シュリンク包装材
【課題】 容器の外周側に装着させるシュリンク包装材に切り離し線を設け、この切り離し線に沿ってシュリンク包装材を切断させて、容器からシュリンク包装材を取り外す場合に、切り離し線からずれることがなく、シュリンク包装材が切り離し線に沿ってうまく簡単に切断されるようにする。
【解決手段】 加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状部を有するシュリンク包装材10において、上記の筒状部の軸方向に沿ってシュリンク包装材を切断させる切り離し線11を少なくとも1本設け、この切り離し線を、断続的な切れ目線11bと、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線11aとで構成した。
【解決手段】 加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状部を有するシュリンク包装材10において、上記の筒状部の軸方向に沿ってシュリンク包装材を切断させる切り離し線11を少なくとも1本設け、この切り離し線を、断続的な切れ目線11bと、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線11aとで構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器の外周側に装着されるシュリンク包装材に係り、特に、上記の容器を使用した後、この容器からシュリンク包装材をうまく取り外して、容器とシュリンク包装材とを簡単に分別回収できるようにしたシュリンク包装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器の外周側に、チューブ状等に形成されたシュリンク包装材を装着させたものが多く使用されている。
【0003】
また、近年においては、プラスチック等で構成された容器を再製する等の目的で、容器とシュリンク包装材とを分別回収することが行われるようになっている。
【0004】
このため、近年においては、図1に示すように、筒状に形成されたシュリンク包装材10の軸方向に沿って、ミシン目等の断続的な切り離し線11を1本又は複数本設けたシュリンク包装材10を用い、このシュリンク包装材10を熱収縮させて飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器20の外周側に装着させ、この容器20の使用後に、上記の切り離し線11に沿ってシュリンク包装材10を切断させ、シュリンク包装材10を容器20から取り外すようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0005】
しかし、このようにシュリンク包装材10を切り離し線11に沿って切断させて、シュリンク包装材10を容器20から取り外す場合に、シュリンク包装材10がミシン目等の断続的な切り離し線11に沿ってうまく切断されず、切断部分が切り離し線11からずれてしまい、シュリンク包装材10を切断させるのに大きな力が必要になる等の問題が生じた。
【0006】
例えば、シュリンク包装材10を取り付ける容器20の形状は様々であり、図2に示すように、胴部21に径が異なる大径部21aと小径部21bとを有する容器20も用いられており、図3に示すように、このような容器20の外周部に、筒状に形成されたシュリンク包装材10を熱収縮させて装着させたものにおいて、上記のようにシュリンク包装材10を切り離し線11に沿って切断させるようにした場合、容器20の径が変化する段部において、シュリンク包装材10が上記の切り離し線11からずれて切断されることがあり、シュリンク包装材10をうまく切断することができなくなって、大きな力が必要になる等の問題があった。
【特許文献1】特開2003−95225号公報
【特許文献2】特開2004−18089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器の外周側に装着させるシュリンク包装材における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0008】
すなわち、この発明においては、飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器の外周側に装着させたシュリンク包装材を上記のように切り離し線に沿って切断させて、シュリンク包装材を容器から取り外す場合に、切り離し線からずれることがなく、シュリンク包装材が切り離し線に沿ってうまく簡単に切断されるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の請求項1におけるシュリンク包装材においては、上記のような課題を解決するため、加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状部を有するシュリンク包装材において、上記の筒状部の軸方向に沿ってシュリンク包装材を切断させる切り離し線を少なくとも1本設け、この切り離し線を、断続的な切れ目線と、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とで構成するようにした。
【0010】
また、この発明の請求項2におけるシュリンク包装材においては、上記のような課題を解決するため、加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状になったシュリンク包装材において、その軸方向に沿ってこのシュリンク包装材を切断させる切り離し線を少なくとも1本設け、この切り離し線を、断続的な切れ目線と、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とで構成するようにした。
【0011】
また、上記の各シュリンク包装材の軸方向に沿って、上記のような切り離し線を設けるにあたり、上記の連続した切れ目線を、シュリンク包装材の外面側と内面側との何れに設けるようにしても、また連続した切れ目線がシュリンク包装材の厚み方向において繋がらないようにして外面側と内面側との両側に設けるようにしてもよいが、連続した切れ目線をシュリンク包装材の内面側に設ける一方、断続的な切れ目線をシュリンク包装材の外面側に設けることが好ましい。
【0012】
また、上記のようにシュリンク包装材に断続的な切れ目線を設けると共に、シュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線を設けて、切り離し線を形成するにあたり、上記の断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが、シュリンク包装材の厚み方向において繋がっていても、繋がっていなくてもよいが、断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが繋がっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明においては、上記のように加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状部を有するシュリンク包装材や、加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状になったシュリンク包装材において、軸方向に沿ってこのシュリンク包装材を切断させる切り離し線を設けるにあたり、この切り離し線として、断続的な切れ目線を設けると共に、シュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線を設けるようにしたため、このシュリンク包装材を容器の外周側に装着させた後、このシュリンク包装材を切断させて容器から取り外す場合に、切り離し線からずれることなく、このシュリンク包装材が切り離し線に沿って簡単に切断されるようになる。
