説明

シャボン玉液組成物

【課題】吹き具やリング状の器具を浸した際に液ダレが生じ難く使用性に優れ、子供が吹き具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、また大きな直径のリング状の器具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、さらに、生成されたシャボン玉が割れ難く持続性に優れるシャボン玉液組成物の提供。
【解決手段】(A)アルキルエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤を0.3〜3質量%、(B)アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤を0.1〜2質量%、(C)アミドベタイン型両性界面活性剤またはアルキルベタイン型両性界面活性剤を0.3〜3質量%、(D)1質量%水溶液の25℃における粘度が500〜6000mPa・sである非イオン性高分子を0.05〜0.8質量%、(E)単糖類または二糖類を0.05〜1質量%、(F)グリセリンまたは重合度が2〜6であるポリグリセリンを0.3〜3質量%を含有するシャボン玉液組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャボン玉液組成物に関するものであり、さらに詳しくは、ストロー等の吹き具や針金等で作製されたリング状の器具を浸してからシャボン玉を生成するまでの間に液ダレが生じ難く使用性に優れ、かつ、子供がストロー等の吹き具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、また大きな直径のリング状の器具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、さらに、生成されたシャボン玉が割れ難く持続性に優れるシャボン玉液組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャボン玉は、子供の遊び道具や舞台・演劇の小道具の一つとして、古くから幅広く親しまれている。シャボン玉を生成させる代表的な方法として、ストロー等の吹き具を使用する方法と、針金等で作製されたリング状の器具を使用する方法がある。具体的には、前者は、吹き具の先端部をシャボン玉液に浸して皮膜を張り、後端部から息を吹き込むことでシャボン玉を生成させる方法である。後者は、リング部分をシャボン玉液に浸して皮膜を張り、手で器具を動かす、もしくは息を吹き込むことでシャボン玉を生成させる方法である。後者の方法においては、リング部分の大きさを変えることにより、様々な大きさのシャボン玉を生成させることが可能であり、リングの直径を大きくすると大きなシャボン玉を生成できる。その他の方法として、パーティー会場の演出などに大量のシャボン玉を生成させる自動発生機の使用が挙げられる。
【0003】
シャボン玉液は、通常、界面活性剤を主な成分として作られており、市販の台所用中性洗剤や家庭用液体洗剤を水で希釈することで容易に得ることもできる。しかし、このようなシャボン玉液では、生成されたシャボン玉が割れやすく、遊び道具や舞台・演劇の小道具としては満足のいくものではない。また、リング状の器具を使用したときには、リング部分に上手く皮膜を張れずシャボン玉の生成が困難であり、さらに吹き具やリング状の器具をシャボン玉液に浸してからシャボン玉を生成するまでの間に液ダレが生じ使用性が悪い。そこで、これらの課題を解決するため、各種シャボン玉液が提案されている。
【0004】
特許文献1では、ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を含むシャボン玉液が提案されている。しかしながら、シャボン玉液の粘性が低いので、生成されたシャボン玉の持続性は十分ではなかった。そこで、特許文献2では、界面活性剤と非イオン性高分子を組み合わせたシャボン玉用組成物が提案されている。しかしながら、この組成物では、子供がストロー等の吹き具を使用したとき、吹き込む呼気量が少ないので、容易にシャボン玉を生成することができなかった。また、特許文献3では、アルキルベタイン型両性界面活性剤とカチオン化セルロース、グリセリンおよび/またはグリコールを組み合わせたしゃぼん玉液組成物が提案され、特許文献4では、アルキルエーテル型アニオン界面活性剤とアルキルエーテル型非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性高分子を組み合わせたシャボン玉組成物が提案されている。しかしながら、これら組成物は直径の大きな(例えば15cm以上の)リング状の器具を使用して容易にシャボン玉を生成することができず、満足のいくものではなかった。さらに、吹き具やリング状の器具を浸してからシャボン玉を生成するまでの間に液ダレが生じてしまい、使用性については改善されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−305178号公報
【特許文献2】特開2003−301200号公報
【特許文献3】特開2008−5887号公報
【特許文献4】特開2009−91396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、ストロー等の吹き具や針金等で作製されたリング状の器具を浸してからシャボン玉を生成するまでの間に液ダレが生じ難く使用性に優れ、かつ、子供がストロー等の吹き具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、また大きな直径のリング状の器具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、さらに、生成されたシャボン玉が割れ難く持続性に優れるシャボン玉液組成物を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、(A)アルキルエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤、(B)アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤、(C)アミドベタイン型両性界面活性剤またはアルキルベタイン型両性界面活性剤、(D)特定の非イオン性高分子、(E)単糖類または二糖類、(F)グリセリンまたは重合度が2〜6であるポリグリセリンを特定の比率で組み合わせることで、上記課題を解決できるシャボン玉液組成物が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)式1で示されるアルキルエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤を0.3〜3質量%、(B)式2で示されるアルカノールアミド型非イオン性界面活性剤を0.1〜2質量%、(C)式3で示されるアミドベタイン型両性界面活性剤または式4で示されるアルキルベタイン型両性界面活性剤を0.3〜3質量%、(D)1質量%水溶液の25℃における粘度が500〜6000mPa・sである非イオン性高分子を0.05〜0.8質量%、(E)単糖類または二糖類を0.05〜1質量%、(F)グリセリンまたは重合度が2〜6であるポリグリセリンを0.3〜3質量%を含有するシャボン玉液組成物である。
【0009】
【化1】

