説明

シリコーンポリオキサミド及びシリコーンポリオキサミド−ヒドラジドコポリマー

式Iの繰り返し単位を少なくとも2個含むコポリマー:


この式において、各Rは独立して、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ若しくはハロで置換されたアリールであり;各Yは独立して、アルキレン若しくはアラルキレン、又はこれらの組み合わせであり;各Gは独立して、結合であるか、又は式RHN−G−NHRのジアミンから2個の−NHR基を除いたものに相当する二価の残基であり;各Rは独立して、水素若しくはアルキルであるか、又は各RはGと、R及びGが両方結合している窒素と共に複素環基を形成し;各nは独立して0〜1500の整数であり;各pは独立して1〜10の整数であり;各qは独立して1以上の整数であり;qの少なくとも50%は整数2である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年9月21日出願の米国特許仮出願第12/563,258号及び同第12/563,311号の利益を主張する。これらの開示はその全体が本明細書へ参考として組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、シリコーンポリオキサミド及びシリコーンポリオキサミド−ヒドラジドコポリマーに関し、並びにこのコポリマーを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シロキサンポリマーは、シロキサン結合の物理的及び化学的特徴に主として由来する特有の性質を有する。これらの性質としては、低いガラス転移温度、熱安定度及び酸化安定度、紫外線への抵抗力、低表面エネルギー及び低疎水性、気体に対する高透過性、及び生体適合性が挙げられる。しかし、シロキサンポリマーは、多くの場合、引張り強度を欠いている。
【0004】
シロキサンポリマーの引張り強度の低さは、ブロックコポリマーを形成することにより改善することができる。一部のブロックコポリマーは、「ソフト」シロキサンポリマーのブロック若しくはセグメント、及び任意の種々の「ハード」ブロック若しくはセグメントを含有する。ポリジオルガノシロキサンポリアミド、ポリジオルガノシロキサンポリウレア、及びポリジオルガノシロキサンポリオキサミドコポリマーは、代表的なブロックコポリマーである。
【0005】
ポリジオルガノシロキサンポリアミドは、アミノ末端シリコーンの、短鎖ジカルボン酸との縮合反応により調製されている。あるいは、これらのコポリマーは、カルボキシ末端シリコーンの、短鎖ジアミンとの縮合反応により調製される。ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)及びポリアミドは、多くの場合、溶解度パラメータがかなり異なるために、高重合度の、特にポリオルガノシロキサンセグメントの高い同族体を有するシロキサン系ポリアミドを生成するための反応条件を見出すことは困難となり得る。周知のシロキサン系ポリアミドコポリマーの多くは、30個以下のジオルガノシロキシ(例えば、ジメチルシロキシ)単位を有するセグメントなどの比較的短いポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)のセグメントを含有するか、又はコポリマー内のポリジオルガノシロキサンセグメントの量が比較的少ない。すなわち、得られたコポリマー中のポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)ソフトセグメント部分(すなわち、重さに基づく量)は、少なくなる傾向がある。
【0006】
ポリジオルガノシロキサンポリ尿素は、別のタイプのブロックコポリマーである。これらのブロックコポリマーは、多くの望ましい特徴を有するが、それらの一部は、高温、例えば250℃以上にさらした際に分解する傾向がある。
【0007】
米国特許出願公開第2007/0148474号(Leirら)に記載のもののようなポリジオルガノシロキサンポリオキサミドは、更に他のタイプのブロックコポリマーである。既知のポリジオルガノシロキサンポリオキサミドコポリマーは、エチレンジアミンなどのジアミンを、少なくとも1個のポリジオルガノシロキサンセグメントと、少なくとも2個のオキサリルアミノ基とを含有する前駆体と混合することで製造されてきた。得られるコポリマーは、交互にソフトポリジオルガノシロキサンセグメント(S)とハードオキサミドセグメント(H)を有する(すなわち、コポリマーは(S−H)タイプである)。これらのポリジオルガノシロキサンポリオキサミドコポリマーは、多くの既知のポリジオルガノシロキサンポリアミドコポリマーと比較して、比較的大きなポリジオルガノシロキサンセグメント部分を含有する。このようなポリジオルガノシロキサンポリオキサミドコポリマーは、通常、250℃以上の高温にさらされても明白な分解を生じないでいることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のことを考慮すると、上記の、ソフト及びハードセグメントが交互に存在するポリジオルガノシロキサンポリアミドコポリマーは、熱的に不安定な熱可塑性シリコーンエラストマーよりも改善されているものの、コポリマー鎖内のハードセグメントの含有量及び分布を制御する能力を得ることは有利であると認識している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
簡潔に述べると、一態様では、本発明は、式Iの繰り返し単位を少なくとも2個含む、シリコーンポリオキサミド及びシリコーンポリオキサミド−ヒドラジドコポリマーを提供する。
【0010】
【化1】

【0011】
この式において、各Rは独立して、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ若しくはハロで置換されたアリールであり;各Yは独立して、アルキレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせであり;各Gは独立して、結合であるか、又は式RHN−G−NHRのジアミンから2個の−NHR基を除いたものに相当する二価の残基であり;各Rは独立して、水素若しくはアルキルであるか、又は各RはGと、R及びGが両方結合している窒素と共に複素環基を形成し;各nは独立して0〜1500の整数であり;各pは独立して1〜10の整数であり;並びに各qは独立して1以上の整数である。少なくとも50%のqは整数2である。
【0012】
本発明のシリコーンポリオキサミド及びシリコーンポリオキサミド−ヒドラジドコポリマーは、ハードセグメントが「連続している部位」を含有してよく、ソフト及びハードセグメントを完全に交互に含有する必要はない。耐溶剤性、弾性、硬度、溶融レオロジー、せん断力、及び/又は接着などの特徴は、コポリマー中に、ハードセグメントが非常に連続している部位を組み込むことにより改善することができる。
【0013】
他の態様では、本発明は、式I’の繰り返し単位を少なくとも2個含むコポリマー材料を製造する方法を提供する。
【0014】
【化2】

【0015】
式中、R、Y、G、R及びnは、上記の通りに定義される。
【0016】
当該方法は、(a)式IVの化合物:
【0017】
【化3】

【0018】
(式中、pは1〜10の整数であり、各Rは独立して、アルキル、ハロアルキル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ、ハロ若しくはアルコキシカルボニル(alkyoxycarbonyl)で置換されたアリールであるか、又はNを介して結合した
【0019】
【化4】

