説明

シャワー装置

【課題】着座姿勢で使用するシャワー装置と身体の洗浄に使用する水栓や鏡を一体に構成し、省スペースと使い勝手の向上を図るシャワー装置を提供する。
【解決手段】着座手段26に着座して全身を包み込むようにシャワーを浴びること構成と、着座手段26に洗面器27を載置して洗顔や身体の洗浄作業できる構成を両立させ、流量制御手段30を独立させ、流量制御を伴わない複数の吐水の切替え制御手段32を設置し、ハンドルの回転だけで任意の吐水が選択できるため、操作性や安全性が向上し、浴室内の省スペースに寄与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着座姿勢で使用するシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシャワー装置は、正面中央に鏡を設置した収納ユニットの両側部に、複数のノズルを備えたアームを垂直な回転軸を介して横方向に回転するように設置し、収納ユニットの下方に水栓を備えたカウンターを設置するとともに、水栓の下方には洗面器を載置する可倒式の洗面器台を設置した構成において、着座してシャワー浴を行うときは洗面器台を倒した状態で、収納ユニットの前に置いた椅子に着座してシャワーを浴びるものである。また、洗顔等の洗面器を使用する入浴作業を行うときは、洗面台を起こしその上に洗面器を載置して入浴作業を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、特許文献1に記載された従来のシャワー装置を示すものである。
【0004】
図に示すように、収納ユニット1の一側方には収納棚2設置してあり、他方には通常シャワー3が設置してある。収納ユニット1の左右には複数のノズル4を備えたアーム5が水平方向に回動自在に設置してある。また収納ユニット1の中央部には鏡6が設置してあり、その下方には水栓7を備えたカウンター8が設置してあり、カウンター8の下方には可倒式の洗面器台9、水栓7の下方にカラン吐水口10を設置した構成となっている。水栓7は中央に温度制御するサーモバルブ11(図8に図示)の温度調節ハンドル11a、その右側は通水および流量を制御する切替えバルブ12(図8に図示)の切替えハンドル12 aで中央が停止位置で左に回すとハンドシャワー3から吐水し、右に回すとカラン吐水口10から吐水する。またサーモバルブ11の左側は、止水栓13(図8に図示)で、止水ハンドル13aを右に回すことによりから吐水する構造になっている。
【0005】
図8は図7の水栓7および管路の構成図である。水を供給する給水管14と、湯を供給する給湯管15が、温度調節ハンドル11aを回動操作して湯水を所定の温度に混合するサーモバルブ11にそれぞれ連通されている。サーモバルブ11からの配管は二方に分岐され、一方は、切替えバルブ12に連通され、ハンドシャワー3またはカラン吐水口10の吐水停止および流量調節と切替えの制御がなされ、他方は止水栓13に連通され複数のノズル4吐水停止および流量調節の制御がなされている。
【特許文献1】特開2001−204644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、切替えバルブは2方向の水路、止水バルブは1方向の水路を制御することしか出来ない。
【0007】
吐水口が5ヶ所必要な場合、切替えバルブが2個、止水バルブが1個必要となる。切替えバルブは吐水停止および流量調節と吐水方向の切替えをひとつのハンドルで行うため、複数設置すると操作がわからなくなる場合があり、操作部はサーモバルブのハンドルを含めて4個のハンドルとなり、使用者にわかりにくく、誤操作しやすく、誤って高温水や、冷水を意図しない方向(吐水口)から浴びるという安全面での課題を有していた。また、この場合、各バルブや配管に場所をとるため、隠蔽されたスペースがさらに多く必要であり、浴室内のスペースを減少させる一因ともなっている。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、着座姿勢で使用するシャワー装置と身体の洗浄に使用する水栓や鏡を一体に構成し、浴室内の省スペースと使い勝手および安全性の向上を図るシャワー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明のシャワー装置は、ノズルユニットを所定幅の開放面を介して左右に設置し、ノズルアームをノズルユニットの上部に略上下方向に回動および保持自在に設置し、開放面の下部に洗い場吐水口を設置し、ハンドシャワーを配置し、洗い場吐水口の下方に所定の空間を確保した位置に着座手段を設置し、着座手段に温度制御手段と、流量制御手段と、回動操作により複数のノズルと洗い場吐水口とハンドシャワーに供給する湯水を切替え制御する切替え制御手段を設置した構成としたものである。
【0010】
