シート切断装置およびプリンタ
【課題】 シート切断機構を備えたプリンタにおいて不要物および紙粉の収容性能の向上、維持に効果があり、装置内配置の自由度も向上する。
【解決手段】 シートを切断する切断手段と、前記切断手段によって切断されたシートの断片を排出する排出手段と、前記排出手段から排出された前記断片に気流を当てるように送風する送風手段と、前記排出手段から排出されて落下した前記断片を収容する収容部とを有するシート切断装置である。
【解決手段】 シートを切断する切断手段と、前記切断手段によって切断されたシートの断片を排出する排出手段と、前記排出手段から排出された前記断片に気流を当てるように送風する送風手段と、前記排出手段から排出されて落下した前記断片を収容する収容部とを有するシート切断装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が形成されたシートから不要部を切断して、目的サイズの印刷物を作成するシート切断装置およびプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、単葉のシート状印刷物を得ることができるプリンタにおいては、成果物の目的サイズの媒体上に画像を形成するものと、目的サイズよりも大きな媒体に画像形成してから不要部を切断して目的サイズにするものに大別できる。
【0003】
後者のように画像形成後に切断する装置にはロール状の連続シートから単葉成果物を得ることができる規模の大きな装置があり、このような装置では装置内にシートの搬送手段と切断手段を持ち、装置内部にて成果物と不要部の分離も行っている。
【0004】
上記不要部の処理においては、機内の不要部収容容器内に効率よく不要部を収容することが一般的に求められている。
【0005】
また、切断手段に関しては切断時に発生する紙粉が成果物である印刷物に付着するなどの不具合を防止し、切断性能を維持するよう考慮することが必要である。
【0006】
特許文献1では、切断手段の下方に切れ端を収容する容器を設け、落下する切れ端を容器に収容している。さらに、容器の底をフィルタで構成し、フィルタの下方のファンによってファンの吸引力を用いて、切断後の不要物と紙粉をフィルタで捕捉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−335028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のように落下する切れ端を収容するためには切断手段の下方に切れ端を収容する容器を設ける必要があり、必ずしもユーザがアクセスしやすい位置に容器を配置することができない。また、切断後の不要物と紙粉をフィルタで捕捉するものであるため、不要物の収容が進むにつれてフィルタが閉塞しファンの吸引力が変化しやすい。
【0009】
本発明は上記課題の認識に基づいてなされたものであり、切断されたシートの断片を収容する収容部の配置の自由度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述のような課題を解決するための本発明は、シートを切断する切断手段と、前記切断手段によって切断されたシートの断片を排出する排出手段と、前記排出手段から排出された前記断片に気流を当てるように送風する送風手段と、前記排出手段から排出されて落下した前記断片を収容する収容部とを有するシート切断装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、シート切断装置のレイアウトの自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態であるシート切断装置を備えたプリンタの内部構成を示す断面の概略図。
【図2】本発明の実施形態であるシート切断装置を備えたプリンタの動作を説明するための概略図。
【図3】実施形態1のシート切断装置を含むシート切断搬送部の概略斜視図。
【図4】シート切断搬送部の構成を示す概略断面図。
【図5】切断前の連続シート上の画像形成例。
【図6】シート切断装置の動作を説明する図。
【図7】シート切断装置の動作を説明する図。
【図8】カッタユニットC1、C2を示す斜視図である。
【図9】カッタユニットC2およびベルトユニット602を示す斜視図である。
【図10】ベルトユニットの概略断面図。
【図11】シート切断搬送機構から関連部品のみ抜粋した概略部品配置図。
【図12】シート切断装置を含むシート切断搬送部と不要部収容部の概略斜視図。
【図13】不要部を収容する容器周辺の関連部品のみ抜粋した概略部品配置図。
【図14】ベルトユニット602及び半円筒状ガイド612を上から見た模式図である。
【図15】半円筒状ガイド612の円筒部内周面に接触した不要部SHwの模式図である。
【図16】半円筒状ガイド612によって方向を変えられた不要部SHwの様子を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、インクジェット方式を用いたプリンタにおける実施形態を説明する。本例のプリンタは、ロール状に巻かれた連続シートを使用した高速ラインプリンタであり、例えば、プリントラボ等における大量の枚数のプリントの分野に適しているものである。
【0014】
図1はプリンタの内部構成を示す断面の概略図である。
プリンタ内部には、大きくは、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、プリント部4、検査部5、シート切断搬送部6、情報記録部7、乾燥部8、排出搬送部10、ソータ部11、排出トレイ12、制御部13の各ユニットを備える。シートは、図中の実線で示したシート搬送経路に沿ってローラ対やベルトからなる搬送機構で搬送され、各ユニットで処理がなされる。
【0015】
シート供給部1は、ロール状に巻かれた連続シートを収納して供給するユニットである。シート供給部1は、2つのロールP1、P2を収納することが可能であり、択一的にシートを引き出して供給する構成となっている。なお、収納可能なロールは2つであることに限定はされず、1つ、あるいは3つ以上を収納するものであってもよい。
【0016】