(式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基、または炭素数8〜20のアルケニル基、Mはアルカリ金属、有機アミン、またはアンモニウム、nは1〜8の整数を表す。)
【0010】
【化2】

(式中、RCOは炭素数8〜20のアシル基、Rは水素原子、または−COHを表す。)
【0011】
【化3】

(式中、RCOは炭素数8〜20のアシル基、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、nは2〜4の整数を表す。)
【0012】
【化4】

(式中、Rは炭素数8〜20のアルキル基、または炭素数8〜20のアルケニル基、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
【発明の効果】
【0013】
本発明のシャボン玉液組成物によれば、ストロー等の吹き具や針金等で作製されたリング状の器具を浸してからシャボン玉を生成するまでの間に液ダレが生じ難く使用性に優れ、かつ、子供がストロー等の吹き具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、また大きな直径のリング状の器具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、さらに、生成されたシャボン玉が割れ難く持続性に優れるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明のシャボン玉液組成物は、下記(A)成分〜(F)成分を含有し、さらに水を含有する水溶液である。なお、下記に示す各成分の含有量は使用時における含有量である。本発明のシャボン玉液組成物は、各成分が下記に示す含有量である水溶液組成物に限らず、水を添加することにより各成分を溶解して下記の含有量にする形態、下記に示す含有量よりも高濃度の水溶液組成物を水で希釈して下記の含有量にする形態の組成物をも概念的に包含するものである。
【0015】
〔(A)成分〕
本発明に用いられる(A)成分は、下記式1で示されるアルキルエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤であり、炭素数8〜22の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基に、1分子当たり1〜8モルのエチレンオキサイドが付加し、さらに硫酸化した構造を有するアニオン性の界面活性剤である。
【0016】
【化5】

【0017】
式中のRは炭素数8〜22のアルキル基、または炭素数8〜20のアルケニル基であり、好ましくは炭素数10〜20、より好ましくは炭素数12〜18の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基である。M1はアルカリ金属、有機アミン、またはアンモニウムである。アルカリ金属としては、ナトリウムやカリウム等が挙げられる。有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン等が挙げられる。好ましいMはアルカリ金属である。nはエチレンオキサイドの平均付加モル数であって、1〜8の整数であり、好ましくは2〜5、より好ましくは2〜3の整数である。(A)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
上記の(A)アルキルエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤の含有量は、組成物中に0.3〜3質量%であり、好ましくは0.5〜2質量%であり、さらに好ましくは0.7〜1.5質量%である。0.3質量%未満ではシャボン玉の持続性に欠け、3質量%を超えると子供が吹き具を使用した時にシャボン玉の生成がし難くなる。
【0019】
〔(B)成分〕
本発明に用いられる(B)成分は、式2で示されるアルカノールアミド型の非イオン性界面活性剤である。
【0020】
【化6】

