説明

シリンジアセンブリ、シリンジアセンブリを形成する方法、及びシリンジアセンブリを形成するアダプタ

【課題】シリンジアセンブリ、及び様々なタイプのシリンジアセンブリを備えて使用されるシリンジインターフェース及びアダプタを提供する。
【解決手段】シリンジインターフェイスと駆動部材を含むインジェクタに接続可能なシリンジアセンブリは、加圧される流体を含むバレル部110aと、該バレル部110aに流体が行来可能に接続される出口132aを含むシリンジ部100aを含む。シリンジアセンブリはまたシリンジ部100aとは別個に形成され、複数の部分を含むアダプタ200を含む。アダプタ200をシリンジ部100aに動かないように接続するように係合する2つの部分のみを含み、アダプタ200は更にインジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジアセンブリ、シリンジアセンブリを形成する方法、及びシリンジアセンブリを形成するアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
以下の情報は、読み手が、以下に開示された本発明及びそれが一般的に用いられる環境を理解するのを手助けするのに提供される。ここで用いられる用語は、本書類内で明確に述べられていなければ、特定の狭い解釈に限定することを意図していない。ここで述べられる符号は、本発明及び本発明の背景の理解を容易にする。ここで引用される全ての引例の開示は、引用を以て本願への記載加入とする。
【0003】
インジェクタ駆動されるシリンジ及び動力付きインジェクタは、(例えば血管造影法、コンピューター断層撮影、超音波、NMR/MRIなどの)治療用薬剤搬送及び診断用薬剤搬送に用いられるが、これらに限定されない。
米国特許第4,006,736号は、例えば、ヒト又は動物の脈管系に流体を注入するオンジェクタとシリンジを示す。一般的に、そのようなインジェクタは、シリンジプランジャに接続され、シリンジプランジャを動かすピストンのような駆動部材を含む。例えば、米国特許第4,677,980号は、血管造影法のインジェクタ及びシリンジを開示し、インジェクタの駆動部材は解除可能な機構によってプランジャの移行路に沿ってあらゆる地点でシリンジプランジャに接続され、シリンジプランジャから外され得て、その開示内容は引用を以て、本願への記載加入とする。フロントローディングのシリンジ及びインジェクタシステムも米国特許第5,383,858号に開示され、その開示内容は引用を以て、本願への記載加入とする。
【0004】
種々のタイプのシリンジインターフェイスがインジェクタ上に配備されて、シリンジをインジェクタに作動可能に接続する。米国特許第5,383,858号のフロントローディング式インジェクタは、シリンジをインジェクタの前壁に取り付けるバヨネットシリンジインターフェイス又は取付け機構を含む。この点に於いて、米国特許第5,383,858号のシリンジは、シリンジの後端部に、2つの略対向する取付けフランジを含み、該フランジはそのインジェクタ上の対応する保持フランジと協働して、バヨネット接続を形成する。
【0005】
米国特許第5,873,861号は、他のフロントローディングでバヨネットタイプのシリンジ取付け機構を開示し、シリンジ取付けフランジの多数のペア又はセットが、対応するインジェクタ保持フランジのペアと協働して、シリンジをインジェクタ上に取り付ける。一実施例に於いて、第1の取付けフランジのペアが、第2の取付けフランジのペアから離れている。フロントローディングシリンジの他のタイプの取付け機構は、米国特許第6,652,489号に開示され、その開示内容は引用を以て、本願への記載加入とする。
米国特許第6,652,489号の一実施例に於いて、シリンジはシリンジの全周周りに延びる1つの係合フランジを含み、インジェクタのシリンジインターフェイス内の可撓性リングに解除可能に係合し、シリンジをインジェクタに取り付ける。
【0006】
一般に、フロントローディングインジェクタ上の特に設計された又は独自の取付け機構又は取付け具の使用により、フリントローディングインジェクタに種々の他のタイプのシリンジを使用することがなくなる(prevent)(即ち、取付け機構を有するシリンジは、そのような取付け機構なくして、フロントローディングインジェクタ又はシリンジのシリンジインターフェイス/保持機構と直に互換性がない)。
更に、手動での注入手順に設計されたシリンジは、インジェクタに直接連結することができない。フロントローディングインジェクタに取り付け可能なアダプタがしばしば用いられて、フロントローディングインジェクタに種々のタイプのシリンジ(例えば、他のインジェクタへの使用に設計されたシリンジ及び/又は手動での注入用に設計されたシリンジを含む)が使用されることを可能にする。
【0007】
例えば、米国特許第5,520,653号は、フロントローディングインジェクタについて様々なシリンジの使用を可能にするように設計されたいくつかのアダプタを開示する。
他のアダプタは、PCT公開公報WO01/08727号、及び米国特許第6,336,913号、第6,488,661号、第6,676,634号、第6,716,195号、第6,726,657号、第6,743,205号、第7、029、458号、第7,273,477号及び第7,497,843号に開示され、それらの開示内容は引用を以て、本願への記載加入とする。
【0008】
一般に、そのようなアダプタは、アダプタをインジェクタに作動可能に接続して設置するインジェクタインターフェイスを含む。インジェクタインターフェイスは、一般的にインジェクタに関連して用いられるように設計されたシリンジに関する取付け機構に近似した又は同様の取付け機構を含むように設計されている。
アダプタは、さらにシリンジをアダプタに接続するシリンジインターフェース(それはインジェクタに直接接続されるようには設計されていない)を含んでいる。
プランジャーアダプタ、又はプランジャ拡張部も、インジェクタピストンがシリンジと作動的に接続されることができるように配備され得る。現在利用可能なアダプタは、一般にインジェクタに接続されるように設計されて、インジェクタのシリンジインターフェイスを修正する。そのようなアダプタはしばしば「シリンジアダプタ」と呼ばれるが、それらは「インジェクタアダプタ」又は「インジェクタインターフェースアダプタ」としてより正確に定義される。
一旦そのようなアダプタがインジェクタ上で適所にあれば、あらゆる数のシリンジがそれとともに使用することができる(連続的に)。
【0009】
多くのシリンジインターフェース及びアダプタは現在利用可能であるが、改善されたシリンジアセンブリ、及び様々なタイプのシリンジアセンブリを備えて使用されるシリンジインターフェース及びアダプタを開発することは望ましいままである。
【発明の概要】
【0010】
発明の要約
一態様に於いて、シリンジインターフェイスと駆動部材を含む、インジェクタに接続され得るシリンジアセンブリが配備される。シリンジアセンブリは、加圧される流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行来可能に接続される出口を含むシリンジ部を含む。シリンジアセンブリはまた、シリンジ部から分離して形成され、複数の部分を含むアダプタを含む。複数の部分の少なくとも2つの部分は、アダプタをシリンジ部に解除不可能に係合することができる。多数の実施例に於いて、アダプタは、アダプタをシリンジ部に解除不可能に接続するのに2つのみの部分を含む。アダプタは更に、インジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構を更に含む。アダプタはまた、アダプタをシリンジ部に接続した後に、バレル部と作動可能に接続する通路を含み、アダプタをシリンジ部への接続時に、駆動部材が通路を通って、バレル部内にスライド可能に位置され得るプランジャを作動させる。
【0011】
例えば、シリンジ部はシリンジ部の後端部近傍にフランジを含む。少なくとも2つの部分は、係合可能で、フランジはアダプタによって動くことができないように係合される。
【0012】
例えば、少なくとも2つの部分は、機械的接続を介して取付け可能である。幾つかの実施例に於いて、少なくとも2つの部分は、スナップフィットを介して取付け可能である。例えば、スナップフィットは恒久的なスナップフィットである。
【0013】
少なくとも2つの部分は、一緒にもたらされて、バレル部の長軸に対して0度でない角度で取り付けられる。多数の実施例に於いて、少なくとも2つの部分は、一緒にもたらされて、バレル部の長軸に対して略平行な角度で取り付けられる。
【0014】