デカール部2は、シート供給部1から供給されたシートのカール(反り)を軽減させるユニットである。デカール部2では、1つの駆動ローラに対して2つのピンチローラを用いて、カールの逆向きの反りを与えるようにシートを湾曲させてしごくことでカールを軽減させる。
【0017】
斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正するユニットである。基準となる側のシート端部をガイド部材に押し付けることにより、シートの斜行が矯正される。
【0018】
プリント部4は、搬送されるシートに対してプリントヘッド14によりシートの上に画像を形成するユニットである。プリント部4は、シートを搬送する複数の搬送ローラも備えている。プリントヘッド14は、使用が想定されるシートの最大幅をカバーする範囲でインクジェット方式のノズル列が形成されたライン型プリントヘッドを有する。プリントヘッド14は、複数のプリントヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられている。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンクからそれぞれインクチューブを介してプリントヘッド14に供給される。
【0019】
検査部5は、プリント部4でシートにプリントされた検査パターンや画像を光学的に読み取って、プリントヘッドのノズルの状態、シート搬送状態、画像位置等を検査するユニットである。
【0020】
シート切断搬送部6は、プリント後のシートを所定長さにカットする機械的なカッタを備えたユニットである。シート切断搬送部6は、シートを次工程に送り出すための複数の搬送ローラ、およびカットによって生じたゴミを貯留する空間も備え、本発明のシート切断装置を含んでいる。
【0021】
乾燥部8は、プリント部4でプリントされたシートを加熱して、付与されたインクを短時間に乾燥させるユニットである。乾燥部8は、ヒーターとシートを次工程に送り出すための搬送ベルト及び搬送ローラも備えている。
【0022】
排出搬送部10は、シート切断搬送部6でカットされ乾燥部8で乾燥させられたシートを搬送して、ソータ部11までシートを受け渡すためのユニットである。ソータ部11は必要に応じてプリント済みシートをグループ毎に排出トレイ12の異なるトレイに振り分けて排出するユニットである。
【0023】
制御部13は、プリンタ全体の各部の制御を司るユニットである。制御部13は、CPU、メモリ、各種I/Oインターフェースを備えたコントローラ15及び電源を有する。プリンタの動作は、コントローラ15又はコントローラ15にI/Oインターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等の外部機器16からの指令に基づいて制御される。
【0024】
図2はプリンタの動作を説明するための概略図である。
シート供給部1から供給されたシートがプリントされて排出トレイ12に排出されるまでの搬送経路を太線で示している。シート供給部1から供給され、デカール部2、斜行矯正部3でそれぞれ処理されたシートは、プリント部4において表面のプリントがなされる。プリントされたシートは検査部5を経て、シート切断搬送部6において予め設定されている所定の単位長さ毎にカットされる。そして、カットシートは一枚ずつ乾燥部8に搬送され乾燥が行なわれる。その後、排出搬送部10を経由して、ソータ部11のトレイ12に順次排出され積載されていく。
【0025】
以下に、シート切断装置を含むシート切断搬送部6の実施形態について、さらに詳しく説明する。
図3はシート切断搬送部6の概略斜視図であり、図4はシート切断搬送部6の構成を示す概略断面図である。
シート搬送路601は図4において右上側Aから左斜め下に向かい下方で屈曲して再度下方で右側Bへ向かう経路をとっている。
【0026】
シート搬送路601内には連続シートを切断するための切断手段としてカッタユニットC1、C2が配置されている。カッタユニットC1、C2はそれぞれ、シート搬送路601の上側に配置された可動刃と、下側に配置された固定刃を有するいわゆるスライド式カッタである。可動刃と固定刃はシート幅以上の長さを有する。
【0027】
搬送されるシートは切断の際に一時的に停止し、切断後に停止時間分を調整するために高速で次工程へ搬送される。
【0028】
切断時に発生する紙紛を吸引するために、第一カッタユニットC1、第二カッタユニットC2の上方に近接して吸引口605が配置されている。吸引口605は吸引ダクト604を介してファン606に接続されている。ファン606は流量の大きいシロッコファンである。
【0029】
図5は本発明の切断前連続シート上の画像形成例である。
搬送される連続シートSHrには完成印刷物となる部分である成果物SHcと不要部SHwが1枚ごと交互に印刷されている。連続シートから成果物SHcを切断生成する際には先に第一カッタユニットC1で成果物SHcの先端部に当たるSH1を切断し、後端に不要部SHwのついた成果物SHcを生成する。次に第二カッタユニットC2で成果物SHcの後端SH2を切断して、成果物生成を完了させ、連続シートSHrの紙幅長さを持つ細長い不要物SHwを下方に落下させる。
【0030】
図6、図7を用いて切断装置の動作を説明する。
図6(a)は印刷済のシートが切断位置に達するまでを表す。上流から搬送速度Vpで連続的に搬送される切断前連続シートSHrは同じ搬送速度で動作するカッタC1前後の搬送ローラ対R1、R2、R3を通過し切断位置に至る。切断位置を決めるためには例えば、シートの先端を搬送ローラ対R1通過後にエッジセンサSE2で検知し、検知後の搬送ローラ対R1の搬送量でカッタの刃間を通過してからの長さ、すなわち切断位置を決めることができる。また、エッジセンサSE2とは別にイメージセンサを用いて形成された画像を検知して切断位置を決めることも可能である。
【0031】
図6(b)はカッタC1によって切断位置SH1を切断している時の状態を表す。連続シートを狭持しているローラ対R1、R2、R3は停止し、カッタC1動作中にシートを保持する。カッタC1部でシートが停止されている間も画像が印刷された切断前連続シートSHrは上流から搬送されてくるため搬送ローラ対R1の上流に切断前連続シートSHrはループ状に貯留される。
【0032】
