説明

シャトルのガイドの位置を保持する機構を備えた加工装置

【課題】切削負荷が大きく加工反力が大きい場合でもワークの加工が可能な、往復運動装置を備えた加工装置を提供すること。
【解決手段】工具が取り付けられたスライド部材3とガイド部材2で構成され、固定されたベース1とガイド部材2の間に軸受A、スライド部材3とガイド部材2の間に軸受Bを備え、かつ、ガイド部材2とスライド部材3が同軸上を移動できるように構成し、ガイド部材2とスライド部材3の間で推力を発生させる機構を備え、スライド部材3の直線移動ストロークの両端で、スライド部材3とガイド部材2の間で軸方向に反発力が働くようにスライド部材3の移動方向反転用の永久磁石4を、スライド部材3とガイド部材2に配置した加工装置であり、ガイド部材2とベース1にそれぞれガイド部材2を保持するための永久磁石22,4を搭載し、ガイド部材2の軸方向位置を非接触で保持する保持力を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具を搭載したスライドを高速往復運動させて溝加工を行う加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回折格子や液晶表示装置に用いられる導光板を成形するための金型では、何百〜何万本もの溝を加工する必要がある。このような多数の溝を加工する加工において、加工時間を短縮するためには高速な送り軸を持つ加工機が必要である。一般的な工作機械に使用されている直線軸は、スライドの重量が大きいので高速駆動には適さない。
【0003】
高速・高精度の加工を実現する送り機構として、空気軸受とリニアモータとを組み合わせた構造が知られている。このような構造の送り軸として特許文献1には、工具を搭載した最小限のスライド(シャトル)のみを高速往復運動させて微細溝を加工する、加工装置の技術が開示されている。この加工装置に用いられる高速往復運動装置は、シャトルのストロークエンドで磁石を使ってシャトルを反転させ、シャトルの反転時の反動を打ち消す機構を搭載し、1方向の引き切り加工を行うものである。
【0004】
【特許文献1】特開2007−130712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術で説明した高速往復運動装置は1方向で引き切り加工を行う。例えば、引き切り加工の切削を往復運動のうち往路で行うとすると、工具を搭載したスライドは、この往路でのみ加工反力を受ける。そのため、スライドには減速方向の加速度が生じることから、速度が遅くなる。一方、復路では切削を行なわないことから、スライドは加工反力を受けない。そのため、スライドは減速方向の加速度による速度の低下がない。
【0006】
したがって、往復運動装置のストロークエンドでスライド部材(シャトルとも称する)が磁石の力で反転するときにガイドに伝わる反動力は、速度の大きい復路から往路へ反転する時の方が、速度の遅い往路から復路へ反転する時に比べて大きくなる。
【0007】
このため、スライドが往復運動するストロークの両端での反動力が異なるので、加工反力が工具に伝わる方向にガイドが動かされる。換言すると、加工反力は工具を取り付けてあるスライド(シャトル)を介してガイドに伝わる。このため、ガイドを軸方向に支持するための機構が必要となる。
【0008】
特許文献1に開示される加工装置では、工具に加わる加工反力に対向する機構を備えていない。したがって、特許文献1に開示される加工装置では、重切削や高硬度材料など切削負荷が大きい加工を行うのは困難である。
【0009】
また、前記往復運動装置では流体軸受として静圧油軸受や静圧空気軸受を使用している。静圧油軸受は粘性抵抗が高いため高速駆動に適さないし、静圧空気軸受は高速駆動に適しているが軸受剛性が低いため、切削負荷が大きい加工には適さない。
【0010】
そこで本発明の目的は、上述の課題を改善し、切削負荷が大きく加工反力が大きい場合でもワークの加工が可能な、往復運動装置を備えた加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の請求項1に係る発明は、工具が取り付けられたスライド部材と該スライド部材をガイドするガイド部材で構成され、固定されたベースと前記ガイド部材の間に軸受を備え、前記スライド部材と前記ガイド部材の間に軸受を備え、かつ、ガイド部材とスライド部材が同軸上を移動できるように構成し、前記ガイド部材と前記スライド部材の間で推力を発生させる機構を備え、前記スライド部材の直線移動ストロークの両端で、前記スライド部材と前記ガイド部材の間で軸方向に反発力が働くように前記スライドの移動方向反転用の永久磁石を、前記スライド部材と前記ガイド部材に配置した加工装置において、