少なくとも2つの部分の各々は、高分子材料から形成される。例えば、少なくとも2つの部分の各々は、成形工程を介して2つの部分の他方とは別個に形成される。
【0015】
幾つかの実施例に於いて、シリンジ部のフランジは非環状であり、少なくとも2つの部分はフランジに係合して、シリンジ部はアダプタに対して回転できない。
【0016】
例えば、少なくとも2つの部分の1つは、取付け機構を含む後部と、少なくとも2つの部分の他方に係合する前部を含む。
【0017】
多数の実施例に於いて、アダプタは更に少なくとも2つの部分に係合可能な少なくとも第3の部分を含んで、少なくとも2つの部分間の接続(例えば、スナップフィット)のはずれを防ぐことを手助けする。
【0018】
他の態様に於いて、第1のシリンジインターフェイスと第1の駆動部材を含む第1のインジェクタに接続可能なシリンジアセンブリを形成する方法が提供され、方法は、
加圧されるべき流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行来可能に接続される出口を有するシリンジ部を配備する工程と、シリンジ部から別個に形成されて複数の部分を含むアダプタと、インジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構とを付与する工程と、複数の部分の少なくとも2つの部分を係合して、アダプタをシリンジ部に動かないように接続する工程を含む。
アダプタは更に、係合後にバレル部に作動可能に接続する通路を含み、アダプタのシリンジ部への接続時に第1駆動部材が通路を通って、プランジャがバレル部内をスライド可能に動く。例えば、シリンジ部は第1のインジェクタの第1のシリンジインターフェイスとは別の第2のシリンジインターフェイスを含む第2のインジェクタに接続されるように構成された取付け機構を含む。
例えば、少なくとも2つの部分は、シリンジ部の取付け機構の少なくとも一部と係合して、アダプタをシリンジ部に動かないように接続する。
【0019】
更なる態様に於いて、加圧されるべき流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行き来可能に接続される出口を有するシリンジ部が、シリンジインターフェイスと駆動部材を含むインジェクタに作動可能に接続されることを可能にするキットが配備される。キットは、複数の部分を含むアダプタを含む。
複数の部分の少なくとも2つの部分は、係合可能で、アダプタをシリンジ部に動かないように接続する。アダプタは更に、インジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構を含む。アダプタはまた、アダプタのシリンジ部への接続後に、バレル部に作動可能に接続する通路を含み、アダプタのシリンジ部への接続時に、駆動部材は通路を通って、バレル部内にスライド可能に配備され得るプランジャを動かす。
【0020】
他の態様に於いて、シリンジインターフェイスと駆動部材を含むインジェクタに接続可能なシリンジアセンブリを形成する方法が提供される。シリンジアセンブリは、加圧されるべき流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行き来可能に接続される出口を有するシリンジ部を含む。
方法は、少なくとも2つの部分は係合可能で、アダプタをシリンジ部に動かないように接続する複数の部分を含むアダプタを含むキット、及びインジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構を配備する工程を有する。アダプタは更に、アダプタをシリンジ部に接続した後に、バレル部と作動可能に接続する通路を含み、アダプタのシリンジ部への取付け時に、駆動部材が通路を通って、バレル部内にスライド可能に位置され得るプランジャを作動させる。
【0021】
更なる態様に於いて、複数のインジェクタに接続可能な複数のシリンジアセンブリを形成する方法が提供される。複数のシリンジアセンブリの各々は、複数のインジェクタの1つ上にて独自の協働するシリンジインターフェイスに接続するように構成された別々の独自の取付け機構を含む。
方法は、各々が加圧されるべき流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行き来可能に接続される出口を有するシリンジ部を複数配備する工程と、各々が複数の部分と独自の取付け機構の1つを有する、複数のシリンジ部とは別個に形成された複数のアダプタを配備する工程と、複数のインジェクタインターフェイスの各々の複数の部分の少なくとも2つの部分を係合させて、複数のアダプタの各々を複数のシリンジ部の1つに動かないように接続する工程を含む。
複数のシリンジ部の少なくとも2つは例えば、略同一である(又は形状及び寸法が同じである)。
【0022】
本発明とその特質と付随する利点は、添付の図面と共に、以下の詳細な説明によって最も良く認識され理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】シリンジを具えたインジェクタのシリンジインターフェイスの側面断面図であり、シリンジはシリンジインターフェイスに作動可能に繋がるインジェクタ(しばしば、ここでは、「従来の」シリンジ又は、特に「シリンジ部」と言及される)について用いられるように設計されている。
【0024】
【図1B】図1Aのシリンジインターフェイスのシリンジ感知システムを拡大した側面断面図である。
【0025】
【図1C】図1Aのシリンジインターフェイスの他の側面断面図であり、従来のシリンジのプランジャに作動可能に接続したインジェクタのピストン又は駆動部材を示す。
【0026】
【図1D】図1Aのシリンジインターフェイスについて用いられるように設計された従来のシリンジの斜視図である。
【0027】
【図2A】本発明のシリンジアダプタの実施例の側方斜視図であり、分解され又は接続されていない状態であって、インジェクタのシリンジインターフェイスに直に接続するように設計されていないシリンジ部に作動可能に接続されるように設置された位置にある。
【0028】
【図2B】シリンジ部に作動可能に繋がった図2Aのシリンジアダプタの斜視断面図である。
【0029】
【図2C】シリンジ部に作動可能に繋がった図2Aのシリンジアダプタの他の斜視断面図である。
【0030】
【図2D】シリンジ部に作動可能に繋がった図2Aのシリンジアダプタの斜視図である。
【0031】
【図2E】図2Aのシリンジアダプタの前面断面図である。
【0032】
【図2F】図2Aのシリンジアダプタの側面断面図である。
【0033】
【図2G】動作が図2Aのシリンジアダプタに近似したシリンジアダプタの斜視図であり、シリンジ部を異なるインジェクタの2つの異なるタイプのシリンジインターフェイスの1つについて用いられるように構成している。
【0034】
【図2H】空の又は一般的なシリンジ又はシリンジ部について、本発明のシリンジアダプタの使用を示す斜視図であり、インジェクタについて用いるシリンジアセンブリを製る。
【0035】
【図2I】空の又は一般的なシリンジ又はシリンジ部について、本発明の他のシリンジアダプタの使用を示す斜視図であり、種々のインジェクタについて用いるシリンジアセンブリを製る。
【0036】
【図2J】図2H又は図2Iのシリンジアダプタの1つについて用いる図2H及び図2Iのシリンジとは略異なる量の他のシリンジ部の斜視図である。
【0037】
【図2K】空の又は一般的なシリンジ又はシリンジ部について、本発明の他のシリンジアダプタの使用を示し、略環状の後部フランジを具えて、インジェクタについて用いるシリンジアセンブリを製る。
【0038】
【図3A】本発明のシリンジアダプタの他の実施例の側方斜視図であり、分解され又は接続されていない状態であって、新規なシリンジ又はシリンジ部に作動可能に接続されるように設置された位置にある。
【0039】
【図3B】シリンジ部に作動可能に繋がった」図3Aのシリンジアダプタの側面断面図である。
【0040】
【図3C】動作が図3Aのシリンジアダプタに近似したシリンジアダプタの断面斜視図であり、シリンジ部に作動可能に接続されている。
【0041】
【図3D】図3Cのシリンジアダプタの斜視図であり、分解され又は接続されていない状態であって、シリンジ部に作動可能に接続すべく一直線上に並べられている。
【0042】
【図3E】シリンジ部に作動可能に接続された図3Cのシリンジアダプタの斜視図である。
【0043】
【図3F】シリンジに作動可能に接続された図3Cのシリンジアダプタの斜視図であり、他の部分はシリンジアダプタに係合して、シリンジアダプタがシリンジ部に係合した状態を維持するのを手助けする。
【0044】