【0014】
このため、前記の図3に示すように、胴部に径が異なる大径部と小径部とを有する容器の外周部にこの発明のシュリンク包装材を装着させた場合においても、このシュリンク包装材を切り離し線に沿って切断させる際に、容器の径が変化する段部において切り離し線からずれるということがなく、シュリンク包装材を切り離し線に沿って簡単に切断できるようになる。
【0015】
また、この発明のシュリンク包装材において、その軸方向に沿って上記のような切り離し線を設けるにあたり、上記の連続した切れ目線をシュリンク包装材の内面側に設け、断続的な切れ目線をシュリンク包装材の外面側に設けると、このシュリンク包装材を熱収縮させて容器の外周側に装着させた場合に、連続した切れ目線を外面側に設けた場合のように、連続した切れ目線の部分が勝手に広がるということがなく、このシュリンク包装材が切り離し線に沿って勝手に破れるのが防止される。また、このように連続した切れ目線をシュリンク包装材の内面側に設けると、容器の外周側に装着させたシュリンク包装材を切断させて容器から取り外す場合に、内面側にある連続した切れ目線側から破れ易くなり、シュリンク包装材が切り離し線に沿ってより簡単に切断されるようになる。
【0016】
また、上記のように切り離し線として、断続的な切れ目線と、シュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とを設けるにあたり、断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが、シュリンク包装材の厚み方向において繋がっていても繋がっていなくてもよいが、断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが繋がっていると、この切り離し線に沿ってシュリンク包装材をより簡単に切断できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態に係るシュリンク包装材を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るシュリンク包装材は、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0018】
この実施形態に係るシュリンク包装材10を製造するにあたっては、熱収縮性のシュリンクフィルム10aを用い、図4に示すように、このシュリンクフィルム10aを先ずカッターロール31とアンビルロール32との間に導き、図5(A),(B)に示すように、このシュリンクフィルム10aの片面(上面)に所要間隔を介して2本の連続した切れ目線11aをある程度の深さまで設けるようにする。その後、このシュリンクフィルム10aをミシン刃ロール33とアンビルロール34との間に導き、図6(A),(B)に示すように、上記の連続した2本の切れ目線11aとは反対側の面(下面)であって上記の2本の連続した切れ目線11aと対応する位置において、連続したそれぞれの切れ目線11aとシュリンクフィルム10aの厚み方向に繋がるようにして、ミシン目状になった2本の断続的な切れ目線11bを設けるようにする。そして、このように連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとからなる切り離し線11を2本、所要間隔を介してシュリンクフィルム10aの移動方向に沿って形成し、このシュリンクフィルム10aを巻き取るようにする。
【0019】
なお、この実施形態においては、上記のように連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとからなる切り離し線11を、所要間隔を介して2本設けるようにしたが、このような切り離し線11を1本だけ設けるようにしてもよい。また、この実施形態においては、シュリンクフィルム10aの上面に連続した切れ目線11aを、シュリンクフィルム10aの下面に断続的な切れ目線11bを設けるようにしたが、シュリンクフィルム10aの下面に連続した切れ目線11aを、シュリンクフィルム10aの上面に断続的な切れ目線11bを設けるようにしてもよい。また、この実施形態においては、連続した切れ目線11aをシュリンクフィルム10aの上面にだけ設けるようにしたが、シュリンクフィルム10aが切断されないように、この上面の連続した切れ目線11aと繋がらないようにして、シュリンクフィルム10aの下面に連続した切れ目線11aを設けるようにしてもよい。さらに、この実施形態においては、上記のように連続した切れ目線11aと断続的な切れ目線11bとがシュリンクフィルム10aの厚み方向において繋がるように設けたが、連続した切れ目線11aと断続的な切れ目線11bとが繋がらないように設けてもよい。
【0020】
ここで、上記のシュリンクフィルム10aとしては、例えば、上記の切り離し線11を設ける方向と直交する方向に一軸延伸されたポリビニルクロライド、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどで構成されたものが主として用いられる。また、二軸延伸されたポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエステルなどで構成されたものを用いるようにしてもよい。なお、上記のシュリンクフィルム10aの材料としては、切断強度が高く、耐薬品性や耐侯性などに優れたポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。また、この実施形態に係るシュリンク包装材10を装着させる容器20にポリエチレンテレフタレートで構成されたものを用いた場合、この容器20とシュリンク包装材10との比重による分別回収が併せて行えるようにするため、シュリンクフィルム10aの材料に、ポリエチレンテレフタレートとの比重差が大きいポリスチレンを用いることが好ましい。また、ポリスチレンで構成されたシュリンクフィルム10aは熱収縮率が高く、焼却時に有毒ガスの発生もないという特徴を有する。
【0021】
また、この実施形態においては、シュリンクフィルム10aに連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとからなる切り離し線11を設けるにあたり、連続した切れ目線11aを設けた後、ミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けるようにしたが、図7に示すように、シュリンクフィルム10aをミシン刃ロール33とアンビルロール34との間に導いて、図8(A)に示すように、シュリンクフィルム10aの下面から反対側の上面に至るミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けた後、このシュリンクフィルム10aをカッターロール31とアンビルロール32との間に導き、図8(B)に示すように、上記の断続的な切れ目線11bと繋がるようにして、このシュリンクフィルム10aの上面からある程度の深さまで連続した切れ目線11aを設けることも可能である。また、図9(A)に示すように、シュリンクフィルム10aの下面からある程度の深さまでミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けた後、図9(B)に示すように、このシュリンクフィルム10aの上面から上記の断続的な切れ目線11bと繋がるようにして連続した切れ目線11aを設けることも可能である。さらに、図10(A)に示すように、シュリンクフィルム10aの下面からある程度の深さまでミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けた後、図10(B)に示すように、このシュリンクフィルム10aの上面から上記の断続的な切れ目線11bと繋がらないようにして連続した切れ目線11aを設けることも可能である。
