説明

ショートカット通信システム

【課題】 ショートカット通信システムにおいてネットワーク資源の消費量を効率化する。
【解決手段】 ドメイン25及び26を越えるショートカット通信をショートカット中継ノード22で中継する。この際、同一宛先宛のショートカットを一つのショートカットコネクションにまとめる。これによって、ネットワーク資源の使用を効率化する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ転送方式に関し、特に、コネクションオリエンテッドネットワークにおけるデータ転送方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コネクションオリエンテッドネットワークにおけるショートカット通信システムとして、例えば、1997年2月、マルチプロトコル・オーバー・エーティーエム・バージョン1.0・ストローバロット(エーティーエム・フォーラム/STR−MPOA−MPOA−01.00)、14〜55頁(Multi−Protocol Over ATM Version 1.0 StrawBallot(ATM Forum/STR−MPOA−MPOA−01.00),February 1997,P14−P55)に記載されたものが知られている。このショートカット通信システムでは、サブネット間通信をルータを介することなく通信することによって、ルータでのソフトウェア処理による通信品質の低下を回避している。
【0003】図7は、従来のショートカット通信システムの一例を示すネットワーク構成図である。図7を参照して、ショートカットサーバ11はサブネット1を介してショートカットクライアント5に接続されており、ショートカットサーバ12はサブネット2を介してショートカットサーバ11に接続されるとともにサブネット3を介してショートカットサーバ13と接続されている。ショートカットサーバ13はサブネット4を介してショートカットクライアント6に接続されている。ショートカットサーバ11、12、及び13は、ショートカットクライアントからのショートカットのためのアドレス解決要求の処理を行なう。
【0004】ショートカットクライアント5及び6はアドレス解決要求の発信及びアドレス解決応答の返信を行ない、アドレス解決処理を終えた後、ショートカットクライアント間にショートカットコネクションを生成する機能を有する。
【0005】図8は図7のショートカット通信システムにおけるショートカットクライアントのシステム構成図である。図8を参照して、ショートカット用インタフェース51は、ショートカットコネクションとショートカットパケットのやりとりを行なう。送信パケット用キャッシュ53は、送信するショートカットパケットとショートカットコネクションの対応が記述されるテーブルを保持する。ショートカットパケット送信部52は、パケット処理部56からのパケットを受けとり、送信パケット用キャッシュ53を参照して送信すべきショートカットコネクションを決定して、ショートカット用インタフェース51に送信する機能を有する。
【0006】受信パケット用キャッシュ55は、受信したショートカットパケットに付与するデータリンクレイヤヘッダ等の情報を保持する。ショートカットパケット受信部54は、ショートカット用インタフェース51からパケットを受けとり、受信パケット用キャッシュ55を参照して必要な処理を行ない、パケット処理部56にパケットを送信する機能を有する。制御用メッセージ用インタフェース58は、ショートカット通信の制御メッセージをネットワークとやりとりする。クライアント用ショートカット制御メッセージ処理部57は、制御メッセージ用インタフェース58と制御メッセージを交換する機能をもち、制御メッセージを内容に応じて処理して、送信パケットキャッシュ53、受信パケットキャッシュ55の内容を必要に応じ変更を行なう。
【0007】図9は図7のショートカット通信システムにおけるショートカットサーバのシステム構成図である。図9を参照して、制御用メッセージ用インタフェース102は、ショートカット通信の制御メッセージをネットワークとやりとりする。サーバ用ショートカット制御メッセージ処理部57は、制御メッセージ用インタフェース100と制御メッセージを交換する機能をもち、制御メッセージをその内容に応じて処理する。ルーティング処理部101は、パケットの送信先を決定する機能を有する。
【0008】次に図7乃至図9を参照して、動作を説明する。ショートカット動作を行なう場合、ショートカットクライアント5において、クライアント用ショートカット制御メッセージ処理部57はショートカットのためのアドレス解決要求を制御メッセージ用インタフェース58へ送信する。当該アドレス解決要求はサブネット1を経由し、ショートカットサーバ11に到達する。ショートカットサーバ11において、制御メッセージ用インタフェース102を通じてアドレス解決要求を受けとったサーバ用ショートカット制御メッセージ処理部100はルーティング処理部101で当該アドレス解決要求の転送先を決定した後、次のサーバであるショートカットサーバ12に制御メッセージ用インタフェース102を通じて転送する。