【図3G】本発明のシリンジアダプタの他の実施例の斜視図であり、図3Cのシリンジアダプタと同様の方法で作動するが、圧力ジャケットを含む。
【0045】
【図3H】図3Fのシリンジアダプタの断面図を示す。
【0046】
【図4A】本発明のシリンジアダプタの他の実施例の側面図であり、分解され又は接続されていない状態であって、新規なシリンジ又はシリンジ部に作動可能に接続するように、配置された位置にある。
【0047】
【図4B】シリンジ部に作動可能に接続された図4Aのシリンジアダプタの斜視図である。
【0048】
【図4C】シリンジ部に作動可能に接続された図4Aのシリンジアダプタの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
発明の詳細な記載
明細書及び添付の請求の範囲で用いられるように、単数形「1つ」「1つ」及び「その」は、内容がそうでないことを明確に示していなければ、複数の引用を含んでいる。
このようびして、例えば「フランジ」への言及は、そのような複数のフランジ及び当業者に知られたそれらの均等物等を含み、「そのフランジ」への言及は、1又は2以上のそのようなフランジ及び当業者に知られたそれらの均等物等を含む。
【0050】
上記の如く、現在利用可能なアダプタは、インジェクタに接続するように設計されて、インジェクタが「新規な」シリンジに接続されて用いられることができるように、インジェクタのシリンジインターフェイスを構成する。上記の如く、「新規な」シリンジは、インジェクタについて使用するようには設計されておらず、インジェクタのシリンジインターフェイスに直に使用されるように構成された取付け機構を含まない。一旦、アダプタがインジェクタに作動可能に接続されるように設置されると、複数の新規なシリンジは、一般に(連続的に)アダプタについて用いられる。
【0051】
そのようなアダプタとは異なり、本発明のシリンジアダプタは、例えばインジェクタに作動可能に接続されるアダプタに設置する前に、新規なシリンジ又はシリンジ部に取り付けられる。更に、本発明のシリンジアダプタは1つのアダプタが多数のシリンジについて用いられることができないように構成されている。本発明のアダプタについて記載する前に、代表的なインジェクタ(10)の動作が、代表的な従来のシリンジ(100)の動作に関連して説明される(本発明のアダプタの代表的な実施例が用いられるインジェクタに関連して)。
【0052】
当業者ならば、本発明のアダプタは、単にインジェクタインターフェイスの取付け機構、アダプタのインジェクタインターフェイス部又はインジェクタインターフェイス部の適切な設計、及びアダプタのシリンジインターフェイス部の適切な設計によって、事実上あらゆるインジェクタ及び新規なシリンジ又はシリンジ部に関して使用され得ることが判るだろう。
この点に於いて、本発明のシリンジアダプタは、シリンジインターフェイスを含んで新規なシリンジ又はシリンジ部と相互作用し且つ接続された前部と、インジェクタインターフェイスを含んでアダプタをインジェクタのシリンジインターフェイスに作動可能に接続する後部を含む。インジェクタインターフェイスは一般に従来のシリンジに見出される取付け機構(例えばフランジ構造)に近似した構造(それによって、そのような従来のシリンジはインジェクタのシリンジインターフェイスに取り付けられる)を有する
【0053】
図1A乃至図1Cは、例えば、米国特許第6,652,489号及び第7,462,166号に記載され、米国ペンシルベニア州、インディアノーラのメドラッド社から入手可能なSTELLANT(商標)について商業的使用が見出されるインジェクタ(10)のシリンジインターフェイス(20)を示す。例えば、図1Dについて、従来のシリンジ(100)は本体即ちバレル部(110)を含み、該バレル部は後端部(120)と、流体排出口即ち出口(132)を含む前端部(130)を有する。タブ、取付け部材、即ち取付けフランジ(122)はシリンジ(100)の後端部(120)に隣接し、又は後端部にあるバレル部(110)に繋がっている。
更にフランジ(140)(しばしば、ドリップフランジと言及される)が、取付けフランジ(122)の前に位置して、例えばシリンジ(100)のシリンジインターフェイス(20)への係合を容易にし、及び/又はシリンジ(100)の排出口即ち出口(132)から排出された流体が、シリンジインターフェイス(20)を介してインジェクタ(10)内に入ることを防ぐのが好ましい(例えば、米国特許第5,383,858号に記載されたように)。
【0054】
米国特許第6,652,489号に記載されるように、シリンジインターフェース(20)は、後部プレート(24)と前部プレート(26)の間に配備されて、シリンジ(100)の取付けフランジ(122)と協働する可撓性の保持リング(22)を具える。シリンジ(100)の後端部(120)がシリンジインターフェイス(20)の開口(28)を通って後方に動くと、取付けフランジ(122)はリング(22)に接して、それを屈曲させる。取付けフランジ(122)は傾斜部及び円筒状のバレル部(110)の外面に略直交した肩部を含む。
保持リング(22)の後部出っ張り又は表面は、シリンジ(100)がシリンジインターフェース(20)に完全に取り付けられると、シリンジ(100)の取付けフランジ(122)の前面又は肩部に係合するように構成されている。少なくとも1つの好ましくは2又は3以上の延長タブ又は突起(128)が、シリンジ(100)の後端部に配備される。米国特許第6,652,489号に記載されたように、シリンジ(100)の回転時に、タブ又は突起(128)はシリンジ(100)をシリンジインターフェース(20)との係合から外すことを可能にする。
【0055】
例えば、図1A乃至図1Dについて、ここで本発明のインジェクタ(10)、シリンジ(100)及びシリンジアダプタの種々の実施例を記載するのに用いられるように、用語「軸の」、「軸方向の」、「長手方向の」、「長手方向に」又は同様の単語は、一般に例えば従来のシリンジ(100)及びインジェクタ駆動部材(60)がその周りに形成される軸A、及び該軸Aに同一直線上又は平行な方向を指す。
用語「後部」、「後方へ」又は同様の単語は、シリンジ(100)(又は本発明のアダプタ)が取り付けられる端部とは反対側のインジェクタ(10)端部への軸方向又は長手方向を略指す。用語「前」、「前へ」又は同様の単語は、シリンジ排出口又は出口(132)への軸方向又は長手方向を略指す。
用語「半径方向」、「半径方向の」又は同様の単語は、軸Aのような軸に直交する方向を略示す。
【0056】
インジェクタ(10)は更に、シリンジインターフェイス(20)に作動可能に繋がるセンサアセンブリ(50)を含み、その動作は、米国特許第7,462,166号に記載される。センサアセンブリ(50)は、シリンジインターフェイス(20)の近傍にて、インジェクタ(10)のシーティング(30)とともに位置する。
米国特許第7,462,166号に記載されるように、センサアセンブリ(50)は光発射ダイオードのような光発射器又は光源(52)を含む。光源(52)は光源(52)の動作を制御する印刷回路基板(54)に電気的に接続される。センサアセンブリ(50)はまた、複数のセンサ(56a)−(56e)を含む。光源(52)からの光は、シリンジ(100)の光透過性/半透明の壁を通って軸方向に伝わり又は伝搬する。表示器(124a)(124c)のような表示器は、米国特許第7,462,166号に記載されるように、光をセンサ(56a)(56c)に反射する所定の位置にあって、シリンジの構成の情報を付与し、インジェクタ(10)のシステム(80)を制御する。
表示器の位置(それによって、表示器が光を反射するセンサの位置)は例えば、シリンジ構成に関連する2進コードに対応することができる。
【0057】
ここで用いられるように、用語「シリンジ構成」は、シリンジの中身についての情報(例えば、量と組成)と同様にシリンジの機械的特性についての情報(例えば、材料、長さ及び直径)を含む特定のシリンジ(又はここで記載されるように、シリンジアセンブリ)についての情報を全て包含するために使用される。
新規なシリンジの出現及び特に予め充填されたシリンジに関して、シリンジ構成変数を正確にコード化し感知(又は読む)する必要が高まる。
シリンジ構成情報は、注入手順を所定のシリンジ構成/注入パラメータの関数として制御すべく、インジェクタ(10)によって用いられる。更に、注入手順に関するデータの記録は保存されて、例えば管理された医療の下、正確な課金及びコスト情報の要求を満たす。
記録は、使用されたシリンジ、使用された造影剤の量、使用された造影剤のタイプ、殺菌期日、有効期限、ロットコード、造影剤の特性、及び/又は他の臨床的に関連する情報のような情報が維持される。
