌跡RWとして示す。シャッタ装置の製造時には、窓開口6eを形成するように回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deが軸芯64pを中心として回動軌跡RWに沿って回動したとしても、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deと隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueとの間には、隙間D1(図3参照)が設定されている。このように隙間D1が存在する結果、回動スラット6oが回動軌跡RWに沿って回動したとしても、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deと、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueとが互いに干渉しないように、つまり、互いに接触して擦らないように設定されている。この場合、図3から理解できるように、軸状突出部64の軸芯64p同士を繋ぐ仮想線HPに対して、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueは、室内10側にΔW1突出しており、且つ、回動スラット6oの上側嵌合部60uの端部60ueは、室内10側に同量、つまりΔW1突出している。
【0030】
ところでシャッタ装置の経年変化や寸法公差等の影響で、上記した隙間D1が消失するおそれがある。この場合、図3に示す比較例では、窓開口6eを形成するように回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deが回動軌跡RWに沿って回動するとき、部位XAにおいて、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deと、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueとが互いに干渉して擦れるおそれがある。特に、スラット6の長さが長いときには、スラット6の長手方向の中央部が重力により垂れるため、干渉して擦れるおそれがある。この場合、擦れに起因して異音が発生したり、スラット6を損傷させたりするおそれがある。そこで本実施例によれば、図5〜図7に示すように、シャッタカーテン1の構成要素である線状連結部材7には、断面姿勢変位部として機能するアタッチメント100が別体として用意されている。すなわち、図6に示すように、アタッチメント100は、線状連結部材7のうち、擦れを発生させる隣設スラット6scに相当する第1リンク71に取付具77(例えばリベット)を介して取り付けられている。アタッチメント100は、金属板をプレス成形した成形品で形成されており、図6に示すように、取付具77が挿通される取付孔104をもつ第1フランジ部101と、第1リンク71を嵌める取付溝108を形成するように第1フランジ部101に接近しつつ対面する第2フランジ部102と、第2フランジ部102から曲成され且つ軸状突出部64の外周面に対面する第3フランジ部103とを有する。
【0031】
図6に示すように、第1フランジ部101および第2フランジ部102は、隣設スラット6scの軸状突出部64の軸直角方向に沿っている。第3フランジ部103は隣設スラット6scの軸状突出部64の軸芯64pに沿っており、先端部に変位突部106をもつ。図7,図8に示すように、アタッチメント100の変位突部106は、軸状突出部64のストッパ部600の外面に当接でき、隣設スラット6scの姿勢を規制させる。上記したようにアタッチメント100は、線状連結部材7のうち隣設スラット6scの第1リング71に取り付けられている。このため、図8から理解できるように、アタッチメント100の先端の変位突部106は、第1リンク71の被ストッパ部710の被当接面711からストッパ部600に向けてΔK2突出している。この結果、第1リンク71の被ストッパ部710の被当接面711が、隣設スラット6scの軸状突出部64のストッパ600の外面に当接するよりも先に、アタッチメント100の先端の変位突部106は、隣設スラット6scの軸状突出部64のストッパ600の外面に当接することができる。この結果、隣設スラット6scの断面姿勢を、比較例に係るスラット姿勢よりも、矢印RS方向(図4,図8参照)に傾斜させることができる。この場合、本実施例に係る図4から理解できるように、スラット6の軸状突出部64の軸芯64p同士を繋ぐ仮想線HPに対して、回動前の回動スラット6oについては、これの上側嵌合部60uの端部60ueは、室内10側に向けてΔW1突出しており、且つ、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deは、ほぼ仮想線HP上に位置している。これに対して、図4から理解できるように、回動スラット6oの真下に存在する隣設スラット6scについては、これの上側嵌合部60uの端部60ueは、室内10側に向けてΔW1+α突出している。ΔW1+αは、回動スラット6oの上側嵌合部60uの端部60ueが室内10側に向けて突出しているΔW1よりも大きい。且つ、図4から理解できるように、隣設スラット6scの下側嵌合部61dの端部61deは、逆方向である室外12側に向けてΔW3突出するように変位している。
【0032】
すなわち、本実施例によれば、アタッチメント100が隣設スラット6scの第1リンク71(吊持部材を構成する部品)に取り付けられているため、スラット6の断面において、隣設スラット6scの上端部は軸状突出部64回りで一方向(室内10側)に変位していると共に、隣設スラット6scの下端部は軸状突出部64回りで他方向(室外12側)に変位しているように、隣設スラット6scの断面姿勢は軸状突出部64回りで傾いている。換言すると、アタッチメント100により、隣設スラット6scの断面姿勢を仮想線HPに対して軸芯64p回りで矢印RS方向(図4参照)に傾斜させることができる。従って、本実施例によれば、図4に示すように、回動前の回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部と隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部との間には、隙間D2(D2>D1)が形成される。なお、隣設スラット6sc以外のスラット6については、スラット6同士の隙間は比較例の場合と同様にD1(D2>D1)とされている。
【0033】
