説明

シートバックフレーム

【課題】本体シートのシートバックの骨格をなす本体フレームと、本体シートの幅方向に隣接する補助シートのシートバックの骨格をなす補助フレームとが、部品点数の増加を招くことなく、一体的に構成されるシートバックフレームの提供。
【解決手段】本体シート20のシートバックの骨格をなす本体フレーム20fと、本体シート20の幅方向に隣接する補助シート30のシートバックの骨格をなす補助フレーム30fと、が一体的に構成されるシートバックフレーム14fであって、本体フレーム20fは、幅方向のうち補助シート30側に向けて開口する第1開口部26hが設けられており、補助フレーム30fの端部が第1開口部26hと嵌合する嵌合構成とされており、嵌合構成の部位が溶着結合されて本体フレーム20fと補助フレーム30fが一体的に構成とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートバックフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体シートのシートバックの骨格をなす本体フレームと、この本体シートの幅方向に隣接する補助シートのシートバックの骨格をなす補助フレームとが一体的に構成されるシートバックフレームとして、例えば特許文献1が知られている。図7及び図8(A)(B)に示されているように特許文献1におけるシートバックフレーム114fの本体フレーム120fは、両側に構成される側部骨格122、122と、該側部骨格122、122の上方において架け渡される上部骨格124を有している。そして、この本体フレーム120fの幅方向に隣接して、略L字状の管状部材が連結されることで補助フレーム130fが構成されている。ここで、補助フレーム130fは、中空鋼管を略逆L字形状に折曲した枠体を有している。補助フレーム130fは、本体フレーム120fの肩部に隣接する略逆L字形状の枠体の端部が平坦状にプレス加工された平坦状端部132を有しており、本体フレーム120fの上部骨格124の肩部に溶着結合されている。また、補助フレーム130fは、端部を平坦状にプレス加工した平坦状端部132とするため、かかる連結部分の剛性を確保するために補強プレート150が溶着結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−194289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1におけるシートバックフレーム114fは、本体フレーム120fと補助フレーム130fの連結部分に補強プレート150を設ける必要があり、部品点数が増加するといった改善点を有していた。また、補助フレーム130fの端部は、平坦状端部132とするプレス加工を要する加工コストの増加も懸念される。
【0005】
而して、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、本体シートのシートバックの骨格をなす本体フレームと、該本体シートの幅方向に隣接する補助シートのシートバックの骨格をなす補助フレームとが、部品点数の増加を招くことなく、一体的に構成されるシートバックフレームの提供をすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のシートバックフレームは次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、本体シートのシートバックの骨格をなす本体フレームと、該本体シートの幅方向に隣接する補助シートのシートバックの骨格をなす補助フレームと、が一体的に構成されるシートバックフレームであって、前記本体フレームの少なくとも一部は、第1の管状部材で構成されており、該第1の管状部材は、幅方向のうち補助シート側に向けて開口する第1開口部が設けられており、前記補助フレームの少なくとも一部は、第2の管状部材で構成されており、前記第2の管状部材の端部は、前記第1の管状部材の第1開口部と嵌合する嵌合構成とされており、該嵌合構成の部位が溶着結合されて前記本体フレームと前記補助フレームが一体的に構成されることを特徴とする。
【0007】
この第1の発明によれば、本体フレームの第1の管状部材は、幅方向のうち補助シート側に向けて開口する第1開口部を有している。そして、補助フレームの第2の管状部材の端部が、第1の管状部材の第1開口部と嵌合する嵌合構成とされ、溶着結合されて本体フレームと補助フレームが一体的に構成とされる。