そのような情報は、コンピューター化された病院請求書作成システム、在庫システム、コントロールシステムなどで共有するためにデジタル的に記録することができる。
【0058】
図1Cに於いて、インジェクタ(10)の駆動部材又はピストン(60)は、シリンジ(100)のシリンジプランジャ(160)に作動可能に接続するとして示される。公開された米国特許出願第2004/0064041号に記載されたように、ピストン(60)がプランジャ(160)に向かって前進すると、付勢された(例えば、バネ荷重が掛かった)感知ピン(62)は、プランジャカバー(62)の後方面又は内面に接する。ピン(62)が押されて、センサ(64)(例えば光センサ)の領域を侵害する。センサ(64)はインジェクタ(10)の制御システム(80)に信号を送り、制御システム(80)は所定時間後、又はピストン(60)の所定距離の前進後に、ピストン(60)の前進を停止し、ピストン(60)はプランジャ(160)と係合するが、ピストン(60)の前進は、シリンジプランジャ(160)の移動前に停止する。ピストン(60)はまた、引き込み可能なピン(66)を含み、ピン(66)はピストン(60)が引かれたときに、プランジャベース(166)の内側周りに形成された1又は2以上の突起、フランジ又は溝(164)と隣接して繋がり、それによってシリンジプランジャ(160)をピストン(60)とともに引き込み又は後方に動かす。図1Cに於いて、例えばピストン(60)上のピン(66)は延びるように示されて、シリンジ(100)のプランジャ(160)と接続する。
【0059】
ピストン(60)が前進してプランジャ(160)がシリンジ(100)内を前進する間と同様に(例えば、シリンジ(100)内に含まれる空気又は流体を吐出する為に)、ピストン(60)が前進して、プランジャ(160)に係合する間は、ピン(66)は引き込まれた状態にある。プランジャ(160)の引き込みが望まれるならば、ピン(66)は隆起(164)に接するように、延びる。
【0060】
図2A乃至図2Fは、インジェクタ(10)のシリンジインターフェイス(20)について用いられる新規なシリンジ又はシリンジ部に適するように作動可能なシリンジアダプタ(200)の実施例を示す。シリンジアダプタ(200)は、マサチューセッツ州、マンスフィールドのCovidien社から入手可能な125mlのULTRAJECT(商標)の予備充填された(即ち、エンドユーザに供給される前に注入流体/造影剤で充填される)シリンジ(100a)の形状の新規なシリンジ又はシリンジ部の代表例について用いられるように示される。
【0061】
示された実施例では、シリンジ(100a)は本体又はバレル部(110a)を含み、バレル部は後端部(120a)と流体排出口又は出口(132a)を含む前端部(130a)を有する。
八角形のフランジ(123a)は、シリンジ(100a)の後端部(120a)に隣接し又は後端部に位置するバレル部(110)から放射状に外向きへ延びる。プランジャ(160a)は、シリンジベレブ部(110a)内にスライド可能に位置する。予備充填されたシリンジ(100a)の場合は、プランジャ(160a)は一般的に、シリンジバレル部(110a)の後端部近傍に位置する。
【0062】
シリンジアダプタ(200)は、フランジ(123a)と協働して、シリンジアダプタ(200)を新規なシリンジ(100a)に作動可能に接続する。図2A乃至図2Dに示された実施例に於いて、シリンジアダプタ(200)は、少なくとも2つの部分に形成される。この点に於いて、第1部分(210)と第2部分(250)は相互連結可能で、フランジ(123a)に係合し、フランジを囲み、取り込み、それによってシリンジ(100a)をアダプタ(200)にしっかりと取り付ける。
第1部分(210)は、シリンジ(100a)(及び第2部分(250))と相互に作用してシリンジ(100a)をそこに取り付ける前部(212)と、アダプタ(200)をシリンジインターフェイス(20)に作動可能に接続する後部又はインジェクタインターフェイス部(240)を含む。
第1部分(210)は、シリンジフランジ(123a)をシーティング(214)内に低下させたときに(図の向きに)、フランジ部(123a)を受け取り着座させるように寸法付けられたシーティング(214)を含む。フランジ(123a)をシーティング(214)の前面と後面に当接させることにより、シリンジ(100a)のアダプタ(200)に対する後方及び前方への移動を防ぐ。
第2部分(250)はまた、シリンジフランジ(123a)の少なくとも一部に接するシーティング又は面(254)(例えば、図2Bを参照)を含む。面(254)に接するシリンジフランジ(123a)の一部は、シーティング(254)の後方対向面と、第1部分(210)の前方対向面(216)との間に位置する。第1部分(210)の前端部(212)は、プランジャ(160a)の拡張部(162a)及びフランジ(164a)が通ることができる通路(213)を含み、以下に記載するように、プランジャアダプタ(290)と協働する接続を形成する。
【0063】
第2部分(250)は、第1部分(210)の通路又はスロット(220)内を滑るように寸法付けられた側方に延びる部分(260)を含む。下向き(図内の向き)に延びる拡大された端部(264)を含むコネクタ又はロック要素(262)は、図2Cに示すように、第1部分(210)の通路、シーティング、又は位置決め要素(224)と、相互接続、ロッキング又はスナップフィットを形成する。
幾つかの実施例に於いて、第2部分(210)との接続から第2部分(250)を取り外そうとすろと、拡張コネクタ(262)(及び/又はアダプタ(200)の他の部分)の1つ又は両方を破損させる結果となり、アダプタ(200)を使用不能にする証拠となる。一般に、通常の保管、輸送、使用等にて被る力の下では、シリンジアダプタ(200)はシリンジ部(100a)から取り外すことができない点で、シリンジアダプタ(200)とシリンジ部(100a)との接続は、取り外すことが出来ない。
更に、シリンジ部(100a)からシリンジアダプタ(200)を取り外そうとすると、上記の如く、破損の結果となる。
【0064】
一般に、スナップフィットは機械的な継ぎ手システムであって、位置決め及びロックの構成が部分対部分の接続で達成され(しばしば、強制的な特徴と呼ばれる)、一般に要素の一方又は他方が均質に結合される。接続することは、一般に少なくとも1つの可撓性のあるロック構成が必要であり、それは結合部分と係合するのに撓み又は動き、続いてロック構成が元の位置に戻り、要素を一緒にラッチするのに必要な干渉を作る。
位置決め構成は第2の協働する強制的な構成であって、一般に非可撓性で取付け具に強度と安定性を与える。スナップフィットは、多数の取り外し可能な接続を形成するように、又は1つの恒久的な接続(一般には、破壊することなく、取り外すことができない)を形成するように、設計される。
【0065】
第2部分(250)はまた、第1部分(210)の中央スロット(230)内に滑るように寸法付けられる前方拡大中央部(270)を含む。第1部分(210)と第2部分(250)の接続時に、第1部分(210)の円弧面(232)と第2部分(250)の円弧面(272)は、シリンジバレル(110a)の周面を囲む。
【0066】
第1部分(210)の後部、即ちインジェクタインターフェイス部(240)は、シリンジアダプタ(200)(及びシリンジ(100a))を作動可能にシリンジインターフェイス(20)に接続する従来のシリンジ(100)の後部ピストン(120)の要素に対応する要素を含む。この点に於いて、
取付けフランジ(242)は取付けフランジ(122)に対応し、取付けフランジ(122)と同様の方法で作動する。
表示器(244b)及び(244e)は、シリンジ(100)の表示器(124a)(124c)に対応し、表示器(124a)(124c)と同様の方法で作動する(及びそれによって、感知システム(60)と協働し、アダプタ(200)/シリンジ(100a)の構成をインジェクタ制御システム(80)に示す)。
更に、突出タブ(246)は、シリンジ(100)の突出タブ(128)に対応し、突出タブ(128)と同様の方法で作動し、シリンジインターフェイス(20)との作動可能な接続からアダプタ(200b)を外すことを可能にする。第1部分(212)の後端部にて、半径方向に延びた出っ張り(248)はシリンジ(100)のフランジ(140)に対応し、フランジ(140)と同様の方法で作動する。
後端部即ちインジェクタインターフェイス部(240)は更に、略中央の通路(249)を含み、それを通ってプランジャ(160a)とともにピストン(60)の引き込みが可能になる。
【0067】
