説明

シート供給機構、プリンタ、及びシート供給方法

【課題】シートがシートロールの周面に沿って戻されずに印字手段とシートロールとの間でたわむことを防ぎ、シートの供給動作の信頼性の向上を図る。
【解決手段】印字ヘッド8によって印字されるシート3bが巻回されたシートロール3からシート3bを供給するときのシートロール3の回転方向を検出するための第1の検出部15、及びシート3bを供給するシートロール3の回転速度を検出するための第2の検出部16と、シートロール3から供給されたシート3bの搬送経路上に配されシートロール3に向かってバックフィードされるシート3bの厚み方向の位置を規制するセンターリブ17と、シートロール3から供給されるシート3bに対してセンターリブ17を移動する移動機構18と、第1の検出部15及び第2の検出部16からの検出結果に基づいて移動機構18を制御する制御回路19と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字されるシートが巻回されたシートロールからシートを供給するためのシート供給機構、シート供給機構を備えるプリンタ、及びシート供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品等に貼付されるラベルに印字を行うプリンタとしては、印字ヘッドとプラテンローラとの間に挟んだラベルに印字ヘッドによって印字する印字機構と、複数のラベルが配列されたシートが巻回されたシートロールからシートを印字機構に供給するシート供給機構と、を備えるプリンタが知られている。また、印字機構は、シートロールから供給されたラベルの位置を検出するラベル位置センサを有しており、ラベル位置センサの検出結果に基づいてシートのラベルに印字を行っている。
【0003】
この種のプリンタでは、シートロールをプリンタに装着して使用するときに、ラベルの印字位置や印字状態の確認が行われている。このような場合、シートロールから供給されたシートのラベルに印字を行った後、一旦、排出口からラベルが排出され、印字されたラベルを有するシートの部分が、シートから切断されて、ラベルの印字位置や印字状態が確認される。その後、排出口まで搬送されたシートは、シートロールに向かって送り戻され(以下、バックフィードされ)、シートロールから供給されるシートのラベルに対して印字が行われる。
【0004】
プリンタのシート供給機構は、排出口まで搬送されたシートがシートロールに向かってバックフィードされるときに、シートの印字される面の裏面側に配置されていることで、シートロールの周面に沿って戻されるシートの位置を規制するセンターリブを備えている。センターリブは、シートの搬送経路における、印字機構とシートロールとの間に配置されており、シートロールに向かって移動するシートが、シートロールの周面から大きく離れないように位置を規制することで、シートをシートロールの周面に向かって案内する機能を奏している。
【0005】
シートロールに向かってバックフィードされたシートが、シートロールの周面に沿って戻らない場合、印字機構とシートロールの間でシートがたわんでしまい、この状態でシートの供給を開始したときに、たわんだ部分のシートのラベルが、上述のラベル位置センサで検出されずに搬出され、シートのラベルに印字が行われない、いわゆるページ飛ばし現象が起きる場合がある。
【0006】
また、プリンタで用いられるシートロールとしては、シートの印字される面を内側に向けて巻回された内巻き型のシートロールと、シートの印字される面を外側に向けて巻回された外巻き型のシートロールがある。このような外巻き型と内巻き型のシートロールの両方に対応することができるプリンタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
プリンタに装着されたシートロールが外巻き型と内巻き型のどちらであるかによって、シートロールから引き出されるシートの位置や搬送経路が異なってしまう。このため、特許文献1に記載のプリンタでは、外巻き用のセンターリブと、内巻き用のセンターリブとを備えており、使用するシートロールが外巻き型か内巻き型かに応じて、ユーザが外巻き用と内巻き用のセンターリブを交換可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−119815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のプリンタにおいても、使用するシートロールが外巻き型か内巻き型かに応じて、センターリブの交換が行われなかった場合には、シートロールに向かってバックフィードされたシートが、印字機構とシートロールとの間でたわんでしまい、シートロールの周面に沿って戻されない場合もある。
【0010】
また同様に、シートロールが外巻き型か内巻き型かに応じて専用のセンターリブに交換された場合であっても、シートの使用に伴ってシートロールの巻き径(直径)が変化するので、シートロールの巻き径の変化に伴ってシートロールから引き出されるシートの位置や搬送経路が徐々に変化してしまう。このため、シートロールから引き出されるシートと、センターリブとの相対位置が変化し、シートロールの周面に向かってバックフィードされるシートが規制部材によって十分に規制されずに、シートロールに向かってバックフィードされたシートが、印字機構とシートロールとの間でたわんでしまい、シートロールの周面に沿って戻されない場合がある。