上記したように本実施例によれば、線状連結部材7のうち隣設スラット6scに対面する第1リンク71に、金具状をなすアタッチメント100が取り付けられている。この結果、シャッタカーテン1が閉鎖方向(矢印H2方向)に閉鎖作動されているとき、アタッチメント100は、隣設スラット6scの断面姿勢を軸芯64p回りで微小量傾斜させている。この結果、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部と隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部との接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueを室内10側に向けて傾けて変位させている。このような本実施例によれば、仮に経年変化等があったとしても、窓開口6eを形成するように回動スラット6oが軸状突出部64の軸芯64pを回動中心として回動される場合、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部61deと隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部60ueとが干渉して擦れることが、隙間D2により抑制または解消される。ひいては擦れに起因する異音の発生が抑制され、スラット6の損傷が抑制され、スラット6の耐久性および長寿命化に貢献できる。
【0034】
加えて本実施例によれば、図8に示すように、アタッチメント100の変位突部106は、隣設スラット6scの軸状突出部64のストッパ部600に対面する。このため、アタッチメント100の変位突部106は、隣設スラット6scの断面姿勢を傾ける回動中心となる軸芯64pに接近している。故に、擦りが発生しないように隣設スラット6scの断面姿勢を軸芯64pちを中心として傾けるにあたり、アタッチメント100の変位突部106と軸芯64pとの間における距離ΔK1(図8参照)を少なくできる。ひいては、アタッチメント100の変位突部106の突出量ΔK2(図8参照)が少なくて済む。この場合、外観構造の変化が少なくて済む利点が得られる。図8に示すように、アタッチメント100は第1リンク71の鍔状をなすように曲成された被ストッパ部710に重なるように取り付けられているため、アタッチメント100は被ストッパ部710により保護され、アタッチメント100に対する保護性を高め得る。なお本実施例によれば、シャッタ装置を製造するとき、隣設スラット6scに相当する線状連結部材7に、アタッチメント100を予め取り付けておいても良い。あるいは、シャッタ装置を据え付け時には上記した擦れの問題が発生しなかったが、経年変化等により上記した擦れの問題が発生することもある。この場合には、擦れの問題が発見されたら、擦れを発生させる隣設スラット6scに相当する線状連結部材7にアタッチメント100を後付けで取り付ければ良い。
【0035】
上記したようにアタッチメント100は、回動スラット6oの直下の隣設スラット6scに取り付けられる。図9は、アタッチメント100が取りけられていない通常のスラット6を示す。通常のスラット6は、上記したスラット6のうち隣設スラット6sc以外のスラットを意味する。図9(a),図9(b)に示すように、隣設スラット6scの場合と同様に、線状連結部材7は、縦長形状をもつ第1リンク71と、高さ方向に隣設する第1リンク71を回動可能に枢支する縦長形状をもつ第2リンク72と、第1リンク71の上端部にそれぞれ設けられ高さ方向(矢印H方向)に延びる長孔73と、第2リンク72に設けられた突起状の嵌合ピン74(嵌合体)とをもつ。第1リンク71は、スラット6の長手方向における端部に一体的に枢支ピン6w(連結要素)によりスラット6の軸状突出部64に回動可能に連結されている。但し、図9(a),図9(b)に示すように、第1リンク71にはアタッチメント100が取り付けられていない。なお本実施例によれば、前述したようにアタッチメント100は線状連結部材7の第1リンク71に取り付けられているが、場合によっては、第2リンク72に取り付けることにしても良い。
【実施例2】
【0036】
図10は実施例2を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を示す。実施例1と同様に、図10に示すように、吊持部材として機能する線状連結部材7を構成する第1リンク71Bは、金属材のプレス成形で形成されている。第1リンク71Bには、断面姿勢変位部100Bがプレス成形で一体的に成形されている。断面姿勢変位部100Bは、実施例1に係るアタッチメント100の変位突部106に相当する突部である。従って、実施例1と同様に、線状連結部材7の第1リンク71Bに一体的に成形されている断面姿勢変位部100Bは、回動スラット6oと隣設スラット6scとが擦れることを低減または解消させる方向に、隣設スラット6scの断面姿勢を変位させる。よって、窓開口6eを形成させるように回動スラット6oが回動するとき、経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラット6oの下側嵌合部61dの端部と隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部とが干渉して擦れることが抑制または解消される。ひいては、擦れに起因する異音が抑制され、スラット6の損傷が抑制され、スラット6の耐久性および長寿命化に貢献できる。
【0037】
なお、シャッタ装置を製造するとき、隣設スラット6scに相当する線状連結部材7の第1リンクに代えて、擦れの問題を解消できる第1リンク71Bを予め取り付けても良い。あるいは、シャッタ装置を据え付け時には、上記した擦れの問題が発生しなかったが、経年変化等により上記した擦れの問題が発生することもある。この場合には、擦れの問題を解消できない線状連結部材7の第1リンクに代えて、擦れの問題を解消できる断面姿勢変位部100Bを有する第1リンク71Bを、後付けで取り付けても良い。
【実施例3】
【0038】
図11および図12は実施例3を示す。本実施例は実施例1,2と基本的には同様の構成および作用効果を示す。図11および図12に示すように、隣設スラット6scのスラットキャップ62を構成する軸状突出部64は、樹脂を基材として成形されている。スラットキャップ62の軸状突出部64のストッパ部600の外壁面に、断面姿勢変位部110Cが一体的に樹脂で成形されている。断面姿勢変位部110Cは、線状連結部材7の第1リンク71に形成されている被ストッパ部710の被当接面711に対面して当接できるように設けられている。従って、軸状突出部64に一体成形されている断面姿勢変位部110Cは、回動スラット6oと隣設スラット6scとが干渉して擦れることを低減または解消させる方向に、隣設スラット6scの断面姿勢を変位させることができる。よって、窓開口6eを形成させるように回動スラット6oが回動するとは、経年変化、寸法公差等の影響があったとしても、回動スラット6oと隣設スラット6scとが擦れることが抑制または解消される。ひいては異音が抑制され、スラット6の損傷が抑制され、スラット6の耐久性および長寿命化に貢献できる。