図2A、図2B及び図2Fは、インジェクタ(10)及びシリンジ(100a)について用いられるプランジャアダプタ(290)又はプランジャインターフェイスの代表的な実施例を示す。
プランジャアダプタ(290)は、例えばピストン(60)及び感知ピン(62)を具えたプランジャ(160)のプランジャカバー(162)の後面の相互作用に擬態した又は似た(mimic)後部(292)を含む。プランジャアダプタ(290)は更に、前方拡大部(294)及び前方のプランジャ接触部(296)を含む。プランジャアダプタ(290)の他の要素と同様に、拡大部(294)の長さは、個々のシリンジ部及び/又はシリンジプランジャの特性に協調するように調整され得る。
【0068】
25mlのULTRAJECT(商標)予備充填シリンジ(100a)のような予備充填シリンジの場合、プランジャ(160a)を引く必要がない。このようにして、ピストン(60)が後部(292)を捉え、又は後部(292)との連結接続を形成する必要が無く、接触部(296)がプランジャ(160a)を捉え、又はプランジャ(160a)との連結接続を形成する必要が無い。この点に於いて、プランジャ(160a)に前進動作のみが与えられれば、後部(292)は単に接触面として作動し、駆動部材(60)と隣接し、接触部(296)は単に接触面として作動し、プランジャ(160a)と隣接する。
【0069】
しかし、当業者は例えば後部(292)はプランジャ(160)と同様に形成されて、ピストン(60)のピン(66)と係合する。例えば示された実施例では、プランジャアダプタ(290)の後部(292)は駆動部材(60)の円錐形の前面に略接する略円錐形の表面(292a)を含む。
後部(292)はまた、半径方向内向きに延びる部分即ち出っ張り(292b)を含んで、駆動部材(60)のピン(66)と接触し、プランジャアダプタ(290)の引き込みを可能にする。同様に、接触要素(296)はプランジャ(160a)に接続する1又は2以上の捕捉要素、即ちコネクタを含んで、ピストン(160a)の後方動作、即ち引き込みが可能になる。
示された実施例では、例えばプランジャアダプタ(290)は、プランジャ(160a)の後方拡張部材(162a)上の後方フランジ(164a)と協働接続するシーティング(296a)を含む。予備充填されたシリンジの場合では、シリンジプランジャは一般にシリンジバレル内にて、後部に対し遠くに位置する。示された実施例では、シリンジ(100a)をシリンジアダプタ(200)に接続するように設置時に、シーティング(296a)と後部フランジ(164a)は容易に接続される。
【0070】
インジェクタ駆動機構、即ちピストンとシリンジプランジャ間の係合を形成すると種々の他の機構(プランジャアダプタとシリンジプランジャ間の手動又は自動係合と同様に、駆動部材即ちピストンとプランジャアダプタ間の手動又は自動係合に用いられ得る)は、例えば、米国特許第6,652,489号及び米国特許出願第2004/0064041号に開示され、それらの開示は引用を以て、本願への記載加入とする。
【0071】
シリンジ(100a)のような新規なシリンジは、例えば、1又は2以上の高分子材料、ガラス、金属などを含む様々な材料から製造することができる。例えば、25mlのULTRAJECT(商標)予備充填シリンジ(100a)は、ポリエチレンから製造される。図2A乃至図2Eに関して記載した実施例では、第1部分(210)と第2部分(250)は例えば、弾力のある高分子材料から製造することができる。一実施例に於いて、各第1部分(210)と第2部分(250)はポリエチレンテレフタレート(PET)から製造される。
PETはCT造影剤の注入時に生じるような高圧注入に必要な強度を付与する一方、光又は光学ベースのセンサアセンブリ(50)に関するシリンジアダプタ(200)の動作に必要な光学的な半透明を付与する。
【0072】
本発明のアダプタ(200)及び他のアダプタに高分子材料を使用することにより、シリンジ(100a)のような新規なシリンジ又は他のシリンジに広範な種類の簡単で安価な製造法(例えば、射出成形によって)及び組立法(例えば、スナップフィット、溶接、接着剤などによる)が提供される。
【0073】
1つのシリンジについて1つのアダプタを用いることは、異なる患者に同じシリンジが再使用される可能性を減らすことにより、安全性を増す(それによって、交差汚染の関連するリスクを減じる)。例えば、インジェクタ(10)は、インジェクタ(10)について以前に用いられたアダプタ/シリンジアセンブリの再使用を許さないようにプログラムされ得る(例えば、センサアセンブリ(50)によって認識されるように)。本発明のアダプタは例えば、シリンジ製造業者によってキットとして提供され、又は製造されて、キットによりシリンジ製造業者は広範な範囲のシリンジ及びインジェクタについて用いるアダプタ/シリンジアセンブリを組み立てることが出来る。
本発明の比較的安価なアダプタ/シリンジアセンブリ(又は単にシリンジアセンブリ)は例えば、使用後に処分される。アダプタによって、特定のインジェクタに使用される造影薬剤の広範な選択が可能になる。
【0074】
当業者には明らかなように、本発明のアダプタは、大部分のシリンジ部を大部分のフロントローディングインジェクタについて用いられるように修正し又は適用するように容易に構成される。例えば、図2Gは、インジェクタ(10)のシリンジインターフェイス(20)、又は例えば米国特許第5,383,858号に開示されるインジェクタのシリンジインターフェイスの何れかに使用されるシリンジ(100a)の適用又は修正内容を示す。
例えば米国特許第5,383,858号に開示されたシリンジインターフェイスは、Medrad社から入手可能なMedrad VISTRON(商標)CTインジェクタについて用いられる。従来のシリンジ(100')は後端部(120')と、流体排出口又は出口(132')を有する前端部(130')を有する本体即ちバレル部(110')を含む。
2つの取付け部材、即ち取付けフランジ(122a')(122b')は、シリンジ(100')の後端部(120')に隣接し、又は後端部(120')にあるバレル部(110')に連繋する。更に、フランジ(140)(しばしば、ドリップフランジと呼ばれる)は、取付けフランジ(122a')(122b')の前端部に位置して、米国特許第5,383,858号のインジェクタのシリンジインターフェイスへシリンジ(100')を係合することを容易にし、及び/又はシリンジ(100')の排出口又は出口(132')から吐出される流体が、シリンジインターフェイスを介してインジェクタ内に入ることを阻止するのが好ましい。
【0075】
シリンジアダプタ(200')は、新規なシリンジ(100a)のフランジ(123a)と協働して、新規なシリンジ(100a)のシリンジアダプタ(200')と作動可能に接続する。図2Gに示す実施例にて、シリンジアダプタ(200)と同様に、シリンジアダプタ(200')はフランジ(123a)に係合し、囲み又は取り込むように相互接続可能な、少なくとも2つの部分に形成される。
第1部分(210')の前端部(212')は、構成及び動作が、シリンジアダプタ(200)の第1部分(210)の前端部(212)と同一である。前端部(212')の要素は、前端部(212)の要素と同様に符号付けられ、表示「’」を付加する。第2部分(250')もまた、構成及び動作が、シリンジアダプタ(200)の第2部分(250)と同一である。第2部分(250')の要素は、第2部分(250)の要素と同様に符号付けられ、表示「’」を付加する。
【0076】
第1部分(210')の後部又はインジェクタインターフェイス部(240')は、新規なシリンジ(100')の後部(120')の要素に対応する要素を含み、シリンジアダプタ(200')(及びシリンジ(100a))を米国特許第5,383,858号のシリンジインターフェイスに作動可能に接続する。この点に於いて、取付けフランジ(242a')(242b')は取付けフランジ(122a')(122b')に対応し、取付けフランジ(122a')(122b')と同様の方法で作動する。
【0077】
例えば種々のフロントローディングインジェクタについて用いられる市販のシリンジである新規なシリンジを改造するのに加えて、本発明のシリンジアダプタは、シリンジブランク又は一般的なシリンジについて用いられて、種々のインジェクタインターフェイスの1つについて用いられるシリンジブランクを修正し又は改造する。シリンジブランクは例えば、市販の新規なシリンジに対応する必要はなく、あらゆるインジェクタについて(修正無しで)使用可能である必要はない。
ここで用いられる用語「シリンジ」又は「シリンジ部」は、加圧される流体を含むバレル部及びバレル部と流体が行来可能な出口を有する流体容器を指す。例えば、用語はここで記載した新規なシリンジ及びシリンジブランクの両方を含む。