【0009】ショートカットサーバ12は上述のアドレス解決要求を受信し、ショートカットサーバ11と同様の処理を行なった後、ショートカットサーバ13へ当該アドレス解決要求を転送する。ショートカットサーバ13はルーティング処理部101で転送先がサブネット4内のショートカットクライアント6であると決定し、当該アドレス解決要求に受信パケット用キャッシュに保持する内容を追加して、ショートカットクライアント6に転送する。
【0010】ショートカットクライアント6において、当該アドレス解決要求はクライアント用ショートカット制御メッセージ処理部57で処理され、ショートカットクライアント6のショートカット用のアドレスを返答するアドレス解決応答を生成して、ショートカットサーバ13に返送する。また、クライアント用ショートカット制御メッセージ処理部57は受信パケット用キャッシュ55にショートカットサーバから保持するよう指示された受信パケットに付与するヘッダ等の情報を書き込む。
【0011】ショートカットサーバ13は当該アドレス解決応答をルーティング処理部101で決定された返信先であるショートカットサーバ12へ返信し、同様して、ショートカットサーバ12はショートカットサーバ11に、ショートカットサーバ11はショートカットクライアント5に当該アドレス解決応答を返信する。ショートカットクライアント5におけるクライアント用ショートカット制御メッセージ処理部57は送信パケット用キャッシュに解決されたショートカットクライアントのアドレスを書き込み、ショートカットコネクション7を生成する。
【0012】上述の動作が完了して、ショートカットコネクション7が生成されると、ショートカットクライアント5からショートカットクライアント6への通信はすべてショートカットコネクション7を通じて行なわれるようになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のショートカッと通信システムでは、ショートカットクライアントは網上のショートカットクライアントの数だけメモリ資源及びコネクション資源が必要となる関係上、大規模網に適用する際、ショートカットクライアントのメモリ資源及びコネクション資源が多量に必要となるという問題点がある。
【0014】本発明の目的は、大規模ネットワーク上で多数のノード間においてショートカット通信を行なう際、通信に必要な通信帯域及びキャッシュメモリ資源等のネットワーク資源を効率的に利用することのできるショートカット通信システムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によるコネクションオリエンテッドネットワークにおけるショートカット通信システムは、ショートカット通信を中継して、同一宛先行きのショートカットコネクションを統合する。より具体的には、このショートカット通信システムには、予め定められたサブネット群(ドメイン)を越えるショートカット通信を検知して、当該ショートカット通信を中継することを決定する手段と、中継のためのショートカットパケットを受信する手段と、ショートカットパケットを送信する手段とを有し、さらに、あるショートカットコネクションから受信したショートカットパケットがどのショートカットコネクションに転送されるかの対応情報を保持する手段と、ショートカットパケットをショートカットコネクションの対応情報を参照して転送する手段とを備えるショートカット中継ノードが備えられている。
【0016】ドメインを越える同一宛先行きの複数のショートカットコネクションはショートカット中継ノードで中継されることによって一つのコネクションにまとめられる。このため、ショートカットコネクションのためのネットワーク資源、送信元、宛先ごとにエントリを必要とするキャッシュのメモリ資源がネットワークの大規模化に影響されて多量に必要とされることがなくなり、効率的なネットワーク資源の利用が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明について図面を参照して説明する。
【0018】図1を参照して、図示の例では、コネクションオリエンテッドネットワークとしてATMネットワーク、ショートカット通信システムとしてMPOA(Multi−Protocol Over ATM)システムを用いている。
【0019】サブネット1及びサブネット2は自由にショートカット通信可能であるドメイン25に属する。サブネット3及びサブネット4はドメイン26に属する。ドメイン25とドメイン26の境界に位置するショートカット中継ノード22は、サブネット2及びサブネット3に接続されており、ショートカット中継ノード22は、サブネット2を介してショートカットサーバ11と通信可能であり、また、サブネット3を介してショートカットサーバ13と通信可能である。
【0020】ショートカットサーバ11はサブネット1を介してショートカットクライアント5と接続されており、ショートカットサーバ13はサブネット4を介してショートカットクライアント6と接続されている。