【0011】
このようにシートロールの周面に沿って戻されない場合には、上述したページ飛ばし現象が発生してしまう問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、上記関連する技術の課題のいずれかを解決することができるシート供給機構、プリンタ、及びシート供給方法を提供することを目的とする。本発明の目的の一例は、シートがバックフィードされたときに、シートがシートロールの周面に沿って戻されずに印字手段とシートロールとの間でたわむことを防ぎ、シート供給動作の信頼性を向上することができるシート供給機構、プリンタ、及びシート供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成するため、本発明に係るシート供給機構は、印字手段によって印字されるシートが巻回されたシートロールからシートを供給するときのシートロールの回転方向を検出するための第1の検出手段と、シートロールから供給されたシートの搬送経路上に配されシートロールに向かってバックフィードされるシートの厚み方向の位置を規制する規制部材と、シートロールから供給されるシートに対して規制部材を移動する移動手段と、第1の検出手段からの検出結果に基づいて移動手段を制御する制御手段と、を備える。
【0014】
また、本発明に係るプリンタは、本発明に係るシート供給機構と、シート供給機構から供給されたシートに印字する印字手段と、を備える。
【0015】
また、本発明に係るシート供給方法は、印字手段によって印字されるシートが巻回されたシートロールからシートを供給するときのシートロールの回転方向に応じて、シートロールに向かってバックフィードされるシートの厚み方向の位置を規制する規制部材を移動する、シートの供給方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シートロールが外巻き型及び内巻き型のいずれであるかに応じてシートロールから供給されるシートに対して規制部材が移動されることで、シートロールに向かってバックフィードされるシートが、印字手段とシートロールとの間でたわむことを防ぎ、シート供給動作の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態のプリンタを示す断面図である。
【図2】実施形態のプリンタにおいて外巻き型のシートロールからシートを供給する状態を示す断面図である。
【図3】実施形態のプリンタにおいて内巻き型のシートロールからシートを供給する状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1に、実施形態のプリンタの断面図を示す。
【0020】
図1に示すように、実施形態のプリンタ1は、印字される複数のラベル3aが配列されたシート3bが巻回されているシートロール3が用いられる。実施形態のプリンタ1では、外巻き型及び内巻き型のシートロール3の両方を使用することが可能とされている。
【0021】
実施形態のプリンタ1は、シート3b上のラベル3aに印字する印字機構6と、印字機構6に向かってシート3bを供給するシート供給機構7と、を備えている。また、プリンタ1は、シートが折り畳まれた、いわゆるファンフォールド紙からシートを供給するための供給口5aと、印字機構6によって印字されたシートを排出する排出口5bと、を備えている。
【0022】
印字機構6は、印字手段としての印字ヘッド8と、インクリボンカートリッジ11が装着されるカートリッジ装着部9と、印字ヘッド8との間にシート3b及びインクリボン11aを挟むプラテンローラ10と、を備えている。
【0023】
シート供給機構7は、シートロール3が装着される装着部14と、シート3bが巻回されたシートロール3からシート3bを供給するときのシートロール3の回転方向を検出するための第1の検出手段としての第1の検出部15と、シート3bを供給するシートロール3の回転速度を検出するための第2の検出手段としての第2の検出部16と、を備えている。
【0024】
シート供給機構7は、シートロール3に向かってバックフィードされるシート3bの厚み方向の位置を規制するための規制部材としてのセンターリブ17と、シートロール3から供給されるシート3bの厚み方向に対してセンターリブ17の位置を移動するための移動手段としての移動機構18と、第1及び第2の検出部15、16からの検出結果に基づいて、移動機構18を制御する制御手段としての制御回路19と、を備えている。
【0025】
第1の検出部15は、シートロール3と一体的に回転する検出用レバー15aと、検出用レバー15aによって作動される一組のスイッチ15b、15cと、を有している。検出用レバー15aは、シートロール3と一体的に回転する回転軸に固定されている。スイッチ15b,15cとしては、機械的または光学的なマイクロスイッチが用いられる。
【0026】
2個のスイッチ15b、15cは、シートロール3の回転方向に沿って位置をずらして配置されており、2個のスイッチ15b、15cのどちらによって先に回転が検出されたかを識別することで、シートロール3の回転方向を判定する。シート3bを供給するときのシートロール3の回転方向に基づいて、制御回路19は、シートロール3が外巻き型か内巻き型かを判定する。
