説明

シャワーシステム

【課題】複数種類の液剤をシャワーヘッドから選択的に供給し得るシャワーシステムを提供する。
【解決手段】可撓性ホース12に接続して湯水を散布するハンド式のシャワーヘッド10に、単一の液剤供給ノズル14の開口部16を臨ませる。また、液剤供給ノズル14から所望の液剤を供給させるための各種操作指令を選択する選択ボタン24と、該選択ボタン24により選択された各種操作指令を発信するリモコン発信部18とをシャワーヘッド10の所要位置に配設する。更に、シャワーヘッド10とは別の個所に、リモコン発信部18からの各種操作指令を受信して、所要の制御手段に指令を出すリモコン受信部が設けられる。そして、使用者が所望の液剤と対応した選択ボタン24を押すことで、液剤供給ノズル14から液剤が供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シャワーシステムに関するものであって、更に詳細には、一般家庭や理髪店、宿泊施設等の浴室や洗面台に配設され、シャワーヘッドから各種の液剤を所望に応じて供給し得るシャワーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、一般家庭の浴室には、浴槽や洗い場に湯水を散布供給するシャワーヘッドを備えたシャワーシステムが設置されている。このシャワーシステムは、特許文献1に示すように、湯水を供給する蛇口から導出した可撓性のシャワーホースの端部にハンド式のシャワーヘッドが設けられ、該シャワーヘッドから湯水を拡散的に散布するものが一般的である。このようなシャワーシステムは、家庭の浴室に限らず、大衆浴場または宿泊施設における浴室等、様々な場所に設置されており、頭や体を洗い流す手段として好適に使用されている。
【0003】
また、理髪店や美容院等の洗髪台には、伸縮自在なシャワーホースに接続されたシャワーヘッドが設置され、顧客の洗髪をする際に使用されている。このようなタイプのシャワーシステムは、家庭の洗面台に配設されることもあり、該洗面台で洗髪等も行ない得るようになっている。
【特許文献1】特開2001−218690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に示すシャワーシステムを使用して、例えば、頭を洗う際には、シャワーヘッドをフック等の係止手段に係止させた状態で、シャンプー等の液剤をボトルから注出しなければならない。また理髪店の洗髪台に設置されたシャワーシステムにおいても、顧客の洗髪をする際には、各種ボトルから液剤を注出する度にシャワーヘッドを係止させなければならず、使用者にとって大変煩わしかった。
【0005】
また、浴室や洗髪台等に置かれるボトルは、シャンプーやリンス等、複数設けられることが多く、これらのボトルが浴室や洗髪台の使用スペースを狭くしてしまう。特に、一人暮らし用の狭い浴室や洗い場を多数確保したい大衆浴場等では、浴室内の有効利用が強く望まれている。
【0006】
そこで本発明は、従来のシャワーシステムに内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、シャワーヘッドに設けられた1つのノズルから複数種類の液剤(シャンプー、リンス等)を選択的に供給し得るようにしたシャワーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るシャワーシステムは、
可撓性ホースに接続して湯水を散布するハンド式のシャワーヘッドと、
このシャワーヘッドに開口部を臨ませた単一の液剤供給ノズルと、
前記シャワーヘッドに設けられ、前記液剤供給ノズルから所望の液剤を供給させる各種操作指令を選択する選択手段と、
前記シャワーヘッドに設けられ、前記選択手段により選択された各種操作指令を発信するリモコン発信部と、
前記シャワーヘッドと別の個所に設けられ、前記リモコン発信部からの各種操作指令を受信して、所要の制御手段に指令を出すリモコン受信部とから構成したことを特徴とする。
【0008】
また、同じく前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係るシャワーシステムは、