【0020】
であり、各Rは独立して、水素、アルキル若しくはアリールであるか、又はRは共に環を形成する)を、
モル過剰の式Vのジアミンと反応させて、
【0021】
【化5】

【0022】
式VIのアミン末端ポリマーを形成することと、
【0023】
【化6】

【0024】
(b)過剰なジアミンを除去することと;(c)式VIのアミン末端ポリマーを式IIのオキサラートエステルにより処理することで、式I’の繰り返し単位を形成することと、を含む:
【0025】
【化7】

【0026】
(式中、Rはアルキル、ハロアルキル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ、ハロ若しくはアルコキシカルボニル(alkyoxycarbonyl)で置換されたアリールであるか、あるいはNを介して結合した
【0027】
【化8】

【0028】
であり、各Rは独立して、水素、アルキル若しくはアリールであるか、又はRは共に環を形成する)。
【0029】
米国特許出願公開第2007/0148474号(Leirら)に開示されている方法のようなポリジオルガノシロキサンポリオキサミドコポリマーの既知の製造法は、(S−H)タイプのコポリマーのみを生成する。しかしながら、本発明の方法は、ハードセグメントの連続している部位を含有するコポリマーを製造するために、使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明のシリコーンポリオキサミド及びシリコーンポリオキサミド−ヒドラジドコポリマーは、式Iの繰り返し単位を少なくとも2個含む。
【0031】
【化9】

