説明

シングルキャリア直交周波数分割多重通信システムにおいてアップリンク制御信号及びユーザデータを送信するための方法及び装置

【課題】アップリンク制御信号及びユーザデータを送信する方法及び装置を提供する。
【解決手段】直交周波数分割多重通信システム(100)において動作するユーザ装置(102)は、ユーザデータ情報をユーザデータ非依存及びユーザデータ依存制御信号でパンクチュア化(510)し、データストリームを生成することにより、第1層及び第2層のユーザデータ非依存及びユーザデータ依存制御信号をアップリンク(124)上で送信する。ここで、制御信号及びユーザデータ情報が多重化される。ユーザ装置は、無線インターフェイス(120)を介してパンクチュア化されたデータストリームを無線アクセスネットワーク(130)に伝達する(518)。システムは、ユーザデータの変調及び符号化方式と、無線インターフェイスを介したユーザデータ情報送信に適用される送信方式とに基づく制御信号の符号化及び変調の選択(504)を更に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、シングルキャリア直交周波数分割多重(OFDM)通信システムに関し、特に、シングルキャリアOFDM通信システムにおけるアップリンクユーザデータ及び制御信号の送信に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年1月10日に出願した、「シングルキャリア直交周波数分割多重通信システムにおいてアップリンク制御信号及びユーザデータを送信するための方法及び装置」と題された、共同所有の米国特許仮出願第60/884,330号に対する優先権を主張するものであり、その全文は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
シングルキャリア離散フーリエ変換・拡散直交周波数分割多重(DFT−SOFDM)変調方式は、3GPP(第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト)E−UTRA(高度化UMTS地上無線アクセス)通信システムにおいて、無線インターフェイスを介したアップリンク送信のために提案されている。シングルキャリアDFT−SOFDM通信システムにおいて、周波数帯域幅は、同時に送信される多数の連続周波数副帯、即ち、副搬送波に分割される。これらの副搬送波は、互いに直交する。そして、ユーザには、ユーザ情報交信用の1つ又は複数の周波数副帯が割り当てられ、これによって、多数のユーザが、異なる副搬送波上で同時に送信できる。追加の副搬送波は、制御信号送信のために予約する。
【0004】
DFT−SOFDMにおいて、アップリンク制御信号は、2種類に分類される。第1種のデータ依存制御信号は、常にアップリンクのユーザデータ・パケットと共に送信され、且つ、そのユーザデータ・パケットの処理に用いられる制御信号である。この制御信号の例には、トランスポートフォーマット、新規データ指標、及びMIMOパラメータが含まれる。高信頼度の制御情報の提供には、多大な費用を要するため、全てのアップリンク送信パラメータは、ノードBによって制御するように提案されている。この方法の場合、ハイブリッド自動再送要求(H−ARQ)に合わせて、新規データ指標だけをユーザ装置ユーザ装置(UE)によって送信すればよい。更に、確認応答(ACK)を代わりに用い得るため、新規データ指標が必要かどうか検討する必要がある。
【0005】
第2種の制御信号、即ち、ユーザデータに関連付けられていない制御信号は、ユーザデータ非依存制御信号としても知られているが、アップリンクのユーザデータ・パケットとは独立に送信される制御信号である。この制御信号の例には、確認応答(ACK/NACK)、チャネル品質情報(CQI)、及び複数入力・複数出力(MIMO)符号語フィードバックが含まれる。アップリンクデータ伝送が無いとき、この制御信号は、制御信号用に予約された周波数領域で送信される。アップリンクデータ伝送がある場合、この制御信号は、データとの多重化が提案されている。しかしながら、そのような多重化を実施するための方式は、提案されていない。更に、実際、ユーザデータと制御信号との間の性能要件は異なるため、アップリンクデータとの制御信号の多重化は、困難である。更に、ユーザデータ伝送時、必ずしも全てのデータ非依存制御フィールドが存在するわけではないという点において、多重化は、より一層困難になる。この問題は、データ非依存制御信号を中心にユーザデータ伝送をスケジューリングすることによって、ある程度緩和される。しかしながら、これによって、スケジューラに制約が課されてしまい、多くの場面において、例えば、持続的スケジューリングの場面、同期H−ARQによる再送の場面、インターネットプロトコルによる音声通信(VoIP)等の遅延感応性サービスの場面において、実用的でないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、ユーザデータ非依存制御信号をユーザデータと多重化し、シングルキャリアDFT−SOFDM通信システムのアップリンクを介して送信するための方法及び装置に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、直交周波数分割多重通信システムにおいてアップリンク制御信号及びアップリンクユーザデータを送信するための方法が提供され、当該方法は、ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数を受信する段階であって、複数の制御フィールドの各制御フィールドを個別に符号化して、複数の個別に符号化された制御フィールドを生成すること、複数の個別に符号化された制御フィールドを多重化して、単一の符号語を生成すること、複数の個別に符号化された制御フィールドの各制御フィールドに対し、別個の繰り返し数を適用して、冗長性を有する複数の個別に符号化された制御フィールドを生成することを含む、ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数を受信する段階と、ユーザデータを受信する段階と、ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数をユーザデータストリーム上にパンクチュア化することによって、ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数をユーザデータストリームに多重化して、ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数とユーザデータ情報とが多重化されているデータストリームを生成する段階であって、ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数は、複数の制御フィールドを含み、冗長性を有する複数の個別に符号化された制御フィールドを多重化して単一の符号語を生成することを含む、データストリームを生成する段階と、無線インターフェイスを介して、データストリームを無線アクセスネットワークに伝達する段階とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に基づく、無線通信システムのブロック図。