図6(c)はカッタC1切断完了直後の状態を表す。切断完了後にはループ状貯留の解消と切断前連続シートSHrと印刷物SHcの重なり防止のために、切断後の印刷物SHc側を、連続シート搬送速度Vpよりも早い速度Vhで搬送する。連続シート側の搬送ローラ対R1は停止させたまま、搬送ローラ対R2、R3、R4を搬送速度Vhで駆動し切断後の不要部SHwの付いた成果物SHcを第二カッタC2による切断位置まで搬送開始する。
【0033】
図6(d)は後端に不要部SHwの付いた印刷物SWcをVhで搬送した直後、更に微少時間経過後の状態を表す。連続シート側は搬送ローラ対R1が停止していた間に貯留していたループを解消するため、搬送ローラ対R1、R2で協働し、印刷物と連続シート先端が重ならないような条件かつVl>VpであるVlの速度でカッタからループを解消する規定長だけ搬送する。
【0034】
図7(a)は不要部SHwの付いた印刷物SWcが第二カッタC2切断位置に達した状態を表す。カッタC1で切断後に搬送速度Vhで搬送される連続シートの先端はエッジセンサSE4で検知され、検知後の搬送ローラ対R4の回転量で第二カッタC2の刃間を通過してからの長さ、すなわち切断位置を決めることができる。また、エッジセンサSE4とは別にイメージセンサを用いて形成された画像を検知して切断位置を決めることもカッタC1部同様に可能である。
【0035】
図7(b)は第二カッタC2によってSH2を切断している時の状態を表す。カッタC1で切断済みの不要部SHwの付いた印刷物SWcは第二カッタC2の下流のローラ対R4、R5により狭持され停止し、第二カッタC2動作中にシートを保持する。第二カッタC2の上流側に位置する不要部SHwは切断とともに切り離されて、重力による自由落下および空気の流れを補助として利用する手段によりシート搬送路内から排除される。
【0036】
図7(c)は第二カッタC2切断完了直後の状態を表す。第二カッタC2切断完了後の印刷物SHcは搬送ローラ対R4、R5、R6により連続シート搬送速度Vpよりも早い速度Vhで規定長LA2搬送する。これは印刷物SHcが、上流から高速逃げ速度Vhで搬送されるカッタC1による切断完了後の次の印刷物SWcと重なるのを防止するためである。
【0037】
図7(d)は図7(c)に続く状態を表す。印刷物SHcは搬送ローラ対R5、R6によって乾燥部8で必要な速度Vdで搬送され、印刷物SHcが離間した搬送ローラ対R4は図6(a)の状態に戻り搬送を繰り返す。
【0038】
図8はシート切断搬送部に含まれるカッタユニットC1およびC2の構成を示す概略図である。一般にスライド式と言われる方式であり、固定刃401と可動刃402で構成される。可動刃402は駆動源のカッタ用モータ403で駆動され、カム404と駆動側リンク405、従動側リンク406を介して固定刃401に対し斜めに当接しつつ上下移動する。可動刃402が最も固定刃から離れて上側に移動した上死点が通常搬送時に媒体をカッタの刃の間に案内させる位置であり、可動刃402が最も下側に下がった下死点は媒体切断が確実に完了した位置である。切断時の負荷は媒体条件等により大きく変動するため、カッタ用モータ403にはDCモータが使用される。カッタ用センサ407は可動刃402の位置を検知し、検知タイミングに応じてDCモータの両端子を直結させるショートブレーキによって停止させることで高速移動停止制御を実現する。通常は上死点で停止するようにカッタ用センサ407は配置され、さらに下死点で停止させたいときには同様のセンサを追加して対応することが可能である。
【0039】
次にベルトユニットについて説明する。
図9はカッタユニットC2およびベルトユニット602を示す斜視図である。図10は本発明のベルトユニットの概略図である。カッタユニットC2の下方にはベルトユニット602が配置されており、落下した不要物は駆動ベルト603に乗って、搬送方向と直角な方向に送られる。
【0040】
602はベルトユニット、で603は切断装置から断片となった不要部を収容する収容部である容器611まで不要部を搬送する搬送ベルトである。搬送ベルト603はプーリ603A、603Bに支持され、ベルトモータによって回転する駆動プーリ603Bによって駆動される。613は回転可能に支持されたプーリ613A、613B、613Cによって支持された挟持ベルトであり、搬送ベルト603の下流側の端部に接触してニップを形成する。挟持ベルト613は搬送ベルト603に従動する。切断装置から切断されて断片となった不要部SHwは落下して搬送ベルト603の上に載り、矢印方向に搬送される。搬送ベルト603によって搬送された不要部SHwは搬送ベルト603と挟持部材である挟持ベルト613によって挟持されて容器611に搬送される。
【0041】
607はファン606の排気側に接続されたダクトである。ダクト607は排気口608に接続されている。カッタユニットC1、C2に近接して配置されている吸引口605によって吸引された紙紛を含む空気は吸引ダクト604、ファン606、ダクト607を通って排気口608から排出される。これら、吸引ダクト604、ファン606、ダクト607、排気口608は不要部SHwに気流を当てるように送風する送風手段を構成する。排気口608は搬送ベルト603の下流側端部の下方近傍に配置されている。排気口608の排気方向はベルトユニット602の不要部排出方向と略平行である。排気口608から排出されるブロック矢印方向の気流は、搬送ベルト603と挟持ベルト613のニップで挟持された不要部SHwが大きく垂れ下がることを防ぐ。不要部SHwの後端がニップを通過すると、ほぼ水平の姿勢のまま容器611の中に落下する。
【0042】
図11は本発明のシート切断装置から関連部品のみ抜粋した概略部品配置図である。
図12は本発明のシート切断装置を含むシート切断搬送部と不要部収容部の概略斜視図である。
【0043】
不要部収容部である不要物収容容器611はベルトユニット602の不要部排出端部609に隣接する位置に配置される。不要部SHwは容器611の内部に落下するように排出され、排気口608からは紙紛の混ざった空気が容器611内に排出される。容器611は収容された不要部を廃棄するために装置から脱着自由である。
【0044】
図13は本発明の不要部を収容する容器周辺関連部品のみ抜粋した概略部品配置図である。