【0022】
さらに、シュリンクフィルム10aの上面と下面との対応する位置において、シュリンクフィルム10aの厚み方向に繋がらないようにして、それぞれ連続した切れ目線11aを設けると共に、この上面と下面とに設けられた2つの連続した切れ目線11aの間にミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けることも可能である。
【0023】
ここで、上記の2つの連続した切れ目線11aと断続的な切れ目線11bとを設ける順序は特に限定されず、例えば、シュリンクフィルム10aの上面と下面とにそれぞれ連続した切れ目線11aを設けた後、断続的な切れ目線11bを設けるようにしたり、断続的な切れ目線11bを設けた後、シュリンクフィルム10aの上面と下面とにそれぞれ連続した切れ目線11aを設けるようにしたり、シュリンクフィルム10aの上面と下面との何れか一方に連続した切れ目線11aを設けた後、断続的な切れ目線11bを設け、さらに上記の連続した切れ目線11aと反対側の面に連続した切れ目線11aを設けるようにすることができる。また、上記の断続的な切れ目線11bは、シュリンクフィルム10aの厚み方向において、シュリンクフィルム10aの上面と下面とに設けられた各連続した切れ目線11aと繋がるようにしても、何れか一方の連続した切れ目線11aとだけ繋がるようにしてもよい。
【0024】
そして、上記のように所要間隔を介して切り離し線11が2本設けられて巻き取られたシュリンクフィルム10aを引き出し、図11に示すように、徐々にその径が細くなるジグ35に挿入して、シュリンクフィルム10を徐々に丸めるようにする。
【0025】
次いで、このように丸められたシュリンクフィルム10aの長手方向端縁に沿って、塗布機36により一定の幅で粘着剤12を帯状に塗布させるようにする。
【0026】
ここで、上記の粘着剤12の材料としては、例えば、ポリアクリル酸エステル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系等を用いることができ、これをエマルジョン状態や溶剤に溶解させた状態等の塗液状にして用いるようにする。なお、粘着剤12をエマルジョン状態にして用いると、作業環境に悪影響を与えることが少なくなる。また、上記の溶剤としては、例えば、アセトン,メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素、酢酸エチル等の酢酸エステル、石油ナフサ等を用いることができる。
【0027】
そして、上記のように粘着剤12を帯状に塗布するにあたっては、シュリンクフィルム10aの一端面に対して、その塗工幅が約15mmまでであることが望ましく、さらに望ましくは約6mmまでである一方、その塗工幅が少なくとも1.5mm以上であることが望ましく、さらに望ましくは3mm以上になるように塗工する。これは、粘着剤12の塗工幅が狭くなりすぎると、貼付強度が低下する傾向にあり、一方、塗工幅が広くなりすぎると、熱収縮のむらが起きやすくなるためである。また、粘着剤12の塗工位置は、シュリンクフィルム10aの一端縁から1mm以内が望ましい。これは、粘着剤12の塗工位置がシュリンクフィルム10aの内部に入りすぎると、粘着剤12が貼着されていないシュリンクフィルム10aの端部において、縮みしわが目立つようになるおそれが生じるためである。なお、粘着剤12はシュリンクフィルム10aの何れか一方の端部に塗布すれば十分であるが、その両端部に塗布するようにしてもよい。
【0028】
そして、シュリンクフィルム10aに塗布された粘着剤12の部分に、シュリンクフィルム10aの他端側を重ね合わせて接着させ、筒状になったシュリンクフィルム10aを形成した後、この筒状になったシュリンクフィルム10aをカッター37により所望の長さに切断して、筒状になったシュリンク包装材10を形成した。
【0029】
このようにして筒状になったシュリンク包装材10を形成した場合、図12に示すように、上記のミシン目状になった断続的な切れ目線11bがこのシュリンク包装材10の外周面側に位置する一方、上記の連続した切れ目線11aがこのシュリンク包装材10の内周面側に位置するようになる。
【0030】
なお、この実施形態においては、上記のように連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとからなる切り離し線11を形成したシュリンクフィルム10aを巻き取った後、このシュリンクフィルム10aを引き出して筒状に形成するようにしたが、切り離し線11を形成したシュリンクフィルム10aを、そのまま上記のジグ35に導いて筒状に形成するようにしてもよい。
【0031】
また、この実施形態においては、シュリンクフィルム10aを筒状に形成する前に切り離し線11を形成するようにしたが、シュリンクフィルム10aを筒状に形成した後、上記のような切り離し線11を設けるようにすることも可能である。
【0032】
また、この実施形態においては、筒状になったシュリンクフィルム10aを形成するにあたり、上記のようにシュリンクフィルム10aに一定の幅で粘着剤12を帯状に塗布し、この粘着剤12によりシュリンクフィルム10aの他端側を接着させるようにしたが、上記の粘着剤12に代えて、両面粘着テープを用いてシュリンクフィルム10aの他端側を接着させるようにしたり、溶剤を一定の幅で塗布し、シュリンクフィルム10aの表面部分を溶解させて、シュリンクフィルム10aの他端側を接着させるようにしたり、また熱等によってシュリンクフィルム10aの幅方向両端部を溶着させるようにすることもできる。
【0033】
ここで、上記の両面粘着テープの基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等を用いることができ、またこの基材に塗工する粘着剤の材料としては、例えば、ポリアクリル酸エステル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系等を用いることができ、このような粘着剤は溶剤を含まないか、含んでいても少量であるため、作業環境に大きな影響は及ぼさない。
【0034】
また、両面粘着テープを使用する場合においては、粘着剤や溶剤の塗布と異なり粘着物質の量が変動しにくいので、その貼付位置が適正か否かの検認のみでよく、貼付不良の検認も適切に行えるようになる。また、両面粘着テープの幅は、望ましくは1.5〜15mm、さらに望ましくは3〜6mm、貼付位置はシュリンクフィルムの一端から1mm以内が望ましい。シュリンクフィルムの端面と両面粘着テープの端面をそろえる(貼付位置をシュリンクフィルムの一端から0mmにする)ためには、両面粘着テープ貼付後、両面粘着テープを貼ったシュリンクフィルムの一端を両面粘着テープごと切り落とすとよい。テープ幅が狭くなりすぎると、貼着強度が低下する傾向にあり、テープ幅が広くなりすぎると、シュリンクのむらが起きやすくなる。また、テープの貼付位置がシュリンクフィルムの内部に入りすぎると、貼着されていないシュリンクフィルムの端部において縮みしわが目立つようになるおそれがある。両面粘着テープを貼付することは、両面粘着テープが切断しない限り、両面粘着テープは確実に貼付され、また、両面粘着テープが厚みをもつため、例えば無色透明の溶剤に比べ、接着を行う材料のシュリンクフィルム上における存在の検認は容易であるという効果がある。