【0078】
シリンジブランク(300a)の例は、図2H及び図2Iに示される。シリンジブランク(300a)の本体又はバレル部(310a)及び前端部(330a)(流体排出口又は出口(332a))は、図2Gに示すシリンジ(100')及び/又はシリンジ(100)の対応する要素と略同一である。異なるインジェクタインターフェイスについて用いられる種々のシリンジを生産するシリンジ製造業者は例えば、1つのシリンジブランクを製造し(又は他の製造業者から購入し)、そのシリンジブランクを、例えば図2H及び図2Iに示す種々のインジェクタインターフェイスの1つについて用いるシリンジアセンブリを生成するように改造し又は修正し、製造手順を簡素化し、製造コストを下げる可能性を有する。
一般に、シリンジブランク(300a)(八角形のフランジに対して矩形のフランジ(323a)を有する)について使用するには、シリンジアダプタ(200')のシーティング(214')及びシリンジアダプタ(200)のシーティング(214)は幾分修正される必要がある。図2Jは、略異なる量の他のシリンジ部(300a)の斜視図を示し、例えば図2H又は図2Iに示すように、本発明のシリンジアダプタについて用いられる後部フランジ(323a')を含む。
【0079】
再び、本発明のシリンジアダプタの部分は、成形工程(例えば、射出成形)によって、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネートのような高分子材料及び他の高分子材料から容易に形成され得る。本発明のシリンジアセンブリを形成することは、一体射出成形又は現在しばしば実行されるように、インジェクタ取付け機構を含む一体型シリンジよりも安価である。
【0080】
例えば、夫々米国特許第5,383,858号、第5,873,861号及び第6,652,489号に開示されたシリンジインターフェイスの場合、ユーザは、一体に又は一体的に形成されたシリンジのシリンジバレルを握り且つ回転させることにより、対応するシリンジインターフェイスにシリンジを取り付け、又はシリンジインターフェイスとの接続からシリンジを取り外す。 非円形(例えば、八角形、卵形等)の後部フランジを含む新規なシリンジ及びシリンジブランクについて、本発明のシリンジアダプタの協働するシーティングは、シリンジアダプタがシリンジ部に接続された後に、シリンジ部(例えば、新規なシリンジ又はシリンジブランク)がシリンジアダプタに対し、回転できないように、サイズが決定され又は寸法付けられる。このように、ユーザはまだ、シリンジアセンブリのシリンジ部のシリンジバレルを把持して、シリンジアセンブリ全体を回転させて、インジェクタのシリンジインターフェイスにシリンジアセンブリを取り付け、及び/又はシリンジインターフェイスとの接続からシリンジアセンブリを取り外す。円形の後部フランジ(323b)を含む図2Kに示すように、シリンジ部(300b)の場合、シリンジアダプタ(200'')内にシーティング(214'')を配備して、シリンジアダプタ(200'')に対する新規なシリンジ又はシリンジブランク(300b)の回転を阻止することは幾分か更に難しい。
米国特許第5,383,858号、第5,873,861号及び第6,652,489号に開示されたシリンジインターフェイスの場合、シリンジ取付け機構をシリンジインターフェイスから取り外すには、シリンジインターフェイスに対して、シリンジ取付け機構を回転させることが必要で、ユーザは単に本発明のシリンジアダプタを把持して、シリンジアダプタを回転させ、シリンジインターフェイスとの接続からシリンジアダプタを取り外す。当該技術分野で公知の把持要素(例えば、図示しないギザギザ領域又は拡大フランジ)が、本発明のシリンジアダプタ上に配備され、シリンジアダプタの把持と、シリンジインターフェイスに対する回転を容易にする。
或いは、例えばシリンジ部(300b)に係合する機構が、シリンジアダプタ(200'')内に組み込まれて、シリンジアダプタ(200'')に対するシリンジ部(300b)の回転を阻止する。例えば、図2Jに示す実施例に於いて、シリンジアダプタ(200'')は歯(215a'')のような握り又は把持部材を含む可撓性リング(215'')を含む。アダプタ(200'')のシリンジ部(300b)への接続時に、可撓性リング(215'')の歯(215a'')は、第1部分(210'')及び第2部分(250'')によってフランジ(323b)の周縁に押されて、シリンジアダプタ(200'')に対するシリンジ部(300b)の回転を阻止する。
他の態様に於いて、シリンジアダプタ(200'')はシリンジアダプタ(200')と同様の方法で作動し、シリンジアダプタ(200'')の要素は、シリンジアダプタ(200')の対応する要素と同様に符号付けられ、表示「’」を「''」で置換する。
【0081】
例えば、図2Kに点線で示す非円形部材(323b')が、本発明のシリンジアダプタとシリンジ部間の接続を形成するのを手助けするのに用いられ、シリンジ部はシリンジアダプタのシーティングとはサイズ及び/又は形状が異なる後部フランジを有する。図2Kの実施例にて、部材(323b')は可撓性リング(215'')と協働して、シリンジ部(300b)と係合し、シリンジアダプタ(200'')に対するシリンジ部(300b)の回転を阻止する。
【0082】
本発明のシリンジアダプタは、上記実施例について記載したシリンジ部の後部フランジと協働する必要はない。本発明のシリンジアダプタは例えば、全体に亘って半径の変化が生じるシリンジの或る箇所と協働することができる。例えば、本発明のシリンジアダプタは、シリンジ部(300b)の前方遷移領域(328b)と協働する接触接続を形成する(例えば、図3G及び図3H及びその以下の記載を参照)。
【0083】
図3A及び図3Bは、25mlのULTRAJECT(商標)予備充填シリンジ(100a)について用いられるシリンジアダプタ(200a)の他の実施例を示す。多くの態様に於いて、シリンジアダプタ(200a)はシリンジアダプタ(200)と同様の方法で作動し、シリンジアダプタ(200a)の幾つかの要素は、シリンジアダプタ(200)の要素と同様に符号付けられ、表示「a」を付加する。
【0084】
シリンジアダプタ(200)と同様に、シリンジアダプタ(200a)はフランジ(123a)と協働して、シリンジ(100a)と作動可能な接続を形成する。図3A及び図3Bに示す実施例に於いて、シリンジアダプタ(200a)は第1部分(210a)と第2部分(250a)の少なくとも2つの部分に形成され、該2つの部分は相互接続可能でフランジ(123a)に係合し囲み、又は取り込む。
第1部分(210a)はシリンジ(100a)と相互に作用して、シリンジ(100a)と接続する前部(212a)、及びアダプタ(200a)をシリンジインターフェイス(20)に作動可能に接続する後部又はインジェクタインターフェイス部(240a)を含む。後部又はインジェクタインターフェイス部(240a)は、インジェクタインターフェイス部(240)と構成及び作用が略同じであり、従来のシリンジ(100)の後端部(120)と同様の方法で作動して、アダプタ(200a)をインジェクタ(10)のシリンジインターフェイス(20)に接続する。
この点に於いて、取付けフランジ(242a)は取付けフランジ(122)に対応して、取付けフランジ(122)と同様の方法で作動する。表示器(244ab)(244ae)はシリンジ(100)の表示器(124a)(124c)に対応し、表示器(124a)(124c)と同様の方法で作動し、感知アセンブリ(50)と協働して、アダプタ(200a)/シリンジ(100a)の構成を識別して、及び/又は構成をインジェクタ制御システム(80)に示す。
更に、突出タブ(246a)はシリンジ(100)の突出タブ(128)に対応して、突出タブ(128)と同様の方法で作動して、アダプタ(200a)のシリンジインターフェイス(20)との作動可能な接続からの解除を可能にする。第1部分(212a)の後端部の半径方向外向きに延びる出っ張り(248a)は、シリンジ(100)のフランジ(140)に対応して、フランジ(140)と同様の方法で作動する。
【0085】
第1箇所(210)は、その第1部分(212)に形成された略八角形のシーティング(214a)を含み、シーティングは八角形のフランジ(123a)を受け入れるように寸法付けられている。フランジ(123a)の後面は、シーティング(214a)の前対向面に接する。第2箇所(250a)はまた、シリンジフランジ(124a)の前対向面に接する後対向面(254)(例えば、図2Bを参照)を含む。シリンジフランジ(123a)はそれによって、シーティング(214)の後対向面(254)と前対向面との間に位置決めされる。