これにより、従来のように補助フレームの端部を平坦状端部とするプレス加工を必要とせず加工コストを抑制することができる。また、補助フレームの端部を従来の平坦状端部とする構造では、シートバックに及ぼされる荷重に対する応力が集中する構造となる。上記構成においては、平坦状端部の構成ではなく、管状部材の構成であるため応力集中し難い構造である。また、補強プレートを設ける必要がないため部品点数の増加を抑制できる。以上より、本体シートのシートバックの骨格をなす本体フレームと、該本体シートの幅方向に隣接する補助シートのシートバックの骨格をなす補助フレームとが、部品点数の増加を招くことなく、一体的に構成されるシートバックフレームの提供をすることができる。
【0008】
次に、第2の発明は、第1の発明において、前記本体フレームは、両側に構成される側部骨格と、該側部骨格の上方において架け渡される上部骨格と、を有しており、前記側部骨格の下部には、前記側部骨格を架け渡す補強ロッドが構成されており、該補強ロッドは、前記側部骨格のうち、前記補助フレーム側に配置構成される側部骨格を貫通して前記補助フレームに当接する位置まで延出されており、前記補強ロッドと補助フレームの当接部分が溶着結合されていることを特徴とする。
【0009】
この第2の発明によれば、側部骨格の下部には、側部骨格を架け渡す補強ロッドが構成されている。この補強ロッドは、側部骨格のうち、補助フレーム側に配置構成される側部骨格を貫通して補助フレームに当接する位置まで延出され、補強ロッドと補助フレームの当接部分が溶着結合されている。そのため、本体フレームと補助フレームの補強ロッドを共有することにより更に部品点数の増加を抑制することができる。
また、シートバックの下部は、シートバックの回転に伴うモーメント荷重が及ぼされるため応力集中しやすい。特に本体フレームと補助フレームの補強ロッドをそれぞれ有する従来構成においては、これら補強ロッドをそれぞれ溶着結合するため、かかる溶着箇所に上記モーメント荷重の応力が集中しやすい構造となっていた。ここで、補強ロッドを共有すると共に、補助フレーム側に配置構成される側部骨格を貫通する構成とすることで溶着結合する部位を少なくすることができ、上記モーメント荷重の応力集中を抑制することができる。また、補強ロッドは、部品点数を抑制しつつ太い部材を容易に適用することができる。そのため、補強ロッドに太い部材を適用することで本体フレーム、補助フレーム共に剛性の向上を図ることができる。これにより、シートバック全体の剛性向上を図ることができる。
【0010】
次に、第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記第2の管状部材の端部と、前記第1の管状部材の第1開口部の溶着結合が設けられる部位は、前記本体フレームの両側に構成される側部骨格の上方において架け渡される上部骨格側であることを特徴とする。
【0011】
この第3の発明によれば、シートバックの下部は、シートバックの回転に伴うモーメント荷重が及ぼされて応力集中しやすい部位であるため、上記した第2の管状部材の端部と、第1の管状部材の第1開口部の溶着結合が設けられる部位は、本体フレームの両側に構成される側部骨格の上方において架け渡される上部骨格側に構成することで、応力集中を抑制しつつ、部品点数の抑制を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上記各発明の手段をとることにより、本体シートのシートバックの骨格をなす本体フレームと、該本体シートの幅方向に隣接する補助シートのシートバックの骨格をなす補助フレームとが、部品点数の増加を招くことなく、一体的に構成されるシートバックフレームの提供をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係るシートバックフレームを適用した車両用シートの概略構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係るシートバックフレームの全体斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係るシートバックフレームの分解斜視図である。
【図4】図2のIV部の部分拡大図である。
【図5】図2のV部の部分拡大図である。
【図6】本発明の実施例2に係るシートバックフレームの全体斜視図である。
【図7】従来のシートバックフレームを示した正面図である。