可撓性ホースに接続して湯水を散布するハンド式のシャワーヘッドと、
このシャワーヘッドに開口部を臨ませた単一の液剤供給ノズルと、
前記液剤供給ノズルに一端部が連通接続すると共に、他端部が所要数の液剤吸入管に分岐的に連通する液剤供給管と、
前記液剤吸入管の夫々に個別に連通し、所望の液剤が貯留される複数の液剤貯留タンクと、
前記液剤供給管と各液剤吸入管との分岐部に設けられ、前記夫々の液剤貯留タンクに接続している各対応の液剤吸入管と該液剤供給管との連通を選択的に切り替える切替弁と、
前記液剤供給管の途中に設けられ、前記切替弁で切り替えられて連通する側の液剤吸入管から液剤貯留タンク中の液剤を吸引して該液剤供給管に供給するポンプと、
前記切替弁およびポンプに各種の操作指令を個別に与える制御手段と、
前記シャワーヘッドに設けられ、前記液剤供給ノズルから所望の液剤を供給させる各種操作指令を選択する選択手段と、
前記シャワーヘッドに設けられ、前記選択手段により選択された各種操作指令を発信するリモコン発信部と、
前記シャワーヘッドと別の個所に設けられ、前記リモコン発信部からの各種操作指令を受信して、前記制御手段に指令を出すリモコン受信部とから構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るシャワーシステムによれば、シャワーヘッドから複数種類の液剤を選択的に供給し得るよう構成したので、用途に合わせて各種様々な液剤を供給できる。また、液剤選択および液剤の供給開始等の操作を行なう選択手段をシャワーヘッドに設けたので、これらの操作を片手で容易に行ない得る。更に、前記選択手段によって選択された各種の操作指令は、無線によって制御手段に伝達されるので、電気配線等を配設する必要がなく、感電等の危険がない。
【0010】
前記液剤供給ノズルに連通する液剤供給管は、前記可撓性ホースの内部に収納されるので、液剤供給管が邪魔になることがない。また、前記液剤選択手段として選択ボタンや選択スイッチを用いた場合には、液剤の選択・供給等の各種操作を容易に行ない得る。
【0011】
更に、本発明に係るシャワーシステムは、異なる種類の液剤を使用するに先立ち、液剤供給ノズルに湯水を供給してノズル洗浄を行なうようにしたので、該ノズル内に残留した液剤が混ざって供給されることが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係るシャワーシステムにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、一般家庭の浴室に本発明のシャワーシステムを配設した場合を示すが、本シャワーシステムは、家庭の洗面所や宿泊施設、大衆浴場、理髪店等、従来シャワーが使用されてきた場所、あるいはシャワーが設置可能な場所であれば、何れの場所であっても設置可能である。
【実施例】
【0013】
図2は、実施例に係るシャワーシステム8が設置された浴室44を示す概略平面図であって、矩形状に画成された浴室44内には、浴槽46と、該浴槽46に併設した洗い場48とから構成されている。前記洗い場48には、浴室44の内壁面に沿って配設されると共に、所要高さを有した台部50が設けられており、湯水の供給を行なう蛇口52が該台部50上に配設されている。この台部50の内部は、後述する液剤貯留タンク30やポンプ34等の液剤供給機構を集中的に収納し得るよう所要のスペースが画成されている。また、図3の断面図に示すように、台部50の前面は、扉54によって開閉可能に閉成される開口部56が開設されている。なお、図2における符号58は浴室用のイスを、符号60は浴槽46内へ湯水を供給する浴槽用の蛇口を夫々示している。
【0014】
前記蛇口52は、浴室44の外部に設けられた水道系およびボイラー(何れも図示せず)と接続した湯水供給管42と連通しており、湯水を選択的に供給し得るようになっている。また、前記蛇口52の後方からは、ハンド式のシャワーヘッド10と接続する可撓性ホース12が導出しており、湯水をシャワーヘッド10から拡散的に散布し得るようになっている。
【0015】