【図2】直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信システムの副搬送波へのユーザデータ及び制御データの従来技術によるマッピングを示す代表的なブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に基づく、OFDMA通信システムの副搬送波へのユーザデータ及び制御データのマッピングを示す代表的なブロック図。
【図4】本発明の一実施形態に基づく、図1のユーザ装置のアーキテクチャのブロック図。
【図5】本発明の一実施形態に基づく、アップリンク制御信号及びユーザデータを図1の無線アクセスネットワークに伝達する際、図1のユーザ装置が実行する方法の論理フロー図。
【図6】本発明の一実施形態に基づく、図1のユーザ装置の制御データソースのブロック図。
【図7】本発明の他の実施形態に基づく、図1のユーザ装置の制御データソースのブロック図。
【図8】本発明の様々な実施形態に基づく、代表的なパンクチュア/データ挿入モジュールのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者は、図の要素が簡単明瞭に示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを認識されるであろう。例えば、図の要素には、本発明の様々な実施形態の理解を改善する一助とするために、他の要素と比較して寸法を誇張したものがある。更に、商品化可能な実施形態において有用又は必要な一般的で良く理解された要素は、本発明のこれら様々な実施形態を把握する妨げにならないようにするために、多くの場合、記載していない。
【0010】
ユーザデータ非依存制御信号をユーザデータと多重化し、シングルキャリア離散フーリエ変換・拡散直交周波数分割多重(DFT−SOFDM)通信システムのアップリンクを介して送信を行うための方法及び装置のニーズに対処するために、ユーザ装置(UE)が、ユーザデータ情報をユーザデータ非依存及びユーザデータ依存制御信号でパンクチュア化して、データストリームを生成することによって、アップリンク上で第1層及び第2層のユーザデータ非依存及びユーザデータ依存制御信号を送信する、直交周波数分割多重(OFDM)通信システムを提供する。この場合、制御信号及びユーザデータ情報は多重化される。そして、UEは、無線インターフェイスを介して、パンクチュア化されたデータストリームを無線アクセスネットワークに伝達する。通信システムは、更に、ユーザデータの変調及び符号化方式と、無線インターフェイスを介したユーザデータ情報送信に適用される送信方式とに基づき、制御信号の符号化及び変調の選択を提供する。
【0011】
一般的に、本発明の実施形態には、OFDM通信システムにおいて、アップリンク制御信号及びアップリンクユーザデータを送信するための方法が含まれる。本方法には、ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を受信する段階と、ユーザデータを受信する段階と、ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号をユーザデータストリームにパンクチュア化して、データストリームを生成する段階であって、制御信号及びユーザデータ情報が多重化される段階と、無線インターフェイスを介して、パンクチュア化されたデータストリームを無線アクセスネットワークに伝達する段階とが含まれる。
【0012】
本発明の他の実施形態には、周波数帯域幅が複数の周波数副搬送波を含むOFDM通信システムで動作可能なUEが含まれる。UEには、ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を受信し、ユーザデータを受信し、且つ、ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号をユーザデータストリームにパンクチュア化して、データストリームを生成し、制御信号及びユーザデータ情報が多重化されるパンクチュアラ/挿入モジュールを実現するように構成されたプロセッサが含まれる。UEには、更に、プロセッサと結合した送信機が含まれ、プロセッサは、送信機及び無線インターフェイスを介して、パンクチュア化されたデータストリームの送信を取り決める。
【0013】
本発明は、図1乃至8を参照すると、更に充分に説明される。図1は、本発明の一実施形態に基づく無線通信システム100のブロック図である。通信システム100には、無線インターフェイス120を介して、無線アクセスネットワーク(RAN)130による無線通信サービスが提供されるユーザ装置(UE)102が含まれる。UE102は、任意の種類の携帯無線装置でありえる。例えば、UE102は、携帯電話、無線電話、ポケベル、もしくは携帯情報端末(PDA)、パソコン(PC)、又は無線通信手段を搭載したラップトップコンピュータであってよい。他のユーザ装置の例も可能である。RAN130には、ノードB、即ち、送受信基地局(BTS)等の送受信機132を含むが、これは、無線ネットワークコントローラ(RNC)又は基地局コントローラ(BSC)等のコントローラ140に接続される。無線インターフェイス120には、ダウンリンク122及びアップリンク124が含まれる。ダウンリンク122及びアップリンク124には、各々、多数の制御チャネル及び多数のトラフィックチャネル等、多数の物理的な通信チャネルが含まれる。
【0014】
UE102、送受信機132、及びコントローラ140の各々には、それぞれのプロセッサ104、134、142が含まれるが、これらは、例えば、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、それらの組合せ、又は当業者に公知の類似する他の装置である。プロセッサ104、134、及び142の特定動作/機能、従って、それぞれUE102、送受信機134、及びコントローラ140の特定動作/機能は、ソフトウェア命令及びルーチンの実行によって決定されるが、これらソフトウェア命令及びルーチンは、プロセッサに関連するそれぞれの少なくとも1つのメモリ装置106、136、144に記憶されており、メモリ装置は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)、又はそれらの均等物等であり、これらは、データ及び対応するプロセッサによって実行し得るプログラムを記憶する。UE102には、更に、少なくとも1つの送信機108及び少なくとも1つの受信機110が含まれ、これらは、プロセッサ104に結合され、また、無線インターフェイス120を介した情報の送受信を行う。
