説明

シャッタ

【課題】複数のスラットを互いに折り曲げ可能に連結したシャッタ用開閉板(21)の両側縁部をスライド自在に保持するガイド溝(112)を備えた左右一対のサイドフレーム(11)(11)と、閉動作する前記シャッタ用開閉板(21)を制動する制動装置を備えた、シャッタにおいて、シャッタ用開閉板(21)が自由落下する非制動域が形成されないようにし、これにより、制動効果の向上を図る。
【解決手段】前記制動装置は、前記サイドフレーム(11)の長手方向に沿った外面に圧接されつつ回転するローラであり、前記ローラは、前記シャッタ用開閉板(21)の開動作に伴う前記回転が許容される一方、前記回転とは逆方向の回転が抑制される機能を備ていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機を据え付けた工作室の開口部等を開閉するシャッタの技術分野に属し、そのシャッタ用開閉板を閉める際の衝撃を緩和する機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、工作機を据え付けた工作室は、図8に示すようなシャッタでカバーされることがある。このシャッタは、平板(25)とヒンジ部材(26)から成る複数のスラット(S)(S)を互いに折り曲げ可能に連結したシャッタ用開閉板(21)を有し、このシャッタ用開閉板(21)の両側縁部を左右一対のサイドフレーム(11)(11)に形成されたガイド溝(112)(112)内にスライド自在に保持させたものである。
【0003】
図9に示すように、サイドフレーム(11)(11)には、閉動作するシャッタ用開閉板(21)の両側下端を受け止める衝撃受(10)(10)が上下摺動自在に取り付けられており、該衝撃受(10)(10)は、上端(130)(130)がサイドフレーム(11)(11)に固定された引っ張りバネ(131)(131)で上方に付勢されている。
シャッタを開けるときは、取っ手(23)を持ってシャッタ用開閉板(21)を上方に移動させ、これにより、工作室の前面部を開放させる。
【0004】
一方、シャッタを閉めるときは、上記取っ手(23)を持ってシャッタ用開閉板(21)を前面部の下方の横桟(14)へ向けて引き下げるが、その途中で、シャッタ用開閉板(21)の両側縁の下部(210)が衝撃受(10)で受け止められ、その後、衝撃受(10)に連結された引っ張りバネ(131)が伸長し始める。以後、伸長する引っ張りバネ(131)でシャッタ用開閉板(21)が上方に付勢されつつ降下して制動される。これにより、シャッタ用開閉板(21)の下端が全閉位置で横桟(14)に激突して停止する不都合が緩和される。
【特許文献1】特開2003−3769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のものでは、シャッタを閉めるときに、誤って、作業者の手が取っ手(23)から外れると、シャッタ用開閉板(21)は、両側縁の下部(210)(210)が衝撃受(10)(10)に当接するまでは制動されずに自由落下し、衝撃受(10)(10)に当接した後に始めて引っ張りバネ(131)の付勢力で制動され始める。
従って、誤って取っ手(23)から手が外れた場合等には、前記自由落下後に衝撃受(10)(10)が機能する迄は十分な制動力が発生しないことが原因となって、シャッタ用開閉板(21)が横桟(14)に激突し、これがシャッタ用開閉板(21)の破損の原因になる。又、閉じるシャッタ用開閉板(21)と横桟(14)の間に指を詰めた場合には、怪我の原因にもなる。
【0006】
このことから、既述従来のものでは、上記衝撃受(10)を設けるだけでなく、更に、横桟(14)の上面にゴムやスポンジ等の緩衝材(15)を添設することが必須となり、その分、部品点数の増大を招いている。
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、
『複数のスラットを互いに折り曲げ可能に連結したシャッタ用開閉板(21)の両側縁部をスライド自在に保持するガイド溝(112)を備えた左右一対のサイドフレーム(11)(11)と、
閉動作する前記シャッタ用開閉板(21)を制動する制動装置を備えた、シャッタ』において、
閉動作するシャッタ用開閉板(21)が自由落下する非制動域を無くし、これにより、制動効果の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の解決手段は、
『前記制動装置は、
前記サイドフレーム(11)の長手方向に沿った外面に圧接されつつ回転するローラであり、
前記ローラは、前記シャッタ用開閉板(21)の開動作に伴う回転が許容される一方、前記回転とは逆方向の回転が抑制される機能を備ている』ことである。
