説明

シートストッカ

【課題】薄型シート状物を天地方向に積層した状態で保持する場合に薄型シート状物どうしが密着しないように保持する。
【解決手段】薄型シート状物を天地方向に積層した状態で収容可能に構成され、上面側から薄型シート状物が収納される収容部10と、天地方向を螺旋の進行方向として収容部10の側面から収容部10の内側に突出するように配され、螺旋軸22を中心として回転する螺旋板21とを有し、螺旋板21は、下方端部の収容部10の下面からの高さhが、収容部10に収容される薄型シート状物1枚分の厚さと同じものとなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムやラベル等の薄型シート状物を収容するシートストッカに関し、特に、収容された薄型シート状物が1枚ずつ取り出される際に静電気等によって複数枚同時に取り出されてしまうことを回避する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴い、情報が書き込まれたカードによってショッピング等を利用可能とするサービスが行われている。このようなサービスにおいては、予め所定のカードにその用途に応じて決められた情報を書き込んでおき、サービスを利用する場合に、カードに書き込まれた情報を読み取り、読み取った情報を用いてサービスの提供が行われる。
【0003】
このようなカードを製造する場合、例えば、複数のカードがマトリックス状となって構成されるカード基材からカードが1枚ずつ打ち抜かれ、その後、一旦積み重ねられてストックされる。積み重ねられたカードは1枚ずつ取り出されて検査等の工程に送られる。ところが、複数枚積み重ねられたカードにおいては、カード間の摩擦力等によって静電気が生じており、そのため、カードが1枚ずつ取り出される際、その静電気によって複数枚のカードが同時に取り出されてしまい、検査等の次の工程が正常に行われなくなってしまう虞れがある。
【0004】
ここで、積み重ねられた複数枚のカードを最下面のカードから1枚ずつ取り出す構成において、積み重ねられたカードの一部をその側面から挟み込むことにより、最下面のカードにかかる負荷を低減する機構が考えられており、特許文献1に開示されている。そこで、この機構を用いて、積み重ねられた複数枚のカードを互いに密着しないようにその側面から挟み込むことにより、カードが1枚ずつ取り出される際、静電気によって複数枚のカードが同時に取り出されてしまうことを回避することが考えられる。
【0005】
また、単片状のシートを起立状態で集積する装置において、1枚ずつ供給されている単片状のシートを螺旋状の回転体の回転によって導いていくものが特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−238101号公報
【特許文献2】特公平7−102907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、上述したようなカードとして、カードに対して非接触状態にて情報の書き込みや読み出しを行うことが可能なICが搭載された非接触型ICカードがその優れた利便性から急速な普及が進みつつあるが、このような非接触型ICカードは、フィルム基材上に、アンテナが形成されるとともにこのアンテナを介して非接触状態にて情報の書き込みや読み出しが可能なICチップが搭載されたインレットと呼ばれる部品が内蔵されている。そして、このようなインレットにおいても、非接触型ICカードの製造工程において、上述したように複数枚が積層された状態でストックされることが考えられる。
【0008】
そのため、上述したインレットや、フィルムあるいはラベルのような薄型シート状物においても、複数枚が積み重ねられた状態から1枚ずつ取り出される際、その静電気によって複数枚が同時に取り出されてしまうことを回避するために、上記のように互いに密着しないように保持しておくことが好ましい。
【0009】
しかしながら、フィルムやラベルのような薄型シート状物は、カードと比べて容易に変形可能なものであることから、上述したように側面から挟み込むことができず、カードのように互いに密着しないように保持することができないという問題点がある。
【0010】
また、特許文献2に開示されたもののように、1枚ずつ供給されてくる単片状のシートを螺旋状の回転体の回転によって導いていくものを適用したとしても、複数枚の薄型シート状物が保持された状態においては、複数枚の薄型シート状物が互いに密着しないようにはならない。
【0011】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、薄型シート状物を天地方向に積層した状態で保持する場合に薄型シート状物どうしが密着しないように保持することができるシートストッカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、