【0027】
シートロール3が外巻き型と内巻き型のいずれであるかを検出するまでのセンターリブ17の初期位置(ホームポジション)は、外巻き型と内巻き型の両方に対応できるような位置、例えば内巻き型に対応する位置に設定されている。センターリブ17は、シートロール3を交換する毎に、移動機構18によって初期位置に復帰されて、初期位置で待機する。
【0028】
なお、シートロール3の回転方向を一度検出した後、例えば電源オフやカバーを開くなどの動作によって、プリンタ1にてシートロール3が交換されたと認識するまでの間は、シートロール3の回転に伴って1回転毎に1回ずつ、検出用レバー15aがスイッチ15b、15cで検出されるが、そのまま無検出として処理する、つまりスイッチ15b、15c自体は信号を出力するが、その信号を無視するように構成されている。
【0029】
第2の検出部16は、シートロール3の回転軸に固定されたギア部(不図示)と、ギア部に噛み合わされた検出用ギア16aと、検出用ギア16aの回転を検出するロータリエンコーダ16bとを有している。ロータリエンコーダ16bは、検出用ギア16aに固定された回転板16cと、回転板16cの回転を検出する光学センサ16dとを有している。回転板16cは、外周部に沿って複数の穴が並んで形成されており、光学センサ16dを構成する一対の発光素子と受光素子の間に、外周部が移動可能に配置されている。光学センサ16dによって、回転板16cによる光の通過、遮断を検出することで、回転板16cを介してシートロール3の回転速度(回転数)を検出する。制御回路19は、第2の検出部16が検出したシートロール3の回転速度に基づいて、シートロール3の巻き径を算出する。
【0030】
また、第2の検出部16のロータリエンコーダとして、位相が異なる2種類のパルスを出力する構造のものを利用することで、シートロール3の回転方向を検出することも可能である。このため、第1及び第2の検出部15、16は、共通のロータリエンコーダが用いられてもよく、プリンタ1の構成を簡素化することができる。この構成の場合も上述と同様に、ロータリエンコーダは、シートロール3の回転方向を検出することによって、シートロール3が内巻き型と外巻き型のどちらであるかを検出する。
【0031】
センターリブ17は、シートロール3から供給されたシート3bの搬送経路上に配されており、シート3bがシートロール3に向かってバックフィードされるときにシートロール3の周面に対するシート3bの位置を規制することで、バックフィードされたシート3bをシートロール3の周面に沿ってスムーズに案内する。
【0032】
また、センターリブ17に対してシート3bの搬送方向の下流側には、印字ヘッド8とプラテンローラ10との間にシート3bを案内するためのガイドリブ21が固定されて設けられている。
【0033】
移動機構18は、センターリブ17に設けられたラック22と、ラック22を移動するためのステッピングモータ23と、を有している。ステッピングモータ23は、回転軸に設けられたピニオン24がラック22に噛み合わされている。移動機構18は、ステッピングモータ23によってラック22を移動させることで、センターリブ17を移動させる。
【0034】
また、移動機構18は、センターリブ17の位置を検出する第3の検出手段としての光学センサ25を有している。センターリブ17には、初期位置を検出するためのスリットが形成された遮光板26が設けられている。遮光板26は、光学センサ25を構成する受光素子と発光素子との間に移動可能に配置されている。
【0035】
また、移動機構18は、シートロール3の巻き方向や回転速度を検出後(シート3bに印字しているときなど)にセンターリブ17を移動させることによって、シートロール3に向かってバックフィードされるシート3bに対応するようにセンターリブ17を移動する。制御回路19は、シートロール3に向かってシート3bをバックフィードする方向が、シートロール3の周面からシート3bを供給するときの搬送経路に沿うように、移動機構18を制御する。これによって、シートロール3に戻されるシート3bは、シートロール3が外巻き型と内巻き型のどちらであるかに応じて、シートロール3の周面に沿って戻される。
【0036】
さらに、制御回路19は、シートロール3に向かってシート3bをバックフィードする方向が、シートロール3の周面に接する接線に対して、シートロール3の径方向の外側近傍に向かうように、移動機構18を制御する。これによって、バックフィード時に、シート3bがシートロール3に当接してシートロール3近傍でたわむことが避けられ、シートロール3の周面に沿ってシート3bをスムーズに戻すことができる。なお、シートロール3の周面に向かって戻されるシート3bが、シートロール3の径方向の外側に極端に大きく離れた方向に向かうようにすると、センターリブ17によってシート3bを戻す方向を大きく変える必要があるが、センターリブ17の設置スペースを十分に確保できない場合、急角度での方向変化が必要になる。その場合、センターリブ17の形状を十分に工夫していても、シート3bがセンターリブ17に衝突し、印字機構6とシートロール3との間でたわんでしまい、ページ飛ばし現象が起きるおそれがあるので、好ましくない。
