シャープペンシル
【課題】軸筒を上下動させたり、芯タンクをノックして先端から芯を繰り出す形式のシャープペンシルにおいて、芯の送出量を調整できるようにし、かつ不使用に芯が突出しないようにしたシャープペンシルを提供する。
【解決手段】軸筒1内には、芯タンク2をノックしたり、振子16を上下動することによりチャック31を前進させて芯26を送り出すことができるチャック機構が設けられており、芯の送出量はチャックリング21が口金2の段部38に当る位置により規制される。軸筒1の先端には、調整リング50が設けられ、この調整リング50を回転することにより上記口金2が軸方向に前後動し、芯の送出量が調整される。口金2を後退させると、振子16の慣性力をチャック31に伝えるための振子受け17が固定され、芯の送り出しが防止される。
【解決手段】軸筒1内には、芯タンク2をノックしたり、振子16を上下動することによりチャック31を前進させて芯26を送り出すことができるチャック機構が設けられており、芯の送出量はチャックリング21が口金2の段部38に当る位置により規制される。軸筒1の先端には、調整リング50が設けられ、この調整リング50を回転することにより上記口金2が軸方向に前後動し、芯の送出量が調整される。口金2を後退させると、振子16の慣性力をチャック31に伝えるための振子受け17が固定され、芯の送り出しが防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノック操作や上下動操作により軸筒の先端から芯を送り出すことができるようにしたシャープペンシルにおいて、芯の送出量を調整可能にしたシャープペンシルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
軸筒を上下動させて軸筒内に収納した振子(おもり、重量体)を移動しその慣性力でチャックを前方(軸筒の先端方向)へ移動させたり、ノック操作によって芯タンクを介してチャックを前進させ芯を送り出すようにしたシャープペンシルが知られている(例えば特許文献1参照)。また、ノック式シャープペンシルにおいて、芯の送出量を調整できるようにした調整装置も知られている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
一般的に、芯を把持するためのチャック部は、芯を内部に挿通するため先端が半径方向に広がるよう開口する筒状の割りチャックや複数の独立したチャック要素を筒状に組合わせたチャックと、このチャックと締着したり開放したりするためチャックの外周に嵌着したチャックリングを具備している。そして、芯タンクをノックしてチャック部を前進させると、チャックリングは静止位置から口金(テーパー)の内面に形成した段部に当る位置まで移動してチャックを開放するから、この間芯はチャックに把持されて移動し、チャックリングの移動量に等しい量芯は送り出される。また、上下動操作により振子を移動させて芯を送り出す形式のシャープペンシルは、振子の慣性力を利用してチャックリングが段部に当るまでチャックを前進させ、ノック操作で芯タンクを移動させたときとほぼ同様の作用で芯送りを行うから、いずれにしても芯送出量はチャックリングの移動量により左右される。
【0004】
上記のようなノック式シャープペンシルにおいて、口金(テーパー)の位置を前後動させて段部の位置を変更したり、チャックリングの静止位置を前後動させることによりチャックリングの移動量を変化させ、芯送出量を調整できるようにした芯送出量調整機構は知られている(例えば特許文献2参照)が、振子による芯送り機構を具備するシャープペンシルではそのような芯送出量調整機構は知らない。また、振子式のシャープペンシルでは、携行時に振子が軸筒内で移動すると、その衝撃で芯が送り出されてしまい、衣服等に損傷を与えるおそれがあるが、そのような欠点を解消できるようにした芯送出量調整装置も知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4293803号公報(図1)
【特許文献2】実開昭57−50381号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決課題は、軸筒を上下に振ったり、軸筒の後端から突出する芯タンクをノックすることにより芯を送り出すようにしたシャープペンシルにおいて、芯の送出量を調整できるようにするとともに携行時の振動、衝撃で芯が飛び出さないようにしたシャープペンシルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、軸筒内に軸方向に移動可能に収納された芯タンクと、該芯タンクを後方に付勢するノックスプリングと、軸方向に移動可能に芯タンクに遊嵌した振子と、上記芯タンクの前部に軸方向に移動可能に保持されチャックリングを有するチャックリングホルダーと、該チャックリングホルダー内に挿入されチャックリングと協働して芯の前進は許容するが後退は阻止するよう芯を把持するチャックと、該チャックを後方に付勢するスライダースプリングと、先端が上記チャックリングホルダーの外周に形成した肩部に当接し後端が軸筒内に形成したストッパーに当接可能な振子受けと、上記チャックが前方に移動したときチャックリングが当接する段部を内部に形成し後部に上記チャックリングホルダーが挿通するスリーブを形成した口金と、上記軸筒の先端に回転可能に取り付けられた調整リングを具備し、該調整リングを回転した際上記口金が軸方向に移動するよう調整リングと口金を軸方向に移動可能に連結するとともに該口金を軸筒の先部内面にねじ係合し、口金内の上記段部にチャックリングが当接する位置まで上記口金を移動したとき上記振子受けを上記軸筒のストッパーと口金のスリーブ間で挟着するよう上記振子受けの前端をスリーブの後端に対向させたことを特徴とするシャープペンシルが提供され、上記課題が解決される。