薄型シート状物を天地方向に積層した状態で収容可能に構成され、上面側から薄型シート状物が収納される収容部と、
天地方向を螺旋の進行方向とする螺旋部を具備し、該螺旋部が前記収容部の側面から該収容部の内側に突出するように配され、螺旋の中心部を軸として回転する支持部材とを有し、
前記螺旋部は、下方端部が前記収容部の下面よりも少なくとも薄型シート状物1枚分高い位置となっている。
【0013】
上記のように構成された本発明においては、収容部の上面側から薄型シート状物が収容されると、収容部の側面からその内側に支持部材の螺旋部が突出しているため、薄型シート状物は、この支持部材の螺旋部の螺旋面にその端部が搭載されることになる。そして、螺旋部が螺旋の中心部を軸として回転することにより薄型シート状物は収容部の下方に導かれていく。そして、次に収容される薄型シート状物が収容部の上面側から収容されると、同様に、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋面に搭載され、螺旋部の回転に伴って収容部の下方に導かれていく。このようにして、収容部に収容される薄型シート状物は、1枚ずつその端部が支持部材の螺旋部の螺旋面に搭載された状態で収容部に収容されていく。その後、収容部に1番目に収容された薄型シート状物が収容部の下面に導かれると、螺旋部の下方端部が収容部の下面よりも少なくとも薄型シート状物1枚分高い位置となっていることにより、収容部の下面と支持部材の下方端部との間にて収容されることになる。
【0014】
このように、収容部に収容される薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋面に搭載された状態で螺旋部の回転に伴って順次収容部の下方に導かれていき収容され、収容部に1番目に収容された薄型シート状物が、収容部の下面と螺旋部の下方端部との間にて収容され、他の薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋面に1枚ずつ搭載された状態で収容されるので、収容部に収容された薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋ピッチの間隔だけ離れて互いに密着しないように保持されることになる。
【0015】
また、収容部の側面のうち螺旋部の上方端部に対向する領域に、収容部の内側に向かって進退可能な支え部材を設けた構成においては、薄型シート状物が収容部の上面側に供給された際は、支え部材が収容部の内側に向かって進出した状態となり、その後、その薄型シート状物が螺旋部の回転に伴って収容部の下方に導かれる際は、支え部材が収容部の内側から退避した状態となる。これにより、収容部の上面側に供給された薄型シート状物の、支持部材の螺旋部の螺旋面に搭載されていない側の端部が収容部の下方に落ち込んでしまうことがない。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明においては、収容部に収容される薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋面に搭載された状態で螺旋部の回転に伴って順次収容部の下方に導かれていき収容され、収容部に1番目に収容された薄型シート状物が、収容部の下面と螺旋部の下方端部との間にて収容され、他の薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋面に1枚ずつ搭載された状態で収容されるため、収容部に収容された薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋ピッチの間隔だけ離れて保持されることになり、それにより、薄型シート状物を天地方向に積層した状態で、互いに密着しないように保持することができる。
【0017】
また、収容部の側面のうち螺旋部の上方端部に対向する領域に、収容部の内側に向かって進退可能な支え部材を有するものにおいては、薄型シート状物が収容部の上面側に供給された際は、支え部材が収容部の内側に向かって進出した状態となり、その後、その薄型シート状物が螺旋部の回転に伴って収容部の下方に導かれる際は、支え部材が収容部の内側から退避した状態となることにより、収容部の上面側に供給された薄型シート状物の、支持部材の螺旋部の螺旋面に搭載されていない側の端部が収容部の下方に落ち込んでしまうことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のシートストッカの実施の一形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図、(c)は(a)に示した矢印B方向から見た図である。
【図2】図1に示した収容部及び支持部材の詳細な構成を示す図であり、(a)は側面方向から見た図、(b)は上面側から見た図である。