【0015】
本明細書において他に規定しない限り、本発明の実施形態は、好適には、UE102及び送受信機132内で実現されるが、特に、それぞれの少なくとも1つのメモリ装置106、136に記憶され、また、UE及び送受信機のそれぞれのプロセッサ104、134によって実行されるソフトウェアプログラム及び命令で実現される。しかしながら、本発明の実施形態は、他の選択肢として、ハードウェア、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)等、例えば、1つ又は複数のUE102及び送受信機132に実装されたASICにおいて実現し得ると当業者は認識するであろう。本開示に基づき、当業者は、再現実験を行うことなく、そのようなソフトウェア及び/又はハードウェアを容易に生成及び実現可能である。
【0016】
通信システム100には、広帯域パケットデータ通信システムが含まれ、このシステムは、無線インターフェイス120を介してデータを送信するためのシングルキャリア直交周波数分割多重(OFDM)変調方式を用いる。好適には、通信システム100は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信システムであるが、ここで、周波数帯域幅は、多数の周波数副搬送波に分割されており、これら副搬送波には、物理層チャネルが含まれ、これらのチャネル上で、トラフィック及び信号送信チャネルが、TDM又はTDM/FDMの様式で送信される。そして、ユーザには、ベアラ情報の交信のための周波数副搬送波の1つ又は複数が割り当てられ、これによって、各ユーザの送信が他のユーザの送信に直交するように、多数のユーザが、異なる組の副搬送波上で同時に送信を行うことができる。更に、通信システム100は、好適には、3GPP(第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト)E−UTRA(高度化UMTS地上無線アクセス)規格に基づき動作するが、この規格は、無線システムパラメータ及び呼処理手順等、無線電気通信システムの動作プロトコルを規定する。しかしながら、当業者の認識によれば、通信システム100は、直交周波数分割多重(OFDM)変調方式を用いる任意の無線電気通信システム、例えば、3GPP2(第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト2)高度通信システム、例えば、CDMA(符号分割多元接続)2000_1XEV−DV通信システム、IEEE(電気電子学会)802.xx規格、例えば、802.11a/HiperLAN2、802.11gもしくは802.16規格によって定められた無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信システム、又は多数の提案されている超広帯域無線(UWB)通信システムのいずれかに基づき動作する。
【0017】
更に、通信システムは、例えば、自動再送要求(ARQ)プロトコル又はハイブリッドARQ(HARQ)プロトコル等、任意の公知の配信保証プロトコルを用いることによって、無線インターフェイス120を介して伝達されるデータパケットの配信を保証する。当分野で公知なように、そのようなプロトコルは、ACK及び/又はNACK等の確認応答を用いて、正しく受信されたデータパケット、誤って受信されたデータパケット、又は受信されなかったデータパケットを識別する。
【0018】
通信システム100は、通信システムによって用いられる周波数帯域幅の1つ又は複数の副搬送波を用いるために、UE102等、通信システム内で動作する各UEを選択的にスケジュール化する。その際、送受信機132は、ダウンリンク122の制御チャネルを介して、ダウンリンク制御メッセージを、好適には、アップリンクスケジューリング許可をUEに提供する。本許可には、UE識別名(UEID)と、スケジューリング期間のスケジューリング情報と、アップリンク資源割当てと、割当ての持続時間と、アップリンク送信パラメータと、H−ARQに対応する確認応答(ACK/NACK)レスポンスとが含まれる。UEIDは、許可が与えられたUEを示す。アップリンク送信パラメータは、変調方式、ペイロードサイズ、複数入力・複数出力(MIMO)関連情報等、識別されたUEが用いる送信パラメータを示す。スケジューリング情報には、通常、基準開始時間、好適には、開始セルシステムフレーム番号(SFN)インデックス又は開始接続フレーム番号(CFN)インデックス等、無線フレームを単位とした基準開始時間と、スケジューリング持続時間、即ち、提供されたスケジューリング情報が適用可能な期間の持続時間、例えば、無線フレーム又は送信時間間隔(TTI)を単位とした持続時間と、配分されたアップリンク資源ユニットとが含まれる。
【0019】
従来技術によるシングルキャリアOFDM通信システムにおいて、アップリンク制御信号は、ユーザデータを含む副搬送波とは分離した1つ又は複数の副搬送波で送られる。例えば、図2は、OFDMA通信システムの副搬送波の従来技術によるマッピングを示す代表的なブロック図である。図2の縦軸は、周波数を表し、横軸は、時間を表す。図2に示すように、制御データは、第1組202の周波数及びタイムスロット並びに第2組204の周波数及びタイムスロットの各々で伝達され、他方、ユーザデータは、第1及び第2組の周波数及びタイムスロットから分離した第3組206の周波数及びタイムスロットで送られる。この特定の方式を使うと、OFDMシステムのシングルキャリア特性が破壊され、UEにおけるピーク対平均電力比が高くなり、このため、その到達範囲が小さくなってしまう。対照的に、通信システム100は、送信されるユーザデータとのアップリンク制御信号の多重化を、また特に、第1層(L1)及び/又は第2層(L2)ユーザデータ非依存及び/又はユーザデータ依存制御信号(以下、「ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号」と称する)の多重化を、ユーザデータを制御信号でパンクチュア化することによって行い、これによって、ユーザデータ及びユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を同じ周波数及びタイムスロット内で円滑に送信できる。例えば、図3は、本発明の一実施形態に基づくOFDMA通信システムの副搬送波のマッピング300を示す代表的なブロック図である。図2と同様に、図3の縦軸は、周波数を表し、横軸は、時間を表す。ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号でユーザデータをパンクチュア化することによって、ユーザデータ及びユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号は、同じ組302の周波数及びタイムスロットを介して、全て伝達される。
【0020】