【0035】
また、シュリンクフィルム10aの表面部分を溶解させて接着させる上記の溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキソラン、イソプロパノール、エタノール、メタノールなどを用いることができる。
【0036】
そして、前記のように筒状に形成したシュリンク包装材10を、図2に示すような径が異なる大径部21aと小径部21bとを有する容器20の胴部21の外周側に装着させるにあたっては、図13に示すように、上記の容器20の胴部21の外周を覆うようにして、この筒状になったシュリンク包装材10を容器20の胴部21の外周側に配置させ、この状態で、このシュリンク包装材10を熱収縮させて、前記の図3に示すように、容器20の胴部21の外周側にこのシュリンク包装材10を装着させるようにする。
【0037】
また、この容器20を使用した後、上記のシュリンク包装材10を容器20から取り外すにあたっては、連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとで構成された2本の切り離し線11によりシュリンク包装材10を切断させて、シュリンク包装材10を容器20から取り外すようにする。
【0038】
ここで、この実施形態のシュリンク包装材10においては、上記のように各切り離し線11が連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとで構成されているため、胴部21に径が異なる大径部21aと小径部21bとを有する容器20に装着させた場合においても、シュリンク包装材10が各切り離し線11に沿って適切に切断されるようになり、従来のように容器20の径が変化する段部において切り離し線11からずれて切断されるということがなく、大きな力を必要とせずにシュリンク包装材10を簡単にうまく切断できるようになる。
【0039】
なお、この実施形態のシュリンク包装材10は、図2に示す容器20における胴部21の外周側に装着させるようになっているだけであるが、同図に示す容器20の胴部21から底部22に至るようになったものであっても、容器20の胴部21からキャップ23に至るようになったものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来のシュリンク包装材の概略斜視図である。
【図2】シュリンク包装材を装着させる容器の正面図である。
【図3】シュリンク包装材を容器の胴部の外周側に装着させた状態を示した正面図である。
【図4】この発明の実施形態に係るシュリンク包装材を製造するにあたり、シュリンクフィルムに連続した切れ目線を設けた後、ミシン目状になった断続的な切れ目線を設け、連続した切れ目線とミシン目状になった断続的な切れ目線とからなる切り離し線が形成されたシュリンクフィルムを製造する状態を示した概略説明図である。
【図5】図4に示したシュリンクフィルムの製造において、シュリンクフィルムの片面(上面)に所要間隔を介して2本の連続した切れ目線をある程度の深さまで設けた状態を示した断面説明図(A)及び平面説明図(B)である。
【図6】図4に示したシュリンクフィルムの製造において、2本の連続した切れ目線が設けられたシュリンクフィルムの反対側の面(下面)に、この連続したそれぞれの切れ目線と繋がるようにして、ミシン目状になった2本の断続的な切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(A)及び底面説明図(B)である。
【図7】この発明の実施形態に係るシュリンク包装材を製造するにあたり、シュリンクフィルムにミシン目状になった断続的な切れ目線を設けた後、連続した切れ目線を設け、連続した切れ目線とミシン目状になった断続的な切れ目線とからなる切り離し線が形成されたシュリンクフィルムを製造する状態を示した概略説明図である。
【図8】図7に示したシュリンクフィルムの製造において、シュリンクフィルムの下面から反対側の上面に至るミシン目状になった断続的な切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(A)及び断続的な切れ目線が設けられたシュリンクフィルムの上面からある程度の深さまで連続した切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(B)である。
【図9】図7に示したシュリンクフィルムの製造において、シュリンクフィルムの下面からある程度の深さまでミシン目状になった断続的な切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(A)及び断続的な切れ目線が設けられたシュリンクフィルムの上面から断続的な切れ目線と繋がるようにして連続した切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(B)である。
【図10】図7に示したシュリンクフィルムの製造において、シュリンクフィルムの下面からある程度の深さまでミシン目状になった断続的な切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(A)及び断続的な切れ目線が設けられたシュリンクフィルムの上面から断続的な切れ目線と繋がらないようにして連続した切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(B)である。
【図11】所要間隔を介して切り離し線が2本設けられたシュリンクフィルムを引き出して、この実施形態に係る筒状になったシュリンク包装材を製造する状態を示した概略説明図である。
【図12】上記のようにして製造した実施形態に係るシュリンク包装材の断面説明図である。
【図13】上記の実施形態に係るシュリンク包装材を熱収縮させて、容器の胴部の外周側に装着させる前の状態を示した概略説明図である。
【符号の説明】
【0041】
10 シュリンク包装材
10a シュリンクフィルム
11 切り離し線
11a 連続した切れ目線
11b 断続的な切れ目線
12 粘着剤
20 容器
21 胴部
21a 大径部
21b 小径部
22 底部
23 キャップ
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器の外周側に装着されるシュリンク包装材に係り、特に、上記の容器を使用した後、この容器からシュリンク包装材をうまく取り外して、容器とシュリンク包装材とを簡単に分別回収できるようにしたシュリンク包装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器の外周側に、チューブ状等に形成されたシュリンク包装材を装着させたものが多く使用されている。
【0003】
また、近年においては、プラスチック等で構成された容器を再製する等の目的で、容器とシュリンク包装材とを分別回収することが行われるようになっている。
【0004】