【図3】図1及び図2に示したシートストッカに収容される薄型シート状物の一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレットシートが連続状となった状態を示す図である。
【図4】図3に示したインレットシートが図1及び図2に示したシートストッカに収容される際のシートストッカの動作を説明するための図である。
【図5】図1に示した収容部に収容されたインレットシートが排出機構によって排出されていく動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明のシートストッカの実施の一形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図、(c)は(a)に示した矢印B方向から見た図である。また、図2は、図1に示した収容部10及び収容補助機構20の詳細な構成を示す図であり、(a)は側面方向から見た図、(b)は上面側から見た図である。
【0021】
本形態は図1に示すように、下板42の4隅に立てられた支持柱43上によって上板41が支えられて構成されている。この上板41には、フィルム、あるいは紙や可撓性を有するフィルム基材を用いたラベル等の薄型シート状物を収容する収容部10と、供給された薄型シート状物を収容部10の上面側から下面側に導いていく支持部材となる収容補助機構20とが取り付けられている。また、下板42には、収容部10に収容された薄型シート状物を排出する排出機構30が設けられている。
【0022】
収容部10は、供給された薄型シート状物を天地方向に積層した状態で収納可能に構成されており、上面の全面が開口して上板41に取り付けられ、この開口した上面側から薄型シート状物が収納される。そして、収容部10は、図2に示すように、4つの側面11に囲まれて構成されており、その下面は、4つの側面11のうち対向する2つの側面11に繋がった底部12が設けられており、この底部12以外の領域が開口している。また、収容部10の上面側には、収容部10の側面11のうち、収容補助機構20に対向する側面11から収容部10の内側に向かって進退可能な支え部材となる支え板44が配されている。
【0023】
収容補助機構20は、螺旋軸22とこの螺旋軸22が中心部となるように取り付けられた螺旋部となる螺旋板21とから構成され、螺旋板21の螺旋の進行方向が天地方向となり、収容部10の4つの側面11のうち1つの側面11から収容部10の内側に螺旋板21の一部が突出するように配されて上板41に取り付けられている。また、螺旋板21の下方端部の収容部10の下面からの高さhが、収容部10に収容される薄型シート状物1枚分の厚さと同じものとなっている。また、螺旋板21の上方端部は、収容部10に配された支え板44と対向している。
【0024】
排出機構30は、収容部10に収容された薄型シート状物を最下面のものから1枚ずつ排出するものであって、収容部10にて最下面となって収容された薄型シート状物を吸着する4つの吸引部31と、4つの吸引部31をそれぞれ保持して伸縮自在に構成され、吸引部31に吸着された薄型シート状物を排出機構30の下方に搬送するための4つのアーム32とが支持軸33を中心として回転可能に設けられている。
【0025】
以下に、上記のように構成されたシートストッカ1の動作について説明する。
【0026】
まず、このシートストッカ1に収容される薄型シート状物について説明する。
【0027】
図3は、図1及び図2に示したシートストッカ1に収容される薄型シート状物の一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレットシート2が連続状となった状態を示す図である。
【0028】
図1及び図2に示したシートストッカ1に収容される薄型シート状物としては、例えば、図3に示すようなインレットシート2が考えられる。
【0029】
このインレットシート2は図3に示すように、フィルム基材3上に、2つの導電体部5a,5bが対向して形成されているとともに、この導電体部5a,5bに接続されるようにICチップ4が搭載されて構成されている。そして、カード基材に内蔵されたり、紙やラベル基材に貼着されたりして使用され、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)に近接させることにより、2つの導電体部5a,5bからなるアンテナ5が情報書込/読出装置からの電波に共振して電力が生じ、この電力がICチップ4に供給され、それにより、非接触状態において、情報書込/読出装置からICチップ4に情報が書き込まれたり、ICチップ4に書き込まれた情報が情報書込/読出装置にて読み出されたりする。
【0030】
このようなインレットシート2は、図3(c)に示すように、連続状となって製造され、その後、検査が行われて単片状に断裁される。そして、検査の結果、良品と判定されたもののみが、シートストッカ1に収容されることになる。