【0008】
また、本発明によれば、上記口金のスリーブには作動コマ設けられ、軸筒の先部には止め具が設けられ、上記作動コマと止め具がねじ係合し、上記調整リングと作動コマのいずれか一方の部材には軸方向に延びる摺動突起が形成され、他方の部材には該摺動突起が挿入される摺動溝が形成されている上記シャープペンシルが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記のように構成され、軸筒内に軸方向に移動可能に収納された芯タンクと、該芯タンクを後方に付勢するノックスプリングと、軸方向に移動可能に芯タンクに遊嵌した振子と、上記芯タンクの前部に軸方向に移動可能に保持されチャックリングを有するチャックリングホルダーと、該チャックリングホルダー内に挿入されチャックリングと協働して芯の前進は許容するが後退は阻止するよう芯を把持するチャックと、該チャックを後方に付勢するスライダースプリングと、先端が上記チャックリングホルダーの外周に形成した肩部に当接し後端が軸筒内に形成したストッパーに当接可能な振子受けと、上記チャックが前方に移動したときチャックリングが当接する段部を内部に形成し後部に上記チャックリングホルダーが挿通するスリーブを形成した口金と、上記軸筒の先端に回転可能に取り付けられた調整リングを具備し、該調整リングを回転した際上記口金が軸方向に移動するよう調整リングと口金を軸方向に移動可能に連結するとともに該口金を軸筒の先部内面にねじ係合し、口金内の上記段部にチャックリングが当接する位置まで上記口金を移動したとき上記振子受けを上記軸筒のストッパーと口金のスリーブ間で挟着するよう上記振子受けの前端をスリーブの後端に対向させたから、芯タンクをノックしたり振子を上下動させてチャックリングホルダーを前進させると、チャックリングが口金の段部に当る位置までチャックは芯を把持して送り出すことができる。そして、調整リングを回転すると、口金の位置が前後に変化するから、チャックリングが当る上記段部の位置を軸方向に調整することができ、芯の送出量を変えることができる。
【0010】
また、上記のようにして口金を後方に移動し、口金のスリーブと軸筒のストッパー間で振子受けを挟着すると、振子受けに作用する振子の慣性力がチャックに伝わらないようにでき、該振子受けの移動が阻止されて不使用時に携行しても芯が勝手に送り出されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を示し、使用状態の断面図。
【図2】図1の一部の拡大図。
【図3】口金を後退させた持ち運び状態の断面図。
【図4】軸筒の断面図。
【図5】芯タンクの断面図。
【図6】チャックリングを組み込んだチャックリングホルダーを示し、(A)平面図、(B)は断面図。
【図7】芯パイプを組み込んだパイプホルダーを示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【図8】チャックを構成するチャック要素を示し、(A)平面図、(B)は断面図。
【図9】口金を示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【図10】作動コマを示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【図11】止め具を示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【図12】調整リングを示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明のシャープペンシルの一実施例を示し、軸筒1は、先端に口金(テーパー)2を有し、内部には軸筒1の軸方向(前後方向)に移動可能に芯タンク3が収納されている。該軸筒内には、図4に示すように内部の適宜箇所にリブを設けて前方に位置するストッパー4と、後方に位置する内方係止部5を形成してあり、先端部(前端部)の端面には弧状の案内溝6が形成されている。該案内溝6の両端縁6a、6b間の開き間隔は、図に示す実施例では180度であるが、この開き間隔は後記するガイドねじのリードに応じて適宜に選定することができる。
【0013】
上記芯タンク3は、図5に示すように、前部に係止孔7を有し、中間部の後方には外方に突出するフランジ8が形成され、後端近くには消しゴムホルダー9の係止突起10が係合する係止孔11が形成されている。図1に示すように、消しゴムホルダー9には、消しゴム12が挿入され、消しゴムキャップ13が装着されている。上記フランジ8は軸筒の上記内方係止部5の前端面に対向し、該内方係止部5の後端面と上記消しゴムホルダー9の肩部14間には、上記芯タンク3を後方に付勢するノックスプリング15が設けられている。なお、ノックスプリングは、上記実施例の他、芯タンクを後方に付勢することができる適宜の場所に設けてもよい。