【図8】従来のシートバックフレームの本体フレームと補助フレームの結合構成を示した部分拡大図である。(A)図は、本体フレームと補助フレームの結合構成を示した部分拡大図である。(B)図は、(A)図のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
始めに、実施例1のシートバックフレームの構成について、図1〜図5を用いて説明する。
なお、本発明は、シートバックフレーム14fであることから、シートバックフレーム14f以外の部分については特に変更を要しないので詳細な説明は省略することがある。図1は、図示上右側の幅狭シートバック18は、シートの全体図を示し、図示上左側の幅広シートバック16は、幅広シートバックフレーム16fの構成を明確にするためにヘッドレスト、シートバックは仮想線で示し、パッド部材および表皮の構成については、図示を省略している。
【0016】
図1に図示されるように、本発明の実施例1に係るシートバックフレーム14fを適用した車両用シート10は、車両の1列目から3列目に配設される座席の何れにおいても採用されるものである。なお、本実施例1におけるシートバックフレーム14fは、車両の2列目に配設される後部座席における構成を示す。
図1に図示されるように、車両用シート10は、主に着座者の着座部となるシートクッション12と、着座者の背凭れとなるシートバック14と、着座者の頭もたれとなるヘッドレスト40を主体として構成されている。またシートバック14の横幅は、たとえば6:4に分割して形成されており、幅の広い幅広シートバック(2人用シート)16と幅の狭い幅狭シートバック(1人用シート)18が構成されている。
幅広シートバック16と幅狭シートバック18は、いずれも下端に配置構成されるリクライニング機構Rによって個別に前倒し可能となっている。図示は省略するが、車両用シート10は、幅広シートバック16と幅狭シートバック18が前倒しすることで車両用シート10をコンパクトな姿勢状態として格納し、車両用シート10の設置されていたスペースを空けて荷室スペースとして利用できるような構成となっている。
【0017】
幅広シートバック(2人用シート)16は、本体シート20と、この本体シート20の幅方向に隣接する補助シート30が一体的とされて幅広に構成されている。
図1、2に図示されるように、幅広シートバック16に内蔵される幅広シートバックフレーム16fは、金属板部材及び金属パイプが適宜に折曲加工、絞り加工されて全体が幅広な矩形の枠状に構成されており、本体フレーム20fと、補助フレーム30fと、が一体的に結合されている。
ここで、本体フレーム20fは、本体シート20のシートバック部位の骨格をなすフレームである。補助フレーム30fは、補助シート30のシートバック部位の骨格をなすフレームであり、本体シート20の本体フレーム20fの幅方向に隣接して結合されている。
【0018】
図2、3に図示されるように、本体フレーム20fは、両側に構成される側部骨格22、22と、側部骨格22、22の上方において架け渡される上部骨格24と、側部骨格22、22の下部を架け渡す補強ロッド29を有している。
側部骨格22は、帯板状の金属板部材が絞り加工されて左右一対に構成されている。側部骨格22は、上部骨格24を嵌め込み可能に上方側が絞り加工されている。
上部骨格24は、第1パイプフレーム26(第1の管状部材)と第2パイプフレーム28を備えている。
【0019】
図2、3に図示されるように、第1パイプフレーム26は、中空鋼管を略逆L字形状に折曲して形成されており、左右の側部骨格22、22の上方において架け渡される第1上辺部位26uと、一方の側部骨格22(幅方向のうち補助シート30側とは反対側に配設される側部骨格22)に繋がる第1側辺部位26sとが構成されている。
第1パイプフレーム26の第1側辺部位26sの下端は、一方の側部骨格22(幅方向のうち補助シート30側とは反対側に配設される側部骨格22)に嵌めこまれた状態で溶着結合される。
【0020】
図2、3、4に図示されるように、第1パイプフレーム26の第1上辺部位26uは、後述する補助フレーム30fに向かって延出して左右の側部骨格22、22の上方において架け渡される。この第1パイプフレーム26の第1上辺部位26uの端部は、幅方向のうち補助シート30側に向けて開口する第1開口部26hが設けられている。この第1パイプフレーム26の第1開口部26hは、第2パイプフレーム28に対し、後述する補助フレーム30fに向かって突き出す第1突出部位26tが形成されている。この第1突出部位26tは、後述する補助フレーム30fとの溶着結合の部位を確保するとともに、かかる溶着結合の部位の剛性を図るために構成されている。また、第1パイプフレーム26の第1上辺部位26uには、中空鋼管からなる一対のステーホルダー42が溶着されている。このステーホルダー42は、図1に示すようにヘッドレスト40を昇降可能に保持するためのものである。
