説明

シーズヒータとリード線の接続構造及びシーズヒータユニット

【課題】シーズヒータとリード線の接続部において、水密性の高い接続構造を得るとともに、漏電等の故障がなく、かつ、安価で施工性のよいシーズヒータユニット得る。
【解決手段】シーズヒータとリード線の接続部において、円筒状であって内部中央に遮断壁を有する圧着スリーブ内にシーズヒータの端子部とリード線を挿入して圧着接続するとともに、該圧着スリーブの外周を熱収縮チューブで3重に被覆して熱処理により密着させ、さらに該接続部を金属管に収容して接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の床下等のコンクリート層に埋設されて使用され、又は床暖房の発熱体と使用されるシーズヒータユニットに関し、シーズヒータとリード線との接続構造及び該接続構造を有したシーズヒータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の暖房は、住宅等の建物の床下空間にコンクリート等からなる蓄熱体を設け、該蓄熱体内に通電により発熱する発熱体を埋設し、この発熱体からの熱が蓄熱体に蓄熱され、その後蓄熱体からの放熱により行われている。そして、前記発熱体として、複数のシーズヒータを連結してユニット化したものを使用することは、施工性、効率性、コスト面において非常に有効である。
【0003】
このシーズヒータユニットは、複数本のシーズヒータを有し、各シーズヒータの端部は導電線で連結され、連結されたシーズヒータの両端部は電源側のリード線と接続されて構成される。また、シーズヒータは、ニクロム線等の電熱線をステンレス等の金属パイプ内に挿入し、該金属パイプ内にマグネシア等の絶縁材を充填するとともに、金属パイプの端部を絶縁ゴム等の封口材でシールし、さらに金属パイプの側面を樹脂等の被覆材で被覆して構成される。
【0004】
しかし、このようなシーズヒータユニットにおいては、各シーズヒータと導電線の接続部分やリード線との接続部分が漏電して故障してしまうという問題があった。特にコンクリートに埋設して使用する場合は、一度故障してしまうと、修理が困難で、費用も高くなるという問題があった。
【特許文献1】特開平10−241845
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、シーズヒータユニットにおけるシーズヒータと導電線との接続部分、及びシーズヒータとリード部の接続部分において、水密性を十分に確保した接合構造を得るとともに、この接続構造を有することで、たとえコンクリートに埋設したとしても漏電等による故障が起きにくく耐用年数の長いシーズヒータユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のシーズヒータとリード線の接続構造は、円筒状であって内部中央に遮断壁を有する圧着スリーブ内にシーズヒータの端子棒とリード線を挿入して圧着接続するとともに、該圧着スリーブの外周を熱収縮チューブで被覆して熱処理により密着させ、さらに該接続部を保護管内に収容したことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のシーズヒータユニットは、複数本のシーズヒータを導電線により接続したシーズヒータユニットであって、前記シーズヒータとリード線の接続構造及びシーズヒータと導電線の接続構造を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水密性を十分に確保し、これをもってシーズヒータの断線等の故障を防止することのできるシーズヒータユニットを安価に得ることが可能である。従って、本発明のシーズヒータユニットは、住宅等の床下に設けられるコンクリートからなる蓄熱層に埋設される発熱体として使用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明に係るシーズヒータ端子部とリード線との接続構造を示す断面図であり、図2はシーズヒータの端子棒とリード線の端子部の接続部分を示す図であり、図3は各シーズヒータ端子部の接続構造を示す断面図であり、図4は本発明に係るシーズヒータユニットを示す斜視図である。
【0010】
本発明に係るシーズヒータ2は、図1に示すように、両端に端子棒22を備えたコイル状の発熱線6を金属パイプ7内に挿入し、該金属パイプ7内をマグネシア粉末からなる電気絶縁粉末で充填し、金属パイプ7の両端部をシリコンからなる封口材23で封口して金属パイプ7内の絶縁を維持するとともに、端子棒22を金属パイプ7の外部に露出させて構成される。
【0011】
シーズヒータ2とリード線1の接続部は、図1及び図2に示すように、円筒状であって内部中央に遮断壁5を有する圧着スリーブ4内に、それぞれシーズヒータ2の端子棒22とリード線の端子部21を挿入し、圧着スリーブ4を圧着することで接続するとともに、該圧着スリーブ4の周縁に熱収縮チューブ11、12、13を3重に巻いて被覆し、筒状の保護管9内に収容することで本発明の接続構造が構成される。
【0012】
圧着スリーブ4は、好ましくは銅製とし、その内部中央に遮断壁5を有している。該遮断壁5により、リード線側からの毛細現象による水の浸入を遮断することができ、その結果、シーズヒータとリード線の接続強度を維持しながら漏電等の故障を防止することが可能となる。
【0013】
熱収縮チューブ11、12、13は、熱が加えられることで収縮するため、ドライヤ等により熱を加えることで、前記接続部を含めたシーズヒータとリード線に密着させることができ、接続部の水密性を十分に確保することができる。尚、より水密性を確保するためには、熱収縮チューブを3重以上に被覆してもよい。
【0014】
上述のように接続された接続部は、筒状の保護管9内に収容されるため、外部からの圧力に対して十分な強度を得ることができる。該保護管9としては、強度の面から金属製のものが好ましいが、強度を有しているならば、樹脂製のものでも可能である。
【0015】
シーズヒータ2と導電線3の接続部は、図3に示すように、シーズヒータ2の端子棒24と導電線3の端部を、接続部材10を介し結線するとともに溶接にて接続し、その外周を熱収縮チューブ14、15、16で3重に被覆して熱処理により密着させ、筒状の保護管25内に収容することで本発明の接続構造が構成される。このような接続構造であっても、内部の水密性は十分に確保することができる。
【0016】
図4は、本発明に係るシーズヒータユニットの平面図であり、複数本のシーズヒータ2が導電線3により連結され、その連結されたシーズヒータの両端は、電源に接続されるリード線1とそれぞれ接続されてシーズヒータユニットが形成される。シーズヒータと導電線、シーズヒータとリード線は、それぞれ上記接続構造により接続される。このため、いずれの接続部も十分な水密性を確保することができるため、漏電による故障等がなく、耐久性の高いシーズヒータユニットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るシーズヒータとリード線の接続部を示す断面図である。
【図2】シーズヒータの端子棒とリード線の端子部の接続部分を示す断面図である。
【図3】シーズヒータと導電線の接続部を示す断面図である。
【図4】本発明に係るシーズヒータユニットを示す平面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 リード線
2 シーズヒータ
3 導電線
4 圧着スリーブ
5 遮断壁
6 発熱線
7 金属パイプ
9、25 保護管
10 接続部材
11〜16 熱収縮チューブ
21 端子部
22、24 端子棒
23 封口材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状であって内部中央に遮断壁を有する圧着スリーブ内にシーズヒータの端子部とリード線を挿入して圧着接続するとともに、該圧着スリーブの外周を熱収縮チューブで被覆して熱処理により密着させ、さらに該接続部を保護管内に収容したことを特徴とするシーズヒータとリード線の接続構造。
【請求項2】
複数本のシーズヒータを導電線により接続したシーズヒータユニットであって、シーズヒータとリード線の接続部において請求項1の接続構造を有することを特徴とするシーズヒータユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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