【0014】
上記芯タンク3の周囲には、軸筒1を上下動した際、軸方向に移動するよう筒状の金属パイプ等で構成した振子(おもり、重量体)16と、該振子16が前方に移動したときに当接するよう振子受け17が遊嵌されている。該振子16は、上記芯タンク3のフランジ8に当接するまで後方に移動可能であり、振子受け17は、後端が軸筒1の内面に形成した上記ストッパー4に当接する位置まで後退可能である。振子受け17の前部は、軸筒内面との間に空間を形成するよう小径部18に形成され、後記するように、その前端は口金2のスリーブ19の後端に対向している。
【0015】
上記振子受け17の小径部18内には、チャックリングホルダー20が挿入されている。図6に示すように、該チャックリングホルダー20の先端には、前方に広がるチャックリング21が挿入固定され、外周には上記振子受け17の前端が当る肩部22が設けられ、内面にはチャック保持突起23とガイド突起24が設けられている。該チャックリングホルダー20の内方には、芯タンク3の前部に固定したパイプホルダー25が挿入され、後記するように該チャックリングホルダー20は軸方向に移動可能に芯タンク3に保持され、かつ上記振子16を上下動した際、振子受け17から伝達される慣性力によっても移動(前進)可能である。
【0016】
図7に示すように、上記パイプホルダー25の先端には、芯26を前方に案内するガイドパイプ27が挿入固定され、後部にはフランジ28と係止突起29が形成され、該フランジ28が芯タンク3の前端に当り、係止突起29が芯タンク3の上記係止孔7の縁部に係合する位置まで芯タンク3に差し込まれる。このパイプホルダー25の周面には、軸方向に延びる長溝30が形成さており、この長溝30に上記チャックリングホルダー20の内面に形成したガイド突起24が挿入される。そして、芯タンク3がノックスプリング15の作用で後方に後退しているとき、該ガイド突起24は長溝30の後方の縁部30aに当っており、チャックリングホルダー20は該ガイド突起24が長溝30内で前後に移動可能である。すなわち、この長溝30内であれば、チャックリングホルダー20は、芯タンク3を従動させることなく、軸方向に移動可能である。また、芯タンク3をノックすると、長溝30の後方側の縁部30aでチャックリングホルダー20のガイド突起24が押圧されるから、チャックリングホルダー20は芯タンク3とともに前方に移動する。
【0017】
上記チャックリング21と協働して芯26の前進は許容するが後退は阻止するよう芯を把持するチャック31が設けられている。図に示す実施例では、半割り状のチャック要素32を設け、このチャック要素32を、図8に示すように向かい合わせに2個組み合わせてチャック31を構成し、これをチャックリングホルダー20内に挿通してある。チャックの後端には上記チャックリングホルダー20内のチャック保持突起23に当たって抜け止めされるよう抜止め突起33が形成されている。チャック要素32の周面には凹部34が形成され、上記チャックリング21に転接するようボール35が装着される。
【0018】
上記チャック31の先端には、チャック要素32の先部に嵌着するようスライダースプリング36が設けられている。該スライダースプリング36の他端は口金2の内部に当接し、チャック31を後方に付勢している。このスライダースプリング36は、上記ノックスプリング15よりもばね圧が弱いスプリングである。
【0019】
上記口金2には、公知のように、送り出されてきた芯を弾性的に把持する弾性保持片37、図に示す実施例ではブレーカーゴムが先端に設けられ、上記チャックリング21に対向する位置にはチャックリングホルダー20が前進したとき上記チャックリング21が当接する段部38が形成されている(図9参照)。口金2の後部には、上記のようにスリーブ19が形成され、該スリーブ内には上記チャックリングホルダー20が挿通している。該スリーブ19の外面には、図9に示すようにスリーブねじ39が形成され、このスリーブねじ39に、図10に示すように、内面に取付ねじ40を有する作動コマ41がねじ着される。該作動コマ41の外周面にはガイドねじ42が形成され、該ガイドねじ42が、軸筒1の先部に設けたガイドねじ43にねじ係合している。なお、軸筒1に設けるガイドねじ43は、軸筒1の先端に挿入固着される止め具44(図11参照)の内面に形成されているが、軸筒1の先端内周面に直接的にガイドねじを形成することもできる。また上記作動コマ41を省略してスリーブ19の外周面にガイドねじを形成して軸筒に形成した上記ガイドねじに直接ねじ係合させるようにしてもよい(図示略)。
【0020】
上記止め具44は、図11に示すように、内面に上記ガイドねじ43を形成した受入部45に続いて上記軸筒1の先部の内面との間に受入空間を形成するよう外径を小径にした小径部46が形成され、該小径部46に続いて上記軸筒1内に挿入固定できるよう係止突起47を外周に設けた固定部48が形成されている。そして、上記受入部の外周には、一端に上記受入空間に挿入される筒状の差込部49を一側に有する調整リング50(図12参照)が嵌着され、該調整リング50は軸筒1の先端で回転可能である。なお、該調整リング50の差込部49の外面には、上記軸筒1の案内溝6に挿入されるよう案内突起51が形成され、該案内突起51が該案内溝6の両端縁6a、6bに当る位置まで回転した位置で調整リング50の回転を規制するように構成してある。