【0021】
図2、3に図示されるように、第2パイプフレーム28は、中空鋼管が直線形状に形成されており、上端が第1パイプフレーム26の第1上辺部位26uの第1開口部26hの下部位置において溶着結合されている。また第2パイプフレーム28の下端は、側部骨格22(幅方向のうち補助シート30側に配設される側部骨格22)に嵌めこまれた状態で溶着結合されている。
【0022】
図2、3、5に図示されるように、補強ロッド29は、側部骨格22の下部を架け渡す部材であり、幅広シートバック16(図1参照)の下端部の剛性を担っている。
補強ロッド29は、中空鋼管が直線形状に形成されている。側部骨格22、22には、補強ロッド29が連通する貫通孔22h、22hが形成されている。補強ロッド29は、左右の側部骨格22、22の貫通孔22h、22hに挿通されて溶着固定されている。また、補強ロッド29は、側部骨格22、22のうち、後述する補助フレーム30f側に配置構成される側部骨格22を貫通して補助フレーム30fに当接する位置まで延出可能な長さに形成されている。そして、補強ロッド29と補助フレーム30fの当接部分が溶着固定される。
【0023】
図2、3に図示されるように、補助フレーム30f(第2の管状部材)は、中空鋼管を略逆L字形状に折曲して形成されている。補助フレーム30fは、第1パイプフレーム26の第1開口部26hと嵌合する第2上辺部位30uと、第2上辺部位30uから補強ロッド29まで延出する第2側辺部位30sとが構成されている。また、第2上辺部位30uには、第1パイプフレーム26の第1上辺部位26uと同様に中空鋼管からなる一対のステーホルダー42が溶着されている。
【0024】
図4に図示されるように、本体フレーム20fにおける第1パイプフレーム26の径26dと、補助フレーム30fの径30dは、第1パイプフレーム26の径26dの方が大径に設定される。
これは、車両用シート10は、着座者が本体シート20に着座する頻度と、補助シート30に着座する頻度を鑑みると、本体シート20に着座する頻度が高い。そのため、かかる本体シート20側の剛性を補助シート30の剛性より高く設定することに基づくものである。
【0025】
図3、4に図示されるように、補助フレーム30fの第2上辺部位30uの端部30gは、スエージング加工(絞り加工)によって段付き形状に形成され、本体フレーム20fにおける第1パイプフレーム26の第1開口部26hに嵌合可能に形成されている。そして、補助フレーム30fの第2上辺部位30uの端部30gが、第1パイプフレーム26の第1開口部26hに嵌め込まれた上で溶着結合される。
また、図5に図示されるように補助フレーム30fの第2側辺部位30sと補強ロッド29の当接部分が溶着結合される。こうして、本体フレーム20fと補助フレーム30fが一体的に構成される。
【0026】
このように、本実施例1のシートバックフレーム14fによれば、本体フレーム20fの第1パイプフレーム26(第1の管状部材)は、幅方向のうち補助シート30側に向けて開口する第1開口部26hを有している。そして、補助フレーム30fの端部30gが、第1パイプフレーム26の第1開口部26hと嵌合する嵌合構成とされ、溶着結合されて本体フレーム20fと補助フレーム30fが一体的に構成とされる。
これにより、従来のように補助フレーム30fの端部30gを平坦状端部とするプレス加工を必要とせず加工コストを抑制することができる。また、補助フレームの端部を従来の平坦状端部とする構造では、シートバックに及ぼされる荷重に対する応力が集中する構造となる。上記構成においては、平坦状端部の構成ではなく、中空鋼管の管状部材の構成であるため応力集中し難い構造である。また、補強プレートを設ける必要がないため部品点数の増加を抑制できる。以上より、本体シート20のシートバック部位の骨格をなす本体フレーム20fと、本体シート20の幅方向に隣接する補助シート30のシートバック部位の骨格をなす補助フレーム30fとが、部品点数の増加を招くことなく、一体的に構成されるシートバックフレーム14fを提供できる。