【0086】
第2部分(250)は、シリンジバレル(110a)の外径よりも稍大きな直径を有するように、寸法付けられた略円形の通路(253a)を含む。組み立て時に、シリンジフランジ(123a)はシーティング(214a)に着座し、第2部分(250a)はシリンジ(100a)上に置かれて、後方に移動する(シリンジバレル(110a)が開口(253a)を通った状態で)。第2部分(250a)の後方拡大部(259a)上の半径方向内向きに延びたフランジ即ちロック要素(257a)は、第1部分(210a)との接触時に、外向きに撓み、例えば図3Bに示すように、第1部分(210a)の出っ張り(217a)とスナップフィットを形成する。
例えば、第1部分(210a)はその前面上に面取り(215a)を有して、フランジ(257a)と拡張部(259a)の半径方向外向きの撓みを容易にする。第1部分(210a)と第2部分(250a)間は一旦、堅固に係合すると、第2部分(250a)のシーティング(254a)の後面は、上記の如く、シリンジフランジ(123a)に隣接して、アダプタ(200a)に対するシリンジ(100a)の前進動作を阻止する。シリンジフランジ(123a)はそれによって、第1部分(210a)と第2部分(250a)間に捕捉され、又は取り込まれる。
【0087】
フランジ(257a)の前面の90゜の角度(シリンジ部の長軸に対して)は、恒久的なスナップフィットとなる。このようにして、第1部分(210a)との接続から第2部分(250a)を外す試みは、フランジ(257a)、拡張部(259a)、又は第1部分(210a)或いは第2部分(250a)の他の部分の破損に帰し、改竄の証拠を残し、アダプタ(200a)を使用不可能にする。アダプタ(200a)の1又は2以上の部分は例えば、シリンジ(100a)を外す改竄又は試みの際に、機能しなくなるように設計されている。
【0088】
図3C乃至図3Eは、シリンジアダプタ(200a)の構成に似たシリンジアダプタ(200a')の他の実施例を示す。概して、シリンジアダプタ(200a')とシリンジアダプタ(200a)の唯一の違いは、第1部分(210a')は第1部分(210a)の出っ張り(217a)ではなく、シーティング又は半径方向内向きに突出した凹環即ち溝(217a')によって、第2部分(250a')のフランジ(257a')と協働接続することである。第1部分(210a')から第2部分(250a')を外す如何なる試みも、溝(217a)によってフランジ(257a')にアクセスするのが一層難しくなる。
他の態様に於いて、シリンジアダプタ(200a')は、シリンジアダプタ(200a)と同様の方法で作動し、シリンジアダプタ(200a')の要素は、シリンジアダプタ(200a)の要素に記号「'」を付加したものに同様に対応して参照される。
【0089】
図3Fは、略円筒状又は環状の形状である、少なくとも前端部(212a')及び拡張部(259a')の一部を囲む第3部分(260a')の使用を示す。第3部分(260a')は、使用前、使用中又は使用後のスナップフィット要素へのアクセスを制限し、拡張部(259a')の半径方向外向きの撓みを阻止することにより、第1部分(210a')と第2部分(250a')間のスナップフィットが恒久性を保つことを確実にするのに役立つ。
第3部分(260a')は例えば、炭素強化されたテープの帯、又は封止機構を含む可撓性で開いた環状部材(例えば、恒久的なスナップフィット封止)である。
【0090】
血管造影注入手順のような注入手順に於いて、シリンジバレル内の圧力は比較的高い(例えば、約1500psi以下である)。そのような高圧注入は、高分子製のシリンジバレルの壁の一部が膨らみ又は拡張することを引き起こし、システム内の「容量」又は「格納されたエネルギ」と呼ばれる現象となる。
極端な場合に於いて、高圧の結果として、歯列又は破損する。当該技術分野で公知の如く、圧力ジャケットがシリンジバレルの少なくとも一部を囲むのに用いられて、シリンジバレルを支持する(例えば、PCT国際公開公報WO2004/058332を参照)。
図3及び図3Gは、第1部分(210a')についての圧力ジャケットアセンブリ(270a')の使用を示す。示された実施例に於いて、圧力ジャケットアセンブリ(270a')は第1の略円筒状部材(270a')を含み、該円筒部材はシリンジバレル(110a)の外径よりも稍大きな内径を有し、シリンジバレル(110a)を支持するように構成される。第1部材(270a')は片持ちで、内向きに延びたフランジ又はロック要素(274a')を含んで、溝(217a')との恒久的なスナップフィットを形成する。圧力ジャケットアセンブリ(270a')はまた、前方に、第2の略円筒状、又は略環状の部材(280a')を含み、該部材は片持ちで、内向きに延びたフランジ又はロック要素(282a')を含んで、第1の円筒状部材(272a')の溝(276a')との恒久的なスナップフィットを形成する。
【0091】
図3G及び図3Hはまた、シリンジ部の前端部の係合に関する一方法を示し、シリンジ部の半径は前端部に亘って変化する。例えば、そのような係合は後部フランジ(フランジ(123a)のような)を含まないシリンジ部内にて成される。
【0092】
図4A及び図4Bは、ULTRAJECT(商標)予備充填シリンジ(100a)の代表例について用いられるシリンジアダプタ(200b)の他の実施例を示す。多数の点に於いて、シリンジアダプタ(200b)はシリンジアダプタ(200a)と同様の方法で作動し、シリンジアダプタ(200b)の幾つかの要素は、指示"a"を指示"b"に置き換えて、シリンジアダプタ(200a)の対応する要素は同様に参照される。
図4A及び図4Bの実施例に於いて、シリンジアダプタ(200b)は、2つの略同様の部分即ち半体(210b)に長手方向に分割される。部分(210b)は、シリンジフランジ(123a)と相互作用してシリンジ(100a)をそこに取り付ける前端部(212b)、及びアダプタ(200b)をシリンジインターフェイス(20)に作動可能に取り付ける後端部(240b)を含む。
各部分(210b)内には、シーティング(214)が形成され、シリンジフランジ(123a)の一部(即ち、半体)を着座させる。組み立て時に、部分(210b)の1つは、シリンジ(100a)に作動可能に置かれ得る(即ち、フランジ(123a)がシーティング(214b)に着座した状態で)。
部分(210b)の他の箇所は、次にシリンジ(100a)に作動可能に接続するように運ばれる。部分(210b)は次に、高分子化合物を接着し接続する技術分野で公知の如く、超音波溶着、溶剤溶着、スナップフィット、粘着等によって一緒に接着される。
【0093】
シリンジアダプタ(200)(200a)に関して記載したように、取付けフランジ(242b)は取付けフランジ(122)に対応し、取付けフランジ(122)と同様の方法で作動する。
表示器(244bb)(244be)は、シリンジ(100)の表示器(124a)(124c)に対応し、表示器(124a)(124c)と同様に作動し、感知アセンブリ(50)と協働して、アダプタ(200b)/シリンジ(100a)の構成を識別し、アダプタ(200b)/シリンジ(100a)の構成をインジェクタ制御システム(80)に表示する。
更に、突出タブ(246b)は、シリンジ(100)の突出タブ(128)に対応し、突出タブ(128)と同様の方法で作動し、シリンジインターフェイス(20)との作動可能な接続からアダプタ(200b)を外すことを可能にする。第1部分(212b)の後端部にて、半径方向に延びた出っ張り(248b)はシリンジ(100)のフランジ(140)に対応し、フランジ(140)と同様の方法で作動する。
【0094】
幾つかの実施例に於いて、本発明のシリンジアダプタの第1部分と第2部分は、一緒に運ばれて、シリンジ部のバレル部の長軸に対して0度でない角度で取り付けられる。例えば、シリンジアダプタ(200)及び(200b)の場合、シリンジアダプタの第1部分と第2部分は、取り付けられるべく一緒に運ばれて、シリンジ部のバレル部の長軸に略垂直な角度でシリンジ部に係合する。本発明のシリンジアダプタの部分を、シリンジバレルの軸に或る角度で接続することは、接続中及び注入手順中に、アダプタの周縁周りに分布し、及び/又はシリンジアダプタの部分接続方向をずらす力が生じる結果となり(インジェクタ駆動部材及び接続されたシリンジプランジャの前進動作の結果として)、外れの可能性が減る(例えば、スナップ接続又は粘着継ぎ目の外れによって)。
【0095】