前記ガイド部材の軸方向の位置を保持するための保持機構を搭載したことを特徴とする加工装置である。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記保持機構は、前記ガイド部材の軸方向位置を保持するための保持力が、前記ガイド部材と前記ベースの間で働き、該ベースに対する前記ガイド部材のストローク中心付近では、前記保持力が平衡している状態になり、前記ガイド部材がストローク中心付近からずれると、前記ガイド部材をストロークの中心位置に戻す保持力が加わる機構であることを特徴とする請求項1に記載の加工装置である。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記ガイド部材と前記ベースにそれぞれガイド部材を保持するための永久磁石を搭載し、前記ガイド部材の軸方向位置を非接触で保持する前記保持力を発生させることを特徴とする請求項2に記載の加工装置である。
【0014】
請求項4に係る発明は、前記ガイド部材を保持するための永久磁石のうち、前記ガイド部材に搭載される永久磁石は、請求項1に記載の前記移動方向反転用の永久磁石を利用することを特徴とする請求項3に記載の加工装置である。
【0015】
請求項5に係る発明は、前記推力を発生させる機構は、リニアモータであり、該リニアモータに用いられる駆動用磁石を前記ガイド部材の保持に利用することを特徴とする請求項3に記載の加工装置である。
【0016】
請求項6に係る発明は、前記ガイド部材を保持するための永久磁石は、ガイド部材側の磁石とベース側の磁石との離間距離を任意に調節可能な距離調整機構に取り付けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の加工装置である。
【0017】
請求項7に係る発明は、前記ベースと前記ガイド部材の間の軸受と、前記ガイド部材と前記スライド部材の間の軸受の少なくとも一方が、転がり軸受であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の加工装置である。
【0018】
請求項8に係る発明は、前記ベースと前記ガイド部材の間の軸受を転がり軸受とし、前記ガイド部材と前記スライド部材の間の軸受を流体軸受としたことを特徴とする請求項7に記載の加工装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、切削負荷が大きく加工反力が大きい場合でもワークの加工が可能な、往復運動装置を備えた加工装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面とともに説明する。
図1は、本実施形態の加工装置の要部斜視図である。図2は、ガイド部材2の軸方向に沿って図1に示される切断線に沿って切断した断面図である。図3は、スライド部材3の部分の拡大断面図である。
【0021】
符号1はこの加工装置のベースであり、ベース1がこの加工装置の設置位置に固定される。ベース1はガイド部材2の両端部領域を軸受Aで軸受している。また、ベース1にはガイド保持用ネジ孔20が設けられている。ガイド部材2には、スライド部材3がガイド部材2の軸方向に移動可能に軸受Bで軸受されている。そして、スライド部材3とガイド部材2は同軸上を移動する。スライド部材3の内部には後述するリニアモータを構成するコイルと反転用永久磁石が取り付けられている。ガイド用軸受Aとスライド用軸受Bは流体軸受または転がり軸受を用いることができる。
【0022】
図2に示されるように本実施形態では、ガイド部材2に対してスライド部材3が往復運動するストロークの両端部に対応するガイド部材2の位置に、駆動用永久磁石6が配置され、その間に鉄心を配置したタイプのリニアモータとしている。さらに、ガイド部材2には、スライド部材3の往復動作のストローク両端部に対応するガイド部材2の位置(駆動用永久磁石6の配設よりさらに外側)に反転用永久磁石4が配設されている。