【0021】
上記口金2、図に示す実施例では口金2に固定した作動コマ41と調整リング50は、軸方向に移動可能に連結されている。図に示す実施例では、図12に示すように、調整リング50の内面に軸筒の軸心に沿って延び前方に開口する摺動溝52を設け、作動コマ41には、図10に示すように該摺動溝52に挿入される摺動突起53を設けてある。調整リング50に摺動突起を設け、作動コマ41に摺動溝を設けたり、調整リングの内面と作動コマの外面を円形以外の異形断面に形成して組み合わせてもよく、作動コマを省略して口金に摺動突起若しくは摺動溝等を形成してもよい。
【0022】
上記の構成により芯タンク3の後端をノックすると、チャックリングホルダー20はチャックリング21が口金2の段部38に当るまで前進し、この前進量Aだけ芯26を送り出すことができる。また、軸筒1を上下に振って振子16を移動させると、振子受け17に振子16が当接する際の慣性力で上記振子受け17が口金2のスリーブ19の後端に当る位置まで前進し、それに伴い上記チャックリングホルダー20も前進し、この前進量Bだけ芯26を送り出すことができる。この際、本発明においては、上記前進量A、Bの距離が等しくなるように構成してあり、それにより、ノック操作による芯出量と振子による芯出量は等しくなる。また、本発明においては、上記口金2の段部38がチャックリング21に当たる位置まで口金2を後退させたとき、振子受け17を上記軸筒1のストッパー4と口金2のスリーブ19の後端間で挟着できるよう上記振子受け等の長さを定めてある。
【0023】
芯26の送出量を調整するには、上記調整リング50を回転すればよい。すなわち、調整リング50が回転すると、上記作動コマ41と軸筒1の止め具44は、ガイドねじ42、43によりねじ係合しているから、上記作動コマ41を介して口金2は軸筒の軸方向に移動する。その結果、口金2内に設けた段部38の位置が変化し、該段部38とチャックリング21間の間隔を調整することができ、芯26の送出量を調整することができる。口金2が移動することにより、同時に口金のスリーブ19も移動するから、振子16を上下動させた際に振子受け17が移動する距離もスリーブ19の位置により変化し、これにより芯26の送出量を調整することができる。
【0024】
上記のようにして調整リング50の回転により口金2を簡単に移動することができるので、該口金2の段部38にチャックリング21が当る位置まで口金2を後退させると、チャックリングホルダー20はスリーブ19とストッパー4間で挟着されるから、不使用時に振子16が振動しても振子受け17が移動しないようにでき、口金2から芯26が送り出されるおそれはない。
【符号の説明】
【0025】
1 軸筒
2 口金
3 芯タンク
4 ストッパー
6 案内溝
15 ノックスプリング
16 振子
17 振子受け
19 スリーブ
20 チャックリングホルダー
21 チャックリング
25 パイプホルダー
31 チャック
38 段部
41 作動コマ
44 止め具
50 調整リング
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノック操作や上下動操作により軸筒の先端から芯を送り出すことができるようにしたシャープペンシルにおいて、芯の送出量を調整可能にしたシャープペンシルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
軸筒を上下動させて軸筒内に収納した振子(おもり、重量体)を移動しその慣性力でチャックを前方(軸筒の先端方向)へ移動させたり、ノック操作によって芯タンクを介してチャックを前進させ芯を送り出すようにしたシャープペンシルが知られている(例えば特許文献1参照)。また、ノック式シャープペンシルにおいて、芯の送出量を調整できるようにした調整装置も知られている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
一般的に、芯を把持するためのチャック部は、芯を内部に挿通するため先端が半径方向に広がるよう開口する筒状の割りチャックや複数の独立したチャック要素を筒状に組合わせたチャックと、このチャックと締着したり開放したりするためチャックの外周に嵌着したチャックリングを具備している。そして、芯タンクをノックしてチャック部を前進させると、チャックリングは静止位置から口金(テーパー)の内面に形成した段部に当る位置まで移動してチャックを開放するから、この間芯はチャックに把持されて移動し、チャックリングの移動量に等しい量芯は送り出される。また、上下動操作により振子を移動させて芯を送り出す形式のシャープペンシルは、振子の慣性力を利用してチャックリングが段部に当るまでチャックを前進させ、ノック操作で芯タンクを移動させたときとほぼ同様の作用で芯送りを行うから、いずれにしても芯送出量はチャックリングの移動量により左右される。
【0004】