【0031】
次に、図3に示したインレットシート2が図1及び図2に示したシートストッカ1に収容される際のシートストッカ1の動作を説明する。
【0032】
図4は、図3に示したインレットシート2が図1及び図2に示したシートストッカ1に収容される際のシートストッカ1の動作を説明するための図である。なお、図4においては、動作をわかりやすくするために、螺旋板21の螺旋ピッチを、収容部10に収容されるインレットシート2の厚さよりもかなり広く図示しているが、実際には、螺旋板21の螺旋ピッチはインレットシート2の厚さよりも若干広いものとなっている。
【0033】
図3(c)に示したような連続状から単片状に断裁され、検査にて良品と判断されたインレットシート2が、収容部10の上面側に供給されてくると、図4(a)に示すように、収容部10の側面11の上面側に配された支え板44が、収容部10の内側に向かって進出し、供給されてきたインレットシート2は、その端部が支え板44と螺旋面となる螺旋板21の上方端部とに搭載されることになる。このように、収容部10の側面11に配された支え板44が収容部10の内側に向かって進出し、供給されてきたインレットシート2の端部が支え板44に搭載されることにより、収容部10の上面側にインレットシート2が供給されてきた際に、このインレットシート2の螺旋板21に搭載されていない側の端部が収容部10の下方に落ち込んでしまうことを回避することができる。
【0034】
インレットシート2が、支え板44と螺旋板21の上方端部に搭載されると、支え板44が収容部10から退避するとともに、螺旋板21が螺旋軸22を中心として螺旋が上方に進むように回転する。すると、図4(b)に示すように、インレットシート2が収容部10の下方に導かれていく。
【0035】
その後、次に収容部10に収容されるインレットシート2が、収容部10の上面側に供給されてくると、図4(c)に示すように、支え板44が収容部10の内側に向かって進出し、供給されてきたインレットシート2が、その端部が支え板44と螺旋板21の上方端部とに搭載される。
【0036】
そして、インレットシート2が、支え板44と螺旋板21の上方端部に搭載されると、上記同様に、支え板44が収容部10から退避するとともに、螺旋板21が螺旋軸22を中心として螺旋が上方に進むように回転し、図4(d)に示すように、インレットシート2が収容部10の下方に導かれていく。
【0037】
このようにして、収容部10に収容されるインレットシート2は、図4(e)に示すように、1枚ずつその端部が螺旋板21に搭載された状態で収容部10の上方から下方に導かれて収容されていく。
【0038】
その後、収容部10に1番目に収容されたインレットシート2が収容部10の下面に導かれると、螺旋板21の下方端部の収容部10の下面からの高さがインレットシート2の1枚分の厚さと同じものとなっていることにより、図4(f)に示すように、収容部10の下面の底部12と螺旋板21の下方端部との間にて収容されることになる。
【0039】
上記のようにインレットシート2が収容部10に1枚ずつ収容されていくことにより、インレットシート2は積層されたような状態で収容部10に収容されることになるが、積層されたような状態となったインレットシート2の端部がそれぞれ螺旋板21に搭載された状態となっているため、収容部10に収容されたインレットシート2を互いに密着しないように保持することができる。
【0040】
なお、上述した支え板44が収容部10に向かって進出/退避するタイミングと、螺旋板21の螺旋軸22を中心とした回転のタイミングとは、インレットシート2が収容部10に供給されてくるタイミングに基づいて設定されている。具体的には、インレットシート2が収容部10に供給されてくるタイミングにおいて、支え板44が収容部10の内側に向かって進出し、インレットシート2の端部が支え板44と螺旋板21とに搭載された後、支え板44が収容部10から退避するとともに、螺旋板21が螺旋軸22を中心に回転するというようにタイミングが制御されている。なお、螺旋板21の螺旋軸22を中心とした回転は、上記タイミングに基づいて間欠動作であってもよいし、連続動作であってもよい。
【0041】
このようにしてインレットシート2が積層された状態で収容部10に収容された後、排出機構30によって、収容部10にて最下面となって収容されたインレットシート2から順次排出されていく。
【0042】
図5は、図1に示した収容部10に収容されたインレットシート2が排出機構30によって排出されていく動作を説明するための図である。なお、以下では、1枚のインレットシート2が排出される動作を説明するが、実際には、4つの吸引部31のそれぞれにてインレットシート2が吸着されて順次排出されていくことが考えられる。
【0043】