【0023】
反転用永久磁石4は、その磁極の向きがガイド部材2の軸方向(スライド部材3の往復動作方向)に対して垂直な向きに配設されている。駆動用永久磁石6は、反転用永久磁石4の磁力を強めるように配置されている。図2に示される実施形態では、ガイド部材2の軸方向に垂直な方向の断面形状が概略矩形をしていることから、反転用の永久磁石4は、4つが一組となって、ストロークの両端部にそれぞれ、ストローク間の磁極の向きが軸方向に対して垂直となり、ガイド部材2の各ガイド表面に対して同位置面となるように配置されている。
【0024】
また、スライド部材3は、中心部にガイド部材2の対向面に対向するようにコイル7が配置され、両側(スライド部材3の移動方向に沿った両側)にガイド部材2の対向面に対向するように、かつ、磁極の向きがスライド部材3の往復運動の方向に対して垂直となるように反転用永久磁石5が配置され、ガイド部材2に設けられた反転用永久磁石4と作用し反発し合うように構成されている。
図2に示されるようにベース1には、符号1aのベース部に2箇所、符号1bのベース部に2箇所の計4箇所にガイド保持用ネジ孔20が設けられている。これらのガイド保持用ネジ孔20には、イモネジ21が螺挿され、イモネジ21と一体となったガイド保持用永久磁石22が入っている。イモネジ21はガイド保持用ネジ孔20から回動させることができるので、ガイド保持用永久磁石22はガイド保持用ネジ孔20内での位置を変更でき、ガイド部材2との離間距離を調整することができる。
【0025】
そして、ベース部1aとベース部1bとで独立してガイド保持用永久磁石22の位置を調整できることから、ガイド部材2への反力の大きさに応じてストローク両端でそれぞれ異なった保持力を設定できる。
【0026】
そして、ガイド保持用永久磁石22の磁極とガイド部材2側の反転用永久磁石4の磁極とが斥力(反発力)を発生するように配置されている。この永久磁石の配置により、ガイド部材2はベース部1a,1bの左右からガイド部2の中心方向の力を受け、ベース1に対して中央でバランスする。
【0027】
ガイド部材2を保持する永久磁石を図2に示すように対称に配置していることから、ガイド部材2に加わる力はガイド部材2の移動軸方向のみとなり、ガイド部材2のベース1に対する真直運動精度に影響しない。
【0028】
図2では、ガイド部材2に搭載されている反転用永久磁石4が駆動用永久磁石6よりもベース1のガイド保持用永久磁石22に距離が近い配置になっている。この配置に換えて、駆動用永久磁石6の方がガイド保持用永久磁石22に距離が近い配置である場合には、駆動用永久磁石6の磁力を利用するようにしてもよい。
【0029】
ガイド部材2の磁石間の距離を短くすると反発力が強まり、ガイド部材2を保持する力も強くなる。しかし、往復運動するスライド部材3の反力を受けてガイド部材2も往復運動をしていることから、ベース1側のガイド保持用永久磁石22を介してベース1に伝わる力も増大する。そうすると、加工装置がスライド部材2の反動をベース1に伝えない構造となっている意味が薄れてしまう。したがって、ガイド部材2を保持する力は、加工反力を考慮した上で最小の保持力であることが望ましい。
【0030】
そして、イモネジ21を緩めたり締めたりすることにより、ガイド保持用永久磁石22とガイド部材2側の磁石間の距離を調整することができることから、ガイド部材2がバランスする位置を調整できる。これを利用し、加工装置の軸方向が水平に対して傾いている場合にも、イモネジ21を調整して、ガイド部材2を中央に持ってくることができる。
【0031】
図3に示されるように、スライド部材3とガイド部材2の間にリニアモータを構成するコイル7、反転用永久磁石5が配置されている。板ばねなどの弾性部材12が、スライド部材3に固着されている。ワーク(図示を省略)に対して溝加工を行う工具13が、弾性部材12に工具固定ネジ14で取り付けられている。弾性部材12とスライド部材3の本体間には、ピエゾ素子11が配置されている。ピエゾ素子11は制御手段(図示を省略)によって駆動され伸縮する。本実施形態の加工機は、このピエゾ素子11の伸縮により板バネ等の弾性部材12を介して工具13をワーク方向に出入りさせて、ワークに溝加工する切り込み量を変更するようにしている。