【0039】
シャッタ装置を製造するとき、断面姿勢変位部110Cが一体的に形成されている隣設スラット6scを、上記した擦れの問題を発生させるおそれがあるスラットの代わりに、予め取り付けても良い。あるいは、シャッタ装置の据え付け時には上記した擦れの問題が発生しなかったが、経年変化等により上記した擦れの問題が発生することもある。この場合、擦れの問題を発生させるスラットの代わりに、断面姿勢変位部110Cが一体的に形成されているため擦れの問題を発生させない隣設スラット6scを、後付けで取り付けても良い。本実施例によれば、隣設スラット6scの軸状突出部64の外周面に断面姿勢変位部110Cが一体的に成形されているが、これに限らず、隣設スラット6scの軸状突出部64の外周面に、アタッチメントである断面姿勢変位部110Cが接着剤ままたは留め具により取り付けられていても良い。
【実施例4】
【0040】
図13〜図21は実施例4を示す。本実施例は実施例1〜3と基本的には同様の構成および作用効果を示す。図13および図14はスラット6の要部を示す。図13は、開放姿勢になり得るように設定されている回動スラットとして機能するスラット6o(o:open)に取り付けられているスラットキャップ62付近を示す。図13に示すように、スラット6oの樹脂製のスラットキャップ62には、第1係合部67および第2係合部68が樹脂材料を基材として一体成形されている。第1係合部67は軸状突出部64の外壁面に突設されている。第2係合部68は被着部63の外壁面において軸状突出部64とほぼ平行に外方に向けて突設されている。第1係合部67の中心および第2係合部68の中心は、スラット6の長手方向(矢印L方向)において間隔ΔL(図13参照)を隔てて形成されている。
【0041】
シャッタカーテン1を構成する複数のスラット6のうち、回動スラット6o以外のスラット6s(s:shut)は、開放姿勢にならないように設定されている。主として防犯上の理由により、必要以上に窓開口6eが形成されることを抑えるためである。
【0042】
図14は、開放姿勢にならないように設定されているスラット6sのスラットキャップ62の要部を示す。図13および図14の比較から理解できるように、スラット6sの樹脂製のスラットキャップ62には、第1係合部67および第2係合部68が成形されていない。
【0043】
図15および図16は、開放姿勢に設定可能なスラット6oが開放姿勢とされておらず、閉鎖姿勢とされている状態のシャッタカーテン1を示す。図16に示すように、スラット6の上側には、凸状の上側嵌合部60uが形成されている。スラット6の下側には、凹状の下側嵌合部61dが形成されている。上側嵌合部60uは、上側に隣設するスラット6の下側嵌合部61dに対して嵌合可能および離脱可能とされている。下側嵌合部61dは、下側に隣設するスラット6の上側嵌合部60uに対して嵌合可能および離脱可能とされている。図18に示すように、縦支柱5には、第1案内通路51および第2案内通路52を形成するガイドレール部53が設けられている。第1案内通路51、第2案内通路52およびガイドレール部53は、高さ方向(矢印H方向)に沿って延設されている。図15および図16に示すように、基部の一部となる縦支柱5のガイドレール部53の上端部には、アクチュエータ8が脱着可能に取り付けられている。アクチュエータ8は、基部の一部となるように縦支柱5のガイドレール部53の上端開口53fを塞ぐようにガイドレール部53の上端部に固定されたガイドレールキャップ部材80と、ガイドレールキャップ部材80に取り付けられた樹脂製の蓋部材81と、蓋部材81に取り付けられた硬質樹脂または金属製の作動体83と、ガイドレールキャップ部材80に取り付けられたスラット開放機構84(図15参照)とを備えている。ガイドレールキャップ部材80の下部を形成する嵌合部80aは、縦支柱5のガイドレール部53の最上端の上端開口53f内に嵌合されている。嵌合部80aは取付具80d(図20参照)でガイドレール部53に取り付けられている。
【0044】
本実施例によれば、図17〜図19に示すように、作動体83は矢印E1,E2方向に移動できるように、アクチュエータ8の蓋部材81にスライド可能に支持されている。即ち、図17に示すように、蓋部材81は、作動体83を矢印E1,E2方向(直動方向、シャッタカーテン1の開閉方向と直交する方向)に移動させる移動通路81bと、作動体83の上側面83uに対面して規制する板状のばね部82とを備えている。このように作動体83は、係合位置Aと退避位置Bとの間において、シャッタカーテン1の開閉方向(矢印H方向)に対して交差する方向に沿って移動可能に、アクチュエータ8の蓋部材81に搭載されている。図17に示すように、ばね部82の基端部82aは、蓋部材81に回動可能に連結されている。ばね部82の突起状をなす先端部82cは自由端状とされており、作動体83の一部である上面83uに対面し、作動体83の断面姿勢を定位置(ほぼ水平位置)に維持する機能をもつ。蓋部材81は、長孔81xと孔81yとをもつ。
【0045】
作動体83は、ばね部82により規制されているものの、ばね部82の付勢力に抗して回避方向(図17に示す矢印F1方向)に変位することができる。このように作動体83の位置が変位したとしても、ばね部82の付勢力により作動体83は復帰方向(図17に示す矢印F2方向)に戻り、定位置に復帰することができる。図18および図19は、ガイドレール部53の軸直角方向の断面図を示す。図18および図19に示すように、作動体83は、スラット6の軸状突出部64に向けて突出している作動突起83eを有する。図18は、作動体83の作動突起83eの面83eoがガイドレール部53の外壁面53eから距離S2離間して、退避位置Bに切り替えられている状態を示す。この場合、図18に示すように、スラット6の長手方向(矢印L方向)において、作動体83の作動突起83eとスラット6の第1係合部67とは寸法LW離間している。この結果、スラット6が下降したとしても、回動スラット6oの第1係合部67と作動体83の作動突起83eとは係合(当接)できないようにされている。この場合、回動スラット6oといえども、回動しない。これに対して、図19は、作動体83の作動突起83eの表面83eoがガイドレール部53の外壁面53eから距離S1離間し、係合位置Aに切り替えられている状態を示す。この場合、図19に示すように、スラット6の長手方向(矢印L方向)において、スラット6の第1係合部67と作動体83の作動突起83eとは対面可能とされており、このため作動体83の作動突起83eとスラット6の第1係合部67とは係合(当接)可能である。