上記のようなノック式シャープペンシルにおいて、口金(テーパー)の位置を前後動させて段部の位置を変更したり、チャックリングの静止位置を前後動させることによりチャックリングの移動量を変化させ、芯送出量を調整できるようにした芯送出量調整機構は知られている(例えば特許文献2参照)が、振子による芯送り機構を具備するシャープペンシルではそのような芯送出量調整機構は知らない。また、振子式のシャープペンシルでは、携行時に振子が軸筒内で移動すると、その衝撃で芯が送り出されてしまい、衣服等に損傷を与えるおそれがあるが、そのような欠点を解消できるようにした芯送出量調整装置も知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4293803号公報(図1)
【特許文献2】実開昭57−50381号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決課題は、軸筒を上下に振ったり、軸筒の後端から突出する芯タンクをノックすることにより芯を送り出すようにしたシャープペンシルにおいて、芯の送出量を調整できるようにするとともに携行時の振動、衝撃で芯が飛び出さないようにしたシャープペンシルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、軸筒内に軸方向に移動可能に収納された芯タンクと、該芯タンクを後方に付勢するノックスプリングと、軸方向に移動可能に芯タンクに遊嵌した振子と、上記芯タンクの前部に軸方向に移動可能に保持されチャックリングを有するチャックリングホルダーと、該チャックリングホルダー内に挿入されチャックリングと協働して芯の前進は許容するが後退は阻止するよう芯を把持するチャックと、該チャックを後方に付勢するスライダースプリングと、先端が上記チャックリングホルダーの外周に形成した肩部に当接し後端が軸筒内に形成したストッパーに当接可能な振子受けと、上記チャックが前方に移動したときチャックリングが当接する段部を内部に形成し後部に上記チャックリングホルダーが挿通するスリーブを形成した口金と、上記軸筒の先端に回転可能に取り付けられた調整リングを具備し、該調整リングを回転した際上記口金が軸方向に移動するよう調整リングと口金を軸方向に移動可能に連結するとともに該口金を軸筒の先部内面にねじ係合し、口金内の上記段部にチャックリングが当接する位置まで上記口金を移動したとき上記振子受けを上記軸筒のストッパーと口金のスリーブ間で挟着するよう上記振子受けの前端をスリーブの後端に対向させたことを特徴とするシャープペンシルが提供され、上記課題が解決される。
【0008】
また、本発明によれば、上記口金のスリーブには作動コマ設けられ、軸筒の先部には止め具が設けられ、上記作動コマと止め具がねじ係合し、上記調整リングと作動コマのいずれか一方の部材には軸方向に延びる摺動突起が形成され、他方の部材には該摺動突起が挿入される摺動溝が形成されている上記シャープペンシルが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記のように構成され、軸筒内に軸方向に移動可能に収納された芯タンクと、該芯タンクを後方に付勢するノックスプリングと、軸方向に移動可能に芯タンクに遊嵌した振子と、上記芯タンクの前部に軸方向に移動可能に保持されチャックリングを有するチャックリングホルダーと、該チャックリングホルダー内に挿入されチャックリングと協働して芯の前進は許容するが後退は阻止するよう芯を把持するチャックと、該チャックを後方に付勢するスライダースプリングと、先端が上記チャックリングホルダーの外周に形成した肩部に当接し後端が軸筒内に形成したストッパーに当接可能な振子受けと、上記チャックが前方に移動したときチャックリングが当接する段部を内部に形成し後部に上記チャックリングホルダーが挿通するスリーブを形成した口金と、上記軸筒の先端に回転可能に取り付けられた調整リングを具備し、該調整リングを回転した際上記口金が軸方向に移動するよう調整リングと口金を軸方向に移動可能に連結するとともに該口金を軸筒の先部内面にねじ係合し、口金内の上記段部にチャックリングが当接する位置まで上記口金を移動したとき上記振子受けを上記軸筒のストッパーと口金のスリーブ間で挟着するよう上記振子受けの前端をスリーブの後端に対向させたから、芯タンクをノックしたり振子を上下動させてチャックリングホルダーを前進させると、チャックリングが口金の段部に当る位置までチャックは芯を把持して送り出すことができる。そして、調整リングを回転すると、口金の位置が前後に変化するから、チャックリングが当る上記段部の位置を軸方向に調整することができ、芯の送出量を変えることができる。
【0010】
また、上記のようにして口金を後方に移動し、口金のスリーブと軸筒のストッパー間で振子受けを挟着すると、振子受けに作用する振子の慣性力がチャックに伝わらないようにでき、該振子受けの移動が阻止されて不使用時に携行しても芯が勝手に送り出されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を示し、使用状態の断面図。
【図2】図1の一部の拡大図。
【図3】口金を後退させた持ち運び状態の断面図。
【図4】軸筒の断面図。