次に、図4及び5を参照して、本発明の一実施形態に基づく、RAN130へのアップリンクユーザデータ及び制御信号の多重化及び送信におけるUE102の動作について説明する。図4は、本発明の一実施形態に基づくUE102のアーキテクチャのブロック図である。好適には、UE102は、無線インターフェイス120のアップリンク124上でのデータ送信のための離散フーリエ変換・拡散直交周波数分割多重(DFT−SOFDM)直交変調方式を実装する。しかしながら、UE102は、任意のOFDM変調方式を実装してよく、これによって、データが、1つ又は複数の直交周波数副搬送波に変調されると当業者は認識している。
【0021】
UE102には、ユーザデータ・ソース402及び制御信号ソース404が含まれ、各々、パンクチュア/挿入モジュール406に結合されている。ユーザデータ・ソース402は、無線インターフェイス120を介して送信するためのユーザデータ情報を提供し、制御信号ソース404は、ユーザデータ非依存制御信号(同時送信ユーザデータに関連しない制御信号、例えば、チャネル品質情報(CQI)、確認応答(ACK/NACK)、及び複数入力・複数出力(MIMO)符号語フィードバックであり、これらは、ダウンリンク送信又はアップリンク送信に対するスケジューリング要求による)、並びに、ユーザデータ依存制御信号(例えば、増加的冗長性(IR)版、新規データ指標、トランスポートフォーマット指標など)の双方を提供する。UE102には、更に、パンクチュア/挿入モジュールに結合された利得調整器410、利得調整器に結合された直交変調器412、及び直交変調器に結合されたサイクリック・プレフィックス(CP)挿入モジュール420が含まれる。好適には、ユーザデータ・ソース402、制御信号ソース404、パンクチュア/挿入モジュール406、利得調整器410、直交変調器412、及びCP挿入モジュール420は、各々、少なくとも1つのメモリ装置106に保持されたプログラムに基づき、プロセッサ104によって実現される。しかしながら、ユーザデータ・ソースには、当分野で公知の任意のユーザデータ・ソースを含んでよい。
【0022】
図5は、本発明の一実施形態に基づき、RAN130に送信するために、アップリンクユーザデータ及びユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を多重化して送信する際、UE102によって実行される方法の論理フロー図500である。論理フロー図500は、ユーザデータ・ソース402及び制御信号ソース404が、それぞれパンクチュア/挿入モジュール406を参照して始まり(502)、次に、パンクチュア/挿入モジュールは、それに応じて、ユーザデータ情報のストリームを、好適には、ビットフォーマットで受信し、また、ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号のストリームを、好適には、記号フォーマットで受信する(508)。そして、パンクチュア/挿入モジュール406は、制御信号ソース404から受信したユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を、ユーザデータ・ソース402から受信したユーザデータと多重化するが、このためにユーザデータを記号フォーマットに変換し、次に、ユーザデータを制御信号でパンクチュア化して(510)、パンクチュア化されたデータのストリームを記号フォーマットで生成する。この場合、ユーザデータ及びユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号は、多重化される。
【0023】
ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号をパンクチュア/挿入モジュール406に提供する際、制御信号ソース404は、まず、L1/L2ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を単一符号語又は多数の符号語にマッピングする。制御信号及びユーザデータは、双方共多重化されることから、同じ電力で送信される。制御信号を確実に最適な高信頼度で受信するために、変調及び符号化を制御信号に合わせて適切に選択してよい。制御信号、即ち、制御信号を含む制御データフィールドは、一般的に小さいため、符号語マッピングを用いて、追加の保護を行う。符号語マッピングと、後記する繰り返しブロック606及び706乃至706によって実施される符号化等の繰り返し(望まれる場合)と、後記する記号マッパ608及び710によって実施される記号マッピング等の変調と、に続いて、アップリンク124の状態に関する情報、及び、RAN130によるデータブロックの復号を支援する制御信号を更に含むユーザデータのデータブロックの変調及び符号化方式(MCS)に関する情報の1つ又は複数によって、選択を実施する。更に、制御フィールドに適用される符号化及び変調方式の選択は、アップリンクユーザデータ伝送方法又は方式にも依存することがある。例えば、アップリンクユーザデータが、無線インターフェイス120を介して、局所型もしくは分散型周波数分割多元接続(FDMA)送信方法、又は周波数ホッピングを伴う局所型周波数分割多元接続(L−FDMA)送信方法等、局所型、分散型、又はホッピングを伴う局所型の送信方式を用いて送信されるかどうかに依存する。これは、送信方法が異なると、同じMCSを選択しても、対象誤り率が異なることがあるためである。その結果、異なる送信方法に対する必要制御電力も異なる。
【0024】
例えば、図6は、本発明の単一符号語の実施形態に基づく、制御信号ソース404等の、L1/L2ユーザデータ非依存制御信号ソースのブロック図600である。1つ又は複数のL1/L2ユーザデータ非依存制御信号には、CQI情報、ACK/NACK、及びMIMO符号語フィードバック等、多数の制御フィールドが含まれる。単一符号語実施形態では、同様にCQI情報、ACK/NACK、及びMIMO符号語フィードバック等、多数の制御フィールド602の全制御フィールドは、単一符号語604にマッピング(506)される。即ち、結合符号化され、また、単一の繰り返し数606を受けて、冗長性を有する単一符号語を生成する。符号語は、次に、記号マッパ608によって記号配列にマッピングされて(506)、パンクチュア/挿入モジュール406に送られる記号ストリームを生成する。記号マッパは、多数のビットを記号配列の記号にマッピングするが、当分野で公知であり、本明細書では詳細に記載しない。全ての制御フィールドが存在しない場合、制御フィールドの代わりにダミー入力値を挿入する。このダミー情報は、RAN130によって認識され、そして、このRANでは無視される。他の選択肢として、UE102は、合意された方法に基づき、任意の利用可能な制御フィールドを用いて、何らかの追加情報を送信することができる。例えば、MIMOをサポートしないUEは、広帯域CQIをMIMO制御フィールドにおいて送信する。空の制御フィールドにダミーデータを含むことによって、各符号語は、同じ長さになり、これにより多重化及び多重分離処理を簡素化される。しかしながら、この方法では、異なる制御フィールドの性能要件を満足することは、それらが異なる場合、困難なことがあり、また、費用が嵩む。