前記シャワーヘッド10は、図1に示すように、複数の放水孔62が開設された放水部64と、使用者によって把持される把持部66とから構成されており、該把持部66における放水部64が臨む側の面に、液剤が供給される液剤供給ノズル14と、液剤の選択等の各種操作を行なう選択ボタン(選択手段)24と、該選択ボタン24からの操作指令を発信するリモコン発信部18とが配設されている。
【0016】
前記シャワーヘッド10の放水部64近傍に開設された小孔70から、その開口部16が臨むよう配設される単一の液剤供給ノズル14は、シャワーヘッド10の内部で液剤供給管28と連通して、各種の液剤が供給されるよう構成されている。なお、この液剤供給ノズル14をシャワーヘッド10に設ける位置としては、実施例に限定される訳でなく、例えば、前記放水部64に設けたり、シャワーヘッド10の背面側に設けるようにしてもよい。
【0017】
前記液剤供給ノズル14から所望の液剤を供給させるための各種操作指令を選択する選択ボタン24は、後述の液剤貯留タンク30の配設数に応じた数(実施例では3つ)の選択ボタン(選択ボタンA〜C)で構成され、液剤の選択および供給開始の指令を選択し得るようになっている。すなわち、使用者が望む液剤と対応した選択ボタンA〜C24を押すことで該液剤が選択されると共に、使用者が該ボタン24を押す時間に応じた量の液剤が供給されるようになっている。従って、本実施例における各種操作指令は、液剤の選択、供給および供給量についての操作指令が含まれる。しかしながら、前記選択ボタン24の機能については実施例に限定されず、例えば、該選択ボタン24には液剤選択のみの機能を持たせ、液剤の供給開始については、供給ボタンや供給レバー等を別途設けて行なうようにしてもよい。また、液剤の供給量を調節する供給量調節手段をシャワーヘッド10に配設することで、前記選択ボタン24を押すだけで設定した量の液剤が供給されるようにすることも可能である。なお選択ボタン24は、使用者が該ボタン24をしっかりと押した時にのみ作動し、誤って軽く触れてしまった場合には作動しないよう、誤動作防止機能を有している。
【0018】
前記リモコン発信部18は、シャワーヘッド10における把持部66の下方に設けられて、前記選択ボタン24により選択された各種操作指令を発信するようになっている。すなわち、使用者によって押された任意の選択ボタン24は、その操作指令(すなわち、液剤の選択・供給の開始・押した時間に応じた供給量)を前記リモコン発信部18に伝え、該発信部18がその操作指令を無線送信するようになっている。なお、このリモコン発信部18の具体例としては、赤外線リモコンや電磁波リモコン等、従来公知のリモコン発信器を使用し得る。また、リモコン発信部18の配設位置としては実施例に限定されず、適宜変更可能である。
【0019】
前記可撓性ホース12の内部に挿通されると共に、シャワーヘッド10の内部で液剤供給ノズル14と接続する液剤供給管28は、図3に示すように、前記台部50の内部において、所要数(実施例では3つ)の液剤吸入管26と分岐的に連通している。すなわち、前記液剤供給管28は、前記台部50の内部で一方の端部が各液剤吸入管26と連通すると共に、前記蛇口52を介して可撓性ホース12の内部に挿通されて、前記シャワーヘッド10の内部で他端部が液剤供給ノズル14と接続している。なお、この液剤供給管28は、前記可撓性ホース12の内部に挿通されることから、可撓性を有したビニール管等を材質とすることが好ましい。
【0020】
前記液剤吸入管26の夫々は、前記台部50の内部に配置されて、所望の液剤が貯留される複数(実施例では3つ)の液剤貯留タンク30の夫々と連通接続している。すなわち、前記各液剤吸入管26は、夫々の液剤貯留タンク30から導出されて後述の切替弁32において合流し、前記液剤供給管28と分岐的に接続されている。
【0021】