【図5】芯タンクの断面図。
【図6】チャックリングを組み込んだチャックリングホルダーを示し、(A)平面図、(B)は断面図。
【図7】芯パイプを組み込んだパイプホルダーを示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【図8】チャックを構成するチャック要素を示し、(A)平面図、(B)は断面図。
【図9】口金を示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【図10】作動コマを示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【図11】止め具を示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【図12】調整リングを示し、(A)平面図、(B)は断面図、(C)は側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明のシャープペンシルの一実施例を示し、軸筒1は、先端に口金(テーパー)2を有し、内部には軸筒1の軸方向(前後方向)に移動可能に芯タンク3が収納されている。該軸筒内には、図4に示すように内部の適宜箇所にリブを設けて前方に位置するストッパー4と、後方に位置する内方係止部5を形成してあり、先端部(前端部)の端面には弧状の案内溝6が形成されている。該案内溝6の両端縁6a、6b間の開き間隔は、図に示す実施例では180度であるが、この開き間隔は後記するガイドねじのリードに応じて適宜に選定することができる。
【0013】
上記芯タンク3は、図5に示すように、前部に係止孔7を有し、中間部の後方には外方に突出するフランジ8が形成され、後端近くには消しゴムホルダー9の係止突起10が係合する係止孔11が形成されている。図1に示すように、消しゴムホルダー9には、消しゴム12が挿入され、消しゴムキャップ13が装着されている。上記フランジ8は軸筒の上記内方係止部5の前端面に対向し、該内方係止部5の後端面と上記消しゴムホルダー9の肩部14間には、上記芯タンク3を後方に付勢するノックスプリング15が設けられている。なお、ノックスプリングは、上記実施例の他、芯タンクを後方に付勢することができる適宜の場所に設けてもよい。
【0014】
上記芯タンク3の周囲には、軸筒1を上下動した際、軸方向に移動するよう筒状の金属パイプ等で構成した振子(おもり、重量体)16と、該振子16が前方に移動したときに当接するよう振子受け17が遊嵌されている。該振子16は、上記芯タンク3のフランジ8に当接するまで後方に移動可能であり、振子受け17は、後端が軸筒1の内面に形成した上記ストッパー4に当接する位置まで後退可能である。振子受け17の前部は、軸筒内面との間に空間を形成するよう小径部18に形成され、後記するように、その前端は口金2のスリーブ19の後端に対向している。
【0015】
上記振子受け17の小径部18内には、チャックリングホルダー20が挿入されている。図6に示すように、該チャックリングホルダー20の先端には、前方に広がるチャックリング21が挿入固定され、外周には上記振子受け17の前端が当る肩部22が設けられ、内面にはチャック保持突起23とガイド突起24が設けられている。該チャックリングホルダー20の内方には、芯タンク3の前部に固定したパイプホルダー25が挿入され、後記するように該チャックリングホルダー20は軸方向に移動可能に芯タンク3に保持され、かつ上記振子16を上下動した際、振子受け17から伝達される慣性力によっても移動(前進)可能である。
【0016】
図7に示すように、上記パイプホルダー25の先端には、芯26を前方に案内するガイドパイプ27が挿入固定され、後部にはフランジ28と係止突起29が形成され、該フランジ28が芯タンク3の前端に当り、係止突起29が芯タンク3の上記係止孔7の縁部に係合する位置まで芯タンク3に差し込まれる。このパイプホルダー25の周面には、軸方向に延びる長溝30が形成さており、この長溝30に上記チャックリングホルダー20の内面に形成したガイド突起24が挿入される。そして、芯タンク3がノックスプリング15の作用で後方に後退しているとき、該ガイド突起24は長溝30の後方の縁部30aに当っており、チャックリングホルダー20は該ガイド突起24が長溝30内で前後に移動可能である。すなわち、この長溝30内であれば、チャックリングホルダー20は、芯タンク3を従動させることなく、軸方向に移動可能である。また、芯タンク3をノックすると、長溝30の後方側の縁部30aでチャックリングホルダー20のガイド突起24が押圧されるから、チャックリングホルダー20は芯タンク3とともに前方に移動する。
【0017】
上記チャックリング21と協働して芯26の前進は許容するが後退は阻止するよう芯を把持するチャック31が設けられている。図に示す実施例では、半割り状のチャック要素32を設け、このチャック要素32を、図8に示すように向かい合わせに2個組み合わせてチャック31を構成し、これをチャックリングホルダー20内に挿通してある。チャックの後端には上記チャックリングホルダー20内のチャック保持突起23に当たって抜け止めされるよう抜止め突起33が形成されている。チャック要素32の周面には凹部34が形成され、上記チャックリング21に転接するようボール35が装着される。