【0027】
また、側部骨格22の下部には、側部骨格22を架け渡す補強ロッド29が構成されている。この補強ロッド29は、側部骨格22のうち、補助フレーム30f側に配置構成される側部骨格22を貫通して補助フレーム30fに当接する位置まで延出され、補強ロッド29と補助フレーム30fの当接部分が溶着結合されている。そのため、本体フレーム20fと補助フレーム30fの補強ロッド29を共有することにより更に部品点数の増加を抑制することができる。
また、シートバック14の下部は、シートバック14の回転に伴うモーメント荷重が及ぼされるため応力集中しやすい。特に本体フレーム20fと補助フレーム30fのそれぞれに従来補強ロッドをそれぞれ有する従来構成では、これら従来補強ロッドをそれぞれ溶着結合するため、かかる溶着箇所に上記モーメント荷重の応力が集中しやすい構造となっていた。ここで、上記構成のように補強ロッド29を共有すると共に、補助フレーム30f側に配置構成される側部骨格22を貫通する構成とすることで溶着結合する部位を少なくすることができ、上記モーメント荷重の応力集中を抑制することができる。また、補強ロッド29は、部品点数を抑制しつつ太い部材を容易に適用することができる。そのため、補強ロッド29に太い部材を適用することで本体フレーム20f、補助フレーム30f共に剛性の向上を図ることができる。これにより、シートバック14全体の剛性向上を図ることができる。
また、幅広シートバック16、幅狭シートバック18共に側部骨格22を共有することができる。また、幅広シートバック16、幅狭シートバック18の製作時においては、組立治具の共用も可能となるため更なるコスト低減となり得る。
【0028】
また、シートバック14の下部は、シートバック14の回転に伴うモーメント荷重が及ぼされて応力集中しやすい部位であるため、上記した補助フレーム30f(第2の管状部材)の端部30gと、第1の第1パイプフレーム26(第1の管状部材)の第1開口部26hの溶着結合が設けられる部位は、本体フレーム20fの両側に構成される側部骨格22の上方において架け渡される上部骨格24側に構成することで、応力集中を抑制しつつ、部品点数の抑制を図ることができる。
【実施例2】
【0029】
次に、この発明の実施例2に係るシートバックフレーム214fを図6にしたがって説明する。すなわち、本発明に係るシートバックフレームの補助フレーム構成は、適宜変更ができるものである。図6に図示されるように、実施例2に係る幅広シートバックフレーム216fの補助フレーム230fは、中空鋼管を略逆U字形状に折曲した形状とされている。
具体的には、補助フレーム230fは第2側辺部位230sの下端部から本体フレーム220fの側部骨格22に向かって延出する下辺部位230wを構成している。
なお、補強ロッド229は、本体フレーム220fの側部骨格22、22間を架け渡すだけの長さに形成されている。また、補強ロッド229は、幅方向のうち補助シート30側に向けて開口する第2開口部229hが設けられている。さらに、補強ロッド229は、側部骨格22の貫通孔22hから補助フレーム230fに向かって突き出した第2突出部位229tが形成されている。
補助フレーム230fの第2上辺部位230uの端部230gは、実施例1の補助フレーム30fの第2上辺部位30uの端部30gと同様に、スエージング加工(絞り加工)によって段付き形状に形成されている。また、補助フレーム230fの下辺部位230wの端部230yは、第2上辺部位230uの端部230gと同様に、スエージング加工(絞り加工)によって段付き形状に形成され、補強ロッド229に構成される第2開口部229hに嵌合可能に形成されている。
そして、補助フレーム230fの第2上辺部位230uの端部230gが、第1パイプフレーム26の第1開口部26hに嵌め込まれた上で溶着結合される。また、補助フレーム230fの下辺部位230wの端部230yが、補強ロッド229の第2開口部229hに嵌め込まれた上で溶着結合される。
なお、その他の構成は実施例1と同様である。以上より、本実施例2のシートバックフレームは、実施例1と同一の機能を果たし、同一の作用、効果を得ることができる。
さらに、補強ロッド229は、幅広シートバック216、幅狭シートバック18を共用することができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態を実施例1、2を用いて説明したが、本発明は上記実施例1、2のほか各種の形態で実施できるものである。