【0021】ショートカットサーバ11及びショートカットサーバ13は、ショートカットクライアントからのアドレス解決要求及びアドレス解決応答を宛先方向へ転送する機能を有し、ショートカットクライアント5及びショートカットクライアント6は、ショートカット通信を行なう際、アドレス解決要求を発信してアドレス解決要求を受けるとアドレス解決応答を返信する機能と、アドレスが解決応答に記述された宛先にショートカットコネクションを生成しショートカット通信を行なう機能を有する。
【0022】ショートカット中継ノード22は、ドメインを越えるショートカット通信を検知し送信元と当該中継ノードの間及び宛先ショートカットクライアントと当該中継ノードの間にショートカットコネクションを生成する機能と、ショートカットコネクション間の対応関係を保持して一つのドメインにおけるショートカットコネクションから受けとったショートカットパケットを他のドメインにおけるショートカットコネクションに転送する機能を有する。
【0023】次に図2を参照して、図2は図1に示すショートカット中継ノードの構成例を示す図である。ショートカット用インタフェース201及びショートカット用インタフェース202は各ドメインからのショートカット通信用のインタフェースである。送信パケット用キャッシュ204は、ネットワークに送信するショートカットパケットをどのショートカットコネクションに送信するかを保持するテーブルのキャッシュである。受信パケット用キャッシュ206はあるショートカットコネクションから受けとったパケットにどのようなヘッダ情報を付与するべきかという情報を保持するテーブルのキャッシュである。
【0024】中継ショートカットパケット送信部203は送信パケット用キャッシュを参照して、パケット処理部207からのパケットを適切なショートカットコネクション宛にしてショートカット用インタフェース201に送信する機能を有する。中継ショートカットパケット受信部205は、ショートカット用インタフェース202から受信したパケットのショートカットコネクションを元に受信パケット用キャッシュを参照して適切なヘッダ情報を取得し、パケット処理部207にヘッダ付きパケットを転送する機能を有する。
【0025】また、対応テーブル212は、ショートカットコネクションから到着したショートカットパケットがどの送信パケット用キャッシュのエントリに対応するかという情報を保持するテーブルである。中継コネクション対応制御部211は中継ショートカットパケット受信部205で処理されたパケットを対応テーブル212を参照して送信パケット用キャッシュのどのエントリにこのパケットが対応するかを通知する機能を有する。
【0026】制御用メッセージ用インタフェース210は、アドレス解決要求及びアドレス解決応答を送受信するためのインタフェースであり、サーバ用ショートカット制御メッセージ処理部208は、アドレス解決要求、アドレス解決応答等の制御メッセージの処理を行なう。中継処理部209はドメインを越えるショートカットのためのアドレス解決要求を受けると中継処理を行ない、アドレス解決要求の送信元には自分のアドレスを返し、アドレス解決要求の宛先に対して別のショートカットコネクションを設定するために新たなアドレス解決要求を当該宛先に対して発信する機能を有する。ルーティング処理部213は、上記のアドレス解決要求及びアドレス解決応答等の制御メッセージ等を次にどのインタフェースからどこ宛に送信する必要があるかを決定する。
【0027】次に図1に示すショートカット通信システムの動作について図を参照して説明する。
【0028】図1及び図2を参照して、ショートカットクライアント5からショートカットクライアント6に対するアドレス解決要求がショートカットサーバ11によってドメイン25の境界に位置するショートカット中継ノード22に到達した際、ショートカット中継ノード22において、サーバ用ショートカット制御メッセージ処理部208はルーティング処理部213を参照して当該アドレス解決要求の次の転送先を決定する。この転送先がドメインを越えると中継処理部209で判断されると中継処理部209は、サーバ用ショートカット制御メッセージ処理部208に当該ショートカット中継ノードのアドレスを記述したアドレス解決応答を出すよう指示する。中継処理部209からアドレス解決応答を出すよう指示されたサーバ用制御メッセージ処理部208は受信パケット用キャッシュに必要な情報を書き込んだ後、アドレス解決応答が制御メッセージ用インタフェース210からショートカットクライアント5に向けて返送する。
【0029】この処理を終えた後、中継処理部209はサーバ用制御メッセージ処理部に上記のアドレス解決要求の宛先宛に新規のアドレス解決要求を発信するよう指示する。この指示を受けとったサーバ用制御メッセージ処理部208は送信パケット用キャッシュにエントリを生成し、ショートカットクライアント6宛にアドレス解決要求を制御メッセージ用インタフェース210を用いて送信する。前記処理において生成された受信パケット用キャッシュ206のエントリの検索ラベルと送信パケット用キャッシュ204のエントリの検索ラベルは中継コネクション対応制御部211によって関連付けがなされ、この検索ラベルの対応関係が対応テーブル212に書き込まれる。
