説明

シャワー装置

【課題】着座してシャワー浴を行う装置で、好みによりシャワー浴とミスと浴を選択でき、着座したままでシャワーアームの位置や温度を調節できる装置を提供する。
【解決手段】 シャワー基台1と、シャワーノズル3とミストノズル4とが各々複数個取り付けられたノズルアーム2とからなり、ノズルアーム2はシャワー基台1に片持ち支持されるとともに、上下動自在に支持され、且つ、該片持ち張出し部21が該片持ち支持部Aを回動軸として回動自在になるよう該片持ち張出し部21が軸支され、シャワー基台1に上記シャワーノズル3とミストノズル4とを制御するノズル制御盤5が接続され、且つ、該シャワー基台1に上記ノズルアーム2を制御するノズルアーム操作盤6が接続されたシャワー装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着座してシャワー浴を行うシャワー装置であって、使用者の体格に応じて最適な位置でシャワー浴あるいはミスト浴ができるシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャワー装置として着座して全身にシャワーを行う装置は知られている。たとえばシャワーノズルを有するアームを横方向に回動可能にしたものやあるいは上下方向に回転可能なアームを備えたもの等が存在する。
【0003】
しかしこれらはノズルアームを含めると幅と奥行きが大きく一般家庭の浴槽には設置できないものであり、装置を小型化するとアーム部が短くなり身体サイズによっては頭部に噴流が飛散するといった問題点がある。これらを解決するものとして場所をとらないコンパクトな全身シャワー装置が提案されている。
【特許文献1】特開2003−210347号公報(第66頁、図1)
【特許文献2】特開2001−204644号公報(第5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記されているシャワー装置は噴霧ノズルの少なくとも一つを流入方向と噴出方向が偏角するようにしてアーム長さが短くても可能な限り使用者の正面側から水流を噴出させるものである。そしてノズルアームは回動するが高さの移動はできず、シャワー浴のみでミスト浴はできないものである。
【0005】
特許文献2においてもシャワーアームは垂直な回転軸を有し横方向に回動するが高さの移動は出来ない。そのために上半身用アームと下半身用アームを備え、上半身用アームにはシャワーノズルとミスト状散水ノズルが設けられているがシャワーとミストが同時に噴出するものであり本件発明のようにシャワー浴とミスト浴を別個に使用できるものでない。
【0006】
すなわち上記技術文献1、2のいずれの場合もノズルアームの上下動はなく、一本のアームでシャワー浴とミスト浴を好みに応じて選択することはできないものである。
【0007】
本願発明は使用者の体格に応じて最適な位置でシャワー浴やミスト浴ができるもので、ノズルアームが上下動自在にできるとともに回動自在であり、またノズルアームにシャワーノズルとミストノズルが適数設けられてシャワー浴とミスト浴とを自在に切り替えできるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るシャワー装置の第一の特徴構成は、請求項1に記載した如く、シャワー基台と、シャワーノズルとミストノズルとを各々複数個取り付けたノズルアームとからなり、ノズルアームはシャワー基台に片持ち支持されるとともに上下動自在に支持され、且つ、該片持ち張出し部が該片持ち支持部を回動軸として回動自在になるよう該片持ち張出し部が軸支され、シャワー基台に上記シャワーノズルとミストノズルとを制御するノズル制御盤が接続され、且つ、該シャワー基台に上記ノズルアームを制御するノズルアーム操作盤が接続された点にある。
【0009】
同第二の特徴構成は、請求項2に記載した如く、第一の特徴構成に加えてシャワー基台の左右に設けられた一対のノズルアームが連動するように装着されてなる点にある。
【0010】
同第三の特徴構成は、請求項3に記載した如く、第一の特徴構成に加えてシャワー基台の表面にシャワーノズルが装着されている点にある。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載のシャワー装置は前記構成であり、シャワー基台に取り付けられたノズルアームが上下動自在にでき、さらに片持ち支持部を回動軸として片持ち張出し部を回動自在に制御でき、従って、身体サイズによって使用者がシャワーアームの高さを調整でき、またノズルアームを回動することで噴出角度を好みに応じて選択できる。また、一本のノズルアームにシャワーノズルとミストノズルが適宜数設けられており、ノズル制御盤を操作することでシャワー浴かミスト浴かを選択できる。
