説明

シリコンオイル皮膜の細分化破壊技術

【課題】 肥料としてマテリアルリサイクル後土壌に施肥した場合自然環境に及ぼす影響を著しく減少させる効果がある技術を提供する。
【解決手段】 リン酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを主成分としその表面をシリコンオイルで覆われた消化薬剤のマテリアルリサイクルにおける前処理工程としてカチオン界面活性剤のエステルアミン4級塩を添加混練しシリコンオイル皮膜の細分化破壊を施行することにより生分解性に優れた剥離シリコンオイルを生産する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリン酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを主成分とし、その表面をシリコンオイルで覆われた消火薬剤のマテリアルリサイクルをするための生分解性に優れたシリコンオイル皮膜の細分化破壊を施行する事に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術には、リン酸−アンモニウムや硫酸アンモニウムを主成分とし、この表面をシリコンオイルでコーテングされた廃棄消火薬剤に、アンモニア水または水酸化カリウム水溶液若しくは、水酸化ナトリウム水溶液などの強アルカリ水溶液を添加して混練し、中和反応により、コーテングを剥離させるものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特許公開2003−325696号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、従来の技術では剥離したシリコンオイルの分子構造が完全に分解出来ないため複数の分子が結合した状態で肌理の粗いシリコンオイル複数分子が剥離存在し肥料としてマテリアルリサイクル後土壌に施肥した場合自然生分解するまでに長期の年月を要し環境に悪影響を与える恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、リン酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを主成分とし、その表面をシリコンオイルで覆われた消化薬剤のマテリアルリサイクルにおける前処理工程としてカチオン界面活性剤のエステルアミン4級塩を添加混練し生分解性に優れたシリコンオイル皮膜の細分化破壊を施行する事を特徴とするシリコンオイル皮膜の細分化破壊技術。
【発明の効果】
【0005】
本発明のシリコンオイル皮膜の細分化破壊技術は、リン酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを主成分としその表面をシリコンオイルで覆われた消火薬剤のマテリアルリサイクルにおける前処理工程としてカチオン界面活性剤のエステルアミン4級塩を添加混練しシリコンオイル皮膜の細分化破壊を施行することにより生分解性に優れた剥離シリコンオイルを生産し肥料としてマテリアルリサイクル後土壌に施肥した場合自然環境に及ぼす影響が著しく減少させる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
リン酸−アンモニウムや硫酸アンモニウムを主成分とし、この表面をシリコンオイルでコーテングされた廃棄消火薬剤に、アンモニア水または水酸化カリウム水溶液若しくは、水酸化ナトリウム水溶液などの強アルカリ水溶液を添加して混練し、それらの反応熱による堅化作用でシリコンオイル皮膜を剥離させその後カチオン界面活性剤のエステルアミン4級塩を添加混練し細分子化され自然生分解性に優れたシリコンオイルを生成する。
【実施例】
【0007】
リン酸−アンモニウムや硫酸アンモニウムを主成分とし、この表面をシリコンオイルでコーテングされた廃棄消火薬剤として、リン酸−アンモニウム43%、硫酸アンモニウム53%、しりか3.5%シリコンオイル0.5%のものを使用した。この消化薬剤100重量部をミキサーに入れ同時に25%希薄アンモニア水15重量部を添加し25分間40rpmで緩速攪拌の後エステルアミン4級塩1重量部添加し8分間180rpmで急速攪拌したところ、発熱反応をおこしながら湿粉となった。得られたリサイクル肥料は1%水溶液で計測したところpH6.8で水分は12%であった。
【0008】
更に得られたリサイクル肥料を、純水200ml入りのトールビーカーに投入攪拌し30分間静置沈殿させたところリン酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムが沈殿しそれらは親水性に変化していることが確認された。トールビーカー内水面上部に細分化破壊後剥離したシリカとシリコンオイルが浮遊していた。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明のシリコンオイル皮膜の細分化破壊技術は、リン酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを主成分としその表面をシリコンオイルで覆われた消火薬剤のマテリアルリサイクルにおける前処理工程としてカチオン界面活性剤のエステルアミン4級塩を添加混練しシリコンオイル皮膜の細分化破壊を施行することにより生分解性に優れた剥離シリコンオイルを生産し肥料としてマテリアルリサイクル後土壌に施肥した場合自然環境に及ぼす影響が著しく減少する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを主成分とし、その表面をシリコンオイルで覆われた消化薬剤のマテリアルリサイクルにおける前処理工程としてカチオン界面活性剤のエステルアミン4級塩を添加混練し生分解性に優れたシリコンオイル皮膜の細分化破壊を施行する事を特徴とするシリコンオイル皮膜の細分化破壊技術。

【公開番号】特開2006−142269(P2006−142269A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362022(P2004−362022)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(504459755)
【Fターム(参考)】