収容部10に収容されたインレットシート2が収容部10から排出される場合、まず、図5(a)に示すように、収容部10の下面に対向している吸引部31を支持するアーム32が収容部10に向かう方向に伸びる。
【0044】
そして、図5(b)に示すように、収容部10にて最下面となって収容されたインレットシート2が吸引部31に吸着された状態でアーム32が縮むことにより、収容部10にて最下面となって収容されたインレットシート2が収容部10から排出される。この際、収容部10に収容されたインレットシート2は、互いに密着しないように保持されているため、収容部10にて最下面となって収容されたインレットシート2から1枚ずつ排出される際、静電気によって複数枚のインレットシート2が同時に排出されてしまうことが回避される。また、収容部10の下面においては、収容部10の4つの側面11のうち対向する2つの側面11に繋がった底部12が設けられているため、吸引部31に吸着されたインレットシート2は、収容部10の下面の底部12以外の開口部分から撓みながら排出されていくことになる。そのため、底部12の側面11からの長さは、インレットシート2の硬さに応じて、インレットシート2が撓みながらも収容部10の下面の開口部分から排出可能となる程度とする必要がある。
【0045】
インレットシート2が吸引部31に吸着されて収容部10から排出されると、図5(c)に示すように、排出機構30が支持軸33を中心として回転し、吸引部31に吸着されたインレットシート2が排出機構30の下方に搬送されていく。
【0046】
そして、排出機構30の回転によって、吸引部31に吸着されたインレットシート2が排出機構30の下方に搬送されると、図5(d)に示すように、インレットシート2を吸着している吸引部31を支持するアーム32が伸びるとともに、吸引部31による吸着力が解除され、それにより、インレットシート2が排出機構30の下方に搬送されてきたラベル基材6上に搭載される。
【0047】
このようにして、収容部10に収容されたインレットシート2が、収容部10にて最下面となって収容されたインレットシート2から1枚ずつ順次排出されていくことになる。
【0048】
なお、本形態においては、螺旋軸22に取り付けられた支持部材として螺旋板21を用いたものを例に挙げて説明したが、支持部材としては、螺旋の進行方向が天地方向となり、収容部10の4つの側面11のうち1つの側面11から収容部10の内側にその一部が突出するように配されたものであれば、ばねのような曲線棒状のものであってもよい。その場合においても、収容部10から供給されたインレットシート2は、この曲線棒状を含む螺旋面に搭載され、曲線棒状のものがその螺旋の中心部を軸として回転することによって収容部10の下方に導かれていくことになる。
【0049】
また、本形態においては、収容部10の4つの側面11のうち1つの側面11から収容部10の内側に螺旋板21の一部が突出するように1つの収容補助機構20が配されて上板41に取り付けられているものを例に挙げて説明したが、螺旋板21の一部が収容部10の4つの側面11のうち互いに対向する2つの側面11から突出するように2つの収容補助機構20が配されて上板41に取り付けられていた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 シートストッカ
2 インレットシート
3 フィルム基材
4 ICチップ
5 アンテナ
5a,5b 導電体部
6 ラベル基材
10 収容部
11 側面
12 底部
20 収容補助機構
21 螺旋板
22 螺旋軸
30 排出機構
31 吸引部
32 アーム
33 支持軸
41 上板
42 下板
43 支持柱
44 支え板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型シート状物を天地方向に積層した状態で収容可能に構成され、上面側から薄型シート状物が収納される収容部と、
天地方向を螺旋の進行方向とする螺旋部を具備し、該螺旋部が、前記収容部の側面から該収容部の内側に突出するように配され、螺旋の中心部を軸として回転する支持部材とを有し、
前記螺旋部は、下方端部が前記収容部の下面よりも少なくとも薄型シート状物1枚分高い位置となっているシートストッカ。
【請求項2】
請求項1に記載のシートストッカにおいて、
前記収容部の側面のうち前記螺旋部の上方端部に対向する領域に、前記収容部の内側に向かって進退可能な支え部材を有するシートストッカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−86938(P2012−86938A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234633(P2010−234633)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】