【0021】
式中のRCOは炭素数8〜20のアシル基であり、好ましくは炭素数10〜18、より好ましくは炭素数12〜18のアシル基である。また、混合脂肪酸由来のアシル基を用いることができ、混合脂肪酸としては、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などが挙げられる。Rは水素原子、または−COHを表す。なお、式2で示されるアルカノールアミド型非イオン性界面活性剤には、一般的に1:1型と1:2型があり、安定性の点から1:1型が好ましい。(B)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0022】
上記の(B)アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤の含有量は、組成物中に0.1〜2質量%であり、好ましくは0.3〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜1質量%である。0.1質量%未満では使用性に欠け、2質量%を超えると子供が吹き具を使用した時にシャボン玉の生成がし難く、またシャボン玉の持続性に欠ける。
【0023】
〔(C)成分〕
本発明に用いられる(C)成分は、式3で示されるアミドベタイン型両性界面活性剤または式4で示されるアルキルベタイン型両性界面活性剤である。
【0024】
【化7】

【0025】
式中のRCOは炭素数8〜20のアシル基であり、好ましくは炭素数10〜18、より好ましくは炭素数12〜18のアシル基である。また、混合脂肪酸由来のアシル基を用いることができ、混合脂肪酸としては、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などが挙げられる。R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。nは2〜4の整数であり、好ましくは3である。
【0026】
【化8】