【0032】
この式において、各Rは独立して、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ若しくはハロで置換されたアリールであり;各Yは独立して、アルキレン若しくはアラルキレン、又はこれらの組み合わせであり;各Gは独立して、結合であるか、又は式RHN−G−NHRのジアミンから2個の−NHR基を除いたものに相当する二価の残基であり;各Rは独立して、水素若しくはアルキルであるか、又は各RはGと、R及びGが両方結合している窒素と共に複素環基を形成し;各nは独立して0〜1500の整数であり;各pは独立して1〜10の整数であり;並びに各qは独立して1以上の整数である。少なくとも50%のqは整数2である。
【0033】
式IにおけるRに好適なアルキル基は、典型的には、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有する。例示のアルキル基としては、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、及びイソ−ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。Rに好適なハロアルキル基は、多くの場合、ハロゲンで置換された対応するアルキル基の水素原子の一部を有するに過ぎない。例示のハロアルキル基としては、1〜3個のハロ原子及び3〜10個の炭素原子を備えた、クロロアルキル及びフルオロアルキル基が挙げられる。Rに好適なアルケニル基は、多くの場合、2〜10個の炭素原子を有する。例示のアルケニル基は、多くの場合、2〜8個、2〜6個、又は2〜4個の炭素原子、例えばエテニル、n−プロペニル、及びn−ブテニルを有する。Rに好適なアリール基は、6〜12個の炭素原子を有する。フェニルは、例示的なアリール基である。このアリール基は、非置換であることができ、あるいは、アルキル(例えば、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル)、アルコキシ(例えば、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ)、又はハロ(例えば、クロロ、ブロモ、又はフルオロ)によって置換することもできる。Rに好適なアラルキル基は通常、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基及び6〜12個の炭素原子を有するアリール基を有する。一部の例示的なアラルキル基では、アリール基はフェニルであり、アルキレン基は、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する(すなわち、アラルキルの構造は、アルキレン−フェニルであり、ここでアルキレンがフェニル基に結合している)。
【0034】
一部の実施形態では、式Iのいくつかの繰り返し単位中のR基の、少なくとも40パーセント、及び好ましくは少なくとも50パーセントはメチルである。例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のR基が、メチルであり得る。残りのR基は、少なくとも2個の炭素原子を有するアルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル、アリール、又はアルキル、アルコキシ、若しくはハロで置換されたアリールから選択することができる。
【0035】
式I中の各Yは、独立してアルキレン、アラルキレン、又はそれらの組み合わせである。好適なアルキレン基は典型的には、最大10個の炭素原子、最大8個の炭素原子、最大6個の炭素原子、又は最大4個の炭素原子を有する。例示的なアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、及びこれらに類するものが挙げられる。好適なアラルキレン基は通常、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基に結合した、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基を有する。一部の例示的なアラルキレン基では、アリーレン部分はフェニレンである。すなわち、二価アラルキレン基は、フェニレン−アルキレンであり、ここで、フェニレンは、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキレンに結合している。本明細書で使用するとき、Y基に関して、「これらの組み合わせ」とは、アルキレン基及びアラルキレン基から選択される2つ又はそれ以上の基の組み合わせを意味する。例えば、組み合わせは、単一のアルキレンに結合した単一のアラルキレン(例えば、アルキレン−アリーレン−アルキレン)であり得る。1つの例示的なアルキレン−アリーレン−アルキレンの組み合わせでは、アリーレンはフェニレンであり、各アルキレンは、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有する。
【0036】
式I中の各Gは独立して、結合であるか、又は式RHN−G−NHRのジアミン化合物から2個のアミノ基(すなわち、−NHR基)を除いたものに相当する残基単位である。Gが結合である場合、コポリマーはシリコーンポリオキサミド−ヒドラジドである。一部の実施形態では、Gは結合であり、各Rは水素である。
【0037】
Gが残基単位である場合、コポリマーはシリコーンポリオキサミドである。ジアミンは、一級又は二級アミノ基を有することができる。R基は、水素若しくはアルキル(例えば、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル)であるか、又はRはGと、R及びGが両方結合している窒素と共に複素環基(例えば、RHN−G−NHRはピペラジン)を形成する。ほとんどの実施形態では、Rは水素又はアルキルである。多くの実施形態では、ジアミンの両方のアミノ基は一級アミノ基であり(すなわち、両方のR基が水素である)、ジアミンは式HN−G−NHを持つ。
【0038】
一部の実施形態では、Gはアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせである。好適なアルキレンは、多くの場合、2〜10個、2〜6個、又は2〜4個の炭素原子を有する。例示のアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、及びこれらに類するものが挙げられる。好適なヘテロアルキレンは、多くの場合、少なくとも2個のエチレン単位を有するポリオキシエチレン、少なくとも2個のプロピレン単位を有するポリオキシプロピレン、又はこれらのコポリマーなどのポリオキシアルキレンである。好適なアラルキレン基は通常、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基に結合した、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基を含有する。一部の例示のアラルキレン基は、フェニレン−アルキレンであり、ここで、フェニレンが、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキレンに結合している。本明細書で使用するとき、G基に関して、「これらの組み合わせ」は、アルキレン、ヘテロアルキレン、ポリジオルガノシロキサン、アリーレン、及びアラルキレンから選択される2個以上の基の組み合わせを意味する。例えば、組み合わせは、アルキレンに結合したアラルキレン(例えば、アルキレン−アリーレン−アルキレン)であり得る。1つの例示のアルキレン−アリーレン−アルキレンの組み合わせでは、アリーレンはフェニレンであり、各アルキレンは、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有する。
【0039】
式I中の各下付き文字nは、独立して0〜1500の整数である。例えば、下付き文字nは、最大1000、最大500、最大400、最大300、最大200、最大100、最大80、又は最大60、最大40、最大20、又は最大10の整数であり得る。nの値は、多くの場合、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、又は少なくとも40である。例えば、下付き文字nは、40〜1500、0〜1000、40〜1000、0〜500、1〜500、40〜500、1〜400、1〜300、1〜200、1〜100、1〜80、1〜40、又は1〜20の範囲であり得る。
【0040】
各下付き文字pは独立して1〜10の整数である。例えば、pの値は、多くの場合、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、最大3、又は最大2の整数である。pの値は、1〜8、1〜6、又は1〜4の範囲であり得る。
【0041】
各下付き文字qは独立して1以上の整数であり、qの少なくとも50%は整数2である。一部の実施形態では、qの少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも99%、又は全てが整数2である。
【0042】
本発明のコポリマーは、次の式を有する基は含まない傾向がある:−R−(CO)−NH−(式中、Rはアルキレンである)。コポリマー材料の主鎖に沿った全てのカルボニルアミノ基は、オキサリルアミノ基(例えば、−(CO)−(CO)−NH−基)の一部である。すなわち、コポリマー材料の主鎖に沿った任意のカルボニル基は、別のカルボニル基に結合しており、オキサリル基の一部である。より具体的には、本発明のコポリマーは、複数のアミノオキサリルアミノ(aminoxalylamino)基を含有する。
【0043】
本発明のシリコーンポリオキサミド及びシリコーンポリオキサミド−ヒドラジドコポリマーは、直鎖ブロックコポリマーであり(すなわち、これらはハードブロックとソフトブロックを含む)、エラストマーであり得る。これらは、既知のポリジオルガノシロキサンポリオキサミドよりも良好な耐溶剤性を有する傾向がある。本発明の一部のコポリマーは不溶性であり、例えばトルエン又は更にはテトラヒドロフランにも不溶性である。本発明の目的に関し、以下の方法は、コポリマーが特定の溶媒に「不溶性」であるか判断し得る。約1gのサンプルコポリマーをジャーに配置し、およそ100gの所望の溶媒を加え、ジャーを密閉し、周囲温度下でおよそ4時間にわたってローラーに配置した。一定重量へと乾燥させた後に、元の質量の90%以上が保持されていた場合、コポリマーサンプルは不溶性であると見なす。
【0044】
本発明のコポリマーは、改善された熱安定性を有する傾向もある。例えば、本発明の一部のコポリマーは、約220℃以下、約260℃以下、又は更には約300℃以下でも流動しない。本発明の目的に関し、コポリマーが流動する温度は、コポリマーが、ARES平行平板レオメータ(TA Instruments,New Castle,DEから入手可能)で厚さ2mmに圧縮される程度に十分柔らかくなる温度として定義される。
【0045】
本発明のコポリマーは視覚的に透明であり得る。本明細書で使用するとき、用語「視覚的に透明」とは、人間の目に透明に見える材料を意味する。視覚的に透明なコポリマー材料は、多くの場合、少なくとも90パーセントの視感透過率、2パーセント未満の曇度、及び400〜700nmの波長帯での1パーセント未満の不透明度を有する。視感透過率及び曇度の両方は、例えば、ASTM−D 1003−95の方法を使用して決定することができる。