前記液剤貯留タンク30は、内部に所要量の液剤を貯留し得るようボトル状に形成されて、前記台部50の内底面に複数載置されるようになっている。なお、実施例においては、液剤としてボディーソープ、シャンプーおよびリンスの3種が、夫々、図1の左・中・右側に配設された液剤貯留タンクA〜C30に貯留されているものとし、前記選択ボタンA〜C24と対応付けられている。但し、各液剤貯留タンク30に貯留する液剤の種類としては、これに限定される訳でなく、例えば、リンスに換えてコンディショナーを貯留したり、タイプの異なるシャンプーを貯留したりしてもよい。また、前記液剤貯留タンク30の配設数についても、実施例に限定されず、その数を増減させても構わない。すなわち、シャワーシステム8を配設する浴室や洗髪台等の構成および目的に合わせて、前記液剤貯留タンク30の配設数や液剤の種類を変更すればよい。なお、各液剤貯留タンク30に残量検知手段(図示せず)を配設して、液剤の残量を検知し得るようにしてもよい。また、液剤貯留タンク30への液剤の補給・交換は、前記扉54を開放させて、開口部56を介して行なわれる。
【0022】
前記液剤供給管28と各液剤吸入管26との分岐部には、前記夫々の液剤貯留タンク30に接続している各対応の液剤吸入管26と該液剤供給管28との連通を選択的に切り替える切替弁32が配設されている。すなわち、前記切替弁32は、前記選択ボタン24によって所望の液剤が選択された際に、該液剤が貯留された液剤貯留タンク30に接続する液剤吸入管26と液剤供給管28とを連通すると共に、他の液剤吸入管26との連通を遮断するよう構成されている。なお、この切替弁32は、台部50の内部に配設された制御手段20によって作動制御されるようになっている。
【0023】
前記液剤供給管28の途中に設けられるポンプ34は、前記切替弁32で切替えられて連通する側の液剤吸入管26から液剤貯留タンク30中の液剤を吸引して前記液剤供給ノズル14に供給するよう構成されている。すなわち、前記ポンプ34は、所望の液剤が貯留された液剤貯留タンク30から該液剤を吸引して、前記液剤供給ノズル14へ供給し得るよう構成されている。なお、このポンプ34としては、電力によって液剤を吸引する電動ポンプが好適に採用される。また、ポンプ34についても、制御手段20によって個別に作動制御されるよう構成されている。
【0024】
前記台部50上の所要位置には、前記リモコン発信部18からの各種操作指令を受信して、前記制御手段20に指令を出すリモコン受信部22が設けられている。すなわち、前記リモコン受信部22は、前記リモコン発信部18から発信された前記操作指令(すなわち、液剤の選択、供給、供給量)を受信すると共に、電気的に接続された前記制御手段20に指令を出すよう構成されている。そして、リモコン受信部22からの指令を受けた前記制御手段20は、この指令に応じて切替弁32およびポンプ34を個別に作動制御するよう構成される。なお、前記リモコン受信部22としては、リモコン発信部18と同じく、赤外線レシーバや電磁波レシーバ等の従来公知のものが採用し得る。また、リモコン受信部18の配設位置としては実施例に限定されず、リモコン発信部18からの各種指令を受信し得る位置であればよい。
【0025】
湯水を供給する前記湯水供給管42は、制御手段20と電気的に接続された洗浄弁38を介して液剤供給管28と連通する洗浄水供給管36が分岐しており、異なる種類の液剤を使用するに先立ち該洗浄弁38を開放することで、前記湯水供給管42からの湯水を該液剤供給ノズル14に供給してノズル洗浄を行なうようになっている。すなわち、異なる液剤の選択指令を受信した制御手段20は、洗浄弁38を開放させて洗浄水供給管36へ洗浄水(湯水)を供給し、この洗浄水が前記液剤供給管28を介して前記液剤供給ノズル14へ供給されるようになっている。これにより、異なる液剤が選択された際に、前記液剤供給ノズル14は洗浄される。
【0026】
(実施例の作用)
次に、実施例に係るシャワーシステム8の作用について説明する。なお、このシャワーシステム8は、前回の使用で「ボディーソープ」が供給されたものとする。すなわち、前記液剤供給管28は、ボディーソープが貯留された液剤貯留タンクA30と連通しているものとする。
【0027】