【0025】
他の例として、図7は、本発明の多数の符号語の実施形態に基づく、制御信号ソース404等のL1/L2ユーザデータ非依存制御信号ソースのブロック図700である。本実施形態では、各制御フィールド702乃至702は、対応する符号語704乃至704(これに対して、それ自体の対応する繰り返し数706乃至706が適用される)に個別にマッピングされ(506)、これによって、各々それ自体の冗長性を有する多数の別個に符号化された制御フィールドが生成される。そして、多数の別個に符号化された制御フィールド、即ち、符号語は、各々、多数の制御フィールドの制御フィールドに対応し、また、各々、それ自体の冗長性を備えるが、多重化装置708に適用され、ここで、多重化されて、単一の符号語全体が生成される。そして、符号語全体が、記号マッパ710によって記号配列にマッピングされ(506)、パンクチュア/挿入モジュール406に送られる記号ストリームを生成する。これにより、各制御フィールドの性能が制御できるように、各制御フィールドに異なる符号化及び繰り返しを用いて、送信エネルギの個別の調整が可能になる。しかしながら、この結果、送信データの制御部は、可変サイズになり、また、レート調整アルゴリズムによって補正しなければならなくなる。
【0026】
ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号は、直交変調器412に先立って、ユーザデータと多重化されることから、制御信号の高い信頼度での受信のために、適切な変調及び符号化が選択される(504)。その結果、パンクチュア化される符号化ユーザデータの量は、制御信号のために選択されたMCSに基づき、変更可能であってよい。この場合、レート調整は、1つ又は2つのステップで実施される。1ステップのレート調整では、効果的な符号化率の演算の際、制御信号の挿入のためにパンクチュア化されるビットの数が考慮される。2ステップレート調整では、まず、符号化データを、元の符号化率に基づいてレート調整し、そして、引き続き、パンクチュア化されたビットの数に基づいてレート調整する。どちらの方法においても、同じレート調整アルゴリズムを用い得ることが予想される。
【0027】
例えば、図8は、本発明の様々な実施形態に基づく、パンクチュア/挿入モジュール406等の代表的なパンクチュア/挿入モジュールのブロック図800である。本発明の原理を示すために、また、本発明を如何様にも限定しないために、100ビットのユーザデータがパンクチュア/挿入モジュール406に適用され、また、20制御ビット(例えば、QPSK変調による10の記号)が、ユーザデータと多重化されるものとする。100ビットのユーザデータは、第1符号器802に適用され、そして、第1符号器は、原符号化率に基づきユーザデータに冗長性を追加する。例えば、原ターボ符号化率が1/3の場合、符号器802は、符号器に適用される100ビットに対して300ビットを出力するが、この300ビットには、元の100ビット及び200パリティビットが含まれる。そして、この300ビットは、第1パンクチュアラ804に適用され、第1パンクチュアラ804は、所望の符号化率を達成して無線送信を行うために、データをパンクチュア化する。例えば、無線送信用の所望の符号化率が2/3であれば、パンクチュアラ804は、パンクチュアラに適用された300ビットに対して200ビットを出力し、これは、QPSK変調の場合、100個の記号に変換される。そして、200ビットのユーザデータは、第2パンクチュアラ806に適用される。第2パンクチュアラは、第1パンクチュアラ804によって出力されるデータストリームに挿入される制御記号の量が分かっており、データストリームをパンクチュア化して制御記号を提供する。例えば、QPSK変調が用いられており、また、10個の制御記号をパンクチュア化してデータストリームにしようとする場合、第2パンクチュアラ806は、200ビットをパンクチュア化して、180ビットのユーザデータのビットストリームを生成する。そして、180ビットのユーザデータは、第1記号マッパ808に適用されるが、第1記号マッパ808は、ビットを記号配列にマッピングして、ユーザデータ記号ストリームを生成する。例えば、QPSK(4相位相変調)デジタル変調方式が、記号マッパ808によって用いられる場合、180ビットのユーザデータは、90個の記号にマッピングされる。そして、記号マッパ808は、第1多重化装置810にユーザデータ記号ストリームを伝達するが、この多重化装置は、更に、制御信号、即ち、制御信号ソース404によってパンクチュア/挿入モジュールに供給された10個の制御記号を受信する。そして、多重化装置810は、90個のユーザデータ記号を制御信号(即ち、10個の制御記号)と多重化して、90個のユーザデータ記号及び10個の制御記号を含む100個の記号のストリームを生成する。
【0028】
引き続き図8を参照すると、本発明の他の実施形態では、上記した二段パンクチュア化処理の代わりに、一段パンクチュア化処理を用いる。そのような実施形態では、符号器802が出力した300ビットは、第3パンクチュアラ812に伝達される。第3パンクチュアラ812は、符号器802によって出力されたデータストリームに挿入される制御記号の量が分かっており、データストリームをパンクチュア化して制御記号を提供する。再度、2/3の無線送信用の所望の符号化率及びQPSKデジタル変調方式を仮定すると、第3パンクチュアラ812は、300ビットをパンクチュア化して、180ビットのユーザデータのビットストリームを生成する。そして、180ビットのユーザデータは、第2記号マッパ814に適用され、第2記号マッパ814は、ビットを記号配列にマッピングして、ユーザデータ記号のストリームを生成する。また、QPSKデジタル変調方式を仮定すると、記号マッパ812は、180ビットのユーザデータを90個の記号にマッピングする。そして、記号マッパ814は、ユーザデータ記号のストリームを第2多重化装置816に伝達するが、この多重化装置は、更に、制御信号、即ち、制御信号ソース404によってパンクチュア/挿入モジュールに供給された10個の制御記号を受信する。多重化装置816は、90のユーザデータ記号を制御信号(即ち、10の制御記号)と多重化して、90個のユーザデータ記号及び10の制御記号が含まれる100の記号のストリームを生成する。
【0029】