【0046】
図15に示すように、スラット開放機構84は、作動体83を係合位置Aおよび退避位置Bに切り替えるものであり、ガイドレール部53の上端部に保持されたガイドレールキャップ部材80に搭載されている。スラット開放機構84は、駆動源85と、駆動源85により回動されるリンク状の回動体86と、回動体86を退避位置Bに向けて常時付勢する捻りコイルばねで形成された付勢部材86hとをもつ。ここで、付勢部材86hは、回動体86を退避位置Bに向けて退避方向(矢印E1方向)に常時付勢している。このため、万一、駆動源85が故障したときであっても、回動体86は、係合位置A(スラット6oを開放姿勢とする位置)ではなく、退避位置B(スラット6oを開放姿勢としない位置)に維持されている。故に、スラット6oが過誤的に開放姿勢となることは防止されており、防犯上好ましい。
【0047】
図15に示すように、駆動源85は、アクチュエータ8のガイドレールキャップ部材80に保持されており、励磁ソレノイド85aと、一方向(K1方向、上方向)に前進すると共に他方向(K2方向、下方向)に後退可能な可動プランジャー85cとをもつ。駆動源85は励磁ソレノイドを有するが、モータでも、空気圧シリンダ、油圧シリンダでも良く、要するに作動体83を係合位置Aと退避位置Bとの間において移動させ得るものであれば良い。図15に示すように、回動体86は、一方向(矢印D1方向)および他方向(矢印D2方向)に回動可能になるように、アクチュエータ8のガイドレールキャップ部材80において、回動中心となる取付具87により枢支されている。回動体86と可動プランジャー85cとはピン状の第1連結具88で回動可能に連結されている。具体的には、回動体86の長孔86cと可動プランジャー85cの第1連結具88とは嵌合されている。回動体86の先端部86eと作動体83の基端部83kとは、ピン状の第2連結具89で回動可能に連結されている。
【0048】
ここで、図15から理解できるように、駆動源85が一方向(係合方向)に駆動して、可動プランジャー85cを係合方向(矢印K1方向)に移動させると、回動体86は取付具87の回りで係合方向(矢印D1方向)に移動し、ひいては、作動体83の作動突起83eは係合方向(矢印E1方向)に移動して係合位置A(図10参照)となる。これに対して、駆動源85が他方向(退避方向)に駆動し、可動プランジャー85cを退避方向(矢印K2方向)に移動させると、回動体86は取付具87を中心として退避方向(矢印D2方向)に回動し、ひいては作動体83の作動突起83eは退避方向(矢印E2方向)に移動して退避位置Bとなる。
【0049】
次に、シャッタカーテン1を閉鎖する場合について説明する。この場合、アクチュエータ8の駆動源85がオフであれば、図15に示すように、駆動源85の可動プランジャー85cは退避方向(矢印K2方向)に移動しており、回動体86は付勢部材86hにより付勢され、回動体86の回動中心(取付具87)を中心として退避方向(矢印D2方向)に回動している。ひいては、作動体83は退避方向(矢印E2方向)に移動し、退避位置Bに退避されている(図15,図18参照)。この状態で、モータ3が巻き外し方向に作動し、巻取体2が巻き外し方向へ回転すると、巻取体2からシャッタカーテン1が巻き外され、シャッタ閉鎖方向(矢印H2方向、下方向)に移動する。このとき、前述したように、アクチュエータ8の駆動源85がオフ(断電)であるため、付勢部材86hの付勢力により、作動体83の作動突起83eは退避位置Bに切り替えられている(図15,図16,図18参照)。このため、通路57(図18参照)が確保されている。故に、スラット6が下方に移動したとしても、スラット6の第1係合部67は通路57を支障無く通過できるため、作動体83の作動突起83eとスラット6の第1係合部67とは距離LW(図18参照)離間しており、互いに係合(当接)しない。従ってスラット6oは開放姿勢に回動せず、閉鎖姿勢のまま状態で下方に降ろされる。従って、シャッタカーテン1が閉鎖しているときには、回動スラット6oはいずれも開放姿勢には回動しておらず、隣設する回動スラット6o間には窓開口6eが形成されていない(図16参照)。なお、スラット6が矢印H2方向(下方)に下降するとき、スラット6のスラットキャップ62の軸状突出部64はガイドレール部53の第1案内通路51内を下降する(図18参照)。
【0050】
次に、シャッタカーテン1を閉鎖する場合に、回動スラット6oを開放姿勢にする場合について説明する。この場合、アクチュエータ8の駆動源85をオンさせる。すると、駆動源85の可動プランジャー85cは係合方向(矢印K1方向)に移動しており、回動体86は係合方向(矢印D1方向)に移動しており、ひいては、作動体83の作動突起83eは係合方向(矢印E1方向)に移動している。この結果、作動体83の作動突起83eは係合位置A(図20,図19参照)に切り替えられている。このように作動体83が係合位置Aに切り替えられている状態において、モータ3が巻き外し方向に作動し、巻取体2が巻き外し方向へ回転すると、巻取体2からシャッタカーテン1が巻き外され、矢印H2方向(閉鎖方向、下方)に移動する。このとき、前述したように、作動体83の作動突起83eが係合位置Aに位置しており、通路57を塞いでいる。このため、図20および図21から理解できるように、回動スラット6oの第1係合部67が作動体83の作動突起83eに係合(当接)してしまう。従って回動スラット6oは、開放姿勢方向(図21に示す矢印M1方向)へ、軸状突出部64を中心として回動する。このように第1係合部67は、回動スラット6oを開放姿勢方向に回動させる起点となる回動起点部として機能することができる。
【0051】
従ってスラット6は開放姿勢に維持され、開放姿勢の状態で下方に降ろされる。故に、シャッタカーテン1を閉鎖させるとき、第1係合部67が形成されているスラット6oは、開放姿勢方向(矢印M1方向,RK方向)へ回動する。従って、図20および図21に示すように、隣設するスラット6o間に、窓開口6eが形成される。窓開口6eは、通風用、採光用、視認用として機能できる。このようにスラット6oが矢印M1方向へ回動し開放姿勢となるとき、図21に示すように第2係合部68はガイドレール部53の第2案内通路52に進入したまま、矢印H2方向に下降する。この状態では、スラット6oには、図略のばねによりスラット6を閉鎖姿勢とする方向(矢印M2方向)の付勢力が作用しているが、第2係合部68は第2案内通路52の壁面52c(図21参照)に当たるため、スラット6oは閉鎖姿勢とする方向(矢印M2方向)へ回動することができない。このためシャッタカーテン1が閉鎖されているとき、スラット6oを開放姿勢に維持することができる。このように第2係合部68は、スラット6oを開放姿勢に維持する開放姿勢維持部として機能することができる。