例えば、使用者が洗髪をする際には、シャンプーが貯留された液剤貯留タンクB30に対応する前記選択ボタンB24を押す。この時、前記リモコン発信部18は、選択ボタンB24が押されたこと(操作指令)を無線発信し、これを前記リモコン受信部22が受信する。そして、リモコン受信部22が前記制御手段20にこの操作指令を伝えると、該制御手段20は異なる液剤が選択されたことから洗浄弁38を開放させる。これにより、前記湯水供給管42からの湯水が前記液剤供給管28へ供給されて、前記液剤供給ノズル14が洗浄される。すなわち、前回の使用で液剤供給管28および液剤供給ノズル14に残留していたボディーソープは洗浄水によって流されるので、シャンプーが供給される際に該ボディーソープが混ざることがない。
【0028】
洗浄水によるノズル洗浄が行われると、前記制御手段20は、切替弁32を制御して、前記液剤貯留タンクA30の液剤吸入管26と液剤供給管28との連通を遮断させると共に、シャンプーを貯留する液剤貯留タンクB30の液剤吸入管26を開放させる。なお、液剤貯留タンクC30における液剤吸入管26は閉成したままである。この状態で、前記制御手段20は、使用者が前記選択ボタン24を押し続けた時間に応じて、ポンプ34に液剤貯留タンクB30からシャンプーを吸引させて、前記液剤供給ノズル14から該シャンプーが注出される。そして、使用者が選択ボタンB24から手を離すと、リモコン発信部18がこれをリモコン受信部22に発信し、更に、該リモコン受信部22が制御手段20へポンプ34を停止させるよう指令する。そして、制御手段20がポンプ34を停止させることで、液剤の供給が終了する。
【0029】
また、洗髪が終了し、引き続きリンスをするため使用者が前記選択ボタンC24を押した際には、前記リモコン発信部18から液剤選択の指令が発信される。そして、この指令を受信したリモコン受信部22は、制御手段20に液剤選択の指令を伝達する。これを受けた制御手段20は、異なる液剤が選択されたことを判断して、前記洗浄弁38を開放してノズル洗浄を行なうと共に、切替弁32を制御して、液剤供給タンクC30に接続された液剤吸入管26を開放させる。そして、前記ポンプ34が作動して、使用者が前記選択ボタンC24を押した時間に応じた量のリンスが液剤供給ノズル14から供給される。
【0030】
すなわち、実施例に係るシャワーシステム8は、複数種類の液剤を選択的に供給し得るよう構成したので、用途に合わせて様々な液剤を供給できる。また、液剤選択等の操作を行なう選択ボタン24がシャワーヘッド10に設けられているので、これらの操作を片手で容易に行ない得る。更に、前記選択ボタン24によって選択された各種の操作指令は、無線によって前記制御手段20に伝達されるので、電気配線を設ける必要がなく、感電等の危険もない。更にまた、前記液剤供給ノズル14に連通する液剤供給管28は、前記可撓性ホース12の内部に収納されるので、使用の際、該液剤供給管28が浴室44内で邪魔になることがない。また、実施例に係るシャワーシステム8では、前記液剤貯留タンク30等を台部50の内部に配設したので、浴室44がスッキリして、使用スペースを有効に活用できる。
【0031】
(実施例の変更例)
実施例においては、所望の液剤を供給するための各種操作指令を選択する選択手段として選択ボタンを採用した場合を示した。しかしながら、液剤貯留タンクの配設数に応じた切替接点を有する選択スイッチを、前記選択手段として採用することも可能である。すなわち、各液剤に対応する選択スイッチをシャワーヘッドに配設し、使用者が該選択スイッチを捻ることで、所望の液剤が選択されるように変更してもよい。この場合、選択した液剤の供給を開始するには、液剤供給ボタンや液剤供給レバー等を、別途シャワーヘッドに設けてもよい。
【0032】
また、実施例では、液剤貯留タンク等を台部の内部に収納した場合を示したが、例えば、シャワーシステムを洗面所に配設する場合、液剤貯留タンク等を洗面台の内部に収納することも可能である。更に、シャワーシステムを配設する場所に別途タンク配置部を設けて、該配置部に液剤貯留タンク等を収納してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例に係るシャワーシステムのシャワーヘッドを示す拡大斜視図である。
【図2】実施例に係るシャワーシステムが配設された浴室を示す概略平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 シャワーヘッド
