説明

ショーケース

【課題】治具を用いて組み立てることなく、隣り合うフィン間を所定の間隔に組み立てることができるショーケースを提供する。
【解決手段】冷却器8の複数のフィン30を空気の送流方向において長さの異なる長尺フィン30aと短尺フィン30bとで構成し、この長尺フィン30a及び短尺フィン30bの冷媒管31を挿通させる穴部35の縁部に突出部分36をそれぞれ形成し、並置された長尺フィン30aの間に短尺フィン30bを配置すると共に短尺フィン30bを送流方向の下流側33aに配置し、短尺フィン30bの突出部分36を隣り合う長尺フィン30a又は短尺フィン30bに突き当てて組み立てることによって複数のフィン間の隙間P2を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商店で食品等を販売する際に、当該食品等を長期間新鮮な状態で保存しておくためのショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、販売される食品等(例えば、精肉、鮮魚、冷凍食品、アイスクリーム等)を購買者が容易に手に取ることができるように前面側を開口させたショーケースが見受けられる。このようなショーケースには、冷却器が配設されており、この冷却器は、隙間をあけて並置される複数のフィンと、この複数のフィンに設けた貫通穴にそれぞれ挿通される冷媒管とを備えている。この構造では、冷媒管内を流れる冷媒の吸熱によりフィン近傍の空気が冷却され、この冷却空気を食品等が陳列される貯蔵室内へ送ることにより、食品等を冷凍又は冷却することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述のように前面側を開口させたオープンショーケースの場合、貯蔵室内に外気が自由に入り込むことになる。そのため、この外気に含まれる水分がフィンによって冷却され、フィンに霜が付くことがある。特に、隣り合うフィンの隙間が小さい場合、この隙間部分が過冷され、霜が付き易くなる。これを防止するために、隣り合うフィンの隙間を所定の長さ以上に保つことが行われている。この隙間は、フィンの貫通穴の縁部をバーリング加工で突出させた突出部分を所定の長さ以上に形成し、この突出部分を隣り合うフィンに突き当てて組み立てることにより確保される。
【0004】
また、上述した冷媒には、地球環境・温暖化問題への対応策の一貫として、CO2冷媒が使用されるようになってきた。このCO2冷媒は、臨界点付近の圧力まで加圧されて使用され、圧力損失が少ないことから、従来の冷媒管よりも細い(管径の小さい)冷媒管を用いて冷媒回路を構成することができる(逆に、太い冷媒管では、冷媒量が多くなり、効率が悪くなる)。
【特許文献1】特開平11−94442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、CO2冷媒用の冷媒管を細くすると、フィンの貫通穴の径も小さくなるため、バーリング加工で形成する突出部分の突出長さを所定の長さ以上に形成することが困難になる。そのため、CO2冷媒用の冷却器の組み立て作業では、突出部分を利用せずに、フィン間の所定の長さを確保するための治具を別途用いて組み立てていた。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、治具を用いて組み立てることなく、隣り合うフィン間を所定の間隔に組み立てることができるショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、平板状に形成された複数のフィンにCO2冷媒が送流される冷媒管を貫通させたフィン・アンド・チューブ式の冷却器を備え、この冷却器で冷却した空気を陳列棚の付近に送るショーケースにおいて、前記冷却器の複数のフィンを空気の送流方向において長さの異なる長尺フィンと短尺フィンとで構成し、この長尺フィン及び短尺フィンの前記冷媒管を挿通させる穴部の縁部に突出部分をそれぞれ形成し、並置された前記長尺フィンの間に前記短尺フィンを配置すると共に前記短尺フィンを前記送流方向の下流側に配置し、前記短尺フィンの前記突出部分を隣り合う長尺フィン又は短尺フィンに突き当てて組み立てることによって複数のフィン間の隙間を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、空気の送流方向の上流側に位置する長尺フィンの隙間を、下流側に配置された短尺フィンの突出部分の長さに基づいて一つに定めることができる。
【0008】
また、前記突出部分を穴部のバーリング加工によって形成してもよい。