【0046】
更に、コポリマーは、低い屈折率を有し得る。本明細書で使用するとき、用語「屈折率」とは、材料(例えば、コポリマー材料)の絶対屈折率を意味し、自由空間内での電磁放射線速度対対象材料中での電磁放射線速度の比である。電磁放射線は、白色光である。屈折率は、例えばFischer Instruments(Pittsburgh,PA)から市販品として入手可能なアッベの屈折計を使用して測定する。屈折率測定値は、ある程度、使用する特定の屈折計に依存する場合がある。コポリマー材料は、通常、1.41〜1.50の範囲の屈折率を有することができる。
【0047】
機能性成分、粘着付与剤、可塑剤、及び他の特性を持つ改質剤を、本発明のコポリマーに組み込んでもよい。好ましい任意の添加物は、ホットメルト加工性ではない。すなわち、本発明のコポリマーが溶融し、流動する温度にて、添加物は溶融及び流動しない。
【0048】
機能性成分としては、例えば、帯電防止添加物、紫外線吸収剤(UVA)、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、染料、着色剤、色素、酸化防止剤、スリップ剤、低粘着性材料、導電性材料、耐摩耗性材料、光学素子、形状安定剤、接着剤、粘着付与剤、難燃剤、燐光材料、蛍光材料、ナノ粒子、落書き防止剤、結露防止剤、耐荷重剤、シリケート樹脂、ヒュームドシリカ、ガラス玉、ガラス球、ガラス繊維、鉱物繊維、粘土粒子、有機繊維、例えばナイロン、ケブラー、金属粒子及びこれらに類するものが挙げられる。このような任意の添加物は、本発明のコポリマーの100部当たり最大で100部までの量で添加することができるが、但し、組み込む場合、このような添加物は最終的なポリマー産物の機能及び官能性に害をなさないものでなくてはならない。その他の添加物、例えば、光拡散材料、光吸収材料及び蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、相溶剤、酸化亜鉛などの抗菌剤、導電体、有機及び/若しくは無機粒子を含む、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、並びにニッケル粒子などの熱導体、又はこれらのうちの任意の数の組み合わせをこれらのシステムにブレンドできる。上記に列挙した機能性成分はまた、得られる生成物に望ましくない程の悪影響は与えないという条件で、本発明のコポリマーに組み込んでよい。
【0049】
ポリマー材料に有用な粘着付与材料又は可塑剤は、好ましくは、分子レベルで相溶性があり、例えば、エラストマー材料又は熱可塑性エラストマー材料の、任意の若しくは全てのポリマーセグメントに可溶である。粘着付与材料が存在するとき、100重量部のポリマー材料に基づいて、一般には5〜300重量部で、より典型的には最大200重量部で含まれる。本発明に好適な粘着付与剤の例としては、限定するものではないが、流体シリコーン、液体ゴム、炭化水素樹脂、ロジン、二量化又は水素添加バルサム及びエステル化アビエチン酸などの天然樹脂、ポリテルペン、テルペンフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、及びロジンエステルが挙げられる。可塑剤の例としては、ポリブテン、パラフィン系油、ワセリン、及びジトリデシルフタレートなどの長脂肪族側鎖を有する特定のフタレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
他の好適な粘着付与剤として、ケイ酸塩粘着付与樹脂が挙げられる。好適なケイ酸塩粘着付与樹脂としては、次の構造単位、M(すなわち、一価のRSiO1/2単位)、D(すなわち、二価のRSiO2/2単位)、T(すなわち、三価のRSiO3/2単位)、及びQ(すなわち、四価のSiO4/2単位)、並びにこれらの組み合わせからなる樹脂が挙げられる。典型的な例示のケイ酸塩樹脂としては、MQケイ酸塩粘着付与樹脂、MQDケイ酸塩粘着付与樹脂、及びMQTケイ酸塩粘着付与樹脂が挙げられる。これらのケイ酸塩粘着付与樹脂は通常、100〜50,000の範囲の又は500〜15,000の範囲の数平均分子量を有し、通常、メチルR基を有する。
【0051】
MQケイ酸塩粘着付与樹脂は、RSiO1/2単位(「M」単位)及びSiO4/2単位(「Q」単位)を有するコポリマー樹脂であり、式中、M単位がQ単位に結合し、その各々が少なくとも1個の他のQ単位に結合している。一部のSiO4/2単位(「Q」単位)は、ヒドロキシルラジカルに結合して、HOSiO3/2単位(「TOH」単位)をもたらし、したがって、ケイ酸塩粘着付与樹脂のケイ素結合ヒドロキシル含量を説明でき、一部は他のSiO4/2単位にのみ結合していることを説明できる。
【0052】
このような樹脂は、例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering(vol.15,John Wiley & Sons,New York,(1989),pp.265〜270)、並びに米国特許第2,676,182号(Daudtら)、同第3,627,851号(Brady)、同第3,772,247号(Flannigan)及び同第5,248,739号(Schmidtら)に記載されている。他の例は米国特許第5,082,706号(Tangney)に開示されている。上記樹脂は、一般に、溶媒中にて調製される。乾燥させた又は無溶媒の、Mシリコーン粘着付与樹脂は、米国特許第5,319,040号(Wengroviusら)、同第5,302,685号(Tsumuraら)、及び同第4,935,484号(Wolfgruberら)に記載されているように調製することができる。
【0053】
特定のMQケイ酸塩粘着付与樹脂は、米国特許第2,676,182号(Daudtら)に記載され、同第3,627,851号(Brady)、及び同第3,772,247号(Flannigan)によって改良されている、シリカヒドロゾル末端保護プロセスにより調製することができる。これらの改良されたプロセスは、多くの場合、ケイ酸ナトリウム溶液の濃度、及び/又はケイ酸ナトリウム中のケイ素対ナトリウム比、及び/又は中和されたケイ酸ナトリウム溶液を末端保護する前の時間を制限し、一般に、Daudtらによって開示されたものよりも、値を下げることを包含する。中和したシリカヒドロゾルは、多くの場合、中和した後できる限り速やかに、2−プロパノールなどのアルコールによって安定化させ、RSiO1/2シロキサン単位で末端保護する。MQ樹脂上のケイ素結合ヒドロキシル基(すなわち、シラノール)の濃度は、ケイ酸塩粘着付与樹脂の重量に基づいて、1.5重量%以下、1.2重量%以下、1.0重量%以下、又は0.8重量%以下まで減らすことができる。これは、例えばヘキサメチルジシラザンをケイ酸塩粘着付与樹脂と反応させることによって実現することができる。このような反応は、例えばトリフルオロ酢酸によって触媒してもよい。あるいは、トリメチルクロロシラン又はトリメチルシリルアセトアミドをケイ酸塩粘着付与樹脂と反応させてもよく、この場合、触媒は必要ではない。
【0054】
MQDシリコーン粘着付与樹脂は、米国特許第2,736,721号(Dexter)に教示されるような、RSiO1/2単位(「M」単位)、SiO4/2単位(「Q」単位)、及びRSiO2/2単位(「D」単位)を有するターポリマーである。MQDシリコーン粘着付与樹脂においては、RSiO2/2単位(「D」単位)のメチルR基のいくつかは、ビニル(CH=CH−)基(「DVi」単位)によって置き換えることができる。
【0055】
MQTケイ酸塩粘着付与樹脂は、米国特許第5,110,890号(Butler)並びに日本公開平2−36234号に教示されるような、RSiO1/2単位、SiO4/2単位及びRSiO3/2単位(「T」単位)を有するターポリマーである。
【0056】
好適なケイ酸塩粘着付与樹脂は、Dow Corning(Midland,MI);Momentive Performance Materials(Albany,NY);並びにRhodia Silicones(Rock Hill,SC)などの供給元から市販されている。特に有用なMQケイ酸塩粘着付与樹脂の例としては、SR−545及びSR−1000の商品名にて入手可能なものが挙げられ、これらはいずれもMomentive Performance Materials(Albany,NY)から市販されている。このような樹脂は、一般に、有機溶媒中にて供給され、そのままで本発明の接着剤の処方に用いてよい。2つ以上のケイ酸塩樹脂のブレンドを接着剤組成物に含むことができる。
【0057】
本発明のコポリマーは、溶媒から成型することができ、あるいは成型し、様々な形状に成形若しくは型押しされたフィルムとして重合させることができ、あるいはフィルムへと押し出し加工することができる。コポリマー材料の高温安定性ゆえに、それらのフィルム形成には押出法が特に適している。フィルムは、視覚的に透明であり得る。ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドブロックコポリマーを含有している多層フィルムは、例えば米国特許出願公開第2007/0177272号(Bensonら)に記載されている。
【0058】
本発明のコポリマーは様々な物品で有用である.例えば、物品としては、本発明のコポリマーと、1つ以上の所望の基材とを含有している層を挙げることができる。例えば、本発明のコポリマーは、第一基材に隣接した層内にあるか、又は第一基材と第二基材との間に配置することができる。すなわち、物品は、第一基材、本発明のコポリマーを含有している層、第二基材の順番で配置することができる。本明細書で使用するとき、用語「隣接した」とは、第一層が第二層に接触しているか、又は第二層の近傍に配置されてはいるが第二層からは1つ以上の追加の層によって分離されていることを意味する。
【0059】
本発明のコポリマーは、感圧接着剤、及び粘着付与剤を含有する加熱活性化接着剤などの、接着剤組成物に配合することができる。このような接着剤組成物は、例えば米国特許第7,371,464号(Shermanら)に更に記載されている。
【0060】
更に、本発明のコポリマーは、ホットメルト接着剤として使用することができる。典型的には、ホットメルト接着剤は、粘着付与剤をほとんど含有しないか又は全く含有しない。例えば、ホットメルト接着剤を使用して、2つの表面を一体に結合させて複合体にすることが可能である。すなわち、ホットメルト接着剤は、第一基材及び第二基材との間に位置するホットメルト接着剤によって第一基材を第二基材へ結合させるために使用することができる。基材表面などの表面へ適用する際に、ホットメルト接着剤は、望ましくは表面を完全に濡らし、表面が粗い場合であっても空隙が残らないようにするのに十分な流体である。通常、このような接着剤組成物は、適用時には低粘度を有し、次に冷却に応じ固体となる。凝集強度は、冷却に応じ発現する。あるいは、ホットメルト接着剤組成物は、粘度を十分に下げて表面を濡らすことができるような溶媒又はキャリアと共に配合することができる。次に、溶媒又はキャリアを除去して、凝集強度を有する固体コーティングを提供することができる。
【0061】
本発明のコポリマーは、低接着性バックサイズのコーティングとしても有用である。
【0062】
本発明のシリコーンポリオキサミド及びシリコーンポリオキサミド−ヒドラジドコポリマーは、本発明の方法に従って調製することができる。以下の方法を使用することで、式I’の繰り返し単位を少なくとも2個含むコポリマー材料を製造することができる。
【0063】
【化10】