【0052】
しかしながら作動体83の作動突起83eが係合位置Aに存在するときであっても、非開放型のスラット6sは、第1係合部67を備えていないので、作動突起83eに係合できず、スラット6sは開放姿勢に回動できず、閉鎖姿勢のまま下方向(矢印H2方向)に移動する。従って、非開放型のスラット6sについては、隣設するスラット6s間に窓開口6eが形成されない。従って本実施例によれば、窓開口6eを形成したい位置に相当するスラットについては、第1係合部67および第2係合部68を併有する回動スラット6oとすれば良い。窓開口6eを形成したくない位置に相当するスラットについては、スラット6s(第1係合部67および第2係合部68を有しない)とすれば良い。このように複数のスラット6のうち、任意のものをスラット6oとすることができる。一般的には、防犯性等を考慮すると、複数のスラット6のうち、上側の数枚について、第1係合部67および第2係合部68を形成して回動スラット6oとすることができる。この場合には、回動スラット6oが開放姿勢方向に回動し、第2係合部68が第2案内通路52の壁面52cを摩擦摺動するとしても、その摩擦摺動距離が短くて澄み、第2係合部68の摩耗が抑制される。なお、第1係合部67および/または第2係合部68はスラットキャップ62と同材質の樹脂で形成しても良いし、あるいは、スラットキャップ62を構成する樹脂よりも摩擦摺動性が更に強力な樹脂(例えばエンジニアプラスチック等)で形成しても良く、場合によってはアルミニウム合金等の金属でも良い。
【0053】
次に、閉鎖状態のシャッタカーテン1を開放方向(矢印H1方向)に移動させる場合について説明する。この場合、モータ3により巻取体2がこれの回転中心線2xの回りで巻取方向に回動する。すると、巻取体2よりも下方の線状連結部材7は上方(矢印H1方向)に移動し、巻取体2の外周面に次第に巻き取られる。この場合、スラット6oを開放姿勢に設定するための駆動源85はオフであり、作動体83の作動突起83eは退避位置Bに退避している。このように作動体83の作動突起83eが退避位置Bに退避していると、スラット6oが上方(矢印H1方向)に移動するとき、スラット6oと共に上方に移動する第2係合部68が作動体83の作動突起83eに当接して干渉するおそれがある。この場合、スラット6oが上方に移動できないおそれがある。そこで本実施例によれば、図17に示すように、当該干渉を回避させるべく、作動体83は、回避方向(矢印F1方向,上方)に変位可能にアクチュエータ8の蓋部材81に支持されている。即ち、蓋部材81は、前述したように、作動体83を矢印E1,E2方向に移動させる移動通路81bと、作動体83を回避方向(矢印F1方向)に変位可能に支持する板状のばね部82とを備えている。従って、スラット6oが第2係合部68と共に上方(矢印H1方向)に移動するとき、上方に移動するスラット6oの第2係合部68が作動体83の作動突起83eの下面83d(図17参照)に当接して干渉するものの、作動体83は第2連結具89を中心として回避方向(矢印F1方向,上方)に変位することができる。この結果、スラット6oは図略のばねにより閉鎖姿勢方向(図21に示す矢印M2方向)に常時付勢されているため、スラット6oは閉鎖姿勢方向(矢印M2方向)に自動的に付勢され、従ってスラット6oの第2係合部68は干渉から逃げることができる。この結果、スラット6oを閉鎖姿勢とした状態で巻取体2に良好に巻き取ることができる。
【0054】
以上説明したように本実施例によれば、シャッタカーテン1を構成する回動スラット6oを開放姿勢に回動させて窓開口6eを形成することができる。更に本実施例によれば、作動体83の作動突起83eは、係合位置Aと退避位置Bとの間において、シャッタカーテン1の開閉方向(矢印H方向)に対して交差する方向(矢印E1,E2方向)に沿ってほぼ直進的に移動する。このため作動体83の作動突起83eについては、係合位置Aと退避位置Bとの間の移動距離を短くできる。故に、係合位置Aと退避位置Bとの間の切替時間を短時間で済ませ得る。
【0055】
また本実施例によれば、作動体83およびスラット開放機構84を備えているアクチュエータ8は、縦支柱5のガイドレール部53の上端開口53fに取り付けられることにより縦支柱5のガイドレール部53(基部)の上端に設けられている。このため縦支柱5のガイドレール部53に無用な取付開口を形成せずともよく、アクチュエータ8の組付性を高め得ると共に、ガイドレール部53の強度を確保することができる。更に本実施例によれば、スラット6oを開放姿勢とさせる第1係合部67と、スラット6oを開放姿勢に維持する第2係合部68がスラット6oの樹脂製のスラットキャップ62に一体成形されている。このため、部品点数の増加が抑えられる。更に第1係合部67および第2係合部68の位置、形状、サイズ等が変更されるときであっても、第1係合部67および第2係合部68は樹脂製のスラットキャップ62において一体成形されているため、第1係合部67および第2係合部68の位置、形状、サイズ等を容易に変更することができる。さらに、作動体83の移動方向は矢印E1,E2方向であり、スラット6の長手方向(矢印L方向)に沿っているものの、駆動源85の可動プランジャー85cの移動方向は上下方向である。このためシャッタ装置のサイズが横外方に増加することが抑制される。
【0056】
本実施例においても、前記した実施例1と同様に、線状連結部材7の第1リンク71に取り付けられているアタッチメント100は、回動スラット6oが回動するとき、回動スラット6oと隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、隣設スラット(最も下方の回動スラット6oの真下のスラットに相当)の断面姿勢を変位させる。この結果、図4に示すように、スラット6が軸状突出部64を回動中心として回動方向に回動させて窓開口6eを形成する場合、経年変化、寸法公差等があったとしても、回動スラット6oの下側の端部と隣設スラット6scの上側の端部とが擦れることが抑制または解消される。ひいては異音の発生が抑制され、スラット6の損傷が抑制され、スラット6の耐久性および長寿命化に貢献できる。
【0057】
(その他)