この構成によれば、突出部分を穴部の加工時に容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、平板状に形成された複数のフィンにCO2冷媒が送流される冷媒管を貫通させたフィン・アンド・チューブ式の冷却器を備え、この冷却器で冷却した空気を陳列棚の付近に送るショーケースにおいて、前記冷却器の複数のフィンを空気の送流方向において長さの異なる長尺フィンと短尺フィンとで構成し、この長尺フィン及び短尺フィンの前記冷媒管を挿通させるの縁部に突出部分をそれぞれ形成し、並置された前記長尺フィンの間に前記短尺フィンを配置すると共に前記短尺フィンを前記送流方向の下流側に配置し、前記短尺フィンの前記突出部分を隣り合う長尺フィン又は短尺フィンに突き当てて組み立てることによって複数のフィン間の隙間を形成しているので、空気の送流方向の上流側に位置する長尺フィンの隙間を、下流側に配置された短尺フィンの突出部分の長さに基づいて一つに定めることができる。そのため、下流側に配置された短尺フィンの突出部分を突き当てて組み立てることにより、上流側に位置する長尺フィンの隙間を確保するための治具を用いることなく所定の隙間を確保することができる。そのため、組み立て工数の削減を図ることができる。
【0010】
また、前記突出部分を穴部のバーリング加工によって形成しているので、この構成によれば、突出部分を穴部の加工時に容易に形成することができる。また、CO2冷媒が送流される細い冷媒管を冷却器に用いたために穴部の径が小さくなり、バーリング加工による突出部分の突出長さが十分に確保できない場合であっても、上流側に位置する長尺フィンの隙間を大きく確保することができるようになる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係るショーケースについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るショーケースを前方斜め右側から見た斜視図である。また、図2は、ショーケースの正面図であって、内壁部を一部切り欠いて示したものである。図3は、図2のA−A線で切断した側部断面図を示す。なお、以下の本実施の形態で説明のために使用する方向は、図2を基準として、紙面上下方向をショーケースの上下方向、紙面左右方向をショーケースの左右方向、紙面奥行き方向をショーケースの前後方向とする。
【0012】
本実施例で説明するショーケース1は、図1に示すように、前面が開放された多段オープン型のものである。このショーケース1は、図1〜図3(特に図3)に示すように、外側を構成するショーケース本体3と、このショーケース本体3の内部に設けられた略コ字形状の断熱壁部4と、この断熱壁部4のコ字形状の内側に設けられた内壁部5と、この内壁部5に取り付けられた4つの陳列棚6とを備えている。
【0013】
断熱壁部4と内壁部5との間には、図3に示すように、冷気が送流されるダクト7が形成されており、このダクト7の内部には、空気を冷却するための冷却器8(蒸発器)と、この冷却器8の下方に配置され、冷却器8に向けて上方へ空気(冷気)を送る送風機9とが配置されている。
また、ショーケース1の上側には、図3に示すように、ダクト7の上側端部と接続された冷気吹出口10が形成される一方、下側には、ダクト7の下側端部と接続された冷気吸込口11が形成されている。これにより、送風機9で送られた空気が冷却器8で冷却された後に上側へ送流され、冷気吹出口10から陳列棚6の付近へ放出される一方、陳列棚6の付近の冷気は、冷気吸込口11からダクト7内へ吸い込まれ、再び送風機9で冷却器8へ送流されるようになっている。この空気循環の流れを、図3に矢印12で示す。
【0014】
また、図3に示すように、ショーケース1の下側部分であって、断熱壁部4の下方には、冷却器8と冷媒管13を介して接続される圧縮機14,熱交換器15などが配設されており、これらによって冷媒回路が構成されている。この熱交換器15は、図1及び図2に示す前面パネル16の吸気穴16aから取り込んだ外気によって冷却される。熱交換後の空気は、図3に示すように、ショーケース本体3と断熱壁部4との間を通過して上方の排出口17から外部へ排出されることになる。この外部空気の流れを、図3に矢印18で示す。
【0015】
冷却器8、圧縮機14、熱交換器15等で構成される本実施例における冷媒回路では、冷媒としてCO2冷媒が用いられている。このCO2冷媒が送流される冷媒管13は、一般的な冷媒(例えば、CCl22など)を用いた回路で使用される冷媒管よりも管径の小さいものが使用されている。なお、本実施例における冷媒回路は、従来の冷媒回路と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0016】