図13における容器611は上方から見て平行四辺形の形状をしており、ベルトユニット602の不要部排出方向に対して斜めであり、シートの幅方向より長い寸法になっている。また、容器611の上方にはガイド612が不図示の装置本体構造物に取付支持されて配置されている。不要部排出ガイド612は容器611の壁に沿って延びた半円筒形状部材である。ベルトユニット602から排出された不要部は半円筒形状部材の内周面に沿って長手方向にベルトユニット602の排出力とファン606の排気風力によってガイドされる。不要部はベルトユニット602の排出が完了してから円周方向に沿って下方に落下し、容器611の底に収容される。
【0045】
半円筒状ガイド612は、ベルトユニット602の出口に設置され、かつ容器611の長手方向と同じ方向に延びている。半円筒状ガイド612の下端は、ベルトユニット602出口よりも上下方向下部に配置させ、コシの弱いシート材の不要部SHwが排出された際も確実に半円筒状ガイド612へと導く様にすることが必要である。
【0046】
ベルトユニット602から排出された不要部SHwは、排出方向に対して傾いた方向に設置された半円筒状ガイド612によって方向を変えられ、容器611の長手方向に沿って整列されてから落下し、容器611内に堆積する。
【0047】
以下に、ベルトユニット602によって排出される不要部SHwが、排出方向から半円筒状ガイド612による案内方向に進行方向が変化する過程を説明する。
【0048】
図14は、ベルトユニット602及び半円筒状ガイド612を上から見た模式図である。図14における半円筒状ガイド612は、ベルトユニット602のおおよそ搬送面(搬送ベルト603の上面)で切断された断面図である。ベルトユニット602によって搬送された不要部SHwは、搬送ベルト603の搬送方向に対して任意の角度で設置された半円筒状ガイド612の円筒部の内周面に角部が接触する。
【0049】
半円筒状ガイド612の円筒部内周面は排出される不要部SHwの先端が当接する部分を有する。図15は、半円筒状ガイド612の円筒部内周面に接触した不要部SHwの模式図である。円筒部に接触した不要部SHwの角部は、二点鎖線にてあらわされる上下いずれかの方向に導かれる。先端角部が上下いずれかの方向に導かれた不要部SHwは、ベルトユニット602によって引き続き搬送を続けられているため、半円筒状ガイド612の内周面に沿ってねじれるように進行方向が変化する。このとき、不要部SHwがスムーズに導かれるよう、円筒部に摩擦を低減する様なコーティングを施すか、摩擦が少ないシート材などを張り付けることが望ましい。
【0050】
図16は、半円筒状ガイド612によって方向を変えられた不要部SHwの様子を表す模式図である。図16における半円筒状ガイド612は、図14同様の断面図である。半円筒状ガイド612の長手方向に進行方向が変化した不要部SHwは、ベルトユニット602の搬送力によって後端がベルトユニット602を外れるまで搬送される。不要部SHwは一部がベルトユニット602の搬送ベルト603と挟持ベルト613のニップに挟持されている間、半円筒状ガイド612の内周面の底部の部分によって下方から支持される。不要部SHwは後端がベルトユニット602のニップから外れると、半円筒状ガイド612と同様の長手方向に姿勢が変化した状態で、半円筒状ガイド612と同様の長手方向寸法をもつ容器611へと落下し、堆積される。
【0051】
さらに、半円筒状ガイド612は、容器611の上部に位置するため、容器611に堆積した不要部SHwを機外へと捨てる際には、容器611と半円筒状ガイド612が分離することが望ましい。半円筒状ガイド612は、容器611の上部に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0052】
上記実施形態によれば、シートの切断手段の下方に不要部を収容する容器を配置する必要が無いので、切断手段下部のスペースが搬送経路として使用できる。結果としてプリンタの小型化が可能となる。また、不要部を収容する容器の容積を大きくすることも可能となる。不要物および紙粉の収集収容性能を長期にわたり維持することも可能となる。
【符号の説明】
【0053】
C2 第二カッタユニット
SHc 切断後成果物
SHw 不要部
602 ベルトユニット
604 吸引ダクト
606 ファン
607 排気ダクト
611 容器
612 不要物排出ガイド
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が形成されたシートから不要部を切断して、目的サイズの印刷物を作成するシート切断装置およびプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、単葉のシート状印刷物を得ることができるプリンタにおいては、成果物の目的サイズの媒体上に画像を形成するものと、目的サイズよりも大きな媒体に画像形成してから不要部を切断して目的サイズにするものに大別できる。
【0003】
後者のように画像形成後に切断する装置にはロール状の連続シートから単葉成果物を得ることができる規模の大きな装置があり、このような装置では装置内にシートの搬送手段と切断手段を持ち、装置内部にて成果物と不要部の分離も行っている。
【0004】
上記不要部の処理においては、機内の不要部収容容器内に効率よく不要部を収容することが一般的に求められている。
【0005】
また、切断手段に関しては切断時に発生する紙粉が成果物である印刷物に付着するなどの不具合を防止し、切断性能を維持するよう考慮することが必要である。
【0006】
特許文献1では、切断手段の下方に切れ端を収容する容器を設け、落下する切れ端を容器に収容している。さらに、容器の底をフィルタで構成し、フィルタの下方のファンによってファンの吸引力を用いて、切断後の不要物と紙粉をフィルタで捕捉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−335028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のように落下する切れ端を収容するためには切断手段の下方に切れ端を収容する容器を設ける必要があり、必ずしもユーザがアクセスしやすい位置に容器を配置することができない。また、切断後の不要物と紙粉をフィルタで捕捉するものであるため、不要物の収容が進むにつれてフィルタが閉塞しファンの吸引力が変化しやすい。