実施例1によれば、図4に示すように、隣設スラット6scの断面姿勢を傾けるにあたり、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部を室内10側に向けて変位させると共に、隣設スラット6scの下側嵌合部61dの端部を室外12側に向けて変位させている。これに逆に、隣設スラット6scの上側嵌合部60uの端部を室外12側に向けて変位させると共に、隣設スラット6scの下側嵌合部61dの端部を室内10側に向けて変位させても良い。実施例4によれば、シャッタカーテン1を閉鎖する場合に、スラット6oを開放姿勢にするためにはアクチュエータ8の駆動源85をオンさせると共に、スラット6oを閉鎖姿勢にするときにはアクチュエータ8の駆動源85をオフさせることにしているが、これに限らず、場合によっては、スラット6oを開放姿勢にするためにはアクチュエータ8の駆動源85をオフさせると共に、スラット6oを閉鎖姿勢にするときにはアクチュエータ8の駆動源85をオンさせることにしても良い。
【0058】
実施例4によれば、スラット本体60の両端部のスラットキャップ62のそれぞれに第1係合部67および第2係合部68が形成されており、2つの縦支柱5のそれぞれに第1案内通路51および第2案内通路52が形成されているものの、スラット6oを開放姿勢とするためのアクチュエータ8は、2つの縦支柱5のうちの一方のみに搭載されており、コスト低減が図られている。但し、2つの縦支柱5の双方にアクチュエータ8を搭載しても良い。スラット6の上側には、凸状の上側嵌合部60uが形成されている。スラット6の下側には、凹状の下側嵌合部61dが形成されている。凹凸関係は逆としても良い。本発明は上記した実施形態および実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。各実施例の特徴を併有することにしても良い。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
【0059】
(付記項1)基部と、基部に設けられ、複数のスラットを開閉方向に沿って並設した巻取可能なシャッタカーテンと、基部に回転可能に設けられ、一方向への回転に伴いシャッタカーテンを巻取り、逆方向への回転に伴いシャッタカーテンを巻き外す巻取体と、基部に設けられ、巻取体を回転させるための駆動機構と、基部に設けられ、シャッタカーテンが閉鎖方向に移動するとき、移動するスラットの少なくとも一部に係合してスラットを開放姿勢に回動させ且つ隣設するスラット間に窓開口を形成する係合位置と、移動するスラットに係合せずスラットを開放姿勢に回動させない退避位置とに切り替え可能に設けられた作動体と、基部に設けられ、係合位置と退避位置とに作動体を切り替えるためのスラット開放機構とを具備することを特徴とするシャッタ装置。
【0060】
(付記項2)請求項1において、基部は、シャッタカーテンのスラットの端部を案内するガイドレール部を備えており、作動体およびスラット開放機構を備えているアクチュエータは、ガイドレール部の上端に取り付けられることにより前記基部に設けられていることを特徴とするシャッタ装置。
【0061】
(付記項3)請求項1または2において、スラットは、係合位置に存在する前記作動体に係合することにより、スラットを開放姿勢に回動させる第1係合部を備えていることを特徴とするシャッタ装置。
【0062】
(付記項4)請求項1〜3のうちの一項において、スラットは、開口形成方向に回動したスラットの開放姿勢を維持するために、基部の一部に係合する第2係合部を備えていることを特徴とするシャッタ装置。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は建築物(一般家庭、ビル、集合住宅等)、車両、船舶等といった構造物の開口を開閉するシャッタ装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1に係り、シャッタ装置を示す正面図である。
【図2】実施例1に係り、シャッタカーテンを示す正面図である。
【図3】比較例に係り、回動スラットと隣設スラットとが接近している状態を示す断面図である。
【図4】実施例1に係り、回動スラットと隣設スラットとが接近している状態を示す断面図である。
【図5】実施例1に係り、(a)はアタッチメントが取り付けられた線状連結部材を示す側面図であり、(b)はアタッチメントが取り付けられた線状連結部材をもつスラットの部分正面図である。
【図6】実施例1に係り、アタッチメントを示す三面図であり、(a)はアタッチメントの平面図であり、(b)はアタッチメントの正面図であり、(c)はアタッチメントの側面図である。
【図7】実施例1に係り、アタッチメントが取り付けられた線状連結部材をもつスラットの部分斜視図である。
【図8】実施例1に係り、アタッチメントが取り付けられた線状連結部材の部分斜視図である。
【図9】実施例1に係り、(a)はアタッチメントが取り付けられていない線状連結部材を示す側面図であり、(b)はアタッチメントが取り付けられていない線状連結部材をもつスラットの部分正面図である。
【図10】実施例2に係り、断面姿勢変位部が形成された線状連結部材の部分斜視図である。
【図11】実施例3に係り、断面姿勢変位部が形成されたスラットの部分斜視図である。
【図12】実施例3に係り、断面姿勢変位部が形成されたスラットの部分斜視図である。
【図13】実施例4に係り、開閉断面姿勢に回動できるスラットのスラットキャップ付近を示す図である。
【図14】実施例4に係り、開閉断面姿勢に回動できないスラットのスラットキャップ付近を示す図である。
【図15】実施例4に係り、作動体が退避位置に切り替えられている状態を示す要部の正面図である。
【図16】実施例4に係り、作動体が退避位置に切り替えられていると共に、スラットが閉鎖姿勢のまま下方に移動する状態を示す要部の断面図である。
【図17】実施例4に係り、アクチュエータの蓋部材に作動体が取り付けられている状態を示す図である。
【図18】実施例4に係り、作動体が退避位置に切り替えられている状態を水平方向に沿って切断した要部の断面図である。
【図19】実施例4に係り、作動体が係合位置に切り替えられている状態を水平方向に沿って切断した要部の断面図である。
【図20】実施例4に係り、スラットが開放されるように回動されつつ下方に移動する状態を示す要部の正面図である。