図4は、冷却器8を単体で示す正面図である。この冷却器8の前面には、カバー20が取り付けられている。このカバー20の下側には、下方から引き回された冷媒管13が左右に蛇行する態様で引き回されており、この引き回された冷媒管13が固定金具21で固定されている。さらに、この冷媒管13は、カバー20によって覆われている冷却部22へと配管されている。
【0017】
図5は、図4の冷却器8の前面カバーを取り外した状態であって、冷却部22を拡大して示す正面図である。また、図6は、図5に示すB部の拡大図である。
冷却部22は、図5に示すように、複数のフィン30と、この複数のフィン30を貫通する冷媒管31と、両側部を構成する側面金具32とを備えており、いわゆるフィン・アンド・チューブ式の熱交換器である。
【0018】
冷媒管31は、図5に示すように、複数の長尺U字管(第1ヘアピン31a、第2ヘアピン31b)と、複数の短尺U字管31c、31dとを溶接で接続してCO2冷媒の流路を形成したものである。この第2ヘアピン31bは、第1ヘアピン31aに比べて、U字形状の直管部分Tの間隔(ピッチ)が2倍に形成されている。これらの第1ヘアピン31aおよび第2ヘアピン31bを使用することにより、冷媒管31は、図5に示すように、左右方向Yに蛇行を繰り返しながら複数のフィン30を貫通するように構成することができる。また、この冷媒管31は、流入接続口34aで冷媒管13と接続され、この冷媒管31内にCO2冷媒が送流されるようになっている。また、冷媒管31を通過したCO2冷媒は、流出接続口34bに接続された冷媒管(図示せず)から流出するようになっている。この冷媒管31の管径は、冷媒管13の管径と同じであり、一般的な冷媒(例えば、CCl22など)を用いた回路で使用される冷媒管よりも管径の小さいものが使用されている。
【0019】
複数のフィン30は、各々が平板形状をなしており、図6に示すように、長尺フィン30aと短尺フィン30bとの2種類が使用されている。長尺フィン30aは、冷却される空気が送流される方向である上下方向Xにおいて、短尺フィン30bの約2倍の長さを有している。これらの長尺フィン30a及び短尺フィン30bは、上下方向Xに沿って略平行に配置されると共に、ショーケース1の左右方向Yへ間隔をあけて交互に配置されている。すなわち、長尺フィン30aの隣には、短尺フィン30bが配置され、この短尺フィン30bの隣には、長尺フィン30aが配置されることになる。
【0020】
また、これらの長尺フィン30a及び短尺フィン30bはそれぞれの上端が揃えて配置されている。すなわち、冷却部22の上側部分33a(図6に示す長尺フィン30aの上下方向長さにおける中央線33よりも上側の部分であって、空気送流方向の下流側の部分)では、長尺フィン30a及び短尺フィン30bが交互に配置されているので、フィンピッチP1が狭くなる一方、冷却部22の下側部分33b(図6に示す線33よりも下側の部分であって、空気送流方向の上流側の部分)では、長尺フィン30aのみが配置されている状態となるので、フィンピッチP2が大きくなる(P2=2×P1)。
なお、長尺フィン30aと短尺フィン30bとは、側面金具32の間にフィンピッチP1で満遍なく配置されているものであり、図5では、一部のフィン30を省略して記載してある。
【0021】
図7は、図5に示す冷却部22の左側面図である。
側面金具32は、U字管取付面部32bと、このU字管取付面32bの縁部から冷却部22の外側に向けて立ち上がる側面部32cとを備えている。このU字管取付面部32bには、第1ヘアピン31aおよび第2ヘアピン31bが挿入される複数の穴部40が形成されている。この複数の穴部40は、上下方向Xに3列(左列41、中央列42、右列43)に配置されており、挿入された第1ヘアピン31aおよび第2ヘアピン31bとU字管取付面部32cとが溶接で固定されている。また、この複数の穴部40は、任意に選定した相互に隣り合う3つの穴部(例えば、図7において、符号S1、S2、S3で示す)が略正三角形の頂点を構成するようにそれぞれ配置されており、それぞれの隣り合う穴部40間の穴ピッチは一定になっている。この穴ピッチは、上述した第1ヘアピン31aのU字形状の直管部分Tの間隔(ピッチ)と一致し、この穴ピッチの2倍のピッチは、第2ヘアピン31bのU字形状の直管部分Tの間隔(ピッチ)と一致している。
【0022】