【0027】
式中のRは炭素数8〜20のアルキル基、または炭素数8〜20のアルケニル基であり、好ましくは炭素数10〜18、より好ましくは炭素数12〜18の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基である。R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
【0028】
(C)成分として、上記アミドベタイン型両性界面活性剤を1種または2種以上を用いることができ、また上記アルキルベタイン型両性界面活性剤を1種または2種以上を用いることができる。さらに、上記アミドベタイン型両性界面活性剤と上記アルキルベタイン型両性界面活性剤を併用することもできる。
【0029】
上記の(C)アミドベタイン型両性界面活性剤またはアルキルベタイン型両性界面活性剤の含有量は、組成物中に0.3〜3質量%であり、好ましくは0.5〜2質量%であり、さらに好ましくは0.7〜1.5質量%である。0.3質量%未満ではシャボン玉の持続性に欠け、3質量%を超えると子供が吹き具を使用した時にシャボン玉の生成がし難くなる。また、(A)成分と(C)成分の各含有量の合計量に対する(B)成分の含有量の配合比、すなわち(B)/{(A)+(C)}は、使用性、シャボン玉の持続性の点から、質量比で1/2以下が好ましい。なお、アミドベタイン型両性界面活性剤とアルキルベタイン型両性界面活性剤を併用する場合は、両者の合計量が上記規定の範囲内となるように設定される。
【0030】
〔(D)成分〕
本発明に用いられる(D)成分の非イオン性高分子は、1質量%水溶液の25℃における粘度が500〜6000mPa・sの高分子である。かかる非イオン性高分子としては、具体的には、キサンタンガムなどの天然ガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられるが、好ましくはヒドロキシエチルセルロースである。なお、粘度は、例えば、B型粘度計を用いて、ローターNo.3、12rpm、100s、25℃の条件で測定して求められる。(D)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0031】
上記の(D)非イオン性高分子の含有量は、組成物中に0.05〜0.8質量%であり、好ましくは0.1〜0.6質量%であり、さらに好ましくは0.2〜0.5質量%である。0.05質量%未満では使用性、シャボン玉の持続性が不十分であり、0.8質量%を超えると子供が吹き具を使用した時にシャボン玉の生成がし難くなる。
【0032】
〔(E)成分〕
本発明に用いられる(E)成分の糖類は、単糖類、または単糖2分子が脱水縮合し、グリコシド結合を形成して1分子となった二糖類である。具体的には、単糖類としてはグルコース、キシロース、ガラクトース、フルクトース等が挙げられ、二糖類としてはスクロース、マルトース、ラクトース、トレハロース、サッカロース等が挙げられる。(E)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0033】
上記の(E)単糖類または二糖類の含有量は、組成物中に0.05〜1質量%であり、好ましくは0.1〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.2〜0.6質量%である。0.05質量%未満では使用性に欠け、またリング状の器具を使用した時にシャボン玉が生成し難くなり、1質量%を超えるとシャボン玉の持続性が低下する。
【0034】
〔(F)成分〕
本発明に用いられる(F)成分はグリセリンまたはポリグリセリンであり、ポリグリセリンは少なくとも1個のエーテル結合を有する重合度2〜6のグリセリンの縮合物である。重合度2〜6のグリセリンの縮合物であるポリグリセリンの具体的なものとしては、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリンが挙げられる。(F)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0035】
上記の(F)グリセリンまたは重合度が2〜6であるポリグリセリンの含有量は、組成物中に0.3〜3重量%であり、好ましくは0.5〜2質量%であり、さらに好ましくは0.7〜1.5質量%である。0.3質量%未満では使用性が不十分であり、またリング状の器具を使用した時にシャボン玉が生成し難くなり、3質量%を超えるとシャボン玉の持続性が低下する。
【0036】
また、(E)成分と(F)成分の各含有量は、リング状の器具を使用した場合のシャボン玉の生成性が向上することから、(F)≧(E)の関係であることが好ましい。また、(E)成分と(F)成分の各含有量の合計量は3質量%以下であることが好ましい。合計量が3%質量%を超えると、シャボン玉の持続性が低下するおそれがある。
【実施例】
【0037】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0038】
〔実施例1〜5および比較例1〜10〕
シャボン玉液組成物として表1、2に示す組成物を調製し、下記の方法により評価を行った。その結果を表1、2に示す。なお、下記表中の%とあるのは、質量%を意味する。
【0039】
(1)使用性
市販のストローを各シャボン玉液組成物に浸し、組成物の液面から離して5秒間経過までの間に、地面に落下した液滴の数を計測した。この操作を5回行い、平均値を算出した。得られた結果について、次の4段階の基準にて使用性を評価し、「◎」および「○」を使用性が良いと判定した。
◎:地面に落下した液滴の数が2滴以下。
○:地面に落下した液滴の数が2滴より多く4滴以下。
△:地面に落下した液滴の数が4滴より多く6滴以下。
×:地面に落下した液滴の数が6滴より多い。
【0040】
(2)シャボン玉の生成性(ストロー使用時)
10名の子供(6〜11才)をパネラーとし、市販のストローを各シャボン玉液組成物に浸した後、吹き口から息を吹き込んだ時に、シャボン玉を容易に生成できたか否かを判断することにより評価した。評価結果は次の4段階の評価基準で表示し、「◎」および「○」を生成性が良いと判定した。
◎:10人中8人以上が「容易に生成できた」と回答。
○:10人中6〜7人が「容易に生成できた」と回答。
△:10人中4〜5人が「容易に生成できた」と回答。
×:10人中3人以下が「容易に生成できた」と回答。
【0041】
(3)シャボン玉の生成性(リング状の器具使用時)
10名の子供(6〜11才)をパネラーとし、直径30cmのリング状の器具を各シャボン玉液組成物に浸した後、ゆっくりと器具を動かした時に、シャボン玉を容易に生成できたか否かを判断することにより評価した。評価結果は次の4段階の評価基準で表示し、「◎」および「○」を生成性が良いと判定した。