【0012】
請求項2に記載のシャワー装置は前記構成であるので、シャワー基台の左右に装着された各々のノズルアームが連動しているから、一回の操作で左右のノズルアームの位置調整が行える。
【0013】
請求項3に記載のシャワー装置は前記構成であり、ノズルアームからのシャワーは身体の前面および側面に噴出され背中面には噴出されないが、シャワー基台の表面にシャワーノズルを設けることにより腰部や背中面にもシャワーが噴出され身体全面をシャワー浴することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して、詳細に説明する。図1は本発明にかかるシャワー装置の一実施例を示す斜視図である。1はシャワー基台であり浴室の壁面に固定されている。シャワー基台1には使用者が椅子11に座ったときに腰部および背中部にシャワー水を噴出するシャワーノズル12がシャワー基台1表面の左右の位置に上下二箇所設けられている。
【0015】
シャワー基台1には湯水の水温制御装置(図示せず)と、シャワー水とミスト水との切替え装置(図示せず)が内蔵されておりこれらは図1および図3に示すノズル制御盤5に通信線7を介して接続されている。またノズルアーム2の上下動および回動を行うノズルアーム操作装置もシャワー基台1に内蔵されており該ノズルアーム操作装置にノズルアーム操作盤6が操作線8を介して接続されている。
【0016】
このノズルアーム2には図2に示すようにシャワーノズル3とミストノズル4が交互に複数個取り付けられるとともに、該シャワーノズル3およびミストノズル4はノズルアーム2内のシャワー水流管(図示せず)およびミスト水流管(図示せず)の各々に連結されている。
【0017】
ノズルアーム2は図1に示すようにシャワー基台1の側面にノズルアーム2全体を矢印方向Cに上下動自在となるように片持ち支持されており、且つ、図2に示すように該片持ち支持部Aを回転軸としてノズルアーム2の片持ち張出し部21を図1および図2に示す矢印方向Bに回動自在にする回動部63をノズルアーム2の片持ち支持部Aに設けている。
【0018】
図2はノズルアーム2全体を上下動自在にする機構の一例を示す概要図である。ノズルアーム2はシャワー基台1の左右に設けられお互いに連動するようになっている。ノズルアーム2の上下動自在の機構はモーター22にウォームギア23が一体に取り付けられており、ウォームギア23と回転歯車24が噛合い、回転歯車24の回動に伴いワイヤー25が回動する。
【0019】
ワイヤー25にはノズルアーム2の昇降棹26が連結部27を介して取り付けられ、モーター22を正逆方向に回転させることでノズルアーム2は図1および図2に示す矢印方向Cの方向に上下する。図2で図示されているのはノズルアーム2が上昇した状態を示している。このノズルアーム2を上下動自在にする昇降装置および回動自在にする回動部63はシャワー基台1に内蔵されておりノズルアーム操作盤6と操作線8で接続されており、使用者がシャワー浴やミスト浴を行いながらノズルアーム操作盤6を操作して好みの高さや角度に調節できる。
【0020】
ノズルアーム操作盤6にはノズルアーム2の上下移動ボタン61およびノズルアーム2の回動ボタン62が付いており、ノズルアーム2の回動は回動部63によって、ノズルアーム2の片持ち支持部Aを支点として回動させるものである。
【0021】
図3に示すものはノズル制御盤5の正面図である。ノズル制御盤5はシャワー水とミスト水とを切り替えその強弱を調節するものであり、51はミスト水の量を多くするミスト強ボタンであり、52は逆にミスト水の量を少なくするミスト弱ボタンである。
【0022】
同様にノズル制御盤5にはシャワー強ボタン53、シャワー弱ボタン54および水温調節ボタン55、56が設けられている。水温を高めるには温度上げボタン55を、水温を下げるには温度下げボタン56を押すことで水温を調節できる。ノズル制御盤5とシャワー基台1とは通信線7で接続されており、各ボタンの指示によりシャワー基台1に内蔵された噴出切替え装置と水温制御装置が作動し、シャワー浴とミスト浴との切り替えや噴出水量あるいは湯水温度を変更できる。
【0023】