なお、長尺フィン30aおよび短尺フィン30bは、側面金具32とほぼ同一の形状を有し、この長尺フィン30aおよび短尺フィン30bにも、側面金具32の穴部40に対応する位置に、複数の穴部35(詳細は図8(a)、図8(b)参照)が形成されており、この穴部35に第1ヘアピン31aおよび第2ヘアピン31bが挿通されるようになっている。
【0023】
この第1ヘアピン31aは、図7に示すように、隣り合う列(例えば、列41と列42、または、列42と列43)に跨るように取り付けられており、同列上には取り付けられていない。また、第2ヘアピン31bは、図7に示すように、3列のうち中央列42を除く両端の列41、43に跨って取り付けられている。すなわち、第1ヘアピン31aおよび第2ヘアピン31bは、穴部40に斜め(冷却される空気の送流方向(上下方向X)に対して約60度の角度)になるように挿入されている。
【0024】
また、本実施の形態において、複数の穴部40は、図7に示すように、Z方向(冷却される空気の送流方向に対して約60度の角度をなす方向)から見ると、このZ方向に沿って複数の列をなしており、第1ヘアピン31aおよび第2ヘアピン31bが取り付けられた状態では、この第1ヘアピン31aおよび第2ヘアピン31bの直管部分Tは1列おきに点在するようになる。
【0025】
なお、図7において点線で示す部分は、反対側の側面金具32に溶接で取り付けられた短尺U字管31c、31dであり、この短尺U字管31c、31dは、第1ヘアピン31aおよび第2ヘアピン31bのそれぞれの隣り合う端部を接続している。これにより、冷媒管31は、図7に示すように、側面視において、ジグザグ状の経路をとりながら、1つの冷媒管路を形成している。
【0026】
また、側面金具32の上部には、図5に示すように、ひょうたん型の取付孔32aがそれぞれ形成されており、この取付孔32aに締結部材を挿通させて、ショーケース本体側に取り付けられている。
【0027】
図8(a)及び図8(b)は、冷媒管31と長尺フィン30a及び短尺フィン30bの取付を示す概要図である。
長尺フィン30a及び短尺フィン30bには、冷媒管31を挿通させようとする部分にバーリング加工を施した穴部35を形成しており、このバーリング加工によって突出部分36が形成されている。この突出部分36は、図8(a)に示すように、その突出長さがフィンピッチP1と同じ長さであり、上側部分33aにおいて隣り合うフィンに突き当てて組み立てられる。これにより、上側部分33aでは、長尺フィン30aと短尺フィン30bとの隙間がフィンピッチP1よりも小さくなることなく組み立てられることになる。また、冷媒管31は、穴部35に押し込んで挿通されており、冷媒管31とフィン30とは、いわゆる締まり嵌めによって組み立てられている。
【0028】
一方、下側部分33bでは、図8(b)に示すように、隣り合う長尺フィン30aの間に短尺フィン30bが存在しないため、突出部分36は、隣のフィンに突き当てられない。しかしながら、上側部分33aでフィンピッチP1を確保しつつフィン30が組み立てられているので、隣り合う長尺フィン30aのフィンピッチP2は、必然的に確保されることになる。
【0029】
上述の構成において、フィンピッチP2は、フィン間で霜が付き難い長さ(それぞれの冷却器の冷却能力によって数値が異なる)よりも長くして、霜が付き難くしている。また、フィンピッチP2は、CO2冷媒を用いるための細い冷媒管に対応させるための穴部35の直径及びフィンの板厚に基づいて、バーリング加工によって形成するこのできる突出部分36の最大長さよりも長いものである。
一方、フィンピッチP1は、フィン間で霜が付き難い長さよりも短く、また、CO2冷媒を用いるための細い冷媒管に対応させるための穴部35の直径及びフィンの板厚に基づいて、バーリング加工によって形成するこのできる突出部分36の最大長さ以内の長さである。
【0030】
本発明の実施の形態に係るショーケースによれば、フィン30を上下方向(空気の送流方向)において長さの異なる長尺フィン30aと短尺フィン30bとで構成し、この長尺フィン30aと短尺フィン30bとを交互に並べて配置すると共に、長尺フィン30aを上側部分33a(空気の送流方向の下流側部分)に配置し、下側部分33bの長尺フィン30a間のフィンピッチP2を霜が付き難い長さにしているので、空気が最初に冷却されることで霜が付着し易い空気送流方向の上流側の部分に、霜が付き難くすることができる。
【0031】