【0037】
センターリブ17は、例えば、外巻き型のシートロール3の巻き径の変化に対応する第1位置及び第2位置と、内巻き型のシートロール3の巻き径の変化に対応する第3位置(初期位置)及び第4位置とを含む4つの位置に段階的に移動可能に構成されている。なお、センターリブ17は、5つ以上の位置に移動されるように構成されてもよいことは勿論である。また、必要に応じて、センターリブ17は、シートロール3の巻き径の変化に応じて、無段階で連続的に移動可能に構成されてもよい。この場合には、バックフィードされるシート3bの厚み方向の位置を更に精度良く規制することが可能になる。
【0038】
また、実施形態のプリンタ1は、印字ヘッド8によって印字されるラベル3aの位置を検出するための第1及び第2のラベル位置センサ(不図示)を備えている。第1のラベル位置センサとしては、透過型の光学センサが用いられており、ラベル3aとシート3bの透過率の違いに基づいてラベル3bの位置を検出する。第2のラベル位置センサとしては、反射型の光学センサが用いられており、シート3bの裏に印刷された線による反射率の変化に基づいて、ラベル3bの位置を検出する。例えば光が透過しないシートを用いる場合には、第2のラベル位置センサが用いることで、ラベル3aの位置を検出することが可能である。このように使用するシートロール3の仕様に応じて、第1のラベル位置センサと第2のラベル位置センサのいずれかが選択的に用いられる。
【0039】
以上のように構成されたプリンタ1について、シートロール3の回転方向及び巻き径の変化に応じて、センターリブ17の位置を変化させる動作を説明する。
【0040】
図2に、実施形態のプリンタ1において外巻き型のシートロール3からシート3bを供給する状態の断面図を示す。図3に、実施形態のプリンタ1において内巻き型のシートロール3からシート3bを供給する状態の断面図を示す。
【0041】
まず、プリンタ1は、外巻き型のシートロール3を用いる場合、図2に示すように、シート3bを供給するときにシートロール3が矢印A方向に回転することが、第1の検出部15によって検出される。また、第2の検出部16は、シート3bを供給するシートロール3の回転速度を検出する。
【0042】
制御回路19は、第1の検出部15及び第2の検出部16の検出結果に基づいて、移動機構18によってセンターリブ17を移動させる。移動機構18によって、センターリブ17は、初期位置から、外巻き型のシートロール3に対応する2つの位置のうち、使用開始直後の直径が大きな外巻き型のシートロール3に対応する第1位置に移動される。第2の検出部16は、シートロール3の回転速度の検出を続ける。
【0043】
そして、シートロール3の使用に伴ってシートロール3の巻き径が変化し、第2の検出部16によって、シートロール3が所定の回転速度以上になったことが検出される。このとき、移動機構18によって、センターリブ17は、第1位置から、直径が小さな外巻き型のシートロール3に対応する第2位置に移動される。
【0044】
次に、外巻き型のシートロール3を用いる場合と同様に、プリンタ1は、内巻き型のシートロール3を用いる場合、図3に示すように、シート3bを供給するときにシートロール3が矢印B方向に回転することが、第1の検出部15によって検出される。また、第2の検出部16は、シート3bを供給するシートロール3の回転速度を検出する。
【0045】
制御回路19は、第1の検出部15及び第2の検出部16の検出結果に基づいて、移動機構18によってセンターリブ17を移動させる。移動機構18によって、センターリブ17は、内巻き型のシートロール3に対応する2つの位置のうち、使用開始直後の直径が大きな内巻き型のシートロール3に対応する第3位置でもある初期位置に保たれる。第2の検出部16は、シートロール3の回転速度の検出を続ける。
【0046】
そして、シートロール3の使用に伴ってシートロール3の巻き径が変化し、第2の検出部16によって、シートロール3が所定の回転速度以上になったことが検出される。このとき、移動機構18によって、センターリブ17は、第3位置(初期位置)から、直径が小さな内巻き型のシートロール3に対応する第4位置に移動される。
【0047】
以上のように、プリンタ1では、シートロール3からシート3bを印字機構6に向かって搬送するときに、移動機構18によってセンターリブ17を移動させることで、シートロール3に向かってバックフィードされるシート3bに対応する位置にセンターリブ17を予め移動させている。シート3bがバックフィードされるときに、シート3bがセンターリブ17に当接することによって、シートロール3の周面に向かうシート3bの方向が規制されている。なお、シート3bのバックフィードは、制御回路19によって自動で行われる。
【0048】
上述したように、実施形態のプリンタ1によれば、シートロール3の回転方向を検出する第1の検出部15及びシートロール3の回転速度を検出する第2の検出部16の検出結果に基づいて、センターリブ17が移動される。これによって、センターリブ17は、シートロール3が外巻き型及び内巻き型のいずれであるかに応じて、またはシートロール3の巻き径の変化に応じて、シート3bに対して適切な自動的に移動される。したがって、シートロール3が外巻き型及び内巻き型のいずれであっても、またシートロール3の巻き径の変化にかかわらずに、シートロール3に向かってバックフィードされるシート3bが、印字機構6とシートロール3との間でたわむことを防ぐことができる。その結果、実施形態のプリンタ1によれば、シート3bのバックフィードが行われた場合であっても、シート3bのページ飛ばしを防ぐことが可能になり、シート3bの供給動作の信頼性を向上することができる。