上記解決手段によれば、シャッタ用開閉板(21)を開動作させるときは、サイドフレーム(11)の長手方向に沿った外面に圧接されたローラの回転が許容されて該ローラが自由に回転し、これにより、シャッタ用開閉板(21)が開方向に円滑に移動する。
【0008】
一方、シャッタ用開閉板(21)を閉動作させるときは、前記ローラの回転が抑制されて制動力が発生する。従って、シャッタ用開閉板(21)が閉動作を開始してから全閉位置に到達するまでの全域において制動力が生じる。
【0009】
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明に於いて、
『前記ローラは、バネによって前記サイドフレーム(11)の外面に圧接されている』ものでは、長期使用によってローラの外周が磨耗しても、バネの付勢力によって、ローラがサイドフレーム(11)の外面に圧接される。
又、弾性力の異なるバネを適宜選択して使用することにより、サイドフレーム(11)へのローラの圧接力を、シャッタ用開閉板(21)の重量に応じて調節することができる。
【0010】
[請求項3に係る発明]
請求項1、又は請求項2に係る発明に於いて、
『前記制動装置は、前記シャッタ用開閉板(21)の幅方向へ位置調節可能に設けられており、
前記サイドフレーム(11)のシャッタ用開閉板(21)側に臨む面に、前記ローラが圧接される構成である』ものでは、制動装置をシャッタ用開閉板(21)の幅方向へ位置調節すると、サイドフレーム(11)へのローラの圧接力が調節できる。
[請求項4に係る発明]
【0011】
請求項1〜請求項3に係る発明に於いて、
『前記制動装置は、シャッタ用開閉板(21)の幅方向の両側部の夫々に設けられている』ものでは、シャッタ用開閉板(21)の両側部にて制動力が生じる。
【0012】
[請求項5に係る発明]
請求項1〜請求項4に係る発明に於いて、
『前記ローラの外周は、摩擦係数の大きな軟質合成樹脂で形成されている』ものでは、シャッタ用開閉板(21)を閉動作させるときの制動力が高くなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は次の特有の効果を有する。
シャッタ用開閉板(21)が閉動作を開始してから全閉位置に到達するまでの全域において、シャッタ用開閉板(21)の閉動作に対して制動力が発生する。従って、閉動作するシャッタ用開閉板(21)が衝撃受(10)に当接するまで制動力が生じない既述従来のもののように、シャッタ用開閉板(21)が自由落下する領域がなく、制動効果の向上が図れる。
【0014】
請求項2に係る発明では、長期使用によってローラの外周が磨耗しても、該ローラがサイドフレーム(11)の外面に確実に圧接されるから、制動力が次第に低下する心配が少ない。
又、弾性力の異なるバネを適宜選択して使用することにより、サイドフレーム(11)へのローラの圧接力を調節できる。従って、シャッタ用開閉板(21)の重量に応じて適正な制動力を設定することができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、サイドフレーム(11)へのローラの圧接力を調節できるから、シャッタ用開閉板(21)の重量に応じて適正な制動力を設定することができる。
請求項4に係る発明では、既述したように、シャッタ用開閉板(21)の両側部にて制動力が生じるから、シャッタ用開閉板(21)が一層確実に制動される。
請求項5に係る発明では、既述したように、高い制動効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。
[全体構成]
本実施の形態に係るシャッタは、図1,図2に示すように、例えば、工作機械(19)を据え付けた工作室(18)に適用することができる。
図1に示すように、下端相互が横桟(14)で連結された左右一対のサイドフレーム(11)で挟まれた前面開口部(B)は、シャッタ用開閉板(21)で開閉されるようになっている。
このシャッタ用開閉板(21)の両側縁部は、左右のサイドフレーム(11)(11)に長手方向へ沿って形成されたガイド溝(112)(112)内に挿入・保持されており、これにより、ガイド溝(112)(112)に沿ってスライド自在に走行するよう構成されている。又、図1の破線で示すように、上記シャッタ用開閉板(21)の左右両側近傍の下端部には、閉動作するシャッタ用開閉板(21)を制動する為の制動装置(3)が配設されている。以下、各部の詳細を説明する。
【0017】
[シャッタ用開閉板(21)]