また、長尺フィン30a及び短尺フィン30bの穴部35の縁部にバーリング加工によってフィンピッチP1の長さの突出部分36をそれぞれ形成し、短尺フィン30bの突出部分36を隣り合う長尺フィン30aに突き当てて組み立てることによって、上側部分33aのフィンの間隔をフィンピッチP1にしているので、下側部分33bの長尺フィン30a間のフィンピッチP2(短尺フィン30bがない状態でのフィンピッチ)をフィンピッチ1の2倍にすることができる。この下側部分33bの長尺フィン30a間のフィンピッチP2は、上側部分33aを組み立てることによって必然的に定められるので、組み立て治具を用いてフィンピッチP2を確保しながら組み立てる必要がない。その結果、組み立て工数を削減することができる。
【0032】
以上、本発明を実施するための最良の形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
本実施の形態では、長尺フィン30aと短尺フィン30bとを交互に並べて配置している(隣り合う長尺フィン30aの間に、短尺フィン30bが1枚ある状態)が、隣り合う長尺フィン30aの間に、短尺フィン30bが2枚以上配置するようにして、下側部分33bのフィンピッチP2を決定することもできる。これにより、バーリング加工によって形成することができる突出部分36の長さの限界に基づいて、2枚以上の短尺フィン30bを配置して、フィンピッチP2を確保することができる。
【0033】
また、本実施の形態では、冷媒回路を構成する圧縮機14、熱交換器15等をショーケース1の内部に設けているが、ショーケース1の内部に冷却器8を設置することができれば、圧縮機14、熱交換器15等を外部に別置きにしてもかまわない。これにより、ショーケース1の外形寸法を小さくし、省スペースを図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係るショーケースを前方斜め右側から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るショーケースの正面図であって、内壁部を一部切り欠いて示したものである。
【図3】図2のA−A線で切断した側部断面図である。
【図4】ショーケースに用いられる冷却器を単体で示す正面図である。
【図5】図4の冷却器の前面カバーを取り外した状態であって、冷却部を拡大して示す正面図である。
【図6】図5に示すB部の拡大図である。
【図7】図5に示す冷却部の左側面図である。
【図8】冷媒管31と長尺フィン30a及び短尺フィン30bの取付を示す図であって、(a)は上側部分、(b)は下側部分の概要図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ショーケース
3 ショーケース本体
7 ダクト
8 冷却器
10 冷気吹出口
11 冷気吸込口
13 冷媒管
14 圧縮機
15 熱交換器
22 冷却部
30 フィン
30a 長尺フィン
30b 短尺フィン
31 冷媒管
31a 第1ヘアピン
31b 第2ヘアピン
31c、31d 短尺U字管
32 側面金具
32a 取付孔
33 線
33a 上側部分(空気の送流方向の下流側)
33b 下側部分(空気の送流方向の上流側)
34a 流入接続口
34b 流出接続口
35 穴部
36 突出部分
P1、P2 フィンピッチ
T ヘアピンの直管部分
X 上下方向
Y 左右方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状に形成された複数のフィンにCO2冷媒が送流される冷媒管を貫通させたフィン・アンド・チューブ式の冷却器を備え、この冷却器で冷却した空気を陳列棚の付近に送るショーケースにおいて、
前記冷却器の複数のフィンを空気の送流方向において長さの異なる長尺フィンと短尺フィンとで構成し、この長尺フィン及び短尺フィンの前記冷媒管を挿通させる穴部の縁部に突出部分をそれぞれ形成し、並置された前記長尺フィンの間に前記短尺フィンを配置すると共に前記短尺フィンを前記送流方向の下流側に配置し、前記短尺フィンの前記突出部分を隣り合う長尺フィン又は短尺フィンに突き当てて組み立てることによって複数のフィン間の隙間を形成したことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記突出部分を前記穴部のバーリング加工によって形成したことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−128561(P2008−128561A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−314144(P2006−314144)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】