【0049】
また、プリンタ1によれば、シートロール3が外巻き型と内巻き型のどちらであるかに応じてセンターリブを交換する作業が不要になるので、プリンタ1の利便性を高めることができる。
【0050】
なお、本実施形態のプリンタ1は、第1の検出部15及び第2の検出部16の検出結果にそれぞれ基づいてセンターリブ17を移動するように構成されたが、第1の検出部15のみを備える構成であってもよく、シートロール3に向かってバックフィードされるシート3bが、印字機構6とシートロール3との間でたわむことを防ぐ効果が得られる。
【0051】
また、実施形態のプリンタは、シートロール3として、複数のラベル3aが配列されたシート3bが巻回されたシートロール3が用いられたが、印字ヘッドによって直接印字されるシートが巻回されたシートロールが用いられてもよい。この場合であっても、シートロールに向かってシートがバックフィードされるときにシートがたわまずにシートロールの周面にスムーズに巻き取ることができる効果が同様に得られる。
【符号の説明】
【0052】
1 プリンタ
3 シートロール
3a ラベル
3b シート
8 印字ヘッド
15 第1の検出部
16 第2の検出部
17 センターリブ
18 移動機構
19 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字手段によって印字されるシートが巻回されたシートロールから前記シートを供給するときの前記シートロールの回転方向を検出するための第1の検出手段と、
前記シートロールから供給された前記シートの搬送経路上に配され、前記シートロールに向かってバックフィードされる前記シートの厚み方向の位置を規制する規制部材と、
前記シートロールから供給される前記シートに対して前記規制部材を移動する移動手段と、
前記第1の検出手段からの検出結果に基づいて前記移動手段を制御する制御手段と、
を備えるシート供給機構。
【請求項2】
前記シートを供給する前記シートロールの回転速度を検出するための第2の検出手段を備え、
前記制御手段は、前記第2の検出手段からの検出結果に基づいて前記移動手段を制御する、請求項1に記載のシート供給機構。
【請求項3】
前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段が、共通のロータリエンコーダである、請求項2に記載のシート供給機構。
【請求項4】
前記移動手段は、前記シートロールの直径の変化に応じて、前記規制部材を連続的に移動させる、請求項2または3に記載のシート供給機構。
【請求項5】
前記移動手段は、前記シートロールに向かってバックフィードされる前記シートに対応するように前記規制部材を移動し、
前記制御手段は、前記シートロールに向かって前記シートをバックフィードする方向が、前記シートロールの周面から前記シートを供給するときの搬送経路に沿うように、前記移動手段を制御する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート供給機構。
【請求項6】
前記移動手段は、前記シートロールに向かってバックフィードされる前記シートに対応するように前記規制部材を移動し、
前記制御手段は、前記シートロールに向かって前記シートをバックフィードする方向が、前記シートロールの周面に接する接線に対して、前記シートロールの径方向の外側近傍に向かうように、前記移動手段を制御する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート供給機構。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート供給機構と、
前記シート供給機構から供給された前記シートに印字する印字手段と、を備えるプリンタ。
【請求項8】
印字手段によって印字されるシートが巻回されたシートロールから前記シートを供給するときの前記シートロールの回転方向に応じて、前記シートロールに向かってバックフィードされる前記シートの厚み方向の位置を規制する規制部材を移動する、シートの供給方法。
【請求項9】
前記シートを供給する前記シートロールの回転速度に応じて、前記規制部材を移動する、請求項8に記載のシート供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−63567(P2013−63567A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203216(P2011−203216)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(302069930)NECエンベデッドプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】