◎:10人中8人以上が「容易に生成できた」と回答。
○:10人中6〜7人が「容易に生成できた」と回答。
△:10人中4〜5人が「容易に生成できた」と回答。
×:10人中3人以下が「容易に生成できた」と回答。
【0042】
(4)シャボン玉の持続性
ゴムスポイトを取り付けたガラス管の先端を各シャボン玉液組成物に浸した後、スポイトを押して生成されたシャボン玉が破裂するまでの時間を計測した。この操作を5回行い、平均値を算出した。得られた結果について、次の4段階の基準にてシャボン玉の持続性が良いか否かを評価し、「◎」および「○」を持続性が良いと判定した。なお、表1、2中の値は、算出された平均値の小数第1位を四捨五入した値である。
◎:破裂するまでの時間が15秒以上。
○:破裂するまでの時間が10秒以上15秒未満。
△:破裂するまでの時間が5秒以上10秒未満。
×:破裂するまでの時間が5秒未満。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
※1〔成分A−1は式1において、R:C12、C14のアルキル基、M:ナトリウム、n=2〕
※2〔成分A−2は式1において、R:C12、C14のアルキル基、M:トリエタノールアミン、n=3〕
※3〔成分Bは式2において、RCO:ヤシ油脂肪酸残基、R:−COH〕
※4〔成分C−1は式3において、RCO:ヤシ油脂肪酸残基、R:メチル基、R:メチル基、n=3〕
※5〔成分C−2は式4において、R:C12のアルキル基、R:メチル基、R:メチル基〕
※6「セロサイズQP−4400H」(ダウ・ケミカル社製、1質量%水溶液の25℃における粘度は700mPa・sである)
【0046】
実施例1〜5より、本発明のシャボン玉液組成物は、ストロー等の吹き具や針金等で作製されたリング状の器具を浸してからシャボン玉を生成するまでの間に液ダレが生じ難く使用性に優れ、かつ、子供がストロー等の吹き具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、また大きな直径のリング状の器具を使用しても容易にシャボン玉が生成され、さらに、生成されたシャボン玉が割れ難く持続性に優れるといった効果が得られていた。
【0047】
一方、比較例1〜10では十分な性能が得られていない。
比較例1では、(C)成分の配合量が本発明規定の下限値を下回っており、かつ、(D)成分が配合されていないことから、使用性およびシャボン玉の持続性において不十分であった。比較例2では、(A)成分および(E)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、ストロー使用時のシャボン玉の生成性およびシャボン玉の持続性において不十分であった。比較例3では、(B)成分および(D)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、ストロー使用時のシャボン玉の生成性が低く、シャボン玉の持続性において不十分であった。比較例4では、(B)成分が配合されておらず、かつ、(F)成分の配合量が本発明規定の下限値を下回っていることから、使用性およびリング状の器具使用時のシャボン玉の生成性において不十分であった。比較例5では、(C)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えており、かつ、(E)成分および(F)成分が配合されていないことから、使用性、リング状の器具使用時のシャボン玉の生成性が低く、ストロー使用時のシャボン玉の生成性およびシャボン玉の持続性において不十分であった。
【0048】
比較例6では、(A)成分、(B)成分および(E)成分が配合されていないことから、使用性が低く、リング状の器具使用時のシャボン玉の生成性およびシャボン玉の持続性において不十分であった。比較例7では、(E)成分および(F)成分が本発明規定の上限値を超えていることから、使用性、リング状の器具使用時のシャボン玉の生成性において不十分であり、シャボン玉の持続性が低かった。比較例8では、(A)成分が配合されておらず、かつ、(D)成分が他の成分に置き換えられていることから、使用性、リング状の器具使用時のシャボン玉の生成性およびシャボン玉の持続性において不十分であった。比較例9では、(A)成分が他の成分に置き換えられており、かつ、(E)成分が配合されていないことから、使用性が低く、リング状の器具使用時のシャボン玉の生成性およびシャボン玉の持続性において不十分であった。比較例10では、(B)成分が他の成分に置き換えられており、かつ、(F)成分が配合されていないことから、使用性が低く、ストローやリング状の器具使用時のシャボン玉の生成性およびシャボン玉の持続性において不十分であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)式1で示されるアルキルエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤を0.3〜3質量%、(B)式2で示されるアルカノールアミド型非イオン性界面活性剤を0.1〜2質量%、(C)式3で示されるアミドベタイン型両性界面活性剤または式4で示されるアルキルベタイン型両性界面活性剤を0.3〜3質量%、(D)1質量%水溶液の25℃における粘度が500〜6000mPa・sである非イオン性高分子を0.05〜0.8質量%、(E)単糖類または二糖類を0.05〜1質量%、(F)グリセリンまたは重合度が2〜6であるポリグリセリンを0.3〜3質量%を含有するシャボン玉液組成物。
【化1】

(式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基、または炭素数8〜20のアルケニル基、Mはアルカリ金属、有機アミン、またはアンモニウム、nは1〜8の整数を表す。)
【化2】

(式中、RCOは炭素数8〜20のアシル基、Rは水素原子、または−COHを表す。)
【化3】

(式中、RCOは炭素数8〜20のアシル基、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、nは2〜4の整数を表す。)
【化4】

(式中、Rは炭素数8〜20のアルキル基、または炭素数8〜20のアルケニル基、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表す。)


【公開番号】特開2013−90655(P2013−90655A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232763(P2011−232763)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】