【0009】
本発明は上記課題の認識に基づいてなされたものであり、切断されたシートの断片を収容する収容部の配置の自由度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述のような課題を解決するための本発明は、シートを切断する切断手段と、前記切断手段によって切断されたシートの断片を排出する排出手段と、前記排出手段から排出された前記断片に気流を当てるように送風する送風手段と、前記排出手段から排出されて落下した前記断片を収容する収容部とを有するシート切断装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、シート切断装置のレイアウトの自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態であるシート切断装置を備えたプリンタの内部構成を示す断面の概略図。
【図2】本発明の実施形態であるシート切断装置を備えたプリンタの動作を説明するための概略図。
【図3】実施形態1のシート切断装置を含むシート切断搬送部の概略斜視図。
【図4】シート切断搬送部の構成を示す概略断面図。
【図5】切断前の連続シート上の画像形成例。
【図6】シート切断装置の動作を説明する図。
【図7】シート切断装置の動作を説明する図。
【図8】カッタユニットC1、C2を示す斜視図である。
【図9】カッタユニットC2およびベルトユニット602を示す斜視図である。
【図10】ベルトユニットの概略断面図。
【図11】シート切断搬送機構から関連部品のみ抜粋した概略部品配置図。
【図12】シート切断装置を含むシート切断搬送部と不要部収容部の概略斜視図。
【図13】不要部を収容する容器周辺の関連部品のみ抜粋した概略部品配置図。
【図14】ベルトユニット602及び半円筒状ガイド612を上から見た模式図である。
【図15】半円筒状ガイド612の円筒部内周面に接触した不要部SHwの模式図である。
【図16】半円筒状ガイド612によって方向を変えられた不要部SHwの様子を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、インクジェット方式を用いたプリンタにおける実施形態を説明する。本例のプリンタは、ロール状に巻かれた連続シートを使用した高速ラインプリンタであり、例えば、プリントラボ等における大量の枚数のプリントの分野に適しているものである。
【0014】
図1はプリンタの内部構成を示す断面の概略図である。
プリンタ内部には、大きくは、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、プリント部4、検査部5、シート切断搬送部6、情報記録部7、乾燥部8、排出搬送部10、ソータ部11、排出トレイ12、制御部13の各ユニットを備える。シートは、図中の実線で示したシート搬送経路に沿ってローラ対やベルトからなる搬送機構で搬送され、各ユニットで処理がなされる。
【0015】
シート供給部1は、ロール状に巻かれた連続シートを収納して供給するユニットである。シート供給部1は、2つのロールP1、P2を収納することが可能であり、択一的にシートを引き出して供給する構成となっている。なお、収納可能なロールは2つであることに限定はされず、1つ、あるいは3つ以上を収納するものであってもよい。
【0016】
デカール部2は、シート供給部1から供給されたシートのカール(反り)を軽減させるユニットである。デカール部2では、1つの駆動ローラに対して2つのピンチローラを用いて、カールの逆向きの反りを与えるようにシートを湾曲させてしごくことでカールを軽減させる。
【0017】
斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正するユニットである。基準となる側のシート端部をガイド部材に押し付けることにより、シートの斜行が矯正される。
【0018】
プリント部4は、搬送されるシートに対してプリントヘッド14によりシートの上に画像を形成するユニットである。プリント部4は、シートを搬送する複数の搬送ローラも備えている。プリントヘッド14は、使用が想定されるシートの最大幅をカバーする範囲でインクジェット方式のノズル列が形成されたライン型プリントヘッドを有する。プリントヘッド14は、複数のプリントヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられている。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンクからそれぞれインクチューブを介してプリントヘッド14に供給される。
【0019】
検査部5は、プリント部4でシートにプリントされた検査パターンや画像を光学的に読み取って、プリントヘッドのノズルの状態、シート搬送状態、画像位置等を検査するユニットである。
【0020】
シート切断搬送部6は、プリント後のシートを所定長さにカットする機械的なカッタを備えたユニットである。シート切断搬送部6は、シートを次工程に送り出すための複数の搬送ローラ、およびカットによって生じたゴミを貯留する空間も備え、本発明のシート切断装置を含んでいる。
【0021】
乾燥部8は、プリント部4でプリントされたシートを加熱して、付与されたインクを短時間に乾燥させるユニットである。乾燥部8は、ヒーターとシートを次工程に送り出すための搬送ベルト及び搬送ローラも備えている。
【0022】
排出搬送部10は、シート切断搬送部6でカットされ乾燥部8で乾燥させられたシートを搬送して、ソータ部11までシートを受け渡すためのユニットである。ソータ部11は必要に応じてプリント済みシートをグループ毎に排出トレイ12の異なるトレイに振り分けて排出するユニットである。
【0023】
制御部13は、プリンタ全体の各部の制御を司るユニットである。制御部13は、CPU、メモリ、各種I/Oインターフェースを備えたコントローラ15及び電源を有する。プリンタの動作は、コントローラ15又はコントローラ15にI/Oインターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等の外部機器16からの指令に基づいて制御される。
【0024】