【0018】
上記チャック31の先端には、チャック要素32の先部に嵌着するようスライダースプリング36が設けられている。該スライダースプリング36の他端は口金2の内部に当接し、チャック31を後方に付勢している。このスライダースプリング36は、上記ノックスプリング15よりもばね圧が弱いスプリングである。
【0019】
上記口金2には、公知のように、送り出されてきた芯を弾性的に把持する弾性保持片37、図に示す実施例ではブレーカーゴムが先端に設けられ、上記チャックリング21に対向する位置にはチャックリングホルダー20が前進したとき上記チャックリング21が当接する段部38が形成されている(図9参照)。口金2の後部には、上記のようにスリーブ19が形成され、該スリーブ内には上記チャックリングホルダー20が挿通している。該スリーブ19の外面には、図9に示すようにスリーブねじ39が形成され、このスリーブねじ39に、図10に示すように、内面に取付ねじ40を有する作動コマ41がねじ着される。該作動コマ41の外周面にはガイドねじ42が形成され、該ガイドねじ42が、軸筒1の先部に設けたガイドねじ43にねじ係合している。なお、軸筒1に設けるガイドねじ43は、軸筒1の先端に挿入固着される止め具44(図11参照)の内面に形成されているが、軸筒1の先端内周面に直接的にガイドねじを形成することもできる。また上記作動コマ41を省略してスリーブ19の外周面にガイドねじを形成して軸筒に形成した上記ガイドねじに直接ねじ係合させるようにしてもよい(図示略)。
【0020】
上記止め具44は、図11に示すように、内面に上記ガイドねじ43を形成した受入部45に続いて上記軸筒1の先部の内面との間に受入空間を形成するよう外径を小径にした小径部46が形成され、該小径部46に続いて上記軸筒1内に挿入固定できるよう係止突起47を外周に設けた固定部48が形成されている。そして、上記受入部の外周には、一端に上記受入空間に挿入される筒状の差込部49を一側に有する調整リング50(図12参照)が嵌着され、該調整リング50は軸筒1の先端で回転可能である。なお、該調整リング50の差込部49の外面には、上記軸筒1の案内溝6に挿入されるよう案内突起51が形成され、該案内突起51が該案内溝6の両端縁6a、6bに当る位置まで回転した位置で調整リング50の回転を規制するように構成してある。
【0021】
上記口金2、図に示す実施例では口金2に固定した作動コマ41と調整リング50は、軸方向に移動可能に連結されている。図に示す実施例では、図12に示すように、調整リング50の内面に軸筒の軸心に沿って延び前方に開口する摺動溝52を設け、作動コマ41には、図10に示すように該摺動溝52に挿入される摺動突起53を設けてある。調整リング50に摺動突起を設け、作動コマ41に摺動溝を設けたり、調整リングの内面と作動コマの外面を円形以外の異形断面に形成して組み合わせてもよく、作動コマを省略して口金に摺動突起若しくは摺動溝等を形成してもよい。
【0022】
上記の構成により芯タンク3の後端をノックすると、チャックリングホルダー20はチャックリング21が口金2の段部38に当るまで前進し、この前進量Aだけ芯26を送り出すことができる。また、軸筒1を上下に振って振子16を移動させると、振子受け17に振子16が当接する際の慣性力で上記振子受け17が口金2のスリーブ19の後端に当る位置まで前進し、それに伴い上記チャックリングホルダー20も前進し、この前進量Bだけ芯26を送り出すことができる。この際、本発明においては、上記前進量A、Bの距離が等しくなるように構成してあり、それにより、ノック操作による芯出量と振子による芯出量は等しくなる。また、本発明においては、上記口金2の段部38がチャックリング21に当たる位置まで口金2を後退させたとき、振子受け17を上記軸筒1のストッパー4と口金2のスリーブ19の後端間で挟着できるよう上記振子受け等の長さを定めてある。
【0023】
芯26の送出量を調整するには、上記調整リング50を回転すればよい。すなわち、調整リング50が回転すると、上記作動コマ41と軸筒1の止め具44は、ガイドねじ42、43によりねじ係合しているから、上記作動コマ41を介して口金2は軸筒の軸方向に移動する。その結果、口金2内に設けた段部38の位置が変化し、該段部38とチャックリング21間の間隔を調整することができ、芯26の送出量を調整することができる。口金2が移動することにより、同時に口金のスリーブ19も移動するから、振子16を上下動させた際に振子受け17が移動する距離もスリーブ19の位置により変化し、これにより芯26の送出量を調整することができる。
【0024】
上記のようにして調整リング50の回転により口金2を簡単に移動することができるので、該口金2の段部38にチャックリング21が当る位置まで口金2を後退させると、チャックリングホルダー20はスリーブ19とストッパー4間で挟着されるから、不使用時に振子16が振動しても振子受け17が移動しないようにでき、口金2から芯26が送り出されるおそれはない。
【符号の説明】
【0025】
1 軸筒
2 口金
3 芯タンク
4 ストッパー
6 案内溝
15 ノックスプリング
16 振子
17 振子受け