【図21】実施例4に係り、スラットが開放されるように回動されつつ下方に移動する状態を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1はシャッタカーテン、2は巻取体、20はブレーキ部、3はモータ(駆動機構)、4は横フレーム(基部)、5は縦支柱(基部)、6はスラット、6oは回動スラット、6scは隣設スラット、62はスラットキャップ、63は被着部、64は軸状突出部、67は第1係合部、68は第2係合部、6eは窓開口、7は線状連結部材(吊持部材)、71は第1リンク、72は第2リンク、8はアクチュエータ、80はガイドレールキャップ部材、82はばね部、83は作動体、83eは作動突起、84はスラット開放機構、85は駆動源、85cは可動プランジャー、86は回動体、Aは係合位置、Bは退避位置、100はアタッチメント(断面姿勢変位部)、104は取付孔、106は変位突部、110は断面姿勢変位部を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に設けられ、複数のスラットを開閉方向に沿って並設した巻取可能なシャッタカーテンと、
前記基部に回転可能に設けられ、一方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻取り、逆方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻き外す巻取体と、
前記基部に設けられ、前記巻取体を一方向および逆方向に回転させるための駆動機構と、
前記スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するように前記スラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備しており、
複数の前記スラットのうち、回動させる前記スラットを回動スラットと定義し、前記回動スラットに隣設する前記スラットを隣設スラットと定義するとき、
前記シャッタカーテンは、
前記回動スラットが回動するときにおいて、前記スラットの厚みを示す断面で、前記回動スラットと前記隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、前記隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とするシャッタ装置。
【請求項2】
請求項1において、前記シャッタカーテンは、複数の前記スラットと、複数の前記スラットを吊持する吊持部材とを具備しており、前記断面姿勢変位部は、前記スラットのうち前記隣設スラットおよび前記吊持部材のうちの少なくとも一方に設けられていることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項3】
請求項2において、前記断面姿勢変位部は、前記隣設スラットおよび前記吊持部材のうちの少なくとも一方に一体品として一体的に成形されていることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項4】
請求項2において、前記断面姿勢変位部は、前記隣設スラットおよび前記吊持部材に対して別体として形成されたアタッチメントであり、前記アタッチメントは、前記隣設スラットおよび前記吊持部材のうちの少なくとも一方に取り付けられることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記断面姿勢変位部は、前記スラットの厚みを示す断面で、前記隣設スラットの上端部を一方向に変位させると共に、前記隣設スラットの下端部を他方向に変位させることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項6】
開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数の前記スラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、前記スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するように前記スラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置に取り付けられるスラットであって、
複数の前記スラットのうち、回動させる前記スラットを回動スラットと定義し、前記回動スラットに隣設する前記スラットを隣設スラットと定義するとき、
前記隣設スラットは、
前記回動スラットが回動するときにおいて、前記隣設スラットの厚みを示す断面で、前記回動スラットと前記隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、前記隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とするシャッタ装置用スラット。
【請求項7】
開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数の前記スラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、前記スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するように前記スラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置に取り付けられる吊持部材であって、
複数の前記スラットのうち、回動させる前記スラットを回動スラットと定義し、前記回動スラットに隣設する前記スラットを隣設スラットと定義するとき、
前記吊持部材は、
前記回動スラットが回動するときにおいて、前記隣設スラットの厚みを示す断面で、前記回動スラットと前記隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、前記隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とするシャッタ装置用吊持部材。
【請求項8】
開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数の前記スラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、前記スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するように前記スラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置のうち、前記吊持部材および前記スラットのうちの少なくとも一方に取り付けられるアタッチメントであって、
複数の前記スラットのうち、回動させる前記スラットを回動スラットと定義し、前記回動スラットに隣設する前記スラットを隣設スラットと定義するとき、
前記アタッチメントは、前記回動スラットが回動するときにおいて、前記隣設スラットの厚みを示す断面で、前記回動スラットと前記隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、前記隣設スラットの断面姿勢を変位させる変位突部を具備することを特徴とするシャッタ装置用アタッチメント。
【請求項1】
基部と、
前記基部に設けられ、複数のスラットを開閉方向に沿って並設した巻取可能なシャッタカーテンと、
前記基部に回転可能に設けられ、一方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻取り、逆方向への回転に伴い前記シャッタカーテンを巻き外す巻取体と、
前記基部に設けられ、前記巻取体を一方向および逆方向に回転させるための駆動機構と、
前記スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するように前記スラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備しており、
複数の前記スラットのうち、回動させる前記スラットを回動スラットと定義し、前記回動スラットに隣設する前記スラットを隣設スラットと定義するとき、
前記シャッタカーテンは、
前記回動スラットが回動するときにおいて、前記スラットの厚みを示す断面で、前記回動スラットと前記隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、前記隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とするシャッタ装置。
【請求項2】
請求項1において、前記シャッタカーテンは、複数の前記スラットと、複数の前記スラットを吊持する吊持部材とを具備しており、前記断面姿勢変位部は、前記スラットのうち前記隣設スラットおよび前記吊持部材のうちの少なくとも一方に設けられていることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項3】
請求項2において、前記断面姿勢変位部は、前記隣設スラットおよび前記吊持部材のうちの少なくとも一方に一体品として一体的に成形されていることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項4】
請求項2において、前記断面姿勢変位部は、前記隣設スラットおよび前記吊持部材に対して別体として形成されたアタッチメントであり、前記アタッチメントは、前記隣設スラットおよび前記吊持部材のうちの少なくとも一方に取り付けられることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記断面姿勢変位部は、前記スラットの厚みを示す断面で、前記隣設スラットの上端部を一方向に変位させると共に、前記隣設スラットの下端部を他方向に変位させることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項6】
開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数の前記スラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、前記スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するように前記スラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置に取り付けられるスラットであって、
複数の前記スラットのうち、回動させる前記スラットを回動スラットと定義し、前記回動スラットに隣設する前記スラットを隣設スラットと定義するとき、
前記隣設スラットは、
前記回動スラットが回動するときにおいて、前記隣設スラットの厚みを示す断面で、前記回動スラットと前記隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、前記隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とするシャッタ装置用スラット。
【請求項7】
開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数の前記スラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、前記スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するように前記スラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置に取り付けられる吊持部材であって、
複数の前記スラットのうち、回動させる前記スラットを回動スラットと定義し、前記回動スラットに隣設する前記スラットを隣設スラットと定義するとき、
前記吊持部材は、
前記回動スラットが回動するときにおいて、前記隣設スラットの厚みを示す断面で、前記回動スラットと前記隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、前記隣設スラットの断面姿勢を変位させる断面姿勢変位部を具備することを特徴とするシャッタ装置用吊持部材。
【請求項8】
開閉方向に沿って並設された複数のスラットおよび複数の前記スラットを吊持する吊持部材を有するシャッタカーテンと、前記スラットの厚みを示す断面で窓開口を形成するように前記スラットを回動させて開放させるスラット開放機構とを具備するシャッタ装置のうち、前記吊持部材および前記スラットのうちの少なくとも一方に取り付けられるアタッチメントであって、
複数の前記スラットのうち、回動させる前記スラットを回動スラットと定義し、前記回動スラットに隣設する前記スラットを隣設スラットと定義するとき、
前記アタッチメントは、前記回動スラットが回動するときにおいて、前記隣設スラットの厚みを示す断面で、前記回動スラットと前記隣設スラットとの接触による干渉度を低減または解消させる方向に、前記隣設スラットの断面姿勢を変位させる変位突部を具備することを特徴とするシャッタ装置用アタッチメント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−144398(P2010−144398A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322170(P2008−322170)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
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