図2はプリンタの動作を説明するための概略図である。
シート供給部1から供給されたシートがプリントされて排出トレイ12に排出されるまでの搬送経路を太線で示している。シート供給部1から供給され、デカール部2、斜行矯正部3でそれぞれ処理されたシートは、プリント部4において表面のプリントがなされる。プリントされたシートは検査部5を経て、シート切断搬送部6において予め設定されている所定の単位長さ毎にカットされる。そして、カットシートは一枚ずつ乾燥部8に搬送され乾燥が行なわれる。その後、排出搬送部10を経由して、ソータ部11のトレイ12に順次排出され積載されていく。
【0025】
以下に、シート切断装置を含むシート切断搬送部6の実施形態について、さらに詳しく説明する。
図3はシート切断搬送部6の概略斜視図であり、図4はシート切断搬送部6の構成を示す概略断面図である。
シート搬送路601は図4において右上側Aから左斜め下に向かい下方で屈曲して再度下方で右側Bへ向かう経路をとっている。
【0026】
シート搬送路601内には連続シートを切断するための切断手段としてカッタユニットC1、C2が配置されている。カッタユニットC1、C2はそれぞれ、シート搬送路601の上側に配置された可動刃と、下側に配置された固定刃を有するいわゆるスライド式カッタである。可動刃と固定刃はシート幅以上の長さを有する。
【0027】
搬送されるシートは切断の際に一時的に停止し、切断後に停止時間分を調整するために高速で次工程へ搬送される。
【0028】
切断時に発生する紙紛を吸引するために、第一カッタユニットC1、第二カッタユニットC2の上方に近接して吸引口605が配置されている。吸引口605は吸引ダクト604を介してファン606に接続されている。ファン606は流量の大きいシロッコファンである。
【0029】
図5は本発明の切断前連続シート上の画像形成例である。
搬送される連続シートSHrには完成印刷物となる部分である成果物SHcと不要部SHwが1枚ごと交互に印刷されている。連続シートから成果物SHcを切断生成する際には先に第一カッタユニットC1で成果物SHcの先端部に当たるSH1を切断し、後端に不要部SHwのついた成果物SHcを生成する。次に第二カッタユニットC2で成果物SHcの後端SH2を切断して、成果物生成を完了させ、連続シートSHrの紙幅長さを持つ細長い不要物SHwを下方に落下させる。
【0030】
図6、図7を用いて切断装置の動作を説明する。
図6(a)は印刷済のシートが切断位置に達するまでを表す。上流から搬送速度Vpで連続的に搬送される切断前連続シートSHrは同じ搬送速度で動作するカッタC1前後の搬送ローラ対R1、R2、R3を通過し切断位置に至る。切断位置を決めるためには例えば、シートの先端を搬送ローラ対R1通過後にエッジセンサSE2で検知し、検知後の搬送ローラ対R1の搬送量でカッタの刃間を通過してからの長さ、すなわち切断位置を決めることができる。また、エッジセンサSE2とは別にイメージセンサを用いて形成された画像を検知して切断位置を決めることも可能である。
【0031】
図6(b)はカッタC1によって切断位置SH1を切断している時の状態を表す。連続シートを狭持しているローラ対R1、R2、R3は停止し、カッタC1動作中にシートを保持する。カッタC1部でシートが停止されている間も画像が印刷された切断前連続シートSHrは上流から搬送されてくるため搬送ローラ対R1の上流に切断前連続シートSHrはループ状に貯留される。
【0032】
図6(c)はカッタC1切断完了直後の状態を表す。切断完了後にはループ状貯留の解消と切断前連続シートSHrと印刷物SHcの重なり防止のために、切断後の印刷物SHc側を、連続シート搬送速度Vpよりも早い速度Vhで搬送する。連続シート側の搬送ローラ対R1は停止させたまま、搬送ローラ対R2、R3、R4を搬送速度Vhで駆動し切断後の不要部SHwの付いた成果物SHcを第二カッタC2による切断位置まで搬送開始する。
【0033】
図6(d)は後端に不要部SHwの付いた印刷物SWcをVhで搬送した直後、更に微少時間経過後の状態を表す。連続シート側は搬送ローラ対R1が停止していた間に貯留していたループを解消するため、搬送ローラ対R1、R2で協働し、印刷物と連続シート先端が重ならないような条件かつVl>VpであるVlの速度でカッタからループを解消する規定長だけ搬送する。
【0034】
図7(a)は不要部SHwの付いた印刷物SWcが第二カッタC2切断位置に達した状態を表す。カッタC1で切断後に搬送速度Vhで搬送される連続シートの先端はエッジセンサSE4で検知され、検知後の搬送ローラ対R4の回転量で第二カッタC2の刃間を通過してからの長さ、すなわち切断位置を決めることができる。また、エッジセンサSE4とは別にイメージセンサを用いて形成された画像を検知して切断位置を決めることもカッタC1部同様に可能である。
【0035】
図7(b)は第二カッタC2によってSH2を切断している時の状態を表す。カッタC1で切断済みの不要部SHwの付いた印刷物SWcは第二カッタC2の下流のローラ対R4、R5により狭持され停止し、第二カッタC2動作中にシートを保持する。第二カッタC2の上流側に位置する不要部SHwは切断とともに切り離されて、重力による自由落下および空気の流れを補助として利用する手段によりシート搬送路内から排除される。
【0036】
図7(c)は第二カッタC2切断完了直後の状態を表す。第二カッタC2切断完了後の印刷物SHcは搬送ローラ対R4、R5、R6により連続シート搬送速度Vpよりも早い速度Vhで規定長LA2搬送する。これは印刷物SHcが、上流から高速逃げ速度Vhで搬送されるカッタC1による切断完了後の次の印刷物SWcと重なるのを防止するためである。
【0037】
図7(d)は図7(c)に続く状態を表す。印刷物SHcは搬送ローラ対R5、R6によって乾燥部8で必要な速度Vdで搬送され、印刷物SHcが離間した搬送ローラ対R4は図6(a)の状態に戻り搬送を繰り返す。
【0038】