これによって、着座手段に着座し着座手段に設置した温度制御手段と流量制御手段と切替え制御手段を操作することにより、ノズルユニットとノズルアームのノズルから噴霧する湯水を全身を包み込むようにシャワーを浴びることができ、またシャワーを使用しないときは、着座手段に洗面器を載置して洗い場吐水口から湯水を吐水することにより、洗顔や身体の洗浄作業を行うことが同一の切替え手段を操作することでできることとなり、同一場所でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができる。したがって、複数の吐水口への切替え操作がひとつの操作で可能で使い勝手が良く、使用者の誤操作が少なくなると考えられ、その分安全性が向上すると判断でき、バルブや配管のスペースが削減でき浴室の省スペースを図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシャワー装置は、同一場所でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができ、ひとつの切替え操作で吐水口を変更することができるため、操作性が良く、安全性が向上し、浴室の省スペースを向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は使用者の後方より噴霧するノズルを有するノズルユニットと、使用者の身体を包み込むように噴霧する複数のノズルを配設したノズルアームと、洗い場吐水口と、ハンドシャワーと、湯温を制御する温度制御手段と、止水通水および流量を制御する流量制御手段とを備え、回動操作により複数のノズルと洗い場吐水口とハンドシャワーに供給する湯水を切替え制御する切替え制御手段を設置することにより、ノズルアームを上方に回動し所定位置に保持した状態で、使用者は着座手段に着座し着座手段に設置した制御手段を操作することにより、ノズルユニットのノズルとノズルアームのノズルから噴霧する湯水を全身を包み込むように浴びることができる。またシャワーを使用しないときは、着座手段に洗面器を載置し、洗い場吐水口から湯水を吐水することにより洗顔や身体の洗浄作業を行うことができることとなり同一場所でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができる。このとき、快適な湯温で適切な湯量でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができ、吐水切替えをひとつの操作で使い勝手良く、安全に行うことができ、しかも構造物がコンパクトに収められる省スペースとなる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の温度制御手段と、流量制御手段と、切替え制御手段を着座手段に設置した構成により、省スペースである。しかも、温度制御手段、流量制御手段、切替え制御手段の操作部分が集中分化していることで使用者は着座手段に着座してシャワー浴する場合と、着座手段に洗面器を載置し、洗い場吐水口あるいはハンドシャワーから湯水を吐水することにより洗顔や身体の洗浄作業を行う一般の入浴の洗浄作業の両方の操作性が両立する構成である。
【0014】
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の回動する軸の通水穴と、複数のノズルと洗い場吐水口とハンドシャワーにそれぞれ連通した本体接続口とが、軸の回動により一致した管路に切替えることが出来る切替え制御手段を有することにより、一度の操作で吐水口への管路を切替えることができるため操作性が良く、誤操作を少なくすることができる。
【0015】
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明の回動する軸に連動したハンドルと、本体に配設されハンドルの回転範囲を制御する主ストッパーと、ハンドル回転範囲内に配設されハンドルの回転が停止する副ストッパーと、副ストッパーによる停止を解除する解除装置とを備え、複数のノズルと洗い場吐水口とハンドシャワーへの切替え時に解除装置を作動させないと回転しない構成の切替え制御手段を有することで、ハンドルは主ストッパーにより1回転以上回転させないようにすることができ、使用者が余分な回転により意図しない吐水口から吐水を浴びることが無いようにすることができる。また、副ストッパーにより特定の吐水から他の吐水に切替える時、停止解除操作を行わなければならず、これを行うことで使用者に様々な注意を啓蒙することができる。主ストッパー、副ストッパーにより使用者が吐水位置を確認することができ使い勝手が良く、使用者が意図して解除動作を行うことで注意喚起することで、危険性を回避することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態におけるシャワー装置を着座姿勢でシャワー浴を行う状態の斜視図を示すものであり、図2はシャワー装置を通常の入浴作業を行う状態の斜視図を示すものであり、図3はシャワー装置の配管のブロック構成図であり、図4はシャワー装置の配管図であり、図5はシャワー装置の切替え制御手段の分解斜視図を示すものであり、図6はシャワー装置の切替え制御手段の主および副ストッパーと解除装置の説明図である。
【0018】
図1に示すように、壁面16に固定した本発明のシャワー装置は両側部には樹脂材料を略直方形状に成型したノズルユニット17が配置してあり左右のノズルユニット17の前面上部には、使用者の主に肩に向かって衝撃的な水流を噴出するマッサージノズル18がそれぞれ設置してあり、前面下部には使用者の主に腰部に向かって微細水流を噴出するシャワーノズル19がそれぞれ設置してある。
【0019】
左右のノズルユニット17の外側部には、上端部を支点として略上下方向に回動自在で、かつ任意の角度で保持が可能なように略直方体形状のノズルアーム20がそれぞれ設置してある。左右のノズルアーム20は連結バー(図示せず)で連結することにより、一方のノズルアーム20を回動すれば他方も同様に回動する構成となっている。
【0020】
ノズルアーム20の裏面には微細水流を使用者の身体を包み込むように噴出する複数のシャワーノズル19と、ミスト状の水流を使用者の身体全体を包み込むように噴出するミストノズル21がノズルアーム20のほぼ全長にわたり所定の間隔で交互に配設してある。
【0021】
マッサージノズル18とシャワーノズル19とミストノズル21は種類毎にノズルユニット17とノズルアーム20の内部に配設した配管により互いに連通する構成となっている。また、マッサージノズル18とシャワーノズル19とミストノズル21は個々に水流の噴出方向を変更できる調整機能を備えている。
【0022】
左右のノズルユニット17の間に位置する開放面22の前面に左右のノズルユニット17の上下端部に枢支し、左右に開閉自在な背もたれカバー23が設置してある。
【0023】
図2に示すように左右に開閉自在な背もたれカバー23を開いた状態にすると、左右のノズルユニット17の間に位置する開放面22の上部には鏡24が設置してあり、鏡24の下端部には下方に向かって開放した洗い場吐水口25が設置してある。
【0024】
シャワー浴を行うときは開放面22を閉じることにより、鏡24のほぼ全面と洗い場吐水口25を隠蔽することができ、この状態ではノズルユニット15の前面と背もたれカバー23の前面がほぼ同一面となるように構成してある。
【0025】
図1において開放面22の下方にはノズルユニット17の下端とほぼ等しい高さの着座手段26が設置してある。着座手段26の上面26aはほぼフラットな形状をなし、シャワー浴で使用する場合は使用者が着座し、通常の入浴作業の時は図2に示すように洗面器27等の入浴用品を載置するカウンター機能として使用できる。
【0026】
シャワー装置の側方の壁面16にはハンドシャワー28が着脱自在に掛止してあり、シャワーホース28aは着座手段26に設けた所定のシャワー接続口29に接続してある。
【0027】
着座手段26の一方の側面にはマッサージノズル18とシャワーノズル19とミストノズル21と洗い場吐水口25とハンドシャワー28に供給する湯水の止水と流量を制御する流量制御手段30が設置してあり、ハンドル30aの操作で吐水停止および流量を制御することができる。また、着座手段26の他方の側面には湯水の温度を制御する温度制御手段31が設置してあり、ハンドル31aを操作することにより湯水を混合して所定の今後薄い温度に設定することができる。
【0028】
また、温度制御手段31の後方には混合水の供給先を選択する切替え制御手段32が設置してあり、ハンドル32aの操作で5カ所の供給先であるマッサージノズル18とシャワーノズル19とミストノズル21と洗い場吐水口25とハンドシャワー28のうちの1カ所を選択して切替えができる。
【0029】
図3のブロック図に示すように水を供給する給水管33と、湯を供給する給湯管34が、温度制御手段31に連通しており、さらに、流量制御手段30と切替え制御手段32とは着座手段26の内部で配管により連通している。また、切替え制御手段32はマッサージノズル18とシャワーノズル19とミストノズル21と洗い場吐水口25とハンドシャワー28と個別の配管により連通している。
【0030】
図4に示すように着座手段26の内部では温度制御手段31、流量制御手段30、切替え制御手段32が配管35a、35bで連通されている。また、着座手段26および開放面22の内部では切替え制御手段32はマッサージノズル18とシャワーノズル19とミストノズル21と洗い場吐水口25とハンドシャワー28とそれぞれ個別の配管35c、35d、35e、35f、35gにより連通している。
【0031】
図5に示すように切替え制御手段32の構成は切替えバルブ本体36が着座手段26に固定されており、切替えバルブ本体36は流入口36aと供給先であるマッサージノズル18とシャワーノズル19とミストノズル21と洗い場吐水口25とハンドシャワー28に連接する5ヶ所の流出口36bが配設されている。
【0032】
切替えバルブ本体36の中に軸ユニット37が回動できるように嵌合されている。軸ユニット37は切替え制御手段32のハンドル32aと固定されていて、流入口37a、とハンドル32aの回転角度に合わせて切替えバルブ本体36の5ヶ所の流出口36bの1つと略一致するように5ヶ所の流出孔37bが配設されている。
【0033】
切替え制御手段32のハンドル32aには解除ボタン39が配設され、図6(a)に示す主ストッパー40と副ストッパー41を内蔵したカラー部38を間にはさみ軸ユニット37と固定されている。カラー部38は切替えバルブ本体36に固定されている。ハンドル32aとカラー部38には吐水位置を示す表示(図示せず)が示されている。
【0034】
図6(a)に示すようにカラー部38内に配設された主ストッパー40は右回りストッパー40aと左回りストッパー40bが有り、ハンドル32aに配設された解除ボタン39が主ストッパー40に当たることでハンドル32aの回転が制御される。解除ボタン39はハンドル32aの中心方向に指で押すことができ一定の範囲で移動する。
【0035】
副ストッパー41はハンドル32aの回転範囲内に設けられ、略三角形の形状で一方向からの回転はハンドル32aの解除ボタン39を中心方向に引き込み、ハンドル32aを回転させることにより解除ボタン39が副ストッパー41を乗り越えることができるが、図6(b)に示すように反対の方向からの回転は副ストッパー41に解除ボタン39が当たりハンドル32aの回転が停止する。このとき、解除ボタン39をハンドル32aの中心方向に指で押すことでハンドル32aは回動させることができる。なお、解除ボタン39を最大限押しても主ストッパー40は乗り越えられない構成とする。
【0036】
本実施例の場合、図6(a)に示すハンドル32aを右回しにいっぱい回すと解除ボタン39が右回りストッパー40aに当たり停止し、「ハンドシャワー」の位置となる。左回りに1区間回せば、「洗い場吐水口」の位置、さらに左回りに1区間回せば、「マッサージ」の位置、さらに左回りに1区間回せば、「座シャワー」の位置となる。さらに左回りに回せば解除ボタン39が左回りストッパー40bに当たり停止する。図6(b)に示すこの位置が「ミスト」の位置となる。
【0037】
「座シャワー」の位置と「ミスト」の位置の間に副ストッパー41が有るが、副ストッパー41の略三角形の斜面に沿って解除ボタン39が移動し乗り越え、左回りストッパー40bに達するため、回転が停止することはない。
【0038】
しかし、「ミスト」の位置から右回りに回すと副ストッパー41の壁面に解除ボタン39が当たり回動できなくなる。このとき、使用者が指で解除ボタン39を押すと解除ボタン39が壁面を乗り越え、さらに右回りに回すことができる構成である。
【0039】
以上のように構成されたシャワー装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0040】
まず、図1に示すようにノズルアーム20を回動して使用者の体格にあわせた位置に保持し、使用者が着座手段26に着座する。このとき鏡24の前面は背もたれカバー23で隠蔽しているため、使用者の背中が直接鏡24に接触することがなく快適に着座することができる。
【0041】
着座した状態で切替え制御手段32を「座シャワー」の位置に設定し、温度制御手段31を所定の温度に設定し、流量制御手段30を開放調節すると、ノズルユニット17とノズルアーム20のシャワーノズル19から微細な水流が噴出する。ノズルユニット17から噴出した微細水流は使用者の腰部を中心に背面に向かって噴出し、ノズルアーム20から噴出した微細水流は使用者の肩から脚まで身体全体を包み込むように噴出する。
【0042】
上記のように使用者の全身を包み込むように微細水流を浴びることにより、使用者はバスタブ入浴と同様の温熱効果を得ることができ、しかも、バスタブ入浴時に加わる静水圧負荷を受けないため、使用者への肉体的な負荷が軽減される。
【0043】
切替え制御手段32を「ミスト」の位置に切替えると、ノズルアーム20のミストノズル21からより微細なミスト状の水流が使用者の全身を包み込むように噴出する。水流をより微細なミスト状にすることにより、体感温度は低くなるため上記の「座シャワー」の位置での使用の場合より温度制御手段31の設定温度を高くすることができ、より高温でのシャワー浴が可能となり、発汗作用を促進することができる。
【0044】
図6に示すように「ミスト」の位置から「座シャワー」に戻す場合、ハンドル32aの解除ボタン39を押して回動させなければならない。これは前述の「ミスト」の位置で設定温度を高くして使用している場合が考えられ、「座シャワー」や他の吐水に切替えた場合、通常より温度の高い水を身体に浴びることになる。このため、容易に「ミスト」の位置から他の位置にハンドル32aを回せなくし、高温水であることを使用者に啓蒙する役割を果たしている。
【0045】
また、切替え制御手段32を「マッサージ」の位置に切替えると、ノズルユニット17のマッサージノズル18から強弱のある衝撃的な水流が使用者の主に肩に向かって噴出し、入浴者はマッサージ効果を得ることができる。
【0046】
着座姿勢のまま、洗髪や洗顔を行う場合は、切替え制御手段32を「ハンドシャワー」の位置に切替えることにより、ハンドシャワー28より湯水が噴出するので、ハンドシャワー28を壁面16より外して洗髪や洗顔に使用することができる。
【0047】
図2に示すように、ノズルアーム20を収納し背もたれカバー23を開放した状態では、着座手段26は洗面器27や入浴用品を載置するカウンターとして使用することができる。この状態では、切替え制御手段32を「ハンドシャワー」の位置にすることにより、上記同様にハンドシャワー28を使用することができる。また、切替え制御手段32を「洗い場吐水口」の位置にすることにより、洗い場吐水口25から湯水を吐水することができるので、洗面器27に湯水を貯めて行う洗顔やタオルの洗浄など通常の入浴作業を効率的に行うことができる。
【0048】
以上のように、本実施の形態においてはノズルアームを上方に回動し所定位置に保持し、着座手段に着座し制御手段を操作することにより、ノズルユニットのノズルとノズルアームのノズルとハンドシャワーから噴出する湯水により、4種類のシャワー浴を行うことができる。また、ノズルアームを収納した状態では、ハンドシャワーを使用した洗浄作業と、着座手段に洗面器を載置し、洗い場吐水口から湯水を吐水することにより洗顔や身体の洗浄等の通常の入浴作業を行うことができる。
【0049】
このように同一場所でシャワー浴と通常の入浴作業を行うことができ、切替え制御手段もひとつのハンドル操作だけで行えるので、浴室内に余分なスペースを確保する必要がなく、切替え制御手段も複雑にならず隠蔽したスペースも少なくすることができ、浴室の省スペースと使い勝手を向上することができる。
【0050】
なお、本実施の形態においては切替え制御手段の副ストッパーは一ヶ所に設置したが、吐水の状態により、必要と思われる場合は複数設置しても良く、安全性や操作性を向上することができる。また、副ストッパーは一方向に停止が掛かる構造としたが、吐水の状態によっては双方から停止が掛かる構造としても、安全性や操作性を向上することができる場合も考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明にかかるシャワー装置は、同一場所でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができ、一回の操作でいろいろなシャワー浴を切替えることができるため、浴室内に余分なスペースを確保する必要がなく浴室の省スペースと使い勝手を向上するが可能となるので、介護装置などの用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の着座使用状態の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の通常使用状態の斜視図
【図3】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の配管のブロック構成図
【図4】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の配管図
【図5】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の切替え制御手段の分解斜視図
【図6】(a)本発明の実施の形態1におけるシャワー装置のハンドシャワー位置での切替え制御手段の説明図(b)ミスト位置での切替え制御手段の説明図
【図7】従来のシャワー装置の正面図
【図8】従来のシャワー装置の配管のブロック構成図
【符号の説明】
【0053】
17 ノズルユニット
18 マッサージノズル(ノズル)
19 シャワーノズル(ノズル)
20 ノズルアーム
21 ミストノズル(ノズル)
25 洗い場吐水口
26 着座手段
28 ハンドシャワー
30 流量制御手段(制御手段)
30a、31a、32a ハンドル
31 温度制御手段(制御手段)
32 切替え制御手段(制御手段)
39 解除ボタン(解除装置)
40 主ストッパー
41 副ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の後方より噴霧するノズルを有するノズルユニットと、使用者の身体を包み込むように噴霧する複数のノズルを配設したノズルアームと、洗い場吐水口と、ハンドシャワーと、湯温を制御する温度制御手段と、止水通水および流量を制御する流量制御手段とを備え、回動操作により複数のノズルと洗い場吐水口とハンドシャワーに供給する湯水を切替え制御する切替え制御手段を設置したシャワー装置。
【請求項2】
温度制御手段と、流量制御手段と、切替え制御手段を着座手段に設置した請求項1に記載のシャワー装置。
【請求項3】
回動する軸の通水穴と、複数のノズルと洗い場吐水口とハンドシャワーにそれぞれ連通した本体接続口とが、軸の回動により一致した管路に切替えることが出来る切替え制御手段を有する請求項1および2に記載のシャワー装置。
【請求項4】
回動する軸に連動したハンドルと、本体に配設されハンドルの回転範囲を制御する主ストッパーと、ハンドル回転範囲内に配設されハンドルの回転が停止する副ストッパーと、副ストッパーによる停止を解除する解除装置とを備え、複数のノズルと洗い場吐水口とハンドシャワーへの切替え時に解除装置を作動させないと回転しない構成の切替え制御手段を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−271446(P2006−271446A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90904(P2005−90904)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】