再度、図4及び5を参照すると、ユーザデータのパンクチュア化後、パンクチュア/挿入モジュール406は、パンクチュア化されたデータ(記号フォーマット)を利得調整器410に伝達する。利得調整器410は、利得係数408に基づき、パンクチュア化されたデータの利得を調整して(512)、利得調整及びパンクチュア化されたデータを生成するが、この利得調整及びパンクチュア化されたデータには、利得調整された記号のストリームが含まれる。本発明の様々な実施形態において、利得係数408は、プロセッサ104によって、ユーザデータに適用された変調方式、ユーザデータに適用された符号化方式、制御データとのユーザデータのパンクチュア化に起因する符号化率低減、即ち、制御信号でパンクチュア化されたユーザデータの量、及び無線インターフェイス120を介したユーザデータ送信に適用される送信方式の1つ又は複数に基づき決定される。好適には、UE102は、ルックアップ表又はUEの少なくとも1つのメモリ装置106に維持されたアルゴリズムを利用して適切な利得係数を決定するが、ここでは、パンクチュア化されたデータに適用された利得は、変調方式、符号化方式、制御データとのユーザデータのパンクチュア化に起因する符号化率低減、並びに、ユーザデータ及び制御信号の送信に適用されている送信方式の1つ又は複数の関数である。
【0030】
例えば、QPSK(4相位相変調)デジタル変調が、UE102によって、ユーザデータを送信するために用いられている場合、即ち、記号マッパ808又は814によって利用されていれば、パンクチュア化されたデータに適用される利得係数は、16−QAM(直交振幅変調)デジタル変調が用いられている場合に適用される利得係数より小さくてよい。他の例として、UE102が、周波数ホッピングによるL−FDMA等の周波数ホッピングを利用してユーザデータを送信すると、利得係数は、UEがユーザデータに周波数ホッピングを適用していない時、即ち、ユーザデータを単一の周波数帯で送信している時、と異なることがある。これは、前者の場合には、周波数ダイバーシティという利点及びより高い転送誤り率(FER)目標値があり、従って、異なる高利得化が可能になるためである。
【0031】
利得調整器410は、利得調整及びパンクチュア化されたデータを直交変調器412に伝達するが、この利得調整及びパンクチュア化されたデータは、利得調整された記号ストリームを含む。直交変調器412は、OFDM通信システムにおける多数の周波数副帯の内の1つ等、直交変調器によって受信された各記号を直交周波数領域副搬送波で変調し(514)、また、直交時間領域副搬送波を含む時間領域信号を生成する。
【0032】
好適には、直交変調器412には、副搬送波マッピング機能416に結合した離散フーリエ変換(DFT)機能414と、副搬送波マッピング機能に結合した逆高速フーリエ変換(IFFT)418と、を有するDFT−SOFDM直交変調器が含まれる。DFT−SOFDM直交変調器は、当分野でよく知られており、以下の点を除いて詳述しない。各記号の受信に応じて、直交変調器412は、受信記号をDFT機能414に送る。DFT機能414は、多数の(M)直交副搬送波、即ち、周波数副帯の内の1つに対応する論理副搬送波番号に各記号を割り当て、実質的に、記号マッパ412から受信された記号ストリームを直列から並列形式に変換し、M個の並列記号を生成する。ここでMは、UE102によってアップリンクのユーザデータ伝送用に配分された周波数帯域幅に含まれる副搬送波の数である。次に、DFT機能414は、M個の並列記号を副搬送波マッピング機能416に適用する。
【0033】
副搬送波マッピング機能416は、M個の並列記号の各々を周波数副帯、即ち、周波数領域副搬送波にマッピングするが、これは、ユーザデータ記号に用いられる多数の周波数オフセットの内の1つの周波数オフセットに対応する。そして、IFFT418は、周波数副帯、即ち、周波数領域副搬送波に割り当てられたM個の並列記号の各記号を、時間領域信号、即ち、時間領域副搬送波に変換し、これによって、多数の(M)変調直交時間領域副搬送波を生成する。ここで、各副搬送波は、周波数帯域幅に含まれる副搬送波に対応する。即ち、M個の並列データストリームは、IFFT418への入力として提供され、IFFTは、M個の周波数fの並列時間領域副搬送波を出力する。この場合、M個の並列副搬送波の各副搬送波は、M個の並列入力データストリームの対応する入力データストリームによって変調される。IFFTの出力を構成する変調時間領域副搬送波は、並列形式から直列形式に変換されて出力信号を生成し、そして、出力信号は、CP挿入モジュール420に送られる。
【0034】
CP挿入モジュール420は、受信した時間領域信号に保護帯域間隔、即ち、サイクリック・プレフィックスを付加して(516)、付加時間領域信号を生成する。プロセッサ104は、送信機108及びアップリンク124を介して、RAN130への付加時間領域信号の伝達、即ち、送信に備える(518)。そして、論理フロー500は、終了する(520)。例えば、CP挿入モジュール420は、付加信号を記号整形器(図示せず)に伝達し得る。記号整形器は、公知の技法に基づいて、CP挿入モジュールから受信した各信号を整形し、また、整形した信号をI/Q変調器(図示せず)に伝達する。I/Q変調器は、記号整形器から受信した各信号に対して帯域内(I)信号及び4相(Q)信号を生成し、また、送信機108のアップコンバータ(図示せず)にその信号を送る。アップコンバータは、I/Q変調器から受信した信号を基底帯域周波数から送信周波数(fc)にアップコンバートして、アップコンバート済み出力信号を生成する。アップコンバート済み信号は、送信機108の電力増幅器(図示せず)に伝達され、この電力増幅器は、アップコンバート済み信号を増幅し、そして、アップリンク124を介して、増幅された信号をRAN130に伝達する。
【0035】
第1層及び/又は第2層ユーザデータ非依存及び/又はユーザデータ依存制御信号でユーザデータのストリームをパンクチュア化するUEを提供することによって、通信システム100は、アップリンクのデータストリームを生成するが、この場合、制御信号及びユーザデータ情報は、多重化され、且つ、同じ組の周波数及びタイムスロットを介して、RANに全て伝達される。これにより、シングルキャリアOFDMシステムのシングルキャリア特性が保持され、且つ、ユーザデータを伝達するために用いられる周波数及びタイムスロットの組とは異なる周波数及びタイムスロットの組で制御信号を伝達することに起因するUEにおける高いピーク対平均電力比が回避される。
【0036】
通信システム100は、更に、多数の第1層及び第2層制御フィールドの結合符号化又は個別符号化のいずれかを提供した後、制御フィールドがユーザデータと多重化され、且つ、任意の空制御フィールドへのダミーデータの挿入も行う。空制御フィールドにダミーデータを含むことによって、各符号語は、同じ長さになり、これにより、多重化及び多重分離処理が簡素化される。更に、制御信号とユーザデータの双方は、多重化されることから、同じ電力で送信される。制御信号を高信頼度で確実に受信するために、通信システム100は、更に、利得調整、並びに制御信号の適切な変調及び符号化の選択を提供するが、この変調及び符号化の選択は、アップリンクの状態、ユーザデータのデータブロックの変調及び符号化方式(MCS)、及びアップリンクのユーザデータ伝送方法又は方式に関する1つ又は複数の情報に基づき、例えば、アップリンクのユーザデータが、局所型、分散型、又はホッピングを伴う局所型の送信方式を用いて、アップリンク上で送信されるかどうかに基づき、実施される。