図8はシート切断搬送部に含まれるカッタユニットC1およびC2の構成を示す概略図である。一般にスライド式と言われる方式であり、固定刃401と可動刃402で構成される。可動刃402は駆動源のカッタ用モータ403で駆動され、カム404と駆動側リンク405、従動側リンク406を介して固定刃401に対し斜めに当接しつつ上下移動する。可動刃402が最も固定刃から離れて上側に移動した上死点が通常搬送時に媒体をカッタの刃の間に案内させる位置であり、可動刃402が最も下側に下がった下死点は媒体切断が確実に完了した位置である。切断時の負荷は媒体条件等により大きく変動するため、カッタ用モータ403にはDCモータが使用される。カッタ用センサ407は可動刃402の位置を検知し、検知タイミングに応じてDCモータの両端子を直結させるショートブレーキによって停止させることで高速移動停止制御を実現する。通常は上死点で停止するようにカッタ用センサ407は配置され、さらに下死点で停止させたいときには同様のセンサを追加して対応することが可能である。
【0039】
次にベルトユニットについて説明する。
図9はカッタユニットC2およびベルトユニット602を示す斜視図である。図10は本発明のベルトユニットの概略図である。カッタユニットC2の下方にはベルトユニット602が配置されており、落下した不要物は駆動ベルト603に乗って、搬送方向と直角な方向に送られる。
【0040】
602はベルトユニット、で603は切断装置から断片となった不要部を収容する収容部である容器611まで不要部を搬送する搬送ベルトである。搬送ベルト603はプーリ603A、603Bに支持され、ベルトモータによって回転する駆動プーリ603Bによって駆動される。613は回転可能に支持されたプーリ613A、613B、613Cによって支持された挟持ベルトであり、搬送ベルト603の下流側の端部に接触してニップを形成する。挟持ベルト613は搬送ベルト603に従動する。切断装置から切断されて断片となった不要部SHwは落下して搬送ベルト603の上に載り、矢印方向に搬送される。搬送ベルト603によって搬送された不要部SHwは搬送ベルト603と挟持部材である挟持ベルト613によって挟持されて容器611に搬送される。
【0041】
607はファン606の排気側に接続されたダクトである。ダクト607は排気口608に接続されている。カッタユニットC1、C2に近接して配置されている吸引口605によって吸引された紙紛を含む空気は吸引ダクト604、ファン606、ダクト607を通って排気口608から排出される。これら、吸引ダクト604、ファン606、ダクト607、排気口608は不要部SHwに気流を当てるように送風する送風手段を構成する。排気口608は搬送ベルト603の下流側端部の下方近傍に配置されている。排気口608の排気方向はベルトユニット602の不要部排出方向と略平行である。排気口608から排出されるブロック矢印方向の気流は、搬送ベルト603と挟持ベルト613のニップで挟持された不要部SHwが大きく垂れ下がることを防ぐ。不要部SHwの後端がニップを通過すると、ほぼ水平の姿勢のまま容器611の中に落下する。
【0042】
図11は本発明のシート切断装置から関連部品のみ抜粋した概略部品配置図である。
図12は本発明のシート切断装置を含むシート切断搬送部と不要部収容部の概略斜視図である。
【0043】
不要部収容部である不要物収容容器611はベルトユニット602の不要部排出端部609に隣接する位置に配置される。不要部SHwは容器611の内部に落下するように排出され、排気口608からは紙紛の混ざった空気が容器611内に排出される。容器611は収容された不要部を廃棄するために装置から脱着自由である。
【0044】
図13は本発明の不要部を収容する容器周辺関連部品のみ抜粋した概略部品配置図である。
図13における容器611は上方から見て平行四辺形の形状をしており、ベルトユニット602の不要部排出方向に対して斜めであり、シートの幅方向より長い寸法になっている。また、容器611の上方にはガイド612が不図示の装置本体構造物に取付支持されて配置されている。不要部排出ガイド612は容器611の壁に沿って延びた半円筒形状部材である。ベルトユニット602から排出された不要部は半円筒形状部材の内周面に沿って長手方向にベルトユニット602の排出力とファン606の排気風力によってガイドされる。不要部はベルトユニット602の排出が完了してから円周方向に沿って下方に落下し、容器611の底に収容される。
【0045】
半円筒状ガイド612は、ベルトユニット602の出口に設置され、かつ容器611の長手方向と同じ方向に延びている。半円筒状ガイド612の下端は、ベルトユニット602出口よりも上下方向下部に配置させ、コシの弱いシート材の不要部SHwが排出された際も確実に半円筒状ガイド612へと導く様にすることが必要である。
【0046】
ベルトユニット602から排出された不要部SHwは、排出方向に対して傾いた方向に設置された半円筒状ガイド612によって方向を変えられ、容器611の長手方向に沿って整列されてから落下し、容器611内に堆積する。
【0047】
以下に、ベルトユニット602によって排出される不要部SHwが、排出方向から半円筒状ガイド612による案内方向に進行方向が変化する過程を説明する。
【0048】
図14は、ベルトユニット602及び半円筒状ガイド612を上から見た模式図である。図14における半円筒状ガイド612は、ベルトユニット602のおおよそ搬送面(搬送ベルト603の上面)で切断された断面図である。ベルトユニット602によって搬送された不要部SHwは、搬送ベルト603の搬送方向に対して任意の角度で設置された半円筒状ガイド612の円筒部の内周面に角部が接触する。
【0049】
半円筒状ガイド612の円筒部内周面は排出される不要部SHwの先端が当接する部分を有する。図15は、半円筒状ガイド612の円筒部内周面に接触した不要部SHwの模式図である。円筒部に接触した不要部SHwの角部は、二点鎖線にてあらわされる上下いずれかの方向に導かれる。先端角部が上下いずれかの方向に導かれた不要部SHwは、ベルトユニット602によって引き続き搬送を続けられているため、半円筒状ガイド612の内周面に沿ってねじれるように進行方向が変化する。このとき、不要部SHwがスムーズに導かれるよう、円筒部に摩擦を低減する様なコーティングを施すか、摩擦が少ないシート材などを張り付けることが望ましい。
【0050】