12 可撓性ホース
14 液剤供給ノズル
16 開口部
18 リモコン発信部
20 制御手段
22 リモコン受信部
24 選択手段
26 液剤吸入管
28 液剤供給管
30 液剤貯留タンク
32 切替弁
34 ポンプ
36 洗浄水供給管
38 洗浄弁
42 湯水供給管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性ホース(12)に接続して湯水を散布するハンド式のシャワーヘッド(10)と、
このシャワーヘッド(10)に開口部(16)を臨ませた単一の液剤供給ノズル(14)と、
前記シャワーヘッド(10)に設けられ、前記液剤供給ノズル(14)から所望の液剤を供給させる各種操作指令を選択する選択手段(24)と、
前記シャワーヘッド(10)に設けられ、前記選択手段(24)により選択された各種操作指令を発信するリモコン発信部(18)と、
前記シャワーヘッド(10)と別の個所に設けられ、前記リモコン発信部(18)からの各種操作指令を受信して、所要の制御手段(20)に指令を出すリモコン受信部(22)とから構成した
ことを特徴とするシャワーシステム。
【請求項2】
可撓性ホース(12)に接続して湯水を散布するハンド式のシャワーヘッド(10)と、
このシャワーヘッド(10)に開口部(16)を臨ませた単一の液剤供給ノズル(14)と、
前記液剤供給ノズル(14)に一端部が連通接続すると共に、他端部が所要数の液剤吸入管(26)に分岐的に連通する液剤供給管(28)と、
前記液剤吸入管(26)の夫々に個別に連通し、所望の液剤が貯留される複数の液剤貯留タンク(30)と、
前記液剤供給管(28)と各液剤吸入管(26)との分岐部に設けられ、前記夫々の液剤貯留タンク(30)に接続している各対応の液剤吸入管(26)と該液剤供給管(28)との連通を選択的に切り替える切替弁(32)と、
前記液剤供給管(28)の途中に設けられ、前記切替弁(32)で切り替えられて連通する側の液剤吸入管(26)から液剤貯留タンク(30)中の液剤を吸引して該液剤供給管(28)に供給するポンプ(34)と、
前記切替弁(32)およびポンプ(34)に各種の操作指令を個別に与える制御手段(20)と、
前記シャワーヘッド(10)に設けられ、前記液剤供給ノズル(14)から所望の液剤を供給させる各種操作指令を選択する選択手段(24)と、
前記シャワーヘッド(10)に設けられ、前記選択手段(24)により選択された各種操作指令を発信するリモコン発信部(18)と、
前記シャワーヘッド(10)と別の個所に設けられ、前記リモコン発信部(18)からの各種操作指令を受信して、前記制御手段(20)に指令を出すリモコン受信部(22)とから構成した
ことを特徴とするシャワーシステム。
【請求項3】
前記単一の液剤供給ノズル(14)に連通接続する液剤供給管(28)は、前記可撓性ホース(12)の内部に収納されている請求項2記載のシャワーシステム。
【請求項4】
前記選択手段(24)は、前記液剤貯留タンク(30)の配設数に応じた数の選択ボタンで構成される請求項2記載のシャワーシステム。
【請求項5】
前記選択手段(24)は、前記液剤貯留タンク(30)の配設数に応じた切替接点を有する選択スイッチとして構成される請求項2記載のシャワーシステム。
【請求項6】
湯水を供給する湯水供給管(42)から分岐した洗浄水供給管(36)を洗浄弁(38)を介して前記液剤供給管(28)に接続し、異なる種類の液剤を使用するに先立ち該洗浄弁(38)を開放することで、前記湯水供給管(42)からの湯水を前記液剤供給ノズル(14)に供給してノズル洗浄を行なうようにした請求項2記載のシャワーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−158529(P2006−158529A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351825(P2004−351825)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(504441956)
【Fターム(参考)】