19 スリーブ
20 チャックリングホルダー
21 チャックリング
25 パイプホルダー
31 チャック
38 段部
41 作動コマ
44 止め具
50 調整リング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒内に軸方向に移動可能に収納された芯タンクと、該芯タンクを後方に付勢するノックスプリングと、軸方向に移動可能に芯タンクに遊嵌した振子と、上記芯タンクの前部に軸方向に移動可能に保持されチャックリングを有するチャックリングホルダーと、該チャックリングホルダー内に挿入されチャックリングと協働して芯の前進は許容するが後退は阻止するよう芯を把持するチャックと、該チャックを後方に付勢するスライダースプリングと、先端が上記チャックリングホルダーの外周に形成した肩部に当接し後端が軸筒内に形成したストッパーに当接可能な振子受けと、上記チャックが前方に移動したときチャックリングが当接する段部を内部に形成し後部に上記チャックリングホルダーが挿通するスリーブを形成した口金と、上記軸筒の先端に回転可能に取り付けられた調整リングを具備し、該調整リングを回転した際上記口金が軸方向に移動するよう調整リングと口金を軸方向に移動可能に連結するとともに該口金を軸筒の先部内面にねじ係合し、口金内の上記段部にチャックリングが当接する位置まで上記口金を移動したとき上記振子受けを上記軸筒のストッパーと口金のスリーブ間で挟着するよう上記振子受けの前端をスリーブの後端に対向させたことを特徴とするシャープペンシル。
【請求項2】
上記口金のスリーブには作動コマ設けられ、軸筒の先部には止め具が設けられ、上記作動コマと止め具がねじ係合し、上記調整リングと作動コマのいずれか一方の部材には軸方向に延びる摺動突起が形成され、他方の部材には該摺動突起が挿入される溝が形成されている請求項1に記載のシャープペンシル。
【請求項3】
上記止め具には、軸筒の内面との間に受入空間を形成するよう小径部が設けられ、上記調整リングには該受入空間に挿入される差込部が形成されている請求項1または2に記載のシャープペンシル。
【請求項4】
上記軸筒の先部内面には弧状の案内溝が形成され、上記調整リングには該案内溝に挿入され該案内溝の終端縁に当接可能な位置決め突起が設けられている請求項1または2に記載のシャープペンシル。
【請求項1】
軸筒内に軸方向に移動可能に収納された芯タンクと、該芯タンクを後方に付勢するノックスプリングと、軸方向に移動可能に芯タンクに遊嵌した振子と、上記芯タンクの前部に軸方向に移動可能に保持されチャックリングを有するチャックリングホルダーと、該チャックリングホルダー内に挿入されチャックリングと協働して芯の前進は許容するが後退は阻止するよう芯を把持するチャックと、該チャックを後方に付勢するスライダースプリングと、先端が上記チャックリングホルダーの外周に形成した肩部に当接し後端が軸筒内に形成したストッパーに当接可能な振子受けと、上記チャックが前方に移動したときチャックリングが当接する段部を内部に形成し後部に上記チャックリングホルダーが挿通するスリーブを形成した口金と、上記軸筒の先端に回転可能に取り付けられた調整リングを具備し、該調整リングを回転した際上記口金が軸方向に移動するよう調整リングと口金を軸方向に移動可能に連結するとともに該口金を軸筒の先部内面にねじ係合し、口金内の上記段部にチャックリングが当接する位置まで上記口金を移動したとき上記振子受けを上記軸筒のストッパーと口金のスリーブ間で挟着するよう上記振子受けの前端をスリーブの後端に対向させたことを特徴とするシャープペンシル。
【請求項2】
上記口金のスリーブには作動コマ設けられ、軸筒の先部には止め具が設けられ、上記作動コマと止め具がねじ係合し、上記調整リングと作動コマのいずれか一方の部材には軸方向に延びる摺動突起が形成され、他方の部材には該摺動突起が挿入される溝が形成されている請求項1に記載のシャープペンシル。
【請求項3】
上記止め具には、軸筒の内面との間に受入空間を形成するよう小径部が設けられ、上記調整リングには該受入空間に挿入される差込部が形成されている請求項1または2に記載のシャープペンシル。
【請求項4】
上記軸筒の先部内面には弧状の案内溝が形成され、上記調整リングには該案内溝に挿入され該案内溝の終端縁に当接可能な位置決め突起が設けられている請求項1または2に記載のシャープペンシル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−125947(P2012−125947A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277080(P2010−277080)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(392005126)ミクロ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(392005126)ミクロ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】
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