このため、近年においては、図1に示すように、筒状に形成されたシュリンク包装材10の軸方向に沿って、ミシン目等の断続的な切り離し線11を1本又は複数本設けたシュリンク包装材10を用い、このシュリンク包装材10を熱収縮させて飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器20の外周側に装着させ、この容器20の使用後に、上記の切り離し線11に沿ってシュリンク包装材10を切断させ、シュリンク包装材10を容器20から取り外すようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0005】
しかし、このようにシュリンク包装材10を切り離し線11に沿って切断させて、シュリンク包装材10を容器20から取り外す場合に、シュリンク包装材10がミシン目等の断続的な切り離し線11に沿ってうまく切断されず、切断部分が切り離し線11からずれてしまい、シュリンク包装材10を切断させるのに大きな力が必要になる等の問題が生じた。
【0006】
例えば、シュリンク包装材10を取り付ける容器20の形状は様々であり、図2に示すように、胴部21に径が異なる大径部21aと小径部21bとを有する容器20も用いられており、図3に示すように、このような容器20の外周部に、筒状に形成されたシュリンク包装材10を熱収縮させて装着させたものにおいて、上記のようにシュリンク包装材10を切り離し線11に沿って切断させるようにした場合、容器20の径が変化する段部において、シュリンク包装材10が上記の切り離し線11からずれて切断されることがあり、シュリンク包装材10をうまく切断することができなくなって、大きな力が必要になる等の問題があった。
【特許文献1】特開2003−95225号公報
【特許文献2】特開2004−18089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器の外周側に装着させるシュリンク包装材における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0008】
すなわち、この発明においては、飲料充填用ボトル、瓶、缶等の容器の外周側に装着させたシュリンク包装材を上記のように切り離し線に沿って切断させて、シュリンク包装材を容器から取り外す場合に、切り離し線からずれることがなく、シュリンク包装材が切り離し線に沿ってうまく簡単に切断されるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の請求項1におけるシュリンク包装材においては、上記のような課題を解決するため、加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状部を有するシュリンク包装材において、上記の筒状部の軸方向に沿ってシュリンク包装材を切断させる切り離し線を少なくとも1本設け、この切り離し線を、断続的な切れ目線と、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とで構成するようにした。
【0010】
また、この発明の請求項2におけるシュリンク包装材においては、上記のような課題を解決するため、加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状になったシュリンク包装材において、その軸方向に沿ってこのシュリンク包装材を切断させる切り離し線を少なくとも1本設け、この切り離し線を、断続的な切れ目線と、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とで構成するようにした。
【0011】
また、上記の各シュリンク包装材の軸方向に沿って、上記のような切り離し線を設けるにあたり、上記の連続した切れ目線を、シュリンク包装材の外面側と内面側との何れに設けるようにしても、また連続した切れ目線がシュリンク包装材の厚み方向において繋がらないようにして外面側と内面側との両側に設けるようにしてもよいが、連続した切れ目線をシュリンク包装材の内面側に設ける一方、断続的な切れ目線をシュリンク包装材の外面側に設けることが好ましい。
【0012】
また、上記のようにシュリンク包装材に断続的な切れ目線を設けると共に、シュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線を設けて、切り離し線を形成するにあたり、上記の断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが、シュリンク包装材の厚み方向において繋がっていても、繋がっていなくてもよいが、断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが繋がっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明においては、上記のように加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状部を有するシュリンク包装材や、加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状になったシュリンク包装材において、軸方向に沿ってこのシュリンク包装材を切断させる切り離し線を設けるにあたり、この切り離し線として、断続的な切れ目線を設けると共に、シュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線を設けるようにしたため、このシュリンク包装材を容器の外周側に装着させた後、このシュリンク包装材を切断させて容器から取り外す場合に、切り離し線からずれることなく、このシュリンク包装材が切り離し線に沿って簡単に切断されるようになる。
【0014】
このため、前記の図3に示すように、胴部に径が異なる大径部と小径部とを有する容器の外周部にこの発明のシュリンク包装材を装着させた場合においても、このシュリンク包装材を切り離し線に沿って切断させる際に、容器の径が変化する段部において切り離し線からずれるということがなく、シュリンク包装材を切り離し線に沿って簡単に切断できるようになる。
【0015】
また、この発明のシュリンク包装材において、その軸方向に沿って上記のような切り離し線を設けるにあたり、上記の連続した切れ目線をシュリンク包装材の内面側に設け、断続的な切れ目線をシュリンク包装材の外面側に設けると、このシュリンク包装材を熱収縮させて容器の外周側に装着させた場合に、連続した切れ目線を外面側に設けた場合のように、連続した切れ目線の部分が勝手に広がるということがなく、このシュリンク包装材が切り離し線に沿って勝手に破れるのが防止される。また、このように連続した切れ目線をシュリンク包装材の内面側に設けると、容器の外周側に装着させたシュリンク包装材を切断させて容器から取り外す場合に、内面側にある連続した切れ目線側から破れ易くなり、シュリンク包装材が切り離し線に沿ってより簡単に切断されるようになる。
【0016】
また、上記のように切り離し線として、断続的な切れ目線と、シュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とを設けるにあたり、断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが、シュリンク包装材の厚み方向において繋がっていても繋がっていなくてもよいが、断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが繋がっていると、この切り離し線に沿ってシュリンク包装材をより簡単に切断できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態に係るシュリンク包装材を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るシュリンク包装材は、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0018】