上記シャッタ用開閉板(21)は、図1に示すように、平板(25)とヒンジ部材(26)から成る複数のスラット(S)(S)を折り曲げ可能に連結したものであり、平板(25)は、透光性を有する合成樹脂等の材質で形成されている。よって、シャッタ用開閉板(21)外から工作室(18)内の工作機械(19)の運転状態を監視できる。なお、上記平板(25)は、アルミなどの金属製のものでもよい。
【0018】
また、ヒンジ部材(26)は、図3に示すように、内筒(27)と、これに回動自在に外嵌される外筒(28)とを備えている。外筒(28)の外側壁には、軸線方向に延びるフランジ(280)が突出されていると共に、該フランジ(280)の先端に開放する差込溝(281)には上記平板(25)が嵌入固定されている。他方の内筒(27)も上記外筒(28)と同様に構成されており、該内筒(27)の外側壁に突設されたフランジ(270)に形成された差込溝(53)に対して平板(25)が嵌入固定されている。従って、外筒(28)と内筒(27)の相対回動によってシャッタ用開閉板(21)が折り曲げ可能になる。
【0019】
[サイドフレーム(11)]
図2に示すように、サイドフレーム(11)は、工作室(18)の前面部、上面部、背面部及び底面部に配置される4本の直線状レール(11A)(11B)(11C)(11D)と、工作室(18)の前面側上部のコーナに配置される第1コーナレール(11E)と、工作室(18)の背面側上部のコーナに配置される第2コーナレール(11F)とから構成されている。第1コーナレール(11E)は、工作室(18)の前面部および上面部に配置される各直線状レール(11A)(11B)に接続される。また、第2コーナレール(11F)は、工作室(18)の背面部および上面部に配置される各直線状レール(11C)(11B)に接続される。図2,図4に示すように、工作室(18)の前面部、上面部及び背面部に配置される直線状レール(11A)(11B)(11C)及び、これらを連結する第1,第2コーナレール(11E)(11F)の何れの内側面にも上記シャッタ用開閉板(21)の両側縁部を挿入・保持するガイド溝(112)が設けられていると共に、裏側(工作室(18)内を臨む側)や表側(工作室(18)外を臨む側)等の夫々にも凹溝(113)(114)(115)が設けられている。
【0020】
又、図1に示すように、開口部(B)の下部に配設された横桟(14)の両端と、左右一対のサイドフレーム(11)(11)の下端は矩形ブロック状のジョイント(17)(17)で結合されていると共に、ジョイント(17)(17)には工作室(18)の底面部に配置される直線状レール(11D)の先端も連結されている。
【0021】
更に、横桟(14)の上面には、スポンジ,ゴム等から成る緩衝材(15)が添設されていると共に、図1,図6に示すように、閉状態でシャッタ用開閉板(21)の下端に位置するスラット(S)の平板(25)の下辺には後述する制動装置(3)等を取り付ける為の先端バー(16)が外嵌されている。
【0022】
[制動装置(3)]
前記先端バー(16)の裏面(工作室(18)側の面)には、図4〜図6に示すような制動装置(3)が取り付けられている。制動装置(3)は、先端バー(16)の幅方向の中央部にて長手方向へ延びる平行な突条(160)(160)に摺動自在に外嵌する背面溝(30)を具備するベースブロック(31)と、その一端に固定された軸受ブロック(33)と、これに摺動自在に貫通したスライドパイプ(32)の先端に取り付けられたローラ保持部材(34)と、これに回転自在に軸支された摩擦ローラ(35)を備えている。この摩擦ローラ(35)は、既述発明特定事項たる「ローラ」に対応している。
【0023】
図5,6に示すように、ベースブロック(31)には長孔(311)が表裏に貫通しており、該長孔(311)を介して先端バー(16)のネジ孔(161)にボルト(36)が螺入されている。従って、ボルト(36)を緩めた状態でベースブロック(31)を突条(160)(160)に沿って移動させ、その後、ボルト(36)を再度締め付けると、先端バー(16)の長手方向(シャッタ用開閉板(21)の幅方向)に制動装置(3)が位置調節される。
【0024】
ベースブロック(31)の長辺側の両側面に形成された細溝(312)(312)には、軸受ブロック(33)を貫通する固定ボルト(330)(330)が螺入されており、これにより、軸受ブロック(33)がベースブロック(31)に固定されている。軸受ブロック(33)に貫設された軸孔(331)には、スライドパイプ(32)が摺動自在に挿入されていると共に、該スライドパイプ(32)の一端に螺入された端部ネジ(37)の頭部(370)は軸孔(331)より大きい直径を有している。