次にこのシャワー装置の使用方法について説明する。ノズルアーム2は片持ち支持部Aを支点としてその片持ち張出し部21が図1および図2の矢印方向Bに回動自在であり、しかも角度を維持した状態でノズルアーム2全体を上下方向(図1および図2の矢印方向C)に移動させ且つ固定することができる。
【0024】
ミスト浴する場合には片持ち張出し部21の回動角度を大きく、シャワー浴する場合には該回動角度を小さくすることが好ましい。そして身体サイズに合うようにノズルアーム2全体を上下方向に移動してノズルアーム2の高さを調整する。次いでノズル制御盤5によりシャワー浴かミスト浴かを選択し好みに応じて噴出水量や湯水温度を調節する。
【0025】
シャワー浴の場合シャワーノズル3から噴出する湯水は雨が当たっている感触で全身に湯水を浴びるために短時間で温熱効果が与えられ、またノズル基台1にもシャワーノズル12があることで着座していても腰部および背中部をシャワーすることができる。
【0026】
一方ミスト浴の場合ミストノズル4から噴出する湯水は粒径が小さいために飛散し易く、温熱エネルギーの一部を周囲の空間に放出し周囲の空気を暖め、使用者にゆっくりとした温熱効果を与える。そのために使用者はスチームサウナのような入浴感が与えられ発汗促進作用を受ける。
【0027】
なお、このシャワー装置は不使用時にはノズルアーム2の片持張出し部21を下げるとノズルアーム2全体がシャワー基台1の側面に寄り添う形になるので邪魔になることがないものである。
【0028】
このように本シャワー装置ではシャワー浴とミスト浴を一台のシャワー装置で選択使用でき、ノズル制御盤5とノズルアーム操作盤6がシャワー基台1と別に設けられているのでシャワー浴やミスト浴中であっても、シャワーアームの位置調整や水温調節ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るシャワー装置の斜視図である。
【図2】ノズルアームとノズルアームを上下動自在にする機構を示す概要図である。
【図3】ノズル制御盤を示す正面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 シャワー基台
11 椅子
12 シャワー基台に取り付けられたシャワーノズル
2 ノズルアーム
21 ノズルアームの片持ち張出し部
22 モーター
23 ウォームギア
24 回転歯車
25 ワイヤー
26 ノズルアームの昇降棹
27 ワイヤーとノズルアームの昇降棹の連結部
3 シャワーノズル
4 ミストノズル
5 ノズル制御盤
51 ミスト強ボタン
52 ミスト弱ボタン
53 シャワー強ボタン
54 シャワー弱ボタン
55 温度上げボタン
56 温度下げボタン
6 ノズルアーム操作盤
61 ノズルアームの上下移動ボタン
62 ノズルアームの回動ボタン
63 ノズルアームの回動部
7 ノズル制御盤とシャワー基台を結ぶ通信線
8 ノズルアーム操作盤とシャワー基台を結ぶ操作線
A ノズルアームの片持ち支持部
B ノズルアームの回動方向
C ノズルアームの上下移動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー基台と、シャワーノズルとミストノズルとを各々複数個取り付けたノズルアームとからなり、ノズルアームはシャワー基台に片持ち支持されるとともに、上下動自在に支持され、且つ、該片持ち張出し部が該片持ち支持部を回動軸として回動自在になるよう該片持ち張出し部が軸支され、シャワー基台に上記シャワーノズルとミストノズルとを制御するノズル制御盤が接続され、且つ、該シャワー基台に上記ノズルアームを制御するノズルアーム操作盤が接続されたシャワー装置。
【請求項2】
シャワー基台の左右に設けられた一対のノズルアームが連動するように装着されている請求項1記載のシャワー装置。
【請求項3】
シャワー基台の表面にシャワーノズルが装着されている請求項1記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−68588(P2007−68588A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255807(P2005−255807)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(505154956)松下電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】