この実施形態に係るシュリンク包装材10を製造するにあたっては、熱収縮性のシュリンクフィルム10aを用い、図4に示すように、このシュリンクフィルム10aを先ずカッターロール31とアンビルロール32との間に導き、図5(A),(B)に示すように、このシュリンクフィルム10aの片面(上面)に所要間隔を介して2本の連続した切れ目線11aをある程度の深さまで設けるようにする。その後、このシュリンクフィルム10aをミシン刃ロール33とアンビルロール34との間に導き、図6(A),(B)に示すように、上記の連続した2本の切れ目線11aとは反対側の面(下面)であって上記の2本の連続した切れ目線11aと対応する位置において、連続したそれぞれの切れ目線11aとシュリンクフィルム10aの厚み方向に繋がるようにして、ミシン目状になった2本の断続的な切れ目線11bを設けるようにする。そして、このように連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとからなる切り離し線11を2本、所要間隔を介してシュリンクフィルム10aの移動方向に沿って形成し、このシュリンクフィルム10aを巻き取るようにする。
【0019】
なお、この実施形態においては、上記のように連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとからなる切り離し線11を、所要間隔を介して2本設けるようにしたが、このような切り離し線11を1本だけ設けるようにしてもよい。また、この実施形態においては、シュリンクフィルム10aの上面に連続した切れ目線11aを、シュリンクフィルム10aの下面に断続的な切れ目線11bを設けるようにしたが、シュリンクフィルム10aの下面に連続した切れ目線11aを、シュリンクフィルム10aの上面に断続的な切れ目線11bを設けるようにしてもよい。また、この実施形態においては、連続した切れ目線11aをシュリンクフィルム10aの上面にだけ設けるようにしたが、シュリンクフィルム10aが切断されないように、この上面の連続した切れ目線11aと繋がらないようにして、シュリンクフィルム10aの下面に連続した切れ目線11aを設けるようにしてもよい。さらに、この実施形態においては、上記のように連続した切れ目線11aと断続的な切れ目線11bとがシュリンクフィルム10aの厚み方向において繋がるように設けたが、連続した切れ目線11aと断続的な切れ目線11bとが繋がらないように設けてもよい。
【0020】
ここで、上記のシュリンクフィルム10aとしては、例えば、上記の切り離し線11を設ける方向と直交する方向に一軸延伸されたポリビニルクロライド、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどで構成されたものが主として用いられる。また、二軸延伸されたポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエステルなどで構成されたものを用いるようにしてもよい。なお、上記のシュリンクフィルム10aの材料としては、切断強度が高く、耐薬品性や耐侯性などに優れたポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。また、この実施形態に係るシュリンク包装材10を装着させる容器20にポリエチレンテレフタレートで構成されたものを用いた場合、この容器20とシュリンク包装材10との比重による分別回収が併せて行えるようにするため、シュリンクフィルム10aの材料に、ポリエチレンテレフタレートとの比重差が大きいポリスチレンを用いることが好ましい。また、ポリスチレンで構成されたシュリンクフィルム10aは熱収縮率が高く、焼却時に有毒ガスの発生もないという特徴を有する。
【0021】
また、この実施形態においては、シュリンクフィルム10aに連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとからなる切り離し線11を設けるにあたり、連続した切れ目線11aを設けた後、ミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けるようにしたが、図7に示すように、シュリンクフィルム10aをミシン刃ロール33とアンビルロール34との間に導いて、図8(A)に示すように、シュリンクフィルム10aの下面から反対側の上面に至るミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けた後、このシュリンクフィルム10aをカッターロール31とアンビルロール32との間に導き、図8(B)に示すように、上記の断続的な切れ目線11bと繋がるようにして、このシュリンクフィルム10aの上面からある程度の深さまで連続した切れ目線11aを設けることも可能である。また、図9(A)に示すように、シュリンクフィルム10aの下面からある程度の深さまでミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けた後、図9(B)に示すように、このシュリンクフィルム10aの上面から上記の断続的な切れ目線11bと繋がるようにして連続した切れ目線11aを設けることも可能である。さらに、図10(A)に示すように、シュリンクフィルム10aの下面からある程度の深さまでミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けた後、図10(B)に示すように、このシュリンクフィルム10aの上面から上記の断続的な切れ目線11bと繋がらないようにして連続した切れ目線11aを設けることも可能である。
【0022】
さらに、シュリンクフィルム10aの上面と下面との対応する位置において、シュリンクフィルム10aの厚み方向に繋がらないようにして、それぞれ連続した切れ目線11aを設けると共に、この上面と下面とに設けられた2つの連続した切れ目線11aの間にミシン目状になった断続的な切れ目線11bを設けることも可能である。
【0023】
ここで、上記の2つの連続した切れ目線11aと断続的な切れ目線11bとを設ける順序は特に限定されず、例えば、シュリンクフィルム10aの上面と下面とにそれぞれ連続した切れ目線11aを設けた後、断続的な切れ目線11bを設けるようにしたり、断続的な切れ目線11bを設けた後、シュリンクフィルム10aの上面と下面とにそれぞれ連続した切れ目線11aを設けるようにしたり、シュリンクフィルム10aの上面と下面との何れか一方に連続した切れ目線11aを設けた後、断続的な切れ目線11bを設け、さらに上記の連続した切れ目線11aと反対側の面に連続した切れ目線11aを設けるようにすることができる。また、上記の断続的な切れ目線11bは、シュリンクフィルム10aの厚み方向において、シュリンクフィルム10aの上面と下面とに設けられた各連続した切れ目線11aと繋がるようにしても、何れか一方の連続した切れ目線11aとだけ繋がるようにしてもよい。
【0024】
そして、上記のように所要間隔を介して切り離し線11が2本設けられて巻き取られたシュリンクフィルム10aを引き出し、図11に示すように、徐々にその径が細くなるジグ35に挿入して、シュリンクフィルム10を徐々に丸めるようにする。
【0025】
次いで、このように丸められたシュリンクフィルム10aの長手方向端縁に沿って、塗布機36により一定の幅で粘着剤12を帯状に塗布させるようにする。