例えば、本実施例1、2においては、補助フレーム30fの第2上辺部位30uの端部30g、補助フレーム230fの第2上辺部位230uの端部230g、下辺部位230wの端部230yは共に、スエージング加工によって段付き形状の構成について説明したが、段付き形状に限定されるものではなく、各第1開口部26h、第2開口部229hに嵌合可能であれば先細り形状のような構成であってもよいし、段付き形状や先細り形状が無い構成でもよい。
【0031】
また、補助フレーム30f、230fの径は、第1パイプフレーム26の径26dの方が大径に設定される構成について示したが、補助フレーム30f、230fの端部30g、230g、230yが本体フレーム20f、220fに嵌合可能な構成であれば同径の構成であってもよい。
【0032】
また、本体フレーム20fと補助フレーム30fの嵌合構成は、逆の構成であってもよい。また、本体フレーム220fと補助フレーム230fの嵌合構成も同様である。
【符号の説明】
【0033】
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
14f シートバックフレーム
16 幅広シートバック
16f 幅広シートバックフレーム
18 幅狭シートバック
20 本体シート
20f 本体フレーム
22 側部骨格
22h 貫通孔
24 上部骨格
26 第1パイプフレーム(第1の管状部材)
26d 第1パイプフレームの径
26s 第1側辺部位
26u 第1上辺部位
26h 第1開口部
26t 第1突出部位
28 第2パイプフレーム
29 補強ロッド
30 補助シート
30f 補助フレーム
30d 補助フレームの径
30s 第2側辺部位
30u 第2上辺部位
30g 第2上辺部位の端部
40 ヘッドレスト
42 ステーホルダー
214f シートバックフレーム
216 幅広シートバック
216f 幅広シートバックフレーム
220f 本体フレーム
229 補強ロッド
229h 第2開口部
229t 第2突出部位
230f 補助フレーム
230s 第2側辺部位
230u 第2上辺部位
230g 第2上辺部位の端部
230w 下辺部位
230y 下辺部位の端部
R リクライニング機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体シートのシートバックの骨格をなす本体フレームと、該本体シートの幅方向に隣接する補助シートのシートバックの骨格をなす補助フレームと、が一体的に構成されるシートバックフレームであって、
前記本体フレームの少なくとも一部は、第1の管状部材で構成されており、
該第1の管状部材は、幅方向のうち補助シート側に向けて開口する第1開口部が設けられており、
前記補助フレームの少なくとも一部は、第2の管状部材で構成されており、
前記第2の管状部材の端部は、前記第1の管状部材の第1開口部と嵌合する嵌合構成とされており、
該嵌合構成の部位が溶着結合されて前記本体フレームと前記補助フレームが一体的に構成されることを特徴とするシートバックフレーム。
【請求項2】
請求項1に記載のシートバックフレームであって、
前記本体フレームは、両側に構成される側部骨格と、該側部骨格の上方において架け渡される上部骨格と、を有しており、
前記側部骨格の下部には、前記側部骨格を架け渡す補強ロッドが構成されており、
該補強ロッドは、前記側部骨格のうち、前記補助フレーム側に配置構成される側部骨格を貫通して前記補助フレームに当接する位置まで延出されており、
前記補強ロッドと補助フレームの当接部分が溶着結合されていることを特徴とするシートバックフレーム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシートバックフレームであって、
前記第2の管状部材の端部と、前記第1の管状部材の第1開口部の溶着結合が設けられる部位は、前記本体フレームの両側に構成される側部骨格の上方において架け渡される上部骨格側であることを特徴とするシートバックフレーム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−85601(P2013−85601A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226738(P2011−226738)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】