前記の記載及び添付の図面は、今回の本発明の好ましい実施例を記載している。種々の修正、付加及び代替設計は、勿論、本発明の範囲から離れることなく、前記の開示に照らして、当業者には明白になるだろう。本発明の範囲は前記の記載ではなく、以下の請求の範囲によって示される。請求の範囲と均等な意味及び範囲に含まれる全ての変更及び変形物は請求の範囲に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジインターフェイスと駆動部材を含むインジェクタに接続可能なシリンジアセンブリであって、
加圧される流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行来可能に接続される出口を含むシリンジ部と、
シリンジ部から分離して形成され、複数の部分を含むアダプタを具え、
複数の部分の少なくとも2つの部分は、アダプタをシリンジ部に解除不可能に係合することができ、
インジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構を具えるシリンジアセンブリ。
【請求項2】
シリンジ部は、後端部近傍にフランジを有し、少なくとも2つの部分は係合可能で、フランジがアダプタによって動かないように係合する、請求項1に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも2つの部分は、機械的な接続を介して取り付け可能である、請求項2に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項4】
少なくとも2つの部分は、スナップフィットを介して取り付け可能である、請求項2に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項5】
スナップフィットは、恒久的なスナップフィットである、請求項4に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項6】
少なくとも2つの部分は、一緒に運ばれて、バレル部の長軸に対して、0度ではない角度で取り付けられる、請求項4に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項7】
少なくとも2つの部分は、一緒に運ばれて、バレル部の長軸に略直交する角度で取り付けられる、請求項6に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項8】
少なくとも2つの部分の各々は、高分子材料から形成される、請求項4に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項9】
少なくとも2つの部分の各々は、成形工程を介して、2つの部分とは他の部分から別個に形成される、請求項8に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項10】
フランジは非円形で、少なくとも2つの部分は、シリンジ部がアダプタに対して回転できないようにフランジに係合する、請求項2に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項11】
少なくとも2つの部分の1つは、取付け機構を含む後端部と、少なくとも2つの部分以外の部分に係合する前端部を具える、請求項1に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項12】
少なくとも2つの部分は、機械的な接続を介して取り付け可能である、請求項11に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項13】
少なくとも2つの部分は、スナップフィットを介して取り付け可能である、請求項11に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項14】
スナップフィットは、恒久的なスナップフィットである、請求項13に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項15】
少なくとも2つの部分の各々は、高分子材料から形成される、請求項13に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項16】
少なくとも2つの部分の各々は、成形工程を介して、2つの部分とは他の部分から別個に形成される、請求項15に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項17】
アダプタは更に、少なくとも2つの部分と係合可能で、少なくとも2つの部分間のスナップフィットの外れを防ぐのに役立つ少なくとも第3の部分を具える、請求項13に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項18】
アダプタは更に、アダプタをシリンジ部に接続した後に、バレル部と作動可能に接続する通路を具え、アダプタのシリンジ部への接続時に、駆動部材は通路を通って、バレル部内にスライド可能に位置され得るプランジャを作動させる、請求項1に記載のシリンジアセンブリ。
【請求項19】
第1のシリンジと第1の駆動部材を有する第1のインジェクタに、接続可能なシリンジアセンブリを形成する方法であって、
加圧されるべき流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行来可能に接続される出口を具えるシリンジ部を配備する工程と、
シリンジ部とは別個に形成され、複数の部分を具えたアダプタと、インジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構を配備する工程を具えた方法。
【請求項20】
シリンジ部は、第1のインジェクタの第1のシリンジインターフェイスとは別である第2のシリンジインターフェイスを含む第2のインジェクタに接続されるように構成された取付け機構を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
加圧される流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行来可能に接続される出口を含むシリンジ部を、シリンジインターフェイスと駆動部材を含むインジェクタに接続させることができるキットであって、
複数の部分を含むアダプタを具え、
複数の部分の少なくとも2つの部分は、アダプタをシリンジ部に解除不可能に係合することができ、
インジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構を具えるキット。
【請求項22】
シリンジインターフェイスと駆動部材を含むインジェクタに接続可能なシリンジアセンブリを形成する方法であって、シリンジアセンブリは加圧されるべき流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行来可能に接続される出口を具えており、
少なくとも2つの部分は、アダプタをシリンジ部に解除不可能に係合することができる複数の部分と、インジェクタシリンジインターフェイスに接続されるように構成された取付け機構を具えるキットを配備する工程を含む方法。
【請求項23】
複数のインジェクタに接続可能な複数のシリンジアセンブリを形成する方法であって、複数のシリンジアセンブリの各々は複数のインジェクタの1つ上にて、独自の協働するシリンジインターフェイスに接続するように構成された別々の独自の取付け機構を含んでおり、
各々が加圧されるべき流体を含むバレル部と、該バレル部に流体が行き来可能に接続される出口を有するシリンジ部を複数配備する工程と、
各々が複数の部分と独自の取付け機構の1つを有する、複数のシリンジ部とは別個に形成された複数のアダプタを配備する工程と、
複数のインジェクタインターフェイスの各々の複数の部分の少なくとも2つの部分を係合させて、複数のアダプタの各々を複数のシリンジ部の1つに動かないように接続する工程を含む方法。
【請求項24】
複数のシリンジ部の少なくとも2つは、略同一である、請求項23に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2011−224273(P2011−224273A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−99351(P2010−99351)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(500483817)メドラッド インコーポレーテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】Medrad,Inc.
【Fターム(参考)】