【0026】
ここで、上記の粘着剤12の材料としては、例えば、ポリアクリル酸エステル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系等を用いることができ、これをエマルジョン状態や溶剤に溶解させた状態等の塗液状にして用いるようにする。なお、粘着剤12をエマルジョン状態にして用いると、作業環境に悪影響を与えることが少なくなる。また、上記の溶剤としては、例えば、アセトン,メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素、酢酸エチル等の酢酸エステル、石油ナフサ等を用いることができる。
【0027】
そして、上記のように粘着剤12を帯状に塗布するにあたっては、シュリンクフィルム10aの一端面に対して、その塗工幅が約15mmまでであることが望ましく、さらに望ましくは約6mmまでである一方、その塗工幅が少なくとも1.5mm以上であることが望ましく、さらに望ましくは3mm以上になるように塗工する。これは、粘着剤12の塗工幅が狭くなりすぎると、貼付強度が低下する傾向にあり、一方、塗工幅が広くなりすぎると、熱収縮のむらが起きやすくなるためである。また、粘着剤12の塗工位置は、シュリンクフィルム10aの一端縁から1mm以内が望ましい。これは、粘着剤12の塗工位置がシュリンクフィルム10aの内部に入りすぎると、粘着剤12が貼着されていないシュリンクフィルム10aの端部において、縮みしわが目立つようになるおそれが生じるためである。なお、粘着剤12はシュリンクフィルム10aの何れか一方の端部に塗布すれば十分であるが、その両端部に塗布するようにしてもよい。
【0028】
そして、シュリンクフィルム10aに塗布された粘着剤12の部分に、シュリンクフィルム10aの他端側を重ね合わせて接着させ、筒状になったシュリンクフィルム10aを形成した後、この筒状になったシュリンクフィルム10aをカッター37により所望の長さに切断して、筒状になったシュリンク包装材10を形成した。
【0029】
このようにして筒状になったシュリンク包装材10を形成した場合、図12に示すように、上記のミシン目状になった断続的な切れ目線11bがこのシュリンク包装材10の外周面側に位置する一方、上記の連続した切れ目線11aがこのシュリンク包装材10の内周面側に位置するようになる。
【0030】
なお、この実施形態においては、上記のように連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとからなる切り離し線11を形成したシュリンクフィルム10aを巻き取った後、このシュリンクフィルム10aを引き出して筒状に形成するようにしたが、切り離し線11を形成したシュリンクフィルム10aを、そのまま上記のジグ35に導いて筒状に形成するようにしてもよい。
【0031】
また、この実施形態においては、シュリンクフィルム10aを筒状に形成する前に切り離し線11を形成するようにしたが、シュリンクフィルム10aを筒状に形成した後、上記のような切り離し線11を設けるようにすることも可能である。
【0032】
また、この実施形態においては、筒状になったシュリンクフィルム10aを形成するにあたり、上記のようにシュリンクフィルム10aに一定の幅で粘着剤12を帯状に塗布し、この粘着剤12によりシュリンクフィルム10aの他端側を接着させるようにしたが、上記の粘着剤12に代えて、両面粘着テープを用いてシュリンクフィルム10aの他端側を接着させるようにしたり、溶剤を一定の幅で塗布し、シュリンクフィルム10aの表面部分を溶解させて、シュリンクフィルム10aの他端側を接着させるようにしたり、また熱等によってシュリンクフィルム10aの幅方向両端部を溶着させるようにすることもできる。
【0033】
ここで、上記の両面粘着テープの基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等を用いることができ、またこの基材に塗工する粘着剤の材料としては、例えば、ポリアクリル酸エステル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系等を用いることができ、このような粘着剤は溶剤を含まないか、含んでいても少量であるため、作業環境に大きな影響は及ぼさない。
【0034】
また、両面粘着テープを使用する場合においては、粘着剤や溶剤の塗布と異なり粘着物質の量が変動しにくいので、その貼付位置が適正か否かの検認のみでよく、貼付不良の検認も適切に行えるようになる。また、両面粘着テープの幅は、望ましくは1.5〜15mm、さらに望ましくは3〜6mm、貼付位置はシュリンクフィルムの一端から1mm以内が望ましい。シュリンクフィルムの端面と両面粘着テープの端面をそろえる(貼付位置をシュリンクフィルムの一端から0mmにする)ためには、両面粘着テープ貼付後、両面粘着テープを貼ったシュリンクフィルムの一端を両面粘着テープごと切り落とすとよい。テープ幅が狭くなりすぎると、貼着強度が低下する傾向にあり、テープ幅が広くなりすぎると、シュリンクのむらが起きやすくなる。また、テープの貼付位置がシュリンクフィルムの内部に入りすぎると、貼着されていないシュリンクフィルムの端部において縮みしわが目立つようになるおそれがある。両面粘着テープを貼付することは、両面粘着テープが切断しない限り、両面粘着テープは確実に貼付され、また、両面粘着テープが厚みをもつため、例えば無色透明の溶剤に比べ、接着を行う材料のシュリンクフィルム上における存在の検認は容易であるという効果がある。
【0035】
また、シュリンクフィルム10aの表面部分を溶解させて接着させる上記の溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキソラン、イソプロパノール、エタノール、メタノールなどを用いることができる。
【0036】
そして、前記のように筒状に形成したシュリンク包装材10を、図2に示すような径が異なる大径部21aと小径部21bとを有する容器20の胴部21の外周側に装着させるにあたっては、図13に示すように、上記の容器20の胴部21の外周を覆うようにして、この筒状になったシュリンク包装材10を容器20の胴部21の外周側に配置させ、この状態で、このシュリンク包装材10を熱収縮させて、前記の図3に示すように、容器20の胴部21の外周側にこのシュリンク包装材10を装着させるようにする。
【0037】
また、この容器20を使用した後、上記のシュリンク包装材10を容器20から取り外すにあたっては、連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとで構成された2本の切り離し線11によりシュリンク包装材10を切断させて、シュリンク包装材10を容器20から取り外すようにする。
【0038】
ここで、この実施形態のシュリンク包装材10においては、上記のように各切り離し線11が連続した切れ目線11aとミシン目状になった断続的な切れ目線11bとで構成されているため、胴部21に径が異なる大径部21aと小径部21bとを有する容器20に装着させた場合においても、シュリンク包装材10が各切り離し線11に沿って適切に切断されるようになり、従来のように容器20の径が変化する段部において切り離し線11からずれて切断されるということがなく、大きな力を必要とせずにシュリンク包装材10を簡単にうまく切断できるようになる。
【0039】