【0037】
本発明について、その特定の実施形態を参照して詳細に説明したが、当業者は、以下の請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、またその要素を均等物で置き換え可能であることを理解されるであろう。従って、明細書及び図は、限定的な意味よりもむしろ、例示の意味で考慮すべきであり、また、全てのそのような変更及び置き換えは、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0038】
利益、他の利点、及び問題の解決策について、具体的な実施形態に関して記載した。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び何らかの利益、利点、又は解決策を生じさせるもしくは更に明らかにし得る何らかの要素(1つ又は複数)は、全ての請求項の決定的な、必要な、もしくは不可欠な特徴又は要素と解釈すべきものではない。本明細書に用いた用語「含む」、「含んでいる」又はそのあらゆる派生語は、非排他的な包括を網羅しようとするものであり、一連の要素を含むプロセス、方法、物、又は装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列記されていない他の要素や、このようなプロセス、方法、物、又は装置に固有の他の要素も含み得る。本明細書に用いた用語「含まれる」及び/又は「有する」は、「含んでいる」と同様に定義する。本明細書に用いた用語「結合された」は、「接続された」と同様に定義するが、必ずしも直接的な接続とは限らず、また、必ずしも機械的な接続とは限らない。更に、本明細書において他に規定されない限り、「第1」及び「第2」、「最上部」及び「底部」等の関係を示す用語の用途は、もしあれば、1つの実体や動作をもう1つの実体や動作と区別するためだけに用いるものであり、そのような実体や動作間において、実際のそのような何らかの関係や順番を必ずしも要求したり暗示したりするものでない。
【符号の説明】
【0039】
100…直交周波数分割多重通信システム、102…ユーザ装置、120…無線インターフェイス、130…無線アクセスネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交周波数分割多重通信システムにおいてアップリンク制御信号及びアップリンクユーザデータを送信するための方法であって、
ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数を受信する段階であって、複数の制御フィールドの各制御フィールドを個別に符号化して、複数の個別に符号化された制御フィールドを生成すること、前記複数の個別に符号化された制御フィールドを多重化して、単一の符号語を生成すること、前記複数の個別に符号化された制御フィールドの各制御フィールドに対し、別個の繰り返し数を適用して、冗長性を有する複数の個別に符号化された制御フィールドを生成することを含む、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数を受信する段階と、
ユーザデータを受信する段階と、
前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数をユーザデータストリーム上にパンクチュア化することによって、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数をユーザデータストリームに多重化して、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数とユーザデータ情報とが多重化されているデータストリームを生成する段階であって、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数は、複数の制御フィールドを含み、冗長性を有する複数の個別に符号化された制御フィールドを多重化して単一の符号語を生成することを含む、前記データストリームを生成する段階と、
無線インターフェイスを介して、前記データストリームを無線アクセスネットワークに伝達する段階と
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、更に、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数とユーザデータ情報とが多重化されているデータストリームの利得を調整して、利得調整及び多重化されたデータストリームを生成することを備え、前記伝達する段階は、無線インターフェイスを介して、無線アクセスネットワークに前記利得調整及び多重化されたデータストリームを伝達することを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記多重化されたデータストリームの利得を調整する段階は、前記ユーザデータに適用された変調方式と、前記ユーザデータに適用された符号化方式と、前記ユーザデータへの制御データの前記多重化に起因する符号化率低減と、前記無線インターフェイスを介した前記ユーザデータストリームの送信に適用される送信方式とのうちの1つ又は複数に基づき、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数とユーザデータ情報とが多重化されているデータストリームの利得を調整することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数は、複数の制御フィールドを含み、ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を受信する段階は、
前記複数の制御フィールドを結合符号化して、単一の符号語を生成する段階と、
前記単一の符号語を受信する段階と
を含む方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記単一の符号語を受信する段階は、前記単一の符号語に繰り返し数を適用して冗長性を有する単一の符号語を生成する段階を含み、前記単一の符号語を受信する段階は、冗長性を有する単一の符号語を受信する段階を含む、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、結合符号化された制御フィールドの符号化及び変調の選択は、前記ユーザデータの変調及び符号化方式と、前記無線インターフェイスを介した前記ユーザデータの送信に適用される送信方式とに基づいている、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記ユーザデータの前記送信方式は、局所型、分散型、又はホッピングを伴う局所型送信方式の内の1つ又は複数を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記個別に符号化された制御フィールドの各々の符号化及び変調の選択は、前記ユーザデータの変調及び符号化方式と、前記無線インターフェイスを介した前記ユーザデータの送信に適用される送信方式とに基づいている、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、多重化することは、ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を前記ユーザデータストリームにパンクチュア化することを含む、方法。