【0025】
スライドパイプ(32)の他端には矩形プレート(39)を固定する固定ネジ(38)が螺入されていると共に、スライドパイプ(32)に外嵌された圧縮バネ(40)によって矩形プレート(39)と軸受ブロック(33)が離反方向に付勢されている。従って、スライドパイプ(32)は、圧縮バネ(40)で突出方向に付勢された状態で、軸受ブロック(33)の軸孔(331)を摺動し得る。
矩形プレート(39)には、幅方向の両端部に固定ボルト(390)(390)が貫通していると共に、該固定ボルト(390)(390)は、ローラ保持部材(34)の長辺側の両側面に形成された細溝(340)(340)に螺入されている。これにより、ローラ保持部材(34)と矩形プレート(39)が連結固定されている。
【0026】
図4,図5,図7に示すように、ローラ保持部材(34)に螺入された中心軸(42)には、ワンウエイクラッチ(43)(43)を介して8角柱状の中央ホイール(44)が外嵌していると共に、該中央ホイール(44)には摩擦係数の大きな軟質合成樹脂製の外周輪(45)が外嵌固定されている。この外周輪(45)は、図4に示すように、サイドフレーム(11)を構成する直線状レール(11A)に形成されたガイド溝(112)に沿った堤部(111)に当接すると共に、前述の圧縮バネ(40)の付勢力で前記堤部(111)に圧接状態に維持されている。尚、ガイド溝(112)には、シャッタ用開閉板(21)の両側部に配設された走行ローラ(47)が位置しており、該走行ローラ(47)によってシャッタ用開閉板(21)の円滑移動が確保されている。
ワンウエイクラッチ(43)(43)は、シャッタ用開閉板(21)の開動作に伴う摩擦ローラ(35)の正回転を許容する一方、摩擦ローラ(35)の逆回転を阻止する機能を備えている。
【0027】
[使用の実際]
次に、上記シャッタの使用の実際を説明する。
シャッタ用開閉板(21)を開動作させるときは、図1に現れる取っ手(23)を持って、シャッタ用開閉板(21)を上方に移動させる。
この開動作時には、サイドフレーム(11)のガイド溝(112)に沿った堤部(111)に圧接された摩擦ローラ(35)は、ワンウエイクラッチ(43)(43)で回転阻止されない構成になっているから、摩擦ローラ(35)が自由に回転する。従って、シャッタ用開閉板(21)がサイドフレーム(11)のガイド溝(112)(112)に案内されて開方向に円滑に移動する。
【0028】
一方、シャッタ用開閉板(21)を閉方向に移動させるときは、摩擦ローラ(35)には、ワンウエイクラッチ(43)(43)から回転阻止力が作用する。従って、摩擦ローラ(35)は、ガイド溝(112)に沿った堤部(111)に対して圧縮バネ(40)で圧接された状態で、該堤部(111)上を摩擦摺動する。これにより、シャッタ用開閉板(21)が閉動作を開始したときから全閉位置に移動するまでの全域において、摩擦ローラ(35)とサイドフレーム(11)の堤部(111)が常に摩擦接触して制動力が発生する。従って、閉動作するシャッタ用開閉板(21)の下端が衝撃受(10)に当接するまで制動力が生じない既述従来のものに比べて、制動効果の向上が図れる。
【0029】
このものでは、摩擦ローラ(35)は、圧縮バネ(40)の付勢力によってサイドフレーム(11)のガイド溝(112)に沿った堤部(111)に圧接されている。従って、長期使用によって摩擦ローラ(35)の外周の外周輪(45)が磨耗しても、上記堤部(111)に対する摩擦ローラ(35)の圧接力はほぼ一定に保たれる。又、サイドフレーム(11)の前記堤部(111)への摩擦ローラ(35)の圧接力を調節する場合は、前述のように、ベースブロック(31)の長孔(311)部に設けられたボルト(36)を緩め、この状態でベースブロック(31)を先端バー(16)の突条(160)(160)に沿って移動させ、その後、ボルト(36)を再度締め付ければよい。これにより、シャッタ用開閉板(21)の幅方向への制動装置(3)の位置調節が行え、前記堤部(111)に対する摩擦ローラ(35)の圧接力を、シャッタ用開閉板の重量に応じて適正に設定できる。
【0030】
又、摩擦ローラ(35)をサイドフレーム(11)側に付勢する圧縮バネ(40)を、弾性力の異なるものに取り替えることにより、サイドフレーム(11)に対する摩擦ローラ(35)の圧接力を適正な値に調節することができる。
【0031】
[その他]
1.上記実施の形態では、図1の破線で示すように、シャッタ用開閉板(21)の両側縁近傍の夫々に制動装置(3)(3)を配設したが、シャッタ用開閉板(21)の一方の側縁部近傍にのみ制動装置(3)を設けたものも、本願発明の範囲に含まれる。