なお、この実施形態のシュリンク包装材10は、図2に示す容器20における胴部21の外周側に装着させるようになっているだけであるが、同図に示す容器20の胴部21から底部22に至るようになったものであっても、容器20の胴部21からキャップ23に至るようになったものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来のシュリンク包装材の概略斜視図である。
【図2】シュリンク包装材を装着させる容器の正面図である。
【図3】シュリンク包装材を容器の胴部の外周側に装着させた状態を示した正面図である。
【図4】この発明の実施形態に係るシュリンク包装材を製造するにあたり、シュリンクフィルムに連続した切れ目線を設けた後、ミシン目状になった断続的な切れ目線を設け、連続した切れ目線とミシン目状になった断続的な切れ目線とからなる切り離し線が形成されたシュリンクフィルムを製造する状態を示した概略説明図である。
【図5】図4に示したシュリンクフィルムの製造において、シュリンクフィルムの片面(上面)に所要間隔を介して2本の連続した切れ目線をある程度の深さまで設けた状態を示した断面説明図(A)及び平面説明図(B)である。
【図6】図4に示したシュリンクフィルムの製造において、2本の連続した切れ目線が設けられたシュリンクフィルムの反対側の面(下面)に、この連続したそれぞれの切れ目線と繋がるようにして、ミシン目状になった2本の断続的な切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(A)及び底面説明図(B)である。
【図7】この発明の実施形態に係るシュリンク包装材を製造するにあたり、シュリンクフィルムにミシン目状になった断続的な切れ目線を設けた後、連続した切れ目線を設け、連続した切れ目線とミシン目状になった断続的な切れ目線とからなる切り離し線が形成されたシュリンクフィルムを製造する状態を示した概略説明図である。
【図8】図7に示したシュリンクフィルムの製造において、シュリンクフィルムの下面から反対側の上面に至るミシン目状になった断続的な切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(A)及び断続的な切れ目線が設けられたシュリンクフィルムの上面からある程度の深さまで連続した切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(B)である。
【図9】図7に示したシュリンクフィルムの製造において、シュリンクフィルムの下面からある程度の深さまでミシン目状になった断続的な切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(A)及び断続的な切れ目線が設けられたシュリンクフィルムの上面から断続的な切れ目線と繋がるようにして連続した切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(B)である。
【図10】図7に示したシュリンクフィルムの製造において、シュリンクフィルムの下面からある程度の深さまでミシン目状になった断続的な切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(A)及び断続的な切れ目線が設けられたシュリンクフィルムの上面から断続的な切れ目線と繋がらないようにして連続した切れ目線を設けた状態を示した断面説明図(B)である。
【図11】所要間隔を介して切り離し線が2本設けられたシュリンクフィルムを引き出して、この実施形態に係る筒状になったシュリンク包装材を製造する状態を示した概略説明図である。
【図12】上記のようにして製造した実施形態に係るシュリンク包装材の断面説明図である。
【図13】上記の実施形態に係るシュリンク包装材を熱収縮させて、容器の胴部の外周側に装着させる前の状態を示した概略説明図である。
【符号の説明】
【0041】
10 シュリンク包装材
10a シュリンクフィルム
11 切り離し線
11a 連続した切れ目線
11b 断続的な切れ目線
12 粘着剤
20 容器
21 胴部
21a 大径部
21b 小径部
22 底部
23 キャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状部を有するシュリンク包装材において、上記の筒状部の軸方向に沿ってシュリンク包装材を切断させる切り離し線が少なくとも1本設けられ、この切り離し線が、断続的な切れ目線と、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とで構成されていることを特徴とするシュリンク包装材。
【請求項2】
加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状になったシュリンク包装材において、その軸方向に沿ってこのシュリンク包装材を切断させる切り離し線が少なくとも1本設けられ、この切り離し線が、断続的な切れ目線と、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とで構成されていることを特徴とするシュリンク包装材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載したシュリンク包装材において、上記の連続した切れ目線がシュリンク包装材の内面側に設けられていることを特徴とするシュリンク包装材。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載したシュリンク包装材において、上記の断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが、シュリンク包装材の厚み方向において繋がっていることを特徴とするシュリンク包装材。
【請求項1】
加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状部を有するシュリンク包装材において、上記の筒状部の軸方向に沿ってシュリンク包装材を切断させる切り離し線が少なくとも1本設けられ、この切り離し線が、断続的な切れ目線と、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とで構成されていることを特徴とするシュリンク包装材。
【請求項2】
加熱によって少なくとも周方向に収縮する筒状になったシュリンク包装材において、その軸方向に沿ってこのシュリンク包装材を切断させる切り離し線が少なくとも1本設けられ、この切り離し線が、断続的な切れ目線と、このシュリンク包装材の厚みより浅い深さの連続した切れ目線とで構成されていることを特徴とするシュリンク包装材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載したシュリンク包装材において、上記の連続した切れ目線がシュリンク包装材の内面側に設けられていることを特徴とするシュリンク包装材。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載したシュリンク包装材において、上記の断続的な切れ目線と連続した切れ目線とが、シュリンク包装材の厚み方向において繋がっていることを特徴とするシュリンク包装材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−3612(P2006−3612A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179645(P2004−179645)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)
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