【0064】
式中、各Rは独立して、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ若しくはハロで置換されたアリールであり;各Yは独立して、アルキレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせであり;各Gは独立して、結合であるか、又は式RHN−G−NHRのジアミンから2個の−NHR基を除いたものに相当する二価の残基であり;各Rは独立して、水素若しくはアルキルであるか、又はRはGと、R及びGが両方結合している窒素と共に複素環基を形成し;各nは独立して0〜1500の整数である。
【0065】
、Y、G及びRの好適な例は、式Iについて上記に説明されているものと同様である。
【0066】
本発明の方法の第一工程は、式IVの化合物の使用を含む。
【0067】
【化11】

【0068】
式中、pは1〜10の整数である。
【0069】
式IVの化合物は、少なくとも1個のポリジオルガノシロキサンセグメントと、少なくとも2個のオキサリルアミノ基とを含有する。R基、Y基及び下付き文字nは、式I’について説明されているものと同様であり、pは1〜10の整数である。各R基は独立して、アルキル、ハロアルキル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ、ハロ若しくはアルコキシカルボニルで置換されたアリールであるか、又はNを介して結合した
【0070】
【化12】

【0071】
であり、各Rは独立して、水素、アルキル若しくはアリールであるか、又はRは共に環を形成する。
【0072】
に好適なアルキル基及びハロアルキル基は、多くの場合、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有する。三級アルキル(例えば、t−ブチル)及びハロアルキル基を使用することが可能ではあるが、多くの場合、隣接したオキシ基に直接付着した(すなわち、結合した)、一級又は二級炭素原子がある。例示のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、及びイソ−ブチルが挙げられる。例示のハロアルキル基としては、クロロアルキル基及びフルオロアルキル基が挙げられ、ここで、対応するアルキル基上の水素原子のいくらか(全てではない)は、ハロ原子により置き換えられている。例えば、クロロアルキル基又はフルオロアルキル基は、クロロメチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、3−クロロプロピル、4−クロロブチル、フルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、などであり得る。Rに好適なアリール基としては、6〜12個の炭素原子を有するもの、例えば、フェニルなどが挙げられる。アリール基は、非置換であることができ、あるいは、アルキル(例えば、メチル、エチル、又はn−プロピルのような、1〜4個の炭素原子を有するアルキル)、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、又はプロポキシのような、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ)、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、又はフルオロ)、又はアルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、若しくはプロポキシカルボニルのような、2〜5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル)によって置換することができる。
【0073】
式IVの化合物は、単一の化合物を包含することができ(すなわち、化合物の全てがp及びnについて同一の値を有する)、又は複数の化合物を含むことができる(すなわち、化合物はpについて異なる値、nについて異なる値、又はp及びnの両方について異なる値を有する)。異なるn値を持つ化合物は、異なる長さのシロキサン鎖を有する。p値が少なくとも2である化合物は、鎖が延長されている。
【0074】
一部の実施形態では、下付き文字pが1に等しい式IVの第一化合物と、下付き文字pが少なくとも2に等しい式IVの第二化合物との混合物が存在する。第一化合物は、異なるn値を有する、複数の異なる化合物を包含することができる。第二化合物は、異なるp値、異なるn値、又はp及びnの両方についての異なる値を有する、複数の化合物を包含することができる。混合物は、混合物中の第一及び第二化合物の合計重量に基づいて、少なくとも50重量%の式IVの第一化合物(すなわち、pは1に等しい)、及び50重量%以下の式IVの第二化合物(すなわち、pは少なくとも2に等しい)を含有することができる。一部の混合物では、第一化合物は、式IVの化合物の全量に基づいて、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%の量で存在する。混合物は、多くの場合、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2重量%以下の第二化合物を含有する。
【0075】
混合物中の、鎖が延長された式IVの化合物の量が異なると、式I’のエラストマー材料の最終的な性質に影響が現れる場合がある。すなわち、式IVの第二化合物(すなわち、pは少なくとも2に等しい)の量は、一連の性質を持つエラストマー材料を提供するために、有利に変えることができる。例えば、式IVの第二化合物を増量させることで、溶融レオロジーを変更したり(例えば、溶解物として存在する際にエラストマー材料をより容易に流動させる)、エラストマー材料の柔軟性を変更したり、エラストマー材料の弾性率を低下させたり、又はこれらの組み合わせを実現することができる。
【0076】
本発明の方法の第一工程では、反応条件下で、式IVの化合物と、モル過剰の式Vのジアミンとを組み合わせる。
【0077】
【化13】

【0078】
基及びG基は式I’について説明されているものと同様である。
【0079】
式Vのジアミンは、場合により、有機ジアミンとして、あるいは例えば、アルキレンジアミン、ヘテロアルキレンジアミン、アリーレンジアミン、アラルキレンジアミン、若しくはアルキレン−アラルキレンジアミンから選択されたものといった有機ジアミンを備えたポリジオルガノシロキサンジアミンとして分類される。ジアミンは、得られたポリジオルガノシロキサンポリオキサミド及びポリオキサミド−ヒドラジドが、直鎖ブロックコポリマーであり、それらが多くの場合、エラストマーであり、高温で溶融し、いくつかの一般的な有機溶媒に可溶性であるように、2個のアミノ基のみを有する。ジアミンは、2個を超える一級又は二級アミノ基を有するポリアミンを有しない。式IVの化合物とは反応しない第三級アミンは存在してよい。
【0080】
例示のポリオキシアルキレンジアミン(すなわち、Gは、ヘテロ原子が酸素であるヘテロアルキレンである)としては、Huntsman(Woodlands,TX)から、商品名JEFFAMINE D−230(すなわち、230g/モルの平均分子量を有するポリオキシプロピレン(polyoxypropropylene)ジアミン)、JEFFAMINE D−400(すなわち、400g/モルの平均分子量を有するポリオキシプロピレンジアミン)、JEFFAMINE D−2000(すなわち、2,000g/モルの平均分子量を有するポリオキシプロピレンジアミン)、JEFFAMINE HK−511(すなわち、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の両方を備え、220g/モルの平均分子量を有するポリエーテルジアミン)、JEFFAMINE ED−2003(すなわち、ポリプロピレンオキシドで末端保護された、2,000g/モルの平均分子量を有するポリエチレングリコール)、及びJEFFAMINE EDR−148(すなわち、トリエチレングリコールジアミン)で市販されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
例示のアルキレンジアミン(すなわち、Gはアルキレンである)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレン1,5−ジアミン(すなわち、Dupont(Wilmington,DE)から商品名DYTEK Aで市販されている)、1,3−ペンタンジアミン(Dupontから商品名DYTEK EPで市販されている)、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン(Dupontから商品名DHC−99で市販されている)、4,4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、及び3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
例示のアリーレンジアミン(すなわち、Gはフェニレンなどのアリーレンである)としては、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、及びp−フェニレンジアミンが挙げられるが、これらに限定されない。例示のアラルキレンジアミン(すなわち、Gはアルキレン−フェニルなどのアラルキレンである)としては、4−アミノメチル−フェニルアミン、3−アミノメチル−フェニルアミン、及び2−アミノメチル−フェニルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。例示のアルキレン−アラルキレンジアミン(すなわち、Gはアルキレン−フェニレン−アルキレンなどのアルキレン−アラルキレンである)としては、4−アミノメチル−ベンジルアミン、3−アミノメチル−ベンジルアミン、及び2−アミノメチル−ベンジルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
例示的なヒドラジン(すなわち、Gが結合である)としては、ヒドラジン及びN,N’−ジアミノピペラジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
一部の好ましい実施形態では、式Vのジアミンは、ヒドラジン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ジアミノヘキサン、及びm−キシリレンジアミンからなる群から選択される。
【0085】
式IVの化合物と、モル過剰の式Vのジアミンとの反応から、式VIのアミン末端ポリマーが得られる。
【0086】
【化14】

【0087】
この反応は、式IVの複数の化合物、複数のジアミン、又はこれらの組み合わせを使用して実施することができる。異なる平均分子量を有する複数の式IVの化合物を、反応条件下で単一のジアミン又は複数のジアミンと組み合わせることができる。例えば、式IVの化合物には、異なるn値を有する、異なるp値を有する、又はn及びpの両方について異なる値を有する材料の混合物を包含してもよい。複数のジアミンは、例えば、有機ジアミンである第一ジアミン及びポリジオルガノシロキサンジアミンである第二ジアミンを包含することができる。同様に、単一の式IVの化合物を、反応条件下で複数のジアミンと組み合わせることもできる。
【0088】
式IVの化合物とジアミンとの縮合反応は、多くの場合、室温又は高温(例えば最高250℃の温度)で実施される。例えば、この反応は、多くの場合、室温又は最高100℃の温度で実施できる。他の実施例では、この反応は、少なくとも100℃、少なくとも120℃、又は少なくとも150℃の温度で実施することができる。例えば、この反応温度は多くの場合、100℃〜220℃の範囲、120℃〜220℃の範囲、又は150℃〜200℃の範囲である。この縮合反応は多くの場合、1時間未満、2時間未満、4時間未満、8時間未満、又は12時間未満で完了する。
【0089】
反応は、溶媒の存在下又は非存在下で生じ得る。好適な溶媒は通常、反応に関する反応物又は生成物と反応しない。更に、通常、好適な溶媒は、溶液中の全ての反応物及び全ての生成物をプロセスを通して維持することができる。例示的な溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサンなどのアルカン)又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
反応の完了後、存在する場合には過剰なジアミン及び溶媒を除去する。過剰なジアミンは、例えば、真空蒸留により除去することができる。
【0091】
得られる式VIのアミン末端ポリマーを、次いでオキサラートエステルにより処理し、アミン末端基を利用して式I’の繰り返し単位を形成する。有用なオキサラートエステルは式IIを有する。
【0092】
【化15】

【0093】
式IIのオキサラートは、例えば式R−OHのアルコールをオキサリルジクロリドと反応させることにより調製できる。市販の式IIのオキサラート(例えば、Sigma−Aldrich(Milwaukee,WI)及びVWR International(Bristol,CT)から)としては、ジメチルオキサラート、ジエチルオキサラート、ジ−n−ブチルオキサラート、ジ−tert−ブチル−オキサラート、ビス(フェニル)オキサラート、ビス(ペンタフルオロフェニル)オキサラート、1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)オキサラート、及びビス(2,4,6−トリクロロフェニル)オキサラートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
特に有用な式IIのオキサラートエステルとしては、例えば、フェノール、エタノール、ブタノール、メチルエチルケトンオキシム、アセトンオキシム、及びトリフルオロエタノールの、オキサラートエステルが挙げられる。
【0095】
任意の好適なリアクタ(例えば、ガラス容器、又は撹拌器を取り付けた一般的なやかん)又はプロセスを、本発明の方法に従ってコポリマー材料を調製するために使用することができる。反応は、バッチプロセス、半バッチ式プロセス、又は連続プロセスを使用して実施することができる。
【0096】
存在するあらゆる溶媒は、反応終了時に、得られたポリジオルガノシロキサンポリオキサミド又はポリオキサミド−ヒドラジドから除去することができる。この除去プロセスは、多くの場合、少なくとも100℃、少なくとも125℃、又は少なくとも150℃の温度で実施される。この除去プロセスは典型的には、300℃未満、250℃未満、又は225℃未満の温度で行われる。
【0097】
溶媒の非存在下で反応を実施することが望ましいものであり得る。反応物質及び生成物の両方と適合性がない溶媒では、反応は不完全なものとなり、重合度が低くなる。
【実施例】
【0098】
本発明の目的及び利点は、下記の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を過度に制限するものと解釈すべきではない。実施例における全ての部、割合、比率及びこれらに類するものは、特に断りのない限り、重量によるものとする。使用される溶媒及び他の試薬は、特に断りのない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)又はEMD Chemicals(Gibbstown,NJ)から入手した。
【0099】
【表1】

【0100】
試験方法
PDMSジアミンのアミン当量(AEW)を、ブロモフェノールブルーの終点に対して1NのHCl標準溶液を用いて、テトラヒドロフラン(THF)滴定により測定した。
【0101】
式IVサンプルのエステル当量(EEW)を、米国特許第7,501,184号の方法に従って測定した。
【0102】
厚さ約1mmで、5mm×20mmの試験可能な領域を有する、ドッグボーン形状(dogbone shaped)の試料に対するヤング係数を、1122型引張試験機(Instron Corporation,Norwood,MA)を用いて測定した。
【0103】
本発明のポリマーの複合体溶融粘度を、260℃にて2.0mmのギャップ及び100ラジアン/秒のせん断速度に設定したARESレオメータ(TA Instruments,New Castle,DE)を用いて得た。
【0104】
ショアA硬度は、ゴム特性−ジュロメータ硬度のためのASTM D2240−5標準試験法に従って測定した。本試験方法は、特定のタイプの圧子を特定条件下にて材料中に力を加えて押し込んだ場合に、それが貫入することに基づいている。押し込み硬さは、貫入と逆相関し、材料の弾性率及び粘弾性挙動に依存する。
【0105】
Canon−Fenske粘度計(型式50 P296)を使用して、27℃で0.2g/dL濃度のTHF溶液中で、平均固有粘度(IV)を、27℃で測定した。固有粘度は、3回以上の測定の平均とした。平均固有粘度を決定するための任意の変法は、具体例に記述されている。値はdL/gで記載している。
【0106】
式IVの化合物の調製
米国特許出願公開第2007/0148474号の調製例1に従って、式IVの化合物をPDMSジアミン及び3〜5倍モル過剰のジエチルオキサラートから調製した。
【0107】
式(VII)の化合物の調製
【0108】
【化16】

【0109】
オーバーヘッドスターラー、滴下漏斗、アイスバス、温度プローブ及び窒素導入口を装備した、1Lのフラスコに、2−ブタノンオキシム(93.23g)及びMTBE(500mL)を添加した。内容物を10℃に冷却し、内部温度を15℃以下に維持しながら30分かけて塩化オキサリル(67.9g)を添加した。次いで、外部を冷却して内部温度を30℃以下に維持しながら、30分かけてトリエチルアミン(108g)を滴加した。得られた固体を溶解するのに十分な水を添加し、次いで水層を取り除いた。有機層を、0.1NのHClで2回、及び2Mの炭酸ナトリウムで1回洗浄した後に、MgSOで乾燥させ、セライトパッドで濾過した。溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、120gの式VIIの化合物を無色透明の油として得た。H NMR(CDCl)は、幾何異性体の混合物として存在すると予想された構造と一致した。
【0110】
実施例1
シリコーンポリオキサミド−ヒドラジドの調製
【0111】
【化17】

【0112】
雰囲気下で、激しく撹拌しながら、10分かけて式IVの化合物(EEW=8076g/mol、365g、45.20mmol)を無水ヒドラジン(7mL)に添加した。3時間後、真空下(1トル(133.3Pa))110℃にて表面をNスパージすることにより過剰なヒドラジンを留去した。冷却に応じ、粘稠なガムが得られた。HのNMRにより、所望の構造であることが確認された。
【0113】
得られた物質(100.0g)をCHCl(200mL)に溶解し、ジフェニルオキサラート(1.500g、TCI America(Portland OR)から入手可能)を添加した。周囲温度で6週間にわたって撹拌した後、室温で48時間にわたって溶媒を蒸発させることで粘稠な溶液を単離し、次いで150℃の真空オーブン中で48時間にわたって処理することで、透明で強靭なエラストマーを得た。
【0114】
実施例2
シリコーンポリ(オキサミド)の調製
【0115】
【化18】

【0116】
雰囲気下で、激しく撹拌しながら、10分かけて式IVの化合物(EEW=12,887g/mol、400g、31.0mmol)をエチレンジアミン(9.33g)のキシレン(70mL)溶液に添加した。3時間後、真空下(1トル(133.3Pa))で120℃にて表面をNスパージすることで、過剰なエチレンジアミンを留去した。冷却に応じ、粘稠なガムが得られた。AEWは17,974g/molであった。
【0117】
得られた物質(50.0g)をCHCl(150mL)に溶解させ、ジフェニルオキサラート(337mg)を添加した。周囲温度で1週間にわたって撹拌した後、室温で24時間にわたって溶媒を蒸発させることで物質を単離し、次いで150℃の真空オーブン中で48時間にわたって処理することで、透明で強靭なエラストマーを得た。IVは2.53であった。
【0118】
実施例3
シリコーンポリ(オキサミド)の調製
【0119】
【化19】