2.摩擦ローラ(35)の外周輪(45)の表面に、摩擦力を高める為の微小な凹凸を形成してもよい。
【0032】
3.上記実施の形態では、工作室(18)の開口部(B)を開閉するシャッタに本発明を適用したが、本発明は、建物の出入り口等の種々の開口部を開閉するシャッタに適用できる。
4.上記実施の形態では、シャッタ用開閉板(21)の開動作に伴う摩擦ローラ(35)の正回転を許容する一方、摩擦ローラ(35)の逆回転を阻止するようにした。これに対し、シャッタ用開閉板(21)の開動作に伴う正回転が許容される一方、逆回転時には回転抵抗が生じて低速回転するローラ(回転が抑制されるローラ)を設けてもよい。
【0033】
5.図2の想像線で示すように、サイドフレーム(11)の直線状レール(11A)に既述従来例と同様な構成の衝撃受(10)(図示しない引っ張りバネで上方に付勢されている。)を昇降自在に設ける一方、直線状レール(11A)の上部から第1コーナレール(11E)に至る範囲には制動装置(3)の摩擦ローラ(35)が圧接される凸条(5)を設けても良い。そして、摩擦ローラ(35)は凸条(5)にのみ圧接し、該凸条(5)から外れた領域ではサイドフレーム(11)から離反する構成にする。又、シャッタ用開閉板(21)の閉動作の途中で摩擦ローラ(35)が凸条(5)から下方に脱出した時には、シャッタ用開閉板(21)の下端が衝撃受(10)で受け止められる構成にする。即ち、閉動作するシャッタ用開閉板(21)には、摩擦ローラ(35)と凸条(5)の摩擦による制動力か、又は、衝撃受(10)で受け止められることによる制動力かの、何れか一方のみが作用する構成にする。
【0034】
このようにすれば、衝撃受(10)でシャッタ用開閉板(21)が受け止められた後も摩擦ローラ(35)による制動力が作用する場合(摩擦ローラ(35)と衝撃受(10)の両制動力が作用する場合)のように、衝撃受(10)で受け止められた後のシャッタ用開閉板(21)を強制的に押し下げなければならないような、不都合は生じない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係るシャッタ
【図2】図1に於いて、シャッタ用開閉板(21)を開放した状態のII−II断面図
【図3】ヒンジ部材(26)部分の拡大断面図
【図4】制動装置(3)の配設部の横断面図
【図5】制動装置(3)の配設部の正面図
【図6】制動装置(3)のベースブロック(31)と、シャッタ用開閉板(21)の先端バー(16)との結合部の断面図
【図7】制動装置(3)の摩擦ローラ(35)部分の断面図
【図8】従来例の説明図
【図9】従来例の説明図
【符号の説明】
【0036】
(11)・・・サイドフレーム
(112)・・・ガイド溝
(21)・・・シャッタ用開閉板
(S)・・・スラット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスラットを互いに折り曲げ可能に連結したシャッタ用開閉板(21)の両側縁部をスライド自在に保持するガイド溝(112)を備えた左右一対のサイドフレーム(11)(11)と、
閉動作する前記シャッタ用開閉板(21)を制動する制動装置を備えた、シャッタにおいて、
前記制動装置は、
前記サイドフレーム(11)の長手方向に沿った外面に圧接されつつ回転するローラであり、
前記ローラは、前記シャッタ用開閉板(21)の開動作に伴う回転が許容される一方、前記回転とは逆方向の回転が抑制される機能を備ている、シャッタ。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッタに於いて、
前記ローラは、バネによって前記サイドフレーム(11)の外面に圧接されている、シャッタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のシャッタに於いて、
前記制動装置は、前記シャッタ用開閉板(21)の幅方向へ位置調節可能に設けられており、
前記サイドフレーム(11)のシャッタ用開閉板(21)側に臨む面に、前記ローラが圧接される構成である、シャッタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載のシャッタに於いて、
前記制動装置は、シャッタ用開閉板(21)の幅方向の両側部の夫々に設けられている、シャッタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載のシャッタに於いて、
前記ローラの外周は、摩擦係数の大きな軟質合成樹脂で形成されている、シャッタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate