説明

シャワー装置

【課題】 身体の各部に当たる湯温のばらつきをなくして身体全体の温まり感をほぼ同じにできて、温熱効果を高めることができる。
【解決手段】 使用者が着座する座部1と、座部1の上方において前方に突出するノズルアーム2と、ノズルアーム2の長手方向に設けた複数の吐水口3とを備えて複数の吐水口3から座部1に座った使用者の身体を包み込むように湯水を吐水するシャワー装置Aである。ノズルアーム2の長手方向に設けた複数の吐水口3から吐水する湯水の湯温が、ノズルアーム2の先端に近い側の吐水口3から吐水する湯水程湯温が高く設定してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部に座った使用者の身体を包み込むように湯水を吐水することができるシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から座部の上方にノズルアームを前方に突出するように設け、該ノズルアームに長手方向に複数のシャワー用の吐水口を設け、複数の吐水口から座部に座った使用者の身体を包み込むように湯水を吐水するシャワー装置が特許文献1により知られている。
【0003】
上記特許文献1に示され従来例にあっては、座部に座った楽な姿勢で、前方に突出するノズルアームの長手方向に設けた複数のシャワー用の吐水口からシャワーを噴出することで、座部に座った使用者は着座姿勢で首から下の身体全体(首、胸、腹、足)に一度にシャワーを浴びるようになっている。この従来例においては、複数のシャワー用の吐水口のうちノズルアームの基部側に位置するシャワー用の吐水口は首から下の身体の上部側にシャワーを浴びせ、ノズルアームの先端側に位置するシャワー用の吐水口程身体の下部側にシャワーを浴びせるようになっており、ノズルアームの基部側に位置するシャワー用の吐水口から噴出したシャワーの身体に至るまでの飛翔距離は短く、ノズルアームの先端側に位置するシャワー用の吐水口から噴出したシャワーの身体に至るまでの飛翔距離は長い。この飛翔距離の差は例えば約50cmにも達する。
【0004】
しかしながら上記従来例にあっては、ノズルアームの長手方向に設けた複数のシャワー用の吐水口から噴出するシャワーはすべて同じ温度で噴出するようになっているので、ノズルアームの基部側に位置するシャワー用の吐水口から噴出するシャワーが身体の上部に当たった際の温度と、ノズルアームの先端側に位置するシャワー用の吐水口から噴出するシャワーが身体の上部に当たった際の温度とを比較すると、前者はシャワーの飛翔距離が短いために飛翔中における温度低下が少ないのに比べ、後者はシャワーの飛翔距離が長いために飛翔中における温度低下が大きい。このため、湯温を首や胸において丁度良い温まり感を得るような温度とした場合、身体の下部、つまり、足部分においては温まり効果が不足するという問題がある。逆に、湯温を足部分において丁度良い温まり感を得るような温度にした場合、首や胸においては体感上熱すぎてしまってシャワー浴ができないという問題がある。このように、従来のシャワー装置にあっては、身体の各部に当たる湯温にばらつきが生じ、身体全体の温まり感を同じにできず、温熱効果が十分でないという問題がある。
【特許文献1】特開平11−332945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、身体の各部に当たる湯温のばらつきをなくして身体全体の温まり感をほぼ同じにできて、温熱効果を高めることができるシャワー装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る湯水供給装置は、使用者が着座する座部1と、座部1の上方において前方に突出するノズルアーム2と、ノズルアーム2の長手方向に設けた複数の吐水口3とを備えて複数の吐水口3から座部1に座った使用者の身体を包み込むように湯水を吐水するシャワー装置Aにおいて、ノズルアーム2の長手方向に設けた複数の吐水口3から吐水する湯水の湯温が、ノズルアーム2の先端に近い側の吐水口3から吐水する湯水程湯温が高く設定してあることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成とすることで、座部1に座った使用者の首から下の身体の各部にほぼ同じ湯温の湯水が当たることになり、身体各部に当たる湯温のばらつきがなく、身体全体の温まり感を同じにできて、温熱効果を高めることができる。
【0008】
また、使用者が着座する座部1の後方に配置されたノズルユニット4の上部にノズルアーム2を上下方向に回動自在に取付け、上記ノズルユニット4に座部1に座った使用者の腰部に使用者の後方から粒子状に水流を吐水するための腰シャワー用吐水口5を設け、腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を独立して制御する腰シャワー温度制御手段6を設けることが好ましい。
【0009】
腰シャワー用吐水口5から腰までの距離はノズルアーム2の基部側の吐水口3から身体(首)までの距離よりも短いので腰シャワー用吐水口5から噴出する湯温が同じノズルアーム2の基部側の吐水口3から噴出する湯温と同じ温度だと腰部分では体感上熱過ぎてしまうが、腰シャワー用吐水口5から腰に当たる湯温の温度をノズルアーム2の吐水口3から吐水する湯の温度制御とは別に独立して温度制御できるので、腰部分においても、熱過ぎないように独立して調整することが可能となる。
【0010】
また、ノズルアーム2の長手方向に粒子状に水流を吐水する複数のシャワー用の吐水口3aを設けることが好ましい。
【0011】
このような構成とすることで、座部1に座った使用者の首から下の身体の各部にほぼ同じ湯温のシャワーが当たることになり、身体各部に当たるシャワーの湯温のばらつきがなく、身体全体の温まり感を同じにできて、シャワー浴で効果的に温熱効果を高めることができる。
【0012】
また、ノズルアーム2の長手方向に霧状の水流を噴霧する複数のミスト用の吐水口3bを設けることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることで、座部1に座った使用者の首から下の身体の各部にほぼ同じ湯温のミストが当たることになり、身体各部に当たるミストの湯温のばらつきがなく、身体全体の温まり感を同じにできて、ミスト浴で効果的に温熱効果を高めることができる。
【0014】
また、ノズルアーム2の長手方向に粒子状に水流を吐水する複数のシャワー用の吐水口3aと、霧状の水流を噴霧する複数のミスト用の吐水口3bとを設け、シャワー用の吐水口3aからの吐水とミスト用の吐水口3bからの吐水とが選択可能となっていることが好ましい。
【0015】
このような構成とすることで、座部1に座った状態で全身に同じ湯温のシャワーを浴びるシャワー浴と、全身に同じ湯温のミストを浴びるミスト浴とを選択できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記のように、ノズルアームの長手方向に設けた複数の吐水口から湯水を噴出して座部に座った使用者の身体を包み込むような入浴をするに当たって、身体の各部に当たる湯温のばらつきをなくして身体全体の温まり感をほぼ同じにできて、温熱効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0018】
添付図面に示すシャワー装置Aは、浴室の壁7に取付けられるもので、図2に示すように、両側部に合成樹脂により略直方形状に成形されたノズルユニット4が配置してあり、左右のノズルユニット4の下部に座部1が設けてある。左右のノズルユニット4の前面上部には、使用者の主に肩に向かって衝撃的な水流を噴出する左右のマッサージ用吐水口8が配置してあり、前面下部には使用者の主に腰部に向かって微細水流(シャワー)を噴出する左右の腰シャワー用吐水口5がそれぞれ配置してある。
【0019】
左右のノズルユニット4の外側部には上端部を支点として略上下方向に回動自在で且つ任意の角度で保持が可能なように略直方体形状のノズルアーム2がそれぞれ設置してある。左右のノズルアーム2は連結バー(図示せず)で連結することにより一方のノズルアーム2を回動すれば他方のノズルアーム2も同時に連動して回動するような構成となっている。
【0020】
ノズルアーム2の裏面には前後方向に複数の吐水口3が設けてある。複数の吐水口3としては、座部1に座った使用者の身体を包み込むように粒子状の微細水流(シャワー)を噴出する複数のシャワー用の吐水口3aと、座部1に座った使用者の身体を包み込むように霧状(ミスト状)の水流を噴出する複数のミスト用の吐水口3bとが設けてあり、複数のシャワー用の吐水口3a、複数のミスト用の吐水口3bはいずれもノズルアーム2の長手方向にそれぞれ複数設けてあり、更に、実施形態では、複数のシャワー用の吐水口3a、複数のミスト用の吐水口3bがノズルアーム2のほぼ全長にわたり所定の間隔で交互に配設してある。
【0021】
上記シャワー用の吐水口3a、ミスト用の吐水口3b、腰シャワー用吐水口5、マッサージ用吐水口8は個々に水流の噴出方向を変更できる調整機能を備えたものであってもよい。
【0022】
左右のノズルユニット4の間に位置する開放面12の前面に左右のノズルユニット4の上下端部に枢支し、左右に開閉自在な背もたれカバー10が設置してある。
【0023】
図3に示すように左右に開閉自在な背もたれカバー10を開いた状態にすると、左右のノズルユニット4の間に位置する開放面12の上部には鏡13が設置してあり、鏡13の下端部には下方に向かって吐水する洗い場用吐水口9が設置してある。また、背もたれカバー10を開いた状態にすると、図3に示すように左右のノズルユニット4、左右のノズルアーム2が背もたれカバー10で覆われ、この状態では左右のノズルユニット4、左右のノズルアーム2に設けた腰シャワー用吐水口5、マッサージ用吐水口8、シャワー用の吐水口3a、ミスト用の吐水口3bからの吐水による本来の使用はしない非使用状態である。このように、カバー10の開閉により腰シャワー用吐水口5、マッサージ用吐水口8、シャワー用の吐水口3a、ミスト用の吐水口3bの使用が区別できるようになっている。
【0024】
シャワー浴(つまり微細水流浴)やミスト浴、あるいは水流マッサージなどを行うときは開放面12を閉じることにより鏡13のほぼ全面と洗い場用吐水口9を背もたれカバー10で隠蔽することができ、この状態ではノズルユニット4の前面と背もたれカバー10の前面とがほぼ面一となるように構成してある。
【0025】
座部1の上面はほぼフラットな形状をしていてシャワー浴やミスト浴や水流マッサージで使用する場合は使用者が座部1に着座し、通常の入浴作業の時は図3に示すように洗面器15等の入浴用品を載置するカウンター機能として使用できる。
【0026】
また、本発明のシャワー装置Aにはハンドシャワー16が設けてあり、図2に示す実施形態ではハンドシャワー16のフレキシブルなシャワーホース16bが座部1に設けた所定のハンドシャワー接続口16cに接続してあり、該ハンドシャワー16のヘッドは一方のノズルユニット4の外側方の浴室の壁7に設けた引掛け手段(図示せず)に着脱自在に引掛け係止してある。該ハンドシャワー16のヘッドにはハンドシャワー用吐水口16aが設けてある。
【0027】
図1には本発明の配管ブロック図が示してある。図1の配管ブロック図に示す実施形態では配管路が主配管路17と副配管路18との2系統となっている。
【0028】
主配管路17は上流側が湯供給管19、水供給管20となっており、更に、この湯供給管19、水供給管20が温度制御手段21に接続してあり、この温度制御手段21より下流側の主配管路17に温度検知部22、流量制御手段23が設けてあり、更に、主配管路17の流量制御手段23より下流側を複数の分岐路24a、24b、24c、24d、24eに分岐してあり、各分岐路24a、24b、24c、24d、24eにはそれぞれ弁25a、弁25b、弁25c、弁25d、弁25eが設けてある。
【0029】
分岐路24aはノズルアーム2に設けた複数のシャワー用の吐水口3a(シャワー用の吐水口3a1、3a2、3a3、3a4、3a5)に湯水を供給するための流路であり、分岐路24aの弁25aの下流側が更に複数の分岐路26a、26b、26c、26d、26eに分岐してあり、分岐路26aの先端にシャワー用の吐水口3a1が設けてあり、分岐路26bの先端にシャワー用の吐水口3a2が設けてあり、分岐路26cの先端にシャワー用の吐水口3a3が設けてあり、分岐路26dの先端にシャワー用の吐水口3a4が設けてあり、分岐路26eの先端にシャワー用の吐水口3a5が設けてある。ここで、図4に示すように、複数のシャワー用の吐水口3a1、3a2、3a3、3a4、3a5はノズルアーム2の基部から先端側に向けて所定間隔で順に位置している(つまり、シャワー用の吐水口3a1がノズルアーム2の基部に位置し、シャワー用の吐水口3a5がノズルアーム2の先端に位置し、シャワー用の吐水口3a3、3a4がその間に位置している)。
【0030】
ノズルアーム2の基部側に位置するシャワー用の吐水口3a1には弁25aを通過した湯水が分岐路26aを介して直接流れるようになっている。つまり、シャワー用の吐水口3a1には温度制御手段21で設定した温度の湯水が供給される。
【0031】
一方、ノズルアーム2の基部以外の箇所に位置するシャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5には弁25aを通過した湯水が温度制御手段27を経て各分岐路26b、26c、26d、26eを介して流れるようになっている。上記温度制御手段27には弁25aを通過した湯水と、別経路である給湯管28から湯が供給され(弁25aを通過した湯水の温度よりも高い湯が供給される)、弁25aを通過した湯水と、給湯管28から供給される湯とを混合して温度調整して、それぞれシャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5に供給するようになっており、この場合、シャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5に供給する湯水毎に温度調整をおこなって、シャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5の順に次第に温度が高くなるように(つまりノズルアーム2の先端側に位置するシャワー用の吐水口3a側程高温に調整された湯水が供給されるように)温度制御されるように設定してある。また、シャワー用の吐水口3a2に供給する湯水の温度はシャワー用の吐水口3a1に供給する湯水の温度よりも高くなるように設定してある。
【0032】
分岐路24bは、ノズルアーム2に設けた複数のミスト用の吐水口3b(ミスト用の吐水口3b1、3b2、3b3、3b4、3b5)に湯水を供給するための流路であり、分岐路24bの弁25bの下流側が更に複数の分岐路29a、29b、29c、29d、29eに分岐してあり、分岐路29aの先端にミスト用の吐水口3b1が設けてあり、分岐路29bの先端にミスト用の吐水口3b2が設けてあり、分岐路29cの先端にミスト用の吐水口3b3が設けてあり、分岐路29dの先端にミスト用の吐水口3b4が設けてあり、分岐路29eの先端にミスト用の吐水口3b5が設けてある。ここで、図4に示すように、複数のミスト用の吐水口3b1、3b2、3b3、3b4、3b5はノズルアーム2の基部から先端側に向けて所定間隔で順に位置している(つまり、ミスト用の吐水口3b1がノズルアーム2の基部に位置し、ミスト用の吐水口3b5がノズルアーム2の先端に位置し、ミスト用の吐水口3b3、3b4がその間に位置している)。
【0033】
ノズルアーム2の基部側に位置するミスト用の吐水口3b1には弁25bを通過した湯水が分岐路29aを介して直接流れるようになっている。つまり、ミスト用の吐水口3b1には温度制御手段21で設定した温度の湯水が供給される。
【0034】
一方、ノズルアーム2の基部以外の箇所に位置するミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5には弁25bを通過した湯水が温度制御手段30を経て各分岐路29b、29c、29d、29eを介して流れるようになっている。上記温度制御手段30には弁25bを通過した湯水と、別経路である給湯管31から湯が供給され(弁25bを通過した湯水の温度よりも高い温度の湯が供給される)、弁25bを通過した湯水と、給湯管28から供給される湯とを混合して温度調整して、それぞれミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5に供給するようになっており、この場合、ミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5に供給する湯水毎に温度調整をおこなって、ミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5の順に次第に温度が高くなるように(つまりノズルアーム2の先端側に位置するミスト用の吐水口3b側程高温に調整された湯水が供給されるように)温度制御されるように設定してある。また、ミスト用の吐水口3b2に供給する湯水の温度はミスト用の吐水口3b1に供給する湯水の温度よりも高くなるように設定してある。
【0035】
また、分岐路24cの弁25cの下流側の端部には左右のマッサージ用吐水口8が設けてあり、分岐路24dの弁25dの下流側の端部にはハンドシャワー用吐水口16aが設けてあり、分岐路24eの弁25eの下流側の端部には洗い場用吐水口9が設けてある。
【0036】
また、主配管路17の温度検知部22と流量制御手段23との間から排水弁32を有する排水管路33が分岐してある。
【0037】
一方、副配管路18は上流側が湯供給管34、水供給管35となっており、更に、この湯供給管34、水供給管35が腰シャワー温度制御手段6に接続してあり、副配管路18の腰シャワー温度制御手段6より下流側において温度検知部36、流量制御手段37、弁38が順に配置してあり、弁38より下流側に左右の腰シャワー用吐水口5が設けてある。
【0038】
また、副配管路18の温度検知部36と流量制御手段37との間から排水弁50を有する排水管路51が分岐してある。
【0039】
上記した主配管路17の弁25a、弁25b、弁25c、弁25d、弁25e、副配管路18の弁38は弁切換え制御手段39からの信号で切換えられるようになっている。
【0040】
図5には上記構成のシャワー装置Aの操作を行うためのリモコンスイッチ装置Bが示してあり、湯温調整用主スイッチ部40、流量調整用主スイッチ部41、湯温調整用副スイッチ部42、流量調整用副スイッチ部43、シャワー用スイッチ部44、ミスト用スイッチ部45、マッサージ用スイッチ部46、ハンドシャワー用スイッチ部47、からん用スイッチ部48が設けてある。
【0041】
ここで、湯温調整用主スイッチ部40を操作することで主配管路17に設けた温度制御手段21において湯供給管19から供給される湯と水供給管20から供給される水との混合割合を変化させて湯温調整をすることができ、流量調整用主スイッチ部41を操作することで、主配管路17に設けた流量制御手段23による流量調整を行うことができ、また、湯温調整用副スイッチ部42を操作することで副配管路18に設けた腰シャワー温度制御手段6において湯供給管34から供給される湯と水供給管35から供給される水との混合割合を変化させて湯温調整をすることができ、流量調整用副スイッチ部43を操作することで副配管路18に設けた流量制御手段37による流量調整を行うことができる用に設定してある。また、シャワー用スイッチ部44をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25aと、副配管路18の弁38が開となるように制御され(この場合他の弁は閉である)、ミスト用スイッチ部45をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25bと、副配管路18の弁38が開となるように制御され(この場合他の弁は閉である)、マッサージ用スイッチ部46をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25cと、副配管路18の弁38が開となるように制御され(この場合他の弁は閉である)、ハンドシャワー用スイッチ部47をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25dのみが開となるように制御され、からん用スイッチ部48をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25eのみが開となるように制御されるように設定してある。
【0042】
上記のような構成のシャワー装置Aの使用に当たっては、図2に示すように背もたれカバー10を閉じた状態で座部1に使用者が座り、この状態でシャワー用スイッチ部44、ミスト用スイッチ部45、マッサージ用スイッチ部46のいずれかをオン操作することで、座部1に座った状態で身体の略全体を包み込むようなシャワー浴や、身体の略全体を包み込むようなミスト浴や、水流マッサージを行うことができる。
【0043】
例えば、シャワー浴をする場合は、ノズルアーム2を回動して前方に突出させ、この状態でシャワー用スイッチ部44をオン操作すると弁25a、弁38が開き、左右のノズルアーム2の長手方向に設けたシャワー用の吐水口3a1、3a2、3a3、3a4、3a5からそれぞれ粒子状に水流を噴出し(シャワーが噴出し)て、座部1に座った使用者の身体のほぼ全体を包み込むようシャワー浴を行い、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれ粒子状に水流を噴出し(シャワーが噴出し)て、座部1に座った使用者の背方から腰にシャワーを浴びせる。
【0044】
この場合、湯温調整用主スイッチ部40を操作して温度制御手段21で湯水の温度を任意の温度に設定し、主配管路17の下流側に流すのであるが、シャワー用の吐水口3a1からは上記温度制御手段21で設定した温度の湯水が噴出する。また、シャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5から噴出する湯水は、上記温度制御手段21で設定された温度の湯水に、これよりも高温の湯(例えば50℃以上の湯)を温度制御手段27部分で加え、高温の湯を加える量をそれぞれ変えることでシャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5の順で次第に湯温が高くなるように調整されるものであり、また、上記温度制御手段21では最高の温度となるシャワー用の吐水口3a5から噴出する湯水の温度がシャワー用の吐水口3a5直近で人が浴びても安全な温度以下となるように制御される。このように、ノズルアーム2の長手方向に複数設けたシャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5からシャワーを噴出して座部1に座った使用者を包み込むようなシャワー浴を行う際、噴出位置から身体までの距離が短いシャワー用の吐水口3aよりも噴出位置から身体までの距離が長いシャワー用の吐水口3a程噴出する湯水の温度を高くしてあるので、各シャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5から噴出したシャワーが座部1に座った使用者の首から下の身体の各部に到達した際はほぼ同じ湯温となり、身体各部に当たる湯温のばらつきがなく、身体全体の温まり感を同じにできて、温熱効果を高めることができる。
【0045】
また、上記のように座部1に使用者が座った状態でノズルアーム2に設けた複数のシャワー用の吐水口3aからシャワーを噴出して使用者の身体を包み込むようなシャワー浴を行っている際、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれシャワーが噴出して腰に当たるため、使用者の背面側が冷えることがないようになっている。この場合、湯温調整用副スイッチ部42を操作して腰シャワー温度制御手段6により腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を調整する。つまり、腰シャワー用吐水口5から座部1に座った使用者の腰部分までの距離は短い(シャワー用の吐水口3a1から首までの距離よりも短い)ため、仮に、シャワー用の吐水口3a1と同じ温度の湯水を腰シャワー用吐水口5から噴出すると、腰シャワー用吐水口5から身体までの距離が短いため腰に当たる湯水が熱過ぎて快適な使用ができないが、上記のように、腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を腰シャワー温度制御手段6により独立して調整することで、身体全体の温まり感を同じにできる。
【0046】
次に、座部1に座ってミスト浴をする場合は、ノズルアーム2を回動して前方に突出させ、この状態でミスト用スイッチ部45をオン操作すると弁25b、弁38が開き、左右のノズルアーム2の長手方向に設けたミスト用の吐水口3b1、3b2、3b3、3b4、3b5からそれぞれミストを噴出して、座部1に座った使用者の身体のほぼ全体を包み込むようミスト浴を行い、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれ粒子状に水流を噴出し(シャワーが噴出し)て、座部1に座った使用者の背方から腰にシャワーを浴びせる。
【0047】
この場合、湯温調整用主スイッチ部40を操作して温度制御手段21で湯水の温度を任意の温度に設定し、主配管路17の下流側に流すのであるが、ミスト用の吐水口3b1からは上記温度制御手段21で設定した温度の湯水が噴出する。ミスト浴の際は通常シャワー浴よりも少し高い湯温となるように設定する。また、ミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5から噴出するミストとなる湯水は、上記温度制御手段21で設定された温度の湯水に、これよりも高温の湯(例えば50℃以上の湯)を温度制御手段30部分で加え、高温の湯を加える量をそれぞれ変えることでミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5の順で次第に湯温が高くなるように調整されるものであり、また、上記温度制御手段21では最高の温度となるミスト用の吐水口3b5から噴出する湯水の温度がミスト用の吐水口3b5直近で人が浴びても安全な温度以下となるように制御される。このように、ノズルアーム2の長手方向に複数設けたミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5からミストを噴出して座部1に座った使用者を包み込むようなミスト浴を行う際、噴出位置から身体までの距離が短いミスト用の吐水口3bよりも噴出位置から身体までの距離が長いミスト用の吐水口3b程噴出する湯水の温度を高くしてあるので、各ミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5から噴出したミストが座部1に座った使用者の首から下の身体の各部に到達した際はほぼ同じ湯温となり、身体各部に当たる湯温のばらつきがなく、身体全体の温まり感を同じにできて、温熱効果を高めることができる。
【0048】
また、上記のように座部1に使用者が座った状態でノズルアーム2に設けた複数のミスト用の吐水口3bからミストを噴出して使用者の身体を包み込むようなミスト浴を行っている際、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれシャワーが噴出して腰に当たるため、使用者の背面側が冷えることがないようになっている。この場合、湯温調整用副スイッチ部42を操作して腰シャワー温度制御手段6により腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を調整する。つまり、腰シャワー用吐水口5から座部1に座った使用者の腰部分までの距離は短い(ミスト用の吐水口3b1から首までの距離よりも短い)ため、仮に、ミスト用の吐水口3b1と同じ温度の湯水を腰シャワー用吐水口5から噴出すると、腰シャワー用吐水口5から身体までの距離が短いため腰に当たる湯水が熱過ぎて快適な使用ができない。しかも、これに加えてミストをシャワー温度と同じにすると体感温度が低くなるので、一般的にミスト温度の噴出温度はシャワーの噴出温度よりも高くする。この点でもシャワー用の吐水口3b1と同じ温度の湯水を腰シャワー用吐水口5から噴出すると、腰に当たる湯水が熱過ぎて快適な使用ができない。そこで、上記のように腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を腰シャワー温度制御手段6により独立して調整することで、身体全体の温まり感を同じにできる。
【0049】