図16は、半円筒状ガイド612によって方向を変えられた不要部SHwの様子を表す模式図である。図16における半円筒状ガイド612は、図14同様の断面図である。半円筒状ガイド612の長手方向に進行方向が変化した不要部SHwは、ベルトユニット602の搬送力によって後端がベルトユニット602を外れるまで搬送される。不要部SHwは一部がベルトユニット602の搬送ベルト603と挟持ベルト613のニップに挟持されている間、半円筒状ガイド612の内周面の底部の部分によって下方から支持される。不要部SHwは後端がベルトユニット602のニップから外れると、半円筒状ガイド612と同様の長手方向に姿勢が変化した状態で、半円筒状ガイド612と同様の長手方向寸法をもつ容器611へと落下し、堆積される。
【0051】
さらに、半円筒状ガイド612は、容器611の上部に位置するため、容器611に堆積した不要部SHwを機外へと捨てる際には、容器611と半円筒状ガイド612が分離することが望ましい。半円筒状ガイド612は、容器611の上部に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0052】
上記実施形態によれば、シートの切断手段の下方に不要部を収容する容器を配置する必要が無いので、切断手段下部のスペースが搬送経路として使用できる。結果としてプリンタの小型化が可能となる。また、不要部を収容する容器の容積を大きくすることも可能となる。不要物および紙粉の収集収容性能を長期にわたり維持することも可能となる。
【符号の説明】
【0053】
C2 第二カッタユニット
SHc 切断後成果物
SHw 不要部
602 ベルトユニット
604 吸引ダクト
606 ファン
607 排気ダクト
611 容器
612 不要物排出ガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを切断する切断手段と、
前記切断手段によって切断されたシートの断片を排出する排出手段と、
前記排出手段から排出された前記断片に気流を当てるように送風する送風手段と、
前記排出手段から排出されて落下した前記断片を収容する収容部と、
を有するシート切断装置。
【請求項2】
前記送風手段は前記切断手段の近傍から吸引した空気を送風する請求項1に記載のシート切断装置。
【請求項3】
前記排出手段は、切断されたシートの断片が落下する位置に配置され、前記断片を載せて搬送する搬送ベルトを有する請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記送風手段は前記搬送ベルトから排出される前記断片に前記断片が排出される方向とおよそ同じ方向であって下側から送風する請求項3に記載のシート切断装置。
【請求項5】
前記送風手段は前記搬送ベルトの下流側端部の下方近傍から送風する請求項4に記載のシート切断装置。
【請求項6】
前記収容部の上方には前記排出手段から排出される断片を案内するガイドを設け、前記ガイドは前記断片を排出方向に対して傾いた方向に案内する請求項1に記載のシート切断装置。
【請求項7】
前記ガイドの断片を案内する面は、排出される断片の先端に当接する部分と断片を下方から支持する部分を有する請求項6に記載のシート切断装置。
【請求項8】
前記ガイドは案内方向に沿う半円筒形状部材であり、前記送風手段は前記半円筒形状部材の内周面に送風する請求項7に記載のシート切断装置。
【請求項9】
前記半円筒形状部材の内周面に摩擦を低減するコーティングが施されている請求項8に記載のシート切断装置。
【請求項10】
前記ガイドは前記収容部に着脱可能である請求項6に記載のシート切断装置。
【請求項11】
シートに画像を形成するプリント部と、
前記プリント部によって画像が形成されたシートを切断する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のシート切断装置を備えたプリンタ。
【請求項1】
シートを切断する切断手段と、
前記切断手段によって切断されたシートの断片を排出する排出手段と、
前記排出手段から排出された前記断片に気流を当てるように送風する送風手段と、
前記排出手段から排出されて落下した前記断片を収容する収容部と、
を有するシート切断装置。
【請求項2】
前記送風手段は前記切断手段の近傍から吸引した空気を送風する請求項1に記載のシート切断装置。
【請求項3】
前記排出手段は、切断されたシートの断片が落下する位置に配置され、前記断片を載せて搬送する搬送ベルトを有する請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記送風手段は前記搬送ベルトから排出される前記断片に前記断片が排出される方向とおよそ同じ方向であって下側から送風する請求項3に記載のシート切断装置。
【請求項5】
前記送風手段は前記搬送ベルトの下流側端部の下方近傍から送風する請求項4に記載のシート切断装置。
【請求項6】
前記収容部の上方には前記排出手段から排出される断片を案内するガイドを設け、前記ガイドは前記断片を排出方向に対して傾いた方向に案内する請求項1に記載のシート切断装置。
【請求項7】
前記ガイドの断片を案内する面は、排出される断片の先端に当接する部分と断片を下方から支持する部分を有する請求項6に記載のシート切断装置。
【請求項8】
前記ガイドは案内方向に沿う半円筒形状部材であり、前記送風手段は前記半円筒形状部材の内周面に送風する請求項7に記載のシート切断装置。
【請求項9】
前記半円筒形状部材の内周面に摩擦を低減するコーティングが施されている請求項8に記載のシート切断装置。
【請求項10】
前記ガイドは前記収容部に着脱可能である請求項6に記載のシート切断装置。
【請求項11】
シートに画像を形成するプリント部と、
前記プリント部によって画像が形成されたシートを切断する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のシート切断装置を備えたプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−86250(P2013−86250A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232050(P2011−232050)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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