【0030】ショートカット中継ノード22から発されたアドレス解決要求はショートカットサーバ13を介してショートカットクライアント6に送信され、ショートカットクライアント6は自ノードのアドレスを記述したアドレス解決応答を返送する。これを受けとったショートカット中継ノード22はショートカットクライアント24との間にショートカットコネクション24を生成する。また、ショートカットクライアント5はショートカット中継ノード22からのアドレス解決応答を受信した後、ショートカット中継ノード22との間にショートカットコネクション23を生成する。ショートカットクライアント5からショートカットクライアント6に向かうパケットはこのショートカットコネクションが生成された後は、ショートカットコネクション23でショートカット中継ノード22に配送され、ショートカット用インタフェース202で受信される。ショートカットパケット処理部205は受信パケット用キャッシュ206を参照し、対応するエントリの検索ラベルを中継コネクション対応制御部211に渡し、対応テーブル211で関連付けられている検索ラベルを元に送信パケット用キャッシュのエントリを検索する。この検索結果を中継ショートカットパケット送信部203に転送し、中継ショートカットパケット受信部205で受けとったショートカットパケットを適切なショートカットコネクションであるショートカットコネクション24に送信させる。
【0031】図3は、図1に示すシステムにおいて、複数のショートカットクライアントからのショートカットコネクションの統合の例を示す図である。図3を参照して、図3では、図1のネットワークにおいてサブネット2に新たにショートカットクライアント7が追加されている。
【0032】ショートカットクライアント5からショートカットクライアント6までのショートカット通信が設定済みの状況で、ショートカットクライアント7からショートカットクライアント6宛のアドレス解決要求が行なわれた場合、ショートカット中継ノード22に到達したアドレス解決要求は中継処理部209の判断でショートカット中継ノード22のアドレスを記述したアドレス解決応答をショートカットクライアント7に向けて返信する。これによって、ショートカットコネクション27が生成される。中継処理部209はショートカットクライアント7からのアドレス解決要求の宛先であるショートカットクライアント6にアドレス解決要求を出すようサーバ用ショートカット制御メッセージ処理部208に指示するが、送信パケット用キャッシュ204にすでにショートカットコネクション生成のエントリがあるためアドレス解決要求は送信されず、ショートカットクライアント7からのアドレス解決要求の結果生成された受信パケット用キャッシュ206のエントリの検索ラベルとすでに生成されたショートカットコネクションのエントリの検索ラベルとの関連付けが中継コネクション対応制御部211でなされ、その結果が対応テーブル212に書き込まれる。
【0033】この処理によって、ショートカットクライアント5及びショートカットクライアント7からのショートカットクライアント6行きのパケットはドメイン25では2本のショートカットコネクションを使用してショートカット中継ノード22に送信され、ショートカット中継ノードでこれらのパケットはまとめられショートカットコネクション一本でショートカットクライアント6に向けて配送されるようになる。
【0034】中継コネクション対応制御部211が受信パケット用キャッシュのエントリと送信パケット用キャッシュの関連づけのために各キャッシュのエントリの検索ラベルをリスト構造にして対応テーブル212に保持させることにより、各キャッシュのエントリ間の関係づけを1対1、1対N(Nは2以上の整数)、N対1、N対Nに対して行なうことが可能となる。
【0035】上述のように、図1に示すショートカット通信システムでは、ドメイン内のショートカットをショートカット中継ノードで一つにまとめることができるので、同一宛先に対するショートカット通信に必要なショートカットコネクション資源、ショートカットクライアントで使用される受信パケット用キャッシュのメモリ資源の使用量を従来のショートカット通信システムに比べ少なく抑えることが可能となる。このため、大規模ネットワークにも適用できる。
【0036】図4を参照して、本発明によるショートカット通信システムの他の例について説明する。ここで、図4はネットワーク構成図であり、図5は図4におけるショートカット中継クライアントのシステム構成図である。また、図6は図4におけるショートカット中継サーバのシステム構成図である。
【0037】図4において、ショートカット中継サーバ32が、図1に関連して説明したショートカット中継ノードの処理のうちルーティング処理と中継処理を行ない、ショートカット中継クライアント33が、ショートカットコネクションの生成、アドレス解決応答、新規アドレス解決要求の発信、及びショートカットコネクション間の関連づけ処理を行なう。
【0038】ショートカットクライアント5からのアドレス解決要求を受信したショートカット中継サーバ32ではルーティング処理部402によって決定された送信先によってこのアドレス解決要求がドメインを越えるものであると中継処理部401が判断する。この後、中継処理部401はサーバ用ショートカット制御メッセージ処理部400にショートカット中継クライアント33にアドレス解決応答を返信するよう指示し、同時にショートカット中継クライアント33にショートカットクライアント6に対するアドレス解決要求を送信するよう指示する。
【0039】ショートカット中継サーバ32からアドレス解決応答を返信する指示は、中継クライアント33において、制御メッセージ用インタフェース310で受信され、クライアント用ショートカット制御メッセージ処理部308では、受信パケット用キャッシュ306にエントリを生成し必要な情報を書き込んだ後、アドレス解決応答を制御メッセージ用インタフェースを介してショートカット中継サーバ32に返送する。
【0040】また、ショートカットクライアント6に対するアドレス解決要求を出す指示も制御メッセージ用インタフェース310で受信され、クライアント用ショートカットメッセージ処理部308で、送信パケット用キャッシュ304にエントリを生成した後、新規アドレス解決要求をショートカットクライアント6に向けて送信する。前記処理において生成された受信パケット用キャッシュ306のエントリの検索ラベルと送信パケット用キャッシュ304のエントリの検索ラベルは中継コネクション対応制御部311によって関連づけがなされ、この対応関係が対応テーブル312に書き込まれる。ショートカット中継クライアント33からショートカット中継サーバ32に返送されたアドレス解決応答はショートカットクライアント5で受けとられショートカットコネクション34が生成される。
【0041】ショートカット中継クライアント33からショートカットクライアント6に向けて送信されたアドレス解決要求は当該ショートカットクライアント6で処理されアドレス解決応答が返信される。これによりショートカットコネクション35が生成される。
【0042】中継コネクション対応制御部311が受信パケット用キャッシュのエントリと送信パケット用キャッシュの関連づけのために各キャッシュのエントリの検索ラベルをリスト構造にして対応テーブル312に保持させることにより、各キャッシュのエントリ間の関係づけを1対1、1対N、N対1、N対Nに対して行なうことが可能となる。
【0043】ショートカット中継サーバ33がドメイン26内のネットワーク構成が変更されたことをルーティング処理部402から検知した場合に、迅速にショートカットコネクションを目的のノードに再生成するために、アドレス解決要求を出す指示をショートカット中継クライアントに出すということも可能である。
【0044】上述のように、図4に示すショートカット通信システムでは、図1に関連して説明した点に加えて、ショートカットを中継するノードにルーティング処理部がないため、装置を小型化でき、さらに、ドメイン間に複数の中継ノードを設置することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、同一宛先のショートカット通信のために必要とされるネットワーク資源を減少することができ、このため、大規模ネットワークにおいてショートカットクライアントが増加した場合においても、ネットワーク資源を有効に利用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるショートカット通信システムの一例を説明するためのネットワーク構成図である。
【図2】図1に示すショートカット中継ノードの構成図である。
【図3】図1において複数のショートカットクライアントからのショートカットコネクションを統合する際の例について説明するための図である。
【図4】本発明によるショートカット通信システムの他の例を説明するためのネットワーク構成図である。
【図5】図4に示すショートカット中継クライアントの構成図である。
【図6】図4に示すショートカット中継サーバの構成図である。
【図7】従来のショートカット通信システムにおけるネットワーク構成を示す図である。
【図8】従来のショートカット通信システムにおけるショートカットクライアントの構成図である。
【図9】従来のショートカット通信システムにおけるショートカットサーバの構成図である。
【符号の説明】
1〜4 サブネット
5,6 ショートカットクライアント
11,13 ショートカットサーバ
22 ショートカット中継ノード
23,24 ショートカットコネクション
25,26 ドメイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コネクションオリエンテッドネットワークにおいてアドレス解決処理を行ってサブネット間通信をルータを介することなく行うようにしたショートカット通信システムにおいて、前記ショートカット通信を中継するため前記ショートカット通信の送信元ノードと中継ノードとの間のショートカットコネクションを第1のショートカットコネクションとして設定する第1の手段と、該中継ノードと宛先ノードとの間のショートカットコネクションを第2のショートカットコネクションとして設定する第2の手段と、前記第1のショートカットコネクションと前記第2のショートカットコネクションとの間の対応関係を制御する第3の手段とを有することを特徴とするショートカット通信システム。
【請求項2】 請求項1に記載されたショートカット通信システムにおいて、前記中継ノードには前記第3の手段が備えられ該第3の手段は前記第1のショートカットコネクション対前記第2のショートカットコネクションが1対1、1対N、N対1、又はN対N(Nは2以上の整数)である際前記対応関係を制御するようにしたことを特徴とするショートカット通信システム。
【請求項3】 請求項2に記載されたショートカット通信システムにおいて、前記中継ノードにはショートカットパケット受信の際に使用する受信キャッシュのエントリに対応する転送先キャッシュのエントリの検索ラベルリストを保持して該検索ラベルリストを参照して前記受信したショートカットパケットに対応する転送先のショートカットコネクションの検索を行う手段が備えられていることを特徴とするショートカット通信システム。
【請求項4】 コネクションオリエンテッドネットワークにおいてアドレス解決処理を行ってサブネット間通信をルータを介することなく行うようにしたショートカット通信システムにおいて、前記ショートカット通信を中継するため前記ショートカット通信の送信元ノードと自ノードとの間のショートカットコネクションを第1のショートカットコネクションとして設定する第1の手段と、前記自ノードと宛先ノードとの間のショートカットコネクションを第2のショートカットコネクションとして設定する第2の手段と、前記第1のショートカットコネクションと前記第2のショートカットコネクションとの間の対応関係を制御する第3の手段とを備えるショートカット中継クライアントと、該ショートカット中継クライアントにおけるショートカット中継処理を制御するショートカット中継用サーバとを有することを特徴とするショートカット通信システム。
【請求項5】 請求項4に記載されたショートカット通信システムにおいて、前記第3の手段は前記第1のショートカットコネクション対前記第2のショートカットコネクションが1対1、1対N、N対1、又はN対N(Nは2以上の整数)である際前記対応関係を制御するようにしたことを特徴とするショートカット通信システム。
【請求項6】 請求項5に記載されたショートカット通信システムにおいて、前記ショートカット中継用クライアントにはショートカットパケット受信の際に使用する受信キャッシュのエントリに対応する転送先キャッシュのエントリの検索ラベルリストを保持して該検索ラベルリストを参照して前記受信したショートカットパケットに対応する転送先のショートカットコネクションの検索を行う手段が備えられていることを特徴とするショートカット通信システム。
【請求項7】 請求項4に記載されたショートカット通信システムにおいて、前記ショートカット中継用クライアントにはショートカットパケットを受信した際に使用する受信キャッシュのエントリに対応する転送先キャッシュのエントリの検索ラベルを保持して該検索ラベルを参照して前記受信したショートカットパケットに対応する転送先のショートカットコネクションの検索を行う手段が備えられていることを特徴とするショートカット通信システム。
【請求項8】 コネクションオリエンテッドネットワークにおいてアドレス解決処理を行ってサブネット間通信をルータを介することなく行うようにしたショートカット通信システムにおいて、ネットワークの構成が変化した際、ショートカット通信を行うショートカット通信用クライアントに対してアドレスの再解決を行うように指示する手段を有するショートカット通信用サーバを備えることを特徴とするショートカット通信システム。
【請求項9】 請求項8に記載されたショートカット通信用サーバを有することを特徴とする請求項4に記載されたショートカット通信システム。
【請求項10】 請求項8に記載されたショートカット通信用サーバを有することを特徴とする請求項5に記載されたショートカット通信システム。
【請求項11】 請求項8に記載されたショートカット通信用サーバを有することを特徴とする請求項6に記載されたショートカット通信システム。
【請求項12】 請求項8に記載されたショートカット通信用サーバを有することを特徴とする請求項7に記載されたショートカット通信システム。

【図1】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開平11−41251
【公開日】平成11年(1999)2月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−196729
【出願日】平成9年(1997)7月23日
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)