【0032】
図4は、図1で示される加工装置でガイド用軸受Aとスライド用軸受Bとに転がり軸受を使用した一例を示す図である。転がり軸受としては、例えば、玉軸受、ローラ軸受を用いることができる。軸受Bにはボール循環式の転がり軸受を用いるとよい。図4は図1の切断線で切断した断面図である。図4は、ベース1とガイド部材2の間の軸受Aとガイド部材2とスライド部材3の間の軸受Bとに、転がり軸受を用いた実施形態を示している。図4では、軸受Bにはボール循環式の転がり軸受を用いる例が示されている。
【0033】
焼入れ鋼や超硬、あるいは、ガラスのような硬い材料の加工や切り込み量の大きい重切削加工では、切削反力が大きくなる。このように、加工負荷が大きい場合に空気軸受のような流体軸受を使用すると軸受剛性が低いため、ワークの加工面にビビリを生じる。
なお、超硬は超硬合金で、炭化タングステンとコバルトを主成分とする非常に硬い材料である。そのため、切削反力が大きくなる。
【0034】
このように加工負荷が大きい場合には軸受剛性の高い軸受を用いることにより、加工精度の高い加工が可能となる。軸受Aと軸受との両方を転がり軸受としてもよいし、軸受Aだけを転がり軸受としたり、軸受Bだけを転がり軸受としたりしてもよい。転がり軸受を採用しない軸受は流体軸受を採用するとよい。
【0035】
本発明の加工装置は、ガイド部材2の軸方向の位置を保持するための保持機構を備えたことで、加工負荷が大きいワークの加工を実行するための転がり軸受を、シャトルのガイドの位置を保持する機構を備えた加工装置に用いることができるようになった。
【0036】
図5は、図1に示される軸受Bを空気軸受としスライド部材3をガイド部材2に軸受する実施形態である。スライド部材3には空気入口10および空気入口10と連通する空気配管9が設けられている。空気配管9に導入された圧縮空気をガイド部材2の対向面に噴射することによって、スライド部材3は空気圧力により軸受される。また、図1に示される軸受Aを空気軸受とし、ガイド部材2をベース1に軸受する場合も前述と同様な構造を採用し、軸受Aを、ベース1からガイド部材2の対向面に圧縮空気を噴射する空気軸受とすることができる。なお、空気軸受により軸受する技術は、特許文献1に開示されているように公知の技術を採用できる。
【0037】
次に、図1〜図3を用いてスライド部材3の往復運動について説明する。
スライド部材3のコイル7に電流を流しリニアモータを駆動してスライド部材3を一方の方向に移動させる。スライド部材3の往復運動のストロークエンドになるとコイル7に流す電流の向きを変えて、スライド部材3の移動方向を反転させる。この移動方向反転時には、ガイド部材2に設けた反転用永久磁石4と、スライド部材3に設けた反転用永久磁石5との距離が短くなり反発力が発生する。スライド部材3は、この反転用永久磁石4と反転用永久磁石5との間に働く反発力により急激に加速され、かつ、反転方向への力を受けてスライド部材3は反転方向に加速されることになる。
【0038】
この反転用永久磁石4,5の反発力により、スライド部材3は力を受けて加速されることになることから、スライド部材3のストロークの両端に対応するガイド部材2の位置に、駆動用永久磁石6を配置して構成した推力の小さいモータでも、工具13を駆動しワークに対して加工することができる。
【0039】
工具13(スライド部材3)の往復運動のストロークは一定のものに限定されるが、反転用永久磁石4,5によって往復動作を受けることから、省エネルギーで効率の良いものが得られる。また、ストロークの端に駆動用永久磁石6を配置したタイプのリニアモータであることから、推力リップルやコギングが発生することもなく、精度の高い直線移動となり、高精度の直線溝加工が可能である。
【0040】
以上のように、スライド部材3に設けたコイル7に流す電流の向きを変えることによって、スライド部材3を往復運動させて、かつ、このスライド部材3の往復運動の際、ピエゾ素子11を駆動制御する制御手段により、例えば、スライド部材の往動時にはピエゾ素子11に所定の電流を流して伸長させ、工具13に所定量の切り込み量を与えてワークに