次に、座部1に座って水流マッサージをする場合は、マッサージ用スイッチ部46をオン操作すると弁25c、弁38が開き、左右のマッサージ用吐水口8から使用者の主に肩に向かって衝撃的な水流を噴出して水流マッサージを行い、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれ粒子状に水流を噴出し(シャワーが噴出し)て、座部1に座った使用者の背方から腰にシャワーを浴びせる。
【0050】
また、ハンドシャワー16を使用する場合は、ハンドシャワー用スイッチ部47をオン操作することで、弁25dが開き、ハンドシャワー16のヘッドのハンドシャワー用吐水口16aからシャワーを噴出することができる。
【0051】
また、洗い場用吐水口9から湯水を吐出する場合は、からん用スイッチ部48をオン操作することで弁25eが開き、洗い場用吐水口9から湯水を吐水することができる。
【0052】
また、前述の実施形態ではリモコンスイッチ装置Bを設けてリモコン操作で各モードの切換えや湯温や湯量の調整を行うようにした例を示したが、湯水混合栓を手で直接操作することで各温度制御手段による温度制御を行ったり、流量調整弁を手で直接操作することで各流量制御手段による流量調整をおこなったり、流路切換え弁を手で直接操作することで、各モードを選択自在としてもよい。
【0053】
また、前述の実施形態ではノズルアーム2の長手方向に粒子状に水流を吐水する複数のシャワー用の吐水口3aと、霧状の水流を噴霧する複数のミスト用の吐水口3bとを設け、シャワー用の吐水口3aからの吐水とミスト用の吐水口3bからの吐水とが選択可能とした例を示したが、ノズルアーム2の長手方向に粒子状に水流を吐水する複数のシャワー用の吐水口3aのみを設けたものでもよく、あるいは、ノズルアーム2の長手方向に霧状の水流を噴霧する複数のミスト用の吐水口3bのみを設けたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の配管ブロック図である。
【図2】本発明のシャワー装置の着座使用状態の斜視図である。
【図3】同上のシャワー装置の通常使用状態の斜視図である。
【図4】同上のノズルアームを突出した状態の要部斜視図である。
【図5】同上に用いるリモコンスイッチ装置の正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 座部
2 ノズルアーム
3 吐水口
3a シャワー用の吐水口
3b ミスト用の吐水口
4 ノズルユニット
5 腰シャワー用吐水口
6 腰シャワー温度制御手段
A シャワー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座する座部と、座部の上方において前方に突出するノズルアームと、ノズルアームの長手方向に設けた複数の吐水口とを備えて複数の吐水口から座部に座った使用者の身体を包み込むように湯水を吐水するシャワー装置において、ノズルアームの長手方向に設けた複数の吐水口から吐水する湯水の湯温が、ノズルアームの先端に近い側の吐水口から吐水する湯水程湯温が高く設定してあることを特徴とするシャワー装置。
【請求項2】
使用者が着座する座部の後方に配置されたノズルユニットの上部にノズルアームを上下方向に回動自在に取付け、上記ノズルユニットに座部に座った使用者の腰部に使用者の後方から粒子状に水流を吐水するための腰シャワー用吐水口を設け、腰シャワー用吐水口から噴出する湯水の温度を独立して制御する腰シャワー温度制御手段を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のシャワー装置。
【請求項3】
ノズルアームの長手方向に粒子状に水流を吐水する複数のシャワー用の吐水口を設けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシャワー装置。
【請求項4】
ノズルアームの長手方向に霧状の水流を噴霧する複数のミスト用の吐水口を設けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシャワー装置。
【請求項5】
ノズルアームの長手方向に粒子状に水流を吐水する複数のシャワー用の吐水口と、霧状の水流を噴霧する複数のミスト用の吐水口とを設け、シャワー用の吐水口からの吐水とミスト用の吐水口からの吐水とが選択可能となった請求項1又は請求項2記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−54546(P2007−54546A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246798(P2005−246798)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(505154956)松下電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】