【0120】
雰囲気下で、激しく撹拌しながら、10分かけて式IVの化合物(EEW=12,887g/mol、400g、31.0mmol)をDYTEK A(18.13g)のデカリン(50mL)溶液に添加した。3時間後、真空下(1トル(133.3Pa))で175℃にて表面をNスパージすることで、過剰なエチレンジアミンを留去した。冷却に応じ、粘稠なガムが得られた。AEWは16,193g/molであった。
【0121】
得られた物質(50.00g)をCHCl(150mL)に溶解させ、ジフェニルオキサラート(373mg)を添加した。周囲温度で5日間にわたって撹拌した後、室温で24時間にわたって溶媒を蒸発させることで物質を単離し、次いで150℃の真空オーブン中で48時間にわたって処理することで、透明で強靭なエラストマーを得た。IVは2.29であった。
【0122】
実施例4
20分にわたって、激しく撹拌しながら内部温度を50℃に維持し、式IVの化合物(EEW=3195g/mol、1015g)をエチレンジアミン(95.5g)のキシレン(100mL)溶液に添加した。1時間後、真空下(1トル(133.3Pa))で、最初は周囲温度にて、次いで140℃にて表面をArスパージすることで、揮発物を留去した。冷却に応じ、粘稠なガムが得られた(AEW=3898g/mol)。
【0123】
得られた物質(25.0g)をTHF(75mL)に溶解させ、式VIIの化合物(0.7319g)を添加した。混合物を簡単に撹拌し、次いで直ちにテフロン型に注ぎ込んだ後、1分以内に固化させた。得られた、完全に乾燥し、重合した物質は、260℃及び100ラジアン/秒にて1716ポアズの複合体溶融粘度を有していた。
【0124】
実施例5
20分にわたって、激しく撹拌しながら内部温度を50℃に維持し、式IVの化合物(EEW=3195g/mol、1015g)をエチレンジアミン(95.5g)のキシレン(100mL)溶液に添加した。1時間後、真空下(1トル(133.3Pa))で、最初は周囲温度にて、次いで140℃にて表面をArスパージすることで、揮発物を留去した。冷却に応じ、粘稠なガムが得られた(AEW=3898g/mol)。
【0125】
得られた物質(25.0g)をCHCl(75mL)に溶解させ、ジブチルオキサラート(0.6486g)を添加した。混合物を簡単に撹拌し、次いで直ちにテフロン型に注ぎ込んだ。得られた、完全に乾燥し、重合した物質は、58のShore A硬度と、4.8MPaのヤング係数を有した。得られた物質は、トルエン及びTHFに不溶性であった。
【0126】
本明細書中に引用される刊行物の完全な開示は、それぞれが個々に組み込まれたかのように、その全体が参照により組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの繰り返し単位を少なくとも2個含むコポリマーであって、
【化1】

式中、
各Rは独立して、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ若しくはハロで置換されたアリールであり、
各Yは独立して、アルキレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせであり、
各Gは独立して、結合であるか、又は式RHN−G−NHRのジアミンから2個の−NHR基を除いたものに相当する二価の残基であり、
各Rは独立して、水素若しくはアルキルであるか、又は各RはGと、R及びGが両方結合している窒素と共に複素環基を形成し、
各nは独立して0〜1500の整数であり、
各pは独立して1〜10の整数であり、
各qは独立して1以上の整数であり、qの少なくとも50%は整数2である、コポリマー。
【請求項2】
qの少なくとも75%が整数2である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
qの少なくとも90%が整数2である、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項4】
qの少なくとも99%が整数2である、請求項3に記載のコポリマー。
【請求項5】
各qが整数2である、請求項4に記載のコポリマー。
【請求項6】
各Rがメチルである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項7】
各Yが、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン、1〜10個の炭素原子を有するアルキレンに結合したフェニレン、又は1〜10個の炭素原子を有する第一アルキレンと1〜10個の炭素原子を有する第二アルキレンとに結合したフェニレンである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項8】
Gがアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項9】
Gが結合であり、各Rが水素である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項10】
nが少なくとも40である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項11】
各Rが水素である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項12】
各Rがメチルであり、Yがプロピレンであり、各Rが水素であり、Gがエチレンである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項13】
前記コポリマーがトルエンに不溶性である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項14】
前記コポリマーがテトラヒドロフランに不溶性である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項15】
前記コポリマーが約220℃以下で流動しない、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項16】
前記コポリマーが約260℃以下で流動しない、請求項15に記載のコポリマー。
【請求項17】
前記コポリマーが約300℃以下で流動しない、請求項16に記載のコポリマー。
【請求項18】
式I’の繰り返し単位を少なくとも2個含むコポリマーを製造する方法であって、
【化2】

式中、
各Rは独立して、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ若しくはハロで置換されたアリールであり、
各Yは独立して、アルキレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせであり、
各Gは独立して、結合、式RHN−G−NHRのジアミン化合物から2個の−NHR基を除いたものに相当する二価の残基単位であり、
各Rは独立して、水素若しくはアルキルであるか、又は各RはGと、R及びGが両方結合している窒素と共に複素環基を形成し、
各nは独立して0〜1500の整数であり、
前記方法は、
(a)式IVの化合物を、
【化3】

(式中、pは1〜10の整数であり、各Rは独立して、アルキル、ハロアルキル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ、ハロ若しくはアルコキシカルボニルで置換されたアリールであるか、又はNを介して結合した
【化4】

であり、各Rは独立して、水素、アルキル若しくはアリールであるか、又はRは共に環を形成する)
モル過剰の式Vのジアミンと反応させて、
【化5】

式VIのアミン末端ポリマーを形成することと、
【化6】

(b)過剰なジアミンを除去することと、
(c)式VIのアミン末端ポリマーを式IIのオキサラートエステルにより処理することで、式I’の繰り返し単位を形成することと
【化7】

(式中、Rはアルキル、ハロアルキル若しくはアリールであるか、又はアルキル、アルコキシ、ハロ若しくはアルキルオキシカルボニルで置換されたアリールであるか、又はNを介して結合した
【化8】

であり、各Rは独立して、水素、アルキル若しくはアリールであるか、又はRは共に環を形成する)、を含む、コポリマーを製造する方法。
【請求項19】
式Vのジアミンが、ヒドラジン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ジアミノヘキサン、及びm−キシリレンジアミンからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
式Vのジアミンがヒドラジン、1,2−ジアミノエタン、又は2−メチル−1,5−ペンタンジアミンである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
式IIのオキサラートエステルが、フェノール、エタノール、ブタノール、メチルエチルケトンオキシム、アセトンオキシム又はトリフルオロエタノールの、オキサラートエステルである、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
感圧接着剤、フィルム、混合物又は低接着性バックサイズである、請求項18に記載のコポリマーを含む物品。

【公表番号】特表2013−505327(P2013−505327A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529785(P2012−529785)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047264
【国際公開番号】WO2011/034722
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】