【請求項10】
周波数帯域幅が複数の周波数副搬送波を含む、直交周波数分割多重通信システムにおいて動作可能なユーザ装置であって、
ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数を受信するモジュールであって、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数は、複数の制御フィールドを含み、複数の制御フィールドの各制御フィールドを個別に符号化し、前記複数の個別に符号化された制御フィールドの各制御フィールドに対し、別個の繰り返し数を適用して、冗長性を有する複数の個別に符号化された制御フィールドを生成することにより受信され、前記モジュールは、ユーザデータを受信し、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数を、冗長性を有するユーザデータストリームにパンクチュア化することにより、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数の、複数の個別に符号化された制御フィールドをユーザデータストリームに多重化して、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数とユーザデータ情報とが多重化されている、単一の符号語を有するデータストリームを生成する、前記モジュールを実現するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合された送信機であって、前記プロセッサが、前記送信機及び無線インターフェイスを介した前記データストリームの送信を取り決める、前記送信機と
を備えるユーザ装置。
【請求項11】
請求項10に記載のユーザ装置であって、更に前記プロセッサは、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数とユーザデータ情報とが多重化されているデータストリームの利得を調整して、利得調整及び多重化されたデータストリームを生成する利得調整器を実現するように構成され、前記プロセッサは、前記無線インターフェイスを介して、前記利得調整及び多重化されたデータストリームを無線アクセスネットワークに伝達する、ユーザ装置。
【請求項12】
請求項11に記載のユーザ装置であって、前記利得調整器は、前記ユーザデータに適用される変調方式と、前記ユーザデータに適用される符号化方式と、前記ユーザデータへの制御データの多重化に起因する符号化率低減と、前記無線インターフェイスを介した前記ユーザデータの送信に適用される送信方式との内の1つ又は複数に基づき、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数とユーザデータ情報とが多重化されているデータストリームの利得を調整する、ユーザ装置。
【請求項13】
請求項12に記載のユーザ装置であって、前記ユーザデータ用の前記送信方式は、局所型、分散型、又はホッピングを伴う局所型送信方式の内の1つ又は複数を含む、ユーザ装置。
【請求項14】
請求項10に記載のユーザ装置であって、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数は、複数の制御フィールドを含み、前記プロセッサは、前記複数の制御フィールドを結合符号化して、単一の符号語を生成し、並びに前記単一の符号語を受信することによって、前記ユーザデータ非依存制御信号及びユーザデータ依存制御信号のうちの一つ又は複数を受信するように構成されている、ユーザ装置。
【請求項15】
請求項14に記載のユーザ装置であって、前記プロセッサは更に、繰り返し数を前記単一の符号語に適用して、冗長性を有する単一の符号語を生成し、冗長性を有する前記単一の符号語を受信することによって、前記単一の符号語を受信するように構成されている、ユーザ装置。
【請求項16】
請求項14に記載のユーザ装置であって、前記結合符号化された制御フィールドの符号化及び変調の選択は、前記ユーザデータの変調及び符号化方式と、前記無線インターフェイスを介した前記ユーザデータの送信に適用される送信方式とに基づいている、ユーザ装置。
【請求項17】
請求項16に記載のユーザ装置であって、前記ユーザデータのための前記送信方式は、局所型、分散型、又はホッピングを伴う局所型送信方式の内の1つ又は複数を含む、ユーザ装置。
【請求項18】
請求項10に記載のユーザ装置であって、前記個別に符号化された制御フィールドの各々の符号化及び変調の選択は、前記ユーザデータの変調及び符号化方式と、前記無線インターフェイスを介した前記ユーザデータの送信に適用される送信方式とに基づいている、ユーザ装置。
【請求項19】
請求項18に記載のユーザ装置であって、前記ユーザデータのための前記送信方式は、局所型、分散型、又はホッピングを伴う局所型送信方式の内の1つ又は複数を含む、ユーザ装置。
【請求項20】
請求項10に記載のユーザ装置であって、前記プロセッサは、ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を前記ユーザデータストリームにパンクチュア化することよって、前記ユーザデータ非依存/ユーザデータ依存制御信号を前記ユーザデータストリームに多重化するように構成されている、ユーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−213185(P2012−213185A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−121137(P2012−121137)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2009−545542(P2009−545542)の分割
【原出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(510284071)モトローラ モビリティ エルエルシー (50)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA MOBILITY LLC
【Fターム(参考)】