に対して引き切り切削加工を行う。復動時にはピエゾ素子11を縮小させ工具13がワークに干渉しない位置まで退避させて復帰させる。その後、図示しない手段によりワークを相対的にスライド部材3の往復動作方向と直交する方向に移動させて、前述したように溝加工を行う。なお、工具13の切り込み量はピエゾ素子11に印加する電圧の大きさによって制御する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態の加工装置の要部斜視図である。
【図2】図1で示される加工装置のガイド部材2の軸方向に沿って図1に示される切断線に沿って切断した断面図である。
【図3】図1に示される加工装置のスライド部材3の部分の拡大断面図である。
【図4】図1で示される加工装置で軸受Aと軸受Bとに転がり軸受を使用した一例を示す図である。
【図5】図1で示される軸受Bを空気軸受とする実施形態の一例である。
【符号の説明】
【0042】
1 ベース
2 ガイド部材
3 スライド部材
4、5 反転用永久磁石
6 駆動用永久磁石
7 コイル
8 鉄心
9 空気配管
10 空気入口
11 ピエゾ素子
12 弾性部材
13 工具
14 工具固定ネジ
20 ガイド保持用ネジ孔
21 イモネジ(すり割り付き止めネジ)
22 ガイド保持用永久磁石
A ガイド用軸受
B スライド用軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具が取り付けられたスライド部材と該スライド部材をガイドするガイド部材で構成され、固定されたベースと前記ガイド部材の間に軸受を備え、前記スライド部材と前記ガイド部材の間に軸受を備え、かつ、ガイド部材とスライド部材が同軸上を移動できるように構成し、前記ガイド部材と前記スライド部材の間で推力を発生させる機構を備え、前記スライド部材の直線移動ストロークの両端で、前記スライド部材と前記ガイド部材の間で軸方向に反発力が働くように前記スライドの移動方向反転用の永久磁石を、前記スライド部材と前記ガイド部材に配置した加工装置において、
前記ガイド部材の軸方向の位置を保持するための保持機構を搭載したことを特徴とする加工装置。
【請求項2】
前記保持機構は、前記ガイド部材の軸方向位置を保持するための保持力が、前記ガイド部材と前記ベースの間で働き、該ベースに対する前記ガイド部材のストローク中心付近では、前記保持力が平衡している状態になり、前記ガイド部材がストローク中心付近からずれると、前記ガイド部材をストロークの中心位置に戻す保持力が加わる機構であることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記ガイド部材と前記ベースにそれぞれガイド部材を保持するための永久磁石を搭載し、前記ガイド部材の軸方向位置を非接触で保持する前記保持力を発生させることを特徴とする請求項2に記載の加工装置。
【請求項4】
前記ガイド部材を保持するための永久磁石のうち、前記ガイド部材に搭載される永久磁石は、請求項1に記載の前記移動方向反転用の永久磁石を利用することを特徴とする請求項3に記載の加工装置。
【請求項5】
前記推力を発生させる機構は、リニアモータであり、該リニアモータに用いられる駆動用磁石を前記ガイド部材の保持に利用することを特徴とする請求項3に記載の加工装置。
【請求項6】
前記ガイド部材を保持するための永久磁石は、ガイド部材側の磁石とベース側の磁石との離間距離を任意に調節可能な距離調整機構に取り付けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の加工装置。
【請求項7】
前記ベースと前記ガイド部材の間の軸受と、前記ガイド部材と前記スライド部材の間の軸受の少なくとも一方が、転がり軸受であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の加工装置。
【請求項8】
前記ベースと前記ガイド部材の間の軸受を転がり軸受とし、前記ガイド部材と前記スライド部材の間の軸受を流体軸受としたことを特徴とする請求項7に記載の加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−233837(P2009−233837A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86426(P2008−86426)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)